JP3952721B2 - ビトリファイドボンド超砥粒砥石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CBN(立方晶窒化硼素)、ダイヤモンド等の超砥粒を非結晶ガラス結合剤で結合したビトリファイドボンド超砥粒砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、低集中度ビトリファイドボンド超砥粒砥石は、CBN、ダイヤモンド等の超砥粒を骨材としてアルミナ粒子等を混入し、ガラス結合剤で結合して形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の砥石においては、ガラス結合剤の脆性が十分でなく、砥石の研削面の結合剤が容易に切粉等により削られることがないため、超砥粒がその外周を覆うガラス結合剤から外部に突出する量が少ない。従って、このような砥石では鋭利な切刃で研削することができず、切粉とビトリファイドボンドとの接触により発熱量が多くなる不具合があった。特に、油性クーラントは、再生処理が可能で環境にやさしい等のメリットがあるが、水溶性クーラントに比して冷却性がよくないので、工作物の温度上昇を抑制するために、研削時の発熱量を抑えることが望まれていた。
【0004】
本発明は、係る要望に応えるもので、ガラス結合剤の脆性を高くして超砥粒が研削面で結合剤から外部に突出する量を多くし砥石の切れ味を向上することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、超砥粒を窒化アルミニウム粒子を混合した非結晶ガラス結合剤によって、前記窒化アルミニウム粒子と前記非結晶ガラス結合剤とが焼成中に反応して両者の界面の前記非結晶ガラス結合剤側に多数の気泡が発生した状態で結合したことである。
【0006】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載のビトリファイドボンド超砥粒砥石において、前記超砥粒がCBN砥粒であることである。
【0007】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載のビトリファイドボンド超砥粒砥石において、前記非結晶ガラス結合剤がほう珪酸ガラス結合剤であることである。
【0008】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビトリファイドボンド超砥粒砥石において、前記非結晶ガラス結合剤と窒化アルミニウム粒子との混合比が70:30〜55:45容量%であり、前記窒化アルミニウム粒子の平均粒子径が10〜40μmであることである。
【0010】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、超砥粒を窒化アルミニウム粒子を混合した非結晶ガラス結合剤で結合したので、窒化アルミニウム粒子と非結晶ガラス結合剤とが焼成中に反応して両者の界面に気泡が発生して結合剤の脆性が高くなる。従って、研削時に切粉が結合剤を削り取って超砥粒が結合剤から外部に突出する量が多くなり、砥石の切れ味がよくなるため切粉と結合剤との接触による発熱が抑制される。
【0011】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、超砥粒をCBN砥粒としたので、請求項1に記載の発明の効果に加え、化学的に安定したCBN砥粒により、自動車部品等の鉄鋼製部品を高精度に低コストで研削加工することができる。
【0012】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、非結晶ガラス結合剤をほう珪酸ガラス結合剤としたので、焼成中に窒化アルミニウム粒子との界面に化学反応によりガスが発生しやすく、結合剤の脆性を容易にコントロールすることができる。
【0013】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、非結晶ガラス結合剤と窒化アルミニウム粒子との混合比を70:30〜55:45容量%とし、窒化アルミニウム粒子の平均粒子径を10〜40μmとした。窒化アルミニウムの混合割合を30%以下にすると、焼成前或いは焼成中に砥石の形状を保つことができず、角部がだれてしまい、45%以上にすると固形成分が過多となって結合剤が硬くなり過ぎ、研削時の発熱量が多くなる。非結晶ガラス結合剤と窒化アルミニウム粒子との混合比70:30〜55:45容量%において窒化アルミニウム粒子の平均粒子径が細か過ぎると非結晶ガラス結合剤と窒化アルミニウム粒子との反応面積が過大となり、両者の界面に発生するガスの量が過多となって結合剤が脆くなり過ぎる。逆に窒化アルミニウムの平均粒子径が粗すぎると反応面積が過小となり、ガスの発生が不足して十分な脆性が得られない。
請求項4に係る発明では、窒化アルミニウム粒子の混合割合を30〜45容量%とし、窒化アルミニウム粒子の平均粒子径を10〜40μmとしたので、適切な硬さの砥石を所望形状に焼成することができるとともに、強度を十分維持して結合剤に適切な脆性を与え研削時の発熱を抑えることができる。
【0014】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、窒化アルミニウム粒子の平均粒子径を10〜40μmとした。窒化アルミニウム粒子の平均粒子径が細か過ぎると非結晶ガラス結合剤と窒化アルミニウム粒子との反応面積が過大となり、両者の界面に発生するガスの量が過多となって結合剤が脆くなり過ぎる。逆に窒化アルミニウムの平均粒子径が粗すぎると反応面積が過小となり、ガスの発生が不足して十分な脆性が得られない。請求項5に係る発明では、平均粒子径を10〜40μmとしたので、強度を十分維持して結合剤に適切な脆性を与え研削時の発熱を抑えることができる。
【0015】
【実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1,2において、砥石車11は、鉄又はアルミニウム等の金属で成形された円盤状の基体12の外周面に厚さ5〜10mmの円弧状の砥石13が複数個接着されて構成されている。砥石13はCBN、ダイヤモンド等の超砥粒14をほう珪酸ガラス等の非結晶ガラス結合剤15で結合したもので、非結晶ガラス結合剤15中には窒化アルミニウム(AlN)の粒子16が骨材として混入されている。窒化アルミニウム粒子16を混入した非結晶ガラス結合剤15は超砥粒14の外周を覆って隣接する超砥粒14間を架橋して結合し、架橋部17間に多数の気孔18を形成している。窒化アルミニウム粒子16の平均粒子径は10〜40μmで、非結晶ガラス結合剤15と窒化アルミニウム粒子16との混合比は、70:30容量%〜55:45容量%である。窒化アルミニウム粒子16の混合割合を30%以下にすると、焼成前或いは焼成中に砥石13の形状を保つことができず、角部がだれてしまう。この混合割合を45%以上にすると固形成分が過多となり、窒化アルミニウム粒子16を含んだ状態での非結晶ガラス結合剤15が強くなって硬くなり過ぎ、研削時の発熱量が多くなる。本発明に係るビトリファイドボンド超砥粒砥石13では、窒化アルミニウムの混合割合を30〜45容量%とすることにより適切な硬さの砥石13を所望形状に焼成している。
【0016】
非結晶ガラス結合剤15と窒化アルミニウム粒子16との界面の非結晶ガラス結合剤15側には多数の小さい気泡19が生成されている。該気泡19は、超砥粒、窒化アルミニウム粒子16及び非結晶ガラス結合剤15を混合して円弧状に成形し、該円弧状の成形体を焼成して砥石13を作成するとき、窒化アルミニウム粒子16と非結晶ガラス結合剤15とが焼成中に化学反応して両者の界面にガスが発生することにより生成される。非結晶ガラス結合剤15としてほう珪酸ガラスを用いると、焼成中に窒化アルミニウム粒子16との界面に化学反応によりガスが発生しやすく、結合剤15の脆性を容易にコントロールすることができる。
【0017】
次に、本発明に係るビトリファイドボンド超砥粒砥石13の作動について説明する。砥石車11を研削盤の砥石台に支承して回転駆動し、工作物を主軸台及び心押台間に挟持して回転駆動し、砥石車11と工作物との間にクーラントを供給しながら砥石台を工作物に向かって研削送りし、砥石車11の外周面に接着された砥石13により工作物を研削加工する。
【0018】
非結晶ガラス結合剤15は、窒化アルミニウム粒子16との界面に生成された気泡19により脆性が増しているので、研削時に超砥粒14により研削除去された切粉により適宜削り取られ、超砥粒14が砥石13の研削面20において結合剤15から外部に突出する量tが多くなる。従って砥石の切れ味がよくなり、切粉と非結晶ガラス結合剤15との接触による発熱が抑制される。さらに、窒化アルミニウム粒子16は熱伝導率が高いので、研削中に発生する研削熱の中、砥石13側に流れる熱量が多くなり、工作物の温度上昇が抑制される。研削による工作物の表面温度と研削動力との関係を示す図3のグラフから明らかなように、従来の砥石では研削動力の増加につれて工作物表面温度は上昇し、例えば、研削動力が4.14のときの工作物の表面温度は91.8である。これに対し、本発明に係るビトリファイドボンド超砥粒砥石13では、研削動力が4.27のときの工作物の表面温度が72.7となり、工作物の温度上昇が20%ほど抑制される。このように砥石13は切れ味がよくて工作物の温度上昇を抑制することができるので、水溶性クーラントに比して冷却性がよくない油性クーラントを使用する研削加工に特に適しており、工作物の温度上昇を抑制して、研削焼けなく、工作物を高精度、高効率に研削加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビトリファイドボンド超砥粒砥石を基体の外周に接着した砥石車を示す図である。
【図2】 本発明に係るビトリファイドボンド超砥粒砥石の構成を示す図である。
【図3】 研削による工作物の表面温度と研削動力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11・・・砥石車、12・・・基体、13・・・砥石、14・・・超砥粒、15・・・非結晶ガラス結合剤、16・・・窒化アルミニウム粒子、17・・・架橋部、18・・・気孔、19・・・気泡、20・・・研削面。
Claims (4)
- 超砥粒を窒化アルミニウム粒子を混合した非結晶ガラス結合剤によって、前記窒化アルミニウム粒子と前記非結晶ガラス結合剤とが焼成中に反応して両者の界面の前記非結晶ガラス結合剤側に多数の気泡が発生した状態で結合したことを特徴とするビトリファイドボンド超砥粒砥石。
- 前記超砥粒がCBN砥粒であることを特徴とする請求項1に記載のビトリファイドボンド超砥粒砥石。
- 前記非結晶ガラス結合剤がほう珪酸ガラス結合剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビトリファイドボンド超砥粒砥石。
- 前記非結晶ガラス結合剤と窒化アルミニウム粒子との混合比が70:30〜55:45容量%で、前記窒化アルミニウム粒子の平均粒子径が10〜40μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビトリファイドボンド超砥粒砥石。
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