JP2004027038A - 顔料組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調色した顔料組成物を、溶剤や樹脂溶液中に分散させて使用した場合であっても、その分散体が安定した顔料分散体を長期にわたって保持し、経時的な色分かれや増粘を起こしにくい顔料組成物、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】調色するために混合した二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕することにより、磨砕によって新たに形成された活性の高い顔料粒子表面が、形成直後直ちにカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂によって強固に被覆される結果、溶剤、あるいは樹脂溶液への分散性が向上し、これを使用した顔料分散体は、色分かれ、顔料粒子の二次凝集や異常な結晶成長にともなう増粘を起こしにくく、長期間にわたって安定した分散状態が保たれる。
【選択図】 なし。
【解決手段】調色するために混合した二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕することにより、磨砕によって新たに形成された活性の高い顔料粒子表面が、形成直後直ちにカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂によって強固に被覆される結果、溶剤、あるいは樹脂溶液への分散性が向上し、これを使用した顔料分散体は、色分かれ、顔料粒子の二次凝集や異常な結晶成長にともなう増粘を起こしにくく、長期間にわたって安定した分散状態が保たれる。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二種類以上の顔料を混合して調色した顔料組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、溶剤あるいは樹脂溶液への分散性に優れ、かつ長期間にわたり安定した分散状態を保持できる顔料組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
顔料は、通常有機溶剤や水などの溶剤に対して不溶であり、印刷インキや塗料、あるいはプラスチックなどの着色剤として用いる場合には、溶剤に分散させて使用することが多いため、顔料には溶剤への長期間にわたる分散安定性が要求される。
一般に、顔料を用いて着色物に所望の色相を付与するには、色相の異なる顔料を混合して調色する。調色に使用する複数種類の顔料は、多くの場合、それぞれの化学的な性質が異なるため安定な分散状態が得られにくい。
また、着色物に高い透明性が要求される場合には、顔料の粒子径を小さくすることで着色物の透明性を向上させるが、顔料の粒子径を小さくしすぎると、顔料粒子表面が活性となり、顔料粒子同士の二次凝集や、分散した顔料粒子の結晶成長が生じやすくなるため、安定な分散状態が得られにくい。
このため、一般には、顔料分散時に顔料分散剤を使用したり、顔料粒子表面を覆うために顔料粒子表面処理剤を使用したりするなど、顔料の安定な分散状態を長期にわたって保持するための種々の工夫がなされている。
【0003】
顔料の安定な分散状態を長期にわたって保持する必要があり、かつ着色物に高い透明性が要求される用途の一つにカラーフィルターがある。カラーフィルターを用いるディスプレイとして広く使用されているカラー液晶表示装置は、ガラス等の透明基板上に赤色、緑色、青色の三色の画素パターンが形成されたカラーフィルターを透過したバックライトの光によって、カラー表示するものである。したがって、カラーフィルターを透過したバックライトの光の透過率を高くし、色再現性を高めるために、カラーフィルターの各画素には高い透明度、色純度、および色濃度が求められる、特に緑色画素には黄味の強い明るい緑色が要求されるが、単一の緑色顔料でこの色相を得ることは難しく、通常は青色顔料や緑色顔料に黄色顔料を混合して使用している。前述のように、カラーフィルターには高い透明性が要求されるので、通常、平均粒子径が10〜100nmとなるように微粒子化した顔料が使用される。
【0004】
バックライトの光源には、JIS Z8719で規定する2波長域発光形の蛍光ランプが使用されており、緑色波長領域においては、545nmに最大強度の輝線を有する。したがって、カラーフィルターの緑色画素を形成するにあたっては、一般に、分光透過スペクトルの透過率が最大となる波長(Tmax)が、この輝線にできるだけ近くなるように調色される。
カラーフィルターの緑色以外の画素においても、色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調色することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法で二種類以上の顔料を混合して溶剤あるいは樹脂溶液中に分散させた場合、顔料の分散状態が不安定になることが多く、経時的に「色分かれ」を起こしやすい。また、着色物の透明度を上げる目的で、顔料の粒子径を小さくした場合は、顔料粒子同士の凝集による二次粒子の形成や、顔料粒子の異常な結晶成長が生じやすく、いずれの場合も着色物の透明度が低下する、あるいは着色物が液体である場合は増粘するという問題点があった。特に、カラーフィルターにおいては、これらの問題点が色再現性に重大な影響を及ぼしていた。
【0006】
本発明の課題は、色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調色した顔料組成物を使用した場合であっても、着色物が安定した顔料分散状態を長期にわたって保持し、経時的な色分かれや増粘を起こしにくい顔料組成物、およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、調色するために混合した二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共摩砕することにより、磨砕によって新たに形成された活性の高い顔料粒子表面が、形成直後ただちにカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂によって被覆される結果、溶剤あるいは樹脂溶液への分散性が向上する。顔料を微粒子化した場合であっても、これを使用した顔料分散体は、色分かれ、顔料粒子の二次凝集や異常な結晶成長に伴う増粘を起こしにくく、長期間にわたって安定した分散状態が保たれる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、顔料混合物の湿式共磨砕は、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂、有機溶剤、および水溶性無機塩と共に混練することによって行う。ここで、「顔料混合物の湿式共磨砕」とは、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を液状媒体中で共磨砕することをいう。
【0009】
本発明は、使用する顔料がいかなるものであっても有効であり、使用する顔料には特に限定はない。
【0010】
顔料混合物の湿式共磨砕時にカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂を共存させることにより、共磨砕によって活性な顔料表面が形成された直後に、該アミノ樹脂が吸着して顔料表面を被覆するため、顔料同士が凝集しにくくなり、溶剤あるいは結着樹脂溶液への顔料の分散性が向上する。同時に分散した顔料粒子の結晶成長が抑制されるので、長期間にわたって良好な分散状態が保たれる。
【0011】
カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂は、アミノ化合物とアルデヒドとの重合によって得られる。本発明においては、アミノ化合物とアルデヒドの少なくともどちらか一方が、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有していればよい。
【0012】
カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂を得る方法は特に制限なく、公知の重合方法を用いることができ、例えば、アルデヒドのアルコール溶液にアミノ化合物を加え、50〜140℃で20分間〜7時間反応させ、重合反応とエーテル化反応を同時に行う方法などが挙げられる。
【0013】
アミノ化合物としては、例えば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどのカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基をもたないアミノ化合物、2−、3−、あるいは4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸などのカルボキシ基を有するアミノ化合物、2−、3−、あるいは4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−フェノールなどのフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ化合物が挙げられる。
【0014】
また、アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキサールなどのカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基をもたないアルデヒド、グリオキシル酸、ホルミル酢酸、フタルアルデヒド酸などのカルボキシ基を有するアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドなどのフェノール性ヒドロキシ基を有するアルデヒドが挙げられる。
【0015】
これらアミノ化合物とアルデヒドは、各々単独で、あるいは混合して使用することができる。この場合、用いるアミノ化合物とアルデヒドの少なくとも一種がカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有していればよい。
【0016】
また、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂に、重合過程で生じるヒドロキシ基が残存すると、湿式共磨砕時に重合反応が進行して、該アミノ樹脂の顔料表面への吸着力が低下する場合がある。これを防ぐためには、アミノ樹脂中のメチロール基をエーテル化用アルコールによりエーテル化することが好ましい。エーテル化用アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコール、環状アルコール、エーテルアルコール類、ケトンアルコール類など特に制限なく用いることができ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
【0017】
本発明における湿式共磨砕に用いる液状媒体には有機溶剤を用いるのが好ましい。該有機溶剤としては顔料を溶解しない公知慣用の水溶性溶剤を使用することが好ましく、混練時に蒸発しにくい高沸点溶剤を使用することがさらに好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、液体ポリエチレングリコール、アルコキシアルカノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0018】
また、湿式共磨砕時に使用する水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウムなどが例として挙げられる。
【0019】
本発明の製造方法において、二種類以上の顔料からなる顔料混合物100質量部に対する各原料の好ましい配合量は以下のとおりである。
カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂は、0.5〜200質量部とするのが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量部、最も好ましいのは2〜15質量部である。有機溶剤は1〜500質量部、水溶性無機塩は300〜2000質量部とするのが好ましい。
【0020】
顔料混合物、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂、有機溶剤、水溶性無機塩の混練にはニーダーを使用するとよい。上記原料を30〜150℃で3〜20時間混練することで、顔料組成物の微粒子を含む混練物が得られる。加熱下で混練する場合は、窒素ガスや希ガスなどの不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。
得られた混練物を水中に投入し、顔料組成物の微粒子を濾別、水洗し、乾燥することにより顔料組成物が得られる。
【0021】
上記製造方法により得られる顔料組成物は、溶剤、結着樹脂溶液、あるいは樹脂に対して高い分散性を示すので、印刷インキ、塗料、あるいは樹脂の着色剤として好適に用いられ、特にカラーフィルター用途において顕著な効果を発現する。
【0022】
以下、カラーフィルター用顔料組成物およびその製造方法を例として本発明をさらに具体的に説明する。特に断らない限り「カラーフィルター用顔料組成物」のことを単に「顔料組成物」と、また、「カラーフィルター用顔料分散レジスト」のことを単に「顔料分散レジスト」と、それぞれ略記する。また、顔料分散レジストの硬化塗膜の膜厚を一定にした場合のCIE表色系(x、y、Y)におけるy値が大きいものを「色純度が高い」といい、x、およびy値が一定の値となるように顔料分散レジスト硬化塗膜の膜厚を決めた場合、膜厚が薄いものを「色濃度が高い」あるいは「着色力が高い」といい、Y値が大きいものを「透明性が高い」という。
【0023】
カラーフィルターは、ガラス等の透明基板上に、調色された顔料組成物を含有する顔料分散レジストの硬化塗膜からなる、赤色、緑色、青色の三色の画素パターンを設けたものである。顔料分散レジストには、長期保存安定性が要求され、カラーフィルターの各画素には、高い透明性と着色力が要求される。ここでは緑色画素を例として本発明を説明する。
【0024】
カラーフィルターの緑色画素は、一般に、緑色顔料に黄色顔料を混合して調色する。緑色顔料の代表例としては、ハロゲン化金属フタロシアニンが挙げられる。
金属フタロシアニンは、中心金属原子のまわりに4個の芳香環を有する。そして、この芳香環はそれぞれ4個の水素原子を有していて、これら合計16個の水素原子は臭素、塩素等のハロゲン原子によって置換することができる。ハロゲン原子で置換されたハロゲン化金属フタロシアニンは緑色を呈し、置換するハロゲン原子の種類と置換ハロゲン原子数を変えることによって、青味の緑色から黄味の緑色まで色相を変化させることができる。
【0025】
しかし、一般には、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料を使用した場合であっても、これ単独ではカラーフィルターに好適な緑色が得られず、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料に黄色顔料を混合し、調色することによって、カラーフィルターに好適な黄味の明るい緑色が得られる。
【0026】
カラーフィルターの緑色画素に使用するハロゲン化金属フタロシアニンとしては、たとえば、Al、Si、Ti、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn、またはPbなどの中心金属を有する塩素化金属フタロシアニン、塩素化臭素化金属フタロシアニン、臭素化金属フタロシアニン、沃素化金属フタロシアニン等が挙げられる。市販品としては、「C.I.ピグメントグリーン 7」、「C.I.ピグメントグリーン 36」などがある。
【0027】
調色のために上記ハロゲン化金属フタロシアニン顔料に混合する黄色顔料としては、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、およびアゾ系顔料があり、これらはいずれも市販されている。具体的には、たとえば、「C.I.ピグメントイエロー 83」、「C.I.ピグメントイエロー 128」、「C.I.ピグメントイエロー 138」、「C.I.ピグメントイエロー 150」、「C.I.ピグメントイエロー 180」、「C.I.ピグメントイエロー 185」などが挙げられる。これらの顔料は、単独で使用することも、二種以上を混合して使用することもできる。
【0028】
上記各種顔料の中でも、カラーフィルター用途には、色純度と透明性に優れている「C.I.ピグメントイエロー 138」、「C.I.ピグメントイエロー
139」、「C.I.ピグメントイエロー 150」が好適である。
【0029】
上記顔料の混合物を、本発明の顔料組成物の製造方法によって湿式共磨砕することで、緑色のカラーフィルタ用顔料組成物が得られる。
一般に、顔料分散体中の顔料の粒子径が小さいほど顔料分散体の透明性は高くなる。カラーフィルターには高い透明性が要求されるため、混練温度、混練時間等の条件を適宜選択して、該顔料組成物中の顔料の平均一次粒子径を、10〜100nmの範囲とするのが好ましく、30〜60nmの範囲とするのが特に好ましい。平均一次粒子径が100nmを超える場合は、これを使用したカラーフィルター画素部の透明性が低下し、10nmよりも小さい場合は、顔料分散組成物の粘度が経時的に増粘したり、チキソトロピーが強く現れたりするほか、顔料が凝集しやすくなるため、粒子径の大きい二次粒子を形成して、カラーフィルター画素部の透明性を低下させる原因となる。なお、顔料の一次粒子の最小粒子径は5nm以上、最大粒子径は300nm以下であるのが好ましい。最小粒子径が5nmを下回ると一次粒子が凝集しやすくなり、最大粒子径が300nmを超えると顔料分散体の透明度が低下する。
【0030】
顔料の平均一次粒子径は、顔料を溶媒に超音波分散させた後、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡により測定することができる。具体的には、顔料粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、各々その長い方の長さを測定し、それを平均すればよい。
【0031】
本発明の方法によって得られた顔料組成物を着色剤として使用した顔料分散レジストは、色分かれすることがなく、分散している顔料の平均一次粒子径が10〜100nmの微粒子であっても、長期間にわたって安定した分散状態を保持する。該顔料分散レジストを使用して得られるカラーフィルターの緑色画素部は、高い透明度と着色力を有する。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、「部」および「%」は、特に断りがない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
【0033】
(調製例1)
温度計、環流冷却管及び攪拌機を備えた四つ口フラスコに2−(4,6−ジアミノ−1、3、5−トリアジン−2−イル)安息香酸131.7部、37%ホルムアルデヒド水溶液202.8部、n−ブタノール222.3部を仕込み、攪拌しながら、115℃、常圧下で2時間環流させ、さらに5.33×104Paの減圧下で3時間反応させ、水及び過剰のホルムアルドヒド、n−ブタノールを留去した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcと略記する。)を加えて冷却した。冷却後、更にPGMAcを加えて樹脂固形分40%のカルボキシル基を有するアミノ樹脂溶液を得た。
【0034】
(実施例1)
市販緑色フタロシアニン系顔料「C.I.ピグメント グリーン 36」50部、市販黄色キノフタロン系有機顔料「C.I.ピグメント イエロー 138」50部、調製例1で調製したカルボキシ基を有するアミノ樹脂溶液10部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を双腕式ニーダーに入れ、118℃〜120℃で6時間共磨砕した。その後、内容物を20000部の温湯中に投入し、濾過、洗浄した後、90℃で乾燥して顔料組成物(1)を得た。得られた顔料組成物(1)中の顔料の平均一次粒子径は45nmであった。
【0035】
五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−6H」に、顔料組成物(1)15部、ビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK−2001」4.5部、PGMAc80.5部、および直径0.5mmのジルコニアビーズ200部を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、顔料分散体(1)を得た。
【0036】
顔料分散体(1)100部、大日本インキ化学工業(株)製アルカリ可溶性バインダー樹脂のPGMAc溶液「エクセディックLC−295」31.3部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、DPHAと略記する。)12.5部、およびチバスペシャルティーケミカルズ社製光重合開始剤「イルガキュアー#369」0.3部、PGMAc17.1部を混合した後、孔径1.0μmのフィルターを用いて濾過し、顔料分散レジスト(1)を得た。
【0037】
(実施例2)
市販緑色フタロシアニン系顔料「C.I.ピグメント グリーン 7」32部、市販黄色ニッケルアゾ系有機顔料「C.I.ピグメント イエロー 150」68部、調製例1で調製したカルボキシ基を有するアミノ樹脂溶液10部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を双腕式ニーダーに入れ、118℃〜120℃で6時間共磨砕した。その後、内容物を20000部の温湯中に投入し、濾過、洗浄した後、90℃で乾燥して顔料組成物(2)を得た。得られた顔料組成物(2)中の顔料の平均一次粒子径は45nmであった。
【0038】
実施例1における顔料組成物(1)15部の代わりに、顔料組成物(2)15部を使用した以外は実施例1と同様にして、顔料分散体(2)を得た。
実施例1における顔料分散体(1)100部の代わりに顔料分散体(2)100部を使用した以外は実施例1と同様にして顔料分散レジスト(2)を得た。
【0039】
(比較例1)
市販緑色フタロシアニン系顔料「C.I.ピグメント グリーン 36」50部、市販黄色キノフタロン系有機顔料「C.I.ピグメント イエロー 138」50部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を双腕式ニーダーに入れ、118℃〜120℃で6時間共磨砕した。その後、内容物を20000部の温湯中に投入し、濾過、洗浄した後、90℃で乾燥して顔料組成物(3)を得た。得られた顔料組成物(3)中の顔料の平均一次粒子径は45nmであった。
【0040】
実施例1における顔料組成物(1)15部の代わりに、顔料組成物(3)15部を使用した以外は実施例1と同様にして、顔料分散体(3)を得た。
実施例1における顔料分散体(1)100部の代わりに顔料分散体(3)100部を使用した以外は実施例1と同様にして顔料分散レジスト(3)を得た。
【0041】
上記実施例1〜2及び比較例1の顔料分散レジストについて、以下の項目の測定、あるいは試験を行い、得られた結果を表1に示した。
【0042】
(粘度測定)
各顔料分散レジストの25℃における粘度を、トキメック(株)製「VISCOMETER MODEL E−8BHR」を用いて、顔料分散レジスト調製2時間後と、10日後に測定した。
【0043】
(色分かれ性試験)
各顔料分散レジストを透明なガラス瓶中、5℃で1ケ月間保存した後、顔料分散レジストの色分かれ性を目視で評価した。耐色分かれ性評価基準は次の通りである。
○:色分かれが認められない。
△:わずかに色分かれが認められる。
×:色分かれが激しく、相分離が認められる。
【0044】
(顔料分散レジスト硬化塗膜の着色力試験)
各顔料分散レジストをガラス板上に滴下し、スピンコーターを用いて、ポストベーク後の顔料分散レジスト硬化塗膜のCIE表色系(x、y、Y)におけるx値が0.268、y値が0.600となるように回転塗布した後、80℃で3分間予備乾燥、およびプリベークして、顔料分散レジスト塗膜を形成した。形成した顔料分散レジスト塗膜に、カラーフィルター用フォトマスクを通して、高圧水銀灯を用いて0.1J/cm2の光を照射した後、純水で30倍に希釈し、30℃に保持したアイテス社製アルカリ現像液「ID19A1」(水酸化カリウム系)中に浸漬して未露光部の顔料分散レジスト塗膜を溶出させ、現像した。洗液が中性になるまで純水で洗浄し、風乾した。その後さらに、250℃で30分間ポストベークして顔料分散レジストの光硬化塗膜中に残存する未反応のDPHAを硬化させ、透明性試験用試料を作成した。なお、顔料分散レジスト硬化塗膜のCIE表色系(x、y、Y)は、オリンパス社製顕微分光測光装置「OSP−SP−200」を使用して測定した。
【0045】
各着色力試験用試料について、ポストベーク後の顔料分散レジスト硬化塗膜の膜厚を、日本真空技術社製表面形状測定装置「DEKTAK3」を使用して測定した。CIE表色系(x、y、Y)におけるx値が0.268、y値が0.600となる膜厚が薄いほど、着色力が高いと評価した。評価基準は、次の通りである。
◎:着色力が非常に高い。
○:着色力が高い。
×:着色力が低い。
【0046】
(顔料分散レジスト硬化塗膜の透明性試験)
上記着色力試験用の、顔料分散レジスト硬化塗膜について、顕微分光測光装置「OSP−SP−200」を用いて、CIE表色系(x、y、Y)におけるY値を測定した。Y値が大きいほど、透明性が高いと評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
表1から明らかなように、実施例1および実施例2に示した、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕して製造した顔料組成物を含有する顔料分散レジストは、比較例1に示した二種類以上の顔料を混合した顔料組成物のみを湿式共磨砕して製造した顔料組成物を含有する顔料分散レジストに比べて、耐色分かれ性に優れ、粘度の経時変化も小さい。また、カラーフィルターの着色層となる該顔料分散レジストの硬化塗膜は透明性に優れ、かつ着色力が高い。
【0049】
【発明の効果】
本発明においては、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕して顔料組成物を製造する。この際、共磨砕によって活性な顔料粒子表面が形成された直後に、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂が吸着して該顔料粒子表面を被覆するため、顔料粒子同士が凝集しにくくなり、溶剤あるいは結着樹脂溶液への分散性が向上する。同時に分散した顔料粒子の結晶成長が抑制されるので、長期間にわたって良好な分散状態が保たれる。
【0050】
また、種類の異なる顔料を混合することによって調色した顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の共存下で湿式共磨砕して得られ、顔料の平均一次粒子径が10〜100nmの範囲にあるカラーフィルター用顔料組成物は、溶剤への分散性に優れている。該カラーフィルター用顔料分散組成物を用いたカラーフィルター用顔料分散レジストは、顔料の平均一次粒子径が10〜100μmであっても、色分かれや経時的な増粘をほとんど起こさず、その硬化塗膜は透明性に優れ、着色力も高い。
【0051】
さらに、顔料混合物を、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料と、キノフタロン系顔料、アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料、およびベンツイミダゾロン系顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種の顔料との顔料混合物としたカラーフィルター用顔料組成物を使用した緑色画素は、黄味の強い明るい緑色を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、二種類以上の顔料を混合して調色した顔料組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、溶剤あるいは樹脂溶液への分散性に優れ、かつ長期間にわたり安定した分散状態を保持できる顔料組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
顔料は、通常有機溶剤や水などの溶剤に対して不溶であり、印刷インキや塗料、あるいはプラスチックなどの着色剤として用いる場合には、溶剤に分散させて使用することが多いため、顔料には溶剤への長期間にわたる分散安定性が要求される。
一般に、顔料を用いて着色物に所望の色相を付与するには、色相の異なる顔料を混合して調色する。調色に使用する複数種類の顔料は、多くの場合、それぞれの化学的な性質が異なるため安定な分散状態が得られにくい。
また、着色物に高い透明性が要求される場合には、顔料の粒子径を小さくすることで着色物の透明性を向上させるが、顔料の粒子径を小さくしすぎると、顔料粒子表面が活性となり、顔料粒子同士の二次凝集や、分散した顔料粒子の結晶成長が生じやすくなるため、安定な分散状態が得られにくい。
このため、一般には、顔料分散時に顔料分散剤を使用したり、顔料粒子表面を覆うために顔料粒子表面処理剤を使用したりするなど、顔料の安定な分散状態を長期にわたって保持するための種々の工夫がなされている。
【0003】
顔料の安定な分散状態を長期にわたって保持する必要があり、かつ着色物に高い透明性が要求される用途の一つにカラーフィルターがある。カラーフィルターを用いるディスプレイとして広く使用されているカラー液晶表示装置は、ガラス等の透明基板上に赤色、緑色、青色の三色の画素パターンが形成されたカラーフィルターを透過したバックライトの光によって、カラー表示するものである。したがって、カラーフィルターを透過したバックライトの光の透過率を高くし、色再現性を高めるために、カラーフィルターの各画素には高い透明度、色純度、および色濃度が求められる、特に緑色画素には黄味の強い明るい緑色が要求されるが、単一の緑色顔料でこの色相を得ることは難しく、通常は青色顔料や緑色顔料に黄色顔料を混合して使用している。前述のように、カラーフィルターには高い透明性が要求されるので、通常、平均粒子径が10〜100nmとなるように微粒子化した顔料が使用される。
【0004】
バックライトの光源には、JIS Z8719で規定する2波長域発光形の蛍光ランプが使用されており、緑色波長領域においては、545nmに最大強度の輝線を有する。したがって、カラーフィルターの緑色画素を形成するにあたっては、一般に、分光透過スペクトルの透過率が最大となる波長(Tmax)が、この輝線にできるだけ近くなるように調色される。
カラーフィルターの緑色以外の画素においても、色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調色することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法で二種類以上の顔料を混合して溶剤あるいは樹脂溶液中に分散させた場合、顔料の分散状態が不安定になることが多く、経時的に「色分かれ」を起こしやすい。また、着色物の透明度を上げる目的で、顔料の粒子径を小さくした場合は、顔料粒子同士の凝集による二次粒子の形成や、顔料粒子の異常な結晶成長が生じやすく、いずれの場合も着色物の透明度が低下する、あるいは着色物が液体である場合は増粘するという問題点があった。特に、カラーフィルターにおいては、これらの問題点が色再現性に重大な影響を及ぼしていた。
【0006】
本発明の課題は、色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調色した顔料組成物を使用した場合であっても、着色物が安定した顔料分散状態を長期にわたって保持し、経時的な色分かれや増粘を起こしにくい顔料組成物、およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、調色するために混合した二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共摩砕することにより、磨砕によって新たに形成された活性の高い顔料粒子表面が、形成直後ただちにカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂によって被覆される結果、溶剤あるいは樹脂溶液への分散性が向上する。顔料を微粒子化した場合であっても、これを使用した顔料分散体は、色分かれ、顔料粒子の二次凝集や異常な結晶成長に伴う増粘を起こしにくく、長期間にわたって安定した分散状態が保たれる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、顔料混合物の湿式共磨砕は、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂、有機溶剤、および水溶性無機塩と共に混練することによって行う。ここで、「顔料混合物の湿式共磨砕」とは、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を液状媒体中で共磨砕することをいう。
【0009】
本発明は、使用する顔料がいかなるものであっても有効であり、使用する顔料には特に限定はない。
【0010】
顔料混合物の湿式共磨砕時にカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂を共存させることにより、共磨砕によって活性な顔料表面が形成された直後に、該アミノ樹脂が吸着して顔料表面を被覆するため、顔料同士が凝集しにくくなり、溶剤あるいは結着樹脂溶液への顔料の分散性が向上する。同時に分散した顔料粒子の結晶成長が抑制されるので、長期間にわたって良好な分散状態が保たれる。
【0011】
カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂は、アミノ化合物とアルデヒドとの重合によって得られる。本発明においては、アミノ化合物とアルデヒドの少なくともどちらか一方が、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有していればよい。
【0012】
カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂を得る方法は特に制限なく、公知の重合方法を用いることができ、例えば、アルデヒドのアルコール溶液にアミノ化合物を加え、50〜140℃で20分間〜7時間反応させ、重合反応とエーテル化反応を同時に行う方法などが挙げられる。
【0013】
アミノ化合物としては、例えば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどのカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基をもたないアミノ化合物、2−、3−、あるいは4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸などのカルボキシ基を有するアミノ化合物、2−、3−、あるいは4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−フェノールなどのフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ化合物が挙げられる。
【0014】
また、アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキサールなどのカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基をもたないアルデヒド、グリオキシル酸、ホルミル酢酸、フタルアルデヒド酸などのカルボキシ基を有するアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドなどのフェノール性ヒドロキシ基を有するアルデヒドが挙げられる。
【0015】
これらアミノ化合物とアルデヒドは、各々単独で、あるいは混合して使用することができる。この場合、用いるアミノ化合物とアルデヒドの少なくとも一種がカルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有していればよい。
【0016】
また、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂に、重合過程で生じるヒドロキシ基が残存すると、湿式共磨砕時に重合反応が進行して、該アミノ樹脂の顔料表面への吸着力が低下する場合がある。これを防ぐためには、アミノ樹脂中のメチロール基をエーテル化用アルコールによりエーテル化することが好ましい。エーテル化用アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコール、環状アルコール、エーテルアルコール類、ケトンアルコール類など特に制限なく用いることができ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
【0017】
本発明における湿式共磨砕に用いる液状媒体には有機溶剤を用いるのが好ましい。該有機溶剤としては顔料を溶解しない公知慣用の水溶性溶剤を使用することが好ましく、混練時に蒸発しにくい高沸点溶剤を使用することがさらに好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、液体ポリエチレングリコール、アルコキシアルカノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0018】
また、湿式共磨砕時に使用する水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウムなどが例として挙げられる。
【0019】
本発明の製造方法において、二種類以上の顔料からなる顔料混合物100質量部に対する各原料の好ましい配合量は以下のとおりである。
カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂は、0.5〜200質量部とするのが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量部、最も好ましいのは2〜15質量部である。有機溶剤は1〜500質量部、水溶性無機塩は300〜2000質量部とするのが好ましい。
【0020】
顔料混合物、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂、有機溶剤、水溶性無機塩の混練にはニーダーを使用するとよい。上記原料を30〜150℃で3〜20時間混練することで、顔料組成物の微粒子を含む混練物が得られる。加熱下で混練する場合は、窒素ガスや希ガスなどの不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。
得られた混練物を水中に投入し、顔料組成物の微粒子を濾別、水洗し、乾燥することにより顔料組成物が得られる。
【0021】
上記製造方法により得られる顔料組成物は、溶剤、結着樹脂溶液、あるいは樹脂に対して高い分散性を示すので、印刷インキ、塗料、あるいは樹脂の着色剤として好適に用いられ、特にカラーフィルター用途において顕著な効果を発現する。
【0022】
以下、カラーフィルター用顔料組成物およびその製造方法を例として本発明をさらに具体的に説明する。特に断らない限り「カラーフィルター用顔料組成物」のことを単に「顔料組成物」と、また、「カラーフィルター用顔料分散レジスト」のことを単に「顔料分散レジスト」と、それぞれ略記する。また、顔料分散レジストの硬化塗膜の膜厚を一定にした場合のCIE表色系(x、y、Y)におけるy値が大きいものを「色純度が高い」といい、x、およびy値が一定の値となるように顔料分散レジスト硬化塗膜の膜厚を決めた場合、膜厚が薄いものを「色濃度が高い」あるいは「着色力が高い」といい、Y値が大きいものを「透明性が高い」という。
【0023】
カラーフィルターは、ガラス等の透明基板上に、調色された顔料組成物を含有する顔料分散レジストの硬化塗膜からなる、赤色、緑色、青色の三色の画素パターンを設けたものである。顔料分散レジストには、長期保存安定性が要求され、カラーフィルターの各画素には、高い透明性と着色力が要求される。ここでは緑色画素を例として本発明を説明する。
【0024】
カラーフィルターの緑色画素は、一般に、緑色顔料に黄色顔料を混合して調色する。緑色顔料の代表例としては、ハロゲン化金属フタロシアニンが挙げられる。
金属フタロシアニンは、中心金属原子のまわりに4個の芳香環を有する。そして、この芳香環はそれぞれ4個の水素原子を有していて、これら合計16個の水素原子は臭素、塩素等のハロゲン原子によって置換することができる。ハロゲン原子で置換されたハロゲン化金属フタロシアニンは緑色を呈し、置換するハロゲン原子の種類と置換ハロゲン原子数を変えることによって、青味の緑色から黄味の緑色まで色相を変化させることができる。
【0025】
しかし、一般には、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料を使用した場合であっても、これ単独ではカラーフィルターに好適な緑色が得られず、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料に黄色顔料を混合し、調色することによって、カラーフィルターに好適な黄味の明るい緑色が得られる。
【0026】
カラーフィルターの緑色画素に使用するハロゲン化金属フタロシアニンとしては、たとえば、Al、Si、Ti、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn、またはPbなどの中心金属を有する塩素化金属フタロシアニン、塩素化臭素化金属フタロシアニン、臭素化金属フタロシアニン、沃素化金属フタロシアニン等が挙げられる。市販品としては、「C.I.ピグメントグリーン 7」、「C.I.ピグメントグリーン 36」などがある。
【0027】
調色のために上記ハロゲン化金属フタロシアニン顔料に混合する黄色顔料としては、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、およびアゾ系顔料があり、これらはいずれも市販されている。具体的には、たとえば、「C.I.ピグメントイエロー 83」、「C.I.ピグメントイエロー 128」、「C.I.ピグメントイエロー 138」、「C.I.ピグメントイエロー 150」、「C.I.ピグメントイエロー 180」、「C.I.ピグメントイエロー 185」などが挙げられる。これらの顔料は、単独で使用することも、二種以上を混合して使用することもできる。
【0028】
上記各種顔料の中でも、カラーフィルター用途には、色純度と透明性に優れている「C.I.ピグメントイエロー 138」、「C.I.ピグメントイエロー
139」、「C.I.ピグメントイエロー 150」が好適である。
【0029】
上記顔料の混合物を、本発明の顔料組成物の製造方法によって湿式共磨砕することで、緑色のカラーフィルタ用顔料組成物が得られる。
一般に、顔料分散体中の顔料の粒子径が小さいほど顔料分散体の透明性は高くなる。カラーフィルターには高い透明性が要求されるため、混練温度、混練時間等の条件を適宜選択して、該顔料組成物中の顔料の平均一次粒子径を、10〜100nmの範囲とするのが好ましく、30〜60nmの範囲とするのが特に好ましい。平均一次粒子径が100nmを超える場合は、これを使用したカラーフィルター画素部の透明性が低下し、10nmよりも小さい場合は、顔料分散組成物の粘度が経時的に増粘したり、チキソトロピーが強く現れたりするほか、顔料が凝集しやすくなるため、粒子径の大きい二次粒子を形成して、カラーフィルター画素部の透明性を低下させる原因となる。なお、顔料の一次粒子の最小粒子径は5nm以上、最大粒子径は300nm以下であるのが好ましい。最小粒子径が5nmを下回ると一次粒子が凝集しやすくなり、最大粒子径が300nmを超えると顔料分散体の透明度が低下する。
【0030】
顔料の平均一次粒子径は、顔料を溶媒に超音波分散させた後、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡により測定することができる。具体的には、顔料粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、各々その長い方の長さを測定し、それを平均すればよい。
【0031】
本発明の方法によって得られた顔料組成物を着色剤として使用した顔料分散レジストは、色分かれすることがなく、分散している顔料の平均一次粒子径が10〜100nmの微粒子であっても、長期間にわたって安定した分散状態を保持する。該顔料分散レジストを使用して得られるカラーフィルターの緑色画素部は、高い透明度と着色力を有する。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、「部」および「%」は、特に断りがない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
【0033】
(調製例1)
温度計、環流冷却管及び攪拌機を備えた四つ口フラスコに2−(4,6−ジアミノ−1、3、5−トリアジン−2−イル)安息香酸131.7部、37%ホルムアルデヒド水溶液202.8部、n−ブタノール222.3部を仕込み、攪拌しながら、115℃、常圧下で2時間環流させ、さらに5.33×104Paの減圧下で3時間反応させ、水及び過剰のホルムアルドヒド、n−ブタノールを留去した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcと略記する。)を加えて冷却した。冷却後、更にPGMAcを加えて樹脂固形分40%のカルボキシル基を有するアミノ樹脂溶液を得た。
【0034】
(実施例1)
市販緑色フタロシアニン系顔料「C.I.ピグメント グリーン 36」50部、市販黄色キノフタロン系有機顔料「C.I.ピグメント イエロー 138」50部、調製例1で調製したカルボキシ基を有するアミノ樹脂溶液10部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を双腕式ニーダーに入れ、118℃〜120℃で6時間共磨砕した。その後、内容物を20000部の温湯中に投入し、濾過、洗浄した後、90℃で乾燥して顔料組成物(1)を得た。得られた顔料組成物(1)中の顔料の平均一次粒子径は45nmであった。
【0035】
五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−6H」に、顔料組成物(1)15部、ビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK−2001」4.5部、PGMAc80.5部、および直径0.5mmのジルコニアビーズ200部を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、顔料分散体(1)を得た。
【0036】
顔料分散体(1)100部、大日本インキ化学工業(株)製アルカリ可溶性バインダー樹脂のPGMAc溶液「エクセディックLC−295」31.3部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、DPHAと略記する。)12.5部、およびチバスペシャルティーケミカルズ社製光重合開始剤「イルガキュアー#369」0.3部、PGMAc17.1部を混合した後、孔径1.0μmのフィルターを用いて濾過し、顔料分散レジスト(1)を得た。
【0037】
(実施例2)
市販緑色フタロシアニン系顔料「C.I.ピグメント グリーン 7」32部、市販黄色ニッケルアゾ系有機顔料「C.I.ピグメント イエロー 150」68部、調製例1で調製したカルボキシ基を有するアミノ樹脂溶液10部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を双腕式ニーダーに入れ、118℃〜120℃で6時間共磨砕した。その後、内容物を20000部の温湯中に投入し、濾過、洗浄した後、90℃で乾燥して顔料組成物(2)を得た。得られた顔料組成物(2)中の顔料の平均一次粒子径は45nmであった。
【0038】
実施例1における顔料組成物(1)15部の代わりに、顔料組成物(2)15部を使用した以外は実施例1と同様にして、顔料分散体(2)を得た。
実施例1における顔料分散体(1)100部の代わりに顔料分散体(2)100部を使用した以外は実施例1と同様にして顔料分散レジスト(2)を得た。
【0039】
(比較例1)
市販緑色フタロシアニン系顔料「C.I.ピグメント グリーン 36」50部、市販黄色キノフタロン系有機顔料「C.I.ピグメント イエロー 138」50部、ジエチレングリコール200部、食塩700部を双腕式ニーダーに入れ、118℃〜120℃で6時間共磨砕した。その後、内容物を20000部の温湯中に投入し、濾過、洗浄した後、90℃で乾燥して顔料組成物(3)を得た。得られた顔料組成物(3)中の顔料の平均一次粒子径は45nmであった。
【0040】
実施例1における顔料組成物(1)15部の代わりに、顔料組成物(3)15部を使用した以外は実施例1と同様にして、顔料分散体(3)を得た。
実施例1における顔料分散体(1)100部の代わりに顔料分散体(3)100部を使用した以外は実施例1と同様にして顔料分散レジスト(3)を得た。
【0041】
上記実施例1〜2及び比較例1の顔料分散レジストについて、以下の項目の測定、あるいは試験を行い、得られた結果を表1に示した。
【0042】
(粘度測定)
各顔料分散レジストの25℃における粘度を、トキメック(株)製「VISCOMETER MODEL E−8BHR」を用いて、顔料分散レジスト調製2時間後と、10日後に測定した。
【0043】
(色分かれ性試験)
各顔料分散レジストを透明なガラス瓶中、5℃で1ケ月間保存した後、顔料分散レジストの色分かれ性を目視で評価した。耐色分かれ性評価基準は次の通りである。
○:色分かれが認められない。
△:わずかに色分かれが認められる。
×:色分かれが激しく、相分離が認められる。
【0044】
(顔料分散レジスト硬化塗膜の着色力試験)
各顔料分散レジストをガラス板上に滴下し、スピンコーターを用いて、ポストベーク後の顔料分散レジスト硬化塗膜のCIE表色系(x、y、Y)におけるx値が0.268、y値が0.600となるように回転塗布した後、80℃で3分間予備乾燥、およびプリベークして、顔料分散レジスト塗膜を形成した。形成した顔料分散レジスト塗膜に、カラーフィルター用フォトマスクを通して、高圧水銀灯を用いて0.1J/cm2の光を照射した後、純水で30倍に希釈し、30℃に保持したアイテス社製アルカリ現像液「ID19A1」(水酸化カリウム系)中に浸漬して未露光部の顔料分散レジスト塗膜を溶出させ、現像した。洗液が中性になるまで純水で洗浄し、風乾した。その後さらに、250℃で30分間ポストベークして顔料分散レジストの光硬化塗膜中に残存する未反応のDPHAを硬化させ、透明性試験用試料を作成した。なお、顔料分散レジスト硬化塗膜のCIE表色系(x、y、Y)は、オリンパス社製顕微分光測光装置「OSP−SP−200」を使用して測定した。
【0045】
各着色力試験用試料について、ポストベーク後の顔料分散レジスト硬化塗膜の膜厚を、日本真空技術社製表面形状測定装置「DEKTAK3」を使用して測定した。CIE表色系(x、y、Y)におけるx値が0.268、y値が0.600となる膜厚が薄いほど、着色力が高いと評価した。評価基準は、次の通りである。
◎:着色力が非常に高い。
○:着色力が高い。
×:着色力が低い。
【0046】
(顔料分散レジスト硬化塗膜の透明性試験)
上記着色力試験用の、顔料分散レジスト硬化塗膜について、顕微分光測光装置「OSP−SP−200」を用いて、CIE表色系(x、y、Y)におけるY値を測定した。Y値が大きいほど、透明性が高いと評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
表1から明らかなように、実施例1および実施例2に示した、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕して製造した顔料組成物を含有する顔料分散レジストは、比較例1に示した二種類以上の顔料を混合した顔料組成物のみを湿式共磨砕して製造した顔料組成物を含有する顔料分散レジストに比べて、耐色分かれ性に優れ、粘度の経時変化も小さい。また、カラーフィルターの着色層となる該顔料分散レジストの硬化塗膜は透明性に優れ、かつ着色力が高い。
【0049】
【発明の効果】
本発明においては、二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕して顔料組成物を製造する。この際、共磨砕によって活性な顔料粒子表面が形成された直後に、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂が吸着して該顔料粒子表面を被覆するため、顔料粒子同士が凝集しにくくなり、溶剤あるいは結着樹脂溶液への分散性が向上する。同時に分散した顔料粒子の結晶成長が抑制されるので、長期間にわたって良好な分散状態が保たれる。
【0050】
また、種類の異なる顔料を混合することによって調色した顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の共存下で湿式共磨砕して得られ、顔料の平均一次粒子径が10〜100nmの範囲にあるカラーフィルター用顔料組成物は、溶剤への分散性に優れている。該カラーフィルター用顔料分散組成物を用いたカラーフィルター用顔料分散レジストは、顔料の平均一次粒子径が10〜100μmであっても、色分かれや経時的な増粘をほとんど起こさず、その硬化塗膜は透明性に優れ、着色力も高い。
【0051】
さらに、顔料混合物を、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料と、キノフタロン系顔料、アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料、およびベンツイミダゾロン系顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種の顔料との顔料混合物としたカラーフィルター用顔料組成物を使用した緑色画素は、黄味の強い明るい緑色を示す。
Claims (3)
- 二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕することを特徴とする顔料組成物の製造方法。
- 二種類以上の顔料からなる顔料混合物を、カルボキシ基またはフェノール性ヒドロキシ基を有するアミノ樹脂の存在下で湿式共磨砕して得られ、顔料の平均一次粒子径が10〜100nmの範囲にあることを特徴とするカラーフィルター用顔料組成物。
- 前記顔料混合物が、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料と、キノフタロン系顔料、アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料、およびベンツイミダゾロン系顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種の顔料との混合物である請求項2に記載のカラーフィルター用顔料組成物。
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