JP2004022615A - プラスチックbgaパッケージ - Google Patents
プラスチックbgaパッケージ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004022615A JP2004022615A JP2002172163A JP2002172163A JP2004022615A JP 2004022615 A JP2004022615 A JP 2004022615A JP 2002172163 A JP2002172163 A JP 2002172163A JP 2002172163 A JP2002172163 A JP 2002172163A JP 2004022615 A JP2004022615 A JP 2004022615A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor pattern
- metal conductor
- solder ball
- solder
- bga package
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Abstract
【課題】金属導体パターンの接着面積を大きくすると同時に、側面での接合を確保して接合強度を向上できるプラスチックBGAパッケージを提供する。
【解決手段】樹脂基材11の表面に形成された金属導体パターン13の中心部分を開口とするソルダーレジスト膜16を被覆して設ける半田ボールパッド15を有し、樹脂基材11の上部に実装される半導体素子と電気的導通を有する半田ボールパッド15に半田ボールを介して外部と電気的接続をするボールグリッドアレー型のプラスチックBGAパッケージ10において、金属導体パターン13に1又は複数の溝状の切り欠き部20が設けられ、切り欠き部20は樹脂基材11の表面まで達し、少なくとも一方の端部が半田ボールパッド15の範囲から延設されると共に、金属導体パターン13の範囲を超えることなく 、しかも金属導体パターン13内に周囲を切り欠き部20で孤立する島状パターンを設けない。
【選択図】 図2
【解決手段】樹脂基材11の表面に形成された金属導体パターン13の中心部分を開口とするソルダーレジスト膜16を被覆して設ける半田ボールパッド15を有し、樹脂基材11の上部に実装される半導体素子と電気的導通を有する半田ボールパッド15に半田ボールを介して外部と電気的接続をするボールグリッドアレー型のプラスチックBGAパッケージ10において、金属導体パターン13に1又は複数の溝状の切り欠き部20が設けられ、切り欠き部20は樹脂基材11の表面まで達し、少なくとも一方の端部が半田ボールパッド15の範囲から延設されると共に、金属導体パターン13の範囲を超えることなく 、しかも金属導体パターン13内に周囲を切り欠き部20で孤立する島状パターンを設けない。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、BGA(Ball Grid Array)タイプの半導体素子搭載用のプラスチックパッケージに係り、より詳細には、半田ボールパッドに半田ボールが強固に融着されるプラスチックBGAパッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子は、高集積化技術によって同一の大きさの半導体素子の中に多くの回路の配置が可能となり、更に、大きさも大きくなって高集積化が飛躍的に進んでいる。このような半導体素子を実装するためのパッケージには、パッケージの一面に接合された半田ボールを使用し、入出力端子の数の増加に対応しやすく、安価なBGA(ボールグリッドアレー)型のプラスチックパッケージが多く用いられている。
【0003】
図4に示すように、一般に、従来のプラスチックBGAパッケージ50は、樹脂基材51の一方の面に半導体素子52とボンディングワイヤ53で接続するための多数のボンディングパッド54を有するCu等からなる金属導体パターン55を有している。また、プラスチックBGAパッケージ50は、樹脂基材51の他方の面に外部接続端子の半田ボール56を接合するための多数の半田ボールパッド57を設ける金属導体パターン55を有している。ボンディングパッド54と、半田ボールパッド57とは、金属導体パターン55及びスルーホール導体58を介して接続されている。ボンディングパッド54及び半田ボールパッド57は、金属導体パターン55を含む実質的に樹脂基材51の全面に形成するソルダーレジスト膜59の金属導体パターン55の所定の特定部分を開口部として形成されている。そして、ボンディングパッド54、及び、図5に示すように、半田ボールパッド57には、通常、ボンディング性を高めたり、表面の酸化を防止して半田ボールの加熱溶融の接着性を高めるためにNiめっき60及びAuめっき61が施されている。
【0004】
しかしながら、ソルダーレジスト膜59の開口部で形成される半田ボールパッド57には、ソルダーレジスト膜59の開口部周辺に裾残りが発生する。また、ソルダーレジスト膜59を形成する段階で金属導体パターン55の表面には、ソルダーレジストの残渣が残ったり、金属導体パターン55の表面が酸化したりする。このような形状や状態の中でNIめっき60及びAuめっき61を施した場合、断面視して、半田ボールパッド57の形状がきのこ状となったり、また、金属導体パターン55の表面の異常によって、半田ボールを接合した後、金属導体パターン55とNiめっき60の密着強度が低くなる場合がある。そこで、この密着強度を向上させることを目的として、半田ボールパッド57の接着面積を広げるための穴を金属導体パターンに形成することが特開平10−32280号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のプラスチックBGAパッケージは、次のような問題がある。
金属導体パターンに穴を形成して接着面積を広げると同時に、穴側面での接着によって接合強度を向上させる方法は、半田ボールを接合する時に穴の中の空気を除去しながら接合させることが難しく穴の中に空気を内在させて半田ボールを接合する場合がある。この場合は、金属導体パターンとNiめっきの密着強度は向上することができても、半田ボール自体の接合している面積が減少すると同時に、穴側面での接合がなされないので、半田ボールの接合強度が低下する問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、半田ボールを接合する時に空気を内在させることを少なくして金属導体パターンの接着面積を大きくすると同時に、側面での接合を確保して接合強度を向上できるプラスチックBGAパッケージを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るプラスチックBGAパッケージは、樹脂基材の表面に形成された金属導体パターンの中心部分を開口とするソルダーレジスト膜を被覆して設ける半田ボールパッドを有し、樹脂基材の上部に実装される半導体素子と電気的導通を有する半田ボールパッドに半田ボールからなる外部接続端子を介して外部と電気的接続をするボールグリッドアレー型のプラスチックBGAパッケージにおいて、金属導体パターンに1又は複数の溝状の切り欠き部が設けられ、切り欠き部は断面視して樹脂基材の表面まで達し、平面視して少なくとも一方の端部が半田ボールパッドの範囲から延設されると共に、金属導体パターンの範囲を超えることなく設けられ 、しかも金属導体パターン内に平面視して周囲を切り欠き部で孤立する島状パターンを設けない。これにより、半田ボールを接合させる時に、半田の溶融と共に、半田ボールパッドに形成する切り欠き部に沿って空気が外に押し出され、内部に内在しないので、半田ボールを強固に半田ボールパッドの表面及び切り欠き部側面に接合することができる。また、金属導体パターン内に島状パターンを有さないので、半田ボールパッドには、金属導体パターンを介してNiめっき及びAuめっきを容易に形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージの部分拡大断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの半田ボールパッド部分の部分拡大平面図、A−A’線縦断面図、図3(A)〜(C)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの変形例の半田ボールパッド部分の部分拡大平面図である。
【0008】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージ10は、樹脂基材11にスルーホール12が穿孔加工され、樹脂基材11の表、裏面のそれぞれに、あるいはスルーホール12に形成される金属導体を介して両面を導通状態にする金属導体パターン13を有している。樹脂基材11及び金属導体パターン13の上面には、金属導体パターン13の特定部分、例えば、ボンディングワイヤを接続するためのボンディングパッド14や、半田ボールを接合するための半田ボールパッド15を開口部とするソルダーレジスト膜16有している。ボンディングパッド14及び半田ボールパッド15の上面には、金属導体パターン13に通電して電界めっきで形成するNiめっき17と、Niめっき17の上層にAuめっき18からなるめっき被膜を有している。
【0009】
ここで、図2(A)、(B)に示すように、ソルダーレジスト膜16の開口部19からなる半田ボールパッド15を形成するための金属導体パターン13には、樹脂基材11の表面まで達する溝状(本実施の形態では断面視してU字形)の1又は複数(本実施の形態では5個)の切り欠き部20が設けられている。そして、この切り欠き部20は、少なくとも一方の端部が半田ボールパッド15の範囲から延設すると共に、金属導体パターン13の範囲を超えることなく設けられている。また、半田ボールパッド15を形成する金属導体パターン13内には、平面視して、周囲全周にわたる切り欠き部20によって形成されるような孤立する島状パターンを有していない。
【0010】
次いで、図3(A)〜(C)を参照しながら、切り欠き部20の形状について説明する。
図3(A)に示すように、例えば、複数個の切り欠き部20が半田ボールパッド15の実質的中心部で交差し、両端部が半田ボールパッド15の範囲を超えるものからなるものであってもよい。この場合には、半田ボールパッド15の中心部に載置される実質的に円形からなる半田ボールが加熱溶融と共に、半田ボールパッド15の中心部から外側に向けて順次接合されていくので、切り欠き部20内に気泡を内在させることなく切り欠き部20の側面にも半田ボールを接合することができる。なお、切り欠き部20の個数は特に制限されるものではない。
【0011】
図3(B)に示すように、例えば、複数個の切り欠き部20が迷路のように交差や、分岐をして全ての切り欠き部20を連通させて形成されたものであってもよい。全ての切り欠き部20が連通しているので、半田ボールを切り欠き部20内に気泡を内在させることなく接合することができる。しかしながら、この場合には、半田ボールパッド15内の金属導体パターン13に周囲全周に渡る切り欠き部20によって形成される島状パターンが形成されないことが必要である。この島状パターンには、金属導体パターン13を介して形成する電界めっきによるNiめっき17及びAuめっき18が施せないので、半田ボールを接合することができなくなり、接着面積が少なくなって接合強度が低下する。
【0012】
図3(C)に示すように、例えば、複数個の切り欠き部20が迷路のように交差や、分岐をして全ての切り欠き部20を連通させて形成されたものが複数グループや、複数個の切り欠き部20が迷路のように交差や、分岐をして全ての切り欠き部20を連通させて形成されたものと1個の切り欠き部20との組み合わせで形成されるものであってもよい。この場合には、切り欠き部20を設計するのに自由度があり、島状パターンを形成しないための切り欠き部20を容易に形成することができる。
なお、上記で形成される切り欠き部20の形状は、直線形状や、途中で屈曲を有する直線形状等で形成されるもの以外に、曲線で形成されているものであってもよい。
【0013】
次いで、本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージ10の製造方法を説明する。
樹脂基板11には、樹脂の一例である、BT樹脂(ビスマレイミドトリアジンを主成分にした樹脂)や、エポキシ樹脂等の高耐熱性、誘電特性、絶縁特性、加工性に優れた樹脂が用いられる。樹脂基材11にはCu箔が接合されて形成されており、スルーホール12を形成した後、Cu箔の表面、及びスルーホール12の壁面にパラジウム等の触媒を付与した後、ホルマリンを還元剤とする強アルカリ浴中で化学的に無電界Cuめっきを施す。更に、無電界Cuめっきを電気的導通に使用して、例えば、硫酸銅、ピロリン酸等のめっき浴中で厚付けの電界Cuめっきを施し、Cuからなる金属層を形成する。
【0014】
次に、金属層に金属導体パターン13を形成するために、フォトレジスト法等でエッチングレジスト膜を形成する。このフォトレジスト法によるエッチングレジスト膜の形成方法は、感光性のドライフィルム等からなる樹脂膜を金属層の表面に貼着し、更にその上にパターンマスクを当接し、露光、現像を行って金属導体パターン13となる部分の樹脂膜を硬化させエッチングレジスト膜とし、金属導体パターン13とならない部分の樹脂膜を溶解、除去する。そして、塩化第2鉄溶液、塩化第2銅溶液、アルカリエッチャント、過酸化水素−硫酸系エッチャント等のエッチング液を使用して、エッチングレジスト膜の開口部に露出している金属層をエッチングして除去する。その後、エッチングレジスト膜に剥離液を塗布して膨潤させながら洗い流して剥離し、除去して金属導体パターン13を形成する。なお、半田ボールパッド15に切り欠き部20を形成するためには、上記エッチングレジスト膜の形成に合わせて、切り欠き部20のパターンが開口部となるように、エッチングレジスト膜を形成し、エッチングして除去することで切り欠き部20を形成する。
【0015】
次に、半田ボールパッド15やボンディングパッド14等の以外の露出面には、感光性のソルダーレジストペーストでの印刷や、感光性のソルダーレジストシートでの貼着で形成したソルダーレジストフィルムにフォトリソグラフィ法で露光、現像して半田ボールパッド15やボンディングパッド14等を開口部19とするソルダーレジスト膜16を形成する。なお、ソルダーレジスト膜16には、ソルダーレジストのポリマーに加熱硬化型エポキシ樹脂や、紫外線硬化型アクリレート系樹脂を使用して、ソルダーレジストに要求される永久マスクとしての密着性、半田耐熱性、耐湿性、耐薬品性、電気絶縁特性等の各種特性を確保している。
【0016】
次に、金属導体パターン13を通電経路として、半田ボールパッド15やボンディングパッド14等に、例えば、ワット浴や、スルファミン酸浴等のめっき浴中で電解のNiめっき17、続いてAuめっき浴のめっき浴中で電解のAuめっき18のめっき被膜を形成する。なお、Niめっき17は、Co等を含有させた合金めっきであってもよい。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載のプラスチックBGAパッケージは、金属導体パターンに1又は複数の溝状の切り欠き部が設けられ、切り欠き部は断面視して樹脂基材の表面まで達し、平面視して少なくとも一方の端部が半田ボールパッドの範囲から延設されると共に、金属導体パターンの範囲を超えることなく設けられ 、しかも金属導体パターン内に平面視して周囲を切り欠き部で孤立する島状パターンを設けないので、半田ボールの溶融と共に、切り欠き部に沿って空気が外に押し出され、半田ボールを強固に半田ボールパッドに接合することができる。また、半田ボールパッドには、孤立する島状パターンがなく、金属導体パターンを介してNiめっき及びAuめっきを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージの部分拡大断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの半田ボールパッド部分の部分拡大平面図、A−A’線縦断面図である。
【図3】(A)〜(D)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの変形例の半田ボールパッド部分の部分拡大平面図である。
【図4】従来のプラスチックBGAパッケージの説明図である。
【図5】従来のプラスチックBGAパッケージの半田ボールパッド部分の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10:プラスチックBGAパッケージ、11:樹脂基材、12:スルーホール、13:金属導体パターン、14:ボンディングパッド、15:半田ボールパッド、16:ソルダーレジスト膜、17:Niめっき、18:Auめっき、19:開口部、20:切り欠き部
【発明が属する技術分野】
本発明は、BGA(Ball Grid Array)タイプの半導体素子搭載用のプラスチックパッケージに係り、より詳細には、半田ボールパッドに半田ボールが強固に融着されるプラスチックBGAパッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子は、高集積化技術によって同一の大きさの半導体素子の中に多くの回路の配置が可能となり、更に、大きさも大きくなって高集積化が飛躍的に進んでいる。このような半導体素子を実装するためのパッケージには、パッケージの一面に接合された半田ボールを使用し、入出力端子の数の増加に対応しやすく、安価なBGA(ボールグリッドアレー)型のプラスチックパッケージが多く用いられている。
【0003】
図4に示すように、一般に、従来のプラスチックBGAパッケージ50は、樹脂基材51の一方の面に半導体素子52とボンディングワイヤ53で接続するための多数のボンディングパッド54を有するCu等からなる金属導体パターン55を有している。また、プラスチックBGAパッケージ50は、樹脂基材51の他方の面に外部接続端子の半田ボール56を接合するための多数の半田ボールパッド57を設ける金属導体パターン55を有している。ボンディングパッド54と、半田ボールパッド57とは、金属導体パターン55及びスルーホール導体58を介して接続されている。ボンディングパッド54及び半田ボールパッド57は、金属導体パターン55を含む実質的に樹脂基材51の全面に形成するソルダーレジスト膜59の金属導体パターン55の所定の特定部分を開口部として形成されている。そして、ボンディングパッド54、及び、図5に示すように、半田ボールパッド57には、通常、ボンディング性を高めたり、表面の酸化を防止して半田ボールの加熱溶融の接着性を高めるためにNiめっき60及びAuめっき61が施されている。
【0004】
しかしながら、ソルダーレジスト膜59の開口部で形成される半田ボールパッド57には、ソルダーレジスト膜59の開口部周辺に裾残りが発生する。また、ソルダーレジスト膜59を形成する段階で金属導体パターン55の表面には、ソルダーレジストの残渣が残ったり、金属導体パターン55の表面が酸化したりする。このような形状や状態の中でNIめっき60及びAuめっき61を施した場合、断面視して、半田ボールパッド57の形状がきのこ状となったり、また、金属導体パターン55の表面の異常によって、半田ボールを接合した後、金属導体パターン55とNiめっき60の密着強度が低くなる場合がある。そこで、この密着強度を向上させることを目的として、半田ボールパッド57の接着面積を広げるための穴を金属導体パターンに形成することが特開平10−32280号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のプラスチックBGAパッケージは、次のような問題がある。
金属導体パターンに穴を形成して接着面積を広げると同時に、穴側面での接着によって接合強度を向上させる方法は、半田ボールを接合する時に穴の中の空気を除去しながら接合させることが難しく穴の中に空気を内在させて半田ボールを接合する場合がある。この場合は、金属導体パターンとNiめっきの密着強度は向上することができても、半田ボール自体の接合している面積が減少すると同時に、穴側面での接合がなされないので、半田ボールの接合強度が低下する問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、半田ボールを接合する時に空気を内在させることを少なくして金属導体パターンの接着面積を大きくすると同時に、側面での接合を確保して接合強度を向上できるプラスチックBGAパッケージを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るプラスチックBGAパッケージは、樹脂基材の表面に形成された金属導体パターンの中心部分を開口とするソルダーレジスト膜を被覆して設ける半田ボールパッドを有し、樹脂基材の上部に実装される半導体素子と電気的導通を有する半田ボールパッドに半田ボールからなる外部接続端子を介して外部と電気的接続をするボールグリッドアレー型のプラスチックBGAパッケージにおいて、金属導体パターンに1又は複数の溝状の切り欠き部が設けられ、切り欠き部は断面視して樹脂基材の表面まで達し、平面視して少なくとも一方の端部が半田ボールパッドの範囲から延設されると共に、金属導体パターンの範囲を超えることなく設けられ 、しかも金属導体パターン内に平面視して周囲を切り欠き部で孤立する島状パターンを設けない。これにより、半田ボールを接合させる時に、半田の溶融と共に、半田ボールパッドに形成する切り欠き部に沿って空気が外に押し出され、内部に内在しないので、半田ボールを強固に半田ボールパッドの表面及び切り欠き部側面に接合することができる。また、金属導体パターン内に島状パターンを有さないので、半田ボールパッドには、金属導体パターンを介してNiめっき及びAuめっきを容易に形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージの部分拡大断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの半田ボールパッド部分の部分拡大平面図、A−A’線縦断面図、図3(A)〜(C)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの変形例の半田ボールパッド部分の部分拡大平面図である。
【0008】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージ10は、樹脂基材11にスルーホール12が穿孔加工され、樹脂基材11の表、裏面のそれぞれに、あるいはスルーホール12に形成される金属導体を介して両面を導通状態にする金属導体パターン13を有している。樹脂基材11及び金属導体パターン13の上面には、金属導体パターン13の特定部分、例えば、ボンディングワイヤを接続するためのボンディングパッド14や、半田ボールを接合するための半田ボールパッド15を開口部とするソルダーレジスト膜16有している。ボンディングパッド14及び半田ボールパッド15の上面には、金属導体パターン13に通電して電界めっきで形成するNiめっき17と、Niめっき17の上層にAuめっき18からなるめっき被膜を有している。
【0009】
ここで、図2(A)、(B)に示すように、ソルダーレジスト膜16の開口部19からなる半田ボールパッド15を形成するための金属導体パターン13には、樹脂基材11の表面まで達する溝状(本実施の形態では断面視してU字形)の1又は複数(本実施の形態では5個)の切り欠き部20が設けられている。そして、この切り欠き部20は、少なくとも一方の端部が半田ボールパッド15の範囲から延設すると共に、金属導体パターン13の範囲を超えることなく設けられている。また、半田ボールパッド15を形成する金属導体パターン13内には、平面視して、周囲全周にわたる切り欠き部20によって形成されるような孤立する島状パターンを有していない。
【0010】
次いで、図3(A)〜(C)を参照しながら、切り欠き部20の形状について説明する。
図3(A)に示すように、例えば、複数個の切り欠き部20が半田ボールパッド15の実質的中心部で交差し、両端部が半田ボールパッド15の範囲を超えるものからなるものであってもよい。この場合には、半田ボールパッド15の中心部に載置される実質的に円形からなる半田ボールが加熱溶融と共に、半田ボールパッド15の中心部から外側に向けて順次接合されていくので、切り欠き部20内に気泡を内在させることなく切り欠き部20の側面にも半田ボールを接合することができる。なお、切り欠き部20の個数は特に制限されるものではない。
【0011】
図3(B)に示すように、例えば、複数個の切り欠き部20が迷路のように交差や、分岐をして全ての切り欠き部20を連通させて形成されたものであってもよい。全ての切り欠き部20が連通しているので、半田ボールを切り欠き部20内に気泡を内在させることなく接合することができる。しかしながら、この場合には、半田ボールパッド15内の金属導体パターン13に周囲全周に渡る切り欠き部20によって形成される島状パターンが形成されないことが必要である。この島状パターンには、金属導体パターン13を介して形成する電界めっきによるNiめっき17及びAuめっき18が施せないので、半田ボールを接合することができなくなり、接着面積が少なくなって接合強度が低下する。
【0012】
図3(C)に示すように、例えば、複数個の切り欠き部20が迷路のように交差や、分岐をして全ての切り欠き部20を連通させて形成されたものが複数グループや、複数個の切り欠き部20が迷路のように交差や、分岐をして全ての切り欠き部20を連通させて形成されたものと1個の切り欠き部20との組み合わせで形成されるものであってもよい。この場合には、切り欠き部20を設計するのに自由度があり、島状パターンを形成しないための切り欠き部20を容易に形成することができる。
なお、上記で形成される切り欠き部20の形状は、直線形状や、途中で屈曲を有する直線形状等で形成されるもの以外に、曲線で形成されているものであってもよい。
【0013】
次いで、本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージ10の製造方法を説明する。
樹脂基板11には、樹脂の一例である、BT樹脂(ビスマレイミドトリアジンを主成分にした樹脂)や、エポキシ樹脂等の高耐熱性、誘電特性、絶縁特性、加工性に優れた樹脂が用いられる。樹脂基材11にはCu箔が接合されて形成されており、スルーホール12を形成した後、Cu箔の表面、及びスルーホール12の壁面にパラジウム等の触媒を付与した後、ホルマリンを還元剤とする強アルカリ浴中で化学的に無電界Cuめっきを施す。更に、無電界Cuめっきを電気的導通に使用して、例えば、硫酸銅、ピロリン酸等のめっき浴中で厚付けの電界Cuめっきを施し、Cuからなる金属層を形成する。
【0014】
次に、金属層に金属導体パターン13を形成するために、フォトレジスト法等でエッチングレジスト膜を形成する。このフォトレジスト法によるエッチングレジスト膜の形成方法は、感光性のドライフィルム等からなる樹脂膜を金属層の表面に貼着し、更にその上にパターンマスクを当接し、露光、現像を行って金属導体パターン13となる部分の樹脂膜を硬化させエッチングレジスト膜とし、金属導体パターン13とならない部分の樹脂膜を溶解、除去する。そして、塩化第2鉄溶液、塩化第2銅溶液、アルカリエッチャント、過酸化水素−硫酸系エッチャント等のエッチング液を使用して、エッチングレジスト膜の開口部に露出している金属層をエッチングして除去する。その後、エッチングレジスト膜に剥離液を塗布して膨潤させながら洗い流して剥離し、除去して金属導体パターン13を形成する。なお、半田ボールパッド15に切り欠き部20を形成するためには、上記エッチングレジスト膜の形成に合わせて、切り欠き部20のパターンが開口部となるように、エッチングレジスト膜を形成し、エッチングして除去することで切り欠き部20を形成する。
【0015】
次に、半田ボールパッド15やボンディングパッド14等の以外の露出面には、感光性のソルダーレジストペーストでの印刷や、感光性のソルダーレジストシートでの貼着で形成したソルダーレジストフィルムにフォトリソグラフィ法で露光、現像して半田ボールパッド15やボンディングパッド14等を開口部19とするソルダーレジスト膜16を形成する。なお、ソルダーレジスト膜16には、ソルダーレジストのポリマーに加熱硬化型エポキシ樹脂や、紫外線硬化型アクリレート系樹脂を使用して、ソルダーレジストに要求される永久マスクとしての密着性、半田耐熱性、耐湿性、耐薬品性、電気絶縁特性等の各種特性を確保している。
【0016】
次に、金属導体パターン13を通電経路として、半田ボールパッド15やボンディングパッド14等に、例えば、ワット浴や、スルファミン酸浴等のめっき浴中で電解のNiめっき17、続いてAuめっき浴のめっき浴中で電解のAuめっき18のめっき被膜を形成する。なお、Niめっき17は、Co等を含有させた合金めっきであってもよい。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載のプラスチックBGAパッケージは、金属導体パターンに1又は複数の溝状の切り欠き部が設けられ、切り欠き部は断面視して樹脂基材の表面まで達し、平面視して少なくとも一方の端部が半田ボールパッドの範囲から延設されると共に、金属導体パターンの範囲を超えることなく設けられ 、しかも金属導体パターン内に平面視して周囲を切り欠き部で孤立する島状パターンを設けないので、半田ボールの溶融と共に、切り欠き部に沿って空気が外に押し出され、半田ボールを強固に半田ボールパッドに接合することができる。また、半田ボールパッドには、孤立する島状パターンがなく、金属導体パターンを介してNiめっき及びAuめっきを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプラスチックBGAパッケージの部分拡大断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの半田ボールパッド部分の部分拡大平面図、A−A’線縦断面図である。
【図3】(A)〜(D)はそれぞれ同プラスチックBGAパッケージの変形例の半田ボールパッド部分の部分拡大平面図である。
【図4】従来のプラスチックBGAパッケージの説明図である。
【図5】従来のプラスチックBGAパッケージの半田ボールパッド部分の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10:プラスチックBGAパッケージ、11:樹脂基材、12:スルーホール、13:金属導体パターン、14:ボンディングパッド、15:半田ボールパッド、16:ソルダーレジスト膜、17:Niめっき、18:Auめっき、19:開口部、20:切り欠き部
Claims (1)
- 樹脂基材の表面に形成された金属導体パターンの中心部分を開口とするソルダーレジスト膜を被覆して設ける半田ボールパッドを有し、前記樹脂基材の上部に実装される半導体素子と電気的導通を有する前記半田ボールパッドに半田ボールからなる外部接続端子を介して外部と電気的接続をするボールグリッドアレー型のプラスチックBGAパッケージにおいて、
前記金属導体パターンに1又は複数の溝状の切り欠き部が設けられ、該切り欠き部は断面視して前記樹脂基材の表面まで達し、平面視して少なくとも一方の端部が前記半田ボールパッドの範囲から延設されると共に、前記金属導体パターンの範囲を超えることなく設けられ 、しかも前記金属導体パターン内に平面視して周囲を前記切り欠き部で孤立する島状パターンを設けないことを特徴とするプラスチックBGAパッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002172163A JP2004022615A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | プラスチックbgaパッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002172163A JP2004022615A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | プラスチックbgaパッケージ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004022615A true JP2004022615A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31171796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002172163A Pending JP2004022615A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | プラスチックbgaパッケージ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004022615A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100711966B1 (ko) | 2005-10-07 | 2007-05-02 | 삼성전기주식회사 | 패키지 기판, 반도체 패키지 및 반도체 패키지 제작방법 |
WO2009084127A1 (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-09 | Onamba Co., Ltd. | 端子板回路 |
TWI408756B (zh) * | 2006-07-12 | 2013-09-11 | Athlete Fa Corp | Ball filling device and method |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172163A patent/JP2004022615A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100711966B1 (ko) | 2005-10-07 | 2007-05-02 | 삼성전기주식회사 | 패키지 기판, 반도체 패키지 및 반도체 패키지 제작방법 |
TWI408756B (zh) * | 2006-07-12 | 2013-09-11 | Athlete Fa Corp | Ball filling device and method |
WO2009084127A1 (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-09 | Onamba Co., Ltd. | 端子板回路 |
JP4927163B2 (ja) * | 2007-12-28 | 2012-05-09 | オーナンバ株式会社 | 端子板回路 |
US9197155B2 (en) | 2007-12-28 | 2015-11-24 | Onamba Co., Ltd. | Terminal plate circuit |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3895303B2 (ja) | メッキリード線を使用しないパッケージ基板の製造方法 | |
JP2002289739A (ja) | 樹脂封止型半導体装置および半導体装置用回路部材とその製造方法 | |
EP1213756A3 (en) | Fabrication process of semiconductor package and semiconductor package | |
US20090095508A1 (en) | Printed circuit board and method for manufacturing the same | |
JP3934104B2 (ja) | ボールグリッドアレイ基板の作製方法 | |
US20040040856A1 (en) | Method for making plastic packages | |
JPH11163024A (ja) | 半導体装置とこれを組み立てるためのリードフレーム、及び半導体装置の製造方法 | |
JP2004022615A (ja) | プラスチックbgaパッケージ | |
JP2003224230A (ja) | プラスチックパッケージ及びその製造方法 | |
JP2002198461A (ja) | プラスチックパッケージ及びその製造方法 | |
JP4286965B2 (ja) | 配線部材の製造方法 | |
JP2004165238A (ja) | プラスチックパッケージ及びその製造方法 | |
JPH0997868A (ja) | リードフレーム部材及びその製造方法 | |
JP3585660B2 (ja) | 表面実装型半導体装置の製造方法 | |
JP3992877B2 (ja) | 樹脂封止型半導体装置の製造方法 | |
JPH09116045A (ja) | リードフレームを用いたbgaタイプの樹脂封止型半導体装置およびその製造方法 | |
JP2005191131A (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP4390930B2 (ja) | 積層配線基板とその製造方法、及び半導体装置 | |
JP2002270714A (ja) | プラスチックパッケージの製造方法 | |
JP2005252047A (ja) | 半導体装置 | |
JP4390908B2 (ja) | 配線部材の製造方法 | |
JP3884552B2 (ja) | 半導体装置とそれに用いられる回路部材および半導体装置の製造方法 | |
JP2001298117A (ja) | プラスチックパッケージの製造方法 | |
JP2009246066A (ja) | 多数個取り配線基板 | |
KR20090016257A (ko) | 도금 인입선이 제거된 패키지 기판 및 그 제조 방법 |