JP2004035833A - ガスバリア性フィルム及び該フィルムの製造方法 - Google Patents

ガスバリア性フィルム及び該フィルムの製造方法 Download PDF

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加藤 俊一
Miyuki Kamoshita
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Abstract

【課題】本発明は、構造中に塩素を含有せず、高湿度下での酸素ガスバリア性に優れるガスバリア性フィルムおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリアルコール系ポリマー(A)、及びポリイタコン酸を主たる構成成分とするビニルポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有する組成物から形成され、25℃、80%相対湿度の条件下で測定した酸素透過度が100cc/m・24h・atm/μm以下であることを特徴するガスバリア性フィルム。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素等のガスバリア性に優れたガスバリア性フィルム、及び該ガスバリア性フィルムの一方の面に、他のプラスチックフィルムが積層されてなることを特徴とするガスバリア性積層フィルム、及びその製造方法に関するものである。さらに、詳しくは、高湿度下における良好なガスバリア性を有しており、かつ塩素原子を含有しないため食品包装材料用途などに好適なガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品包装材料等の酸素ガスバリア性が要求される材料には、ポリオレフィンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等に塩化ビニリデンラテックスをコートしたフィルムが多く用いられてきた。これらの塩化ビニリデンラテックスをコートしたフィルムは、高温での熱処理を行わなくても高湿度下における酸素ガスバリア性を有している。
【0003】
しかしながら、廃棄物処理の際の焼却時に、ポリ塩化ビニリデン中の塩素に起因する塩素ガスの発生並びに、ダイオキシンの発生の恐れを有しており、環境並びに人体に多大なる悪影響を与える原因となり得るという問題点を有している。
【0004】
塩素を有しない酸素ガスバリア性の材料として、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムが最も良く知られている。PVAフィルムは酸素ガスバリア性が乾燥状態では合成樹脂フィルム中で最も優れているという特徴を持っているが、その酸素ガスバリア性は、湿度依存性が大きく、高湿度条件下では吸湿によりこのガスバリア性が大きく損なわれ、また、沸騰水中で容易に溶解してしまうという問題点を有している。
【0005】
澱粉等の糖類、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミドからなるフィルムも、PVAと同様に酸素ガスバリア性は乾燥状態では良好であるが、高湿度条件下では吸湿により酸素ガスバリア性は大きく低下するという問題点を有している。
【0006】
上記PVAフィルム等の問題点を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、PVAフィルムと他の疎水性フィルムとの多層化、二軸延伸及び熱処理、エチレンとの共重合等が挙げられる。これらの方法を用いることで、耐水性及び高湿度下での酸素ガスバリア性は向上するが、その改良の程度は不十分である。
【0007】
また、PVAに架橋構造を導入することで、上記PVAフィルムの問題点を解決するための検討がなされている。しかしながら、一般的に架橋密度の増加と供にPVAフィルムの高湿度下での酸素ガスバリア性は向上するが、それに伴ってPVAフィルムが本来有している乾燥条件下での酸素ガスバリア性が低下してしまい、結果として高湿度下での良好な酸素ガスバリア性を得ることは非常に困難とされている。
【0008】
PVAや糖類等とポリ(メタ)アクリル酸との混合溶液からフィルムを形成し、次いで熱処理することで、PVAや糖類等の水酸基とポリ(メタ)アクリル酸のカルボン酸とを反応させて架橋構造を形成させることにより、高湿度下での酸素ガスバリア性が優れたフィルムが得られることが提案されている(特開平10−237180号公報)。
【0009】
しかしながら、この方法では高温での加熱処理もしくは長時間の加熱処理が必要であり、製造時に多量のエネルギーを要するため環境への負荷が少なくない。
【0010】
また、加熱処理温度が高いと、PVAの変色や分解の恐れが生じる他、プラスチックフィルム等の支持体上でフィルムを形成する際に、支持体フィルムに皺が生じるなどの変形が生じ、包装材としての使用に適しなくなる。一方、熱処理温度が低いと、非常に長時間の熱処理時間を必要とし、生産性が低下するという問題点が生じる。
【0011】
前記フィルムにおけるポリ(メタ)アクリル酸の代わりに、マレイン酸または無水マレイン酸単位を10モル%以上含有するビニル系ポリマーを使用することにより、加熱処理工程における温度を低下する方法が提案されている(特開2000−289154号公報)。
【0012】
しかしながら、マレイン酸または無水マレイン酸単位を50モル%を越えて含有するビニル系ポリマーを合成すること、それ自体が困難であり、特にホモポリマーに代表されるようにその含有量が多くなれば多くなるほどその合成が困難となる。放射線照射等による特殊な方法では、量産に向かないばかりでなく非常に高価となるという問題点を有しており、マレイン酸または無水マレイン酸単位を50モル%を越えて含有するビニル系ポリマーを安価に工業的に生産する方法は未だ確立されていない。
【0013】
また、マレイン酸または無水マレイン酸単位の含有量が50モル%以下であるビニル系ポリマーを使用すると、熱処理工程においてある程度の温度低下を達成することはできるが、架橋に関与することのない単位(即ち、他の共重合成分)を多量に含有するため、熱処理温度の低下に伴い高湿度下での酸素ガスバリア性が低下するという問題点が生じる。
【0014】
そこで、本発明者らは、特願2001−34774号において、ポリマー(A)およびポリマー(B)を含んでなる組成物から形成されるガスバリア性フィルムを提案した。しかし、高湿度下における酸素ガスバリア性のさらなる向上が求められた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来よりも高湿度下における酸素ガスバリア性に優れるフィルム及び積層物を、従来ほどの高温もしくは長時間の加熱処理を必用とすることなく提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明者らが鋭意研究したところ、ポリマー(A)およびポリマー(B)を含んでなる組成物(C)から形成されたガスバリア性ポリマー層(D)中に2価以上の金属化合物を導入することによって、従来よりも高湿度下における酸素ガスバリア性に優れるフィルム等が得られることを見出した。
【0017】
即ち、第1の発明は、ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有する組成物から形成され、25℃、80%相対湿度の条件下で測定した酸素透過度が50cc・μm/m・24h・atm以下であることを特徴するガスバリア性フィルムに関する。
【0018】
第2の発明は、2価以上の金属化合物(C)が、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得ることを特徴とする第1の発明に記載のガスバリア性フィルムに関する。
【0019】
第3の発明は、ポリアルコール系ポリマー(A)中の水酸基と、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)中のイタコン酸単位とのモル比が、99:1〜30:70であることを特徴とする第1又は第2の発明に記載のガスバリア性フィルムに関する。
【0020】
第4の発明は、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得る金属化合物が、2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩及び亜硫酸塩からなる群(C1)より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第2又は第3の発明に記載のガスバリア性フィルムに関し、
第5の発明は、2価以上の金属が、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、Al及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第4の発明に記載のガスバリア性フィルムに関する。
【0021】
第6の発明は、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得る金属化合物が、ジルコニウム錯塩、ハロゲン化ジルコニウム、無機酸のジルコニウム塩及び有機酸のジルコニウム塩からなる群(C2)より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第2又は第3の発明に記載のガスバリア性フィルムに関し、
第7の発明は、さらに無機層状化合物(D)を含有することを特徴とする第6の発明に記載のガスバリア性フィルムに関する。
【0022】
第8の発明は、ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有するガスバリア性フィルム形成用樹脂組成物に関する。
【0023】
第9の発明は、第1ないし第7の発明のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの少なくとも一方の面に、他のプラスチックフィルムが積層されてなることを特徴とするガスバリア性積層フィルムに関する。
【0024】
第10の発明は、ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有するフィルム状の組成物を熱処理することを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法に関する。
【0025】
第11の発明は、ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有する水溶液を、基材プラスチックフィルムに塗布し、熱処理することを特徴とするガスバリア性積層フィルムの製造方法に関する。
【0026】
【発明の実施の形態】
ポリマー(A)およびポリマー(B)を含んでなる組成物から形成されるガスバリア性ポリマー層中に2価以上の金属化合物(C)を導入することによって、従来よりも高湿度下における酸素ガスバリア性に優れるフィルム等が得られる詳細な理由・機構は、まだ明らかにはなってはいない。
しかし、金属化合物(C)が、ポリマー(A)とポリマー(A)とを架橋させたり、ポリマー(A)とポリマー(B)とを架橋させたり、ポリマー(B)とポリマー(B)とを架橋させたりすることによって、密な構造を形成し、その結果高湿度下における酸素ガスバリア性を向上し得たものと考えられる。そこで、本発明では、金属化合物(C)を金属架橋剤もしくは単に架橋剤ということもある。
【0027】
ガスバリア性フィルム中に金属化合物(C)を導入する方法としては、種々の方法が挙げられる。
(1) 金属化合物(C)を含有するガスバリア性フィルム形成用の樹脂組成物から、ガスバリア性ポリマー層を形成する。
(2) ガスバリア性ポリマー層形成用の樹脂組成物から、ガスバリア性ポリマー層を形成した後に、外部からガスバリア性フィルム中に金属化合物(C)を導入する。
本発明は、前者(1)の方法を利用するものである。
【0028】
まずポリアルコール系ポリマー(Α)について説明する。
ポリアルコール系ポリマー(Α)は、分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール系重合体であり、PVA、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、糖類等が挙げられる。PVA、エチレンとビニルアルコールとの共重合体のケン化度は、好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上であり、数平均重合度が50〜4000であることが好ましい。
【0029】
糖類としては、単糖類、オリゴ糖類および多糖類を使用する。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体・誘導体、サイクロデキストリンのような環状オリゴ糖なども含まれる。これらの糖類は、水に溶解性のものが好ましい。澱粉類は、前記多糖類に含まれるが、本発明で使用される澱粉類としては小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性澱粉)のほか、各種の加工澱粉がある。加工澱粉としては、物理的変性澱粉、酵素変性澱粉、化学分解変性澱粉、化学変性澱粉、澱粉類にモノマーをグラフト重合したグラフト澱粉などが挙げられる。これらの澱粉類の中でも、焙焼デキストリン等やそれらの還元性末端をアルコール化した還元澱粉糖化物等の水に可溶性の加工澱粉が好ましい。澱粉類は、含水物であってもよい。また、これらの澱粉類は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
次にイタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)について説明する。以下、ポリマー(B)を、ポリイタコン酸系ポリマー(B)ともいう。
ポリイタコン酸系ポリマー(B)は、該ポリマー中のカルボキシル基と上記ポリアルコール系ポリマー(A)中の水酸基とがエステル化反応することによって架橋構造を有するガスバリア性ポリマー層を形成する機能を担う。
【0031】
ポリイタコン酸系ポリマー(B)とポリアルコール系ポリマー(A)とは反応しやすいので、その他のポリカルボン酸系ポリマー、例えばポリアクリル酸を用いる場合よりも低温もしくはより短時間の反応で同程度のガスバリア性を発現できる。
イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)とは、イタコン酸を主成分として含有するビニル系モノマーを付加重合してなるポリマーのことであり、数平均重合度が20〜1500であることが好ましい。
【0032】
ポリマー(B)におけるイタコン酸単位中の2個のカルボン酸は、塩を形成していてもしていなくてもかまわない、また2個のカルボン酸から1分子の脱水が起こり酸無水を形成した状態であっても良く、どちらか1個のカルボン酸がアルコールとエステル結合を形成していてもかまわない。
【0033】
また、ポリマー(B)は、イタコン酸に基づく単位を60モル%以上含有することが好ましく、90モル%以上含有するとより好ましく、特にイタコン酸のホモポリマーが好ましい。イタコン酸に基づく単位の含有量が多いほど、酸素ガスバリア性は良好であり、また高湿度下での十分な酸素ガスバリア性を得るために必要な熱量が少なくなる。
【0034】
イタコン酸に基づく単位の含有量が60モル%未満では、架橋に関与することのない単位(他の共重合成分)を多量に含有するため、目的とする高湿度下での十分な酸素ガスバリア性を得ることが出来ない。また、イタコン酸と共重合させるモノマー種によっては、乾燥下での酸素ガスバリア性の低下は抑えることが出来るが、高湿度下での十分な酸素ガスバリア性を得るために必要な熱量が多くなってしまい、加熱処理温度を高くする必要が生じるという欠点を有することとなる。
【0035】
必要に応じてイタコン酸と共重合させる他のビニル系モノマーとしては、例えば、クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸およびそのエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、炭素数2〜30のオレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類等が挙げられる。
【0036】
ポリアルコール系ポリマー(A)中の水酸基と、イタコン酸系ポリマー(B)中のイタコン酸単位とのモル比は、99:1〜30:70の範囲であることが好ましく、95:5〜40:60の範囲であるとより好ましく、90:10〜50:50の範囲であるとさらに好ましい。詳細な理由はまだ不明であるが、ポリアルコール系ポリマー(A)がイタコン酸系ポリマー(B)に比して相対的に多い方が、酸素ガスバリア性の点で好ましい。
水酸基とイタコン酸単位とのモル比が99:1〜1:99の範囲をはずれる場合には、架橋密度が大きく低下してしまいその結果、特に高湿度下での十分な酸素ガスバリア性および耐水性を得ることが出来ない。
【0037】
本発明におけるポリマー(A)が、PVAまたは糖類であり、もう一方のポリマーがポリイタコン酸系ポリマー(B)であると、高湿度下での良好なガスバリア性の他、生分解性という新たな効果が発現する。高湿度下での十分な酸素ガスバリア性を有しており、なおかつ生分解性を有することで、近年社会問題となっている廃棄物による環境汚染問題に対しても非常に有効な効果を奏する材料となる。
【0038】
次に金属化合物(C)について説明する。
金属化合物(C)は、2価以上の金属化合物であり、水酸基もしくはカルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。ポリマー(A)とポリマー(B)とがエステル化反応する際に、金属化合物(C)が水酸基もしくはカルボキシル基と反応することによって、好適に架橋構造を形成する。ここで生じる架橋構造は、イオン結合、共有結合はもちろん配位的な結合であってもよい。
【0039】
水酸基もしくはカルボキシル基と反応し得る金属化合物としては、
2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩もしくは亜硫酸塩(C1)、
ジルコニウム錯塩、ハロゲン化ジルコニウム、無機酸のジルコニウム塩もしくは有機酸のジルコニウム塩(C2)等が挙げられ、各群から選ばれる1種を単独で使用することもできるし、各郡内の2種以上を併用することもできるし、各群から選ばれる1種以上を併用することもできる。
【0040】
金属化合物(C1)としては、2価以上の金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩が好ましい。
2価以上の金属としては、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、AlもしくはZrが好ましく、Mg、Caがより好ましい。
【0041】
金属化合物(C2)としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、4塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム等のハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどの鉱酸のジルコニウム塩、蟻酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、カプリル酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウムなどの有機酸のジルコニウム塩、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、蓚酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム錯塩、などがあげられ、炭酸ジルコニウムアンモニウムが好ましい。炭酸ジルコニウムアンモニウムとしては、ニューテックス(株)製の「ジルコゾールAC−7」が挙げられる。
【0042】
ガスバリア性ポリマー層は、ポリマー(A)、ポリマー(B)及び金属化合物(C)を含有する組成物から形成される。組成物中にさらに、バーミキュライト、モンモリロナイト、ヘクトライト等の層状無機化合物を添加することによってガスバリア性ポリマー層のガスバリア性をさらに向上させることが出来る。
尚、金属化合物(C)のうち(C1)群の化合物と無機層状化合物とを使用すると、組成物が増粘し易い。従って、(A)〜(C1)及び無機層状化合物を含有する組成物を塗液状態で基材フィルム等に塗布する場合には、塗工方法を考慮することが好ましい。あるいは、この場合は、上記組成物を溶融押出しのような方法でフィルム化することが好ましい。
無機層状化合物を用いる場合に、塗液を塗工するという観点からは、(C1)群の金属化合物ではなく(C2)群の金属化合物を用いることが好ましい。
【0043】
また、ガスバリア性ポリマー層の特性を改良するために、本発明の目的を損なわない範囲で、(A)〜(C)を含有する組成物中に有機または無機の各種化合物、添加剤を含有させることが出来る。
【0044】
次に、本発明のガスバリア性フィルムの製造方法の一例を説明する。
ポリマー(A)、ポリマー(B)及び金属化合物(C)を含有する組成物の溶液を作製し、これを基材となるプラスチックフィルム等の上に塗布した後、加熱処理することによって得られる。
基材プラスチックフィルムには、アンダーコート層(以下、UC層ともいう)を設けておくこともできる。さらに、ガスバリア性ポリマー層(D)上にオーバーコート層(以下、OC層ともいう)を設けることもできる。
【0045】
(A)〜(C)含有組成物の溶液を作製する際の溶剤としては、水、またはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤等の1種または2種以上の混合溶剤を用いることが出来る。ポリマー(A)及びポリマー(B)が充分な水溶性を示す場合は、水を主たる成分として含む溶媒を使用することが環境および価格の面から好ましい。
【0046】
(A)〜(C)含有組成物の溶液からフィルムを作成する際には、溶液を基材上に塗布後直ちに加熱処理を行い乾燥皮膜の形成と加熱処理を同時に行っても良いし、又は塗布後ドライヤー等による熱風の吹き付けや赤外線照射等により水分を蒸発させて乾燥皮膜を形成させた後に、加熱処理を行っても良い。フィルムの状態やガスバリア性等の物性に特に障害が生じない限り、工程の短縮化等を考慮すると、塗布後直ちに加熱処理を行うことが好ましい。
【0047】
加熱処理方法としては特に限定されず、オーブン等の乾燥雰囲気下で加熱処理を行うことが一般的に考えられるが、例えば熱ロールと接触させて加熱処理を行っても良い。
【0048】
(A)〜(C)含有組成物を加熱処理することによって、ガスバリア性ポリマー層を形成する。これは、ポリマー(A)とポリマー(B)の間にエステル結合による架橋反応、及びポリマー(A)と金属化合物(C)並びにポリマー(B)と金属化合物(C)との間に架橋反応が起こるためと考えられる。このことから、高湿度下での十分な酸素ガスバリア性を発現するために必要な架橋反応起こすために、フィルムの加熱処理は100℃以上で350℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0049】
詳しくは、100℃以上140℃未満の温度範囲で90秒以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で1分以上、または180℃以上250℃未満の温度範囲で30秒以上の熱処理を行うことが好ましく、100℃以上140℃未満の温度範囲で2分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で90秒以上、または180℃以上240℃以上の温度範囲で1分以上の熱処理を行うことがより好ましく、100℃以上140℃未満の温度範囲で4分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で3分以上、または180℃以上220℃未満の温度範囲で2分以上の熱処理を行うことが特に好ましい。
【0050】
前記条件と比べて、加熱処理の温度が低すぎるあるいは時間が短すぎると、架橋反応が不十分となり、高湿度下での十分な酸素ガスバリア性を得ることが困難となる。また、加熱処理を350℃を超える温度で行うと、ガスバリア性ポリマー層及び基材フィルムに変形、皺の発生、熱分解によるガスバリア性等の物性低下をもたらしてしまう。
【0051】
尚、上記条件を満たしていれば加熱処理時間が長いほど、高湿度下でのガスバリア性は向上する傾向にあるが、生産性および基材フィルムの熱による変形、劣化等を考慮すると加熱処理時間は1時間以内であることが好ましく、30分以内であるとより好ましく、20分以内であることが特に好ましい。
【0052】
また、フィルムの加熱処理の際に起こる架橋反応の促進のために、組成物(C)中に触媒を添加してもかまわない。
【0053】
本発明における(A)〜(C)含有組成物の溶液から形成される層の厚みは、使用する用途に応じて適宜決めることが出来るが、0.1μm〜1000μmの厚みであることが好ましく、0.5μm〜100μmの厚みであるとより好ましく、0.5μm〜50μmの厚みであると特に好ましい。0.1μm未満の厚みでは十分なガスバリア性を発現する事が困難となり、一方1000μmを越える厚みになると塗工等の生産工程において困難を生じやすく、加熱処理に要するエネルギー量も多くなりすぎる。
【0054】
また、(A)〜(C)含有組成物の溶液中のポリマー濃度は、溶液全体の2〜80重量%の範囲であることが好ましく、5〜70重量%の範囲であることより好ましい。あまりに希薄な溶液では、十分なガスバリア性を発現するのに必要な厚みの層をコートすることが困難となり、また加熱処理工程において溶剤を蒸発させるために多量の熱量を要するという問題を生じやすい。一方、溶液の濃度が高すぎると溶液粘度が高くなり過ぎ混合、塗工時などにおける操作性の悪化を招く問題が生じる。
【0055】
本発明において、(A)〜(C)含有組成物の溶液を塗布するための基材フィルム、もしくはガスバリア性フィルムと積層するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂からなるフィルム、ナイロン6、ナイロン66,ナイロン46等のポリアミド樹脂からなるフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなるフィルム等が挙げられる。
【0056】
以上は、基材フィルムとガスバリア性ポリマー層とを必須とする場合であったが、基材フィルムは必ずしも必要ではない。
例えば、ガスバリア性ポリマー層が十分剥がれ得る性質のシートに、該ポリマー層形成用の組成物、即ち(A)〜(C)含有組成物を塗工し、組成物を硬化、架橋させ、ポリマー層を形成してもよい。この場合は、ガスバリア性ポリマー層自体が、ガスバリア性フィルムとなる。
また、基材フィルムとガスバリア性ポリマー層とを必須とする場合において、ガスバリア性ポリマー層のもう一方の面に他のプラスチックフィルムがさらに積層されていてもよい。
【0057】
本発明のフィルムおよび積層フィルムは、酸素ガスバリア性を必要とする様々な分野に適用することが出来、特に食品包装用材料の分野に好適である。
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0058】
酸素透過度は、Modern Control社製、酸素透過試験器OX−TRAN TWINを用い、フィルムを測定の直前までの3週間25℃、80%RHの雰囲気下においた後に測定した。また、加湿下での酸素透過度の測定では、酸素ガスとキャリアーガスである窒素ガスの双方に加湿を行った。
【0059】
積層フィルム中のポリマー(A)とポリマー(B)よりなるフィルム層の酸素透過度は以下の計算式により求めた。
1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPET
但し、
total:ポリマー(A)とポリマー(B)よりなるフィルム層とポリエチレンテレフタレートフィルム層からなる積層フィルムの酸素透過度
film:ポリマー(A)とポリマー(B)よりなるフィルム層の酸素透過度
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム層の酸素透過度
【0060】
[実施例1]
ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロン200)をトルエン/MEK混合溶媒に溶解したものにポリエステル100重量部に対して67重量部のポリイソシアネートを混合し、MEKにて固形分約15重量%のポリエステルイソシアネート混合溶液(1)を得た。
【0061】
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバール124)を熱水に溶解後、室温に冷却することにより、ポリビニルアルコール水溶液を得た。また、ポリイタコン酸(磐田化学工業(株)PIA―124)水溶液を調整した
。また、モンモリロナイト(クニミネ工業(株)クニピアF)をイオン交換水に4.0重量%で分散させ、モンモリロナイト分散液を得た。
ポリビニルアルコールの水酸基とポリイタコン酸のカルボキシル基が表1に示すようなモル比になるように、上記ポリビニルアルコール水溶液とポリイタコン酸水溶液とを混合し、さらに上記モンモリロナイト分散液を、ポリビニルアルコールとポリイタコン酸の合計100重量部に対してモンモリロナイトが20重量部となるように、また硫酸マグネシウムが1重量部となるように混合、調整し固形分4重量%の混合液を得た。この混合液をビーズミルを用いて分散し、モンモリロナイト分散樹脂溶液(2)を得た。
【0062】
延伸ポリエステルフィルム(厚み25μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(1)をバーコータNo.5を用いて塗工し、電気オーブンで80℃30秒の条件で乾燥しアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層上に上記モンモリロナイト分散樹脂溶液(2)をバーコータNo.30を用いて塗工し、電気オーブンで200℃10分の条件で乾燥及び熱処理を行い被膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られたフィルムを表1に示す水(湯)処理条件にて処理した。水(湯)処理後の積層フィルの酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
【0063】
[実施例2]
実施例1で用いたポリビニルアルコールの水酸基とポリイタコン酸のカルボキシル基が表1に示すようなモル比になるように、上記ポリビニルアルコール水溶液とポリイタコン酸水溶液とを混合し、さらに実施例1で用いたモンモリロナイト分散液を、ポリビニルアルコールとポリイタコン酸の合計100重量部に対してモンモリロナイトが20重量部となるように、また塩化カルシウムが1重量部となるように混合、調整し固形分4重量%の混合液を得た。この混合液をビーズミルを用いて分散し、モンモリロナイト分散樹脂溶液(3)を得た。
【0064】
延伸ポリエステルフィルム(厚み25μm)上に、実施例1で用いたポリエステルイソシアネート混合溶液(1)をバーコータNo.5を用いて塗工し、電気オーブンで80℃30秒の条件で乾燥しアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層上に上記モンモリロナイト分散樹脂溶液(3)をバーコータNo.30を用いて塗工し、電気オーブンで200℃10分の条件で乾燥及び熱処理を行い被膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られたフィルムを表1に示す水(湯)処理条件にて処理した。水(湯)処理後の積層フィルの酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
【0065】
[実施例3]
実施例1で用いたポリビニルアルコールの水酸基とポリイタコン酸のカルボキシル基が表1に示すようなモル比になるように、上記ポリビニルアルコール水溶液とポリイタコン酸水溶液とを混合し、さらに実施例1で用いたモンモリロナイト分散液を、ポリビニルアルコールとポリイタコン酸の合計100重量部に対してモンモリロナイトが20重量部となるように、また炭酸ジルコニウムアンモニウム(第一希元素工業(株)ジルコゾールAC−7)が1重量部となるように混合し、30重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて固形分8重量%、pH8の混合液を得た。この混合液をビーズミルを用いて分散し、モンモリロナイト分散樹脂溶液(4)を得た。
【0066】
延伸ポリエステルフィルム(厚み25μm)上に、実施例1で用いたポリエステルイソシアネート混合溶液(1)をバーコータNo.5を用いて塗工し、電気オーブンで80℃30秒の条件で乾燥しアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層上に上記モンモリロナイト分散樹脂溶液(4)をバーコータNo.15を用いて塗工し、電気オーブンで200℃10分の条件で乾燥及び熱処理を行い被膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られたフィルムを表1に示す水(湯)処理条件にて処理した。水(湯)処理後の積層フィルの酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
【0067】
[比較例1]
実施例1で用いたポリビニルアルコールの水酸基とポリイタコン酸のカルボキシル基が表1に示すようなモル比になるように、上記ポリビニルアルコール水溶液とポリイタコン酸水溶液とを混合し、さらに実施例1で用いたモンモリロナイト分散液を、ポリビニルアルコールとポリイタコン酸の合計100重量部に対してモンモリロナイトが20重量部となるように混合し、固形分10重量%の混合液を得た。この混合液をビーズミルを用いて分散し、モンモリロナイト分散樹脂溶液(5)を得た。
【0068】
延伸ポリエステルフィルム(厚み25μm)上に、実施例1で用いたポリエステルイソシアネート混合溶液(1)をバーコータNo.5を用いて塗工し、電気オーブンで80℃30秒の条件で乾燥しアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層上に上記モンモリロナイト分散樹脂溶液(5)をバーコータNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで200℃10分の条件で乾燥及び熱処理を行い被膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られたフィルムを表1に示す水(湯)処理条件にて処理した。水(湯)処理後の積層フィルの酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
【0069】
[比較例2]
実施例1で用いたポリビニルアルコール水溶液と実施例1で用いたモンモリロナイト分散液を、ポリビニルアルコール100重量部に対してモンモリロナイトが20重量部となるように混合し、固形分10重量%の混合液を得た。この混合液をビーズミルを用いて分散し、モンモリロナイト分散樹脂溶液(6)を得た。
【0070】
延伸ポリエステルフィルム(厚み25μm)上に、実施例1で用いたポリエステルイソシアネート混合溶液(1)をバーコータNo.5を用いて塗工し、電気オーブンで80℃30秒の条件で乾燥しアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層上に上記モンモリロナイト分散樹脂溶液(6)をバーコータNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで200℃10分の条件で乾燥及び熱処理を行い被膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られたフィルムを表1に示す水(湯)処理条件にて処理した。水(湯)処理後の積層フィルの酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
【0071】
[比較例3]
実施例1で用いたポリイタコン酸水溶液と実施例1で用いたモンモリロナイト分散液を、ポリイタコン酸100重量部に対してモンモリロナイトが20重量部となるように混合し、固形分10重量%の混合液を得た。この混合液をビーズミルを用いて分散し、モンモリロナイト分散樹脂溶液(7)を得た。
【0072】
延伸ポリエステルフィルム(厚み25μm)上に、実施例1で用いたポリエステルイソシアネート混合溶液(1)をバーコータNo.5を用いて塗工し、電気オーブンで80℃30秒の条件で乾燥しアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層上に上記モンモリロナイト分散樹脂溶液(7)をバーコータNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで200℃10分の条件で乾燥及び熱処理を行い被膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られたフィルムを表1に示す水(湯)処理条件にて処理した。水(湯)処理後の積層フィルの酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
【0073】
【表1】
Figure 2004035833
【0074】
【表2】
Figure 2004035833
【0075】
【発明の効果】
本発明により、構造中に塩素を含有せず、高湿度下での酸素ガスバリア性が優れており、しかもフィルム形成時における熱処理もしくは長時間の加熱処理を必要とせず、熱処理温度の低下に伴う高湿度化でのガスバリア性の低下が少ないガスバリア性フィルムと、該ガスバリア性フィルムの一方の面に、他のプラスチックフィルムが積層されてなることを特徴とするガスバリア性積層フィルムおよびその製造方法を提供することが出来た。

Claims (11)

  1. ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有する組成物から形成され、25℃、80%相対湿度の条件下で測定した酸素透過度が50cc・μm/m・24h・atm以下であることを特徴するガスバリア性フィルム。
  2. 2価以上の金属化合物(C)が、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得ることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性フィルム。
  3. ポリアルコール系ポリマー(A)中の水酸基と、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)中のイタコン酸単位とのモル比が、99:1〜30:70であることを特徴とする請求項1又は2記載のガスバリア性フィルム。
  4. 水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得る金属化合物が、2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩及び亜硫酸塩からなる群(C1)より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2又は3記載のガスバリア性フィルム。
  5. 2価以上の金属が、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、Al及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載のガスバリア性フィルム。
  6. 水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得る金属化合物が、ジルコニウム錯塩、ハロゲン化ジルコニウム、無機酸のジルコニウム塩及び有機酸のジルコニウム塩からなる群(C2)より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2又は3記載のガスバリア性フィルム。
  7. さらに無機層状化合物(D)を含有することを特徴とする請求項6記載のガスバリア性フィルム。
  8. ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有するガスバリア性フィルム形成用樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし7いずれか記載のガスバリア性フィルムの少なくとも一方の面に、他のプラスチックフィルムが積層されてなることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
  10. ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有するフィルム状の組成物を熱処理することを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法。
  11. ポリアルコール系ポリマー(A)、イタコン酸を主たる構成成分とするビニル系ポリマー(B)、及び2価以上の金属化合物(C)を含有する水溶液を、基材プラスチックフィルムに塗布し、熱処理することを特徴とするガスバリア性積層フィルムの製造方法。
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