JP2002235515A - エンジンの無段階可変バルブ装置 - Google Patents

エンジンの無段階可変バルブ装置

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JP2002235515A
JP2002235515A JP2001032679A JP2001032679A JP2002235515A JP 2002235515 A JP2002235515 A JP 2002235515A JP 2001032679 A JP2001032679 A JP 2001032679A JP 2001032679 A JP2001032679 A JP 2001032679A JP 2002235515 A JP2002235515 A JP 2002235515A
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JP
Japan
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fulcrum
rocker arm
shaft
engine
cam
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JP2001032679A
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English (en)
Inventor
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な3次元カムを不要にし、ゼロリフトか
ら最大リフトまで切替え装置を用いることなく切換えシ
ョックおよびショック音が少なくあるいはなく、しか
も、ゼロリフトから最大リフトまでリフトカーブを相似
にしてリフトカーブ山部の尖りがなくジャンプし難いエ
ンジンの無段階可変バルブ装置を提供する。 【解決手段】 前記軸位置変更部材30は、吸気側ロッ
カーアーム軸26の上方に設けられ一端部32aがロッ
カーアーム軸26をエンジン運転状態に応じた位置に規
制するロッカーアーム支点制御揺動アーム(規制部材)
32を有しており、このロッカーアーム支点制御揺動ア
ーム32の揺動により該揺動アーム32の一端部位置が
変化してロッカーアーム軸26位置をエンジン運転状態
に応じて無段階に制御可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に二輪車や四輪
車などの車両用4サイクルエンジンの吸気バルブをゼロ
リフトから最大リフトまでカム切替え装置不要で制御可
能にし、しかもリフトカーブが正確なエンジンの無段階
可変バルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンの運転状態に応じてバ
ルブタイミングやバルブリフト量を変化させる可変バル
ブ機構の考えがある。可変バルブ機構の搭載によりエン
ジンの出力、燃料消費あるいは排気ガス成分の向上がで
きるようになる。
【0003】内燃機関の可変バルブ装置の従来技術に
は、例えば特開平10−30414号公報記載の内燃機
関の動弁装置がある。この動弁装置は、三次元カムとバ
ルブリフタとの間にシムを介装したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載の動弁装置では、切削面が平面の円筒研削盤の砥
石軸とカム軸との平面上でハの字(斜め)にすると共
に、平面に対しても斜めに傾けながら加工する3次元カ
ムのため、次の欠点がある。まず、ゼロリフトから最大
リフトまでを正確なリフトカーブにすることは困難なこ
とである。また、タペット軸心断面のリフトカーブをバ
ルブのリフトカーブとするため、滑り対偶が必要とな
り、それらの滑り部の磨耗および追従性が問題となる。
しかも、3次元カム加工は困難であると共に、加工設備
費、加工時間が増大し、コストが上昇してしまう。
【0005】また、特開平11−241610号公報記
載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置では、その図4に示
すように、最大リフト時以外のリフトカーブにおいて、
山部リフト特性がとがるのでジャンプし易く、リフト量
が小さくなればなるほどその傾向が強く出る。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に着目し
てなされたもので、高価な3次元カムを不要にし、ゼロ
リフトから最大リフトまで切替え装置を用いることなく
切換えショックおよびショック音が少なくあるいはな
く、しかも、ゼロリフトから最大リフトまでリフトカー
ブを相似にしてリフトカーブ山部の尖りがなくジャンプ
し難いエンジンの無段階可変バルブ装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため次の構成を有するものである。請求項1の発
明は、吸気バルブと、該吸気バルブを進退動させるロッ
カーアームと、該ロッカーアームを揺動させるカムシャ
フトとを有した4ストロークエンジンであって、ロッカ
ーアーム軸を吸気バルブの進退方向と略平行にスライド
可能に支持する支持部材と、エンジン運転状態に応じて
前記ロッカーアーム軸の位置変更を可能にする軸位置変
更部材とを備え、前記吸気バルブのリフト量を無段階に
可変制御可能なことを特徴とするエンジンの無段階可変
バルブ装置である。
【0008】請求項1の発明によれば、エンジン回転数
などのエンジン運転状態に応じてロッカーアーム軸の位
置を無段階に可変制御するので、同一カム(単一カムプ
ロフィール)でありながらも吸気バルブのリフト量をお
よびバルブタイミングを無段階で制御することができ
る。
【0009】請求項2の発明は、軸位置変更部材は、ロ
ッカーアーム軸の上方に設けられ一端部がロッカーアー
ム軸をエンジン運転状態に応じた位置に規制する規制部
材であり、この規制部材の揺動により該規制部材の一端
部位置が変化してロッカーアーム軸位置をエンジン運転
状態に応じて無段階に制御可能にしたものであることを
特徴とする請求項1に記載のエンジンの無段階可変バル
ブ装置である。
【0010】請求項2の発明によれば、ロッカーアーム
の両端がそれぞれ吸気バルブとカムの上面に当接してお
り、バルブリフト時に上方への力がロッカーアームに作
用するので、ロッカーアーム軸の上方への位置規制をす
る規制部材を配設することで軸位置を無段階で制御でき
るようになる。
【0011】請求項3の発明は、規制部材の他端部をカ
ムに沿って作動させるロッカーアーム支点制御カムを備
え、該ロッカーアーム支点制御カムシャフトが吸気カム
シャフトと平行にシリンダヘッド内に配置され、該吸気
カムシャフトの一端にギヤを設け、該ギヤと同じ歯数を
有すると共に該ギヤに噛合するギヤを支点制御カムシャ
フトの一端に設け、前記ロッカーアーム支点制御カムの
回転作動により前記規制部材が揺動することを特徴とす
る請求項2に記載のエンジンの無段階可変バルブ装置で
ある。
【0012】請求項3の発明によれば、規制部材の作動
制御を支点制御カムで行い該支点制御カムを吸気カムシ
ャフトの回転に同調させるため、規制部材の制御をカム
の動きに追従させることできる。
【0013】請求項4の発明は、規制部材に相対的に位
置変更可能な支点を設け、この支点の位置をエンジン運
転状態に応じて変更させて、ロッカーアーム支点制御カ
ムにより規制部材を揺動させる際のレバー比をエンジン
運転状態に応じて無段階に制御可能にしたことを特徴と
する請求項2または3に記載のエンジンの無段階可変バ
ルブ装置である。
【0014】請求項4の発明によれば、規制部材は、カ
ムシャフトの回転に合わせて揺動させることでロッカー
アーム位置を規制するもので、規制部材の支点をエンジ
ン運転状態に応じて変更して(制御して)揺動量を0か
ら設定値まで無段階に制御可能にできるものである。
【0015】請求項5の発明は、ロッカーアーム支点制
御カムの作動角を、吸気カムのカム作動角と同時期かつ
同角度とし、前記支点制御カムと吸気カムの作動状態に
おいて、吸気カムがベースサークルより突出するのに対
して、ロッカーアーム支点制御カムがベースサークルよ
りも小径となるカムプロフィールを有することを特徴と
する請求項2ないし3のうちのいずれか1項に記載の無
段階可変バルブ装置である。
【0016】請求項5の発明によれば、吸気バルブの非
リフト時には規制部材の位置を制御する必要が無い。ロ
ッカーアーム支点制御カムのカムプロフィールを吸気カ
ムの作動角に合わせて設定するので、ロッカーアームの
スリッパー面がリフトされていないときに規制部材が揺
動するのを防止でき、既成部材とロッカーアームとの間
に不要な隙間が生じるのを防止できる。よって、不快音
の発生を防止することができる。
【0017】請求項6の発明は、規制部材の一端部にロ
ッカーアーム軸と摺接する支点制御接点を形成し、他端
部を二股状にしてロッカーアーム支点制御カムをその板
厚方向から挟み込むと共に、ロッカーアーム支点制御カ
ムのカムプロフィールに沿って摺動自在なカム摺接部を
設けることを特徴とする請求項3ないし5のうちのいず
れか1項に記載の無段階可変バルブ装置である。
【0018】請求項6の発明によれば、支点制御カムを
その板厚方向から挟み込むようにして規制部材を浮動的
に支持することで、その支点を変更自在にするととも
に、揺動量を無段階に制御することができる。
【0019】請求項7の発明は、規制部材に略円弧状の
溝を設け、該溝内に摺動可能に規制部材の揺動支点位置
を変化させる支点揺動部材を設け、支点揺動部材は、駆
動装置によりエンジン運転状態に応じて揺動されるよう
になっていることを特徴とする請求項3ないし6のうち
のいずれか1項に記載の無段階可変バルブ装置である。
【0020】請求項7の発明によれば、エンジン回転数
などのエンジン運転状態に応じて規制部材の支点位置を
変更可能にさせる支点揺動部材を備えるので、ロッカー
アーム軸位置をエンジン運転状態に応じて無段階に変え
ることができる。
【0021】請求項8の発明は、支点揺動部材は、吸気
カムシャフトおよび支点制御カムシャフトと平行配置さ
れる支点可変シャフトと、該支点可変シャフトに一体的
に設けられた支点可変揺動アームとを有してなり、該支
点可変シャフトは、それと平行配置される前記吸気カム
シャフトおよび支点制御カムシャフトよりも上方位置に
設けられることを特徴とする請求項7に記載の無段階可
変バルブ装置である。
【0022】請求項8の発明によれば、支点可変シャフ
トに一体に支点可変揺動アームを設けたので、複数個設
けられる規制部材の支点を同時に変更できる。また、支
点可変シャフトを最も上方部に設けたので、該シャフト
を駆動させる駆動装置の配設スペースを確保できる。
【0023】請求項9の発明は、規制部材に設けた略円
弧状溝の曲率が支点可変揺動アームのアーム長と等し
く、かつ該曲率半径上に規制部材の支点制御接点および
カム摺接部を設けること特徴とする請求項8に記載の無
段階可変バルブ装置である。
【0024】請求項9の発明によれば、規制部材の支点
位置を変更可能として、なおかつ揺動自在とすることを
可能とする。
【0025】請求項10の発明は、ロッカーアームの支
持部材には、吸気バルブの進退方向と略平行なスライド
溝を有するスライドガイドをシリンダヘッドと一体形成
とすることを特徴とする請求項1ないし9のうちのいず
れか1項に記載のエンジンの無段階可変バルブ装置であ
る。
【0026】請求項10の発明によれば、ロッカーアー
ムの軸を吸気バルブと略平行にスライド可能に軸支する
スライドガイドを吸気カムシャフトカバーと一体成形
し、部品点数を削減できる。また、シリンダヘッドのカ
ムシャフトあわせ面と同一面内に締結孔を設け、スライ
ドガイドに設けた締結部材挿通孔と合致させることがで
き、締結スペースを省略できる。
【0027】請求項11の発明は、エンジンは、1気筒
当たり少なくとも2本の吸気ポートを有する構成であっ
て、1気筒毎に吸気バルブ可変制御機構を少なくとも2
系統に分けて、それらを別々に制御可能になっているこ
とを特徴とする請求項1ないし10のうちのいずれか1
項に記載のエンジンの無段階可変バルブ装置である。
【0028】請求項11の発明によれば、各気筒とも各
々の吸気バルブ作動特性(バルブリフト量、およびバル
ブタイミング)を異ならせることができる。それも無段
階に制御することができる。
【0029】請求項12の発明は、エンジンの低回転数
において、各気筒とも、複数本吸気バルブのうち少なく
とも1本をリフト量ゼロとし、かつ残り吸気バルブのう
ち少なくとも1本を開作動させることを請求項1ないし
11のうちのいずれか1項に記載のエンジンの無段階可
変バルブ装置である。
【0030】請求項12の発明によれば、エンジン低回
転時燃焼室内に吸気スワール流を発生させることがで
き、燃焼効率を高めることができる。SCV(スワール
コントロールバルブ)を設けることなくスワールを生じ
させることができるので、構造が複雑にならない。
【0031】請求項13の発明は、2以上の気筒が並列
に配列される形式のエンジンにおいて、隣り合う気筒側
に配置される支点可変揺動アームを支点可変シャフトに
空転自在に軸支すると共に、該空転自在の支点可変揺動
アームを支点可変シャフトと別系統の駆動装置により回
転駆動させることを特徴とする請求項8ないし12のう
ちのいずれか1項に記載のエンジンの無段階可変バルブ
装置である。
【0032】請求項13の発明によれば、離間して配設
させる揺動アームを支点可変シャフトに一体的に駆動
し、隣り合う側の揺動アーム同士を支点可変シャフトよ
りも大径の部材などで空転自在に連結するため、揺動ア
ーム駆動機構を小型化できる。それにより、レスポンス
のよい無段可変バルブタイミング機構を実現できる。
【0033】請求項14の発明は、空転自在の支点可変
揺動アーム同士を一体的に連結し、支点可変シャフト上
に空転自在に軸支することを特徴とする請求項13に記
載の無段階可変バルブ装置である。
【0034】請求項14の発明によれば、近接して配置
した揺動アームを支点可変シャフトと同軸に配置したの
で、シリンダヘッドの大型化を抑制できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図に基づき本発明の実施の
形態を詳細に説明する。
【0036】図1は本発明の実施形態にかかる無段階可
変バルブ装置を設けたエンジンシリンダヘッドの縦断側
面図、図2は図1のII−II線に沿う該エンジンの断面視
図、図3は図1のIII-III線に沿う該エンジンの断面視
図、図4は該エンジンのカムチェーン経路の説明図、図
5は無段階可変バルブ装置の要部部品の分解説明図、図
6は他の実施形態の無段階可変バルブ装置を設けた4サ
イクルエンジンの図2と同様の断面視図、図7は該エン
ジンの図3に同様の断面視図、図8は左右バルブリフト
特性の一例図である。
【0037】実施形態のエンジンは、シリンダヘッド2
に、吸気バルブ10と、該吸気バルブ10を進退動させ
る吸気側ロッカーアーム12と、該ロッカーアーム12
を揺動させる吸気側カムシャフト14とを有した4スト
ロークエンジン(4サイクルエンジン)である。このエ
ンジンは自動二輪車、四輪自動車その他車両、あるいは
船舶等の原動機として用いることができるものである。
【0038】シリンダヘッド2には吸気通路16と排気
通路22とが形成されており、それぞれが吸気バルブ1
0と排気バルブ20とでシリンダ(図示省略)燃焼室1
8側開口を開閉するように設けられている。これら吸気
通路16と排気通路22に挟まれる位置に点火プラグ4
が螺着されて点火電極がシリンダ燃焼室に露出してい
る。また、シリンダヘッド2は全体的にシリンダヘッド
カバー6で覆われている。
【0039】前記吸気バルブ10上部には軸状のステム
10aが一体的に延設されていて、前記吸気バルブ10
は該ステム10aを介してスプリング10bにより上方
のロッカーアーム12に向けて付勢支持されている。
【0040】また、排気バルブ20上部にはステム20
aが延設されてスプリング20bにより上方の排気側ロ
ッカーアーム24に向けて付勢支持されている。符号2
4aはカム、24bはカムシャフト、24cは駆動スプ
ロケットであり、図4には吸気側と排気側にかけられた
カムチェーン24dの配置を示している。
【0041】吸気バルブ10のロッカーアーム12はロ
ッカーアーム軸26により揺動可能に軸支されており、
該ロッカーアーム12の吸気カム14a側端部には該吸
気カム14aに摺接するスリッパー部12aが曲面形状
を呈して形成されていて、一方、吸気バルブ10側端部
には、前記ステム10aに当接しかつそれに対する押圧
位置を調整可能なラッシュアジャスター12bが取付け
られる。
【0042】前記吸気側のロッカーアーム軸(ロッカー
アーム支点)26は、吸気バルブ10の進退方向と略平
行にスライド可能に支持部材28で支持されており、エ
ンジン回転数(エンジン運転状態の一例)に応じて前記
ロッカーアーム軸26の位置変更を可能にする軸位置変
更部材30が備えられ、前記吸気バルブ10のリフト量
を無段階に可変制御可能になっている。
【0043】前記軸位置変更部材30は、吸気側ロッカ
ーアーム軸26の上方に設けられ一端部32aがロッカ
ーアーム軸26をエンジン運転状態に応じた位置に規制
するロッカーアーム支点制御揺動アーム(規制部材)3
2を有しており、このロッカーアーム支点制御揺動アー
ム32の揺動により該揺動アーム32の一端部位置が変
化してロッカーアーム軸26位置をエンジン運転状態に
応じて無段階に制御可能にした。具体的には、図1、図
5に示すように、支持部材28が概略四つの爪が突出し
た形状を呈し、その爪間に相当するスライド溝28a内
にロッカーアーム軸26が上下動可能に挿入されてい
る。そして、ロッカーアーム12自体は、吸気バルブス
テム10aと吸気カム14aにより両端が支持され、ま
た、ロッカーアーム12の略中央に軸支されたロッカー
アーム軸26上面が揺動アーム32の一端部32aによ
りその上下位置を規制されており、ロッカーアーム軸2
6位置はこの一端部32aの位置に応じて上下位置が制
御可能になっている。そして、支持部材28は、シリン
ダヘッド2に対してピン28bで位置決めしてボルトで
締着固定されている。
【0044】ロッカーアーム支点制御揺動アーム32
は、図1、図5に示すように、全体がカムシャフト方向
視で概略弧形状を呈し、長さ方向の点火プラグ4側の一
端部32a下面部が円弧形状を呈して支点制御接点にな
っており、上方からローラ26aを介してロッカーアー
ム軸26を押えている。そして、このロッカーアーム支
点制御揺動アーム32の他端部32bには、ロッカーア
ーム支点制御カム34の両面のカム溝34a内に摺動可
能に嵌入する揺動アーム力点ピン36を備えている。
【0045】前記ロッカーアーム支点制御カム34のカ
ムシャフト34bは吸気カムシャフト14と平行にシリ
ンダヘッド2内に配置されており、該吸気カムシャフト
14の一端にギヤ38を設け、該ギヤ38と同じ歯数を
有すると共に該ギヤ38に噛合するギヤ40を前記ロッ
カーアーム支点制御カムシャフト34bの一端に設け、
前記ロッカーアーム支点制御カム34の回転作動により
前記力点ピン36が従動して前記ロッカーアーム支点制
御揺動アーム32が揺動する。具体的には、図1、図5
などに示すように力点ピン36は、スライドガイド42
のU字形状開口部42aで進退動可能に前記力点ピン3
6を挟んで位置規制され、該スライドガイド42をシリ
ンダヘッド2に螺着固定される前記支点制御カムシャフ
ト34bのジャーナル部に共締めする。前記力点ピン3
6と前記支点制御カム34のカム溝34aとの間には、
摩擦抵抗を低減するためローラ36aが設けられる。
【0046】また、ロッカーアーム支点制御揺動アーム
32には、それに相対的に位置変更可能な支点44を設
け、この支点44のエンジン運転状態に応じた位置変更
により、ロッカーアーム支点制御カム34によりロッカ
ーアーム支点制御揺動アーム32を揺動させる際のレバ
ー比をエンジン運転状態に応じて無段階に制御可能にし
た。
【0047】また、ロッカーアーム支点制御カム34の
作動角を、吸気カム14aのカム作動角と同時期かつ同
角度とし、前記支点制御カム34と吸気カム14aの作
動状態において、吸気カム14aがベースサークル(図
1で符号46により示す)より突出するのに対して、ロ
ッカーアーム支点制御カム34がベースサークル46よ
りも小径となるカムプロフィールを有する。
【0048】ロッカーアーム支点制御揺動アーム32は
概略弧形状あるいは揺りかご形の両側板部を上部中央で
ブリッジ部32cにより繋いだものであり、一端部32
aは二股状になっておりロッカーアーム軸26とロッカ
ーアーム12の両側から摺接する支点制御接点を形成し
ている。一方、該揺動アーム32の他端部32bも二股
状になっていてロッカーアーム支点制御カム34をその
板厚方向から挟み込むと共に、ロッカーアーム支点制御
カム34のカム溝34aのカムプロフィールに沿って摺
動自在な揺動アーム力点ピン(カム摺接部)36を孔に
強圧入して設ける。また、前記ロッカーアーム支点制御
揺動アーム32の両側板部には、略円弧状の溝32dが
設けられており、該溝32d内において摺動可能にロッ
カーアーム支点制御揺動アーム32の支点44が配置さ
れる。支点44はピン体で構成され後述する支点可変揺
動アーム54のアーム先端部に圧入固定されており、溝
32d内のスライダー44aの孔に前記支点44が挿通
してサークリップ44bで抜け止めされている。
【0049】支点44の揺動は支点揺動部材48が駆動
装置50によりエンジン回転数などのエンジン運転状態
に応じて駆動されることにより行われるようになってい
る。この支点揺動部材48は、吸気カムシャフト14お
よび支点制御カムシャフト34bと平行配置される支点
可変シャフト52と、該支点可変シャフト52に一体的
に設けられた支点可変揺動アーム54とを有してなり、
該支点可変シャフト52は、それと平行配置される前記
吸気カムシャフト14および支点制御カムシャフト34
bよりも上方位置に設けられる。この場合、図2などに
示されるように、支点揺動部材48の支点可変シャフト
52からその軸直角方向に支点可変揺動アーム54が前
記ロッカーアーム支点制御揺動アーム32を両側から挟
むように一体的に延在している。そして、支点可変シャ
フト52の駆動は、その一端部に固定されたウォームギ
ヤ56をDCモータなどのアクチュエータ58(ピニオ
ン58a)で回転駆動させて行うようになっており、図
示しないCPUからの指令により回転位置を正確に制御
して支点44の位置を制御できるようなっている。
【0050】なお、前記ロッカーアーム支点制御揺動ア
ーム32に設けた略円弧状溝32dの曲率が該支点可変
揺動アーム32のアーム長と等しく、かつ該曲率半径上
にロッカーアーム支点制御揺動アーム32の一端部32
aに支点制御接点をおよび他端部32bに揺動アーム力
点ピン36をそれぞれ設ける。
【0051】また、前記の場合は、ロッカーアームの支
持部材28には、吸気バルブ10の進退方向と略平行な
スライド溝28aを有してシリンダヘッドカバー6と別
体に形成し、ピン28bで位置決めしてボルト28cに
よりシリンダヘッド2に締着しているが、本発明はこれ
に限定されず支持部材28をカムシャフトカバーやシリ
ンダヘッドカバー6と一体形成することができる。
【0052】また、エンジンは、1気筒当たり少なくと
も2本の吸気ポートを有する構成であって、1気筒毎に
吸気バルブ可変制御機構を少なくとも2系統に分けて、
それらを別々に制御可能になっている。
【0053】他の実施形態を図6〜図8に従って説明す
る。前記実施形態と同一部分に同一符号を付している。
この他の実施形態では、上記とは異なり、2以上の気筒
が並列に配列される形式のエンジンにおいて、隣り合う
気筒側に配置される支点可変揺動アームを支点可変シャ
フトに空転自在に軸支すると共に、該空転自在の支点可
変揺動アームを支点可変シャフト52と別系統の駆動装
置により回転駆動させる。
【0054】具体的には図6、図7に示すように、支点
可変シャフト52外周面をスプラインとして、それと別
体の支点揺動アーム54Aと54Bを周上に挿通して設
け、外側に支点揺動アーム54Aは支点可変シャフト5
2をスプライン結合して相互に一体回転するようにし、
一方、内側の支点揺動アーム54Bは隣同士で一体かつ
支点可変シャフト52周面に滑動して空転自在(回転自
在)になっている。前記支点可変シャフト52はアクチ
ュエータ58Aで駆動して、すなわち、支点揺動アーム
54Aはアクチュエータ58Aで駆動されるが、支点揺
動アーム54Bは別のアクチュエータ58Bでギヤ56
Bを介して駆動される。
【0055】上記の各実施例により、支点揺動アーム5
4A,54Bの作動により、図8に示すように、左右バ
ルブ特性を個別に制御することができる。
【0056】また、エンジンの低回転数において、各気
筒とも、複数本吸気バルブのうち少なくとも1本をリフ
ト量ゼロとし、かつ残り吸気バルブのうち少なくとも1
本を開作動させることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明によれ
ば、エンジン回転数などのエンジン運転状態に応じてロ
ッカーアーム軸の位置を無段階に可変制御するので、同
一カム(単一カムプロフィール)でありながらも吸気バ
ルブのリフト量およびバルブタイミングを無段階で制御
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる無段階可変バルブ装
置を設けたエンジンシリンダヘッドの縦断側面図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿う該エンジンの断面視図で
ある。
【図3】図1のIII-III線に沿う該エンジンの断面視図
である。
【図4】該エンジンのカムチェーン経路の説明図であ
る。
【図5】無段階可変バルブ装置の要部部品の分解説明図
である。
【図6】他の実施形態の無段階可変バルブ装置を設けた
4サイクルエンジンの図2と同様の断面視図である。
【図7】該エンジンの図3に同様の断面視図である。
【図8】左右バルブリフト特性の一例図である。
【符号の説明】 10 吸気バルブ 12 吸気側ロッカーアーム 14 吸気側カムシャフト 26 吸気側ロッカーアーム軸 28 支持部材 28a スライド溝 28b 位置決めピン 30 軸位置変更部材 32 ロッカーアーム支点制御アーム(規制部材) 32a 一端部 32b 他端部 32c ブリッジ部 32d 略円弧状の溝 34 ロッカーアーム支点制御カム 34a カム溝 34b カムシャフト 36 揺動アーム力点ピン 42 力点ピンスライドガイド 44 支点 48 支点揺動部材 50 駆動装置 52 支点可変シャフト 54 支点可変揺動アーム

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気バルブと、該吸気バルブを進退動さ
    せるロッカーアームと、該ロッカーアームを揺動させる
    カムシャフトとを有した4ストロークエンジンであっ
    て、 ロッカーアーム軸を吸気バルブの進退方向と略平行にス
    ライド可能に支持する支持部材と、エンジン運転状態に
    応じて前記ロッカーアーム軸の位置変更を可能にする軸
    位置変更部材とを備え、前記吸気バルブのリフト量を無
    段階に可変制御可能なことを特徴とするエンジンの無段
    階可変バルブ装置。
  2. 【請求項2】 軸位置変更部材は、ロッカーアーム軸の
    上方に設けられ一端部がロッカーアーム軸をエンジン運
    転状態に応じた位置に規制する規制部材であり、この規
    制部材の揺動により該規制部材の一端部位置が変化して
    ロッカーアーム軸位置をエンジン運転状態に応じて無段
    階に制御可能にしたものであることを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンの無段階可変バルブ装置。
  3. 【請求項3】 規制部材の他端部をカムに沿って作動さ
    せるロッカーアーム支点制御カムを備え、該ロッカーア
    ーム支点制御カムシャフトが吸気カムシャフトと平行に
    シリンダヘッド内に配置され、該吸気カムシャフトの一
    端にギヤを設け、該ギヤと同じ歯数を有すると共に該ギ
    ヤに噛合するギヤを支点制御カムシャフトの一端に設
    け、前記ロッカーアーム支点制御カムの回転作動により
    前記規制部材が揺動することを特徴とする請求項2に記
    載のエンジンの無段階可変バルブ装置。
  4. 【請求項4】 規制部材に相対的に位置変更可能な支点
    を設け、この支点の位置をエンジン運転状態に応じて変
    更させて、ロッカーアーム支点制御カムにより規制部材
    を揺動させる際のレバー比をエンジン運転状態に応じて
    無段階に制御可能にしたことを特徴とする請求項2また
    は3に記載のエンジンの無段階可変バルブ装置。
  5. 【請求項5】 ロッカーアーム支点制御カムの作動角
    を、吸気カムのカム作動角と同時期かつ同角度とし、前
    記支点制御カムと吸気カムの作動状態において、吸気カ
    ムがベースサークルより突出するのに対して、ロッカー
    アーム支点制御カムがベースサークルよりも小径となる
    カムプロフィールを有することを特徴とする請求項2な
    いし3のうちのいずれか1項に記載の無段階可変バルブ
    装置。
  6. 【請求項6】 規制部材の一端部にロッカーアーム軸と
    摺接する支点制御接点を形成し、他端部を二股状にして
    ロッカーアーム支点制御カムをその板厚方向から挟み込
    むと共に、ロッカーアーム支点制御カムのカムプロフィ
    ールに沿って摺動自在なカム摺接部を設けることを特徴
    とする請求項3ないし5のうちのいずれか1項に記載の
    無段階可変バルブ装置。
  7. 【請求項7】 規制部材に略円弧状の溝を設け、該溝内
    に摺動可能に規制部材の揺動支点位置を変化させる支点
    揺動部材を設け、支点揺動部材は、駆動装置によりエン
    ジン運転状態に応じて揺動されるようになっていること
    を特徴とする請求項3ないし6のうちのいずれか1項に
    記載の無段階可変バルブ装置。
  8. 【請求項8】 支点揺動部材は、吸気カムシャフトおよ
    び支点制御カムシャフトと平行配置される支点可変シャ
    フトと、該支点可変シャフトに一体的に設けられた支点
    可変揺動アームとを有してなり、該支点可変シャフト
    は、それと平行配置される前記吸気カムシャフトおよび
    支点制御カムシャフトよりも上方位置に設けられること
    を特徴とする請求項7に記載の無段階可変バルブ装置。
  9. 【請求項9】 規制部材に設けた略円弧状溝の曲率が支
    点可変揺動アームのアーム長と等しく、かつ該曲率半径
    上に規制部材の支点制御接点およびカム摺接部を設ける
    こと特徴とする請求項8に記載の無段階可変バルブ装
    置。
  10. 【請求項10】 ロッカーアームの支持部材には、吸気
    バルブの進退方向と略平行なスライド溝を有するスライ
    ドガイドをシリンダヘッドと一体形成とすることを特徴
    とする請求項1ないし9のうちのいずれか1項に記載の
    エンジンの無段階可変バルブ装置。
  11. 【請求項11】 エンジンは、1気筒当たり少なくとも
    2本の吸気ポートを有する構成であって、1気筒毎に吸
    気バルブ可変制御機構を少なくとも2系統に分けて、そ
    れらを別々に制御可能になっていることを特徴とする請
    求項1ないし10のうちのいずれか1項に記載のエンジ
    ンの無段階可変バルブ装置。
  12. 【請求項12】 エンジンの低回転数において、各気筒
    とも、複数本吸気バルブのうち少なくとも1本をリフト
    量ゼロとし、かつ残り吸気バルブのうち少なくとも1本
    を開作動させることを請求項1ないし11のうちのいず
    れか1項に記載のエンジンの無段階可変バルブ装置。
  13. 【請求項13】 2以上の気筒が並列に配列される形式
    のエンジンにおいて、隣り合う気筒側に配置される支点
    可変揺動アームを支点可変シャフトに空転自在に軸支す
    ると共に、該空転自在の支点可変揺動アームを支点可変
    シャフトと別系統の駆動装置により回転駆動させること
    を特徴とする請求項8ないし12のうちのいずれか1項
    に記載のエンジンの無段階可変バルブ装置。
  14. 【請求項14】 空転自在の支点可変揺動アーム同士を
    一体的に連結し、支点可変シャフト上に空転自在に軸支
    することを特徴とする請求項13に記載の無段階可変バ
    ルブ装置。
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