JP2004035186A - 巻芯用ホルダ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成から巻取軸への巻芯の取り付け作業を速やかに行う巻芯用ホルダを提供すること。
【解決手段】幅の狭い細幅シートを巻取るスリッター装置において、極力簡単な構造から、複数個の巻芯Bを所定間隔で巻取軸100に装着する巻芯用ホルダ10であって、軸方向に延びる本体11と、該本体11の軸方向に沿って形成した凹部13と、該凹部13に軸方向の凹部13と交差する方向に所定間隔で形成した複数の溝部12を有する。
【選択図】 図3
【解決手段】幅の狭い細幅シートを巻取るスリッター装置において、極力簡単な構造から、複数個の巻芯Bを所定間隔で巻取軸100に装着する巻芯用ホルダ10であって、軸方向に延びる本体11と、該本体11の軸方向に沿って形成した凹部13と、該凹部13に軸方向の凹部13と交差する方向に所定間隔で形成した複数の溝部12を有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スリッター装置の巻取軸に巻芯を装着するのに用いる専用の部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙やプラスチックフィルムまたはアルミ箔等の広幅シートを長手方向に沿って複数の細幅シートにスリットするスリッター装置として、エアチャック式に巻芯を巻取軸と一体に回転させて、この巻芯上に細幅シートを巻取るものがある。一般的に、エアチャック(係止部材)は巻取軸の表面から昇降するように備えられ、巻取軸に巻芯が装着されると係止部材が駆動エアの作用により表面から上昇して巻芯の内面に押し付けられ、これによって巻芯が固定されて巻取作業が行なわれ、そして巻取作業が終了すると係止部材が降下して巻芯が解放され、巻取られたウエブロール(巻取製品)が巻芯とともに巻取軸から取り出されるように構成されている。
関連する先行技術として、例えば、特開2000−63009号公報に開示されたフィルム等の巻取軸と、特開2001−180849号公報に開示されたフィルム等の巻取軸を挙げることができる。これら発明は、いずれも圧搾空気を用いて球形状の係止部材を巻取軸の表面から昇降させ、巻取軸と巻芯との間で動力接断作業を行っている。尚、特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示された発明はいずれも本発明と同一の発明者によって発明されており、これら開示された内容は、参照上、本発明に抱合される。
【0003】
当業者には公知であるが、スリッター装置は広幅シートを長手方向に沿って複数の細幅シートにスリットする際、巻取製品の端部同士が重ならないようにするため、スリットされた細幅シートを通常二つの、異なる支軸上に取り付けた巻取軸に振り分けて巻取っている。この際、細幅品によっては、巻取条件、巻取軸の種類、巻取られるシートの種類及び巻取幅等に様々な条件が求められる。
例えば、近年、電子部品などに使用されるテープに9mm〜10mm程度の細幅品が要求されており、このため、より狭い細幅品を巻取ることを可能とする巻取軸を備えたスリッター装置が求められている。例えば、特願2002−160286号に記載のクランプ機構及びこのクランプ機構を利用する巻取軸では、主にホルダ、ベアリング及び係止部材からなるクランプ機構を利用して巻取軸を構成することで、巻取軸の構成要素を限定することにより、より幅の狭い巻芯を保持させている。
即ち、特願2002−160286号に記載された発明では、添付した図7に示すように、巻取軸100に設けるクランプ機構Aを構成するホルダ1は、内部にベアリング2を収容するとともに外表面に開口した係合孔3に係止部材4を出没自在に収容(図7の(B)参照)し、この際ベアリング2と係止部材4の少なくともいずれか一方の端部に傾斜状外周面を形成してベアリング2と係止部材4を当接させ、駆動手段によりベアリング2をスライドさせることにより係止部材4を傾斜状外周面に沿って係合孔3から突出させている(図7の(C)参照)。このように構成することによって、特願2002−160286号に記載された発明は、従来、例えば特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示された発明では幅38mmまでの巻芯しか保持することができなかったのに対して、幅9mmまでの巻芯を保持することを可能にしている。尚、特願2002−160286号の発明は、本発明と同一出願人によって出願されており、この内容は参照上、本発明に抱合される。
【0004】
このように、特願2002−160286号に記載された発明は幅約9mmの細幅シートを巻取ることを可能とし、より細い細幅品を求める市場の需要に応えているが、しかしながら、この場合、広幅シートは長手方向に沿ってより多くの細幅シートにスリットされるため、使用される巻芯の数が増えるとともに、巻芯の巻取軸上での位置決めがより難しくなり、故に手作業によって巻芯を巻取軸上に装着する作業は一層困難になっている。この場合、巻芯の一つ一つを手作業で巻取軸に装着するのでは、巻取作業全体が非経済的になるため好ましくなく、実務上、さらなる工夫が必要とされる。
【0005】
巻取軸上に巻芯を装着する作業工程を迅速化する関連技術として、例えば、特開平11−124258号方向に開示された巻取ユニットとその製造方法、製造装置及び装着装置と、特開2002−46906号公報に開示された円筒体供給装置がある。
特開平11−124258号公報に開示された発明は、巻取ユニットを補助台車に乗せ、且つその補助台車を移動台車に乗せてラベラー給紙部のリールシャフトの前に搬送し、そのまま、補助台車を前進させて、リールシャフトの下に設けているリフターに送り込むことで、自動的にリールシャフトに巻芯を嵌合させ、巻取ユニットをセットすることにより、巻取ユニットのセット作業を容易としている。
また、特開2002−46906号公報に開示された発明は、装置外部からアクセス可能な位置から所定位置の側方を通過するように配置され、円筒体(巻芯)の下面をその円筒体が軸線方向に移動可能な形態で保持するガイド手段と、該ガイド手段上に保持され、軸線方向に送られる円筒体の先端位置を規制するストッパと、前記ガイド手段上に保持された円筒体のうち、前記所定位置の側方に位置する円筒体をその軸線に直角方向に押し出すプッシャと、該プッシャで押し出される円筒体を受け取る供給台と、該供給台を、受け取った円筒体が前記所定位置に供給されるよう移動させる供給台駆動装置とを備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、巻取軸上に巻芯を装着する作業工程を迅速化するための先行技術は幾つかあるが、しかしながら、多くの場合、比較的幅の広いシートを巻取ることを前提にしており、近年、例えば幅9mm〜10mmの、より幅の狭いシートを巻取ることが要求される場合には、必ずしも十分に対応できなかった。
例えば、特開平11−124258号公報に開示された発明は、巻取ユニットの装着装置を構成する上で、移動台車を2台用意するとともにスリッター装置手前にリフターを備えることを必要とし、大型のスリッター装置以外では、構造を大きくし過ぎるため好ましくなかった。
また、特開2002−46906号公報に開示された発明は、ガイド手段、ストッパ、プッシャ、供給台及び供給台駆動装置を備えることを必要とするため、特に巻取工程の全自動化を必要としないスリッター装置の場合には、部品点数を増やし、必ずしも、常に経済的とはいえなかった。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、幅の狭い細幅シートを巻取るスリッター装置において、極力簡単な構造から、巻取軸への巻芯の取付作業を迅速かつ容易に行う巻芯用ホルダ(巻芯用取付部材)を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明においては、軸方向に延びる本体と、該本体の軸方向に沿って形成した凹部と、該凹部に軸方向の凹部と交差する方向に所定間隔で形成した複数の溝部を有することを特徴とする。
この構成では、簡単で経済的な構成から複数個の巻芯を所定間隔で同時に支持するとともに、巻芯用ホルダを凹部の内側から巻取軸に嵌合させるようにスライド移動させるだけで複数個の巻芯を巻取軸に対して所定間隔で速やかに装着することができ、巻取軸への巻芯の取付作業の迅速化と効率化を達成する。
【0009】
本発明に係る巻芯用ホルダは基本的には以上のように構成されるが、好適には巻芯は紙管であって、紙やプラスチックフィルムまたはアルミ箔等の広幅シートを長手方向に沿って複数の細幅シートにスリットするスリッター装置に用いられる。また紙管は細幅シート用であって、具体例の一つを挙げると、溝部の幅を約9mm〜10mmに構成するとともに、上記所定間隔をこの溝部の幅の大きさの2倍にする。ただし、この溝部の幅は9mm〜10mmに限定されず、他の大きさであってもよい。また、この溝部を形成する間隔は常に一定である必要はない。さらに、これら溝部の個数は任意であって、特定の数に限定されない。さらに、溝部の断面形状は少なくとも着脱自在に紙管の外周を挟持することによって、巻芯用ホルダを凹部の内側から巻取軸に嵌合させる機能を有していれば足りる。また、本発明に係る巻芯用ホルダは、少なくとも紙管の内面を圧接係合する任意の巻取軸に対して用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図を用いて、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ(巻芯用取付部材)について説明する。
【0011】
まず、主に添付した図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10の構造について説明する。ただし、図1は、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10を示す側面図であって、紙管Bを収容した状態と、紙管Bを取外した状態を夫々(A)、(B)に分けて示している。また、図2は、図1の(A)、(B)に示した巻芯用ホルダ10の正面図を夫々(A)、(B)に分けて示す図である。さらに、図3は、図1の(A)、(B)に示した巻芯用ホルダ10の一部の斜視図を夫々(A)、(B)に分けて示す図である。
図1及び図3に示すように、巻芯用ホルダ10は軸方向に延びる本体11と、該本体11の軸方向に沿って形成した凹部13と、該凹部13に軸方向の凹部13と交差する方向に所定間隔Lで形成した複数の溝部12を有する。
具体的には、例えば、スリッター装置を用いて約9mmの幅の細幅シートを巻取る際、巻取製品の端部同士が重ならないようにするため、スリットされた細幅シートを夫々二本の支軸上に取り付けた巻取軸に一つ置きに巻取る場合には、巻芯用ホルダ10は約9mmの幅の溝部12を約9mmの間隔で設けて、これら溝部12内に約9mmの幅の紙管Bを収容する。この場合、所定間隔Lは約18mmとなる。
ただし、これは具体例の一つに過ぎず、巻芯用ホルダ10は任意の間隔Lで、任意の大きさの溝部12を有することができる。
【0012】
上述したように、巻芯用ホルダ10は所定間隔Lで紙管Bを収容するが、この際、溝部12を本体11の底部に所定間隔Lで設けて、少なくとも着脱自在に紙管Bの外周を挟持する。しかしながら、紙管Bは円筒形状の外面を有するため、好適には図2の(A)に示すように、溝部12の断面形状を略U字形状に形成して、巻芯Bの外面に沿って溝部12の略U字形状の断面の底部(半円形状部)に巻芯Bを収容する。
この際、溝部12の略U字形状の断面は、収容する紙管Bの中心点Oを中心として、二つの区間12a、12bに分けることができる。即ち、図2の(A)に示すように、第一区間12aは紙管Bの外面と密接して紙管Bを本体11内に収容するために、紙管Bの外面に沿って延びるように半円形状に形成され、第二区間12bは紙管Bを本体11内に着脱自在に収容するために、巻芯用ホルダ10の側部に沿って、またはこの側部に対して鈍角をなして(図示せず)延びるように形成される。尚、紙管Bの中心点Oの位置は紙管Bを取り付ける巻取軸100の中心軸O−O(図1及び図3の(A)参照)上の位置に相当し、また巻芯用ホルダ10はこの軸O−Oに沿って延びる。
【0013】
ただし、溝部12の断面形状は図2に示した形状に限定されず、他、少なくとも着脱自在に紙管Bを外側から挟持する機能を有していれば足りる。ここで、添付した図4を参照して、本発明の他の実施形態に係る溝部12の断面形状について説明する。
図2の(A)に示した本体11に形成する溝部12の第二区間12bの長さd(U字形状の脚部の長さ)は任意であって、例えば、図4の(A)に示すように、溝部12は第一区間12aのみを有するように、断面を略C字状(半円形状)に形成してもよい。即ち、第二区間12bの長さdはゼロでもよい。この場合、例えば、図4の(A)の破線に示すように、二つの巻芯用ホルダ10、10’を夫々上面15にて上下に付き合わせることで、二つの溝部12内に紙管Bの全周を覆うように、より確実に本体11から紙管Bが抜け落ちないようにできる。この場合、例えば、一方の巻芯用ホルダ10の本体上面15に係合凹部(図示せず)を備えるとともに他方の巻芯用ホルダ10の本体上面15に係合凸部(図示せず)を備え、これら係合凹部と係合凸部を互いに突き合わせて係合させることで、巻芯用ホルダ10を対向して重ねてもよい。
また、図4の(B)に示すように、溝部12は第二区間12bを紙管Bの外径rBよりも長く延ばしてもよい。この場合、図4の(B)の破線に示すように、紙管Bを取り付けた巻芯用ホルダ10を上下に積重ね可能に構成することで、場所を取らずに巻芯用ホルダ10、10’を複数配置することが可能となる。この場合、例えば、巻芯用ホルダ10の本体底面16に係合凹部(図示せず)を備えるとともに本体上面15に係合凸部(図示せず)を備え、これら係合凹部と係合凸部を互いに上下に係合させることで、巻芯用ホルダ10を上下に複数重ねてもよい。
このように、好適には溝部12の断面形状を略U字形状に形成するが、しかしながら、特にこの略U字形状部の脚部の長さdは任意であって、この断面形状には、図4の(A)に示した断面形状(半円形状または略C字形状)と、図4の(B)に示した断面形状とが含まれる。
さらに、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10を構成する上で、各巻芯用ホルダ10の上方を蓋部(図示せず)を用いて覆うように構成してもよい。
【0014】
このように、本体11の凹部13に所定間隔Lで溝部12を形成することによって、複数の紙管Bを所定間隔Lで収容する。しかしながら、本体11に別体の凹部(仕切り部)13を所定間隔Lで設けて、これら仕切り部13の間に複数の紙管Bを所定間隔Lで収容するように溝部12を形成してもよい。
ただし、図3の(A)に示すように、溝部12内に紙管Bを収容する際、この紙管Bの内面よりも、凹部(または、仕切り部)13の内面が内側に突出しないようにする。即ち、凹部13の内面に形成する溝部12の深さは、紙管Bの厚さと同じか、またはこの厚さよりも浅くする。これは、図3の(A)の破線に示すように、本体11内に収容した紙管Bを巻取軸100に対して中心軸O−Oに沿って嵌合させる際、この取り付け作業を滑らかに行うためである。
つまり、巻芯用ホルダ10の本体11を巻取軸100の中心軸O−Oに沿って延ばし(図1参照)、かつ、溝部12内に収容される紙管Bの内面よりも凹部13の内面が内側に突出しないようにすることで、凹部13の内側から巻芯用ホルダ10を巻取軸100に嵌合させるようにスライド移動させることができる。
【0015】
また、図3の(B)の符号14に示すように、紙管Bを手(指)または器具(図示せず)で掴持して溝部12内に出し入れする動作を容易にするために、凹部(仕切り部)13の端部14の幅を狭めて、手動操作による、紙管Bの溝部12への挿入を容易にしてもよい。添付した図では、凹部(仕切り部)13はこの端部14の両側部から直線状にテーパ付けて先細るようにしているが、しかしながら、曲線状に端部14の幅を狭めてもよい(図示せず)。
【0016】
このように、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10は断面が凹状の本体11を有し、かつ紙管Bを収容する溝部12をこの凹状の断面の底部に、軸方向に交差する方向に所定間隔Lで設けることによって、複数個の巻芯Bを所定間隔Lで巻取軸100のクランプ機構A上に装着することを可能にする。さらに、別体の位置決めナットを用意して、巻芯用ホルダ10に形成した所定間隔Lの開始点と、巻取軸100上に要求される所定間隔Lの開始点とを合わせる。
【0017】
即ち、添付した図5に示すように、両端部をベアリングDによって支持される支軸C上にクランプ機構Aを複数連設した巻取軸100に対して、所定間隔Lで紙管Bを取り付ける場合、巻芯用ホルダ10に形成した所定間隔Lの開始点と、巻取軸100の紙管Bを取り付ける所定間隔Lの開始点とを合わせる必要がある。このため、別体の位置決めナット(位置決め部材)20を用意して、この内面22を支軸Cの端部側の外面上に取り付ける。この際、図5に示すクランプ機構A側の端部21から紙管Bの取付開始点までの距離Uと、図1に示す巻芯用ホルダ10の端部17(または18)から最初の溝部12までの距離S(またはT)を予め同一にすることによって、巻芯用ホルダ10の端部17(または18)を位置決めナット20の端部21に当接させることで、各紙管Bを各クランプ機構A上の所望の位置に位置決めさせる。ただし、位置決めナット20の外面23の高さをクランプ機構Aの外面の高さよりも高くして、巻芯用ホルダ10が位置決めナット20を超えて移動しないようにする。
尚、図1に示す巻取軸100に紙管Bを取り付ける開始点を決定する端部19を、巻芯用ホルダ10の本体11から着脱、交換自在に構成して、本体の端部17、18から最初の溝部12までの距離S、Tを変更自在に構成してもよい(図示せず)。
【0018】
さらに、図5に示すように巻取軸100の端部付近から最後尾のクランプ機構Aまでの距離Vの間に巻取りを行わない区間が生じる場合、クランプ機構Aと同じ高さ33を有する別体の円筒形状部30を支軸C上に取り付けて、図5の符号Xに示すように支軸Cの端部から巻芯用ホルダ10を挿入する際、この巻芯用ホルダ10の挿入操作を容易にしてもよい。ただし、部材30は内面32にて支軸Cの外面上に取り付けられ、最後尾のクランプ機構Aと当接する。
【0019】
ここで、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10を用いた、巻取軸100に対する紙管Bの取り付け方法を説明する。好適には、この方法は次の(I)〜(IV)のステップを経て行われる。即ち、
(I)所定間隔Lに沿って溝部12を備えた巻芯用ホルダ10を用意し、これら溝部12に夫々紙管Bを取り付け、
(II)巻芯用ホルダ10を巻取軸100の端部から嵌合させるように挿入して、巻芯用ホルダ10を軸方向に沿ってスライド移動させ、巻芯用ホルダ10の端部を位置決めナット20に当接させることで、各紙管Bを各クランプ機構A上の所定の位置に位置決めし、
(III)各クランプ機構Aを作動状態に移動させて、各係止部材4により各紙管Bの内面を圧接係合し、
(IV)巻芯用ホルダ10を下方に移動させて、各紙管Bを各溝部12から離脱させた後に、巻芯用ホルダ10を引き抜いて、各紙管Bを所定間隔Lで巻取軸100上に装着する。
ただし、好適には使用する巻取軸100は特願2002−160286号に開示した巻取軸であり、紙管Bは約9mm〜10mmの幅を有する。しかしながら、少なくとも紙管Bの内面を圧接係合する、例えば特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示した他の巻取軸を用いてもよく、また紙管Bは異なる大きさの厚さを有していてもよい。
以下、図6と図7を参照して、(I)〜(IV)の各ステップについてより具体的に説明する。ただし、図6は、図5に示した巻取軸100のうち、巻取りを行う領域Wに限定して示す略図である。また、実際には、この領域Wの幅では図1に示すように多数の紙管Bを取り付けるが、添付した図6では説明を容易にするために、8つの紙管Bを取り付ける。
【0020】
図示するように、図6の(A)は非作動状態のクランプ機構Aを示す図である。この状態では、図7の(B)に示すように、紙管Bを係合させる係止部材4はホルダ1から突出しておらず、ホルダ1内に収容されている。具体的には、係止部材4は弾性部材(ばね)5の弾力によって、ホルダ1の外面と並んで、またはホルダ1の外面よりもやや下方に収容される。この場合、ホルダ1の外径がクランプ機構Aの最大外径となる。一方、紙管Bの内径及び巻芯用ホルダ10の凹部(仕切り部)13の内径は非作動状態におけるクランプ機構Aの最大外径よりも大きく、故にステップ(I)において紙管Bを溝部12内に取り付けた巻芯用ホルダ10は、図6の(A)の破線に示すように、巻取軸100の端部から挿入することが可能となる。尚、巻取軸100がスリッター装置(図示せず)によって片持支持されている場合には、この自由端部から巻芯用ホルダ10を挿入し、また巻取軸100がスリッター装置によって両持支持されている場合には、いずれか一方の端部の支持を外して、巻芯用ホルダ10をこの端部から挿入するものとする。
【0021】
さらに、図6の(A)及び(B)に示すように、ステップ(II)において所望の位置まで巻芯用ホルダ10をスライド移動し、巻芯用ホルダ10の端部17または18を位置決めナット20の端部21に当接させて(図示せず)、各紙管Bを各クランプ機構A上の所定の位置に位置決めした後、図6の(C)に示すように、ステップ(III)において各クランプ機構Aを作動状態に移動させて、各係止部材4をホルダ1外面から突出させる(図7の(C)参照)。この際、各係止部材4は各紙管Bの内面と係合し、各紙管Bを各クランプ機構Aと一体に回転自在の状態にする。この場合、作動状態におけるクランプ機構Aの最大外径は紙管Bの内径とほぼ等しく、紙管Bを押圧接して定位置に固定し、巻芯用ホルダ10のさらなるスライド移動を防止する。
尚、図7の(B)及び(C)に示すように、好適には各クランプ機構Aは径方向に4つの係止部材4を備えて、紙管Bの内面を4箇所から固定するが、しかしながらこの個数は少なくとも2つ以上であればよい。
また、図6及び図7に示した実施の形態では、特願2002−160286号に記載された発明のように、係止部材4は滑らかに湾曲する面から係止部材4の外面と紙管Bの内面とを接触させる。この場合、操作後の紙管Bの接触面上に不本意な滑りを生じさせず、また必要以上の圧力を与えて窪んだ痕を残すことを避けることができ、商品性に好ましくない影響を与えないという長所を有する。
しかしながら、特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示された発明のように、圧搾空気を用いて球形状の係止部材(図示せず)を転動させて、各クランプ機構Aと各紙管Bとの間で動力接断作業を行ってもよい。ただし、この場合、圧接される側の紙管Bの接触面上に窪んだ痕を残すことが商品上、問題とならないことが望ましい。
さらに、本発明に係る巻芯用ホルダ10は、他、さらなる構造及び/または特徴を有する巻取軸に対して使用されてもよい。
【0022】
最後に、図6の(C)及び(D)に示すように、ステップ(IV)において、符号Yに示すように、巻芯用ホルダ10をクランプ機構Aと係合した紙管Bから下方(支軸Cの径方向)に取外す。この取外し作業は溝部12の断面形状を略U字形状に形成することによって、このU字形状の脚部に沿って、スライド方向Xとほぼ垂直方向に巻芯用ホルダ10を移動させることで可能となる。
以上のように、ステップ(I)〜(IV)を経て、係止部材4をホルダ1の外面に開口形成した係合孔3から外方に突出して、紙管Bの内面に圧接係合し、また、従来の技術において公知な手段により、ホルダ1と支軸Cを摩擦係合する。従って、各クランプ機構Aが支軸Cと一体に回転すると同時に各紙管Bがクランプ機構Aと一体に回転するため、各紙管Bの外周に紙やフィルム(図示せず)を巻取ることが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成された巻芯用ホルダであるから、請求項1に記載した発明によれば、簡単で経済的な構成から複数個の巻芯を所定間隔で同時に支持するとともに、巻芯用ホルダを凹部の内側から巻取軸に嵌合させるようにスライド移動させるだけで複数個の巻芯を巻取軸に対して所定間隔で速やかに装着することができ、巻取軸への巻芯の取付作業の迅速化と効率化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダの側面図を、紙管を取り付けた状態(A)と取外した状態(B)とに分けて示す斜視図である。
【図2】図1に示した巻芯用ホルダの正面図を(A)、(B)に分けて示す図である。
【図3】図1に示した巻芯用ホルダの一部の斜視図を(A)、(B)に分けて示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る巻芯用ホルダの溝部の形状を(A)、(B)に分けて示す図である。
【図5】支軸上に複数のクランプ機構を連設する巻取軸を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダを用いた巻取軸への巻芯の装着方法を(A)、(B)、(C)及び(D)に分けて示す図である。
【図7】従来の技術に係る巻取軸と、この巻取軸の作動を(A)、(B)及び(C)に分けて示す図である。
【符号の説明】
A クランプ機構
B 巻芯(紙管)
1 ホルダ
4 係止部材(エアチャック)
10 巻芯用ホルダ(巻芯用取付部材)
11 本体
12 溝部
13 凹部(仕切り部)
20 位置決めナット(位置決め部材)
100 巻取軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、スリッター装置の巻取軸に巻芯を装着するのに用いる専用の部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙やプラスチックフィルムまたはアルミ箔等の広幅シートを長手方向に沿って複数の細幅シートにスリットするスリッター装置として、エアチャック式に巻芯を巻取軸と一体に回転させて、この巻芯上に細幅シートを巻取るものがある。一般的に、エアチャック(係止部材)は巻取軸の表面から昇降するように備えられ、巻取軸に巻芯が装着されると係止部材が駆動エアの作用により表面から上昇して巻芯の内面に押し付けられ、これによって巻芯が固定されて巻取作業が行なわれ、そして巻取作業が終了すると係止部材が降下して巻芯が解放され、巻取られたウエブロール(巻取製品)が巻芯とともに巻取軸から取り出されるように構成されている。
関連する先行技術として、例えば、特開2000−63009号公報に開示されたフィルム等の巻取軸と、特開2001−180849号公報に開示されたフィルム等の巻取軸を挙げることができる。これら発明は、いずれも圧搾空気を用いて球形状の係止部材を巻取軸の表面から昇降させ、巻取軸と巻芯との間で動力接断作業を行っている。尚、特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示された発明はいずれも本発明と同一の発明者によって発明されており、これら開示された内容は、参照上、本発明に抱合される。
【0003】
当業者には公知であるが、スリッター装置は広幅シートを長手方向に沿って複数の細幅シートにスリットする際、巻取製品の端部同士が重ならないようにするため、スリットされた細幅シートを通常二つの、異なる支軸上に取り付けた巻取軸に振り分けて巻取っている。この際、細幅品によっては、巻取条件、巻取軸の種類、巻取られるシートの種類及び巻取幅等に様々な条件が求められる。
例えば、近年、電子部品などに使用されるテープに9mm〜10mm程度の細幅品が要求されており、このため、より狭い細幅品を巻取ることを可能とする巻取軸を備えたスリッター装置が求められている。例えば、特願2002−160286号に記載のクランプ機構及びこのクランプ機構を利用する巻取軸では、主にホルダ、ベアリング及び係止部材からなるクランプ機構を利用して巻取軸を構成することで、巻取軸の構成要素を限定することにより、より幅の狭い巻芯を保持させている。
即ち、特願2002−160286号に記載された発明では、添付した図7に示すように、巻取軸100に設けるクランプ機構Aを構成するホルダ1は、内部にベアリング2を収容するとともに外表面に開口した係合孔3に係止部材4を出没自在に収容(図7の(B)参照)し、この際ベアリング2と係止部材4の少なくともいずれか一方の端部に傾斜状外周面を形成してベアリング2と係止部材4を当接させ、駆動手段によりベアリング2をスライドさせることにより係止部材4を傾斜状外周面に沿って係合孔3から突出させている(図7の(C)参照)。このように構成することによって、特願2002−160286号に記載された発明は、従来、例えば特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示された発明では幅38mmまでの巻芯しか保持することができなかったのに対して、幅9mmまでの巻芯を保持することを可能にしている。尚、特願2002−160286号の発明は、本発明と同一出願人によって出願されており、この内容は参照上、本発明に抱合される。
【0004】
このように、特願2002−160286号に記載された発明は幅約9mmの細幅シートを巻取ることを可能とし、より細い細幅品を求める市場の需要に応えているが、しかしながら、この場合、広幅シートは長手方向に沿ってより多くの細幅シートにスリットされるため、使用される巻芯の数が増えるとともに、巻芯の巻取軸上での位置決めがより難しくなり、故に手作業によって巻芯を巻取軸上に装着する作業は一層困難になっている。この場合、巻芯の一つ一つを手作業で巻取軸に装着するのでは、巻取作業全体が非経済的になるため好ましくなく、実務上、さらなる工夫が必要とされる。
【0005】
巻取軸上に巻芯を装着する作業工程を迅速化する関連技術として、例えば、特開平11−124258号方向に開示された巻取ユニットとその製造方法、製造装置及び装着装置と、特開2002−46906号公報に開示された円筒体供給装置がある。
特開平11−124258号公報に開示された発明は、巻取ユニットを補助台車に乗せ、且つその補助台車を移動台車に乗せてラベラー給紙部のリールシャフトの前に搬送し、そのまま、補助台車を前進させて、リールシャフトの下に設けているリフターに送り込むことで、自動的にリールシャフトに巻芯を嵌合させ、巻取ユニットをセットすることにより、巻取ユニットのセット作業を容易としている。
また、特開2002−46906号公報に開示された発明は、装置外部からアクセス可能な位置から所定位置の側方を通過するように配置され、円筒体(巻芯)の下面をその円筒体が軸線方向に移動可能な形態で保持するガイド手段と、該ガイド手段上に保持され、軸線方向に送られる円筒体の先端位置を規制するストッパと、前記ガイド手段上に保持された円筒体のうち、前記所定位置の側方に位置する円筒体をその軸線に直角方向に押し出すプッシャと、該プッシャで押し出される円筒体を受け取る供給台と、該供給台を、受け取った円筒体が前記所定位置に供給されるよう移動させる供給台駆動装置とを備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、巻取軸上に巻芯を装着する作業工程を迅速化するための先行技術は幾つかあるが、しかしながら、多くの場合、比較的幅の広いシートを巻取ることを前提にしており、近年、例えば幅9mm〜10mmの、より幅の狭いシートを巻取ることが要求される場合には、必ずしも十分に対応できなかった。
例えば、特開平11−124258号公報に開示された発明は、巻取ユニットの装着装置を構成する上で、移動台車を2台用意するとともにスリッター装置手前にリフターを備えることを必要とし、大型のスリッター装置以外では、構造を大きくし過ぎるため好ましくなかった。
また、特開2002−46906号公報に開示された発明は、ガイド手段、ストッパ、プッシャ、供給台及び供給台駆動装置を備えることを必要とするため、特に巻取工程の全自動化を必要としないスリッター装置の場合には、部品点数を増やし、必ずしも、常に経済的とはいえなかった。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、幅の狭い細幅シートを巻取るスリッター装置において、極力簡単な構造から、巻取軸への巻芯の取付作業を迅速かつ容易に行う巻芯用ホルダ(巻芯用取付部材)を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明においては、軸方向に延びる本体と、該本体の軸方向に沿って形成した凹部と、該凹部に軸方向の凹部と交差する方向に所定間隔で形成した複数の溝部を有することを特徴とする。
この構成では、簡単で経済的な構成から複数個の巻芯を所定間隔で同時に支持するとともに、巻芯用ホルダを凹部の内側から巻取軸に嵌合させるようにスライド移動させるだけで複数個の巻芯を巻取軸に対して所定間隔で速やかに装着することができ、巻取軸への巻芯の取付作業の迅速化と効率化を達成する。
【0009】
本発明に係る巻芯用ホルダは基本的には以上のように構成されるが、好適には巻芯は紙管であって、紙やプラスチックフィルムまたはアルミ箔等の広幅シートを長手方向に沿って複数の細幅シートにスリットするスリッター装置に用いられる。また紙管は細幅シート用であって、具体例の一つを挙げると、溝部の幅を約9mm〜10mmに構成するとともに、上記所定間隔をこの溝部の幅の大きさの2倍にする。ただし、この溝部の幅は9mm〜10mmに限定されず、他の大きさであってもよい。また、この溝部を形成する間隔は常に一定である必要はない。さらに、これら溝部の個数は任意であって、特定の数に限定されない。さらに、溝部の断面形状は少なくとも着脱自在に紙管の外周を挟持することによって、巻芯用ホルダを凹部の内側から巻取軸に嵌合させる機能を有していれば足りる。また、本発明に係る巻芯用ホルダは、少なくとも紙管の内面を圧接係合する任意の巻取軸に対して用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図を用いて、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ(巻芯用取付部材)について説明する。
【0011】
まず、主に添付した図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10の構造について説明する。ただし、図1は、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10を示す側面図であって、紙管Bを収容した状態と、紙管Bを取外した状態を夫々(A)、(B)に分けて示している。また、図2は、図1の(A)、(B)に示した巻芯用ホルダ10の正面図を夫々(A)、(B)に分けて示す図である。さらに、図3は、図1の(A)、(B)に示した巻芯用ホルダ10の一部の斜視図を夫々(A)、(B)に分けて示す図である。
図1及び図3に示すように、巻芯用ホルダ10は軸方向に延びる本体11と、該本体11の軸方向に沿って形成した凹部13と、該凹部13に軸方向の凹部13と交差する方向に所定間隔Lで形成した複数の溝部12を有する。
具体的には、例えば、スリッター装置を用いて約9mmの幅の細幅シートを巻取る際、巻取製品の端部同士が重ならないようにするため、スリットされた細幅シートを夫々二本の支軸上に取り付けた巻取軸に一つ置きに巻取る場合には、巻芯用ホルダ10は約9mmの幅の溝部12を約9mmの間隔で設けて、これら溝部12内に約9mmの幅の紙管Bを収容する。この場合、所定間隔Lは約18mmとなる。
ただし、これは具体例の一つに過ぎず、巻芯用ホルダ10は任意の間隔Lで、任意の大きさの溝部12を有することができる。
【0012】
上述したように、巻芯用ホルダ10は所定間隔Lで紙管Bを収容するが、この際、溝部12を本体11の底部に所定間隔Lで設けて、少なくとも着脱自在に紙管Bの外周を挟持する。しかしながら、紙管Bは円筒形状の外面を有するため、好適には図2の(A)に示すように、溝部12の断面形状を略U字形状に形成して、巻芯Bの外面に沿って溝部12の略U字形状の断面の底部(半円形状部)に巻芯Bを収容する。
この際、溝部12の略U字形状の断面は、収容する紙管Bの中心点Oを中心として、二つの区間12a、12bに分けることができる。即ち、図2の(A)に示すように、第一区間12aは紙管Bの外面と密接して紙管Bを本体11内に収容するために、紙管Bの外面に沿って延びるように半円形状に形成され、第二区間12bは紙管Bを本体11内に着脱自在に収容するために、巻芯用ホルダ10の側部に沿って、またはこの側部に対して鈍角をなして(図示せず)延びるように形成される。尚、紙管Bの中心点Oの位置は紙管Bを取り付ける巻取軸100の中心軸O−O(図1及び図3の(A)参照)上の位置に相当し、また巻芯用ホルダ10はこの軸O−Oに沿って延びる。
【0013】
ただし、溝部12の断面形状は図2に示した形状に限定されず、他、少なくとも着脱自在に紙管Bを外側から挟持する機能を有していれば足りる。ここで、添付した図4を参照して、本発明の他の実施形態に係る溝部12の断面形状について説明する。
図2の(A)に示した本体11に形成する溝部12の第二区間12bの長さd(U字形状の脚部の長さ)は任意であって、例えば、図4の(A)に示すように、溝部12は第一区間12aのみを有するように、断面を略C字状(半円形状)に形成してもよい。即ち、第二区間12bの長さdはゼロでもよい。この場合、例えば、図4の(A)の破線に示すように、二つの巻芯用ホルダ10、10’を夫々上面15にて上下に付き合わせることで、二つの溝部12内に紙管Bの全周を覆うように、より確実に本体11から紙管Bが抜け落ちないようにできる。この場合、例えば、一方の巻芯用ホルダ10の本体上面15に係合凹部(図示せず)を備えるとともに他方の巻芯用ホルダ10の本体上面15に係合凸部(図示せず)を備え、これら係合凹部と係合凸部を互いに突き合わせて係合させることで、巻芯用ホルダ10を対向して重ねてもよい。
また、図4の(B)に示すように、溝部12は第二区間12bを紙管Bの外径rBよりも長く延ばしてもよい。この場合、図4の(B)の破線に示すように、紙管Bを取り付けた巻芯用ホルダ10を上下に積重ね可能に構成することで、場所を取らずに巻芯用ホルダ10、10’を複数配置することが可能となる。この場合、例えば、巻芯用ホルダ10の本体底面16に係合凹部(図示せず)を備えるとともに本体上面15に係合凸部(図示せず)を備え、これら係合凹部と係合凸部を互いに上下に係合させることで、巻芯用ホルダ10を上下に複数重ねてもよい。
このように、好適には溝部12の断面形状を略U字形状に形成するが、しかしながら、特にこの略U字形状部の脚部の長さdは任意であって、この断面形状には、図4の(A)に示した断面形状(半円形状または略C字形状)と、図4の(B)に示した断面形状とが含まれる。
さらに、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10を構成する上で、各巻芯用ホルダ10の上方を蓋部(図示せず)を用いて覆うように構成してもよい。
【0014】
このように、本体11の凹部13に所定間隔Lで溝部12を形成することによって、複数の紙管Bを所定間隔Lで収容する。しかしながら、本体11に別体の凹部(仕切り部)13を所定間隔Lで設けて、これら仕切り部13の間に複数の紙管Bを所定間隔Lで収容するように溝部12を形成してもよい。
ただし、図3の(A)に示すように、溝部12内に紙管Bを収容する際、この紙管Bの内面よりも、凹部(または、仕切り部)13の内面が内側に突出しないようにする。即ち、凹部13の内面に形成する溝部12の深さは、紙管Bの厚さと同じか、またはこの厚さよりも浅くする。これは、図3の(A)の破線に示すように、本体11内に収容した紙管Bを巻取軸100に対して中心軸O−Oに沿って嵌合させる際、この取り付け作業を滑らかに行うためである。
つまり、巻芯用ホルダ10の本体11を巻取軸100の中心軸O−Oに沿って延ばし(図1参照)、かつ、溝部12内に収容される紙管Bの内面よりも凹部13の内面が内側に突出しないようにすることで、凹部13の内側から巻芯用ホルダ10を巻取軸100に嵌合させるようにスライド移動させることができる。
【0015】
また、図3の(B)の符号14に示すように、紙管Bを手(指)または器具(図示せず)で掴持して溝部12内に出し入れする動作を容易にするために、凹部(仕切り部)13の端部14の幅を狭めて、手動操作による、紙管Bの溝部12への挿入を容易にしてもよい。添付した図では、凹部(仕切り部)13はこの端部14の両側部から直線状にテーパ付けて先細るようにしているが、しかしながら、曲線状に端部14の幅を狭めてもよい(図示せず)。
【0016】
このように、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10は断面が凹状の本体11を有し、かつ紙管Bを収容する溝部12をこの凹状の断面の底部に、軸方向に交差する方向に所定間隔Lで設けることによって、複数個の巻芯Bを所定間隔Lで巻取軸100のクランプ機構A上に装着することを可能にする。さらに、別体の位置決めナットを用意して、巻芯用ホルダ10に形成した所定間隔Lの開始点と、巻取軸100上に要求される所定間隔Lの開始点とを合わせる。
【0017】
即ち、添付した図5に示すように、両端部をベアリングDによって支持される支軸C上にクランプ機構Aを複数連設した巻取軸100に対して、所定間隔Lで紙管Bを取り付ける場合、巻芯用ホルダ10に形成した所定間隔Lの開始点と、巻取軸100の紙管Bを取り付ける所定間隔Lの開始点とを合わせる必要がある。このため、別体の位置決めナット(位置決め部材)20を用意して、この内面22を支軸Cの端部側の外面上に取り付ける。この際、図5に示すクランプ機構A側の端部21から紙管Bの取付開始点までの距離Uと、図1に示す巻芯用ホルダ10の端部17(または18)から最初の溝部12までの距離S(またはT)を予め同一にすることによって、巻芯用ホルダ10の端部17(または18)を位置決めナット20の端部21に当接させることで、各紙管Bを各クランプ機構A上の所望の位置に位置決めさせる。ただし、位置決めナット20の外面23の高さをクランプ機構Aの外面の高さよりも高くして、巻芯用ホルダ10が位置決めナット20を超えて移動しないようにする。
尚、図1に示す巻取軸100に紙管Bを取り付ける開始点を決定する端部19を、巻芯用ホルダ10の本体11から着脱、交換自在に構成して、本体の端部17、18から最初の溝部12までの距離S、Tを変更自在に構成してもよい(図示せず)。
【0018】
さらに、図5に示すように巻取軸100の端部付近から最後尾のクランプ機構Aまでの距離Vの間に巻取りを行わない区間が生じる場合、クランプ機構Aと同じ高さ33を有する別体の円筒形状部30を支軸C上に取り付けて、図5の符号Xに示すように支軸Cの端部から巻芯用ホルダ10を挿入する際、この巻芯用ホルダ10の挿入操作を容易にしてもよい。ただし、部材30は内面32にて支軸Cの外面上に取り付けられ、最後尾のクランプ機構Aと当接する。
【0019】
ここで、本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダ10を用いた、巻取軸100に対する紙管Bの取り付け方法を説明する。好適には、この方法は次の(I)〜(IV)のステップを経て行われる。即ち、
(I)所定間隔Lに沿って溝部12を備えた巻芯用ホルダ10を用意し、これら溝部12に夫々紙管Bを取り付け、
(II)巻芯用ホルダ10を巻取軸100の端部から嵌合させるように挿入して、巻芯用ホルダ10を軸方向に沿ってスライド移動させ、巻芯用ホルダ10の端部を位置決めナット20に当接させることで、各紙管Bを各クランプ機構A上の所定の位置に位置決めし、
(III)各クランプ機構Aを作動状態に移動させて、各係止部材4により各紙管Bの内面を圧接係合し、
(IV)巻芯用ホルダ10を下方に移動させて、各紙管Bを各溝部12から離脱させた後に、巻芯用ホルダ10を引き抜いて、各紙管Bを所定間隔Lで巻取軸100上に装着する。
ただし、好適には使用する巻取軸100は特願2002−160286号に開示した巻取軸であり、紙管Bは約9mm〜10mmの幅を有する。しかしながら、少なくとも紙管Bの内面を圧接係合する、例えば特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示した他の巻取軸を用いてもよく、また紙管Bは異なる大きさの厚さを有していてもよい。
以下、図6と図7を参照して、(I)〜(IV)の各ステップについてより具体的に説明する。ただし、図6は、図5に示した巻取軸100のうち、巻取りを行う領域Wに限定して示す略図である。また、実際には、この領域Wの幅では図1に示すように多数の紙管Bを取り付けるが、添付した図6では説明を容易にするために、8つの紙管Bを取り付ける。
【0020】
図示するように、図6の(A)は非作動状態のクランプ機構Aを示す図である。この状態では、図7の(B)に示すように、紙管Bを係合させる係止部材4はホルダ1から突出しておらず、ホルダ1内に収容されている。具体的には、係止部材4は弾性部材(ばね)5の弾力によって、ホルダ1の外面と並んで、またはホルダ1の外面よりもやや下方に収容される。この場合、ホルダ1の外径がクランプ機構Aの最大外径となる。一方、紙管Bの内径及び巻芯用ホルダ10の凹部(仕切り部)13の内径は非作動状態におけるクランプ機構Aの最大外径よりも大きく、故にステップ(I)において紙管Bを溝部12内に取り付けた巻芯用ホルダ10は、図6の(A)の破線に示すように、巻取軸100の端部から挿入することが可能となる。尚、巻取軸100がスリッター装置(図示せず)によって片持支持されている場合には、この自由端部から巻芯用ホルダ10を挿入し、また巻取軸100がスリッター装置によって両持支持されている場合には、いずれか一方の端部の支持を外して、巻芯用ホルダ10をこの端部から挿入するものとする。
【0021】
さらに、図6の(A)及び(B)に示すように、ステップ(II)において所望の位置まで巻芯用ホルダ10をスライド移動し、巻芯用ホルダ10の端部17または18を位置決めナット20の端部21に当接させて(図示せず)、各紙管Bを各クランプ機構A上の所定の位置に位置決めした後、図6の(C)に示すように、ステップ(III)において各クランプ機構Aを作動状態に移動させて、各係止部材4をホルダ1外面から突出させる(図7の(C)参照)。この際、各係止部材4は各紙管Bの内面と係合し、各紙管Bを各クランプ機構Aと一体に回転自在の状態にする。この場合、作動状態におけるクランプ機構Aの最大外径は紙管Bの内径とほぼ等しく、紙管Bを押圧接して定位置に固定し、巻芯用ホルダ10のさらなるスライド移動を防止する。
尚、図7の(B)及び(C)に示すように、好適には各クランプ機構Aは径方向に4つの係止部材4を備えて、紙管Bの内面を4箇所から固定するが、しかしながらこの個数は少なくとも2つ以上であればよい。
また、図6及び図7に示した実施の形態では、特願2002−160286号に記載された発明のように、係止部材4は滑らかに湾曲する面から係止部材4の外面と紙管Bの内面とを接触させる。この場合、操作後の紙管Bの接触面上に不本意な滑りを生じさせず、また必要以上の圧力を与えて窪んだ痕を残すことを避けることができ、商品性に好ましくない影響を与えないという長所を有する。
しかしながら、特開2000−63009号公報及び特開2001−180849号公報に開示された発明のように、圧搾空気を用いて球形状の係止部材(図示せず)を転動させて、各クランプ機構Aと各紙管Bとの間で動力接断作業を行ってもよい。ただし、この場合、圧接される側の紙管Bの接触面上に窪んだ痕を残すことが商品上、問題とならないことが望ましい。
さらに、本発明に係る巻芯用ホルダ10は、他、さらなる構造及び/または特徴を有する巻取軸に対して使用されてもよい。
【0022】
最後に、図6の(C)及び(D)に示すように、ステップ(IV)において、符号Yに示すように、巻芯用ホルダ10をクランプ機構Aと係合した紙管Bから下方(支軸Cの径方向)に取外す。この取外し作業は溝部12の断面形状を略U字形状に形成することによって、このU字形状の脚部に沿って、スライド方向Xとほぼ垂直方向に巻芯用ホルダ10を移動させることで可能となる。
以上のように、ステップ(I)〜(IV)を経て、係止部材4をホルダ1の外面に開口形成した係合孔3から外方に突出して、紙管Bの内面に圧接係合し、また、従来の技術において公知な手段により、ホルダ1と支軸Cを摩擦係合する。従って、各クランプ機構Aが支軸Cと一体に回転すると同時に各紙管Bがクランプ機構Aと一体に回転するため、各紙管Bの外周に紙やフィルム(図示せず)を巻取ることが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成された巻芯用ホルダであるから、請求項1に記載した発明によれば、簡単で経済的な構成から複数個の巻芯を所定間隔で同時に支持するとともに、巻芯用ホルダを凹部の内側から巻取軸に嵌合させるようにスライド移動させるだけで複数個の巻芯を巻取軸に対して所定間隔で速やかに装着することができ、巻取軸への巻芯の取付作業の迅速化と効率化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダの側面図を、紙管を取り付けた状態(A)と取外した状態(B)とに分けて示す斜視図である。
【図2】図1に示した巻芯用ホルダの正面図を(A)、(B)に分けて示す図である。
【図3】図1に示した巻芯用ホルダの一部の斜視図を(A)、(B)に分けて示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る巻芯用ホルダの溝部の形状を(A)、(B)に分けて示す図である。
【図5】支軸上に複数のクランプ機構を連設する巻取軸を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る巻芯用ホルダを用いた巻取軸への巻芯の装着方法を(A)、(B)、(C)及び(D)に分けて示す図である。
【図7】従来の技術に係る巻取軸と、この巻取軸の作動を(A)、(B)及び(C)に分けて示す図である。
【符号の説明】
A クランプ機構
B 巻芯(紙管)
1 ホルダ
4 係止部材(エアチャック)
10 巻芯用ホルダ(巻芯用取付部材)
11 本体
12 溝部
13 凹部(仕切り部)
20 位置決めナット(位置決め部材)
100 巻取軸
Claims (1)
- 軸方向に延びる本体と、該本体の軸方向に沿って形成した凹部と、該凹部に軸方向の凹部と交差する方向に所定間隔で形成した複数の溝部を有することを特徴とする巻芯用ホルダ。
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Cited By (1)
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CN108931541A (zh) * | 2018-05-05 | 2018-12-04 | 青岛科技大学 | 一种用于微ct设备可视化研究多孔介质动态渗流过程的岩芯夹持设备 |
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2002
- 2002-07-03 JP JP2002194878A patent/JP2004035186A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108931541A (zh) * | 2018-05-05 | 2018-12-04 | 青岛科技大学 | 一种用于微ct设备可视化研究多孔介质动态渗流过程的岩芯夹持设备 |
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