JP2004022306A - リチウム電池用負極及び該リチウム電池用負極の製造方法 - Google Patents

リチウム電池用負極及び該リチウム電池用負極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充・放電のサイクル寿命が500サイクルのリチウム電池用負極及び該リチウム電池用負極の製造方法を提供する。
【解決手段】銅箔からなる集電体層と該集電体層の片面若しくは両面に積層されているAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層と該中間層上に積層されているSn又はSn合金からなる活物質層とによって構成されているリチウム電池用負極において、前記集電体層と前記中間層との界面に該集電体層のCuと該中間層の元素とが相溶している合金相が形成されていると共に、前記中間層と前記活物質層との界面に該中間層の元素と該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相が形成されているリチウム電池用負極。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム電池用負極及び該リチウム電池用負極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、リチウム電池は高電圧でしかも軽量であることから携帯電話機等の携帯用電子機器の電源として使用されている。本発明者等は、当該リチウム電池に用いられる集電体と活物質とから構成される負極(以下、「リチウム電池用負極」という。)について研究を行い、銅箔からなる集電体層の片面若しくは両面に活物質とするSn又はSn合金を被覆させた後に非酸化性ガス雰囲気中において熱処理して該集電体と該活物質との界面に集電体のCuと活物質のSn又はSn合金とが相溶している合金相を形成させるリチウム電池用負極の製造方法を開発した(特願2001−321626 )。
【0003】
前記製造方法によれば、集電体と活物質との界面に該集電体のCuと該活物質のSn又はSn合金とが相溶している合金相が形成されるため、銅箔にSnやSn合金の電気めっき層の活物質を形成してなる負極において問題となっていた該活物質の剥離・脱落を可及的に防止することができ、充・放電のサイクル寿命が300 サイクル程度と比較的長いリチウム電池用負極を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、使用頻度が極めて高く、毎日のように充電を行う必要のある携帯電話機などの携帯用電子機器に関しては、充・放電のサイクル寿命がより長い電池の開発が必要とされている。
【0005】
そこで、本発明は、充・放電のサイクル寿命がより長いリチウム電池用負極、具体的には、充・放電のサイクル寿命が500 サイクル以上のリチウム電池用負極を提供することを技術的課題とする。
【0006】
本発明者等は、充・放電のサイクル寿命がより長いリチウム電池用負極及び該リチウム電池用負極の製造方法を開発すべく、先ず、前記製造方法によるリチウム電池用負極について詳細に調べた結果、当該リチウム電池用負極における充・放電のサイクル寿命が最長約300 サイクルに止まり、これ以上長くならないのは、製造過程において熱処理を行った際に、活物質中のSnが該活物質と集電体との界面のみならず該集電体の内部にまで拡散して傾斜合金を形成するため、当該活物質中のSnが減少することが原因であると推察するに至った。
【0007】
そして、本発明者等は、前記推察に基づき、さらなる研究・実験を重ねた結果、銅箔からなる集電体層とSn又はSn合金からなる活物質層との間にAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層を積層すれば、製造過程において熱処理を行っても、該活物質層中のSnの拡散が該中間層の存在により抑制され、当該活物質層中のSnの減少が防止されるため、充・放電のサイクル寿命が500 サイクルのリチウム電池用負極を得ることができるという刮目すべき知見を得、前記技術的課題を達成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0009】
即ち、本発明に係るリチウム電池用負極は、銅箔からなる集電体層と該集電体層の片面若しくは両面に積層されているAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層と該中間層上に積層されているSn又はSn合金からなる活物質層とによって構成されているリチウム電池用負極において、前記集電体層と前記中間層との界面に該集電体層のCuと該中間層の元素とが相溶している合金相が形成されていると共に、前記中間層と前記活物質層との界面に該中間層の元素と該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相が形成されているものである。
【0010】
また、本発明は、前記リチウム電池用負極において、中間層がAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる単一被膜若しくは多重被膜のものである。
【0011】
また、本発明は、前記いずれかのリチウム電池用負極において、中間層全体の厚さが0.1 〜2μmのものである。
【0012】
また、本発明は、前記いずれかのリチウム電池用負極において、中間層全体の厚さと活物質層の厚さとの合計が10μm以下のものである。
【0013】
さらに、本発明に係るリチウム電池用負極の製造方法は、銅箔からなる集電体層の片面若しくは両面にAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層を積層させ、該中間層上にSn又はSn合金からなる活物質層を積層させた後、非酸化性ガス雰囲気中若しくは真空中において200 〜300 ℃で熱処理して該集電体層と該中間層との界面に当該集電体層のCuと当該中間層の元素とが相溶している合金相を形成させると共に、該中間層と該活物質層との界面に当該中間層の元素と当該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相を形成させるものである。
【0014】
また、本発明は、前記リチウム電池用負極の製造方法において、中間層としてAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる単一被膜を積層するか、或いは、多重被膜を積層するものである。
【0015】
また、本発明は、前記いずれかのリチウム電池用負極の製造方法において、中間層全体の厚さが0.1 〜2μmのものである。
【0016】
また、本発明は、前記いずれかのリチウム電池用負極の製造方法において、中間層全体の厚さと活物質層の厚さとの合計が10μm以下のものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
実施の形態1.
【0019】
本実施の形態に係るリチウム電池用負極は、銅箔からなる集電体層と該集電体の片面又は両面に積層されているAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層と該中間層上に積層されているSn又はSn合金からなる活物質層とから構成されており、前記集電体層と前記中間層との界面に該集電体層のCuと該中間層の元素とが相溶している合金相が形成されていると共に、前記中間層と前記活物質層との界面に該中間層の元素と該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相が形成されているものである。
【0020】
集電体層とする銅箔は、電解法若しくは圧延法により厚さ4〜35μm、好ましくは10〜20μmに形成すれば、薄い負極を得ることができるので、同じ収納内積の電池容器内に、より広い表面積の負極を納めることができる。また、銅箔の両面に中間層及び活物質層を積層する場合には、銅箔はなるべく薄い方が良い。なお、電解法により作製した銅箔には、ドラム側に形成される平滑面(光沢面)と電解液側に形成される粗面(マット面)とがあり、いずれの面も使用可能であるが、粗面上に中間層を積層すれば、銅箔と中間層との付着力はより強固になる。
【0021】
中間層は、Ag,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなり、Liと反応する元素は放電容量を高める働きがある。
【0022】
また、中間層は、集電体層上に一層積層した単一被膜であってもよく、二層以上積層した多重被膜であってもよい。なお、多重被膜とする場合には、各被膜毎に該各被膜を形成する前記元素を変更してもよい。但し、中間層全体の厚みが0.1 μm未満であると、製造過程において熱処理を行った際に、活物質層中のSnが該中間層を通過して集電体層にまで拡散するため、該活物質層中のSnが減少して充・放電のサイクル寿命が短くなる傾向にあり、また、中間層全体の厚みが2μmを越えると、AgやAlなどの元素はLiと反応するため、充・放電を繰り返すと微細化して中間層が集電体層から剥がれてしまい充・放電のサイクル寿命が短くなる傾向にあるので、中間層全体の厚みは0.1 〜2μmが好適である。
【0023】
また、中間層全体の厚みと活物質層の厚みとの合計が10μmを越えると、完成したリチウム電池用負極をドラム状に巻き取ることが困難となるため、中間層全体の厚みと活物質層の厚みとの合計は10μm以下が好適であり、従って、活物質層の厚みは9.9 μm未満となる。なお、活物質層の厚みを薄くするほど高い放電容量が得られる傾向にある。
【0024】
活物質とするSn合金は、SnとAg,Al,Si,Bi,Cu,Ni,Co,Mn,Ti,Mg,Zn,Sb及びFeから選ばれる一種又は二種以上とからなるものであればよく、これらの金属を用いれば充・放電によって起こるSnの膨張・収縮による電池特性の低下を防止できることを確認している。なお、Ag,Al,Si,Bi,Mg,Zn及びSbはLiイオンの吸蔵放出が可能で活物質として働き、Liと反応しにくいCu,Ni,Co,Mn,Ti及びFeは電池寿命を向上させる。また、Sn合金は、金属間化合物であることが好ましく、CuSn,AgSn ,NiSn,NiSn等を使用することができる。さらに、Sn合金に含まれる一種又は二種以上の前記金属含有率は、所望の電池特性に応じて適宜選択することができる。
【0025】
中間層又は活物質層を積層する方法としては、めっき法、スパッタ法又は真空蒸着法があり、該めっき法としては、電気めっき法、溶融めっき法又は無電解めっき法などがある。当該積層方法は、製造効率や所望の電池特性に合わせて適宜選択することができる。
【0026】
なお、中間層を積層する際には、Al,Si,Ti,Mn,Mg又はSbなどの元素はめっきが困難であるため、スパッタ法や真空蒸着法を用いるのが好ましく、Ag,Co,Ni,Fe及びZnから選ばれる元素は、電気めっき法を用いて積層することができる。
【0027】
また、活物質層を積層する際に、溶融めっき法を用いる場合には、Snと低融点合金を造るものであればよいから、Sn合金はSnとAg,Al,Si,Bi,Cu,Ni,Co,Mn,Ti,Mg及びZnから選ばれる一種又は二種以上とからなるものがよく、例えば、Sn−Ag合金の場合には、合金中のSn成分20〜96質量%に対してAg成分80〜4質量%とすればよい。さらに、スパッタ法又は真空蒸着法を用いる場合には、SnとAg,Sb,Fe,Al,Si,Bi,Cu及びCoから選ばれる一種又は二種以上とからなるものがよく、例えば、SnCu−Ag合金の場合には、合金中のSnCu成分96〜99質量%に対してAg成分4〜1質量%とすればよい。
【0028】
各層間に形成されている合金相は、集電体層上に中間層を積層し、該中間層上に活物質層を形成した後、水素ガス、アルゴンガスなどの非酸化性ガス雰囲気中若しくは真空中において温度200 〜300 ℃で60〜5分間熱処理すれば、集電体層と中間層との界面に該集電体層のCuと該中間層の元素とが相溶して形成され、また、中間層と活物質層との界面に該中間層の元素と該活物質層のSn又はSn合金とが相溶して形成される。
【0029】
また、電解法により作製した銅箔からなる集電体層は、銅結晶が縦に並んでいるため、熱処理時に該銅箔上に積層される中間層の元素が粒界に拡散するので、銅箔に強固に接合した合金相を形成することができる。
【0030】
一方、圧延法により作製した銅箔からなる集電体層は、銅結晶が圧延方向に並んでいるため、高い温度で熱処理することができ、各層間の接合が強固になって充・放電のサイクル寿命を向上させることができ、さらに、圧延銅箔からなる負極は、銅箔の銅結晶が圧延方向に並んでいるので、負極を密に丸めても、また、鋭角に丸めても割れにくく、小型の円筒状電池に用いることができる。
【0031】
本実施の形態によれば、集電体層と中間層との界面に該集電体層のCuと該中間層の元素とが相溶している合金相が形成されていると共に、中間層と活物質層との界面に該中間層の元素と該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相が形成されているので、各層間が強固に接合されており、充・放電による中間層及び活物質層の剥離・脱落が防止され、充・放電のサイクル寿命が向上する。
【0032】
実施の形態2.
【0033】
本実施の形態に係るリチウム電池用負極の製造方法は、銅箔からなる集電体層の片面又は両面にAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層を積層させ、該中間層上にSn又はSn合金からなる活物質層を積層させた後、非酸化性ガス雰囲気中若しくは真空中において200 〜300 ℃で熱処理して該集電体層と該中間層との界面に当該集電体層のCuと当該中間層の元素とが相溶している合金相を形成させると共に、該中間層と該活物質層との界面に当該中間層の元素と当該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相を形成させるものである。
【0034】
溶融めっき法により中間層又は活物質層を積層させる場合には、積層面にフラックスを塗布しておけば、中間層の元素又は活物質層のSn又はSn合金をより均一に薄く、そして素早く積層することができる。フラックスは半田付けに用いられる松ヤニを溶剤で溶かしたものであってもよいが、作業環境上やフラックス残を洗浄する必要があることから水性フラックスを用いるのが好ましい。また、溶融めっき条件は製造効率と所望の電池特性に合わせて適宜選定すればよい。
【0035】
また、スパッタ法又は真空蒸着法により中間層若しくは活物質層を積層させる場合には、中間層の元素又は活物質層のSn又はSn合金が銅箔に密に積層されるので、より高い充填密度の中間層若しくは活物質層を得ることができる。また、活物質層を積層させる場合に金属を単独で、即ち、例えばSnとCuとを交互にスパッタして熱処理をすれば、SnとCuとにより金属間化合物が形成される。なお、積層条件は製造効率と所望の電池特性に合わせて適宜選択すればよく、コスト削減を重視する場合には積層速度の早い真空蒸着法を用いればよい。
【0036】
非酸化性ガスとしては、水素ガス等の還元性ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを用いればよい。なお、還元性ガスを用いれば、負極の表面酸化膜等が取り除かれるのでより好ましい。
【0037】
熱処理温度が200 ℃未満であると、各層を形成する物質が十分に溶けないため、該各層間に合金相が形成され難く、また、熱処理温度が300 ℃を越えると、活物質層中のSnが中間層を通過して集電体層にまで拡散してしまうので、熱処理温度は200 〜300 ℃が好適である。なお、熱処理時間は、中間層の元素や活物質層のSn又はSn合金の種類、各層の厚み及び非酸化性ガスの種類などによって適宜選定すればよく、例えば、水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で熱処理する場合には、活物質層中のSnの拡散が速く進行するため、熱処理時間を5分間とするのが好ましく、また、アルゴンガス雰囲気中にて200 ℃で熱処理する場合には、活物質層中のSnの拡散がゆっくり進行するため、熱処理時間を60分間とするのが好ましい。
【0038】
本実施の形態によれば、集電体層上に中間層を積層し、該中間層上に活物質層を積層した後に熱処理を行うので、該活物質層中のSnの拡散が該中間層の存在によって抑制され、該活物質層中のSnの減少を防止することができ、500 サイクル以上の間高い放電容量を保持し続ける充・放電のサイクル寿命が長いリチウム電池用負極を得ることができる。
【0039】
【実施例】
【0040】
実施例1.
【0041】
電解法により作製した純度99.9%、厚さ16μm、200 ×250mm の銅箔を用意した。次に、真空蒸着装置(品番 EBH−6 :日本真空技術株式会社製)を用いて形成した1.33×10−3Paの真空中にてAgを電圧50V で昇華して前記銅箔の片面に厚さ0.2 μmの中間層を蒸着させた後、前記条件にて該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。
【0042】
続いて、前記積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度250 ℃で5分間熱処理してリチウム電池用負極材料を得た。
【0043】
前記リチウム電池用負極材料の集電体層と中間層との界面には、CuとAgとが相溶している合金相が形成されると共に、該中間層と活物質層との界面には、AgとCuSnとが相溶している合金相が形成されていた。
【0044】
次に、前記リチウム電池用負極材料をポンチで打ち抜いて直径11mmの円形ディスクを作成して試験用負極を得た。
【0045】
ドライボックス中にて前記試験用負極を作用極とし、円形に打ち抜いた金属リチウム箔を対極として該作用極と該対極との間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレータを挟み、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとを体積比1:2で混合した溶媒1リットルに対してLiPF6 を1mol 溶解した電解液を用いてコイン型試験用セルを作製した。
【0046】
実施例2.
【0047】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例1と同様にして該銅箔上にAlからなる厚さ0.2 μmの中間層を蒸着させた後、該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0048】
実施例3.
【0049】
圧延法により作製した純度99.9%、厚さ15μm、200 ×250mm の銅箔を用意した。次に、スパッタリング装置(品番 SH−350:日本真空技術株式会社製)を用いて1.33×10−3Paの真空を形成した後に該真空内にアルゴンガスをスパッタ圧力(0.133Pa )まで導入し、該アルゴンガス雰囲気中にてSiを電圧600 〜1000V 、電流15A でスパッタして該銅箔上に厚さ0.2 μmの中間層を積層させた外は、前記実施例1と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0050】
実施例4.
【0051】
前記実施例3と同じ銅箔を用意し、該銅箔を温度54〜65℃、pH3〜4の硫酸亜鉛めっき浴(硫酸亜鉛375g/l、硫酸ナトリウム70g/l 及び硫酸マグネシウム60g/l を組成とするめっき浴)に浸し、陰極電流密度25〜40A/dm2 にて該銅箔上にZnからなる厚さ0.2 μmの中間層を電気めっきした外は、前記実施例1と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0052】
実施例5.
【0053】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、該銅箔をアンモニア錯体浴(Agを88g/l 含有するめっき浴)に浸して該銅箔上にAgからなる厚さ0.5 μmの第一被膜(中間層)を無電解めっきし、次に、電子ビーム蒸着装置(品番 EBX−16C :株式会社アルバック製)を用いて形成した1.33×10−3Paの真空中にてEB出力5kW条件下で該第一被膜上にCoからなる厚さ0.5 μmの第二被膜(中間層)を蒸着させ、続いて、スパッタリング装置(品番 SH−350:日本真空技術株式会社製)を用いて1.33×10−3Paの真空を形成した後に該真空内にアルゴンガスをスパッタ圧力(0.133Pa )まで導入し、該アルゴンガス雰囲気中にてCuSnを電圧600 〜1000V 、電流15A でスパッタして該第二被膜上に厚さ1.0 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0054】
実施例6.
【0055】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例5と同様にして該銅箔上にAgからなる厚さ0.5 μmの第一被膜(中間層)を無電解めっきし、次に、真空蒸着装置(品番 EBH−6 :日本真空技術株式会社製)を用いて形成した1.33×10−3Paの真空中にてZnを電圧50V で昇華して該第一被膜上に厚さ0.5 μmの第二被膜(中間層)を蒸着させ、続いて、前記実施例5と同様にして該第二被膜上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0056】
実施例7.
【0057】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、無電解ニッケルメッキ液(品名 エスダイヤN−5 :佐々木化学薬品株式会社製)と蒸留水とを体積比1:4で混合して作製した温度90〜95℃のめっき浴に該銅箔を浸して該銅箔上にNiからなる厚さ1.0 μmの中間層を無電解めっきした後、スパッタリング装置(品番 SH−350:日本真空技術株式会社製)を用いて1.33×10−3Paの真空を形成した後に該真空内にアルゴンガスをスパッタ圧力(0.133Pa )まで導入し、該アルゴンガス雰囲気中にてCuSnを電圧600 〜1000V 、電流15A でスパッタして該第二被膜上に厚さ0.5 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、当該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で5分間熱処理した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0058】
実施例8.
【0059】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、該銅箔を温度40℃、pH2.0 〜2.5 の硫酸第一鉄浴(Feを250 〜300g/l含有するめっき浴)に浸し、電流密度4A/dm にて該銅箔上にFeからなる厚さ1.0 μmの中間層を電気めっきした外は、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ0.5 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、当該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で5分間熱処理した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0060】
実施例9.
【0061】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例3と同様にして該銅箔上にSbからなる厚さ0.5 μmの中間層を積層した後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ0.5 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、当該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で5分間熱処理した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0062】
実施例10.
【0063】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例3と同様にして該銅箔上にTiからなる厚さ0.5 μmの中間層を積層した後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ0.3 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、当該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で5分間熱処理した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0064】
実施例11.
【0065】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例1と同様にして該銅箔上にMnからなる厚さ0.2 μmの中間層を蒸着した後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ0.1 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、当該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で5分間熱処理した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0066】
実施例12.
【0067】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例3と同様にして該銅箔上にMgからなる厚さ0.2 μmの中間層を積層した後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ0.3 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、当該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で5分間熱処理した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0068】
比較例1.
【0069】
前記実施例1と同じの銅箔を用意し、前記実施例1と同様にして該銅箔上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0070】
次に、前記実施例1〜12及び前記比較例1の試験用セルを用いて放電容量実験を行った。放電容量実験方法は、先ず、充電電流密度を0.2mA/cm2 で充電終止電圧が0V (Li/Li + )になるまで充電し、次に、10分間休止した後、放電電流密度0.2mA/cm2 で放電終止電圧が1.0V(Li/Li + )になるまで放電し、再び10分間休止し、この充・放電を1サイクルとして充・放電を繰り返して500 サイクル後の放電容量を測定した。その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 2004022306
【0072】
表1より、集電体層と活物質層との間に中間層を設けた試験用負極を用いた実施例1〜12の試験用セルでは、500 サイクル後の放電容量がいずれも電池として使用可能な300mAh/g以上に維持されていたが、中間層を設けていない試験用負極を用いた比較例1の試験用セルでは、500 サイクル後の放電容量が300mAh/g未満に低下していた。
【0073】
実施例13.
【0074】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、電子ビーム蒸着装置(品番 EBX−16C :株式会社アルバック製)を用いて形成した1.33×10−3Paの真空中にてEB出力5kW条件下で該銅箔上にCoからなる厚さ0.1 μmの中間層を蒸着させた外は、前記実施例1と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0075】
実施例14.
【0076】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例13と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ1.0 μmの中間層を蒸着させた後、前記実施例1と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0077】
実施例15.
【0078】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、該銅箔を温度50℃、pH4.5 〜5.0 のスルファミン酸コバルト浴に浸し、電流密度2A/dm2 にて該銅箔上にCoからなる厚さ1.0 μmの中間層を電気めっきした外は、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0079】
実施例16.
【0080】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例13と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ1.0 μmの中間層を蒸着させた後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0081】
実施例17.
【0082】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例3と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ1.0 μmの中間層を積層させた後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0083】
実施例18.
【0084】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例15と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ2.0 μmの中間層を電気めっきした後、前記実施例1と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0085】
実施例19.
【0086】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例15と同様にして該銅箔上にCoとからなる厚さ2.0 μmの中間層を電気めっきした後、該中間層上にフラックスを塗布し、Sn−40重量%Cu(CuSn組成)を溶融した溶融めっき温度700 ℃のめっき浴に該中間層が積層された銅箔を1秒間デップして該中間層上にCuSnからなる平均厚さ8.0 μmの活物質層を溶融めっきして積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0087】
比較例2.
【0088】
前記実施例1と同じの銅箔を用意し、前記実施例13と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ0.055 μmの中間層を蒸着させた後、前記実施例1と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0089】
比較例3.
【0090】
前記実施例1と同じの銅箔を用意し、前記実施例15と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ3.0 μmの中間層を電気めっきした後、前記実施例1と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ1.0 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0091】
比較例4.
【0092】
前記実施例1と同じの銅箔を用意し、前記実施例15と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ5.0 μmの中間層を電気めっきした後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ6.0 μmの活物質層を積層させて積層シートを得た。そして、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0093】
次に、前記実施例13〜19及び比較例2〜4の試験用セルを用いて前記放電容量実験と同様の実験を行った。その結果を表2に示す。
【0094】
【表2】
Figure 2004022306
【0095】
表2より、実施例13〜19の試験用セルは、いずれも試験用負極における中間層の厚さが0.1 〜2.0 μmの範囲内にあり、かつ、中間層と厚さと活物質層の厚さとの合計が10μm以下の範囲内にあるため、500 サイクル後の放電容量がいずれも300mAh/g以上に保持されていたが、比較例2〜4の試験用セルは、いずれも試験用負極における中間層の厚さが前記範囲外にあるため、500 サイクル後の放電容量がいずれも300mAh/gに低下しており、さらに、中間層と厚さと活物質層の厚さとの合計が前記範囲外にある比較例4に関しては、500 サイクル後の放電容量が260mAh/gにまで低下していた。
【0096】
実施例20〜22.
【0097】
前記実施例16と同様にして3枚の積層シートを得た後、それぞれの積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度200 ℃で60分間、温度250 ℃で30分間又は温度300 ℃で5分間熱処理して3枚のリチウム電池用負極材料を得た外は、前記実施例1と同様にして3個のコイン型試験用セルを作製した。
【0098】
比較例5.
【0099】
前記実施例16と同様にして積層シートを得た後、該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度350 ℃で5分間熱処理してリチウム電池用負極材料を得た外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0100】
次に、前記実施例20〜22及び比較例5の試験用セルを用いて前記放電容量実験と同様の実験を行った。その結果を表3に示す。
【0101】
【表3】
Figure 2004022306
【0102】
表3より、実施例20〜22の試験用セルは、熱処理温度を200 〜300 ℃の範囲内に設定して作製した試験用負極を用いているため、500 サイクル後の放電容量がいずれも300mAh/g以上に保持されていたが、比較例5の試験用セルは、熱処理温度を前記範囲外に設定して作製した試験用負極を用いているため、500 サイクル後の放電容量が300mAh/g未満に低下していた。
【0103】
実施例23.
【0104】
前記実施例1と同じ銅箔を用意し、前記実施例13と同様にして該銅箔上にCoからなる厚さ1.0 μmの中間層を蒸着させた後、前記実施例7と同様にして該中間層上にCuSnからなる厚さ0.1 μmの活物質層を蒸着させて積層シートを得た。そして、当該積層シートを水素ガス雰囲気中にて温度300 ℃で5分間熱処理した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0105】
比較例6.
【0106】
前記実施例23と同様にして積層シートを得た後、該積層シートに熱処理を行うことなくポンチで打ち抜いて直径11mmの円形ディスクを作成した外は、前記実施例1と同様にしてコイン型試験用セルを作製した。
【0107】
次に、前記実施例23及び比較例6の試験用セルを用いて前記放電容量実験と同様の実験を行った。該実験中に1サイクル毎に放電容量を測定した結果を図1に示す。
【0108】
図1より、熱処理を行った試験用負極を用いた実施例23の試験用セルでは、1〜500 サイクルの間常に300mAh/g以上の高い放電容量に維持されており、500 サイクル後の放電容量は350mAh/gであったが、熱処理を行っていない試験用負極を用いた比較例6の試験用セルでは、約100 サイクル以降の放電容量は300mAh/g未満に低下していた。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば、銅箔からなる集電体層とSn又はSn合金からなる活物質層との間にAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層を積層したので、各層間に合金相を形成するために熱処理を行っても、当該中間層の存在によって活物質層中のSnの拡散が少なくなるように抑制されるため、活物質層中のSnの減少が防止され、また、各層間に合金相が形成されるため、該各層間の接合が強固されて充・放電による中間層又は活物質層の剥離・脱落が防止されるので、500 サイクル以上の充・放電サイクル寿命を有するリチウム電池用負極を提供することができる。
【0110】
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電容量実験において放電容量を1サイクル毎に測定した結果をプロットした図である。

Claims (8)

  1. 銅箔からなる集電体層と該集電体層の片面若しくは両面に積層されているAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層と該中間層上に積層されているSn又はSn合金からなる活物質層とによって構成されているリチウム電池用負極において、前記集電体層と前記中間層との界面に該集電体層のCuと該中間層の元素とが相溶している合金相が形成されていると共に、前記中間層と前記活物質層との界面に該中間層の元素と該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相が形成されていることを特徴とするリチウム電池用負極。
  2. 中間層がAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる単一被膜若しくは多重被膜である請求項1記載のリチウム電池用負極。
  3. 中間層全体の厚さが0.1 〜2μmである請求項1又は2記載のリチウム電池用負極。
  4. 中間層全体の厚さと活物質層の厚さとの合計が10μm以下である請求項1乃至3記載のリチウム電池用負極。
  5. 銅箔からなる集電体層の片面若しくは両面にAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる中間層を積層させ、該中間層上にSn又はSn合金からなる活物質層を積層させた後、非酸化性ガス雰囲気中若しくは真空中において200 〜300 ℃で熱処理して該集電体層と該中間層との界面に当該集電体層のCuと当該中間層の元素とが相溶している合金相を形成させると共に、該中間層と該活物質層との界面に当該中間層の元素と当該活物質層のSn又はSn合金とが相溶している合金相を形成させることを特徴とするリチウム電池用負極の製造方法。
  6. 中間層としてAg,Al,Co,Ni,Fe,Mn,Ti,Mg,Sb,Si及びZnから選ばれる元素からなる単一被膜を積層するか、或いは、多重被膜を積層する請求項5記載のリチウム電池用負極の製造方法。
  7. 中間層全体の厚さが0.1 〜2μmである請求項5又は6記載のリチウム電池用負極の製造方法。
  8. 中間層全体の厚さと活物質層の厚さとの合計が10μm以下である請求項5乃至7記載のリチウム電池用負極の製造方法。
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