JP2003342490A - 顔料組成物およびその製造方法 - Google Patents

顔料組成物およびその製造方法

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JP2003342490A
JP2003342490A JP2002157049A JP2002157049A JP2003342490A JP 2003342490 A JP2003342490 A JP 2003342490A JP 2002157049 A JP2002157049 A JP 2002157049A JP 2002157049 A JP2002157049 A JP 2002157049A JP 2003342490 A JP2003342490 A JP 2003342490A
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pigments
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monocarboxylic acid
dispersion
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JP2002157049A
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English (en)
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Yoichi Saito
洋一 斉藤
Satoru Fuyama
解 麸山
Shingo Araki
慎悟 荒木
Masaaki Kishimoto
昌明 岸本
Hiroshi Katsube
浩史 勝部
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調
色した顔料組成物を使用した場合であっても、その分散
体が安定した顔料分散状態を長期にわたって保持し、経
時的な色分かれや増粘を起こしにくい顔料組成物、およ
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 調色するために混合した二種類以上の顔
料からなる顔料混合物を、顔料粒子表面処理剤の存在下
で湿式共摩砕することにより、磨砕によって新たに形成
された活性の高い顔料粒子表面が、形成直後ただちに前
記顔料粒子表面処理剤によって被覆される結果、溶剤あ
るいは樹脂溶液への分散性が向上し、これを使用した顔
料分散体は、色分かれ、顔料粒子の二次凝集や異常な結
晶成長に伴う増粘を起こしにくく、長期間にわたって安
定した分散状態が保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二種類以上の顔料
を混合して調色した顔料組成物およびその製造方法に関
し、さらに詳しくは、溶剤あるいは樹脂溶液への分散性
に優れ、かつ長期間にわたって安定した分散状態を保持
できる顔料組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、着色剤として顔料を分散させた印
刷インキ、塗料、あるいはプラスチックなどにおいて
は、長期間にわたる顔料の分散安定性が要求される。通
常、着色物に所望の色相を付与するためには、色相の異
なる二種類以上の顔料を混合して調色を行うが、使用す
る複数種類の顔料は、多くの場合それぞれ化学的な性質
が異なるため、安定な分散状態が得られにくい。また、
顔料の粒子径が小さいほど顔料分散体の透明度が上がる
ので、着色物に高い透明性が要求される場合には、磨砕
によって微粒子化した顔料が使用されるが、この場合に
も、分散状態において顔料粒子同士の二次凝集や異常な
結晶成長を起こしやすく、安定な分散状態が得られにく
い。
【0003】このため、一般には、顔料分散時に各種顔
料分散剤を配合したり、顔料粒子表面を顔料粒子表面処
理剤で覆うなど、安定な顔料分散状態を長期にわたって
保持させるために種々の工夫がなされている。顔料分散
体の長期間にわたる分散安定性と、それを使用して得ら
れる着色物に高い透明性が要求されるものの一つにカラ
ーフィルターがある。カラーディスプレイとして広く使
用されているカラー液晶表示装置は、ガラス等の透明基
板上に赤色、緑色、青色の3色の画素パターンが形成さ
れたカラーフィルターを透過したバックライト光によっ
てカラー表示するものである。したがって、バックライ
ト光の透過率を高くし、色再現性を高めるために、カラ
ーフィルターの各画素には、高い透明度、色純度、およ
び色濃度が求められる。特に緑色画素には、黄味の強い
明るい緑色が要求されるが、単一の緑色顔料でこの色相
を得ることは難しく、通常は青色顔料や緑色顔料に黄色
顔料を混合して調色が行われる。前述のように、カラー
フィルターには高い透明性が要求されるので、通常、平
均一次粒子径が10〜100nmとなるように微粒子化
した顔料が使用される。
【0004】カラー液晶表示装置のバックライトの光源
には、JIS Z8719で規定する3波長域発光形の
蛍光ランプ光源が使用されており、緑色波長領域におい
ては、545nmに最大強度の輝線を有する。したがっ
て、カラーフィルターの緑色画素を形成するに当たって
は、一般に、分光透過スペクトルの透過率が最大となる
波長(Tmax)がこの輝線に出来るだけ近くなるように
調色される。カラーフィルターの緑色以外の画素におい
ても、色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調色す
ることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法で二種類以上の顔料を混合して溶剤あるいは樹脂溶
液中に分散させた場合、顔料の分散状態が不安定になる
ことが多く、経時的に「色分かれ」を起こしやすい。ま
た、着色物の透明度を上げる目的で、顔料の粒子径を小
さくした場合は、顔料粒子同士が凝集して二次粒子を形
成したり、顔料粒子が異常に結晶成長しやすく、いずれ
の場合も着色物の透明度が低下したり、着色物が液体で
ある場合は増粘するという問題点があった。特に、カラ
ー液晶表示装置においては、これらの問題点が色再現性
に重大な影響を及ぼしていた。
【0006】本発明の課題は、色相の異なる二種類以上
の顔料を混合して調色した顔料組成物を使用した場合で
あっても、その分散体が安定した顔料分散状態を長期に
わたって保持し、経時的な色分かれや増粘を起こしにく
い顔料組成物、およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、二種類以上の
顔料からなる顔料混合物を、顔料粒子表面処理剤の存在
下で湿式共摩砕することにより上記課題を解決した。す
なわち、顔料混合物を顔料粒子表面処理剤の存在下で湿
式共摩砕した場合、磨砕によって新たに形成された活性
の高い顔料粒子表面が、形成直後ただちに前記顔料粒子
表面処理剤によって被覆される結果、該顔料の溶剤ある
いは樹脂溶液への分散性が向上する。顔料を微粒子化し
た場合であっても、これを使用した顔料分散体は、色分
かれや、顔料粒子の二次凝集や異常な結晶成長に伴う増
粘を起こしにくく、長期間にわたって安定した分散状態
が保たれる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、顔料混合物の湿
式共磨砕は、二種類以上の顔料からなる顔料混合物に、
顔料粒子表面処理剤、有機溶剤、および水溶性無機塩を
加え、混練することによって行う。ここで、「顔料混合
物の湿式共磨砕」とは、二種類以上の顔料からなる顔料
混合物を液状媒体中で磨砕することをいう。本発明は、
使用する顔料がいかなるものであっても有効であり、使
用する顔料には特に限定はない。
【0009】共磨砕時に顔料混合物と共存させる顔料表
面処理剤とは、顔料粒子表面を被覆して、溶剤あるいは
結着樹脂溶液への顔料の分散性を高めると同時に、分散
後においても顔料粒子が異常に結晶成長するのを抑制
し、長期にわたって安定した分散状態を保つ作用を有す
るものをいう。
【0010】顔料混合物の湿式共磨砕に顔料粒子表面処
理剤を共存させることにより、共磨砕によって活性な顔
料粒子表面が形成された直後に、顔料粒子表面処理剤が
吸着して該顔料粒子表面を被覆するため、顔料粒子同士
が凝集しにくくなり、溶剤あるいは結着樹脂溶液への分
散性が向上する。同時に分散した顔料粒子の結晶成長が
抑制されるので、長期にわたって良好な分散状態が保た
れる。
【0011】顔料粒子表面処理剤としては、モノカルボ
ン酸長鎖アルキルエステル、アクリル系樹脂、アミノ樹
脂、スルホン酸基を有する顔料誘導体などが知られてい
るが、中でも、市販されており、種類が豊富で入手しや
すく、かつ安価なモノカルボン酸長鎖アルキルエステル
あるいはモノカルボン酸長鎖アルケニルエステルを使用
するのが好ましい。
【0012】モノカルボン酸長鎖アルキルエステル、ま
たはモノカルボン酸長鎖アルケニルエステルは、脂肪族
モノカルボン酸と、それぞれ長鎖アルキル基、または長
鎖アルケニル基を有するモノアルコールとのエステルで
ある。脂肪族モノカルボン酸の炭素原子数は1〜23の
ものが好ましい。長鎖アルキル基あるいは長鎖アルケニ
ル基の炭素数は、前記脂肪族モノカルボン酸の炭素原子
数に等しいかそれよりも大きいものが好ましく、炭素原
子数が8〜23のものが特に好ましい。
【0013】モノカルボン酸長鎖アルキルエステル、あ
るいはモノカルボン酸長鎖アルケニルエステルの具体例
としては、たとえば、蟻酸ペンタデシル、蟻酸ステアリ
ル、蟻酸オレイル、酢酸オクチル、酢酸ペンタデシル、
酢酸ラウリル、酢酸ステアリル、酢酸オレイル、プロピ
オン酸ステアリル、プロピオン酸オレイル、酪酸ステア
リル、酪酸オレイル等が挙げられる。これらの中でも、
顔料粒子表面処理剤として顕著な効果を発現するのは、
酢酸長鎖アルキルエステルまたは酢酸長鎖アルケニルエ
ステルである。
【0014】有機溶剤には、顔料を溶解しない公知慣用
の水溶性溶剤を使用するのが好ましい。なかでも、混練
時に蒸発しにくい高沸点溶剤を使用するのが好ましい。
このような有機溶剤としては、たとえば、ジエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール
モノアルキルエーテル、液体ポリエチレングリコール、
アルコキシアルカノール、ジプロピレングリコール、ジ
プロピレングリコールモノアルキルエーテル、低分子量
ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0015】水溶性無機塩としては、たとえば塩化ナト
リウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を使用するこ
とができる。
【0016】前記顔料混合物の湿式共磨砕において、該
顔料混合物100質量部に対する各原材料の好ましい配
合量は以下の通りである。顔料粒子表面処理剤は0.5
〜200質量部とするのが好ましく、より好ましくは
0.5〜30質量部、最も好ましいのは2〜15質量部
である。有機溶剤は1〜500質量部、水溶性無機塩は
300〜2000質量部とするのが好ましい。
【0017】顔料混合物、顔料粒子表面処理剤、溶剤、
および水溶性無機塩の混練には、ニーダーを使用すると
よい。上記原材料をニーダーにとり、たとえば、30〜
150℃で3〜20時間混練することによって、前記顔
料混合物を湿式共磨砕する。混練を加熱下で行う場合
は、窒素ガスや希ガスなどの不活性ガスの存在下で行う
のが好ましい。
【0018】上記湿式共磨砕によって得られた混練物
は、水中に投入した後、顔料組成物の微粒子を濾別、水
洗し、乾燥することによって本発明の顔料組成物が得ら
れる。上記方法によって得られる顔料組成物は、溶剤、
結着樹脂溶液、あるいは樹脂に対して高い分散性を有し
ているので、印刷インキ、塗料、あるいは樹脂の着色剤
として好適である。
【0019】本発明は、特に、カラーフィルター用顔料
組成物およびその製造において顕著な効果を発現する。
以下、カラーフィルター用顔料組成物およびその製造方
法を例として本発明をさらに具体的に説明する。特に断
らない限り「カラーフィルター用顔料組成物」のことを
単に「顔料組成物」と、また、「カラーフィルター用顔
料分散レジスト」のことを単に「顔料分散レジスト」
と、それぞれ略記する。また、顔料分散レジストの硬化
塗膜層の膜厚を一定にした場合のCIE表色系(x、
y、Y)におけるy値が大きいものを「色純度が高い」
といい、x、y値が一定の値となるように顔料分散レジ
スト硬化塗膜の膜厚を決めた場合、膜厚が薄いものを
「色濃度が高い」あるいは「着色力が高い」といい、Y
値が大きいものを「透明性が高い」という。
【0020】前述したように、カラーフィルターは、ガ
ラス等の透明基板上に、調色された顔料組成物を含有す
る顔料分散レジストの硬化塗膜からなる、赤色、緑色、
青色の3色の画素パターンを設けたものである。顔料分
散レジストには、長期保存安定性が要求され、カラーフ
ィルターの各画素には、高い透明性と着色力が要求され
る。ここでは緑色画素を例として本発明を説明する。
【0021】カラーフィルターの緑色画素は、一般に、
緑色顔料に黄色顔料を混合して調色する。緑色顔料の代
表例としては、ハロゲン化金属フタロシアニンが挙げら
れる。金属フタロシアニンは、中心金属原子のまわりに
4個の芳香環を有する。そして、この芳香環はそれぞれ
4個の水素原子を有していて、これら合計16個の水素
原子は臭素、塩素等のハロゲン原子によって置換するこ
とができる。ハロゲン原子で置換されたハロゲン化金属
フタロシアニンは緑色を呈し、置換するハロゲン原子の
種類と置換ハロゲン原子数を変えることによって、青味
の緑色から黄味の緑色まで色相を変化させることができ
る。
【0022】しかし、一般には、ハロゲン化金属フタロ
シアニン顔料を使用した場合であっても、これ単独では
カラーフィルターに好適な緑色が得られず、ハロゲン化
金属フタロシアニン顔料に黄色顔料を混合し、調色する
ことによって、カラーフィルターに好適な黄味の明るい
緑色が得られる。
【0023】カラーフィルターの緑色画素に使用するハ
ロゲン化金属フタロシアニンとしては、たとえば、A
l、Si、Ti、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn、またはPb
などの中心金属を有する塩素化金属フタロシアニン、塩
素化臭素化金属フタロシアニン、臭素化金属フタロシア
ニン、沃素化金属フタロシアニン等が挙げられる。市販
品としては、「C.I.ピグメントグリーン 7」、
「C.I.ピグメントグリーン 36」などがある。
【0024】調色のために上記ハロゲン化金属フタロシ
アニン顔料に混合する黄色顔料としては、キノフタロン
系顔料、イソインドリン系顔料、ベンツイミダゾロン系
顔料、およびアゾ系顔料があり、これらはいずれも市販
されている。具体的には、たとえば、「C.I.ピグメ
ントイエロー 83」、「C.I.ピグメントイエロー
128」、「C.I.ピグメントイエロー 13
8」、「C.I.ピグメントイエロー 150」、
「C.I.ピグメントイエロー 180」、「C.I.
ピグメントイエロー 185」などが挙げられる。これ
らの顔料は、単独で使用用することも、二種以上を混合
して使用することもできる。
【0025】上記各種顔料の中でも、カラーフィルター
用途には、色純度と透明性に優れている「C.I.ピグ
メントイエロー 138」、「C.I.ピグメントイエ
ロー139」、「C.I.ピグメントイエロー 15
0」が好適である。
【0026】上記顔料の混合物を、本発明の顔料組成物
の製造方法によって湿式共磨砕する。一般に、顔料分散
体中の顔料の粒子径が小さいほど顔料分散体の透明性は
高くなる。カラーフィルターには高い透明性が要求され
るため、混練温度、混練時間等の条件を適宜選択して、
該顔料組成物中の顔料の平均一次粒子径を、10〜10
0nmの範囲とするのが好ましく、30〜60nmの範
囲が特に好ましい。平均一次粒子径が100nmを超え
る場合は、これを使用したカラーフィルター画素部の透
明性が低下し、10nmよりも小さい場合は、顔料分散
組成物の粘度が経時的に増粘したり、チキソトロピーが
強く現れたりするほか、顔料が凝集しやすくなるため、
粒子径の大きい二次粒子を形成して、カラーフィルター
画素部の透明性を低下させる原因となる。なお、顔料の
一次粒子の最小粒子径は5nm以上、最大粒子径は30
0nm以下であるのが好ましい。最小粒子径が5nmを
下回ると一次粒子が凝集しやすくなり、最大粒子径が3
00nmを超えると顔料分散体の透明度が低下する。
【0027】本発明において、顔料の平均一次粒子径
は、顔料を溶媒に超音波分散させた後、透過型電子顕微
鏡または走査型電子顕微鏡により測定した。具体的に
は、顔料粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、二次元画像上
の、凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、お
のおのその長い方の長さを測定し、それを平均した値で
ある。
【0028】着色剤として、本発明の方法によって得ら
れた顔料組成物を使用した顔料分散レジストは色分かれ
することがなく、分散している顔料の平均一次粒子径が
10〜100nmの微粒子であっても、長期間にわたっ
て安定した分散状態を保持する。該顔料分散レジストを
使用して得られるカラーフィルターの緑色画素部は、高
い透明度と着色力を有する。
【0029】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体
的に説明する。なお、「部」および「%」は、特に断り
がない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表
す。
【0030】(実施例1)市販緑色フタロシアニン系顔
料「C.I.ピグメント グリーン 36」50部、市
販黄色キノフタロン系顔料「C.I.ピグメント イエ
ロー 138」50部、酢酸オレイル5部、ジエチレン
グリコール200部、食塩700部を双腕式ニーダーに
入れ、118℃〜120℃で6時間磨砕した。その後、
内容物を、撹拌しながら20倍量の温湯中に投入し、濾
過、洗浄した後、90℃で乾燥し顔料物組成物(1)を
得た。得られた顔料組成物(1)中の顔料の平均一次粒
子径は45nmであった。
【0031】五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−
6H」に、顔料組成物(1)15部、ビックケミー社製
アクリル系分散剤「BYK−2001」4.5部、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以
下、PGMAcと略記する。)80.5部、および直径
0.5mmのジルコニアビーズ200部を仕込み、毎分
2000回転で8時間攪拌して、顔料分散体(1)を得
た。
【0032】顔料分散体(1)100部、大日本インキ
化学工業(株)製アルカリ可溶性バインダー樹脂のPGM
Ac溶液「エクセディックLC−295」(不揮発分:
40%、溶液の酸価:33mgKOH/g)31.3
部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以
下、DPHAと略記する。)12.5部、およびチバス
ペシャルティーケミカルズ社製光重合開始剤「イルガキ
ュアー#369」0.3部、PGMAc17.1部を混
合した後、孔径1.0μmのフィルターを用いて濾過
し、顔料分散レジスト(1)を得た。
【0033】(実施例2)市販緑色フタロシアニン系顔
料「C.I.ピグメント グリーン 7」32部と市販
黄色ニッケルアゾ系有機顔料「C.I.ピグメント イ
エロー 150」68部、酢酸オレイル5部、ジエチレ
ングリコール200部、および食塩700部をの双腕式
ニーダーに入れ、118℃〜120℃で6時間磨砕し
た。その後、内容物を、撹拌しながら20倍量の温湯中
に投入し、濾過、洗浄した後、90℃で乾燥し、顔料物
組成物(2)を得た。得られた顔料組成物(2)中の顔
料の平均一次粒子径は45nmであった。
【0034】実施例1における顔料組成物(1)15部
の代わりに、顔料組成物(2)15部使用した以外は実
施例1と同様にして、顔料分散体(2)を得た。実施例
1における顔料分散体(1)100部の代わりに、顔料
分散体(2)100部を使用した以外は実施例1と同様
にして顔料分散レジスト(2)を得た。
【0035】(比較例1)市販緑色フタロシアニン系顔
料(C.I.ピグメント グリーン 36)50部と市
販黄色キノフタロン系有機顔料(C.I.ピグメント
イエロー 138)50部、ジエチレングリコール20
0部、および食塩700部を双腕式ニーダーに入れ、1
18℃〜120℃で6時間磨砕した。その後、内容物
を、撹拌しながら20倍量の温湯中に投入し、濾過、洗
浄した後、90℃で乾燥し顔料物組成物(3)を得た。
得られた顔料組成物(3)中の顔料の平均一次粒子径は
50nmであった。
【0036】実施例1における顔料組成物(1)15部
の代わりに顔料組成物(3)15部使用した以外は実施
例1と同様にして、顔料分散体(3)を得た。実施例1
における顔料分散体(1)100部の代わりに、顔料分
散体(3)100部を使用した以外は実施例1と同様に
して顔料分散レジスト(3)を得た。上記実施例1〜2
および比較例1のカラーフィルター用顔料分散レジスト
について以下の項目について、測定あるいは試験を行っ
た。
【0037】(粘度測定)各顔料分散レジストの25℃
における粘度を、トキメック(株)社製「VISCOME
TER MODEL E−B8HR」を使用し、顔料分
散レジスト調製2時間後と10日後に測定した。
【0038】(色分かれ性試験)各顔料分散レジストを
透明なガラス瓶中、5℃で1ケ月間保存した後、顔料分
散レジストの状態を目視で評価した。耐色分かれ性評価
基準は次の通り。 ○:色分れが認められない。 △:わずかに色別れが認められる。 ×:色別れが激しく、相分離が認められる。
【0039】(顔料分散レジスト硬化塗膜層の着色力試
験)各顔料分散レジストをガラス板上に滴下し、スピン
コーターを用いて、ポストベーク後の顔料分散レジスト
硬化塗膜層のCIE表色系(x、y、Y)におけるxお
よびy値が、x=0.268、y=0.600となるよ
うに回転塗布した後、80℃で3分間予備乾燥およびプ
リベークして顔料分散レジスト塗膜層を形成した。この
顔料分散レジスト塗膜層に、カラーフィルター用フォト
マスクを通して、高圧水銀灯を用いて0.1J/cm
の光を照射した後、純水で30倍に希釈し、30℃に保
持したアイテス社製アルカリ現像液「ID19A1」
(水酸化カリウム系)中に浸漬して未露光部の顔料分散
レジスト塗膜を溶出させ、現像した。洗液が中性になる
まで純水で洗浄し、風乾した。その後さらに、250℃
で30分間ポストベークして顔料分散レジストの光硬化
塗膜層中に残存する未反応のDPHAを硬化させ、透明
性試験用試料とした。なお、顔料分散レジスト硬化塗膜
層のCIE表色系(x、y、Y)におけるx値およびy
値は、オリンパス社製顕微分光測光装置「OSP−SP
−200」を使用して測定した。
【0040】各着色力試験用試料について、ポストベー
ク後の顔料分散レジスト硬化塗膜層の膜厚を、日本真空
技術社製表面形状測定装置「DEKTAK3」を使用し
て測定した。x=0.268、y=0.600となる膜
厚が薄いほど、着色力が高いと評価した。評価基準は次
の通りである。 ◎:非常に良好。 ○:良好。 ×:不良。
【0041】(顔料分散レジスト硬化塗膜層の透明性試
験)上記着色力試験用の、顔料分散レジスト硬化塗膜層
について、顕微分光測光装置「OSP−SP−200」
を用いて、CIE表色系(x、y、Y)におけるY値を
測定した。Y値が大きいほど、透明性が高いと評価し
た。これらの測定結果および試験の評価結果を、まとめ
て表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、実施例1および
実施例2の欄に示した、二種類以上の顔料からなる顔料
混合物を、顔料粒子表面処理剤の存在下で湿式共磨砕す
ることによって製造した顔料組成物を含有する顔料分散
レジストは、単に二種類以上の顔料からなる顔料混合物
のみを湿式共磨砕した比較例の顔料分散レジストに比べ
て、色分かれを起こすことなく、粘度の経時変化もほと
んどないことがわかる。また、カラーフィルターの着色
層となる該顔料分散レジストの硬化塗膜は、透明性に優
れ、かつ着色力が高いことがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明においては、二種類以上の顔料か
らなる顔料混合物を、顔料粒子表面処理剤の存在下で湿
式磨砕して顔料組成物を製造する。この際、共磨砕によ
って活性な顔料粒子表面が形成された直後に、顔料粒子
表面処理剤が吸着して該顔料粒子表面を被覆するため、
顔料粒子同士が凝集しにくくなり、溶剤あるいは結着樹
脂溶液への分散性が向上する。同時に分散した顔料粒子
の結晶成長が抑制されるので、長期にわたって良好な分
散状態が保たれる。
【0045】また、種類の異なる顔料を混合することに
よって調色したカラーフィルター用顔料混合物を、たと
えば、モノカルボン酸長鎖アルキルエステルまたはモノ
カルボン酸長鎖アルケニルエステルなどの顔料粒子表面
処理剤の共存下で湿式共磨砕して得られるカラーフィル
ター用顔料組成物は、溶剤への分散性に優れている。該
カラーフィルター用顔料分散組成物を使用したカラーフ
ィルター用顔料分散レジストは、顔料の平均一次粒子径
が10〜100μmであっても、色分かれや経時的な増
粘をほとんど起こさず、その硬化塗膜は透明性に優れ、
着色力も高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 昌明 大阪府茨木市鮎川3−7−19 (72)発明者 勝部 浩史 東京都北区中里3−14−17 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB13 CC12 2H048 BA45 BA47 BB02 BB42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二種類以上の顔料からなる顔料混合物
    を、顔料粒子表面処理剤の存在下で湿式共磨砕すること
    を特徴とする顔料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記顔料粒子表面処理剤がモノカルボン
    酸長鎖アルキルエステルまたはモノカルボン酸長鎖アル
    ケニルエステルである請求項1に記載の顔料組成物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記モノカルボン酸長鎖アルキルエステ
    ルまたはモノカルボン酸長鎖アルケニルエステルが、炭
    素原子数1〜23のモノカルボン酸と、炭素原子数8〜
    23の長鎖アルキル基または炭素原子数8〜23の長鎖
    アルケニル基を有する一価アルコールとのエステルであ
    る請求項3に記載の顔料組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 二種類以上の顔料からなる顔料混合物
    を、顔料粒子表面処理剤の存在下で湿式共磨砕すること
    によって得られ、顔料の平均一次粒子径が10〜100
    nmであることを特徴とするカラーフィルター用顔料組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記顔料混合物が、ハロゲン化金属フタ
    ロシアニン顔料と、キノフタロン系顔料、アゾ系顔料、
    イソインドリン系顔料、およびベンツイミダゾロン系顔
    料からなる群から選ばれる少なくとも一種の顔料との混
    合物である請求項4に記載のカラーフィルター用顔料組
    成物。
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