JP2004034244A - ドレッシング及びツルーイング工具及びそれを用いたドレッシング及びツルーイング方法 - Google Patents

ドレッシング及びツルーイング工具及びそれを用いたドレッシング及びツルーイング方法 Download PDF

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大矢 正規
Hiroaki Toyama
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Abstract

【課題】設備的な改造を最小限に抑えるとともに、砥石の切れ味を安価で良好に再生することができるドレッシング及び/又はツルーイング工具、並びにドレッシング及び/又はツルーイングを短時間で効率的に行う方法を提供する。
【解決手段】砥石と接触する部材がニッケル及び/又はニッケル基合金を含有するドレッシング及び/又はツルーイング工具により、砥石の形状修正及び目立てを行う。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は砥石の振れ取り、形状修正及び目立てが可能なドレッシング及び/又はツルーイング工具、並びにそれを用いたドレッシング及び/又はツルーイング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
研削加工の分野において生産の効率化、加工精度の向上、工作物材料の他種多様化や難削化への対応等の要求によりダイヤモンド、CBN(Cubic Boron Nitride)砥粒等のいわゆる超砥粒を含有する砥石(例えば、ホイールと呼ばれる円盤状の砥石等)の需要が急速に高まっている。このような砥石は摩耗が非常に少ないことを特徴とするため非常に硬く、形状修正、目立て、セッティング時の振れ取り等を目的とするドレッシングやツルーイングが難しく、様々な方法が模索され検討されている。
【0003】
従来のドレッシング及びツルーイングの方法としては、例えばダイヤモンド工具を固定式又は回転工具として使用する方法、GC(SiC)砥石、WA(Al)ブロック等を固定式又は回転工具として使用する方法、鉄系軟鋼材、非鉄金属材等を固定式又は回転工具として使用する方法、電気的にボンドを侵食させる方法、一般砥粒をクーラント液に含有させ遊離砥粒により研削する方法、ラップ盤の上で遊離砥粒をかけて砥石面と定盤をすり合わせる方法、高圧クーラントに遊離砥粒を含有させブラスティングする方法等が提案され実用化されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法はいずれも設備的な改造や追加投資が必要だったり、形状修正はできるが再度目立てのドレッシングが必要だったり、研削機上で行えないため砥石の脱着の手間がかかったり、使用する工具が高価であったり、研削条件を標準化できず熟練した経験を必要としたり、作業に長時間を要したりし、各々一長一短があった。
【0005】
このため、例えば特開平10−6216号は作業性がよく安価で短時間に振れ取り及び/又は形状修正が可能なツルーイング方法として、元素周期律表の4A族、5A族、又は6A族の金属元素を、砥石作業面に接触させる方法を開示している。しかしながら、この方法は形状修正効果及び目立て効果において要求される水準を満足するまでには至っておらず、ドレッシング及びツルーイング技術のさらなる向上が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、設備的な改造を最小限に抑えるとともに、砥石の切れ味を安価で良好に再生することのできるドレッシング及びツルーイング工具、並びにドレッシング及び/又はツルーイングを短時間で効率的に行う方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、ニッケル及び/又はニッケル基合金を主成分とする工具により砥石の研削面を平坦にする形状修正効果とともに、砥石の刃先を創生する目立て効果が得られ、形状修正後に目立てのためのドレッシングを必要とせず、短時間で効率的にドレッシング及び/又はツルーイングを施すことができることを発見し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具は、砥石をドレッシング及び/又はツルーイングする工具であって、砥石と接触する部材(以下「接触部材」という)がニッケル及び/又はニッケル基合金を含有することを特徴とする。
【0009】
接触部材のニッケルの含有量は80重量%以上であるのが好ましい。ドレッシング及び/又はツルーイングする工具は接触部材を保持装着するための取り付け部材をさらに備えていてもよい。
【0010】
本発明の砥石のドレッシング及び/又はツルーイング方法は、ニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する部材を砥石の研削面に接触させることを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい実施例は、上記工具によりニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する部材を砥石の研削面に一定の圧力又は速度で押しつけて研削する。ドレッシング及び/又はツルーイングを適用する砥石はCBN砥粒又はダイヤモンド砥粒を研削面に有するものが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
[1] ドレッシング及び/又はツルーイング工具
本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具はニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する部材を砥石と接触させる部分に用いる。ニッケル及び/又はニッケル基合金を用いる理由としては、ニッケルが延性に富み比較的柔らかいこと、CBN砥粒をレジンボンド(樹脂系)で固めた超砥粒砥石の場合、一般にCBN砥粒にニッケルがコーティングされていること、比較的安価なこと、レジンボンド中に補強効果や冷却効果を上げるため骨材として銅合金等の金属が含まれていること等が挙げられる。
【0013】
超砥粒砥石のドレッシングが必要な状態とは、図1に示すように砥石研削面の砥粒1の研削点が平坦になり鋭利な刃先がなくなった状態(一般にはボンド層3から突き出ている砥粒1のボンド層3表面からの高さHが約30μm以下の状態)である。この場合、ドレッシングは鋭利な刃先を創生することと砥粒1の突き出し量(高さH)を30μm以上にすることである。超砥粒砥石のツルーイングが必要な状態とは、ワークを研削することによって砥石の研削面に偏磨耗が生じた状態、又は砥石の磨耗が場所によってばらついた状態である。この場合、ツルーイングは砥石の研削面を平坦にすることである。
【0014】
図2はニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する部材により砥石をドレッシング及びツルーイングしたときの状態を示し、図3は研削により発生したニッケル及びボンドの切り屑を示す。図2及び図3に示すようにニッケルが延性に富み比較的柔らかいため、砥石が接触部材5を削るとニッケル及び/又はニッケル基合金の切り屑7が細長くかつカール状に発生し、その切り屑が砥粒を保持しているボンド層3を機械的に削り出し、結果的に砥粒1をボンド層3から突き出させる。またCBN砥粒をコーティングしているニッケル層をニッケル同士の凝着により剥がし、かつ不規則な凝着ニッケルがボンドと刃先のなくなった砥粒を攻撃することにより砥粒の刃先を創生する。
【0015】
さらに砥石の研削点の冷却効果を高め、骨材としての強度を高めるため、ボンド層中に銅合金等の金属を含有させる場合がある。この場合、ボンド層中の銅とドレッシング及び/又はツルーイング工具のニッケルが研削熱により反応を起こし、バネ材等に使用されるNi−Cu合金を生成し、ボンドの削り出しや砥粒の刃先の再生を促進する効果を有する。
【0016】
公知のドレッシング工具の中で、ダイヤモンドをニッケルのボンドで固めた工具(インプリダイヤドレッサー等)がある。しかし、この工具はあくまでダイヤモンド砥粒でドレッシングし、ダイヤモンドを保持するためだけにニッケルを使用しているため、本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具とは目的、作用ともに異なる。インプリダイヤドレッサーで超砥粒をドレッシングすると、砥石の研削面が平らになるが砥粒のボンドからの突き出しがほとんど消失していまい、ワークの加工に支障を生じる。すなわち、再度砥粒をボンドから突き出させるドレッシング(目立て)が必要となる。これに対して、本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具は、砥石の研削面を平坦にするとともに砥粒の目立てを同時に行う。このためツルーイングをした後再度ドレッシングを行う必要がない。もちろん、ツルーイングとドレッシングのどちらか一方を目的として使用することも可能である。
【0017】
接触部材はニッケル又はニッケル基合金の単体により構成されていても、ニッケルとニッケル基合金の組み合わせにより構成されていてもよい。さらにGC、WA等の砥石材料、セラミック材料、他の金属又はそれらの合金等との組み合わせにより構成されていてもよい。例えばニッケルとニッケル基合金を積層した構成、ニッケル又はニッケル基合金と一般の砥石、他の金属等を組み合わせた構成、ニッケル又はニッケル基合金の粒子と砥石材料等の粒子を部材中に分散させた構成等とすることができる。上記のように接触部材は種々の構成とすることができるが、接触部材中のニッケルの含有量は80重量%以上であるのが好ましい。80重量%未満では研削に長時間を要するのみならず、砥粒の目立てや形状修正の効果が低い。
【0018】
接触部材の形状は適用される砥石の種類等に応じた形状とすることができる。図4に本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具に用いる接触部材の好ましい一例を示す。ニッケル及び/又はニッケル基合金からなる角形ブロック形状、円筒形ブロック形状等のプレーンタイプ(a)、砥石との接触面にスリットを設けたもの(b)、逃がし孔を設けたもの(c)等の他、ニッケル及び/又はニッケル基合金からなる中心材11の周囲を軟鋼、非金属、非鉄金属等からなる軟質材12で覆ったもの(d)であってもよい。また円盤の外周部にニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する層を形成し、円盤を回転させてドレッシング及びツルーイングを行うタイプであってもよい。このようなタイプとしては、図5に示すように円盤の外周部にニッケル及び/又はニッケル基合金層15を均一に形成したプレーンタイプ(e)、ニッケル及び/又はニッケル基合金層15にスリット16を設けたタイプ(f)、Vフェースタイプ(g)等が挙げられる。
【0019】
ドレッシング及び/又はツルーイング工具は、接触部材を保持装着するための取り付け部材をさらに備えていてもよい。接触部材を保持装着する態様は特に限定されず、例えば磁力によって吸引固定することにより保持装着するタイプ、又はチャック、ネジ止め、嵌め込み等によって機械的に保持装着するタイプであってもよい。これらは適用される研削装置の形状等に応じて適宜変更することができる。図6は取り付け部材を備えた本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具の一例を示す。外周部にニッケル及び/又はニッケル基合金層を形成した円盤21を回転モータ23に取り付けたもの(a)、外周部にニッケル及び/又はニッケル基合金層を形成したVフェースタイプの円盤22を回転モータ23に取り付けたもの(b)、接触部材31を他の材質からなるブロックホルダ32に押しネジ35により固定したもの(c)、接触部材31を他の材質からなるブロックホルダ32に接着剤、溶接、嵌め込み、焼き嵌め等により固定したもの(d)、接触部材31を他の材質からなる一対のブロックホルダ33により挟持したもの(e)等が挙げられる。
【0020】
図4〜図6の例に示すようにドレッシング及び/又はツルーイング工具を使用目的や研削方式に合わせて使用すれば、超砥粒砥石等の研削砥石を最適な条件で研削することが可能となり、成形と目立ての精度を高めることが可能である。
【0021】
[2] ドレッシング及び/又はツルーイング方法
本発明のドレッシング及び/又はツルーイング方法は上記工具を用い、ニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する部材を砥石の研削面に接触させることにより行う。ニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する部材と砥石の研削面との接触の態様は、適用される研削装置の形式、ドレッシング及びツルーイング工具の形状、ドレッシング及びツルーイングを施す砥石の形状等に応じて適宜変更することができる。好ましい例としては、円盤状の砥石を回転させ、砥石の研削面に接触部材を押し付けることにより研削する方法、外周部分にニッケル及び/又はニッケル基合金層を形成した円盤を回転させ、これを砥石に接触させることにより研削する方法等が挙げられる。
【0022】
ドレッシング及びツルーイングは、ニッケル及び/又はニッケル基合金を砥石の研削面に一定の圧力又は速度で押しつけるのが好ましい。これにより均一にドレッシング及びツルーイングを施すことができ、形状修正及び目立ての精度が向上する。また接触部材は上記のように適用される研削装置の形状等に応じた取り付け部材に装着して用いてもよい。
【0023】
本発明の方法は種々の砥石に適用することができるが、砥粒の目立て及びボンド層の研削を効率的に行えるため、高硬度で一般にドレッシング及びツルーイングが困難なCBN砥粒又はダイヤモンド砥粒を研削面に有する、いわゆる超砥粒砥石に対して特に有効である。
【0024】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
CBNの砥粒メッシュ#100、集中度125のレジンボンド超砥粒砥石(外形300 mm、幅15 mm)を使用し、図4(b)に示す形状を有しニッケル含有量が99.5重量%の接触部材をホルダに固定した工具(接触部位形状:20 mm角)を用いてドレッシング及びツルーイングを行った。研削条件は周速度3600 m/min、形状修正として切り込みφ4μm×4回、横送りリード0.2 mm/rev.とした。また比較用として、WA及び軟鉄鋼を接触部材の材料とした工具を用いた以外上記条件と同じ条件でドレッシング及びツルーイングを行った。図7に粗さ計で測定したドレッシング及びツルーイング後の砥石の断面形状を示す。本発明の工具により研削すると形状修正と砥粒の突き出しの両方に効果があるが、接触部材の材料としてWAを用いた工具により研削すると形状修正効果が劣り、また軟鉄鋼を用いた工具により研削すると形状修正効果はあるが、研削面が平らになり砥粒の突き出しがほとんど認められず、目立て効果がないことがわかる。
【0026】
上記ドレッシング及びツルーイング条件により研削し、砥石外周に形成されたボンド層からの砥粒の突き出し量が30μmになるまでの所要時間を測定した。結果を図8に示す。本発明の工具による場合所要時間は約6秒であったが、WA及び軟鉄鋼を用いた工具ではそれぞれ24秒及び42秒であった。本発明の方法は効率良くドレッシング及びツルーイングを行えるため、接触部材の材料としてWA及び軟鉄鋼を用いた工具による方法に比較し所要時間が短いことがわかる。
【0027】
図9は上記研削条件でドレッシング及びツルーイングを施した後のワーク研削抵抗を示す。ワーク研削抵抗は、SMC435からなる工作物を使用し、工作物周速度を27 m/minとし、プランジで1回につき0.3 mm研削し10回完了するまでの研削抵抗を負荷電流値により表す。本発明の工具により研削した砥石は初回のワーク研削後から負荷電流値が低く、安定した研削状態を確保していることがわかる。これは、研削時に発生するドレッシングダメージ(砥粒が不安定になること、砥粒にクラック等が発生すること、ボンドにクラック等発生すること等)が小さいため、すぐに安定した状態の研削面を確保し研削抵抗が低くなったものである。これに対しWA及び軟鉄鋼を用いた工具による方法では負荷電流値が低く、安定した研削状態を確保するまでに5〜6回の研削を要し、ドレッシングダメージが大きいことがわかる。
【0028】
また、ドレッシング及びツルーイングを完了した砥石でワーク研削を行なった時のワーク表面のスクラッチ(脱落砥粒による引っ掻きキズ)が発生しなくなるまでの研削回数を図10に示す。接触部材の材料としてWA及び軟鉄鋼を用いた場合、研削を3〜8回繰り返すまでスクラッチが発生したのに対し、本発明の工具を用いた方法では初回からスクラッチの発生が認められなかった。これにより本発明の方法は、ドレッシング時に超砥粒砥石の砥粒やボンドに弊害をきたすドレッシングダメージをほとんど発生させないことがわかる。
【0029】
実施例2
平面状砥石の面同士が対向する一対の回転砥石を備え、両回転砥石間でワーク両面を研削する両頭平面研削装置を使用してドレッシング及びツルーイングを行なった。砥石は、外径φ305 mm、砥粒メッシュ#320のレジンボンドCBN砥石を使用し、本発明の工具を両砥石軸に垂直に備わったドレッシング用のドレスアームに取り付けドレッシング及びツルーイングを行なった。
【0030】
本発明のドレッシング及びツルーイング工具は、図4(b)に示す形状を有しニッケル含有量が99.5重量%の接触部材(30 mm角×60 mm)を使用した。ドレッシング及びツルーイングは、本発明の工具を設置したスイングアーム装置を揺動しながら砥石の内周端と外周端で両砥石の補正切り込みを5μmずつ行い、総切り込み補正量を0.5 mmとした。また、比較用としてWA及び軟鉄鋼を接触部材の材料とした工具を用いた以外上記条件と同じ条件でドレッシング及びツルーイングを行った。
【0031】
図11に粗さ計で測定したドレッシング及びツルーイング後の砥石の断面形状を示す。本発明の工具によりドレッシング及びツルーイングを行うと、断面形状がフラットでかつ砥粒突き出しが一定であるのに対して、WA及び軟鉄鋼を用いた工具の場合は、ともに内周、外周のダレ量が多く砥粒突き出し量にバラツキがあることがわかる。
【0032】
また上記砥石を用い、上記条件及び装置によりインフィードドレッシングを行った。インフィードドレッシングは、本発明の工具を設置したスイングアーム装置を揺動させながら、両砥石軸を2μm/secの一定速度でインフィード(砥石間の幅寄せ)を行い、総切込み量0.5 mmまで研削することにより行った。また比較用としてWA及び軟鉄鋼を接触部材の材料とした工具を用いた以外上記条件と同じ条件でドレッシング及びツルーイングを行った。さらに砥粒をバインディングしているボンドの種類の違いを調べるため、ビトリファイドボンドを用いた以外はレジンボンドCBN砥石と同じ砥石を用い、上記条件でドレッシング及びツルーイングを行った。
【0033】
図12に粗さ計で測定したドレッシング及びツルーイング後の砥石の断面形状を示す。本発明の工具によりドレッシング及びツルーイングを行うと、レジンボンド砥石もビトリファイド砥石も断面形状がフラットでかつ砥粒突き出しが一定であった。これに対し、WA及び軟鉄鋼を用いた工具の場合は、突き出しに関しては改善されたが形状を平らにするまでには至らなかった。
【0034】
インフィードドレッシングを行った砥石を使用してワークの研削を行った。ワークは、外径φ80 mm、厚さ1.5 mm、及び幅3.3 mmのSUS440Bからなる環状板材を使用した。研削負荷抵抗及びワークの加工精度R(Rはワーク1個内の厚さの最大値−最小値を表す)を測定した結果を図13及び図14に示す。本発明の工具により研削した砥石は比較用の工具により研削した場合に比べ、初期の研削抵抗が低く、且つワークの仕上がり精度が良いことがわかる。これは本発明の工具を用いた方が研削時の研削砥粒及びそれを保持するボンドへのダメージが少なく、研削境界面への作用が優れていることによる。
【0035】
実施例3
ドレッシング及びツルーイング工具の接触部材の材料として低炭素フェロニッケル(ニッケル含有量:25重量%)JIS2316、鉄−ニッケル合金(鉄:ニッケル=50:50、重量比)、鉄−ニッケル合金(鉄:ニッケル=20:80、重量比)、ニッケル地金1種JIS H 2104(ニッケル含有量:99.50重量%)、及びJIS電解ニッケル(ニッケル含有量:99.95重量%)を用い、それぞれホルダに固定した。CBN円筒砥石を備えた円筒研削盤を用い、上記工具によりドレッシング及びツルーイングを行った。砥石はCBNの砥粒メッシュ#100、集中度125のレジンボンド超砥粒砥石(外形300 mm、幅15 mm)を使用し、研削条件は周速度3600 m/min、形状修正として切り込みφ4μm×4回、横送りリード0.2 mm/rev.とした。またドレッシング及びツルーイング工具の接触部位形状を20 mm角とした。
【0036】
図15はニッケル含有量の異なる工具で研削した後の粗さ計で測定した砥石断面形状を示す。ニッケルの含有量が多い程、形状修正や砥粒の目立ての効果が高いことがわかる。
【0037】
図16はニッケル含有量の異なる工具で研削したときの砥粒の突き出し量が30μmになるまでの所要時間を示す。ニッケルの含有量が多い程、効率良く研削を行えるためドレッシング時間が短くなり、ニッケル含有量が80重量%以上でほぼ一定の所要時間を示すことがわかる。
【0038】
図17は上記研削条件によりドレッシング及びツルーイングした後のワーク研削抵抗を示す。ワーク研削抵抗はSMC435からなる工作物を使用し、工作物周速度を27 m/minとし、プランジで1回につき0.3 mm研削し10回完了するまでの研削抵抗を負荷電流値により表す。どの工具を用いた場合も10回目までに電流値が低くなり安定したが、使用した工具のニッケル含有量が高いほど初回のワーク研削においても低い電流値を示した。
【0039】
【発明の効果】
上記の通り、本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具は多種多様な研削盤や、それに配備される砥石に広く適用でき、その上比較的安価で既存研削盤に対して大きな設備的な改造や追加投資を必要としない。かかる工具を使用する本発明の方法はドレッシングとツルーイングの両方の効果を有するため、形状修正後の目立ての必要がない。さらに熟練した経験を必要とせず、短時間で作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドレッシングが必要な状態を示す模式図である。
【図2】本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具が砥石に作用している状態のイメージを示す図である。
【図3】本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具により研削した後のニッケルとボンドの切り屑を示す写真である。
【図4】本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具の接触部材の一例を示す図である。
【図5】本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具の接触部材の他の例を示す図である。
【図6】装着部材を備えた本発明のドレッシング及び/又はツルーイング工具の一例を示す図である。
【図7】実施例1においてドレッシング及びツルーイングした後の砥石の断面形状を示す図である。
【図8】実施例1においてドレッシング及びツルーイングしたときの所要時間を示すグラフである。
【図9】実施例1においてドレッシング及びツルーイング後ワークを研削したときの研削抵抗を示すグラフである。
【図10】実施例1においてドレッシング及びツルーイング後ワーク研削したときのスクラッチ傷が消滅するまでの回数を示すグラフである。
【図11】実施例2において両頭研削盤によりドレッシング及びツルーイングした後の砥石の断面形状を示す図である。
【図12】実施例2において両頭研削盤によりインフィードでドレッシング及びツルーイングした後の砥石の断面形状を示す図である。
【図13】実施例2においてドレッシング及びツルーイング後ワーク研削したときの研削抵抗を示すグラフである。
【図14】実施例2においてドレッシング及びツルーイング後ワーク研削したときの加工精度を示すグラフである。
【図15】実施例3においてニッケル含有量が異なる工具によりドレッシング及びツルーイングしたときの砥石の断面形状を示す図である。
【図16】実施例3においてニッケル含有量が異なる工具によりドレッシング及びツルーイングしたときの所要時間を示すグラフである。
【図17】実施例3においてニッケル含有量が異なる工具によりドレッシング及びツルーイング後ワーク研削したときの研削抵抗を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・CBN砥粒
2・・・ニッケルコーティング層
3・・・ボンド層
5・・・接触部材
7・・・ニッケル(ニッケル基合金)の切り屑
8・・・ボンドの切り屑
11・・・中心材
12・・・軟質材
15・・・ニッケル及び/又はニッケル基合金層
16・・・スリット
21,22・・・円盤
23・・・回転モータ
31・・・接触部材
32,33・・・ブロックホルダ
35・・・押しネジ

Claims (5)

  1. 砥石をドレッシング及び/又はツルーイングする工具であって、砥石と接触する部材がニッケル及び/又はニッケル基合金を含有することを特徴とするドレッシング及び/又はツルーイング工具。
  2. 請求項1に記載のドレッシング及び/又はツルーイング工具において、前記砥石と接触する部材のニッケルの含有量が80重量%以上であることを特徴とするドレッシング及び/又はツルーイング工具。
  3. 請求項1又は2に記載のドレッシング及び/又はツルーイング工具において、前記砥石と接触する部材を保持装着するための取り付け部材をさらに備えていることを特徴とするドレッシング及び/又はツルーイング工具。
  4. ニッケル及び/又はニッケル基合金を含有する部材を砥石の研削面に接触させることを特徴とする砥石のドレッシング及び/又はツルーイング方法。
  5. 請求項4に記載のドレッシング及び/又はツルーイング方法において、前記砥石がCBN砥粒又はダイヤモンド砥粒を研削面に有することを特徴とするドレッシング及び/又はツルーイング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012071412A (ja) * 2010-09-02 2012-04-12 Jtekt Corp ドレッシング方法および研削盤

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