JPH0138626B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、超砥粒砥石の修正方法および装置に
係り、特に、ダイヤモンドや立方晶窒化硼素砥粒
等を用いたいわゆる超砥粒砥石のツルーイング
（truing：形直し）およびドレツシング
（dressing：目立）を容易に行うことができるよ
うにした超砥粒砥石の修正方法および装置に関す
る。

ダイヤモンドやボラゾン（登録商標；米国ゼネ
ラルエレクトリツク社製）あるいはアンバーボロ
ンライド（登録商標；デ・ビアス社製）などの立
方晶窒化硼素を砥粒として用いる超砥粒砥石は、
CBN砥石として知られ、超硬および非鉄金属な
どの難削材の研削加工に使用されている。この超
砥粒砥石は、従来のものと比べて非常に硬くまた
長寿命であるが、砥材コストが従来のものの約１
万倍で非常に高価であるため、砥粒を有効に使用
する必要がある。そのために、例えばレジノイド
ボンド、メタルボンドあるいはビトリフアイドボ
ンド等の高保持力を有する結合材を使用し、さら
に高い保持力を付与するため、従来の砥石が通常
具備している20〜50容量％の気孔あるいはチツプ
ポケツトもほとんどない砥石構造となつている。
したがつて、研削加工後の形状くずれ又は目つぶ
れ、目ずまりを起したときのツルーイングおよび
ドレツシングが非常に困難となつている。

上記超砥粒砥石以外のＡ，WAあるいはGC砥
石のツルーイングおよびドレツシングは、研削盤
に付設されている砥石修正装置の可動アームの先
端にダイヤモンドドレツサを装着し、砥石を研削
盤に装着した状態で回転させ、ダイヤモンドドレ
ツサを砥面にくい込ませると共にこれを砥面移動
方向とほぼ直角方向に走査させることによつて容
易に行うことができる。

しかしながら、超砥粒砥石の場合はツルーイン
グ抵抗が大きすぎ、ビビリやドレツサ摩耗が激し
くて砥石面の修正ができない。例えばドレツサの
切込量および送り速度を小さくし長時間かけてツ
ルーイングをしても、第１図および第２図に示す
ように、超砥粒１と結合剤２とが同一平面上にあ
るかあるいは超砥粒１がわずかに突出した砥面状
態が得られるだけであつてこれでは砥石としての
研削性がなく、ツルーイング後例えばWAビト軟
砥石でのドレツシング工程を必要とする。従つ
て、超砥粒砥石を用いる研削盤では、砥材層幅が
狭い場合を除いて、研削盤取付状態での砥石のツ
ルーイングおよびドレツシングは事実上不可能で
ある。

超砥粒砥石のツルーイングとドレツシングを行
なうために、従来は、第３図に示すように、定盤
３上に砥石の超砥材粒度と同等かあるいは少し細
か目のＣ，GC砥材４を散布し、要すれば少量の
水を加え、その上に研削盤から取り外した砥石５
の砥面を載置して、一人あるいは数人掛りで砥石
５を水平方向に摺動させあるいは回転させて、遊
離砥粒によるハンドラツプによりツルーイングお
よびドレツシングを行つており、現時点において
これが一番有効な修正方法として多用されてい
る。

しかして、上記ハンドラツプ法による超砥粒砥
石のツルーイングおよびドレツシングは、砥石の
取り外し、ハンドラツプ、清掃、砥石の再装着お
よび調整に長時間を要し、その間生産ラインがス
トツプしてしまうこともある。また、修正後の超
砥粒砥石を研削盤に再度取付けて回転させたと
き、砥石面に振れが出ることがあつた。

そのうえ、ハンドラツプによる修正量及び目立
量のコントロールは困難であつて、過剰目立によ
る高価な砥材の脱落損失があると砥石寿命が短く
なるし、さらにハンドラツプの前後で研削面状態
が極端に異なるため、被加工物の品質が著しく不
安定になり、そのためチエツク要員の配置が必要
となる、等種々の不都合があつた。

そこで、本発明の目的は、砥石を研削盤に装着
した状態で超砥粒砥石のツルーイングおよびドレ
ツシングを容易に行うことができるようにした超
砥粒砥石の修正方法および装置を提供するにあ
る。

以下本発明の実施例を第４図乃至第９図を参照
して説明する。

第４図および第５図において符号６はドレツサ
本体を示し、このドレツサ本体６は、下地層７を
シヤンク８側にして、シヤンク８の一端に一体的
に結合されている。図示のドレツサ本体の先端部
（第４図において右端部）は、ダイヤモンドパウ
ダーをメタルボンドで焼結したいわゆるインプリ
ドレツサである。

上記ドレツサ本体６およびシヤンク８には、中
心軸線に沿つてこれらを縦貫する研削液の供給孔
９が形成されており、上記ドレツサ本体６の先端
の環状の修正端面１０（第４図で右端面）には、
上記供給孔９と交叉し、かつドレツサ本体６の外
周面に開口する半径方向の排出溝１１が少なくと
も１本形成されている。図示の実施例では、直交
する２本の排出溝１１，１１が十字状に形成され
ている。

上記のように構成された本発明の一実施例によ
るダイヤモンドドレツサは、第６図に示すよう
に、前記砥石修正装置の可動アーム１２の可動端
に装着され、超砥粒砥石５の砥面に対して垂直な
位置関係を保つて、あたかも超砥粒砥石５をレコ
ード盤に見たてたレコードプレーヤのピツクアツ
プのように、矢印ａ方向に移動する砥面に対し紙
面垂直方向に移動して、砥面のツルーイングおよ
びドレツシングを行う。このとき、シヤンク８の
他端から供給孔９内に遊離砥粒を混入させた研削
液を給送する。この研削液はシヤンク８の他端に
接続された配管１３を通して図示しない研削液圧
送装置から連続的に送給されるものとする。

このように研削液を供給孔９に給送しつつダイ
ヤモンドドレツサにより砥面を走査させると、研
削液およびこれに混入した遊離砥粒は前記排出溝
１１を通つてドレツサ本体の修正端面１０の付近
に放出される。そして、研削液はドレツサ本体の
修正端面の冷却や切くずの排除、あるいはツルー
イング抵抗を減少させる等の機能を発揮してドレ
ツサによる砥面のツルーイングを効率良く行わ
せ、一方、遊離砥粒はドレツサ本体の修正端面と
砥面との間に噛み込まれて結合剤２を削り取り砥
面の目立を行う。その結果、砥面は第７図に示す
ように平坦かつ砥粒が適切に突出した状態とな
り、良好な研削性能を回復する。

第８図および第９図は本発明の変形実施例を示
し、これらの実施例は、ドレツサ本体の修正端面
にそれぞれ３本あるいは８本の排出溝を形成した
もので、その作用効果は第４図および第５図に示
すものと同様であるから、詳細な説明は省略す
る。

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、シヤンクおよびドレツサ本体を縦貫する研削
液の供給孔およびドレツサ本体の修正端面に形成
された排出溝を通して研削液および遊離砥粒を放
出できるようにしたので、回転する砥石の表面に
発生する連れ回り空気流と呼ばれる空気層の内側
に研削液を確実に供給できツルーイングおよびド
レツシングが可能となり、砥石修正時間を著しく
短縮でき、生産効率および加工品質を大幅に増大
できるという効果を奏する。

なお、以上の説明では本発明によるダイヤモン
ドドレツサを両頭研削盤用砥石の修正に用いる場
合について説明したが、本発明によるダイヤモン
ドドレツサは他のあらゆる超砥粒研削砥石ルーイ
ングおよびドレツシングに用い得ることは明らか
である。

また、本発明によるダイヤモンドドレツサをそ
の軸線のまわりで自転させて用いると、ツルーイ
ングおよびドレツシングの安定化およびスピード
アツプを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のダイヤモンドドレ
ツサによる機械的なツルーイングおよびドレツシ
ング後の超砥粒砥石の砥面状態を示す拡大断面
図、第３図は超砥粒砥石のハンドラツプを説明す
るための線図、第４図は本発明の一実施例による
ダイヤモンドドレツサの側面図、第５図はその正
面図、第６図は本発明によるダイヤモンドドレツ
サの使用状態を示す線図、第７図は本発明に係る
ダイヤモンドドレツサによる機械的なツルーイン
グおよびドレツシング後の砥面状態を示す第１図
および第２図と同様の拡大断面図、第８図および
第９図は本発明によるダイヤモンドドレツサの変
形実施例を示すドレツサ本体の一部拡大正面図で
ある。 ６…ドレツサ本体、８…シヤンク、９…供給
孔、１１…排出溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ドレツサ本体の内側に軸線方向に沿つて遊離
   砥粒を含んだ研削液の供給孔を形成すると共に、
   上記ドレツサ本体の先端に環状の修正端面を形成
   し、この修正端面には、上記供給孔と交差しかつ
   ドレツサ本体の外周面に開口する放射状の排出溝
   を形成したことを特徴とする超砥粒砥石の修正装
   置。