JP2023050722A - 超砥粒研削ホイールのドレッシング方法および装置 - Google Patents

超砥粒研削ホイールのドレッシング方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】精密研削を行なう超砥粒研削ホイールに対して充分に目立てを行なうことが可能な超砥粒研削ホイールのドレッシング方法および装置を提供する。【解決手段】ドレッサ走査装置(走査テーブル30、走査モータ32)により走査中のドレッサ12の先端部に備えられたダイヤモンド研削片には、超音波振動付与装置22により超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16に対して接近離隔するようにドレッサ12に超音波振動が付与される。これにより、走査中のダイヤモンド研削片が超音波振動することで超砥粒を好適に破砕するので、超砥粒研削ホイール14の充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、超砥粒研削ホイールを目立てし或いは形状修正するための、ドレッシング方法およびドレッシング装置に関するものである。
特許文献1には、より高硬度の砥粒が用いられた研削ホイールに対するアプローチは開示されていないが、多結晶セラミックスから成る砥粒が用いられた研削砥石の研削面に対して静止型のドレッサを用いて接近離隔する方向に微振動させつつドレッシングする方法が、記載されている。しかし、CBN砥粒等を用いた超砥粒研削ホイールに対するドレッシング作業(目立て、形状修正)に際して、上記のような静止型のドレッサを用いると、ドレッサのダイヤが研削ホイールに連続的に接触するため、研削ホイールの表面粗さを改善することができる一方で、超砥粒と結合剤を破砕する効果が低過ぎるため研削ホイールの表面が平坦になって目立てが不十分となり、研削ホイールの研削抵抗が高く、精度不良やワークの焼けなどの不具合が発生しやすいという問題があった。
これに対して、特許文献2に記載されているように、複数個のダイヤモンドが外周部に埋設されたロータリドレッサを用いることが提案されている。このようなロータリドレッサを用いて超砥粒研削ホイールをドレッシングすると、ロータリドレッサのダイヤモンドが断続的に研削ホイールに接触するため、砥粒の破砕効果が大きく、充分に目立てができる。このため、一般的には、超砥粒ホイールのドレッシングには、ロータリドレッサが使用されていた。
特開平07-237123号公報 特開2007-050471号公報
しかし、ロータリドレッサによりドレッシングされた超砥粒研削ホイールを用いて研削すると、ワークの表面粗さが粗くなる傾向となるので、たとえばRaが2μm以下の品質を必要とする精密研削を行なう超砥粒研削ホイールに対してロータリドレッサを用いたドレッシングを行なうことが困難であるという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、精密研削を行なう超砥粒研削ホイールに対して充分に目立てを行なうことが可能な超砥粒研削ホイールのドレッシング方法および装置を、提供することにある。
本発明者等は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、静止型ドレッサのドレッシング面に対して、その研削面に接近離隔する方向の超音波振動を与えつつドレッサを前記ドレッシング面を横切るように走査させると、超砥粒の破砕によって超砥粒研削ホイールの充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、(a)超砥粒を含む超砥粒研削ホイールのドレッシング面に摺接させるダイヤモンド研削片を先端部に有するドレッサを、用いた超砥粒研削ホイールのドレッシング方法であって、(b)前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に接触した状態で、前記ドレッサを走査するドレッサ走査工程と、(c)前記ドレッサ走査工程において、前記ドレッサの先端部に備えられた前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に対して接近離隔するように前記ドレッサに超音波振動を付与する超音波振動工程とを、含むことにある。
第2発明の要旨とするところは、(a)超砥粒研削ホイールのドレッシング面に摺接させるダイヤモンド研削片を先端部に有するドレッサを用いた、超砥粒研削ホイールのドレッシング装置であって、(b)前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面を横切るように、前記ドレッサを走査するドレッサ走査装置と、(c)走査中の前記ドレッサの先端部に備えられた前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に対して接近離隔するように前記ドレッサに超音波振動を付与する超音波振動付与装置とを、含むことにある。
第3発明の要旨とするところは、第2発明において、前記超音波振動付与装置は、35~55kHzの周波数範囲内の超音波振動を前記ドレッサに付与することにある。
第4発明の要旨とするところは、第2発明又は第3発明において、前記超音波振動付与装置は、3μm以上の振幅を有する超音波振動を前記ドレッサに付与することにある。
第5発明の要旨とするところは、第2発明から第4発明のいずれか1の発明において、前記超砥粒研削ホイールに含まれる超砥粒は、#400よりも粗い粒度であることにある。
第6発明の要旨とするところは、第2発明から第5発明のいずれか1の発明において、前記超砥粒研削ホイールに含まれる超砥粒は、CBN砥粒であることにある。
第1発明の超砥粒研削ホイールのドレッシング方法によれば、超音波振動工程では、ドレッサ走査工程において走査されている前記ドレッサの先端部に備えられた前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に対して接近離隔するように前記ドレッサに超音波振動が付与される。これにより、走査中のダイヤモンド研削片が超音波振動することで超砥粒を好適に破砕するので、超砥粒研削ホイールの充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られる。
第2発明の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置によれば、ドレッサ走査装置により走査中の前記ドレッサの先端部に備えられた前記ダイヤモンド研削片には、超音波振動付与装置により前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に対して接近離隔するように前記ドレッサに超音波振動が付与される。これにより、走査中のダイヤモンド研削片が超音波振動することで超砥粒を好適に破砕するので、超砥粒研削ホイールの充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られる。
第3発明の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置によれば、前記超音波振動付与装置は、35~55kHzの周波数範囲内の超音波振動を前記ドレッサに付与する。これにより、ドレッサの35~55kHzの周波数範囲内の超音波振動により、超砥粒の一部がドレッシングによって好適に破砕されることで、超砥粒研削ホイールの充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られることにある。
第4発明の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置によれば、前記超音波振動付与装置は、3μm以上の振幅を有する超音波振動を前記ドレッサに付与する。これにより、ドレッサの3μm以上の振幅を有する超音波振動により超砥粒の一部がドレッシングによって好適に破砕されることで、超砥粒研削ホイールの充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られることにある。
第5発明の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置によれば、前記超砥粒研削ホイールに含まれる超砥粒は、#400よりも粗い粒度である。これにより、#400よりも粗い粒度の超砥粒の一部がドレッシングによって破砕されることで、超砥粒研削ホイールの充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られる。
第6発明の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置によれば、前記超砥粒研削ホイールに含まれる超砥粒は、CBN砥粒である。これにより、ダイヤモンド研削片により、ダイヤモンドよりも硬度が低いCBN砥粒が好適に破砕される。
本発明の一実施例のドレッシング装置の基本構成を説明する図である。 図1のドレッシング装置に用いられるドレッサの構成を、一部を切り欠いて説明する図である。 ドレッサに与える超音波振動が異なる状態でドレッシングされた複数の超砥粒研削ホイールの研削試験における、被削材の表面粗さとを、対比して示す棒グラフである。 ドレッサに与える超音波振動の周波数が異なる状態でそれぞれドレッシングされた複数の超砥粒研削ホイールの研削試験におけるそれぞれのドレス率を、対比して示す棒グラフである。 ドレッサに与える超音波振動の周波数が異なる状態でそれぞれドレッシングされた複数種類の超砥粒研削ホイールの研削試験において、それら複数種類の超砥粒研削ホイールを駆動する砥石駆動モータのそれぞれの消費電力値を、対比して示す棒グラフである。 ドレッサに与える超音波振動の周波数が異なる状態でそれぞれドレッシングされた複数の超砥粒研削ホイールの研削試験におけるそれぞれのドレッサ1本当たりのドレス可能な研削ホイールの体積(削除量)を、対比して示す棒グラフである。 ドレッサに与える超音波振動の周波数が異なる状態でそれぞれドレッシングされた複数の超砥粒研削ホイールの研削試験におけるそれぞれのドレス率を、対比して示す棒グラフである。 ドレッサに与える超音波振動の動周波数が異なる状態でそれぞれドレッシングされた複数の超砥粒研削ホイールの研削試験におけるそれぞれのドレス電力値を、対比して示す棒グラフである。 ロータリドレッサによるドレッシングが施された研削ホイールと、図2のドレッサによるドレッシングが施された、粒度が#230、#325、#400の3種類のCBN砥粒をそれぞれ有する研削ホイールとの、1加工面の研削性能を比較する図である。 図1、図2の超音波振動が付与されたドレッサによるドレッシング後の研削ホイールによる連続加工数を、ロータリドレッサによるドレッシング後の研削ホイールによる連続加工数と対比して示す折れ線グラフである。 図1、図2の超音波信号が付与された固定型(軸物)ドレッサによる研削ホイールのドレッシング状態を説明する模式図であって、(a)はドレッサが研削ホイールに接触させられた状態を説明する図、(b)は(a)のドレッサの正面図、(c)(a)のドレッサの側面図である。 ロータリドレッサによる研削ホイールのドレッシング状態を説明する模式図であって、(a)はドレッサが研削ホイールに接触させられた状態を説明する図であり、(b)は(a)のドレッサの正面図であり、(c)は(a)のドレッサの側面図である。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は発明に関連する要部を説明するものであり、寸法及び形状等は必ずしも正確に描かれていない
図1において、ドレッシング装置10は、ドレッサ12の先端を摺接させることによって円筒状の超砥粒研削ホイール14の外周面であるドレッシング面16の目立ておよび形状修正を行なうドレッシング処理を行なうものであって、研削盤の機構が流用されている。ドレッシング面16は、超砥粒研削ホイール14の外周研削面であって、ドレッサ12によるドレッシング(形状修正および目立て)の対象となる部分であり、研削に寄与する部分を少なくとも含む。超砥粒研削ホイール14は、超砥粒たとえばCBN砥粒を無機結合剤により結合した円筒状のビトリファイド砥石である。
ドレッシング装置10は、回転可能に設けられて超砥粒研削ホイール14を支持する支持軸18をドレッシング処理中において回転駆動することで超砥粒研削ホイール14を回転中心線CLまわりに回転駆動する砥石駆動モータ20と、ドレッサ12を先端部に備え、ドレッサ12を超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16に対して接近離隔する方向の超音波振動を与える超音波振動付与装置22と、ドレッサ12の先端が露出する状態で超音波振動付与装置22を収容する保持器24と、保持器24が固定され、ドレッサ12の先端が超砥粒研削ホイール14に対して接近離隔する方向に案内される切込テーブル26と、切込テーブル26の位置を移動させる切込モータ28と、切込テーブル26が取り付けられ、回転中心線CL方向に平行な方向に案内される走査テーブル30と、走査テーブル30を往復駆動する走査モータ32とを備えている。
上記走査テーブル30および走査モータ32は、超砥粒研削ホイール14の円筒状のドレッシング面16を幅方向にすなわち回転中心線CL方向に横切るようにドレッサ12を走査する、ドレッサ走査装置として機能している。
図2に示すように、超音波振動付与装置22は、基部から先端部に向かうほど小径となる長手形状を成す本体23と、一対の電極34に挟まれた圧電素子等から成る超音波振動器36を本体23の基部に備えるとともに、螺合などにより装着穴38に嵌め着けられたドレッサ12を本体23の先端部に備えている。超音波発振回路40から出力される駆動信号が一対の電極34に供給されると、超音波振動器36がたとえば35kHz~55kHzの範囲内の周波数およびたとえば1μm~10μmの範囲内の振幅で超音波振動付与装置22の長手方向に振動し、超砥粒研削ホイール14に対して接近離隔する方向の超音波振動をドレッサ12に付与する。超音波発振回路40は、ドレッサ12に付与する超音波振動の周波数および振幅を設定可能に構成されている。
ドレッサ12は、位置固定で用いられる軸物ドレッサであって、長手状のシャンク部42と、シャンク部42の先端において一端部が露出した状態で他端部がメタルボンド内に埋設された1個の柱状の単結晶或いは多結晶の合成ダイヤモンドから成るダイヤモンド研削片44とを備えている。ダイヤモンド研削片44は、粒状の天然ダイヤモンドであってもよいし、ダイヤモンド粒子がメタルボンドにより結合された円柱状或いは矩形状を成すものであってもよい。
以上のように構成されたドレッシング装置10では、切込モータ28によりドレッサ12の先端が超砥粒研削ホイール14に対して所定の切込量となるまで切込テーブル26が移動させられた状態で、ドレッサ走査装置として機能する走査モータ32によって走査テーブル30が回転中心線CL方向に平行な方向に往復駆動させられると、ダイヤモンド研削片44が超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16に接触した状態でドレッサ12が走査される(ドレッサ走査工程)。このドレッサ12の走査過程において、超音波発振回路40から出力される駆動信号が一対の電極34に供給されると、超音波振動器36がたとえば35kHz~55kHzの周波数で超音波振動付与装置22がその長手方向に振動するので、ドレッサ12の先端部に備えられたダイヤモンド研削片44が超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16に対して接近離隔する方向に振動するようにドレッサ12に超音波振動が付与される(超音波振動工程)。
本発明者等は、以下に示す条件下で、条件の異なるドレッシング試験と、そのドレッシング試験により得られた研削ホイールを用いた研削試験とを行なった。
(ドレッシング条件)
研削砥石:CBN 230 K 180 V
ドレッシング方式:湿式トラバース
ホイール周速:45m/s
ドレッサ:ロータリドレッサ1(SD 40 Q 75 M)
ロータリドレッサ2(L120S-0220)
軸物ドレッサ(0.8mm角柱ダイヤモンド単石ドレッサ)
ロータリドレッサの周速:32m/s
ドレッシングリード:0.005mm/rev.
ドレッシング切込量:1μm/pass
軸物ドレッサの振動周波数:0、35kHz、55kHz
振動の振幅:0、1、3、5、10μm
(研削条件)
研削砥石:CBN 230 K 180 V
CBN 325 K 180 V
CBN 400 K 180 V
機械:内面研削盤
研削方式:湿式プランジ
ホイール周速:45m/s
ワークの材質:SUJ-2 焼入鋼
ワーク周速:11m/s
研削能率Z’:1、3mm/mm・s
スパークアウト:2.0sec
図3は、ロータリドレッサ1、ロータリドレッサ2、超音波振動を付与しないドレッサ12、35kHzの超音波振動を付与したドレッサ12、55kHzの超音波振動を付与したドレッサ12を用いてそれぞれ研削砥石(研削ホイール)のドレッシングを行い、ドレッシングされた5種類の研削砥石を用いて研削を行なったときに得られた1加工目の被削材(ワーク)の表面粗さRaを(μm)示す棒グラフである。図3に示すように、ロータリドレッサ1、ロータリドレッサ2を用いてドレッシングを行なった場合に得られた表面粗さRaよりも、ドレッサ12を用いてドレッシングを行なった場合に得られた表面粗さRaは小さく(細かく)、精密な表面仕上げが得られた。また、超音波振動を付与しないドレッサ12を用いてドレッシングを行なった場合に得られた表面粗さRaに比較して、35kHz或いは55kHzの超音波振動を付与したドレッサ12を用いてドレッシングを行なった場合に得られた表面粗さRaは、さらに改善された。
上記ロータリドレッサ1、ロータリドレッサ2を用いたドレッシング後に研削を行なったときのワークの表面粗さRaが、ワークの目標表面粗さRaである場合は、上記ドレッサ12を用いたドレッシングは、短縮したドレッシング時間でよい。
図4は、ドレッサ12に超音波振動を与えたことのドレス率向上を示すものである。ドレス率(%)とは、ドレッシングによる研削ホイールの実際の削除量A(μm)をドレッサの設定切込量(目標削除量)B(μm)で除した値(=A/B×100)である。ドレス率(%)が高いほど、ドレッサ12の磨耗が少なく、ドレッシング性が高いことを示す。図4に示すように、前述のドレッシング条件にてドレッシングを行なったとき、ドレッサ12に超音波振動を与えない場合に比較して、ドレッサ12に35kHz或いは55kHzの超音波振動を付与した場合には、高いドレス率が得られた。
図5は、前述のドレッシング条件にてドレッサ12にドレッシングを行なった超砥粒研削ホイール14を、前述の研削条件にて研削を行なったときの研削加工時の消費電力値(kW)を、超音波振動を与えないドレッサ12、35kHzの超音波振動を付与したドレッサ12、55kHzの超音波振動を付与したてドレッサ12について、それぞれ測定した値を示している。図5に示すように、超音波振動を与えないドレッサ12を用いてドレッシングが施された超砥粒研削ホイールに比較して、35kHz或いは55kHzの超音波振動を付与したドレッサ12を用いてドレッシングが施された超砥粒研削ホイールの場合は、消費電力値が低く、切れ味のよい研削結果が得られた。
図6は、前述のドレッシング条件にてドレッサ12にドレッシングを行なった超砥粒研削ホイール14について、1本のドレッサ12により超砥粒研削ホイール14からドレス可能量(×10mm/本)を、超音波振動を与えないドレッサ12、35kHzの超音波振動を付与したドレッサ12、55kHzの超音波振動を付与したてドレッサ12について、それぞれ測定した値を示している。上記ドレス可能量とは、前述のドレッシング条件におけるドレッシングにおいて、超砥粒研削ホイール14からドレッサ12が削除した量(体積)である。ドレッサ12の1本当たりのドレス可能量が多いほど、ドレッサ12の1本当たりのドレッシングできる超砥粒研削ホイール14の個数が多くなる。図6に示すように、超音波振動を与えないドレッサ12に比較して、35kHzの超音波振動を付与したドレッサ12、および55kHzの超音波振動を付与したてドレッサ12のドレス可能量は倍以上の値であった。
上記図3、図4、図5、図6において、ドレッサ12に付与された35kHzの超音波振動および55kHzの超音波振動は、5μmの振幅であった。
図7は、前述のドレッシング条件にてドレッサ12にドレッシングを行なう場合に、ドレッサ12に付与する超音波振動の周波数を35kHzとするが、超音波振動の振幅を0μm、1μm、3μm、5μm、10μmの5種類に変化させたときの、それぞれのドレス率(%)を示している。図7に示すように、振幅が0μmの場合に比較して、振幅が1μm、3μm、5μm、10μmの場合、特に3μm~5μmの場合は、ドレッシング性に関連するドレス率が高くなった。
図8は、前述のドレッシング条件にてドレッサ12にドレッシングを行なう場合に、ドレッサ12に付与する超音波振動の周波数を50kHzとするが、振幅を0μm、1μm、3μm、5μm、10μmの5種類に変化させたときの、ドレッシング時に砥石駆動モータ20に消費される電力値の最大値(kW)をそれぞれ示している。図8に示すように、振幅が0μmの場合に比較して、振幅が1μm、3μm、5μm、10μmの場合、特に3μm~10μmの場合は、ドレス電力値が低減された。ドレッシング切込量が同じであるので、ドレス電力値は、小さいほど、ドレッサ12の切れ味がよいことを示している。
次に、粒度が#230、#325、#400の3種類のCBN砥粒をそれぞれ有する超砥粒研削ホイール14に対して、ドレッサ12に付与する超音波振動の周波数を35kHz、振幅を3μmとした前述のドレッシング条件にてドレッシングを施し、ドレッシングされたそれら3種類の粒度のCBN砥粒をそれぞれ有する超砥粒研削ホイール14を用いて、前述の研削条件で研削を行なったときの1加工目の消費電力値(kW)および被削材の表面粗さRa(μm)をそれぞれ測定した。図9は、それら3種類の粒度CBN砥粒をそれぞれ有する超砥粒研削ホイール14による1加工目の消費電力値(kW)および被削材の表面粗さRa(μm)を、●印および○印を用いて示している。図9に示すように、CBN砥粒の粒度が#400以上となると、CBN砥粒が細かくなって研削加工時に溶着が発生し、消費電力が高く且つ表面粗さRaも大きい値であった。CBN砥粒の粒度の上限は#400を下回ることが望ましい。なお、上記粒度は、「JIS B4130 ダイヤモンド/CBN砥粒の粒度」に従った値である。
次に、超音波振動の周波数が50kHz、振幅が5μmとされたドレッサ12を用いた前述のドレッシング条件でのドレッシングによりドレッシングされた、CBN砥粒の粒度が#230である超砥粒研削ホイール14を用いて研削加工した場合と、ロータリドレッサ1によりドレッシングされたCBN砥粒の粒度が#400である超砥粒研削ホイール14を用いて、前述の研削条件すなわち研削能率Z’が1mm/mm・sである研削条件下において、被削材を連続的に繰り返し研削加工した場合の、研削加工毎の被削材の表面粗さRaを測定した。図10は、ドレッシング後の連続加工個数と被削材の表面粗さRaとの関係を示している。図10において、◇印はロータリドレッサ1を用いたときの値を示し、□印はCBN砥粒の粒度が#230である超砥粒研削ホイール14を用いたときの値を示している。なお、ロータリドレッサ1を用いたときのドレッシングリードは0.001mm/rev.であり、CBN砥粒の粒度が#400である超砥粒研削ホイール14を用いたときのドレッシングリードは0.005mm/rev.である。
図10に示すように、ロータリドレッサ1によるドレッシングでは、ドレッシングリードが小さくされて、超砥粒研削ホイール14の表面が滑らかとされることで、0.2μmに近い表面粗さRaを得ることができたが、軸物ドレッサであるドレッサ12によりCBN砥粒の粒度が#230である超砥粒研削ホイール14にドレッシングを実施した場合の方が、より細かな表面粗さRaを長く維持することができた。たとえば、寿命判定値がRa≦0.3に設定される場合は、ドレッシングにロータリドレッサ1は、50インターバル(加工数が50個)を超えると寿命と判定される。しかし、ドレッシングに軸物ドレッサであるドレッサ12は、その4倍の200インターバル(加工数が50個)を超える研削加工が可能となり、大幅に寿命が延長でき、生産効率が高められた。
ドレッシングにおいて、ドレッサ12によるドレッシングがロータリドレッサによるドレッシングに比較して、超砥粒研削ホイール14の砥粒が平滑化しやすいメカニズムを考察するために、図11において、超砥粒研削ホイール14とドレッサ12との接触状態を模式的に示し、図12において、超砥粒研削ホイール14とロータリドレッサ48との接触状態を模式的に示している。
図11の(a)に示すように、ドレッシングの過程において、ドレッサ12の先端部に設けられたダイヤモンド研削片44と超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16と摺接することで、ダイヤモンド研削片44の先端面には超砥粒研削ホイール14との磨耗による凹み46が図11の(c)に示すように形成されるので、図11の(b)に示すように超砥粒研削ホイール14の周方向においてL1という長さで面接触するようになる。
これに対して、図12の(a)に示すように、ドレッシングの過程において、ロータリドレッサ48の外周面において周方向に配設された複数個のダイモンド研削片50のうち、最も超砥粒研削ホイール14に近いものが超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16と摺接する。この摺接部分は、図12の(b)、(c)に示すように超砥粒研削ホイール14の接線方向において、上記面接触長さL1よりも大幅に小さい長さL2となり、線接触に近くなる。これにより、軸物ドレッサであるドレッサ12の方が、接触幅が大きくなるので、超砥粒研削ホイール14の砥粒が平滑化し易くなることが明らかである。
上述のように、本実施例の超砥粒研削ホイールのドレッシング方法によれば、超音波振動工程では、ドレッサ走査工程において走査されているドレッサ12の先端部に備えられたダイヤモンド研削片44が超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16に対して接近離隔するようにドレッサ12に超音波振動が付与される。これにより、走査中のダイヤモンド研削片44が超音波振動することで超砥粒研削ホイール14の超砥粒を好適に破砕するので、超砥粒研削ホイール14の充分な目立てが得られるとともに被削材の表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られる。
また、本実施例のドレッシング装置10によれば、ドレッサ走査装置(走査テーブル30、走査モータ32)により走査中のドレッサ12の先端部に備えられたダイヤモンド研削片44には、超音波振動付与装置22により超砥粒研削ホイール14のドレッシング面16に対して接近離隔するようにドレッサ12に超音波振動が付与される。これにより、走査中のダイヤモンド研削片が超音波振動することで超砥粒を好適に破砕するので、超砥粒研削ホイール14の充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られる。
また、本実施例の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置10によれば、超音波振動付与装置22は、35~55kHzの周波数範囲内の超音波振動をドレッサ12に付与する。これにより、ドレッサ12の35~55kHzの周波数範囲内の超音波振動により、超砥粒の一部がドレッシングによって好適に破砕されることで、超砥粒研削ホイール14の充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られることにある。
また、本実施例の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置10によれば、超音波振動付与装置22は、3μm以上の振幅を有する超音波振動をドレッサ12に付与する。これにより、ドレッサ12の3μm以上の振幅を有する超音波振動により超砥粒の一部がドレッシングによって好適に破砕されることで、超砥粒研削ホイール14の充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られることにある。
また、本実施例の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置10によれば、超砥粒研削ホイール14に含まれる超砥粒は、#400よりも粗い粒度である。これにより、#400よりも粗い粒度の超砥粒の一部がドレッシングによって破砕されることで、超砥粒研削ホイール14の充分な目立てが得られるとともにワークの表面粗さが改善され、且つロータリドレッサよりも長寿命が得られる。
また、本実施例の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置10によれば、超砥粒研削ホイール14に含まれる超砥粒は、CBN砥粒である。これにより、ダイヤモンド研削片44により、ダイヤモンドよりも硬度が低いCBN砥粒が好適に破砕される。
以上、本発明の一実施例を図面を用いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例の超砥粒研削ホイール14は、内面研削盤に好適に用いらえるように支持軸18により支持された比較的小径の円筒状のものであったが、超砥粒ビトリファイド砥石が円弧状に成形された複数個のセグメント砥石が台金の外周面に貼り着けられた研削ホイールであってもよいし、平面研削用の研削ホイールであってもよい。
また、超砥粒研削ホイール14は、CBN砥粒を超砥粒として含むビトリファイド砥石であったが、ダイヤモンド砥粒を超砥粒として含むものであってもよい。
また、前述の実施例の超砥粒研削ホイール14は、ビトリファイド砥石であったが、ビトリファイド砥石や、メタルボンド砥石等の種々のボンドで砥粒が結合されたものでもよい。
また、前述の実施例のドレッサ12は、1個の柱状ダイヤモンドが埋設された単石ドレッサであったが、複数個のダイヤモンドが一列に埋設されたブレード型ドレッサ等であってもよい。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が加えられ得るものである。
10:ドレッシング装置
12:ドレッサ
14:超砥粒研削ホイール
16:ドレッシング面
18:支持軸
20:砥石駆動モータ
22:超音波振動付与装置
23:本体
24:保持器
26:切込テーブル
28:切込モータ
30:走査テーブル(ドレッサ走査装置)
32:走査モータ(ドレッサ走査装置)
34:電極
36:超音波振動器
38:装着穴
40:超音波発振回路
42:シャンク部
44:ダイヤモンド研削片
46:凹み

Claims (6)

  1. 超砥粒を含む超砥粒研削ホイールのドレッシング面に摺接させるダイヤモンド研削片を先端部に有するドレッサを、用いた超砥粒研削ホイールのドレッシング方法であって、
    前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に接触した状態で、前記ドレッサを走査するドレッサ走査工程と、
    前記ドレッサ走査工程において、前記ドレッサの先端部に備えられた前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に対して接近離隔するように前記ドレッサに超音波振動を付与する超音波振動工程とを、含む
    ことを特徴とする超砥粒研削ホイールのドレッシング方法。
  2. 超砥粒研削ホイールのドレッシング面に摺接させるダイヤモンド研削片を先端部に有するドレッサを用いた、超砥粒研削ホイールのドレッシング装置であって、
    前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面を横切るように、前記ドレッサを走査するドレッサ走査装置と、
    走査中の前記ドレッサの先端部に備えられた前記ダイヤモンド研削片が前記超砥粒研削ホイールのドレッシング面に対して接近離隔するように前記ドレッサに超音波振動を付与する超音波振動付与装置とを、含む
    ことを特徴とする超砥粒研削ホイールのドレッシング装置。
  3. 前記超音波振動付与装置は、35~55kHzの周波数範囲内の超音波振動を前記ドレッサに付与する
    ことを特徴とする請求項2の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置。
  4. 前記超音波振動付与装置は、3μm以上の振幅を有する超音波振動を前記ドレッサに付与することにある。
    ことを特徴とする請求項2又は3の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置。
  5. 前記超砥粒研削ホイールに含まれる超砥粒は、#400よりも粗い粒度である
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置。
  6. 前記超砥粒研削ホイールに含まれる超砥粒は、CBN砥粒である
    ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1の超砥粒研削ホイールのドレッシング装置。
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