JP2004036560A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機関弁6に当接する弁当接部15ならびに動弁カム16に接触するカム当接部17を有するロッカアーム18Aに、動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりの揺動を可能として一端部が機関本体1に支承される一対のリンクアーム19A,20Aの他端部が、前記回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能として直接連結され、両リンクアーム19A,20Aの少なくとも一方の一端部が、動弁カム16の回転軸線に直交する平面内での無段階の移動を可能として機関本体1に揺動可能に支承される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁装置に関し、特に、機関弁の開弁リフト量を無段階に変化させ得るようにした内燃機関の動弁装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
機関弁の開弁リフト量を無段階に変化させ得るようにした内燃機関の動弁装置は、たとえば特開平8−74534号公報等で既に知られており、このものでは、機関弁に当接する弁当接部を一端側に有するロッカアームの他端部にプッシュロッドの一端が嵌合されており、このプッシュロッドの他端および動弁カム間にリンク機構が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来のような動弁装置では、リンク機構およびプッシュロッドを配置するための比較的大きなスペースを動弁カムおよびロッカアーム間に確保する必要があり、動弁装置が大型化する。しかも動弁カムからの駆動力がリンク機構およびプッシュロッドを介してロッカアームに伝達されるので、動弁カムに対するロッカアームの追従性すなわち機関弁の開閉作動追従性が優れているとは言い難い。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コンパクト化を図るとともに、動弁カムに対する優れた追従性を確保しつつ、機関弁の開弁リフト量を無段階に変化させ得るようにした内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、機関弁に当接する弁当接部ならびに動弁カムに接触するカム当接部を有するロッカアームと、前記動弁カムの回転軸線と平行な軸線まわりの揺動を可能として一端部が機関本体に支承されるとともに他端部が前記回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能として前記ロッカアームに直接連結される一対のリンクアームとを備え、前記両リンクアームの少なくとも一方の前記一端部が、前記動弁カムの回転軸線に直交する平面内での無段階の移動を可能として前記機関本体に揺動可能に支承されることを特徴とする。
【0006】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、両リンクアームの少なくとも一方の機関本体への揺動支持点を無段階に変化させることで、機関弁の開弁リフト量を無段階に変化させることができる。しかも一対のリンクアームはロッカアームに直接連結されるものであり、両リンクアームを配置するためのスペースを少なくして動弁装置のコンパクト化を図ることができ、動弁カムからの動力はロッカアームに直接伝達されるので、動弁カムに対する優れた追従性を確保することができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記弁当接部が一端部に設けられる前記ロッカアームの他端部に、前記両リンクアームの他端部が並列して相対回動可能に連結されることを特徴とし、かかる構成によれば、両リンクアームをよりコンパクトに配置することで、動弁弁置のより一層のコンパクト化が可能となる。
【0008】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記両リンクアームのうち前記動弁カムに近い側のリンクアームの一端部は固定位置で機関本体に揺動可能に支承され、前記両リンクアームのうち前記動弁カムから遠い側のリンクアームの一端部が、移動可能として前記機関本体に揺動可能に支承されることを特徴とし、かかる構成によれば、一端部を移動可能としたリンクアームの移動距離を、動弁カムとの干渉を回避しつつ容易に確保することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図4は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は開弁リフト量を大とした状態での閉弁作動時の動弁装置を示す内燃機関の一部縦断面図、図2は開弁リフト量を小とした状態での閉弁作動時の動弁装置を示す内燃機関の一部縦断面図、図3は開弁リフト量を大とした状態での開弁作動時の図2に対応した断面図、図4は開弁リフト量を小とした状態での開弁作動時の図2に対応した断面図である。
【0011】
先ず図1において、この内燃機関の機関本体1の一部を構成するシリンダヘッド2には、燃焼室3に通じ得る吸気ポート4および排気ポート5が設けられるとともに、吸気ポート4から燃焼室3への混合気流入量を制御する機関弁としての吸気弁6と、燃焼室3から排気ポート5への燃焼排ガスの排出量を制御する排気弁7が開閉自在に配設される。
【0012】
シリンダヘッド2には、吸気弁6の開閉作動をガイドするガイド筒8と、排気弁7の開閉作動をガイドするガイド筒9とが設けられる。ガイド筒8から突出した吸気弁6の上部にはリテーナ10が固定され、該リテーナ10およびシリンダヘッド2間に設けられる弁ばね12により吸気弁6は閉弁方向に付勢される。またガイド筒9から突出した排気弁7の上部にはリテーナ11が固定され、該リテーナ11およびシリンダヘッド2間に設けられる弁ばね13により排気弁7は閉弁方向に付勢される。
【0013】
吸気弁6を開閉駆動する動弁装置は、シリンダヘッド2ならびにシリンダヘッド2に結合されるホルダ(図示せず)で回転可能に支承されて吸気弁6の上方に配置されるカムシャフト14と、吸気弁6の上端に当接する弁当接部としてのタペットねじ15を有するとともに前記カムシャフト14に設けられた動弁カム16に接触するカム当接部としてのローラ17を有してカムシャフト14の上方に配置されるロッカアーム18Aと、該ロッカアーム18Aに連結される第1および第2リンクアーム19A,20Aとを備える。
【0014】
タペットねじ15は、その進退位置を調節可能としてロッカアーム18Aの一端部に螺合されており、動弁カム16に転がり接触するローラ17は、動弁カム16の回転軸線すなわちカムシャフト14の軸線と平行な軸線を有してロッカアーム18Aの他端部に設けられた円筒状の支持筒21で、回転可能に支承される。
【0015】
第1および第2リンクアーム19A,20Aの一端部には、前記カムシャフト14と平行な軸線を有する支軸22A,23Aがそれぞれ設けられており、両支軸22A,23Aは、機関本体1におけるシリンダヘッド2に回動可能に連結される。すなわち第1および第2リンクアーム19A,20Aの一端部は動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりに揺動することを可能としてシリンダヘッド2に支承される。
【0016】
また第1リンクアーム19Aの他端部は動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能としてロッカアーム18Aの他端部に直接連結され、第1リンクアーム19Aの上方に配置された第2リンクアーム20Aの他端部は、第1リンクアーム19Aの他端部に上方で並列するようにしてロッカアーム18Aの他端部に動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能として直接連結される。すなわち第1リンクアーム19Aの他端部は前記支持筒21に連結され、第2リンクアーム20Aの他端部は、ローラ17と平行な連結軸24を介して前記ローラ17よりも上方でロッカアーム18Aの他端部に連結される。
【0017】
ところで、第1および第2リンクアーム19A,20Aのうち動弁カム16に近い側である第1リンクアーム19Aの一端部に設けられる支軸22Aが固定位置でシリンダヘッド2に揺動可能に支承されるのに対し、第1および第2リンクアーム19A,20Aのうち動弁カム16から遠い側である第2リンクアーム20Aの一端部に設けられる支軸23Aは、動弁カム16の回転軸線すなわちカムシャフト14の軸線に直交する平面内での無段階の移動を可能としてシリンダヘッド2に揺動可能に支承されるものであり、電動モータ、電磁アクチュエータおよび油圧機構等により駆動される。
【0018】
しかも第1および第2リンクアーム19A,20Aの一端部は、それらのリンクアーム19A,20Aの他端部に関して吸気弁6とは反対側に配置されるものであり、そのような配置とすることで、第1および第2リンクアーム19A,20Aの一端部の回動支持構造および第2リンクアーム20Aの一端部の駆動構造が、吸気弁6に関連するリテーナ10や弁ばね12等の部材と干渉することを回避するこ0とができる。
【0019】
またローラ17を動弁カム16に常時摺接させるために、たとえば第1リンクアーム19Aの一端部に設けられる支軸22Aを囲繞する捩じりばね25が、第1リンクアーム19Aおよびシリンダヘッド2間に設けられる。
【0020】
このような動弁装置において、吸気弁6のリフト量を最大とするときには、第2リンクアーム20Aの支軸23Aを図1で示す位置に配置するのに対し、たとえば最大リフト量の20%程度に吸気弁6のリフト量を小さくするとときには、第2リンクアーム20Aの支軸23Aを図2で示すように図1の位置(鎖線で示す位置)から下方に移動せしめる。
【0021】
而してロッカアーム18Aの瞬間中心Cは、支軸22Aおよび支持筒21に軸線を結ぶ直線ならびに支軸23Aおよび連結軸の軸線を結ぶ直線の交点であり、支軸23Aが図1で示す位置にあるときのロッカアーム18Aの瞬間中心Cに対して、支軸23Aが図2で示す位置に移動したときのロッカアーム18Aの瞬間中心Cは吸気弁6に近接した位置に変位することになる。これにより、タペットねじ15の吸気弁6への接触点および瞬間中心C間の距離Aと、ローラ17の動弁カム16への接触点および瞬間中心C間の距離Bとの比であるレバー比(=A/B)が変化することになり、図2の状態でのレバー比は図1の状態でのレバー比よりも小さくなる。
【0022】
このようなレバー比の変化により、支軸23Aが図1で示す位置にあるときに、ローラ17すなわちロッカアーム18Aの他端部が動弁カム16で押し上げられると、図3で示すように、吸気弁6の開弁リフト量L1が最大となるのに対し、支軸23Aが図2で示す位置にあるときに、ローラ17すなわちロッカアーム18Aの他端部が動弁カム16で押し上げられると、図4で示すように、吸気弁6の開弁リフト量L2が最大リフト量L1のたとえば20%程度となる。
【0023】
しかも支軸23Aの位置は無段階に変更可能であり、その支軸23Aの無段階の変化によってレバー比を無段階に変化させることができ、それにより吸気弁6の開弁リフト量を無段階に変化させることができる。
【0024】
また排気弁7を開閉駆動する動弁装置は、排気弁7の上端に当接する弁当接部としてのタペットねじ15を一端部に有するロッカアーム18を備えて、吸気弁6を開閉駆動する上記動弁装置と同様に構成される。
【0025】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりの揺動を可能として一端部がシリンダヘッド2に支承される第1および第2リンクアーム19A,20Aの他端部が、前記回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能としてロッカアーム18Aに直接連結され、第2リンクアーム20Aの前記一端部が、動弁カム16の回転軸線に直交する平面内での無段階の移動を可能としてシリンダヘッド2に揺動可能に支承されている。
【0026】
したがって第2リンクアーム20Aのシリンダヘッド2への揺動支持点を無段階に変化させることでロッカアーム18Aの瞬間中心Cが変化することになり、レバー比を無段階に変化させることができ、それにより吸気弁6の開弁リフト量を無段階に変化させることができる。
【0027】
しかも第1および第2リンクアーム19A,20Aはロッカアーム18Aに直接連結されるものであり、両リンクアーム19A,20Aを配置するためのスペースを少なくして動弁装置のコンパクト化を図ることができ、動弁カム16からの動力はロッカアーム18Aに直接伝達されるので、動弁カム16に対する優れた追従性を確保することができる。
【0028】
また第1および第2リンクアーム19A,20Aの他端部は、タペットねじ15が一端部に設けられるロッカアーム18Aの他端部に、並列して相対回動可能に連結されるものであり、両リンクアーム19A,20Aをよりコンパクトに配置することで、動弁弁置のより一層のコンパクト化が可能となる。
【0029】
さらに両リンクアーム19A,20Aのうち動弁カム16に近い側である第1リンクアーム19Aの一端部は固定位置でシリンダヘッド2に揺動可能に支承され、両リンクアーム19A,20Aのうち動弁カム16から遠い側である第2リンクアーム20Aの一端部が、移動可能としてシリンダヘッド2に揺動可能に支承されるので、一端部を移動可能とした第2リンクアーム20Aの移動距離を、動弁カム16との干渉を回避しつつ容易に確保することができる。
【0030】
図5〜図8は本発明の第2実施例を示すものであり、図5は開弁リフト量を大とした状態での閉弁作動時の動弁装置を示す内燃機関の一部縦断面図、図6は開弁リフト量を小とした状態での閉弁作動時の図5に対応した断面図、図7は開弁リフト量を大とした状態での開弁作動時の図5に対応した断面図、図8は開弁リフト量を小とした状態での開弁作動時の図5に対応した断面図である。
【0031】
図5において、吸気弁6を開閉駆動する動弁装置は、シリンダヘッド2ならびにシリンダヘッド2に結合されるホルダ(図示せず)で回転可能に支承されて吸気弁6の上方に配置されるカムシャフト14と、吸気弁6の上端に当接する弁当接部としてのタペットねじ15を有するとともに前記カムシャフト14に設けられた動弁カム16に接触するカム当接部としてのローラ17を有してカムシャフト14の下方に配置されるロッカアーム18Bと、該ロッカアーム18Bに連結される第1および第2リンクアーム19B,20Bとを備える。
【0032】
動弁カム16に転がり接触するローラ17は、カムシャフト14の軸線と平行な軸線を有してロッカアーム18Bの他端側上部に設けられた円筒状の支持筒21で、回転可能に支承される。
【0033】
第1および第2リンクアーム19B,20Bの一端部には、前記カムシャフト14と平行な軸線を有する支軸22B,23Bがそれぞれ設けられており、両支軸22B,23Bはシリンダヘッド2に回動可能に連結される。すなわち第1および第2リンクアーム19B,20Bの一端部は動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりに揺動することを可能としてシリンダヘッド2に支承される。
【0034】
第1リンクアーム19Bの他端部は前記支持筒21に連結される。すなわち第1リンクアーム19Bの他端部は動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能としてロッカアーム18Bの他端部に直接連結される。また第2リンクアーム20Bは第1リンクアーム19Bの下方に配置されており、第2リンクアーム20Bの他端部は、ローラ17と平行な連結軸24を介して前記ローラ17よりも下方でロッカアーム18Bの他端部に連結される。すなわち第2リンクアーム20Bの他端部は、第1リンクアーム19Bの他端部に下方で並列するようにして、ロッカアーム18Bの他端部に動弁カム16の回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能として直接連結される。
【0035】
しかも第1および第2リンクアーム19B,20Bのうち動弁カム16に近い側である第1リンクアーム19Bの一端部に設けられる支軸22Bが固定位置でシリンダヘッド2に揺動可能に支承されるのに対し、第1および第2リンクアーム19B,20Bのうち動弁カム16から遠い側である第2リンクアーム20Bの一端部に設けられる支軸23Bは、動弁カム16の回転軸線すなわちカムシャフト14の軸線に直交する平面内での無段階の移動を可能としてシリンダヘッド2に揺動可能に支承される。
【0036】
またローラ17を動弁カム16に常時摺接させるために、たとえば第1リンクアーム19Bの他端部に設けられる支持筒21を囲繞する捩じりばね25が、第1リンクアーム19Bおよびロッカアーム18B間に設けられる。
【0037】
このような動弁装置において、吸気弁6のリフト量を最大とするときには、第2リンクアーム20Bの支軸23Bを図5で示す位置に配置するのに対し、たとえばリフト量を「0」とするように吸気弁6のリフト量を小さくするとときには、第2リンクアーム20Bの支軸23Bを図6で示すように図5の位置(鎖線で示す位置)から下方に移動せしめる。
【0038】
而して支軸23Bが図5で示す位置にあるときに、ローラ17すなわちロッカアーム18Bの他端部が動弁カム16で押し下げられると、図7で示すように、吸気弁6の開弁リフト量が最大となるのに対し、支軸23Bが図6で示す位置にあるときに、ローラ17すなわちロッカアーム18Bの他端部が動弁カム16で押し下げられると、図8で示すように、吸気弁6は閉弁休止したままとなる。
【0039】
しかも支軸23Bの位置は無段階に変更可能であり、その支軸23Bの無段階の変化によって吸気弁6の開弁リフト量を無段階に変化させることができる。
【0040】
この第2実施例によっても、第2リンクアーム20Bのシリンダヘッド2への揺動支持点を無段階に変化させることで、吸気弁6の開弁リフト量を無段階に変化させることができる。
【0041】
しかも第1および第2リンクアーム19B,20Bはロッカアーム18Bに直接連結されるものであり、両リンクアーム19B,20Bを配置するためのスペースを少なくして動弁装置のコンパクト化を図ることができ、動弁カム16からの動力はロッカアーム18Bに直接伝達されるので、動弁カム16に対する優れた追従性を確保することができる。
【0042】
また第1および第2リンクアーム19B,20Bの他端部は、タペットねじ15が一端部に設けられるロッカアーム18Bの他端部に、並列して相対回動可能に連結されるものであり、両リンクアーム19B,20Bをよりコンパクトに配置することで、動弁弁置のより一層のコンパクト化が可能となる。
【0043】
さらに両リンクアーム19B,20Bのうち動弁カム16に近い側である第1リンクアーム19Bの一端部は固定位置でシリンダヘッド2に揺動可能に支承され、両リンクアーム19B,20Bのうち動弁カム16から遠い側である第2リンクアーム20Bの一端部が、移動可能としてシリンダヘッド2に揺動可能に支承されるので、一端部を移動可能とした第2リンクアーム20Bの移動距離を、動弁カム16との干渉を回避しつつ容易に確保することができる。
【0044】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0045】
たとえば上記実施例では、一対のリンクアーム19A,20A;19B,20Bの一方の一端部を移動可能としたが、両リンクアーム19A,20A;19B,20Bの一端部をともに移動可能とすることもできる。
【0046】
また本発明は、車両用内燃機関の動弁装置だけでなく、クランク軸線を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用内燃機関の動弁装置にも適用可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、両リンクアームの少なくとも一方の機関本体への揺動支持点を無段階に変化させることで、機関弁の開弁リフト量を無段階に変化させることができる。しかも一対のリンクアームはロッカアームに直接連結されるものであり、両リンクアームを配置するためのスペースを少なくして動弁装置のコンパクト化を図ることができ、動弁カムからの動力はロッカアームに直接伝達されるので、動弁カムに対する優れた追従性を確保することができる。
【0048】
また請求項2記載の発明によれば、両リンクアームをよりコンパクトに配置することで、動弁弁置のより一層のコンパクト化が可能となる。
【0049】
さらに請求項3記載の発明によれば、一端部を移動可能としたリンクアームの移動距離を、動弁カムとの干渉を回避しつつ容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すものであって、開弁リフト量を大とした状態での閉弁作動時の動弁装置を示す内燃機関の一部縦断面図である。
【図2】開弁リフト量を小とした状態での閉弁作動時の動弁装置を示す内燃機関の一部縦断面図である。
【図3】開弁リフト量を大とした状態での開弁作動時の図2に対応した断面図である。
【図4】開弁リフト量を小とした状態での開弁作動時の図2に対応した断面図である。
【図5】第2実施例を示すものであって開弁リフト量を大とした状態での閉弁作動時の動弁装置を示す内燃機関の一部縦断面図である。
【図6】開弁リフト量を小とした状態での閉弁作動時の図5に対応した断面図である。
【図7】開弁リフト量を大とした状態での開弁作動時の図5に対応した断面図である。
【図8】開弁リフト量を小とした状態での開弁作動時の図5に対応した断面図である。
【符号の説明】
1・・・機関本体
6・・・機関弁としての吸気弁
15・・・弁当接部としてのタペットねじ
16・・・動弁カム
17・・・カム当接部としてのローラ
18A,18B・・・ロッカアーム
Claims (3)
- 機関弁(6)に当接する弁当接部(15)ならびに動弁カム(16)に接触するカム当接部(17)を有するロッカアーム(18A,18B)と、前記動弁カム(16)の回転軸線と平行な軸線まわりの揺動を可能として一端部が機関本体(1)に支承されるとともに他端部が前記回転軸線と平行な軸線まわりの相対回動を可能として前記ロッカアーム(18A,18B)に直接連結される一対のリンクアーム(19A,20A;19B,20B)とを備え、前記両リンクアーム(19A,20A;19B,20B)の少なくとも一方の前記一端部が、前記動弁カム(16)の回転軸線に直交する平面内での無段階の移動を可能として前記機関本体(1)に揺動可能に支承されることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
- 前記弁当接部(15)が一端部に設けられる前記ロッカアーム(18A,18B)の他端部に、前記両リンクアーム(19A,20A;19B,20B)の他端部が並列して相対回動可能に連結されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
- 前記両リンクアーム(19A,20A;19B,20B)のうち前記動弁カム(16)に近い側のリンクアーム(19A,19B)の一端部は固定位置で機関本体(1)に揺動可能に支承され、前記両リンクアーム(19A,20A;19B,20B)のうち前記動弁カム(16)から遠い側のリンクアーム(20A,20B)の一端部が、移動可能として前記機関本体(1)に揺動可能に支承されることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の動弁装置。
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