JP2004028474A - 温水式床暖房システム - Google Patents
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Abstract
【課題】温水を複数の温度に生成可能な熱源機と、この熱源機から温水を供給される床暖房器とを備え、この床暖房器の温度調節を適切に行うことのできる温水式床暖房システムを提供する。
【解決手段】複数温度の温水を生成可能な熱源機2と、前記熱源機2で生成される温水を開閉弁8を介して供給し暖房する床暖房器3と、室温を検出する室温センサ9とを備えた温水式床暖房システム1において、前記室温センサ9で検出される室温と設定温度の偏差に基づいて、熱源機2の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁8の開閉比率を制御することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数温度の温水を生成可能な熱源機2と、前記熱源機2で生成される温水を開閉弁8を介して供給し暖房する床暖房器3と、室温を検出する室温センサ9とを備えた温水式床暖房システム1において、前記室温センサ9で検出される室温と設定温度の偏差に基づいて、熱源機2の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁8の開閉比率を制御することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床暖房器に温水を供給して暖房する温水式床暖房システムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、例えば室外に設置した熱源機と室内に敷設した床暖房器とを温水管でつなぎ、熱源機で加熱生成された温水を、温水管を介して床暖房器に供給することにより室内を所望の温度に暖房する温水式床暖房システム(以下、単に床暖房システムという)が知られている。
【0003】
この種の床暖房システムは、熱源機と床暖房器とをつなぐ温水配管に開閉弁を設け、この開閉弁を周期的に開閉制御することにより暖房能力を制御している。
【0004】
また、熱源機には生成する温水温度(例えば65℃、70℃または75℃)を複数の温度に設定できるものもあり、床暖房器から要求される温水温度(例えば、70℃)に応じた温度の温水を生成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記床暖房装置の運転開始時には、温水管、床暖房器及び熱源機の内部に保有されている全ての水が冷えているために、これらの水を暖めるのに時間がかかる。このため室温が設定温度に達するまでの時間(立ち上がり時間)が長くなかなか暖まらないことによる不快感が生じる。特に、真冬の暖房負荷が大きいときの立ち上がりの遅れが問題になる。
【0006】
また、季節の変わり目など暖房負荷が小さいときの暖まりすぎも使用上問題になる。
【0007】
本発明は、上述のような従来の問題点に鑑みなされたものであり、温水を複数の温度に生成可能な熱源機と、この熱源機から温水を供給される床暖房器とを備え、この床暖房器の温度調節を適切に行うことのできる温水式床暖房システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数温度の温水を生成可能な熱源機と、前記熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給し暖房する床暖房器と、室温を検出する室温センサとを備えた温水式床暖房システムにおいて、前記室温センサで検出される室温と設定温度の偏差に基づいて、熱源機の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁の開閉比率を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、複数温度の温水を生成可能な熱源機と、前記熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給し暖房する床暖房器とを備えた温水式床暖房システムにおいて、前記床暖房器は暖房能力を設定する操作手段を備え、この操作手段の設定値に基づいて、熱源機の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁の開閉比率を制御することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態1] 以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態1における床暖房システムの概略説明図、図2は図1の床暖房システムを操作するリモコンの正面図である。
【0011】
図1において、本床暖房システム1は、室外に設置した熱源機2と、室内に敷設した床暖房器3と、室温センサ9を内蔵する床暖房器用リモコン4とを備えている。
【0012】
前記熱源機2内には、下方にガス燃焼部5aを配設した燃焼装置5、この燃焼装置5の外周に巻き付けられたパイプ状熱交換器6、及び燃焼装置5や電気部品等を制御する制御装置13を有しており、熱交換器6は配水配管7にて床暖房器3に接続されている。前記温水配管7の途中には、電磁弁よりなる開閉弁8と循環ポンプPとを設け、開閉弁8、循環ポンプP、室温センサ9、及びガス燃焼部4のガス弁12等を制御装置13に接続し、全体として床暖房システム1を構成している。室温センサ9はリモコン4付近の室温を検出し制御装置13に温度信号を送信している。
【0013】
図2において、リモコン4には、運転入/切スイッチ14、希望する床温度を設定する室温設定スイッチ16、及び希望する時刻に運転・停止を行わせるタイマースイッチ17等の操作スイッチを有し、さらにこれらの操作スイッチで設定された内容や室温等を液晶表示する表示部22及び前記室温センサ9を有している。
【0014】
前記運転入/切スイッチ14は、一度このスイッチ14を押すことにより床暖房器3の運転が開始され、もう一度押すことにより運転が停止される。室温設定スイッチ16は上がるスイッチ16aと下がるスイッチ16bを有し表示部22に表示される設定温度を希望する室温に設定することができる。
【0015】
図3において、前記制御装置13は、制御用プログラムを格納したROM、各種データを記憶するRAM、アナログ/ディジタル変換を行うA/D変換器、随時書き込み可能な記憶手段としてEEPROM等を内蔵し、床暖房機全体の制御を行うマイクロコンピュータ(以下マイコンという)23を有している。
【0016】
前記マイコン23の入力側には、室温センサ9や運転入/切スイッチ14、設定温度スイッチ16、タイマースイッチ17等が接続されている。
【0017】
一方、マイコン23の出力側には、循環ポンプP、ガス弁12、開閉弁8、リモコン4の表示部22、及び温水温度要求手段18等が接続されている。温水温度要求手段18は、熱源機2で生成する温水温度を、例えば、65℃、70℃または75℃に設定するように要求することができる。
【0018】
次にこの床暖房システムの運転時の動作を説明する。
【0019】
図1において、床暖房器用のリモコン4の運転入/切スイッチ14が操作され運転が開始されると、制御装置13は、燃焼装置5の燃焼によりパイプ状熱交換器3内の水を加熱する。このときの温水温度は床暖房器3で設定操作された温水温度から選択される。加熱された温水は、循環ポンプPの作動により温水配管7を経て床暖房器3に流入し、この床暖房器3を暖めるとともに輻射熱によって室内を加温して室温を上昇させる。制御装置13は、室温と設定温度の偏差に基づいて開閉弁8を制御し安定した床温を保つようにする。
【0020】
前記開閉弁8は、図4に示すように、一定周期毎に開閉比率を設定して開閉制御される。例えば一周期Tを20分とし、開閉弁8の開放時間t1を15分とすることで暖房能力を大きく、開放時間t2を5分とすることで暖房能力を小さくしている。
【0021】
次に、図5を参照して、室温と設定温度の偏差に対する床暖房器の要求温水温度及び開閉弁の開閉制御について説明する。
【0022】
図5において、室温と設定温度の偏差において設定温度よりも室温の方が高い場合、制御装置13は熱源機2に対して温水温度を60℃にするように要求する。これにより温水温度60℃の温水が生成される。そして、室温と設定温度の偏差が2℃以上のとき、開閉弁8のON/OFF時間は、それぞれ2分/18分、同様に1.5℃以上2.0℃未満のときは4分/16分、1.0℃以上1.5℃未満のときは6分/14分、0.5℃以上1.0℃未満のときは8分/12分、0℃以上0.5℃未満のときは10分/10分に制御される。
【0023】
また、室温と設定温度の偏差において設定温度よりも室温の方が低い場合、制御装置13は熱源機2に対して温水温度を75℃にするように要求する。これにより温水温度75℃の温水が生成される。そして、室温と設定温度の偏差が−0.5℃以上0℃未満のとき開閉弁8のON/OFF時間は、2分/18分、同様に−1.0℃以上−0.5℃未満のとき4分/16分、−1.5℃以上1.0℃未満のとき6分/14分、−2.0℃以上−1.5℃未満のとき8分/12分、−2.0℃未満のとき10分/10分に制御される。
【0024】
このように室温と設定温度の偏差に応じて熱源機2での温水温度及び開閉弁8のON/OFF時間を制御し、暖房負荷が大きいときには、温水温度を上げるとともに、開閉弁8の開放時間を長くして暖房能力を大きくする。そして、暖房負荷が小さいときには、温水温度を下げるとともに、開閉弁8の開放時間を短くして暖房能力を小さくするので、幅広い範囲で暖房能力を可変することができる。
【0025】
そして、例えば真冬の運転開始時等の暖房負荷が大きいときには、大きい暖房能力で立ち上がりを早くし、室温が設定温度に達した後や季節の変わり目等の暖房負荷が小さいときには、小さい暖房能力で暖まりすぎを抑えた安定した室温を保つことができる。
【0026】
[実施形態2] 実施形態1では室温と設定温度との偏差に基づいて暖房能力を自動的に調節し室温制御を行っているが、実施形態2では室温センサを備えておらず、暖房能力を手動で設定する操作手段を備えている。
【0027】
図6は実施形態2における床暖房システムの概略説明図である。なお、図1と同一の構成要素には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0028】
図6において、本床暖房システム31は、室外に設置した熱源機2と、室内に敷設した床暖房器3と、床暖房器用リモコン32とを備えている。
【0029】
前記熱源機2内には、燃焼装置5、パイプ状熱交換器6、及び制御装置33を有しており、熱交換器6は配水配管7にて床暖房器3に接続されている。温水配管7の途中には、開閉弁8と循環ポンプPとを設け、開閉弁8、循環ポンプP、及びガス弁12等を制御装置33に接続し、全体として床暖房システム31を構成している。
【0030】
前記リモコン32には、運転入/切スイッチ14及び暖房調節ダイアル(暖房能力を設定する操作手段)34等の操作スイッチを有している。暖房調節ダイアル34は、9段階に暖房能力を調節でき、目盛を合わせることにより設定できる。
【0031】
図7において、前記制御装置33は、制御用プログラムを格納したROM、各種データを記憶するRAM、アナログ/ディジタル変換を行うA/D変換器、随時書き込み可能な記憶手段としてEEPROM等を内蔵し、床暖房器全体の制御を行うマイクロコンピュータ(以下マイコンという)35を有している。
【0032】
前記マイコン35の入力側には、運転入/切スイッチ14や暖房調節ダイアル34等が接続され、出力側には、循環ポンプP、ガス弁12、開閉弁8、温水温度要求手段18等が接続されている。温水温度要求手段18は、熱源機2で生成される温水温度を、例えば、65℃、70℃または75℃に設定するよう要求することができる。
【0033】
次にこの床暖房システムの運転時の動作を説明する。
【0034】
図6において、床暖房器用リモコン32の運転入/切スイッチ14が操作され運転が開始されると、制御装置33は、燃焼装置5の燃焼によりパイプ状熱交換器3内の水を加熱する。このときの温水温度は暖房調節ダイアル34で設定された温水温度に加熱される。加熱された温水は、温水配管7を経て床暖房器3に流入し、この床暖房器3を暖めるとともに輻射熱によって室内を加温して室温を上昇させる。
【0035】
次に、床暖房器の温水温度及び開閉弁の開閉制御について説明する。
【0036】
図8は、温水温度と開閉弁の開閉制御を示す表である。図8において、例えば、暖房調節ダイアル34の目盛が「3」に設定されていると、制御装置33は温水温度要求手段18から熱源器2に温水温度を65℃にするように要求する。これにより熱源機2で65℃の温水が生成される。次に開閉弁8のON/OFF時間が15分/5分に制御され床暖房器3に温水が供給される。
【0037】
また、暖房調節ダイアル34の目盛が「7」に設定されていると、制御装置33は温水温度要求手段18から熱源器2に温水温度を65℃にするように要求する。これにより75℃の温水が生成される。次に開閉弁8のON/OFF時間が5分/15分に制御され床暖房器3に温水が供給される。
【0038】
このように、暖房調節ダイアル34の設定された目盛に合わせて温水温度及び開閉弁8の制御が成されるので、ユーザーが非常に寒いと感じたときには、大きい目盛にして、温水温度を上げるとともに開閉弁8の開放時間を長くして暖房能力を大きくする。そして、余り寒さを感じないときには、小さい目盛にして温水温度を下げるとともに開閉弁8の開放時間を短くして暖房能力を小さくするので、幅広い範囲で暖房能力を可変することができる。
【0039】
また、運転開始時には目盛を大きくして立ち上がりを早くし、室温が所望の温度に達した後は目盛を小さくして暖まりすぎを抑えた変動の少ない室温を保つことができる。
【0040】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の床暖房システムは、複数温度の温水が生成可能な熱源機と、熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給する床暖房器とを備え、室温が設定温度に対して低くその偏差が大きいときには温水温度を上げるとともに開閉弁の開放時間を長くし、室温が設定温度に達した後は温水温度を下げるとともに開放時間を短くして床暖房をするので、暖房能力を幅広い範囲に可変することができる。したがって、運転開始時等には暖房能力を上げて立ち上がり時間を早くし、室温が設定温度に達したときには暖房能力を下げてきめ細かな安定した室温を保つことができる。
【0042】
また、本発明の床暖房システムは、複数温度の温水が生成可能な熱源機と、熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給する床暖房器とを備え、操作手段で暖房能力を調節することにより、熱源機の温水温度及び開閉弁の開閉比率を制御できるので、暖房能力を上げたときに温水温度を上げ、暖房能力を下げたときに温水温度を下げ、暖房能力を幅広い範囲に調節することができる。そして、快適な床暖房を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における床暖房システムの概略図である。
【図2】実施形態1における床暖房器用リモコンの正面図である。
【図3】実施形態1における制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【図4】開閉弁の開閉制御の例を示す動作説明図である。
【図5】実施形態1における、室温と設定温度の偏差に対する床暖房器の要求温水温度及び開閉弁の開閉制御を示す表である。
【図6】本発明の実施形態2における床暖房システムの概略図である。
【図7】実施形態2における制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【図8】実施形態2における、暖房調節ダイアルの目盛と、床暖房器の要求温水温度及び開閉弁の開閉制御を示す表である。
【符号の説明】
1、31 床暖房システム
2 熱源機
3 床暖房器
4、32 床暖房用リモコン
8 開閉弁
9 室温センサ
13、33 制御装置
34 暖房調節ダイアル(暖房能力を設定する操作手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、床暖房器に温水を供給して暖房する温水式床暖房システムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、例えば室外に設置した熱源機と室内に敷設した床暖房器とを温水管でつなぎ、熱源機で加熱生成された温水を、温水管を介して床暖房器に供給することにより室内を所望の温度に暖房する温水式床暖房システム(以下、単に床暖房システムという)が知られている。
【0003】
この種の床暖房システムは、熱源機と床暖房器とをつなぐ温水配管に開閉弁を設け、この開閉弁を周期的に開閉制御することにより暖房能力を制御している。
【0004】
また、熱源機には生成する温水温度(例えば65℃、70℃または75℃)を複数の温度に設定できるものもあり、床暖房器から要求される温水温度(例えば、70℃)に応じた温度の温水を生成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記床暖房装置の運転開始時には、温水管、床暖房器及び熱源機の内部に保有されている全ての水が冷えているために、これらの水を暖めるのに時間がかかる。このため室温が設定温度に達するまでの時間(立ち上がり時間)が長くなかなか暖まらないことによる不快感が生じる。特に、真冬の暖房負荷が大きいときの立ち上がりの遅れが問題になる。
【0006】
また、季節の変わり目など暖房負荷が小さいときの暖まりすぎも使用上問題になる。
【0007】
本発明は、上述のような従来の問題点に鑑みなされたものであり、温水を複数の温度に生成可能な熱源機と、この熱源機から温水を供給される床暖房器とを備え、この床暖房器の温度調節を適切に行うことのできる温水式床暖房システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数温度の温水を生成可能な熱源機と、前記熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給し暖房する床暖房器と、室温を検出する室温センサとを備えた温水式床暖房システムにおいて、前記室温センサで検出される室温と設定温度の偏差に基づいて、熱源機の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁の開閉比率を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、複数温度の温水を生成可能な熱源機と、前記熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給し暖房する床暖房器とを備えた温水式床暖房システムにおいて、前記床暖房器は暖房能力を設定する操作手段を備え、この操作手段の設定値に基づいて、熱源機の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁の開閉比率を制御することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態1] 以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態1における床暖房システムの概略説明図、図2は図1の床暖房システムを操作するリモコンの正面図である。
【0011】
図1において、本床暖房システム1は、室外に設置した熱源機2と、室内に敷設した床暖房器3と、室温センサ9を内蔵する床暖房器用リモコン4とを備えている。
【0012】
前記熱源機2内には、下方にガス燃焼部5aを配設した燃焼装置5、この燃焼装置5の外周に巻き付けられたパイプ状熱交換器6、及び燃焼装置5や電気部品等を制御する制御装置13を有しており、熱交換器6は配水配管7にて床暖房器3に接続されている。前記温水配管7の途中には、電磁弁よりなる開閉弁8と循環ポンプPとを設け、開閉弁8、循環ポンプP、室温センサ9、及びガス燃焼部4のガス弁12等を制御装置13に接続し、全体として床暖房システム1を構成している。室温センサ9はリモコン4付近の室温を検出し制御装置13に温度信号を送信している。
【0013】
図2において、リモコン4には、運転入/切スイッチ14、希望する床温度を設定する室温設定スイッチ16、及び希望する時刻に運転・停止を行わせるタイマースイッチ17等の操作スイッチを有し、さらにこれらの操作スイッチで設定された内容や室温等を液晶表示する表示部22及び前記室温センサ9を有している。
【0014】
前記運転入/切スイッチ14は、一度このスイッチ14を押すことにより床暖房器3の運転が開始され、もう一度押すことにより運転が停止される。室温設定スイッチ16は上がるスイッチ16aと下がるスイッチ16bを有し表示部22に表示される設定温度を希望する室温に設定することができる。
【0015】
図3において、前記制御装置13は、制御用プログラムを格納したROM、各種データを記憶するRAM、アナログ/ディジタル変換を行うA/D変換器、随時書き込み可能な記憶手段としてEEPROM等を内蔵し、床暖房機全体の制御を行うマイクロコンピュータ(以下マイコンという)23を有している。
【0016】
前記マイコン23の入力側には、室温センサ9や運転入/切スイッチ14、設定温度スイッチ16、タイマースイッチ17等が接続されている。
【0017】
一方、マイコン23の出力側には、循環ポンプP、ガス弁12、開閉弁8、リモコン4の表示部22、及び温水温度要求手段18等が接続されている。温水温度要求手段18は、熱源機2で生成する温水温度を、例えば、65℃、70℃または75℃に設定するように要求することができる。
【0018】
次にこの床暖房システムの運転時の動作を説明する。
【0019】
図1において、床暖房器用のリモコン4の運転入/切スイッチ14が操作され運転が開始されると、制御装置13は、燃焼装置5の燃焼によりパイプ状熱交換器3内の水を加熱する。このときの温水温度は床暖房器3で設定操作された温水温度から選択される。加熱された温水は、循環ポンプPの作動により温水配管7を経て床暖房器3に流入し、この床暖房器3を暖めるとともに輻射熱によって室内を加温して室温を上昇させる。制御装置13は、室温と設定温度の偏差に基づいて開閉弁8を制御し安定した床温を保つようにする。
【0020】
前記開閉弁8は、図4に示すように、一定周期毎に開閉比率を設定して開閉制御される。例えば一周期Tを20分とし、開閉弁8の開放時間t1を15分とすることで暖房能力を大きく、開放時間t2を5分とすることで暖房能力を小さくしている。
【0021】
次に、図5を参照して、室温と設定温度の偏差に対する床暖房器の要求温水温度及び開閉弁の開閉制御について説明する。
【0022】
図5において、室温と設定温度の偏差において設定温度よりも室温の方が高い場合、制御装置13は熱源機2に対して温水温度を60℃にするように要求する。これにより温水温度60℃の温水が生成される。そして、室温と設定温度の偏差が2℃以上のとき、開閉弁8のON/OFF時間は、それぞれ2分/18分、同様に1.5℃以上2.0℃未満のときは4分/16分、1.0℃以上1.5℃未満のときは6分/14分、0.5℃以上1.0℃未満のときは8分/12分、0℃以上0.5℃未満のときは10分/10分に制御される。
【0023】
また、室温と設定温度の偏差において設定温度よりも室温の方が低い場合、制御装置13は熱源機2に対して温水温度を75℃にするように要求する。これにより温水温度75℃の温水が生成される。そして、室温と設定温度の偏差が−0.5℃以上0℃未満のとき開閉弁8のON/OFF時間は、2分/18分、同様に−1.0℃以上−0.5℃未満のとき4分/16分、−1.5℃以上1.0℃未満のとき6分/14分、−2.0℃以上−1.5℃未満のとき8分/12分、−2.0℃未満のとき10分/10分に制御される。
【0024】
このように室温と設定温度の偏差に応じて熱源機2での温水温度及び開閉弁8のON/OFF時間を制御し、暖房負荷が大きいときには、温水温度を上げるとともに、開閉弁8の開放時間を長くして暖房能力を大きくする。そして、暖房負荷が小さいときには、温水温度を下げるとともに、開閉弁8の開放時間を短くして暖房能力を小さくするので、幅広い範囲で暖房能力を可変することができる。
【0025】
そして、例えば真冬の運転開始時等の暖房負荷が大きいときには、大きい暖房能力で立ち上がりを早くし、室温が設定温度に達した後や季節の変わり目等の暖房負荷が小さいときには、小さい暖房能力で暖まりすぎを抑えた安定した室温を保つことができる。
【0026】
[実施形態2] 実施形態1では室温と設定温度との偏差に基づいて暖房能力を自動的に調節し室温制御を行っているが、実施形態2では室温センサを備えておらず、暖房能力を手動で設定する操作手段を備えている。
【0027】
図6は実施形態2における床暖房システムの概略説明図である。なお、図1と同一の構成要素には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0028】
図6において、本床暖房システム31は、室外に設置した熱源機2と、室内に敷設した床暖房器3と、床暖房器用リモコン32とを備えている。
【0029】
前記熱源機2内には、燃焼装置5、パイプ状熱交換器6、及び制御装置33を有しており、熱交換器6は配水配管7にて床暖房器3に接続されている。温水配管7の途中には、開閉弁8と循環ポンプPとを設け、開閉弁8、循環ポンプP、及びガス弁12等を制御装置33に接続し、全体として床暖房システム31を構成している。
【0030】
前記リモコン32には、運転入/切スイッチ14及び暖房調節ダイアル(暖房能力を設定する操作手段)34等の操作スイッチを有している。暖房調節ダイアル34は、9段階に暖房能力を調節でき、目盛を合わせることにより設定できる。
【0031】
図7において、前記制御装置33は、制御用プログラムを格納したROM、各種データを記憶するRAM、アナログ/ディジタル変換を行うA/D変換器、随時書き込み可能な記憶手段としてEEPROM等を内蔵し、床暖房器全体の制御を行うマイクロコンピュータ(以下マイコンという)35を有している。
【0032】
前記マイコン35の入力側には、運転入/切スイッチ14や暖房調節ダイアル34等が接続され、出力側には、循環ポンプP、ガス弁12、開閉弁8、温水温度要求手段18等が接続されている。温水温度要求手段18は、熱源機2で生成される温水温度を、例えば、65℃、70℃または75℃に設定するよう要求することができる。
【0033】
次にこの床暖房システムの運転時の動作を説明する。
【0034】
図6において、床暖房器用リモコン32の運転入/切スイッチ14が操作され運転が開始されると、制御装置33は、燃焼装置5の燃焼によりパイプ状熱交換器3内の水を加熱する。このときの温水温度は暖房調節ダイアル34で設定された温水温度に加熱される。加熱された温水は、温水配管7を経て床暖房器3に流入し、この床暖房器3を暖めるとともに輻射熱によって室内を加温して室温を上昇させる。
【0035】
次に、床暖房器の温水温度及び開閉弁の開閉制御について説明する。
【0036】
図8は、温水温度と開閉弁の開閉制御を示す表である。図8において、例えば、暖房調節ダイアル34の目盛が「3」に設定されていると、制御装置33は温水温度要求手段18から熱源器2に温水温度を65℃にするように要求する。これにより熱源機2で65℃の温水が生成される。次に開閉弁8のON/OFF時間が15分/5分に制御され床暖房器3に温水が供給される。
【0037】
また、暖房調節ダイアル34の目盛が「7」に設定されていると、制御装置33は温水温度要求手段18から熱源器2に温水温度を65℃にするように要求する。これにより75℃の温水が生成される。次に開閉弁8のON/OFF時間が5分/15分に制御され床暖房器3に温水が供給される。
【0038】
このように、暖房調節ダイアル34の設定された目盛に合わせて温水温度及び開閉弁8の制御が成されるので、ユーザーが非常に寒いと感じたときには、大きい目盛にして、温水温度を上げるとともに開閉弁8の開放時間を長くして暖房能力を大きくする。そして、余り寒さを感じないときには、小さい目盛にして温水温度を下げるとともに開閉弁8の開放時間を短くして暖房能力を小さくするので、幅広い範囲で暖房能力を可変することができる。
【0039】
また、運転開始時には目盛を大きくして立ち上がりを早くし、室温が所望の温度に達した後は目盛を小さくして暖まりすぎを抑えた変動の少ない室温を保つことができる。
【0040】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の床暖房システムは、複数温度の温水が生成可能な熱源機と、熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給する床暖房器とを備え、室温が設定温度に対して低くその偏差が大きいときには温水温度を上げるとともに開閉弁の開放時間を長くし、室温が設定温度に達した後は温水温度を下げるとともに開放時間を短くして床暖房をするので、暖房能力を幅広い範囲に可変することができる。したがって、運転開始時等には暖房能力を上げて立ち上がり時間を早くし、室温が設定温度に達したときには暖房能力を下げてきめ細かな安定した室温を保つことができる。
【0042】
また、本発明の床暖房システムは、複数温度の温水が生成可能な熱源機と、熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給する床暖房器とを備え、操作手段で暖房能力を調節することにより、熱源機の温水温度及び開閉弁の開閉比率を制御できるので、暖房能力を上げたときに温水温度を上げ、暖房能力を下げたときに温水温度を下げ、暖房能力を幅広い範囲に調節することができる。そして、快適な床暖房を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における床暖房システムの概略図である。
【図2】実施形態1における床暖房器用リモコンの正面図である。
【図3】実施形態1における制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【図4】開閉弁の開閉制御の例を示す動作説明図である。
【図5】実施形態1における、室温と設定温度の偏差に対する床暖房器の要求温水温度及び開閉弁の開閉制御を示す表である。
【図6】本発明の実施形態2における床暖房システムの概略図である。
【図7】実施形態2における制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【図8】実施形態2における、暖房調節ダイアルの目盛と、床暖房器の要求温水温度及び開閉弁の開閉制御を示す表である。
【符号の説明】
1、31 床暖房システム
2 熱源機
3 床暖房器
4、32 床暖房用リモコン
8 開閉弁
9 室温センサ
13、33 制御装置
34 暖房調節ダイアル(暖房能力を設定する操作手段)
Claims (2)
- 複数温度の温水を生成可能な熱源機と、前記熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給し暖房する床暖房器と、室温を検出する室温センサとを備えた温水式床暖房システムにおいて、
前記室温センサで検出される室温と設定温度の偏差に基づいて、熱源機の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁の開閉比率を制御することを特徴とする温水式床暖房システム。 - 複数温度の温水を生成可能な熱源機と、前記熱源機で生成される温水を開閉弁を介して供給し暖房する床暖房器とを備えた温水式床暖房システムにおいて、
前記床暖房器は暖房能力を設定する操作手段を備え、この操作手段の設定値に基づいて、熱源機の温水温度を設定するとともに、一定周期毎の前記開閉弁の開閉比率を制御することを特徴とする温水式床暖房システム。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008014542A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Osaka Gas Co Ltd | 熱媒供給システム |
JP2008157591A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Osaka Gas Co Ltd | 熱媒供給システム |
GB2528946A (en) * | 2014-08-07 | 2016-02-10 | Husky Heat Pumps Ltd | Improved heating system |
WO2023190025A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 株式会社クボタ | 作業機 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002186993A patent/JP2004028474A/ja active Pending
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