JP2004026117A - 燃料タンクの配置構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体重量を大幅に増加することなく、側突時に車体床部の車幅方向外側端部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制する。
【解決手段】自動車車体10における車室床部12の車幅方向両端部には、それぞれ水素タンク14が、車両前後方向に沿って配設されている。水素タンク14は、左右のロッカ28における閉断面内に配設されており、水素タンク14に溶着されたリテーナ26の車幅方向外側の取付部26Aは、ボルト30とナット32とによってロッカ28の車幅方向外側壁部28Aの下部に固定されている。また、リテーナ26の車幅方向内側の取付部26Bは、ボルト34とナット36とによってロッカ28の車幅方向内側壁部28Bの下部に固定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】自動車車体10における車室床部12の車幅方向両端部には、それぞれ水素タンク14が、車両前後方向に沿って配設されている。水素タンク14は、左右のロッカ28における閉断面内に配設されており、水素タンク14に溶着されたリテーナ26の車幅方向外側の取付部26Aは、ボルト30とナット32とによってロッカ28の車幅方向外側壁部28Aの下部に固定されている。また、リテーナ26の車幅方向内側の取付部26Bは、ボルト34とナット36とによってロッカ28の車幅方向内側壁部28Bの下部に固定されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料タンクの配置構造に関し、特に、自動車等の車両に装備される燃料タンクの配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両に装備される燃料タンクの配置構造おいては、その一例が特開平4−368227号に開示されている。
【0003】
図9に示される如く、この燃料タンクの配置構造においては、自動車車体100のフロアパネル102の車幅方向中央部に、車両上方に膨出され、車両前後方向に延びるトンネル部104が形成されている。また、トンネル部104の車両下側空間には、車両前後方向に沿って燃料タンク106が配設されており、燃料タンク106によって車体中央部の剛性を上げている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような燃料タンクの配置構造では、フロアパネル102の車幅方向中央部に燃料タンク106が配設されており、側突に対しては、燃料タンク106による衝撃荷重吸収効果は少ない。この結果、側突時に、フロアパネル102の車幅方向両端部に位置するロッカ部108が、車幅方向内側へ屈曲することで、車体100の衝突荷重吸収性能が低下するのを防止するために、ロッカ部108を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がある。このため、車体100の重量が大幅に増加する。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車体重量を大幅に増加することなく、側突時に車体床部の車幅方向外側端部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制することができる燃料タンクの配置構造を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明における燃料タンクの配置構造は、燃料タンク本体を、車体床部の車幅方向外側端部に車体前後方向に沿って配置したことを特徴とする。
【0007】
従って、車体床部の車幅方向外側端部に車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したため、燃料タンク本体により車体床部の車幅方向外側端部を補強できる。この結果、側突時に車体床部の車幅方向外側端部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できる。このため、車体床部の車幅方向外側端部を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することもない。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、前記燃料タンク本体は水素タンクであり、ロッカ部の内部に配置されていることを特徴とする。
【0009】
従って、ロッカ部の内部に車体前後方向に沿って水素タンク本体を配置したため、水素タンク本体によりロッカ部を補強できる。この結果、側突時にロッカ部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できる。このため、ロッカ部を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することもない。
【0010】
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、車体床部の車幅方向中央部にも車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したことを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1に記載の内容に加えて、車体床部の車幅方向中央部にも車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したため、燃料タンク本体により車体床部の車幅方向中央部を補強できる。この結果、燃料タンク本体により側突時に車体床部の車幅方向中央部が潰れるのを抑制できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における燃料タンクの配置構造の第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0013】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を示す。
【0014】
図1に示される如く、本実施形態では、自動車車体10における車室床部12の車幅方向両端部に、それぞれ燃料タンクとしての水素タンク14が、車両前後方向に沿って配設されている。水素タンク14は周知の構造であり、例えば、アルミ合金の外周部に樹脂繊維層を形成した構成となっている。また、水素タンク14の前端部14Aは、車室床部12の前端部12Aに達しており、水素タンク14の後端部14Bは、車室床部12の後端部12Bに達している。
【0015】
従って、水素タンク14の前端部14Aは、フロントシート16より車両前方側へ延設されており、水素タンク14の後端部14Bは、リヤシート18のシートクッション18Aの後端部に達している。
【0016】
また、水素タンク14における前端部14Aの近傍の外周部には、アウターリング20が配設されており、後端部14Bの近傍の外周部にも、アウターリング20が配設されている。
【0017】
図2に示される如く、水素タンク14とアウターリング20との間には、ゴム等の弾性体で構成されたマウント材22が挟持されており、このマウント材22により、車体側の曲げ変形及びねじり変形が水素タンク14に伝わるのを防止することで、水素タンク14のダンピング効果を向上させている。また、マウント材22により、前突時及び後突時にアウターリング20と水素タンク14との間の相対移動が可能となり、この相対移動により衝突エネルギの一部を吸収することができると共に、前突時及び後突時に発生する水素タンク14のダメージを少なくできるようになっている。
【0018】
アウターリング20の下部20Aには、車幅方向に沿って配設されたボデー取付用のリテーナ26が溶着されており、リテーナ26の両端部には上方に向って取付部26A、26Bが形成されている。
【0019】
水素タンク14及びリテーナ26は、左右のロッカ28における閉断面内に配設されており、リテーナ26の車幅方向外側の取付部26Aは、ボルト30とナット32とによってロッカ28の車幅方向外側壁部28Aの下部に固定されている。また、リテーナ26の車幅方向内側の取付部26Bは、ボルト34とナット36とによってロッカ28の車幅方向内側壁部28Bの下部に固定されている。
【0020】
図1に示される如く、自動車車体10のエンジンルーム10A内における車幅方向中央部には、周知のFCスタック40が配設されており、FCスタック40と左右の水素タンク14はそれぞれパイプライン42によって連結されている。
【0021】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0022】
本実施形態では、車室床部12における車幅方向両端部のロッカ部28の内部に車体前後方向に沿って水素タンク本体14を配置したため、水素タンク本体14によりロッカ部を補強できる。この結果、側突時にロッカ部28が車幅方向内側、即ち、車室内側へ屈曲するのを抑制できる。このため、ロッカ部28全体で衝突エネルギを吸収できるので、車両の安全性が向上する。
【0023】
また、ロッカ部28を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することが無く、車体を軽量化できる。
【0024】
また、本実施形態では、ロッカ部28の内部に水素タンク本体14を配置したため、水素タンク本体14をシート下部等に配置する場合に比べ、効率的な室内パーケージとすることができると共に、車両の重心が低位置となり、操縦安定性が向上する。
【0025】
なお、本実施形態では、左右のロッカ28内にそれぞれ前後方向の長さが長い1本の水素タンク14を配設したが、これに代えて、図3に示される如く、左右のロッカ28内にそれぞれ、前後方向の長さが短い複数本の水素タンク14を車両前後方向に沿って配設した構成としても良い。
【0026】
次に、本発明における燃料タンクの配置構造の第2実施形態を図4及び図5に従って説明する。
【0027】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
図4に示される如く、本実施形態では、自動車車体10における車室床部12の車幅方向中央下部にも、それぞれ燃料タンクとしての2本の水素タンク14が、車両前後方向に沿って並行に配設されている。
【0029】
また、これらの水素タンク14も、前端部14Aが車室床部12の前端部12Aに達しており、水素タンク14の後端部14Bが車室床部12の後端部12Bに達している。
【0030】
また、これらの水素タンク14においても、前端部14Aの近傍の外周部にアウターリング20が配設されており、後端部14Bの近傍の外周部にアウターリング20が配設されている。
【0031】
図5に示される如く、車室床部12の車幅方向中央下部に配設された水素タンク14とアウターリング20との間には、第1実施形態と同様にマウント材22が挟持されている。また、アウターリング20の下部20Aには、車幅方向に沿って配設されたボデー取付用のリテーナ44の車幅方向中間部が溶着されており、リテーナ44の車幅方向両端部は取付部44Aとなっている。
【0032】
水素タンク14は、車室床部12の車幅方向中央部に車両前後方向に沿って上方に膨出されたトンネル部46のコ字状断面内に配置されており、リテーナ44の取付部44Aは、ボルト48とナット50とによって車室床部12の下面12Cに固定されている。なお、リテーナ44と車室床部12の下面12Cは、略面一となっており、左右のロッカ28とトンネル部46との間には車幅方向の延びるクロスメンバ51が配設されている。
【0033】
また、トンネル部46の内部に配置された水素タンク本体14とFCスタック40はパイプライン52によって連結されている。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0035】
本実施形態では、車体床部12のトンネル部46におけるコ字状断面内にも車体前後方向に沿って水素タンク本体14を配置したため、水素タンク本体14により車体床部12のトンネル部46を補強できる。この結果、水素タンク本体14により側突時に車体床部12のトンネル部46が潰れるのを抑制できる。
【0036】
このため、側突時には、側突側のロッカ28、クロスメンバ51、トンネル部46、クロスメンバ51を介して反対側のロッカ28にエネルギを伝達することで車体全体で衝突エネルギを吸収できるので、車両の安全性が第1実施形態に比べ更に向上する。
【0037】
また、車体床部12のトンネル部46を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することもない。
【0038】
また、本実施形態では、ロッカ部28の内部とトンネル部46の内部に水素タンク本体14を配置したため、第1実施形態に比べ全水素タンク容量を大きくすることができると共に、第1実施形態と同様に、水素タンク本体14をシート下部等に配置する場合に比べ、効率的な室内パーケージとすることができると共に、車両の重心が低位置となり、操縦安定性が向上する。
【0039】
また、本実施形態では、トンネル部46の内部に水素タンク本体14を配置したため、これらの水素タンク本体14とFCスタック40とを連結するパイプライン52の長さを短くすることができる。
【0040】
更に、図4に二点鎖線に示される如く、FCスタック40を車体後部10Bに配置した構成においても、トンネル部46の内部に配置した水素タンク本体14とFCスタック40とを連結するパイプライン52の長さを短くすることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、フロアパネル46のトンネル部46Aにおけるコ字状断面内に、燃料タンクとしての2本水素タンク14を、車両前後方向に沿って並行に配設したが、これに代えて、図6及び図7に示される如く、フロアパネル46のトンネル部46Aにおけるコ字状断面内に、直径Rの大きな1本の水素タンク14を車両前後方向に沿って配設した構成としても良い。
【0042】
また、図8に示される如く、フロアパネル46のトンネル部46Aにおけるコ字状断面内に、直径Rが大きく、且つ、前後方向の長さが短い複数本の水素タンク14を車両前後方向に沿って配設した構成としても良い。
【0043】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態においては、水素タンク本体14に対して車体前後方向の長さが短い複数個のアウターリング20及びリテーナ44を配設したが、これに代えて、水素タンク本体14に対して車体前後方向の長さが長いアウターリング及びリテーナをそれぞれ1つ配設し、水素タンク本体14を支持する構成としても良い。
【0044】
また、上記各実施形態においては、水素タンク14とアウターリング20との間に、ゴム等の弾性体で構成されたマウント材22を挟持したが、これに代えて、水素タンク14とアウターリング20との間にマウント材22を挟持せず、前突時、または、後突時の荷重の一部を水素タンク14で受け、水素タンク14を介して車体の他の部位にエネルギを伝達する構成としても良い。
【0045】
また、上記各実施形態においては、燃料タンクとして水素タンクを使用したが、燃料タンクは水素タンクに限定されず、ガソリンタンク、LPガスタンク等の他の燃料タンクでも良い。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明における燃料タンクの配置構造は、燃料タンク本体を、車体床部の車幅方向外側端部に車体前後方向に沿って配置したため、車体の重量を大幅に増加することなく、側突時に車体床部の車幅方向外側端部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できるという優れた効果を有する。
【0047】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、燃料タンク本体は水素タンクであり、ロッカ部の内部に配置されているため、車体の重量を大幅に増加することなく、側突時にロッカ部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できるという優れた効果を有する。
【0048】
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、車体床部の車幅方向中央部にも車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したため、請求項1に記載の効果に加えて、燃料タンク本体により側突時に車体床部の車幅方向中央部が潰れるのを抑制できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図2】図1の2−2線に沿った拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の変形例に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図5】図4の5−5線に沿った拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の変形例に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った拡大断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の変形例に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図9】従来例の燃料タンクの配置構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 自動車車体
12 車室床部
14 水素タンク(燃料タンク)
20 アウターリング
22 マウント材
26 リテーナ
28 ロッカ
44 リテーナ
46 トンネル部
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料タンクの配置構造に関し、特に、自動車等の車両に装備される燃料タンクの配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両に装備される燃料タンクの配置構造おいては、その一例が特開平4−368227号に開示されている。
【0003】
図9に示される如く、この燃料タンクの配置構造においては、自動車車体100のフロアパネル102の車幅方向中央部に、車両上方に膨出され、車両前後方向に延びるトンネル部104が形成されている。また、トンネル部104の車両下側空間には、車両前後方向に沿って燃料タンク106が配設されており、燃料タンク106によって車体中央部の剛性を上げている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような燃料タンクの配置構造では、フロアパネル102の車幅方向中央部に燃料タンク106が配設されており、側突に対しては、燃料タンク106による衝撃荷重吸収効果は少ない。この結果、側突時に、フロアパネル102の車幅方向両端部に位置するロッカ部108が、車幅方向内側へ屈曲することで、車体100の衝突荷重吸収性能が低下するのを防止するために、ロッカ部108を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がある。このため、車体100の重量が大幅に増加する。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車体重量を大幅に増加することなく、側突時に車体床部の車幅方向外側端部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制することができる燃料タンクの配置構造を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明における燃料タンクの配置構造は、燃料タンク本体を、車体床部の車幅方向外側端部に車体前後方向に沿って配置したことを特徴とする。
【0007】
従って、車体床部の車幅方向外側端部に車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したため、燃料タンク本体により車体床部の車幅方向外側端部を補強できる。この結果、側突時に車体床部の車幅方向外側端部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できる。このため、車体床部の車幅方向外側端部を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することもない。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、前記燃料タンク本体は水素タンクであり、ロッカ部の内部に配置されていることを特徴とする。
【0009】
従って、ロッカ部の内部に車体前後方向に沿って水素タンク本体を配置したため、水素タンク本体によりロッカ部を補強できる。この結果、側突時にロッカ部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できる。このため、ロッカ部を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することもない。
【0010】
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、車体床部の車幅方向中央部にも車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したことを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1に記載の内容に加えて、車体床部の車幅方向中央部にも車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したため、燃料タンク本体により車体床部の車幅方向中央部を補強できる。この結果、燃料タンク本体により側突時に車体床部の車幅方向中央部が潰れるのを抑制できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における燃料タンクの配置構造の第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0013】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を示す。
【0014】
図1に示される如く、本実施形態では、自動車車体10における車室床部12の車幅方向両端部に、それぞれ燃料タンクとしての水素タンク14が、車両前後方向に沿って配設されている。水素タンク14は周知の構造であり、例えば、アルミ合金の外周部に樹脂繊維層を形成した構成となっている。また、水素タンク14の前端部14Aは、車室床部12の前端部12Aに達しており、水素タンク14の後端部14Bは、車室床部12の後端部12Bに達している。
【0015】
従って、水素タンク14の前端部14Aは、フロントシート16より車両前方側へ延設されており、水素タンク14の後端部14Bは、リヤシート18のシートクッション18Aの後端部に達している。
【0016】
また、水素タンク14における前端部14Aの近傍の外周部には、アウターリング20が配設されており、後端部14Bの近傍の外周部にも、アウターリング20が配設されている。
【0017】
図2に示される如く、水素タンク14とアウターリング20との間には、ゴム等の弾性体で構成されたマウント材22が挟持されており、このマウント材22により、車体側の曲げ変形及びねじり変形が水素タンク14に伝わるのを防止することで、水素タンク14のダンピング効果を向上させている。また、マウント材22により、前突時及び後突時にアウターリング20と水素タンク14との間の相対移動が可能となり、この相対移動により衝突エネルギの一部を吸収することができると共に、前突時及び後突時に発生する水素タンク14のダメージを少なくできるようになっている。
【0018】
アウターリング20の下部20Aには、車幅方向に沿って配設されたボデー取付用のリテーナ26が溶着されており、リテーナ26の両端部には上方に向って取付部26A、26Bが形成されている。
【0019】
水素タンク14及びリテーナ26は、左右のロッカ28における閉断面内に配設されており、リテーナ26の車幅方向外側の取付部26Aは、ボルト30とナット32とによってロッカ28の車幅方向外側壁部28Aの下部に固定されている。また、リテーナ26の車幅方向内側の取付部26Bは、ボルト34とナット36とによってロッカ28の車幅方向内側壁部28Bの下部に固定されている。
【0020】
図1に示される如く、自動車車体10のエンジンルーム10A内における車幅方向中央部には、周知のFCスタック40が配設されており、FCスタック40と左右の水素タンク14はそれぞれパイプライン42によって連結されている。
【0021】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0022】
本実施形態では、車室床部12における車幅方向両端部のロッカ部28の内部に車体前後方向に沿って水素タンク本体14を配置したため、水素タンク本体14によりロッカ部を補強できる。この結果、側突時にロッカ部28が車幅方向内側、即ち、車室内側へ屈曲するのを抑制できる。このため、ロッカ部28全体で衝突エネルギを吸収できるので、車両の安全性が向上する。
【0023】
また、ロッカ部28を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することが無く、車体を軽量化できる。
【0024】
また、本実施形態では、ロッカ部28の内部に水素タンク本体14を配置したため、水素タンク本体14をシート下部等に配置する場合に比べ、効率的な室内パーケージとすることができると共に、車両の重心が低位置となり、操縦安定性が向上する。
【0025】
なお、本実施形態では、左右のロッカ28内にそれぞれ前後方向の長さが長い1本の水素タンク14を配設したが、これに代えて、図3に示される如く、左右のロッカ28内にそれぞれ、前後方向の長さが短い複数本の水素タンク14を車両前後方向に沿って配設した構成としても良い。
【0026】
次に、本発明における燃料タンクの配置構造の第2実施形態を図4及び図5に従って説明する。
【0027】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
図4に示される如く、本実施形態では、自動車車体10における車室床部12の車幅方向中央下部にも、それぞれ燃料タンクとしての2本の水素タンク14が、車両前後方向に沿って並行に配設されている。
【0029】
また、これらの水素タンク14も、前端部14Aが車室床部12の前端部12Aに達しており、水素タンク14の後端部14Bが車室床部12の後端部12Bに達している。
【0030】
また、これらの水素タンク14においても、前端部14Aの近傍の外周部にアウターリング20が配設されており、後端部14Bの近傍の外周部にアウターリング20が配設されている。
【0031】
図5に示される如く、車室床部12の車幅方向中央下部に配設された水素タンク14とアウターリング20との間には、第1実施形態と同様にマウント材22が挟持されている。また、アウターリング20の下部20Aには、車幅方向に沿って配設されたボデー取付用のリテーナ44の車幅方向中間部が溶着されており、リテーナ44の車幅方向両端部は取付部44Aとなっている。
【0032】
水素タンク14は、車室床部12の車幅方向中央部に車両前後方向に沿って上方に膨出されたトンネル部46のコ字状断面内に配置されており、リテーナ44の取付部44Aは、ボルト48とナット50とによって車室床部12の下面12Cに固定されている。なお、リテーナ44と車室床部12の下面12Cは、略面一となっており、左右のロッカ28とトンネル部46との間には車幅方向の延びるクロスメンバ51が配設されている。
【0033】
また、トンネル部46の内部に配置された水素タンク本体14とFCスタック40はパイプライン52によって連結されている。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0035】
本実施形態では、車体床部12のトンネル部46におけるコ字状断面内にも車体前後方向に沿って水素タンク本体14を配置したため、水素タンク本体14により車体床部12のトンネル部46を補強できる。この結果、水素タンク本体14により側突時に車体床部12のトンネル部46が潰れるのを抑制できる。
【0036】
このため、側突時には、側突側のロッカ28、クロスメンバ51、トンネル部46、クロスメンバ51を介して反対側のロッカ28にエネルギを伝達することで車体全体で衝突エネルギを吸収できるので、車両の安全性が第1実施形態に比べ更に向上する。
【0037】
また、車体床部12のトンネル部46を、板厚の増加、リインフォースメントの追加等で補強する必要がないため、車体重量が大幅に増加することもない。
【0038】
また、本実施形態では、ロッカ部28の内部とトンネル部46の内部に水素タンク本体14を配置したため、第1実施形態に比べ全水素タンク容量を大きくすることができると共に、第1実施形態と同様に、水素タンク本体14をシート下部等に配置する場合に比べ、効率的な室内パーケージとすることができると共に、車両の重心が低位置となり、操縦安定性が向上する。
【0039】
また、本実施形態では、トンネル部46の内部に水素タンク本体14を配置したため、これらの水素タンク本体14とFCスタック40とを連結するパイプライン52の長さを短くすることができる。
【0040】
更に、図4に二点鎖線に示される如く、FCスタック40を車体後部10Bに配置した構成においても、トンネル部46の内部に配置した水素タンク本体14とFCスタック40とを連結するパイプライン52の長さを短くすることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、フロアパネル46のトンネル部46Aにおけるコ字状断面内に、燃料タンクとしての2本水素タンク14を、車両前後方向に沿って並行に配設したが、これに代えて、図6及び図7に示される如く、フロアパネル46のトンネル部46Aにおけるコ字状断面内に、直径Rの大きな1本の水素タンク14を車両前後方向に沿って配設した構成としても良い。
【0042】
また、図8に示される如く、フロアパネル46のトンネル部46Aにおけるコ字状断面内に、直径Rが大きく、且つ、前後方向の長さが短い複数本の水素タンク14を車両前後方向に沿って配設した構成としても良い。
【0043】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態においては、水素タンク本体14に対して車体前後方向の長さが短い複数個のアウターリング20及びリテーナ44を配設したが、これに代えて、水素タンク本体14に対して車体前後方向の長さが長いアウターリング及びリテーナをそれぞれ1つ配設し、水素タンク本体14を支持する構成としても良い。
【0044】
また、上記各実施形態においては、水素タンク14とアウターリング20との間に、ゴム等の弾性体で構成されたマウント材22を挟持したが、これに代えて、水素タンク14とアウターリング20との間にマウント材22を挟持せず、前突時、または、後突時の荷重の一部を水素タンク14で受け、水素タンク14を介して車体の他の部位にエネルギを伝達する構成としても良い。
【0045】
また、上記各実施形態においては、燃料タンクとして水素タンクを使用したが、燃料タンクは水素タンクに限定されず、ガソリンタンク、LPガスタンク等の他の燃料タンクでも良い。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明における燃料タンクの配置構造は、燃料タンク本体を、車体床部の車幅方向外側端部に車体前後方向に沿って配置したため、車体の重量を大幅に増加することなく、側突時に車体床部の車幅方向外側端部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できるという優れた効果を有する。
【0047】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、燃料タンク本体は水素タンクであり、ロッカ部の内部に配置されているため、車体の重量を大幅に増加することなく、側突時にロッカ部が車幅方向内側へ屈曲するのを抑制できるという優れた効果を有する。
【0048】
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の燃料タンクの配置構造において、車体床部の車幅方向中央部にも車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したため、請求項1に記載の効果に加えて、燃料タンク本体により側突時に車体床部の車幅方向中央部が潰れるのを抑制できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図2】図1の2−2線に沿った拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の変形例に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図5】図4の5−5線に沿った拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の変形例に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った拡大断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の変形例に係る燃料タンクの配置構造を示す概略平面図である。
【図9】従来例の燃料タンクの配置構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 自動車車体
12 車室床部
14 水素タンク(燃料タンク)
20 アウターリング
22 マウント材
26 リテーナ
28 ロッカ
44 リテーナ
46 トンネル部
Claims (3)
- 燃料タンク本体を、車体床部の車幅方向外側端部に車体前後方向に沿って配置したことを特徴とする燃料タンクの配置構造。
- 前記燃料タンク本体は水素タンクであり、ロッカ部の内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンクの配置構造。
- 車体床部の車幅方向中央部にも車体前後方向に沿って燃料タンク本体を配置したことを特徴とする請求項1に記載の燃料タンクの配置構造。
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