JP2004025740A - 印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な印刷密度で印刷され、モアレを発生とともに現出する複数種類の潜像を含む印刷物を提供する。
【解決手段】印刷物1には、平行線と、平行線と所定の角度をなすような他の平行線と、が形成されており、複数の平行線が形成された光透過性を有するフィルム2を重ねると、モアレが発生して像が現出する。印刷物1は、複数の線分の組み合わせからなる複数の基本パターンおよび各パターンにより構成されている。像が現出する領域の各パターンは、像が現出しない領域の基本パターンを構成する線分のうち現出する像に対応する線分を移動させたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】印刷物1には、平行線と、平行線と所定の角度をなすような他の平行線と、が形成されており、複数の平行線が形成された光透過性を有するフィルム2を重ねると、モアレが発生して像が現出する。印刷物1は、複数の線分の組み合わせからなる複数の基本パターンおよび各パターンにより構成されている。像が現出する領域の各パターンは、像が現出しない領域の基本パターンを構成する線分のうち現出する像に対応する線分を移動させたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の印刷物に関し、特に、平行線からなる図形パターン上にフィルムを重ねることにより、モアレを発生させ、複写機による複写が困難な像を現出させるようにした印刷物に関する。
また、本発明を絵本等の印刷物に用いた場合には、例えば、同一の領域に同じ意味を持つ「平仮名」、「カタカナ」、「漢字」や「アルファベット」等を現出させることができることから、簡単な構成で学習効果の高い印刷物をも提供することができる。
【0002】
【従来の技術】
複数の線または網点からなる一定の繰り返しパターンが設けられた光透過性を有するスクリーンを複数枚重ねると、「モアレ」と呼ばれる干渉縞が発生することが一般に知られている。そのモアレによる効果を利用したものの1つに、特開平1−171977号公報(以下、従来例1)が開示するところの印刷かくし文字の表示法があった。従来例1では、網点が印刷された網点部に、光透過性を有し、網点が印刷された網点透過体を当てることにより、モアレ干渉を発生させ、網点部に設けられたかくし文字を現出させていた。
【0003】
また、特開昭60−645号公報(以下、従来例2)が開示するところのモアレ効果を利用した暗証形成物では、点、線、または点線などにより形成されたパターン上に、適当な模様の施された可視化補助体を適当な位置および角度で重ねることにより、モアレを発生させ、上記のパターンに含まれる1つ以上の像を現出させていた。
【0004】
また、実公昭44−18218号公報(以下、従来例3)が開示するところのスチール画から動作効果を生ぜしめる為の装置では、平行な線および空白部からなる複数個の線・空白部群が筋違いに設けられている静止スクリーン上に、平行な線および空白部が設けられている可動スクリーンを、各スクリーンの線および空白部が平行となるように取り付けていた。線および空白部に対して垂直方向に、可動スクリーンを動かすことにより、モアレによる移動陰影を発生させていた。
【0005】
また、特公昭50−10485号公報(以下、従来例4)が開示するところの動画画像を形成する画像パターンでは、所定の複数種類のスクリーン角度による網点からなる固定パターン上に、所定のスクリーン角度の網点からなる可動パターンを重ね合わせ、移動させることにより、モアレを発生させ、固定パターンに動画像的効果を生じさせていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例3、4には、モアレを利用して万線により形成された図形に動画的効果を与える旨が記載されているが、万線により形成された図形にモアレにより現出する図形(像)を内含させる構成は記載されていなかった。
【0007】
また、従来例1では、網点が印刷された印刷体に、上記の網点と異なる角度の網点により形成された「かくし文字」または「かくし図形」を内包させていたが、印刷体の同一領域上に複数種類の文字または図形などを発生させる構成が従来例1には記載されていなかった。
【0008】
また、従来例2では、背景部分を構成する平行線と所定の角度をなす平行線による像を、背景部分と同一平面上に形成していた。2種の像を同一平面上に形成する場合には、その2種の像を構成する平行線のスクリーン角度を互いに異なるようにしていた。しかしながら、従来例2では、背景部分を構成する平行線と像を構成する平行線とが所定の角度をなすように設けられるため、モアレが発生しない場合においても、像が認識可能となってしまう可能性があった。さらに、従来例2では、2つの像が重なる平面上は、点または線などの印刷密度が高くなり、均一な印刷密度の印刷物を形成することが困難であった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、均一な印刷密度で印刷され、同一個所に複数種類の像を含む印刷物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、平行に配置された線または点と、該平行に配置された線または点と所定の角度をなすような他の平行に配置された線または点の組み合わせからなる領域により構成され、前記平行に配置された線または点の配列に対して同一幅で該複数の平行に配置された線または点が形成された光透過性を有するフィルムを重ねることによって前記平行に配置された線または点の組み合わせからなる領域から像が現出するようにされた印刷物であって、各々の前記平行に配置された線または点の位置をずらすことによって同一ヶ所に異なる像が現出するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の印刷物において、前記印刷物の前記平行に配置された線または点の配列に対して同一幅で該複数の平行に配置された線または点が形成された光透過性を有するフィルムを重ねることによって像が現出する領域は、前記像が現出しない領域の線または点の位置に対して上下左右の何れかの方向に前記複数の平行に配置された線または点をずらすようにされていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の印刷物において、前記印刷物に形成されている前記像が現出する領域と前記像が現出しない領域の面積は、その各々の領域の面積の割合が等しいことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷物において、前記印刷物に形成されている前記像が現出する領域と前記像が現出しない領域は、少なくとも前記平行に配置された線または点が多角形を構成するように配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷物において、前記印刷物に形成されている前記平行に配置された線または点の幅(間隔)が0.2〜1.0mm、線の太さまたは点の大きさが0.04〜0.15mmであることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態における印刷物1を示す図である。以下、図1を用いて、本実施形態における印刷物の使用方法について説明する。
【0016】
図1の(a)には、印刷物1と、フィルム2と、が示されている。印刷物1には、複数の平行な線(以下、「万線」と記述する。)が形成(印刷)されている。印刷物1上に形成される万線は、同じ幅であって、それぞれ互いに所定の角度をなすようにして複数形成されていてもよい。例えば、本実施形態では、図1の(a)に示されているように、互いに60°をなすように交差する3種類の角度の万線が印刷物1上に形成されている。
【0017】
フィルム2は、光透過性を有する媒体であって、透明/半透明のシート状の媒体であってもよいし、プレート状などの立体形成物であってもよい。フィルム2上には、所定の角度を有する印刷物1 と同じ間隔(幅)の1種類の万線が形成されている。
【0018】
図1の(b)は、印刷物1上に、光透過性を有するフィルム2を重ねたことを示す図である。図1の(b)に示されているように、印刷物1上の万線とフィルム2の万線とが所定の角度をなすように、フィルム2を印刷物1上に重ねることにより、以下に示すように線または点を所定の文字、記号または図形などの像に対応するようにずらすことで、所定の文字、記号または図形などの像に対応するモアレが発生し、印刷物1に形成されている所定の文字、記号または図形などの像が現出する。(以下、上記のモアレにより現出する文字、記号、または図形などを「像」と記述する。)モアレが発生していない部分は、フィルム2を印刷物1上に重ねても肉眼では、単なる万線にしか見えない。
【0019】
なお、印刷物1上の所定の角度の万線とフィルム2上の万線とがなす角度が合うように0°近傍に近づけた場合、即ち印刷物1上の所定の角度の万線とフィルム2上の万線とが互いに平行となるように近づけた場合、モアレが発生し、像が現出する。
【0020】
図2、図3、および図4は、本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す図である。以下、図2、図3、図4を用いて、本実施形態における万線の形成領域について以下に説明する。
【0021】
図2には、所定の領域の万線が形成された印刷物3が示されている。印刷物3の中央部分には、円形の像3iが形成されている。図2に示されているように、印刷物3における像3iを除く領域(以下、「バックグランド」と記述する。)に形成された万線と像3iに形成された万線とは、互いに平行となっている。また、バックグランドの万線と像3iの万線とは、万線の垂線方向において、形成位置が異なっている(形成位置にズレが生じている)。
【0022】
なお、印刷物3の万線を形成する各線分の間隔は、バックグランドと像3iとの境界近傍を除いて等しいものとする。
【0023】
また、図3には、所定の領域の万線が形成された印刷物4が示されている。なお、印刷物4における万線と印刷物3における万線とがなす角度は、60°である。印刷物4の中央部分には、四角形状の像4iが形成されている。図3に示されているように、印刷物4におけるバックグランドに形成された万線と像4iに形成された万線とは、互いに平行である。また、バックグランドの万線と像4iの万線とは、万線の垂線方向において、形成位置が異なっている(形成位置にズレが生じている)。
【0024】
なお、印刷物4の万線を形成する各線分の間隔は、バックグランドと像4iとの境界近傍を除いて等しいものとする。また、印刷物4におけるバックグランドと像4iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔は、印刷物3におけるバックグランドと像3iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔と等しいものとする。
【0025】
また、図4には、所定の領域の万線が形成された印刷物5が示されている。なお、印刷物5における万線と印刷物3、4における万線とがなす角度は、それぞれ60°である。印刷物5の中央部分には、三角形状の像5iが形成されている。図4に示されているように、印刷物5におけるバックグランドに形成された万線と像5iに形成された万線とは、互いに平行である。また、バックグランドの万線と像5iの万線とは、万線の垂線方向において、形成位置が異なっている(形成位置にズレが生じている)。
【0026】
なお、印刷物5の万線を形成する各線分の間隔は、バックグランドと像5iとの境界近傍を除いて等しいものとする。また、印刷物5におけるバックグランドと像5iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔は、印刷物3におけるバックグランドと像3iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔と等しいものとする。
【0027】
なお、図2、図3、および図4において、像3i、4i、5iの外周は点線により示されているが、説明の便宜のために示したものであって、実際に点線は存在しない。また、印刷物3、4、5上に形成される像3i、4i、5iは、図により示されるものに限定されず、他の文字、記号または図形であってもよい。
【0028】
印刷物1上には、各像3i、4i、5iが設けられており、それらの各像は、印刷物3、4、5に形成されたものが合成されたものである。図1に示されるように、印刷物1の万線とフィルム2の万線とが所定の角度をなすように、印刷物1とフィルム2とを重ねて相対位置を変化させることにより、モアレが発生し、像3i、4i、5iが現出する。
【0029】
このとき、印刷物1に形成されている万線を形成する各線分の間隔(幅)を0.2〜1.0mmとし、線の太さを0.04〜0.15mmとすることで、当該印刷物1を複写機にて複写した場合、その印刷物1中に形成された像を複写することは困難であり、また、その印刷物1をスキャナー等で読み取ったとしても、像の再現ができず、さらに、その印刷物1をスキャナー等で読み取った像を修正することも困難である。
【0030】
各線分の間隔が0.2mm未満では、像を形成することが困難となり、1.0mm以上では、モアレにより現出する像が不鮮明となって見にくくなり、また、線の太さが0.04mm未満の万線は、印刷により再現しにくく、0.15mm以上では、同一領域に複数の像を同一の印刷濃度となるように形成することが困難となるという問題があった。
【0031】
なお、印刷物1に形成されている万線を網点として形成した場合、各網点の間隔(幅)を0.2〜1.0mmとし、網点の大きさ0.04〜0.15mmとすることで、上述の印刷物1と同様の効果を得ることかできる。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態における印刷物1を形成する基本パターンを示す図である。また、図6は、本発明の一実施形態における印刷物1およびその像3i、4i、5iを示す図である。以下、図5および図6を用いて、本実施形態における印刷物1における万線の形成領域について説明する。
【0033】
図5では、3種類の万線が互いに60°をなすように交差し、印刷物1上には複数の正三角形状の図形が形成され、その正三角形を形成する線分の組み合わせを基本パターンとし、その基本パターンの一辺をずらすようにすることで、各パターンを形成している。
【0034】
図5には、本実施形態における8種類の基本パターンA1と各パターンA2〜A8が示されている。基本パターンA1は、像3i、4i、5iのいずれも生じない領域を構成するものである。
【0035】
図2、図3、および図4を用いて説明したように、印刷物1において、像を形成する万線は、バックグランドを形成する万線と、その万線の垂線方向において形成位置が異なっている。
【0036】
パターンA2は、像3iのみが現出する領域の万線を形成するパターンである。像が現出しない領域の万線を形成する基本パターンA1と比べて、パターンA2は、像3iを形成する万線に相当する線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。なお、パターンA2における点線部分は、基本パターンA1における1本の線分の位置を示している。
【0037】
パターンA3は、像4iのみが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA3は、像4iを形成する万線に相当する1本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0038】
パターンA4は、像5iのみが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA4は、像5iを形成する万線に相当する1本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0039】
パターンA5は、像3i、4iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA5は、像3i、4iを形成する万線に相当する2本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0040】
パターンA6は、像3i、5iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA6は、像3i、5iを形成する万線に相当する2本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0041】
パターンA7は、像4i、5iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA7は、像4i、5iを形成する万線に相当する2本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0042】
パターンA8は、像3i、4i、5iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA8は、像3i、4i、5iを形成する万線に相当する3本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0043】
なお、パターンA2〜A8における点線部分は、基本パターンA1における線分の位置を示している。
【0044】
また、基本パターンA1とパターンA2〜A8において、線分により形成される領域の面積(印刷されている面積)の割合は互いに等しい。従って、基本パターンA1とパターンA2〜A8を用いて印刷物1を構成することにより、均一の印刷密度を有する印刷物1を作成することが可能となる。
【0045】
図6は、印刷物3、4、5を重ねて形成された印刷物1を示している。印刷物1の中央部分には、像3i、4i、5iが互いに重なって形成されている。なお、図6では、説明の便宜上、印刷物3、4、5上の万線は省略されている。
【0046】
領域F11は、像3i、4i、5iがいずれも現出しない領域であり、領域F11における万線は、複数の基本パターンA1により形成されている。
【0047】
また、領域F21、F22、F23、F24は、像3iが現出する領域であり、領域F21、F22、F23、F24における万線は、複数のパターンA2により形成されている。
【0048】
また、領域F31、F32、F33は、像4iが現出する領域であり、領域F31、F32、F33における万線は、複数のパターンA3により形成されている。
【0049】
また、領域F41、F42は、像5iが現出する領域であり、領域F41、F42における万線は、複数のパターンA4により形成されている。
【0050】
また、領域F51は、像3iおよび像4iが現出する領域であり、領域F51における万線は、複数のパターンA5により形成されている。
【0051】
また、領域F61、F62は、像3iおよび像5iが現出する領域であり、領域F61、F62における万線は、複数のパターンA6により形成されている。
【0052】
また、領域F71は、像4iおよび像5iが現出する領域であり、領域F71における万線は、複数のパターンA7により形成されている。
【0053】
また、領域F81は、像3i、像4i、および像5iが現出する領域であり、領域F81における万線は、複数のパターンA8により形成されている。
【0054】
図7は、本発明の一実施形態における印刷物6を示す図である。印刷物6は、図5に示されている基本パターンA1と各パターンA2〜A8から構成されている。印刷物6の中央部分には、図8に示す「A」、「B」、および「C」の3種類の像が現出するように基本パターンA1と各パターンA2〜A8を組み合わせたもので、図8の円で囲まれた領域7は、図9に示すように、基本パターンA1と各パターンA3、A7から構成されている。
【0055】
図9において、円で囲まれた領域7は、領域7aと、領域7bと、領域7cと、からなる。領域7aは、像が現出しない領域で基本パターンA1から構成されている。領域7bは、「B」の像が現出する領域でパターンA3から構成されている。領域7cは、「B」および「C」の像が現出する領域でパターンA7から構成されている。なお、例えば、図9に示されているように、「線の太さ」は、万線を形成する各線の太さにより示され、「平行線の幅(間隔)」は、万線を形成する平行線のうち、互いに隣り合う2本の平行線におけるそれぞれの太さ方向の中心間の距離により示されるものとする。また、線の太さは、0.04mmとしてもよく、平行線の幅は、0.2mmとしてもよい。
【0056】
図10は、本発明の一実施形態における印刷物の作成方法を示すフローチャートである。以下、図10に沿って、本実施形態における印刷物の作成方法について説明する。
【0057】
まず、所定数の線分からなる基本パターンとパターンを作成する(ステップS101)。基本パターンとパターンを構成する線分の本数は、現出させる像の数以上とする。次に、像の形状および印刷媒体上に像を現出させる位置を決定する(ステップS102)。次に、印刷媒体上に該当する基本パターンとパターンを配置する(ステップS103)。以上のようにして、印刷物が作成される。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態の変形例における基本パターンおよびパターンを示す図である。図11に示されているような基本パターンB1、パターンB2〜B8を用いて、基本パターンA1、パターンA2〜A8と同様に印刷物を形成してもよい。なお、基本パターンA1、パターンA2〜A8では、線分の交差部分が空白領域(印刷されていない領域)となっているのに対し、基本パターンB1、パターンB2〜B8では、線分の交差部分が印刷領域となっているが、これは、印刷物の印刷濃度に合わせて、図5に示すように印刷物が暗くなるようであれば、各パターンの交差する部分を白抜きとすればよい。
【0059】
また、図12は、本発明の一実施形態の他の変形例における基本パターンおよびパターンを示す図である。図12に示されているような線分が六角形を形成する基本パターンC1、パターンC2〜C7を用いて、印刷物を構成するとしてもよい。基本パターンC1は、印刷物上において像が現出しない領域を構成する基本パターンである。また、パターンC2〜C7は、基本パターンC1における6本の線分のうちの1本をそれぞれ平行に移動させたものである。パターンC2〜C7は、印刷物上で1つの像が現出する領域(2つ以上の像が重なっていない領域)を構成する。
【0060】
なお、図12では省略されているが、2つ以上の像が重なる領域については、重なる像の数だけ線分が平行に移動されたパターンを用いればよい。例えば、基本パターンC1および基本パターンC1の線分を平行に移動させた基本パターンを用いて、印刷物を構成する場合、4個の像が重なる領域は、基本パターンC1を形成する6本の線分のうち4本の線分を平行に移動させたパターンにより構成される。
【0061】
また、図12に示されているような基本パターンD1および基本パターンD1を形成する線分を平行に移動させたパターンを用いて、印刷物を構成するようにしてもよい。基本パターンD1は、8本の線分からなり、その8本の線分は、正八角形を形成する。図12では、基本パターンD1の一辺の線分が平行に移動したパターンは示されていないが、基本パターンD1の一辺を形成する8本の線分のうち何れかの線分がそれぞれ平行に移動した基本パターンを用いて、印刷物を構成することが可能である。
【0062】
本実施形態では、基本パターンおよび基本パターンの一辺をずらしたパターンからなる線分が三角形、六角形、および八角形を形成する場合について説明したが、他の多角形を用いてもよい。また、基本パターンおよび基本パターンの一辺をずらしたパターンからなる線分が形成されるものは、正多角形に限られないが、この場合には、印刷物上には、平行に配置された線または点の幅(間隔)が異なる場合があり、この場合には、それらの幅(間隔)に合わせ平行に配置された線または点を設けたフィルムが必要となる。
【0063】
N本(Nは1以上の整数)の線分により形成される基本パターンを用いて構成された印刷物上における、M個の像が重なった領域のパターンは、像が設けられていない領域の基本パターンを形成するN本の線分のうちM本(Mは1以上N以下の整数)の線分を平行に移動させたパターンにより構成される。
【0064】
また、像が設けられていない領域の基本パターン、およびその基本パターンを形成する線分を平行に移動させたパターンにおいて、各パターン自身が形成されている領域の面積に対する、基本パターンおよび各パターンにおける線分の形成領域の面積の割合は互いに等しい。従って、印刷物は、均一の印刷密度を有している。
【0065】
また、本実施形態では、像を形成した領域において、基本パターンを形成する線分を、各パターンの線分より形成される図形(多角形)の内側(重心側)に平行に移動させたパターンを用いていたが、像の部分の線分は、基本パターンを形成する線分に比べて線分を外側(重心の反対方向)に平行に移動させるようにしてもよい。
【0066】
また、モアレが発生した場合に現出する像は、本実施形態により示した図形に限らず、他の図形であってもよいし、任意の文字、図形または記号であってもよい。
【0067】
なお、本発明の印刷物において、当該印刷物に形成されている像が現出する領域と像が現出しない領域のうち、像が現出しない領域の任意の位置に複写機により複写されない大きさの万線からなる潜像(例えば、特公昭55−45400号公報、特公昭58−47708号公報、特開平4−170569号公報、実開昭63−172673号公報等に記載されている。)を設け、同様に像が現出しない領域の任意の位置に複写機により複写されない大きさの網点からなる潜像(例えば、特公昭55−45400号公報、特公昭58−47708号公報、特開平4−170569号公報、実開昭63−172673号公報等に記載されている。)を設けるようにすることで、当該印刷物の複写機による偽造の痕跡を表すようにすることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、同一領域で複数の像を現出させるような、複雑な万線のパターンを形成する場合においても、予め設定された基本パターンとパターンを印刷物上の該当する領域に、それぞれ形成することにより、複雑な万線のパターンを容易に形成することが可能となる。また、印刷物上の各基本パターンおよびパターンの密度は均等となるため、フィルム2を印刷物上に重ねていない場合に、目視により像を認識することが困難となる。
【0069】
また、本発明の印刷物によれば、当該印刷物を複写機などを用いて複写することによりを偽造を行ったとしても、複数の複雑な形状の像を再現することは困難である。従って、本発明の印刷物を商品券や株券等の有価証券に設けることで、有価証券の偽造を有効に防止することが可能である。
【0070】
また、本発明の印刷物によれば、当該印刷物上に複数の像を設けた場合、印刷物上にフィルム2を重ねて相対的に移動させることにより、印刷物上の所定領域に複数の像を現出させることが可能である。その特徴を用いて、印刷物を、漢字または英単語などの学習用のテキストに利用することができる。例えば、フィルム2を所定の相対位置で印刷物に重ねた場合に「ねこ」の平仮名文字の像が現出し、フィルム2の相対位置を移動させると「ネコ」のカタカナの像または「CAT」のアルファベットの像が現出するといったような物に利用することが可能である。
【0071】
また、本発明の印刷物によれば、当該印刷物上の基本パターンおよびパターンは、万線が形成されていたが、万線に変えて網点を形成しても、本実施形態において説明した効果を実現することが可能である。
【0072】
なお、上記の実施形態は本発明の好適な実施形態の一実施例であり、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【0073】
また、本発明の印刷物において、当該印刷物に形成されている像が現出する領域と像が現出しない領域のうち、像が現出しない領域が平行に配置された線から構成されている領域の任意の位置に複写機により複写されない大きさの万線からなる潜像を設け、同様に像が現出しない領域が平行に配置された点から構成されている任意の位置に複写機により複写されない大きさの網点からなる潜像を設けるようにすることで、当該印刷物の複写機による偽造の痕跡を表すようにすることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、同一の領域に複数の像を現出させるようにしたにもかかわらず、該印刷物上の印刷密度はほぼ均等となるようにしているため、フィルムを印刷物上に重ねていない場合には、肉眼で像が認識することが困難であることから、偽造防止効果の高い有価証券を提供することができる。また、本発明の印刷物に形成されている線または点の幅(間隔)を0.2〜1.0mmとし、線の太さまたは点の大きさを0.04〜0.15mmとすることで、該印刷物を複写機にて複写した場合、その領域の複写が困難となる。
また、本発明の印刷物において、上述した段落番号0067に記載されているように、該印刷物の像が現出する領域以外の領域に複写機により複写されない大きさの万線または網点からなる潜像を併設することで、複写機による複写の痕跡が明らかとなるようにすることで、より、複写防止効果の高い印刷物を提供することができる。
また、本発明の印刷物の他の用途として、偽造防止を施したものに適応する以外に、例えば、同一の領域に同じ意味を持つ「平仮名」、「カタカナ」、「漢字」や「アルファベット」等を現出させることができることから、簡単な構成で学習効果の高い印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態における印刷物およびフィルムを示す図であり、(b)は、本発明の一実施形態における印刷物にフィルムを重ねた状態を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す第1の図である。
【図3】本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す第2の図である。
【図4】本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す第3の図である。
【図5】本発明の一実施形態における印刷物を形成する万線の基本パターンおよび各パ
ターンを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における3つの印刷物を重ねて形成された印刷物を示す図
である。
【図7】本発明の一実施形態における他の印刷物を示す図である。
【図8】図7中の像を示す図である。
【図9】図8の円で囲まれた領域7の拡大図である。
【図10】本発明の一実施形態における印刷物の作成方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態の変形例における基本パターンおよび各パターンを示す図
である。
【図12】本発明の一実施形態の他の変形例における基本パターンおよび各パターンを示す図である。
【符号の説明】
1、3〜6 印刷物
2 フィルム
3i、4i、5i 像
7、7a、7b、7c、F11、F21〜F24、F31〜F33、F41、F42、F51、F61、F62、F71 領域
A1〜A8、B1〜B8、C1〜C7、D1 基本パターンおよび各パターン
【発明の属する技術分野】
本発明の印刷物に関し、特に、平行線からなる図形パターン上にフィルムを重ねることにより、モアレを発生させ、複写機による複写が困難な像を現出させるようにした印刷物に関する。
また、本発明を絵本等の印刷物に用いた場合には、例えば、同一の領域に同じ意味を持つ「平仮名」、「カタカナ」、「漢字」や「アルファベット」等を現出させることができることから、簡単な構成で学習効果の高い印刷物をも提供することができる。
【0002】
【従来の技術】
複数の線または網点からなる一定の繰り返しパターンが設けられた光透過性を有するスクリーンを複数枚重ねると、「モアレ」と呼ばれる干渉縞が発生することが一般に知られている。そのモアレによる効果を利用したものの1つに、特開平1−171977号公報(以下、従来例1)が開示するところの印刷かくし文字の表示法があった。従来例1では、網点が印刷された網点部に、光透過性を有し、網点が印刷された網点透過体を当てることにより、モアレ干渉を発生させ、網点部に設けられたかくし文字を現出させていた。
【0003】
また、特開昭60−645号公報(以下、従来例2)が開示するところのモアレ効果を利用した暗証形成物では、点、線、または点線などにより形成されたパターン上に、適当な模様の施された可視化補助体を適当な位置および角度で重ねることにより、モアレを発生させ、上記のパターンに含まれる1つ以上の像を現出させていた。
【0004】
また、実公昭44−18218号公報(以下、従来例3)が開示するところのスチール画から動作効果を生ぜしめる為の装置では、平行な線および空白部からなる複数個の線・空白部群が筋違いに設けられている静止スクリーン上に、平行な線および空白部が設けられている可動スクリーンを、各スクリーンの線および空白部が平行となるように取り付けていた。線および空白部に対して垂直方向に、可動スクリーンを動かすことにより、モアレによる移動陰影を発生させていた。
【0005】
また、特公昭50−10485号公報(以下、従来例4)が開示するところの動画画像を形成する画像パターンでは、所定の複数種類のスクリーン角度による網点からなる固定パターン上に、所定のスクリーン角度の網点からなる可動パターンを重ね合わせ、移動させることにより、モアレを発生させ、固定パターンに動画像的効果を生じさせていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例3、4には、モアレを利用して万線により形成された図形に動画的効果を与える旨が記載されているが、万線により形成された図形にモアレにより現出する図形(像)を内含させる構成は記載されていなかった。
【0007】
また、従来例1では、網点が印刷された印刷体に、上記の網点と異なる角度の網点により形成された「かくし文字」または「かくし図形」を内包させていたが、印刷体の同一領域上に複数種類の文字または図形などを発生させる構成が従来例1には記載されていなかった。
【0008】
また、従来例2では、背景部分を構成する平行線と所定の角度をなす平行線による像を、背景部分と同一平面上に形成していた。2種の像を同一平面上に形成する場合には、その2種の像を構成する平行線のスクリーン角度を互いに異なるようにしていた。しかしながら、従来例2では、背景部分を構成する平行線と像を構成する平行線とが所定の角度をなすように設けられるため、モアレが発生しない場合においても、像が認識可能となってしまう可能性があった。さらに、従来例2では、2つの像が重なる平面上は、点または線などの印刷密度が高くなり、均一な印刷密度の印刷物を形成することが困難であった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、均一な印刷密度で印刷され、同一個所に複数種類の像を含む印刷物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、平行に配置された線または点と、該平行に配置された線または点と所定の角度をなすような他の平行に配置された線または点の組み合わせからなる領域により構成され、前記平行に配置された線または点の配列に対して同一幅で該複数の平行に配置された線または点が形成された光透過性を有するフィルムを重ねることによって前記平行に配置された線または点の組み合わせからなる領域から像が現出するようにされた印刷物であって、各々の前記平行に配置された線または点の位置をずらすことによって同一ヶ所に異なる像が現出するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の印刷物において、前記印刷物の前記平行に配置された線または点の配列に対して同一幅で該複数の平行に配置された線または点が形成された光透過性を有するフィルムを重ねることによって像が現出する領域は、前記像が現出しない領域の線または点の位置に対して上下左右の何れかの方向に前記複数の平行に配置された線または点をずらすようにされていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の印刷物において、前記印刷物に形成されている前記像が現出する領域と前記像が現出しない領域の面積は、その各々の領域の面積の割合が等しいことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷物において、前記印刷物に形成されている前記像が現出する領域と前記像が現出しない領域は、少なくとも前記平行に配置された線または点が多角形を構成するように配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷物において、前記印刷物に形成されている前記平行に配置された線または点の幅(間隔)が0.2〜1.0mm、線の太さまたは点の大きさが0.04〜0.15mmであることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態における印刷物1を示す図である。以下、図1を用いて、本実施形態における印刷物の使用方法について説明する。
【0016】
図1の(a)には、印刷物1と、フィルム2と、が示されている。印刷物1には、複数の平行な線(以下、「万線」と記述する。)が形成(印刷)されている。印刷物1上に形成される万線は、同じ幅であって、それぞれ互いに所定の角度をなすようにして複数形成されていてもよい。例えば、本実施形態では、図1の(a)に示されているように、互いに60°をなすように交差する3種類の角度の万線が印刷物1上に形成されている。
【0017】
フィルム2は、光透過性を有する媒体であって、透明/半透明のシート状の媒体であってもよいし、プレート状などの立体形成物であってもよい。フィルム2上には、所定の角度を有する印刷物1 と同じ間隔(幅)の1種類の万線が形成されている。
【0018】
図1の(b)は、印刷物1上に、光透過性を有するフィルム2を重ねたことを示す図である。図1の(b)に示されているように、印刷物1上の万線とフィルム2の万線とが所定の角度をなすように、フィルム2を印刷物1上に重ねることにより、以下に示すように線または点を所定の文字、記号または図形などの像に対応するようにずらすことで、所定の文字、記号または図形などの像に対応するモアレが発生し、印刷物1に形成されている所定の文字、記号または図形などの像が現出する。(以下、上記のモアレにより現出する文字、記号、または図形などを「像」と記述する。)モアレが発生していない部分は、フィルム2を印刷物1上に重ねても肉眼では、単なる万線にしか見えない。
【0019】
なお、印刷物1上の所定の角度の万線とフィルム2上の万線とがなす角度が合うように0°近傍に近づけた場合、即ち印刷物1上の所定の角度の万線とフィルム2上の万線とが互いに平行となるように近づけた場合、モアレが発生し、像が現出する。
【0020】
図2、図3、および図4は、本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す図である。以下、図2、図3、図4を用いて、本実施形態における万線の形成領域について以下に説明する。
【0021】
図2には、所定の領域の万線が形成された印刷物3が示されている。印刷物3の中央部分には、円形の像3iが形成されている。図2に示されているように、印刷物3における像3iを除く領域(以下、「バックグランド」と記述する。)に形成された万線と像3iに形成された万線とは、互いに平行となっている。また、バックグランドの万線と像3iの万線とは、万線の垂線方向において、形成位置が異なっている(形成位置にズレが生じている)。
【0022】
なお、印刷物3の万線を形成する各線分の間隔は、バックグランドと像3iとの境界近傍を除いて等しいものとする。
【0023】
また、図3には、所定の領域の万線が形成された印刷物4が示されている。なお、印刷物4における万線と印刷物3における万線とがなす角度は、60°である。印刷物4の中央部分には、四角形状の像4iが形成されている。図3に示されているように、印刷物4におけるバックグランドに形成された万線と像4iに形成された万線とは、互いに平行である。また、バックグランドの万線と像4iの万線とは、万線の垂線方向において、形成位置が異なっている(形成位置にズレが生じている)。
【0024】
なお、印刷物4の万線を形成する各線分の間隔は、バックグランドと像4iとの境界近傍を除いて等しいものとする。また、印刷物4におけるバックグランドと像4iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔は、印刷物3におけるバックグランドと像3iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔と等しいものとする。
【0025】
また、図4には、所定の領域の万線が形成された印刷物5が示されている。なお、印刷物5における万線と印刷物3、4における万線とがなす角度は、それぞれ60°である。印刷物5の中央部分には、三角形状の像5iが形成されている。図4に示されているように、印刷物5におけるバックグランドに形成された万線と像5iに形成された万線とは、互いに平行である。また、バックグランドの万線と像5iの万線とは、万線の垂線方向において、形成位置が異なっている(形成位置にズレが生じている)。
【0026】
なお、印刷物5の万線を形成する各線分の間隔は、バックグランドと像5iとの境界近傍を除いて等しいものとする。また、印刷物5におけるバックグランドと像5iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔は、印刷物3におけるバックグランドと像3iとの境界近傍を除く万線を形成する各線分の間隔と等しいものとする。
【0027】
なお、図2、図3、および図4において、像3i、4i、5iの外周は点線により示されているが、説明の便宜のために示したものであって、実際に点線は存在しない。また、印刷物3、4、5上に形成される像3i、4i、5iは、図により示されるものに限定されず、他の文字、記号または図形であってもよい。
【0028】
印刷物1上には、各像3i、4i、5iが設けられており、それらの各像は、印刷物3、4、5に形成されたものが合成されたものである。図1に示されるように、印刷物1の万線とフィルム2の万線とが所定の角度をなすように、印刷物1とフィルム2とを重ねて相対位置を変化させることにより、モアレが発生し、像3i、4i、5iが現出する。
【0029】
このとき、印刷物1に形成されている万線を形成する各線分の間隔(幅)を0.2〜1.0mmとし、線の太さを0.04〜0.15mmとすることで、当該印刷物1を複写機にて複写した場合、その印刷物1中に形成された像を複写することは困難であり、また、その印刷物1をスキャナー等で読み取ったとしても、像の再現ができず、さらに、その印刷物1をスキャナー等で読み取った像を修正することも困難である。
【0030】
各線分の間隔が0.2mm未満では、像を形成することが困難となり、1.0mm以上では、モアレにより現出する像が不鮮明となって見にくくなり、また、線の太さが0.04mm未満の万線は、印刷により再現しにくく、0.15mm以上では、同一領域に複数の像を同一の印刷濃度となるように形成することが困難となるという問題があった。
【0031】
なお、印刷物1に形成されている万線を網点として形成した場合、各網点の間隔(幅)を0.2〜1.0mmとし、網点の大きさ0.04〜0.15mmとすることで、上述の印刷物1と同様の効果を得ることかできる。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態における印刷物1を形成する基本パターンを示す図である。また、図6は、本発明の一実施形態における印刷物1およびその像3i、4i、5iを示す図である。以下、図5および図6を用いて、本実施形態における印刷物1における万線の形成領域について説明する。
【0033】
図5では、3種類の万線が互いに60°をなすように交差し、印刷物1上には複数の正三角形状の図形が形成され、その正三角形を形成する線分の組み合わせを基本パターンとし、その基本パターンの一辺をずらすようにすることで、各パターンを形成している。
【0034】
図5には、本実施形態における8種類の基本パターンA1と各パターンA2〜A8が示されている。基本パターンA1は、像3i、4i、5iのいずれも生じない領域を構成するものである。
【0035】
図2、図3、および図4を用いて説明したように、印刷物1において、像を形成する万線は、バックグランドを形成する万線と、その万線の垂線方向において形成位置が異なっている。
【0036】
パターンA2は、像3iのみが現出する領域の万線を形成するパターンである。像が現出しない領域の万線を形成する基本パターンA1と比べて、パターンA2は、像3iを形成する万線に相当する線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。なお、パターンA2における点線部分は、基本パターンA1における1本の線分の位置を示している。
【0037】
パターンA3は、像4iのみが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA3は、像4iを形成する万線に相当する1本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0038】
パターンA4は、像5iのみが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA4は、像5iを形成する万線に相当する1本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0039】
パターンA5は、像3i、4iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA5は、像3i、4iを形成する万線に相当する2本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0040】
パターンA6は、像3i、5iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA6は、像3i、5iを形成する万線に相当する2本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0041】
パターンA7は、像4i、5iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA7は、像4i、5iを形成する万線に相当する2本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0042】
パターンA8は、像3i、4i、5iが現出する領域の万線を形成するパターンである。基本パターンA1と比べて、パターンA8は、像3i、4i、5iを形成する万線に相当する3本の線分の位置が三角形の内側(重心側)に移動している。
【0043】
なお、パターンA2〜A8における点線部分は、基本パターンA1における線分の位置を示している。
【0044】
また、基本パターンA1とパターンA2〜A8において、線分により形成される領域の面積(印刷されている面積)の割合は互いに等しい。従って、基本パターンA1とパターンA2〜A8を用いて印刷物1を構成することにより、均一の印刷密度を有する印刷物1を作成することが可能となる。
【0045】
図6は、印刷物3、4、5を重ねて形成された印刷物1を示している。印刷物1の中央部分には、像3i、4i、5iが互いに重なって形成されている。なお、図6では、説明の便宜上、印刷物3、4、5上の万線は省略されている。
【0046】
領域F11は、像3i、4i、5iがいずれも現出しない領域であり、領域F11における万線は、複数の基本パターンA1により形成されている。
【0047】
また、領域F21、F22、F23、F24は、像3iが現出する領域であり、領域F21、F22、F23、F24における万線は、複数のパターンA2により形成されている。
【0048】
また、領域F31、F32、F33は、像4iが現出する領域であり、領域F31、F32、F33における万線は、複数のパターンA3により形成されている。
【0049】
また、領域F41、F42は、像5iが現出する領域であり、領域F41、F42における万線は、複数のパターンA4により形成されている。
【0050】
また、領域F51は、像3iおよび像4iが現出する領域であり、領域F51における万線は、複数のパターンA5により形成されている。
【0051】
また、領域F61、F62は、像3iおよび像5iが現出する領域であり、領域F61、F62における万線は、複数のパターンA6により形成されている。
【0052】
また、領域F71は、像4iおよび像5iが現出する領域であり、領域F71における万線は、複数のパターンA7により形成されている。
【0053】
また、領域F81は、像3i、像4i、および像5iが現出する領域であり、領域F81における万線は、複数のパターンA8により形成されている。
【0054】
図7は、本発明の一実施形態における印刷物6を示す図である。印刷物6は、図5に示されている基本パターンA1と各パターンA2〜A8から構成されている。印刷物6の中央部分には、図8に示す「A」、「B」、および「C」の3種類の像が現出するように基本パターンA1と各パターンA2〜A8を組み合わせたもので、図8の円で囲まれた領域7は、図9に示すように、基本パターンA1と各パターンA3、A7から構成されている。
【0055】
図9において、円で囲まれた領域7は、領域7aと、領域7bと、領域7cと、からなる。領域7aは、像が現出しない領域で基本パターンA1から構成されている。領域7bは、「B」の像が現出する領域でパターンA3から構成されている。領域7cは、「B」および「C」の像が現出する領域でパターンA7から構成されている。なお、例えば、図9に示されているように、「線の太さ」は、万線を形成する各線の太さにより示され、「平行線の幅(間隔)」は、万線を形成する平行線のうち、互いに隣り合う2本の平行線におけるそれぞれの太さ方向の中心間の距離により示されるものとする。また、線の太さは、0.04mmとしてもよく、平行線の幅は、0.2mmとしてもよい。
【0056】
図10は、本発明の一実施形態における印刷物の作成方法を示すフローチャートである。以下、図10に沿って、本実施形態における印刷物の作成方法について説明する。
【0057】
まず、所定数の線分からなる基本パターンとパターンを作成する(ステップS101)。基本パターンとパターンを構成する線分の本数は、現出させる像の数以上とする。次に、像の形状および印刷媒体上に像を現出させる位置を決定する(ステップS102)。次に、印刷媒体上に該当する基本パターンとパターンを配置する(ステップS103)。以上のようにして、印刷物が作成される。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態の変形例における基本パターンおよびパターンを示す図である。図11に示されているような基本パターンB1、パターンB2〜B8を用いて、基本パターンA1、パターンA2〜A8と同様に印刷物を形成してもよい。なお、基本パターンA1、パターンA2〜A8では、線分の交差部分が空白領域(印刷されていない領域)となっているのに対し、基本パターンB1、パターンB2〜B8では、線分の交差部分が印刷領域となっているが、これは、印刷物の印刷濃度に合わせて、図5に示すように印刷物が暗くなるようであれば、各パターンの交差する部分を白抜きとすればよい。
【0059】
また、図12は、本発明の一実施形態の他の変形例における基本パターンおよびパターンを示す図である。図12に示されているような線分が六角形を形成する基本パターンC1、パターンC2〜C7を用いて、印刷物を構成するとしてもよい。基本パターンC1は、印刷物上において像が現出しない領域を構成する基本パターンである。また、パターンC2〜C7は、基本パターンC1における6本の線分のうちの1本をそれぞれ平行に移動させたものである。パターンC2〜C7は、印刷物上で1つの像が現出する領域(2つ以上の像が重なっていない領域)を構成する。
【0060】
なお、図12では省略されているが、2つ以上の像が重なる領域については、重なる像の数だけ線分が平行に移動されたパターンを用いればよい。例えば、基本パターンC1および基本パターンC1の線分を平行に移動させた基本パターンを用いて、印刷物を構成する場合、4個の像が重なる領域は、基本パターンC1を形成する6本の線分のうち4本の線分を平行に移動させたパターンにより構成される。
【0061】
また、図12に示されているような基本パターンD1および基本パターンD1を形成する線分を平行に移動させたパターンを用いて、印刷物を構成するようにしてもよい。基本パターンD1は、8本の線分からなり、その8本の線分は、正八角形を形成する。図12では、基本パターンD1の一辺の線分が平行に移動したパターンは示されていないが、基本パターンD1の一辺を形成する8本の線分のうち何れかの線分がそれぞれ平行に移動した基本パターンを用いて、印刷物を構成することが可能である。
【0062】
本実施形態では、基本パターンおよび基本パターンの一辺をずらしたパターンからなる線分が三角形、六角形、および八角形を形成する場合について説明したが、他の多角形を用いてもよい。また、基本パターンおよび基本パターンの一辺をずらしたパターンからなる線分が形成されるものは、正多角形に限られないが、この場合には、印刷物上には、平行に配置された線または点の幅(間隔)が異なる場合があり、この場合には、それらの幅(間隔)に合わせ平行に配置された線または点を設けたフィルムが必要となる。
【0063】
N本(Nは1以上の整数)の線分により形成される基本パターンを用いて構成された印刷物上における、M個の像が重なった領域のパターンは、像が設けられていない領域の基本パターンを形成するN本の線分のうちM本(Mは1以上N以下の整数)の線分を平行に移動させたパターンにより構成される。
【0064】
また、像が設けられていない領域の基本パターン、およびその基本パターンを形成する線分を平行に移動させたパターンにおいて、各パターン自身が形成されている領域の面積に対する、基本パターンおよび各パターンにおける線分の形成領域の面積の割合は互いに等しい。従って、印刷物は、均一の印刷密度を有している。
【0065】
また、本実施形態では、像を形成した領域において、基本パターンを形成する線分を、各パターンの線分より形成される図形(多角形)の内側(重心側)に平行に移動させたパターンを用いていたが、像の部分の線分は、基本パターンを形成する線分に比べて線分を外側(重心の反対方向)に平行に移動させるようにしてもよい。
【0066】
また、モアレが発生した場合に現出する像は、本実施形態により示した図形に限らず、他の図形であってもよいし、任意の文字、図形または記号であってもよい。
【0067】
なお、本発明の印刷物において、当該印刷物に形成されている像が現出する領域と像が現出しない領域のうち、像が現出しない領域の任意の位置に複写機により複写されない大きさの万線からなる潜像(例えば、特公昭55−45400号公報、特公昭58−47708号公報、特開平4−170569号公報、実開昭63−172673号公報等に記載されている。)を設け、同様に像が現出しない領域の任意の位置に複写機により複写されない大きさの網点からなる潜像(例えば、特公昭55−45400号公報、特公昭58−47708号公報、特開平4−170569号公報、実開昭63−172673号公報等に記載されている。)を設けるようにすることで、当該印刷物の複写機による偽造の痕跡を表すようにすることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、同一領域で複数の像を現出させるような、複雑な万線のパターンを形成する場合においても、予め設定された基本パターンとパターンを印刷物上の該当する領域に、それぞれ形成することにより、複雑な万線のパターンを容易に形成することが可能となる。また、印刷物上の各基本パターンおよびパターンの密度は均等となるため、フィルム2を印刷物上に重ねていない場合に、目視により像を認識することが困難となる。
【0069】
また、本発明の印刷物によれば、当該印刷物を複写機などを用いて複写することによりを偽造を行ったとしても、複数の複雑な形状の像を再現することは困難である。従って、本発明の印刷物を商品券や株券等の有価証券に設けることで、有価証券の偽造を有効に防止することが可能である。
【0070】
また、本発明の印刷物によれば、当該印刷物上に複数の像を設けた場合、印刷物上にフィルム2を重ねて相対的に移動させることにより、印刷物上の所定領域に複数の像を現出させることが可能である。その特徴を用いて、印刷物を、漢字または英単語などの学習用のテキストに利用することができる。例えば、フィルム2を所定の相対位置で印刷物に重ねた場合に「ねこ」の平仮名文字の像が現出し、フィルム2の相対位置を移動させると「ネコ」のカタカナの像または「CAT」のアルファベットの像が現出するといったような物に利用することが可能である。
【0071】
また、本発明の印刷物によれば、当該印刷物上の基本パターンおよびパターンは、万線が形成されていたが、万線に変えて網点を形成しても、本実施形態において説明した効果を実現することが可能である。
【0072】
なお、上記の実施形態は本発明の好適な実施形態の一実施例であり、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【0073】
また、本発明の印刷物において、当該印刷物に形成されている像が現出する領域と像が現出しない領域のうち、像が現出しない領域が平行に配置された線から構成されている領域の任意の位置に複写機により複写されない大きさの万線からなる潜像を設け、同様に像が現出しない領域が平行に配置された点から構成されている任意の位置に複写機により複写されない大きさの網点からなる潜像を設けるようにすることで、当該印刷物の複写機による偽造の痕跡を表すようにすることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、同一の領域に複数の像を現出させるようにしたにもかかわらず、該印刷物上の印刷密度はほぼ均等となるようにしているため、フィルムを印刷物上に重ねていない場合には、肉眼で像が認識することが困難であることから、偽造防止効果の高い有価証券を提供することができる。また、本発明の印刷物に形成されている線または点の幅(間隔)を0.2〜1.0mmとし、線の太さまたは点の大きさを0.04〜0.15mmとすることで、該印刷物を複写機にて複写した場合、その領域の複写が困難となる。
また、本発明の印刷物において、上述した段落番号0067に記載されているように、該印刷物の像が現出する領域以外の領域に複写機により複写されない大きさの万線または網点からなる潜像を併設することで、複写機による複写の痕跡が明らかとなるようにすることで、より、複写防止効果の高い印刷物を提供することができる。
また、本発明の印刷物の他の用途として、偽造防止を施したものに適応する以外に、例えば、同一の領域に同じ意味を持つ「平仮名」、「カタカナ」、「漢字」や「アルファベット」等を現出させることができることから、簡単な構成で学習効果の高い印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態における印刷物およびフィルムを示す図であり、(b)は、本発明の一実施形態における印刷物にフィルムを重ねた状態を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す第1の図である。
【図3】本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す第2の図である。
【図4】本発明の一実施形態における万線が形成された印刷物を示す第3の図である。
【図5】本発明の一実施形態における印刷物を形成する万線の基本パターンおよび各パ
ターンを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における3つの印刷物を重ねて形成された印刷物を示す図
である。
【図7】本発明の一実施形態における他の印刷物を示す図である。
【図8】図7中の像を示す図である。
【図9】図8の円で囲まれた領域7の拡大図である。
【図10】本発明の一実施形態における印刷物の作成方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態の変形例における基本パターンおよび各パターンを示す図
である。
【図12】本発明の一実施形態の他の変形例における基本パターンおよび各パターンを示す図である。
【符号の説明】
1、3〜6 印刷物
2 フィルム
3i、4i、5i 像
7、7a、7b、7c、F11、F21〜F24、F31〜F33、F41、F42、F51、F61、F62、F71 領域
A1〜A8、B1〜B8、C1〜C7、D1 基本パターンおよび各パターン
Claims (5)
- 平行に配置された線または点と、該平行に配置された線または点と所定の角度をなすような他の平行に配置された線または点の組み合わせからなる領域により構成され、
前記平行に配置された線または点の配列に対して同一幅で該複数の平行に配置された線または点が形成された光透過性を有するフィルムを重ねることによって前記平行に配置された線または点の組み合わせからなる領域から像が現出するようにされた印刷物であって、
各々の前記平行に配置された線または点の位置をずらすことによって同一ヶ所に異なる像が現出するようにしたことを特徴とする印刷物。 - 前記印刷物の前記平行に配置された線または点の配列に対して同一幅で該複数の平行に配置された線または点が形成された光透過性を有するフィルムを重ねることによって像が現出する領域は、
前記像が現出しない領域の線または点の位置に対して上下左右の何れかの方向に前記複数の平行に配置された線または点をずらすようにされていることを特徴とする請求項1記載の印刷物。 - 前記印刷物に形成されている前記像が現出する領域と前記像が現出しない領域の面積は、その各々の領域の面積の割合が等しいことを特徴とする請求項1または2記載の印刷物。
- 前記印刷物に形成されている前記像が現出する領域と前記像が現出しない領域は、
少なくとも前記平行に配置された線または点が多角形を構成するように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷物。 - 前記印刷物に形成されている前記平行に配置された線または点の幅(間隔)が0.2〜1.0mm、線の太さまたは点の大きさが0.04〜0.15mmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷物。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007128075A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-24 | Xerox Corp | 像生成体と像を提供する方法 |
JP2008109586A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置および印刷物 |
JP2009066700A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Hiroshima Univ | ロボットハンド |
JP2011093153A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Shojudo Ltd | 偽造防止パターン、偽造防止パターン形成体、スリットフィルム、偽造防止パターン形成方法、及び真偽判別具 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188266A patent/JP2004025740A/ja active Pending
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