JP4191850B2 - 巻取り機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば電池のセパレータ及び電極板のような帯状ワークを巻芯に巻き取る際に使用する巻取り機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の巻取り機としては、例えば図9に示すような構成のものが考えられる。すなわち、巻芯81が丸棒状に形成され、その基端が回転軸82に固定されるとともに、先端が受け具83に支持されるようになっている。そして、回転軸82により巻芯81が回転されて、その巻芯81の外周に帯状ワーク84が巻き取られるようになっている。
【0003】
しかしながら、帯状ワーク84は、多数回積層巻回されるために、巻き取り作業中は積層巻回されている帯状ワーク84の外周を強固な力で締め付ける。このため、巻取作業が終了し積層された帯状ワーク84を巻芯81から抜き取る場合、その抜き取りが不可能になったり、図9に鎖線で示すように、巻芯と帯状ワークとの間の抵抗により積層された帯状ワーク84の端が不ぞろいになり巻ずれが生じたりするという問題があった。
【0004】
このように、巻取状態の帯状ワーク84の中心部に巻ずれが生じると、外観が悪くなって製品価値の低下を招くばかりでなく、不良品になることもあった。例えば、積層巻回された帯状ワーク84に巻ずれが生じると、プラスとマイナスの電極板が相互に接触して、短絡を生じ、使用不能になる。
【0005】
このような問題点を解消するために、例えば図10に示すような構成の巻取り機が、従来から提案されている。
すなわち、図10に示す従来構成では、巻芯81が一対の巻片81a,81bに分割して構成され、それらの巻片81a,81bの基端が所定の間隔hをおいて治具82bのピン82cにより支持され、先端間の間隔が狭くなるよう動けるように構成されている。また、巻片81a,81bの先端部間には保持ピン85が挿入されて、その巻片81a,81bの先端間の間隔が適正な巾の状態に保持されるようになっている。
【0006】
そして、図10(a)に示すように、この巻片81a,81bの先端間隔で、回転軸82により巻芯81が回転されて、その巻芯81の外周に帯状ワーク84が巻き取られるようになっている。また、帯状ワーク84の巻取終了後は、図10(b)に示すように、保持ピン85が巻片81a,81bの先端部から離脱されて、その巻片81a,81bの先端間隔が狭くなり、この状態で巻取状態の帯状ワーク84を巻芯81から抜き取るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題及び発明の効果】
ところが、これらの従来の巻取り機においては、次のような問題があった。
すなわち、図10に示す従来構成では、巻取状態の帯状ワーク84を巻芯81から抜き取る際に、巻片81a,81bの先端側の間隔のみが狭くされて、基端側が十分には狭くならず、拡がった状態にある。このため、図10(b)に鎖線で示すように、巻取状態の帯状ワーク84の抜き取り時に、その帯状ワーク84の中心部に巻ずれが生じるという問題が依然として残った。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、巻芯の外周に巻き取られた帯状ワークを、中心部に巻ずれや損傷を生じることなく、巻芯上から容易に抜き取ることができる巻取り機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項に記載の発明では、帯状ワークを巻き取るための巻芯の巻幅を縮小可能にするとともに、その巻芯を同一軸線上において、対向する一対の回転軸間に着脱可能に装着したことを特徴とするものである。
【0010】
従って、巻幅を拡張させた状態で巻芯の外周に帯状ワークを巻き取った後、巻芯を回転軸間から外せば、その巻芯の両端が開放され、この状態で巻芯の巻幅を縮小させることにより、巻芯全体の幅が狭くなる。このため、巻芯に対する巻回された帯状ワークの緊締圧状態が解除されて、巻取状態の帯状ワークを、中心部に巻ずれや損傷を生じることなく、巻芯上から容易に抜き取ることができる。
とくに、請求項1に記載の発明では、巻芯は、2枚の板状の巻片を重ねて全体として偏平状に構成し、一方の巻片を他方の巻片に対して幅方向へ相対的にスライドさせることにより巻幅が縮小されるようにしたことを特徴とするものである。従って、帯状ワークを偏平状の巻芯から抜き取る場合に、その偏平状の巻芯の巻幅を簡単に縮小させることができて、巻取状態の帯状ワークを巻芯上から容易に抜き取ることができる。
【0011】
とくに、請求項2に記載の発明では、巻芯の着脱のために、少なくとも一方の回転軸を他方に対して接近離間可能にし、両回転軸の先端に、巻芯をその巻幅が拡張した状態で保持するための保持手段を設け、該保持手段を巻芯の形状に応じて交換可能にしたことを特徴とするものである。
【0012】
従って、少なくとも一方の回転軸を他方に対して、軸線方向へ接近離間移動させることにより、巻芯を両回転軸間で容易に着脱することができる。また、回転軸間に巻芯を装着する際に、保持手段により巻芯をその巻幅が拡張した状態に確実に保持することができ、この状態で巻芯の外周に帯状ワークを強固に巻き取ることができる。また、巻芯が例えば偏平状のものがほぼ円柱状のものに変更された場合、保持手段を交換することによって、その巻芯の形状変更に容易に対応することができ、帯状ワークを所要の形状に巻き取ることができる。
【0014】
とくに、請求項に記載の発明では、巻芯は、2本の半円柱状の巻片を対向配置して全体としてほぼ円柱状に構成し、両巻片間の間隔を変更することにより巻幅を変更可能にし、両回転軸の先端に、巻芯をその巻幅が拡張した状態で保持するための保持手段を設け、該保持手段は、巻片間に挿入されることにより、巻芯を巻幅拡張状態に保持するようにした保持部材を備え、該保持部材に、巻芯を巻幅拡張状態に移行させるカム手段を設け、前記保持部材は、回転軸の軸心位置に拡径可能に設けられたコレットと、そのコレット内に対して進退移動するセンタピンとを備え、センタピンがコレット内に進入することにより、カム手段の作用でコレットが拡径して、巻芯の巻幅を拡張させるとともに、その拡張状態に保持するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
従って、帯状ワークをほぼ円柱状の巻芯から抜き取る場合に、その円柱状の巻芯の巻幅を簡単に縮小させることができて、巻取状態の帯状ワークを巻芯上から容易に抜き取ることができる。また、回転軸間に巻芯を装着する際に、保持手段により巻芯をその巻幅が拡張した状態に確実に保持することができ、この状態で巻芯の外周に帯状ワークを強固に巻き取ることができる。保持部材を巻片間に挿入するという簡単な構成により、巻芯を巻幅拡張状態に確実に保持することができる。保持部材を巻片間に挿入する際に、カム手段の作用により、巻芯を巻幅拡張状態に容易に移行させることができ、巻芯を拡幅させるための面倒な操作は不要である。保持部材の構成が簡単であるとともに、コレット内へのセンタピンの進入により、巻芯を巻幅拡張状態に容易に移行させて、その巻幅拡張状態に確実に保持することができる。
【0024】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれかに記載の巻取り機において、両回転軸を同期回転させるための同期手段を設けたことを特徴とするものである。
【0025】
従って、一対の回転軸間に巻芯を装着した状態で、両回転軸を同期して回転させることができて、巻芯上に帯状ワークを正確に巻き取ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態を、図1〜図8に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、フレーム21の一側上面には、円筒状の第1回転軸22がブラケット23及びベアリング24を介して回転可能に支持されている。フレーム21の他側上面には、移動台25が一対のレール26を介して第1回転軸22の軸線方向へ移動可能に支持されている。移動台25上には円筒状の第2回転軸27がブラケット28及びベアリング29を介して回転可能に支持され、第1回転軸22に対して同一軸線上で接近離間可能に対応配置されている。
【0027】
前記両回転軸22,27の先端には保持手段としての保持機構30が装設され、保持部材31をそれぞれ備えている。そして、これらの保持機構30の保持部材31を介して、両回転軸22,27間に図1〜図5に示すような第1巻芯32、または図6〜図8に示すような第2巻芯33が着脱可能に装着されるようになっている。
【0028】
図3〜図5に示すように、前記第1巻芯32は、2枚の板状の巻片34,35を重ねることにより、全体として偏平状になるように構成され、両巻片34,35の両端には係合凹部36が形成されている。そして、両巻片34,35の係合凹部36に保持部材31が挿入(嵌入)されることにより、図4(a)に示すように、第1巻芯32が巻幅W1を拡張した状態に保持されるようになっている。また、両巻片34,35の係合凹部36から保持部材31が離脱された状態で、一方の巻片34が他方の巻片35に対して幅方向へ相対的にスライドされることにより、図4(b)に示すように、第1巻芯32の巻幅W1が縮小されるようになっている。
【0029】
図6〜図8に示すように、前記第2巻芯33は、2本の半円柱状の巻片37,38を対向配置することにより、全体としてほぼ円柱状になるように構成され、両巻片37,38の両端には平板状の突片39及び係合凹部40が形成されている。そして、両巻片37,38の係合凹部40に保持部材31が挿入(嵌入)されることにより、図7(a)に示すように、両巻片37,38間の間隔が広げられて、第2巻芯33が巻径、すなわち巻幅W2を拡張した状態に保持されるようになっている。また、両巻片37,38の係合凹部40から保持部材31が離脱された状態で、両巻片37,38間の間隔が狭められることにより、図7(b)に示すように、第2巻芯33の巻幅W2が縮小されるようになっている。
【0030】
図1及び図2に示すように、前記フレーム21の下部には同期手段としての同期回転機構41が配設され、この同期回転機構41により、両回転軸22,27が同期して回転されるようになっている。すなわち、フレーム21の下面には駆動軸42が一対のブラケット43及びベアリング44を介して回転可能に支持され、図示しないモータにより、歯付きベルト46及び歯付きプーリ45を介して回転されるようになっている。
【0031】
前記駆動軸42には第1歯付き駆動プーリ47が固定されるとともに、第1回転軸22には第1歯付き被動プーリ48が固定され、両プーリ47,48間には歯付きベルト49が掛装されている。駆動軸42にはスプライン溝が加工されており第2歯付き駆動プーリ50が一体回転可能及び軸線方向へ相対移動可能に嵌挿支持され、連結部材51を介して移動台25に一体移動可能に連結されている。第2回転軸27には第2歯付き被動プーリ52が固定され、この第2歯付き被動プーリ52と第2歯付き駆動プーリ50との間には歯付きベルト53が掛装されている。
【0032】
そして、前記駆動軸42が回転されることにより、第1歯付き駆動プーリ47、歯付きベルト49及び第1歯付き被動プーリ48を介して第1回転軸22が回転されるとともに、第2歯付き駆動プーリ50、歯付きベルト53及び第2歯付き被動プーリ52を介して第2回転軸27が同期回転される。これにより、両回転軸22,27間に巻幅W1,W2の拡張状態で装着された第1巻芯32または第2巻芯33が回転されて、その巻芯32,33の外周に帯状ワーク54が巻き取られるようになっている。
【0033】
次に、前記保持機構30の構成について詳細に説明する。
図3及び図5に示すように、両回転軸22,27間に偏平状の第1巻芯32を装着する場合には、各回転軸22,27の先端に芯金57及び第1ホルダ58が複数のねじ59により取り付けられる。芯金57の中心には軸受メタル57aが埋設されている。第1ホルダ58の端面には第1巻芯32の両端部を挿入するための挿入溝58aが形成されるとともに、中心には収容孔58bが形成されている。
【0034】
前記保持部材31は、回転軸22,27の軸心上に位置するように、第1ホルダ58の収容孔58b内に拡径可能に収容されたコレット60と、そのコレット60内に進退するように、芯金57の軸受メタル57a内に移動可能に挿通支持されたセンタピン61とから構成されている。コレット60の内周にはカム手段を構成するテーパ状の内周カム部60aが形成されるとともに、センタピン61の先端にはコレット60の内周カム部60aに接離可能に対応するように、カム手段を構成するテーパ状の外周カム部61aが形成されている。
【0035】
そして、図3に示すように、コレット60の先端部が第1巻芯32の係合凹部36に係合された状態で、センタピン61がコレット60内に進入移動されることにより、外周カム部61aが内周カム部60aに係合して、そのカム作用でコレット60が拡径される。これにより、コレット60の先端部が第1巻芯32の係合凹部36に圧接されて、第1巻芯32が巻幅W1の拡張状態に保持されるようになっている。
【0036】
一方、図6及び図8に示すように、両回転軸22,27間にほぼ円柱状の第2巻芯33を装着する場合には、前記芯金57及び第1ホルダ58と交換して、各回転軸22,27の先端に芯金57及び第2ホルダ62が複数のねじ63により取り付けられる。第2ホルダ62の端面には、第2巻芯33の両端突片39を挿入するための挿入溝62aが形成されるとともに、中心には収容孔62bが形成されている。
【0037】
また、前記第1巻芯32の装着時と同様に、第2ホルダ62の収容孔62b内には、保持部材31を構成する拡径可能なコレット60が収容されるとともに、そのコレット60内には保持部材31を構成するセンタピン61が進退移動可能に配設される。
【0038】
そして、図6に示すように、コレット60の先端部が第2巻芯33の係合凹部40に係合された状態で、センタピン61がコレット60内に進入移動されることにより、外周カム部61aが内周カム部60aに係合して、そのカム作用でコレット60が拡径される。これにより、第2巻芯33の両巻片37,38間の間隔が広げられて、第2巻芯33が巻幅W2の拡張状態に移行されて、その状態に保持されるようになっている。
【0039】
図1〜図3、図5、図6及び図7に示すように、前記第1回転軸22内には第1操作軸64が軸線方向へ相対移動可能に挿通され、その先端には一方の保持機構30のセンタピン61が螺着されている。フレーム21の上部には第1進退用シリンダ65が取付板66を介して取り付けられ、そのピストンロッド65aがカップリング67を介して、第1操作軸64の他端に相対回転自在に連結されている。
【0040】
前記第2回転軸27内には第2操作軸68が軸線方向へ相対移動可能に挿通され、その先端には他方の保持機構30のセンタピン61が螺着されている。移動台25の上部にはガイドロッド69が第2操作軸68の軸線方向に沿って延長配置され、そのガイドロッド69上には支持板70が支持アーム71を介して移動可能に支持されている。支持板70の上部には第2進退用シリンダ72が支持され、そのピストンロッド72aがカップリング73を介して、第2操作軸68の他端に相対回転自在に連結されている。
【0041】
そして、前記両進退用シリンダ65,72の前進または後退動作により、操作軸64,68を介して両保持機構30のセンタピン61がコレット60内に進入または退出移動される。これにより、両回転軸22,27間において、巻芯32,33が巻径W1,W2の拡張状態に保持され、またはその拡張状態から解放されるようになっている。
【0042】
図2に示すように、前記移動台25と対応する位置において、フレーム21の前部には固定ロッド74が移動台25の移動方向に沿って延長配置され、その固定ロッド74上には一対のストッパ75,76が所定間隔をおいて配設されている。ストッパ75,76間において固定ロッド74に摺動可能に嵌挿されるように、支持アーム71の前面には締付部材77が突設され、操作レバー78の回動操作により、固定ロッド74上の任意の移動位置に締付固定されるようになっている。移動台25の側部には移動用シリンダ79が装着され、そのピストンロッド79aが支持アーム71に連結されている。
【0043】
そして、前記固定ロッド74に対する締付部材77の締付固定が解除された状態で、移動台25をレール26に沿って移動させることにより、第2回転軸27が第1回転軸22に対して軸線方向へ接近または離間移動される。これにより、両回転軸22,27間の間隔を、巻芯32,33の長さに応じて調節することができる。また、この状態で締付部材77を固定ロッド74に締付固定することにより、支持板70の移動が規制されて、両回転軸22,27間の間隔が調節状態に設定されるようになっている。
【0044】
さらに、この調節設定状態で前記移動用シリンダ79が前進または後退移動されると、支持アーム71が締付部材77を介して固定ロッド74に固定されている為、その反動で移動台25が相対的に前後移動され、第2回転軸27が第1回転軸22に対して接近または離間移動される。この移動により、第2回転軸27側の保持機構30におけるコレット60が巻芯32,33の収容凹部36,40に係合または離脱されるとともに、ホルダ58,62の挿入溝58a,62aが巻芯32,33の端部に係合または離脱される。それにより、巻芯32,33が両回転軸22,27間に取り付けまたは取り外しされるようになっている。
【0045】
次に、前記のように構成された巻取り機の動作を説明する。
さて、この巻取り機の巻取運転時には、まず両回転軸22,27間に偏平状の第1巻芯32またはほぼ円柱状の第2巻芯33を装着する。この場合、巻芯32,33の形状に応じて、両回転軸22,27の先端に図3及び図5に示すような保持機構30、または図6及び図8に示すような保持機構30を予め交換装着しておく。また、巻芯32,33の長さに応じて移動台25を移動させるとともに、操作レバー78を締付操作して、両回転軸22,27間の間隔を予め調節設定しておく。
【0046】
この状態で、両回転軸22,27間に巻芯32,33を供給し、その一端の係合凹部36,40を第1回転軸22側の保持機構30のコレット60に係合させる。その後、移動用シリンダ79が後退動作されると、第2回転軸27が移動台25とともに、第1回転軸22に向かって接近移動される。これにより、第2回転軸27側の保持機構30のコレット60が巻芯32,33の他端の係合凹部36,40に係合されて、巻芯32,33が両回転軸22,27間に装着される。
【0047】
この装着状態で、両進退用シリンダ65,72が前進動作されると、操作軸64,68を介して両保持機構30のセンタピン61がコレット60内に進入移動され、カム部60a,61aの作用にてコレット60が拡径される。これにより、巻芯32,33が巻径W1,W2の拡張状態に移行されて、その拡張状態に保持される。
【0048】
その後、モータが起動されて駆動軸42が回転され、同期回転機構41を介して両回転軸22,27が同期回転される。これにより、巻芯32,33が回転軸22,27と一体的に回転されるとともに、巻芯32,33の外周に帯状ワーク54が供給されて、その帯状ワーク54が巻芯32,33の外周に順に巻き取られる。
【0049】
このように、巻芯32,33上に所定量の帯状ワーク54が巻き取られると、モータが停止されて、両回転軸22,27の回転が停止される。この状態で、両進退用シリンダ65,72が後退動作され、操作軸64,68を介して両保持機構30のセンタピン61がコレット60内から退出移動されて、コレット60が縮径される。これにより、巻芯32,33が巻径W1,W2の拡張保持状態から解放される。
【0050】
その後、移動用シリンダ79が前進動作され、第2回転軸27が移動台25とともに、第1回転軸22から離間移動される。これにより、第2回転軸27側の保持機構30のコレット60が巻芯32,33の係合凹部36,40から離脱され、巻芯32,33が両回転軸22,27間の装着状態から解放されて、図示しない受け部材上に落下搬出される。
【0051】
この場合、巻芯32,33がそれぞれ一対の巻片34,35及び37,38から構成され、巻幅W1,W2を縮小できるようになっている。従って、第1巻芯32においては、図4(b)に示すように、巻片34,35を幅方向へ相対的にスライドさせることにより、第1巻芯32の巻幅W1が縮小されて、巻取状態の帯状ワーク54を第1巻芯32から容易に抜き取ることができる。また、第2巻芯33においては、図7(b)に示すように、巻片37,38間の間隔を狭めることにより、第2巻芯33の巻幅W2が縮小されて、巻取状態の帯状ワーク54を第2巻芯33から容易に抜き取ることができる。
【0052】
前記の実施形態によって期待できる効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の巻取り機においては、帯状ワーク54を巻き取るための巻芯32,33の巻幅W1,W2が縮小可能になっている。そして、巻芯32,33が同一軸線上において対向する一対の回転軸22,27間に着脱可能に装着されている。このため、巻幅W1,W2を拡張させた状態で巻芯32,33の外周に帯状ワーク54を巻き取った後、巻芯32,33を回転軸22,27から外せば、巻芯32,33の両端が開放される。そして、この状態で巻芯32,33の巻幅W1,W2を縮小させれば、巻芯32,33に対する巻き取り状態の帯状ワーク54による緊締圧が解除される。よって、巻取状態の帯状ワーク54を、中心部に巻ずれや損傷を生じることなく、巻芯32,33から容易に抜き取ることができる。
【0053】
・ この実施形態の巻取り機においては、巻芯32,33の着脱のために、第2回転軸27が第1回転軸22に対して接近離間可能に構成されている。このため、第2回転軸27を第1回転軸22に対して、軸線方向へ接近離間移動させることにより、巻芯32,33を両回転軸22,27間で容易に着脱することができる。
【0054】
・ この実施形態の巻取り機においては、第1巻芯32が、2枚の板状の巻片34,35を重ねて全体として偏平状に構成され、一方の巻片34を他方の巻片35に対して幅方向へ相対的にスライドさせることにより、第1巻芯32の巻幅W1が縮小されるようになっている。このため、帯状ワーク54を、例えば偏平な二次電池に適した扁平状に巻き取ることができる。そして、帯状ワーク54を第1巻芯32から抜き取る場合に、その偏平状の第1巻芯32の巻幅W1を容易に縮小させることができて、巻取状態の帯状ワーク54を第1巻芯32上から抜き取ることができる。
【0055】
・ この実施形態の巻取り機においては、第2巻芯33が、2本の半円柱状の巻片37,38を対向配置して全体としてほぼ円柱状に構成され、両巻片37,38間の間隔を変更することにより、第2巻芯33の巻幅W2が縮小されるようになっている。このため、帯状ワーク54を、例えば円柱状の二次電池に適した円柱状に巻き取ることができる。そして、帯状ワーク54をほぼ円柱状の第2巻芯33から抜き取る場合に、その円柱状の第2巻芯33の巻幅W2を簡単に縮小させることができて、巻取状態の帯状ワーク54を第2巻芯33上から容易に抜き取ることができる。
【0056】
・ この実施形態の巻取り機においては、両回転軸22,27の先端に、巻芯32,33を巻幅W1,W2の拡張状態に保持するための保持機構30が設けられている。このため、回転軸22,27間に巻芯32,33を装着する際に、保持機構30により巻芯32,33を、その巻幅W1,W2が拡張した状態に確実に保持することができる。従って、この状態で巻芯32,33の外周に帯状ワーク54をしわになったりすることなく強固に巻き取ることができ、巻き取り品質を向上できる。
【0057】
・ この実施形態の巻取り機においては、保持機構30のホルダ58,62が巻芯32,33の形状に応じて交換可能になっている。このため、例えばこの実施形態のように偏平状の第1巻芯32とほぼ円柱状の第2巻芯33とに変更して、帯状ワーク54の巻き取りを行う場合、保持機構30のホルダ58,62を交換することによって、その巻芯32,33の形状変更に容易に対応することができる。従って、巻芯32,33の形状を適宜に選択すれば、帯状ワーク54を所要の形状に巻き取ることができる。
【0058】
・ この実施形態の巻取り機においては、保持機構30が保持部材31を備え、その保持部材31が巻片34,35間または巻片37,38間に挿入されることによって、巻芯32,33が巻幅W1,W2の拡張状態に保持されるようになっている。このため、保持部材31を巻片34,35間または巻片37,38間に挿入するという簡単な構成を用いたことにより、巻芯32,33を巻幅W1,W2の拡張状態に確実に保持することができる。
【0059】
・ この実施形態の巻取り機においては、保持部材31に、巻芯32,33を巻幅W1,W2の拡張状態に移行させるカム部60a,61aが設けられている。このため、保持部材31を巻片34,35間または巻片37,38間に挿入する際に、カム部60a,61aの作用により、巻芯32,33を巻幅W1,W2の拡張状態に容易に移行させることができる。しかも、巻芯32,33の巻幅W1,W2を拡張させるための構成は、カム部60a,60bを設けただけであるから、その構成はきわめて簡単である。
【0060】
・ この実施形態の巻取り機においては、保持部材31が、回転軸22,27の軸心位置に拡径可能に設けられたコレット60と、そのコレット60内に対して進退移動するセンタピン61とを備えている。そして、センタピン61がコレット60内に進入することにより、カム部60a,61aの作用でコレット60が拡径して、巻芯32,33の巻幅W1,W2が拡張されるとともに、その拡張状態に保持されるようになっている。このため、保持部材31の構成が簡単であるとともに、コレット60内へのセンタピン61の進入により、巻芯32,33を巻幅W1,W2の拡張状態に容易に移行させて、その巻幅W1,W2の拡張状態に確実に保持することができる。
【0061】
・ この実施形態の巻取り機においては、両回転軸22,27を同期回転させるための同期回転機構41が設けられている。このため、一対の回転軸22,27間に巻芯32,33を装着した状態で、両回転軸22,27を同期して同方向へ同速度で回転させることができて、巻芯32,33上に帯状ワーク54を正確に巻き取ることができ、巻き取り品質を向上させることができる。
【0062】
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1回転軸22及び第2回転軸27の双方を、軸線方向へ接近及び離間移動可能に配設すること。
【0063】
・ 巻芯として、例えば楕円柱状、四角柱状等、必要に応じた形状のもの使用すること。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態を示す巻取り機の断面図。
【図2】 図1の巻取り機の平面図。
【図3】 図1の巻取り機の要部を拡張して示す部分断面図。
【図4】 図3の4−4線における断面図で、(a)は巻幅の拡張状態を示し、(b)は巻幅の縮小状態を示す。
【図5】 図3の巻取り機の巻芯及び保持機構を分解して示す斜視図。
【図6】 図3と異なった形状の巻芯を装着した状態を示す巻取り機の部分断面図。
【図7】 図6の7−7線における断面図で、(a)は巻幅の拡張状態を示し、(b)は巻幅の縮小状態を示す。
【図8】 図7の巻取り機の巻芯及び保持機構を分解して示す斜視図。
【図9】 従来の巻取り機を示す要部断面図。
【図10】 従来の巻取り機の別の構成を示す要部断面図で、(a)は帯状ワークの巻取り状態を示し、(b)は帯状ワークの抜取り状態を示す。
【符号の説明】
21…フレーム、22…第1回転軸、25…移動台、27…第2回転軸、30…保持手段を構成する保持機構、31…保持部材、32…第1巻芯、33…第2巻芯、34,35…第1巻芯の巻片、37,38…第2巻芯の巻片、41…同期手段を構成する同期回転機構、42…駆動軸、54…帯状ワーク、57…芯金、58…第1ホルダ、60…コレット、60a…カム手段を構成する内周カム部、61…センタピン、61a…カム手段を構成する外周カム部、62…第2ホルダ、64…第1操作軸、65…第1進退用シリンダ、68…第2操作軸、72…第2進退用シリンダ、79…移動用シリンダ、W1,W2…巻幅。

Claims (4)

  1. 帯状ワークを巻き取るための巻芯の巻幅を変更可能にするとともに、その巻芯を同一軸線上において対向する一対の回転軸間に着脱可能に装着し
    巻芯は、2枚の板状の巻片を重ねて全体として偏平状に構成し、一方の巻片を他方の巻片に対して幅方向へ相対的にスライドさせることにより巻幅を変更可能にしたことを特徴とする巻取り機。
  2. 帯状ワークを巻き取るための巻芯の巻幅を変更可能にするとともに、その巻芯を同一軸線上において対向する一対の回転軸間に着脱可能に装着し、
    巻芯の着脱のために、少なくとも一方の回転軸を他方に対して接近離間可能にし、両回転軸の先端に、巻芯をその巻幅が拡張した状態で保持するための保持手段を設け、該保持手段を巻芯の形状に応じて交換可能にしたことを特徴とする巻取り機。
  3. 帯状ワークを巻き取るための巻芯の巻幅を変更可能にするとともに、その巻芯を同一軸線上において対向する一対の回転軸間に着脱可能に装着し、
    巻芯は、2本の半円柱状の巻片を対向配置して全体としてほぼ円柱状に構成し、両巻片間の間隔を変更することにより巻幅を変更可能にし、両回転軸の先端に、巻芯をその巻幅が拡張した状態で保持するための保持手段を設け、該保持手段は、巻片間に挿入されることにより、巻芯を巻幅拡張状態に保持するようにした保持部材を備え、該保持部材に、巻芯を巻幅拡張状態に移行させるカム手段を設け、前記保持部材は、回転軸の軸心位置に拡径可能に設けられたコレットと、そのコレット内に対して進退移動するセンタピンとを備え、センタピンがコレット内に進入することにより、カム手段の作用でコレットが拡径して、巻芯の巻幅を拡張させるとともに、その拡張状態に保持するようにしたことを特徴とする巻取り機。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の巻取り機において、両回転軸を同期回転させるための同期手段を設けたことを特徴とする巻取り機。
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