JP2004020956A - ビームスキャナ - Google Patents
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Abstract
【課題】ガルバノスキャナの構成を変更することにより、大幅に、高速、高精度化を実現する。
【解決手段】ビームを反射して走査するための可動ミラー50を有するビームスキャナにおいて、前記可動ミラー50に一端が固定された支持部材52、54、56、58と、該支持部材の他端近傍に配設されたトルク発生部60と、前記支持部材又は可動ミラーを揺動自在に支持する軸受70、72、74、76とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】ビームを反射して走査するための可動ミラー50を有するビームスキャナにおいて、前記可動ミラー50に一端が固定された支持部材52、54、56、58と、該支持部材の他端近傍に配設されたトルク発生部60と、前記支持部材又は可動ミラーを揺動自在に支持する軸受70、72、74、76とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビームを反射して走査するための可動ミラーを有するビームスキャナに係り、特に、レーザビームを照射してプリント配線基板等に穴を開けるレーザ穴開け機やレーザマーキング装置に用いるのに好適な、高速且つ高精度の走査が可能なビームスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザにより加工を行なう場合、回動するガルバノミラーによってビームを反射して走査するガルバノスキャナ(ビームスキャナとも称する)によって照射位置を移動させる方法を採ると、高速な加工が可能になる。
【0003】
図1は、一般的なレーザ加工装置の要部構成例である。本構成例は、図示しないレーザ発振器から照射される、例えばパルス状のレーザビーム12を、所定の方向(図1では紙面に垂直な方向)に走査するための回転ミラー22を含む第1ガルバノスキャナ20と、該第1ガルバノスキャナ20によって紙面に垂直な方向に走査されたレーザビーム14を、該第1ガルバノスキャナ20による走査方向と垂直な方向(図1では紙面と平行な方向)に走査するための回転ミラー26を含む第2ガルバノスキャナ24と、前記第1及び第2ガルバノスキャナ20、24により2方向に走査されたレーザビーム16を、XYステージ8上に固定された、基板等の加工対象物10の表面に対して垂直な方向に偏向して照射するためのfθレンズ48とを備えている。
【0004】
このように、第1、第2ガルバノスキャナ20、24を用いることにより、レーザビーム12を、スキャナ先端の回転ミラー22、26に反射させ、進行方向を任意の方向に変えることができる。前記ガルバノスキャナ20、24によって偏光したレーザビーム16は、fθレンズ48を通過して、加工対象物10に集光する。従って、2つのガルバノスキャナ20、24を制御することにより、加工対象物10上の目標箇所をレーザ加工することが可能である。
【0005】
基板の穴開け等では高いスループットが要求されるため、XYステージ8等で加工対象物10を移動させて位置決めする方法に比べて、高速な加工を行なうことが可能なガルバノスキャナを利用することが多い。
【0006】
近年、高速化、高精度化への要求はますます高まっているが、ガルバノスキャナの性能は限界に近づきつつある。これは、回転軸の剛性と慣性モーメント、発生トルクと発熱等にトレードオフが存在するためで、寸法を最適化するだけで達成できる性能に限界があるからである。
【0007】
図2に、従来の一般的なガルバノスキャナ20の構成例を示す。本構成例は、回転ミラー(以下、単にミラーと称する)22と、該ミラー22が先端に固定された回転軸30と、該回転軸30を回転自在に支持する第1及び第2の軸受32、34と、前記回転軸30に固定されたコイル36と、該コイル36に駆動力を与えて、ミラー22を回転させるための永久磁石38及びヨーク40と、ミラー22の回転角度を検出するための角度センサ42を含んで構成されている。
【0008】
本構成例において、前記ヨーク40と永久磁石38によって作られた磁界の中に配置されたコイル36に電流を流すと、回転トルクが発生する。発生したトルクは、第1及び第2の軸受32、34により支持された回転軸30に伝達され、ミラー22を回転する。又、回転角度は、回転軸30に取り付けられた角度センサ42により計測される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来は、トルクを発生するコイル36、角度計測する角度センサ42、及び、ミラー22が、直列に回転軸30に取り付けられていたため、回転軸30の捩れ変形により共振が発生し、高速化の妨げとなっていた。又、回転軸30の捩れ変形により、ミラー22と角度センサ42の回転角度に相違が生じ、位置決め精度の低下の要因となっていた。
【0010】
なお、回転軸30を太くすることにより、捩れ変形を抑えることが可能であるが、この場合、慣性モーメントが大きくなり、結局駆動速度が低下してしまうというトレードオフがある。又、駆動トルクを増して高速化することも考えられるが、コイル36の巻数や取付半径を大きくすると、慣性モーメントが大きくなるというトレードオフがある。又、コイル36に流す電流を大きくして駆動トルクを増やすことも考えられるが、発熱が大きくなるため、熱変形やセンサドリフトによる精度劣化を生じ、場合によってはガルバノスキャナが破損するという問題を引き起こすため、限界がある。
【0011】
他の解決方法として、回転軸を廃止し、直接ミラーを駆動する方法が考えられる。そのような構成として、特開2000−81588や特開平7−104207のように、ミラーの裏面に直接、永久磁石やコイルを取り付ける構成や、特開平6−331909のように、ミラーの両端に、永久磁石又はコイルを取り付ける構成が提案されている。
【0012】
これらの構成は、小さなミラーの回転を行なう機構をコンパクトに構成する場合に有効であるが、充分なトルクを発生させようとすると慣性モーメントが大きくなってしまうため、高速、高精度に駆動を行なうという要求には適さない。特に、ミラーにコイルを直接取り付ける構成では、発熱がミラーに伝達するため、反射されたレーザビームの形状や位置決め精度が劣化する恐れがあり、高速駆動に充分な電流を流せないという問題点を有していた。
【0013】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、ガルバノスキャナの構成を変更することにより、大幅に、高速、高精度化を実現することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ビームを反射して走査するための可動ミラーを有するビームスキャナにおいて、前記可動ミラーに一端が固定された支持部材と、該支持部材の他端近傍に配設されたトルク発生部と、前記支持部材又は可動ミラーを揺動自在に支持する軸受とを備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0015】
又、前記支持部材を、揺動中心と直交する方向に長くしたものである。
【0016】
又、前記支持部材を、前記可動ミラーとトルク発生部の両端に、それぞれ設け、それぞれ軸受によって支持するようにしたものである。
【0017】
あるいは、前記支持部材を、前記可動ミラーとトルク発生部の中央部に1つ設け、軸受によって支持するようにしたものである。
【0018】
あるいは、前記可動ミラーの両端を軸受によって支持し、該可動ミラーの中央に前記支持部材の一端を固定したものである。
【0019】
又、前記支持部材の揺動中心を、前記可動ミラーとトルク発生部を含む可動部の重心に設定したものである。
【0020】
あるいは、前記支持部材の揺動中心を、前記可動ミラーの反射面に設定したものである。
【0021】
又、前記支持部材の幅が、その揺動中心から可動ミラーやトルク発生部に向けて扇状に広がるようにしたものである。
【0022】
又、前記トルク発生部が、前記支持部材に配設されたコイルと、固定側に配設された磁石を含むようにしたものである。
【0023】
更に、前記コイルと可動ミラーを連結する支持部材の熱伝導性を低くしたものである。
【0024】
あるいは、前記トルク発生部が、前記支持部材に配設された磁石と、固定側に配設されたコイルを含むようにしたものである。
【0025】
又、前記コイルを、揺動中心を中心とする同心円状に配設すると共に、前記磁石により発生する磁界が、前記揺動中心より放射状に形成されるようにしたものである。
【0026】
又、前記磁石により発生する磁界が、コイルの駆動範囲内で一様に形成されるようにしたものである。
【0027】
又、前記トルク発生部を冷却するための冷却機構を設けたものである。
【0028】
又、前記トルク発生部のコイルに流体を吹き付けて冷却するようにしたものである。
【0029】
又、前記磁界を形成する磁石のヨークをコイルを取囲むように構成し、前記流体の通り道となって、コイルが効率良く冷却されるようにしたものである。
【0030】
又、前記可動ミラーの回動位置を検出するセンサを設けたものである。
【0031】
又、前記センサを、前記支持部材の回動位置を検出するロータリエンコーダ又は角度センサとしたものである。
【0032】
あるいは、前記センサを、前記可動ミラーの端面に配設したスケールの移動を検出するリニヤエンコーダとしたものである。
【0033】
又、前記センサを、前記可動ミラーの裏面にレーザ光を照射する測定用レーザと、該レーザ光の反射光位置を検出する受光素子とを含むものとしたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0035】
本発明の第1実施形態は、図3(正面から見た縦断面図)及び図4(図3のIV−IV線に沿う横断面図)に示す如く、ビームを反射して走査するための反射面51を有する可動ミラー(以下、単にミラーと称する)50と、該ミラー50の両端(図3の左右端)に一端(図では上端)が固定された、後出軸受70、71により規定される揺動中心Cと直交する方向に長い第1及び第2の支持部材52、54と、該支持部材52、54の他端(図では下端)近傍に配設されたトルク発生部60と、前記支持部材52、54を揺動自在に支持する第1及び第2の軸受70、72と、前記支持部材52の回動を検出する角度センサ42とを備えている。
【0036】
前記トルク発生部60は、前記第1及び第2の支持部材52、54の下端に固定されたベーストラック状のコイル62と、固定側に配設された永久磁石64及びヨーク66を備えている。
【0037】
本実施形態では、回転軸が廃止されており、ミラー50とコイル62は、2つの支持部材52、54によって連結されている。2つの支持部材52、54は、それぞれ軸受70、72によって支持され、軸受周りに回転自由度を持つ。支持部材52、54を支持する箇所(揺動中心C)は、ミラー50、コイル62、2つの支持部材52、54からなる可動部の重心付近とする。
【0038】
前記支持部材52、54は、剛性が高く、密度が低い材料、例えばアルミニウムを用いることが望ましいが、一方、コイル62の発熱がミラー50に伝わって変形するのを防止するため、熱伝導率が低いステンレスやセラミックのような材料で構成することも望ましい。
【0039】
前記コイル62の周囲には、永久磁石64とヨーク66により磁界が構成されており、例えば、支持部材内を通したリード線(図示省略)を介してコイル62に電流を流すことにより、推力が発生する。本実施形態では、図5に示すように、ベーストラック状に構成したコイル62に対して、向かって右側に上向きの磁場、向かって左側に下向きの磁場が発生するように、ヨーク66と永久磁石64を配置しており、コイル62に電流を印加すると、同じ方向に推力(電流が図に示した方向の場合は、右向きの力)を発生する。ここで、例えば永久磁石64の強さを場所で変えることにより、磁界の強さをコイル62の駆動範囲内で一様とすることができる。
【0040】
前記コイル62の内側を中空にすることにより慣性モーメントを小さくできるが、剛性を高めるためにモールド材を充填したり、アルミニウム等の、軽量で非磁性且つ剛性の比較的高い金属板を挿入することも可能である。
【0041】
前記ミラー50の角度の計測は、従来のガルバノスキャナで行なわれていたように、回転式のロータリエンコーダや静電容量式の角度センサ42を支持部材52等に取り付けて行なうことができる。
【0042】
本実施形態によれば、コイル62に電流を流すことにより推力が発生する。推力の向きと大きさは、電流の向きと大きさによって制御できる。これに対して、ミラー50とコイル62は支持部材52、54により連結されており、回転自由度を持つ軸受70、72により支持されているので、コイル62で発生した推力は回転トルクとなり、可動部が回転してミラー50の角度が変わる。このため、レーザ等のビームをミラー50の反射面51で反射させることにより、その方向を制御することが可能である。
【0043】
又、可動部の回転角度の計測を、回転式のエンコーダや静電容量式の角度センサ42によって行なうことにより、ミラーの角度、即ちビームの反射方向を任意に位置決めすることができる。
【0044】
本発明は、第1実施形態のように、コイル62を可動部に取り付けるムービングコイル方式が、慣性モーメントが小さく望ましいが、図4に対応する横断面を図6に示す第2実施形態のように、永久磁石64及びヨーク66を支持部材52、54に取り付けて駆動する、ムービングマグネット方式でも実現可能である。
【0045】
この第2実施形態においても、コイル62に電流を流すと、永久磁石64とヨーク66によって構成された磁気回路に推力が発生して、回転トルクとなる。
【0046】
このムービングマグネット方式の第2実施形態の場合には、コイル62への配線が容易である。
【0047】
本発明では、力を伝達するための回転軸は必要ないが、図7に示す第3実施形態のように、駆動部分の慣性モーメントに大きな影響を与えない程度で支持部材52、54を連結する回転軸80を設けることで、製造を容易とし、組付精度を向上させることも可能である。
【0048】
本発明によるガルバノスキャナの第4実施形態の正面から見た縦断面を図8に示す。本実施形態では、冷却用流体、例えば気体をコイル62に吹き付けるノズル82が取り付けられている。図に示したように、ヨーク66の内部を気体が通過するように構成することが望ましい。
【0049】
本発明によるガルバノスキャナの第5実施形態を図9(正面から見た縦断面図)、図10(図9のX−X線に沿う横断面図)に示す。本実施形態では、ミラー50とコイル62を連結する支持部材56を中央に一つ配置し、ミラー50の両端(図9の左右端)を2つの軸受70、72で支持している。
【0050】
本発明によるガルバノスキャナの第6実施形態を図11(正面から見た縦断面図)及び図12(図11のXII−XII線に沿う横断面図)に示す。本実施形態では、ミラー50とコイル62を連結する支持部材56を中央に一つ配置し、該支持部材56を一つの軸受76で回転自在に支持している。本実施形態は、構成部品数が少なくて済む。
【0051】
本発明によるガルバノスキャナの第7実施形態の横断面を図13に示す。本実施形態では、軸受70、72を固定する場所(揺動中心C)をミラー50の反射面51としている。
【0052】
本実施形態によれば、ビームの中心をミラー50の回動中心に合わせることによって、ビームの反射方向を、回動中心から放射状に位置決めすることが可能になる。これにより、その他の光学系の設計が容易になる。
【0053】
本発明によるガルバノスキャナの第8実施形態の横断面を図14に示す。本実施形態では、コイル63及び永久磁石65を揺動中心Cに対して同心円状に形成すると共に、磁界が揺動中心Cより放射状に形成されるように永久磁石65を配置している。
【0054】
本実施形態によれば、磁場が揺動中心Cから放射状に一様に形成されるため、トルクは常に回動方向に向かって発生し、且つ回動角度によらず一定となる。
【0055】
本発明によるガルバノスキャナの第9実施形態の横断面を図15に示す。本実施形態では、支持部材58のミラー50とコイル62を固定する近傍の幅を扇状に広げている。
【0056】
本実施形態によれば、慣性モーメントに対して剛性が高くなるため、更に高速な駆動を実現し易くなる。
【0057】
なお、前記実施形態においては、いずれも、角度センサ42を用いてミラー50の角度を検出していたが、ミラー50の角度を検出する方法は、これに限定されない。
【0058】
例えば、図16(全体の横断面図)及び図17(ミラー端面の正面図)に示す第10実施形態の如く、ミラー50の端面にスケール84を設け、外部に固定されたエンコーダヘッド86で、ミラー50の回動によるスケール84の移動量を計測することができる。
【0059】
前記スケール84とエンコーダヘッド86間の距離一定にして、高精度の角度測定を可能にするため、スケール84の表面は、揺動中心Cに対して同心円状であることが望ましい。これは、例えば、ミラー端面50Eを揺動中心Cに対して同心円状に加工した後、シール式のスケール84を貼り付けることで実現できる。
【0060】
本実施形態によれば、ミラー50の回転角度を直接計測することができる。従って、ミラー50の位置決め精度が向上し、結果としてビームの位置決め精度が向上する。
【0061】
あるいは、図18(全体の横断面図)及び図19(受光部の正面図)に示す第11実施形態のように、ミラー50の裏面の一部を鏡面とし、外部に固定された測定用レーザ88からのビーム89の反射光を、外部に固定された受光部90で読み取るようにして、角度を計測することもできる。
【0062】
前記受光部90には、図19に示す如く、第1及び第2の2つの受光素子91、92が設けられている。
【0063】
前記受光素子91、92は、受光した強度に応じて出力電圧が変化し、照射されている光の強さを電圧として出力する。即ち、測定用レーザ88のミラー裏面による反射光は、図19に示す如く、2つの受光素子91、92に跨って照射されており、ミラー50の角度によって変化する反射光照射点Bの位置に応じて、それぞれの出力電圧が決まる。従って、予め2つの受光素子91、92の出力と、ミラー角度の関係を表又は関数で保有しておくことにより、ミラー50の角度を任意に位置決めすることができる。又、2つの受光素子91、92の出力と、主ビームの方向や最終的に照射する加工位置等との関係を表又は関数で保有しておくことにより、主ビームの方向や最終的に照射する加工位置を直接位置決めすることもできる。
【0064】
本実施形態によれば、ミラーの位置決め精度が向上して、結果としてビームの位置決め精度が向上する。又、主ビームの方向や最終的に照射する加工位置の精度を直接向上することもできる。
【0065】
なお、前記実施形態においては、本発明がレーザ穴開け機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、レーザマーキング装置等に用いるビームスキャナ一般に同様に適用できることは明らかである。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、発生したトルクを回転軸を介してミラーに伝達する必要がないので、回転軸の捩れ変形による共振が発生しない。又、慣性モーメントの小さい構成が可能である。このため、高速化を実現し易い。更に、回転軸の捩れ変形によってミラーと角度センサの回転角度に相違が生じることもなく、位置決め精度が向上する。
【0067】
又、本発明によれば、コイルが発熱した場合も、コイルが開放されているため放熱し易く、気体冷却も容易である。このため、コイルの発熱による破損を防ぐことができる。更に、コイルの発熱は、支持部材を通してのみ他の部品に伝達するので、他の部品が温度上昇し難い。これらの発熱に対する効果により、コイルが発熱した場合にも、ミラーを初めとする部品の変形やセンサドリフトが起き難く、精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象であるレーザ加工装置の要部構成を示す正面図
【図2】レーザ加工装置で一般的に用いられている従来のガルバノスキャナの構成例を示す断面図
【図3】本発明に係るビームスキャナの第1実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図4】図3のIV−IV線に沿う横断面図
【図5】第1実施形態の推力発生方法を説明するための斜視図
【図6】本発明の第2実施形態の構成を示す横断面図
【図7】本発明の第3実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図8】本発明の第4実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図9】本発明の第5実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図10】図9のX−X線に沿う横断面図
【図11】本発明の第6実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図12】図11のXI−XI線に沿う横断面図
【図13】本発明の第7実施形態の構成を示す横断面図
【図14】本発明の第8実施形態の構成を示す横断面図
【図15】本発明の第9実施形態の構成を示す横断面図
【図16】本発明の第10実施形態の構成を示す横断面図
【図17】図16の矢視XVII方向から見た、ミラー端面の正面図
【図18】本発明の第11実施形態の構成を示す横断面図
【図19】図18の矢視XIX方向から見た、受光部の正面図
【符号の説明】
50…回動ミラー
51…反射面
52、54、56、58…支持部材
60…トルク発生部
62、63…コイル
64、65…永久磁石
66…ヨーク
70、72、74、76…軸受
82…ノズル
84…スケール
86…エンコーダヘッド
88…測定用レーザ
89…ビーム
90…受光部
91、92…受光素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビームを反射して走査するための可動ミラーを有するビームスキャナに係り、特に、レーザビームを照射してプリント配線基板等に穴を開けるレーザ穴開け機やレーザマーキング装置に用いるのに好適な、高速且つ高精度の走査が可能なビームスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザにより加工を行なう場合、回動するガルバノミラーによってビームを反射して走査するガルバノスキャナ(ビームスキャナとも称する)によって照射位置を移動させる方法を採ると、高速な加工が可能になる。
【0003】
図1は、一般的なレーザ加工装置の要部構成例である。本構成例は、図示しないレーザ発振器から照射される、例えばパルス状のレーザビーム12を、所定の方向(図1では紙面に垂直な方向)に走査するための回転ミラー22を含む第1ガルバノスキャナ20と、該第1ガルバノスキャナ20によって紙面に垂直な方向に走査されたレーザビーム14を、該第1ガルバノスキャナ20による走査方向と垂直な方向(図1では紙面と平行な方向)に走査するための回転ミラー26を含む第2ガルバノスキャナ24と、前記第1及び第2ガルバノスキャナ20、24により2方向に走査されたレーザビーム16を、XYステージ8上に固定された、基板等の加工対象物10の表面に対して垂直な方向に偏向して照射するためのfθレンズ48とを備えている。
【0004】
このように、第1、第2ガルバノスキャナ20、24を用いることにより、レーザビーム12を、スキャナ先端の回転ミラー22、26に反射させ、進行方向を任意の方向に変えることができる。前記ガルバノスキャナ20、24によって偏光したレーザビーム16は、fθレンズ48を通過して、加工対象物10に集光する。従って、2つのガルバノスキャナ20、24を制御することにより、加工対象物10上の目標箇所をレーザ加工することが可能である。
【0005】
基板の穴開け等では高いスループットが要求されるため、XYステージ8等で加工対象物10を移動させて位置決めする方法に比べて、高速な加工を行なうことが可能なガルバノスキャナを利用することが多い。
【0006】
近年、高速化、高精度化への要求はますます高まっているが、ガルバノスキャナの性能は限界に近づきつつある。これは、回転軸の剛性と慣性モーメント、発生トルクと発熱等にトレードオフが存在するためで、寸法を最適化するだけで達成できる性能に限界があるからである。
【0007】
図2に、従来の一般的なガルバノスキャナ20の構成例を示す。本構成例は、回転ミラー(以下、単にミラーと称する)22と、該ミラー22が先端に固定された回転軸30と、該回転軸30を回転自在に支持する第1及び第2の軸受32、34と、前記回転軸30に固定されたコイル36と、該コイル36に駆動力を与えて、ミラー22を回転させるための永久磁石38及びヨーク40と、ミラー22の回転角度を検出するための角度センサ42を含んで構成されている。
【0008】
本構成例において、前記ヨーク40と永久磁石38によって作られた磁界の中に配置されたコイル36に電流を流すと、回転トルクが発生する。発生したトルクは、第1及び第2の軸受32、34により支持された回転軸30に伝達され、ミラー22を回転する。又、回転角度は、回転軸30に取り付けられた角度センサ42により計測される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来は、トルクを発生するコイル36、角度計測する角度センサ42、及び、ミラー22が、直列に回転軸30に取り付けられていたため、回転軸30の捩れ変形により共振が発生し、高速化の妨げとなっていた。又、回転軸30の捩れ変形により、ミラー22と角度センサ42の回転角度に相違が生じ、位置決め精度の低下の要因となっていた。
【0010】
なお、回転軸30を太くすることにより、捩れ変形を抑えることが可能であるが、この場合、慣性モーメントが大きくなり、結局駆動速度が低下してしまうというトレードオフがある。又、駆動トルクを増して高速化することも考えられるが、コイル36の巻数や取付半径を大きくすると、慣性モーメントが大きくなるというトレードオフがある。又、コイル36に流す電流を大きくして駆動トルクを増やすことも考えられるが、発熱が大きくなるため、熱変形やセンサドリフトによる精度劣化を生じ、場合によってはガルバノスキャナが破損するという問題を引き起こすため、限界がある。
【0011】
他の解決方法として、回転軸を廃止し、直接ミラーを駆動する方法が考えられる。そのような構成として、特開2000−81588や特開平7−104207のように、ミラーの裏面に直接、永久磁石やコイルを取り付ける構成や、特開平6−331909のように、ミラーの両端に、永久磁石又はコイルを取り付ける構成が提案されている。
【0012】
これらの構成は、小さなミラーの回転を行なう機構をコンパクトに構成する場合に有効であるが、充分なトルクを発生させようとすると慣性モーメントが大きくなってしまうため、高速、高精度に駆動を行なうという要求には適さない。特に、ミラーにコイルを直接取り付ける構成では、発熱がミラーに伝達するため、反射されたレーザビームの形状や位置決め精度が劣化する恐れがあり、高速駆動に充分な電流を流せないという問題点を有していた。
【0013】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、ガルバノスキャナの構成を変更することにより、大幅に、高速、高精度化を実現することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ビームを反射して走査するための可動ミラーを有するビームスキャナにおいて、前記可動ミラーに一端が固定された支持部材と、該支持部材の他端近傍に配設されたトルク発生部と、前記支持部材又は可動ミラーを揺動自在に支持する軸受とを備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0015】
又、前記支持部材を、揺動中心と直交する方向に長くしたものである。
【0016】
又、前記支持部材を、前記可動ミラーとトルク発生部の両端に、それぞれ設け、それぞれ軸受によって支持するようにしたものである。
【0017】
あるいは、前記支持部材を、前記可動ミラーとトルク発生部の中央部に1つ設け、軸受によって支持するようにしたものである。
【0018】
あるいは、前記可動ミラーの両端を軸受によって支持し、該可動ミラーの中央に前記支持部材の一端を固定したものである。
【0019】
又、前記支持部材の揺動中心を、前記可動ミラーとトルク発生部を含む可動部の重心に設定したものである。
【0020】
あるいは、前記支持部材の揺動中心を、前記可動ミラーの反射面に設定したものである。
【0021】
又、前記支持部材の幅が、その揺動中心から可動ミラーやトルク発生部に向けて扇状に広がるようにしたものである。
【0022】
又、前記トルク発生部が、前記支持部材に配設されたコイルと、固定側に配設された磁石を含むようにしたものである。
【0023】
更に、前記コイルと可動ミラーを連結する支持部材の熱伝導性を低くしたものである。
【0024】
あるいは、前記トルク発生部が、前記支持部材に配設された磁石と、固定側に配設されたコイルを含むようにしたものである。
【0025】
又、前記コイルを、揺動中心を中心とする同心円状に配設すると共に、前記磁石により発生する磁界が、前記揺動中心より放射状に形成されるようにしたものである。
【0026】
又、前記磁石により発生する磁界が、コイルの駆動範囲内で一様に形成されるようにしたものである。
【0027】
又、前記トルク発生部を冷却するための冷却機構を設けたものである。
【0028】
又、前記トルク発生部のコイルに流体を吹き付けて冷却するようにしたものである。
【0029】
又、前記磁界を形成する磁石のヨークをコイルを取囲むように構成し、前記流体の通り道となって、コイルが効率良く冷却されるようにしたものである。
【0030】
又、前記可動ミラーの回動位置を検出するセンサを設けたものである。
【0031】
又、前記センサを、前記支持部材の回動位置を検出するロータリエンコーダ又は角度センサとしたものである。
【0032】
あるいは、前記センサを、前記可動ミラーの端面に配設したスケールの移動を検出するリニヤエンコーダとしたものである。
【0033】
又、前記センサを、前記可動ミラーの裏面にレーザ光を照射する測定用レーザと、該レーザ光の反射光位置を検出する受光素子とを含むものとしたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0035】
本発明の第1実施形態は、図3(正面から見た縦断面図)及び図4(図3のIV−IV線に沿う横断面図)に示す如く、ビームを反射して走査するための反射面51を有する可動ミラー(以下、単にミラーと称する)50と、該ミラー50の両端(図3の左右端)に一端(図では上端)が固定された、後出軸受70、71により規定される揺動中心Cと直交する方向に長い第1及び第2の支持部材52、54と、該支持部材52、54の他端(図では下端)近傍に配設されたトルク発生部60と、前記支持部材52、54を揺動自在に支持する第1及び第2の軸受70、72と、前記支持部材52の回動を検出する角度センサ42とを備えている。
【0036】
前記トルク発生部60は、前記第1及び第2の支持部材52、54の下端に固定されたベーストラック状のコイル62と、固定側に配設された永久磁石64及びヨーク66を備えている。
【0037】
本実施形態では、回転軸が廃止されており、ミラー50とコイル62は、2つの支持部材52、54によって連結されている。2つの支持部材52、54は、それぞれ軸受70、72によって支持され、軸受周りに回転自由度を持つ。支持部材52、54を支持する箇所(揺動中心C)は、ミラー50、コイル62、2つの支持部材52、54からなる可動部の重心付近とする。
【0038】
前記支持部材52、54は、剛性が高く、密度が低い材料、例えばアルミニウムを用いることが望ましいが、一方、コイル62の発熱がミラー50に伝わって変形するのを防止するため、熱伝導率が低いステンレスやセラミックのような材料で構成することも望ましい。
【0039】
前記コイル62の周囲には、永久磁石64とヨーク66により磁界が構成されており、例えば、支持部材内を通したリード線(図示省略)を介してコイル62に電流を流すことにより、推力が発生する。本実施形態では、図5に示すように、ベーストラック状に構成したコイル62に対して、向かって右側に上向きの磁場、向かって左側に下向きの磁場が発生するように、ヨーク66と永久磁石64を配置しており、コイル62に電流を印加すると、同じ方向に推力(電流が図に示した方向の場合は、右向きの力)を発生する。ここで、例えば永久磁石64の強さを場所で変えることにより、磁界の強さをコイル62の駆動範囲内で一様とすることができる。
【0040】
前記コイル62の内側を中空にすることにより慣性モーメントを小さくできるが、剛性を高めるためにモールド材を充填したり、アルミニウム等の、軽量で非磁性且つ剛性の比較的高い金属板を挿入することも可能である。
【0041】
前記ミラー50の角度の計測は、従来のガルバノスキャナで行なわれていたように、回転式のロータリエンコーダや静電容量式の角度センサ42を支持部材52等に取り付けて行なうことができる。
【0042】
本実施形態によれば、コイル62に電流を流すことにより推力が発生する。推力の向きと大きさは、電流の向きと大きさによって制御できる。これに対して、ミラー50とコイル62は支持部材52、54により連結されており、回転自由度を持つ軸受70、72により支持されているので、コイル62で発生した推力は回転トルクとなり、可動部が回転してミラー50の角度が変わる。このため、レーザ等のビームをミラー50の反射面51で反射させることにより、その方向を制御することが可能である。
【0043】
又、可動部の回転角度の計測を、回転式のエンコーダや静電容量式の角度センサ42によって行なうことにより、ミラーの角度、即ちビームの反射方向を任意に位置決めすることができる。
【0044】
本発明は、第1実施形態のように、コイル62を可動部に取り付けるムービングコイル方式が、慣性モーメントが小さく望ましいが、図4に対応する横断面を図6に示す第2実施形態のように、永久磁石64及びヨーク66を支持部材52、54に取り付けて駆動する、ムービングマグネット方式でも実現可能である。
【0045】
この第2実施形態においても、コイル62に電流を流すと、永久磁石64とヨーク66によって構成された磁気回路に推力が発生して、回転トルクとなる。
【0046】
このムービングマグネット方式の第2実施形態の場合には、コイル62への配線が容易である。
【0047】
本発明では、力を伝達するための回転軸は必要ないが、図7に示す第3実施形態のように、駆動部分の慣性モーメントに大きな影響を与えない程度で支持部材52、54を連結する回転軸80を設けることで、製造を容易とし、組付精度を向上させることも可能である。
【0048】
本発明によるガルバノスキャナの第4実施形態の正面から見た縦断面を図8に示す。本実施形態では、冷却用流体、例えば気体をコイル62に吹き付けるノズル82が取り付けられている。図に示したように、ヨーク66の内部を気体が通過するように構成することが望ましい。
【0049】
本発明によるガルバノスキャナの第5実施形態を図9(正面から見た縦断面図)、図10(図9のX−X線に沿う横断面図)に示す。本実施形態では、ミラー50とコイル62を連結する支持部材56を中央に一つ配置し、ミラー50の両端(図9の左右端)を2つの軸受70、72で支持している。
【0050】
本発明によるガルバノスキャナの第6実施形態を図11(正面から見た縦断面図)及び図12(図11のXII−XII線に沿う横断面図)に示す。本実施形態では、ミラー50とコイル62を連結する支持部材56を中央に一つ配置し、該支持部材56を一つの軸受76で回転自在に支持している。本実施形態は、構成部品数が少なくて済む。
【0051】
本発明によるガルバノスキャナの第7実施形態の横断面を図13に示す。本実施形態では、軸受70、72を固定する場所(揺動中心C)をミラー50の反射面51としている。
【0052】
本実施形態によれば、ビームの中心をミラー50の回動中心に合わせることによって、ビームの反射方向を、回動中心から放射状に位置決めすることが可能になる。これにより、その他の光学系の設計が容易になる。
【0053】
本発明によるガルバノスキャナの第8実施形態の横断面を図14に示す。本実施形態では、コイル63及び永久磁石65を揺動中心Cに対して同心円状に形成すると共に、磁界が揺動中心Cより放射状に形成されるように永久磁石65を配置している。
【0054】
本実施形態によれば、磁場が揺動中心Cから放射状に一様に形成されるため、トルクは常に回動方向に向かって発生し、且つ回動角度によらず一定となる。
【0055】
本発明によるガルバノスキャナの第9実施形態の横断面を図15に示す。本実施形態では、支持部材58のミラー50とコイル62を固定する近傍の幅を扇状に広げている。
【0056】
本実施形態によれば、慣性モーメントに対して剛性が高くなるため、更に高速な駆動を実現し易くなる。
【0057】
なお、前記実施形態においては、いずれも、角度センサ42を用いてミラー50の角度を検出していたが、ミラー50の角度を検出する方法は、これに限定されない。
【0058】
例えば、図16(全体の横断面図)及び図17(ミラー端面の正面図)に示す第10実施形態の如く、ミラー50の端面にスケール84を設け、外部に固定されたエンコーダヘッド86で、ミラー50の回動によるスケール84の移動量を計測することができる。
【0059】
前記スケール84とエンコーダヘッド86間の距離一定にして、高精度の角度測定を可能にするため、スケール84の表面は、揺動中心Cに対して同心円状であることが望ましい。これは、例えば、ミラー端面50Eを揺動中心Cに対して同心円状に加工した後、シール式のスケール84を貼り付けることで実現できる。
【0060】
本実施形態によれば、ミラー50の回転角度を直接計測することができる。従って、ミラー50の位置決め精度が向上し、結果としてビームの位置決め精度が向上する。
【0061】
あるいは、図18(全体の横断面図)及び図19(受光部の正面図)に示す第11実施形態のように、ミラー50の裏面の一部を鏡面とし、外部に固定された測定用レーザ88からのビーム89の反射光を、外部に固定された受光部90で読み取るようにして、角度を計測することもできる。
【0062】
前記受光部90には、図19に示す如く、第1及び第2の2つの受光素子91、92が設けられている。
【0063】
前記受光素子91、92は、受光した強度に応じて出力電圧が変化し、照射されている光の強さを電圧として出力する。即ち、測定用レーザ88のミラー裏面による反射光は、図19に示す如く、2つの受光素子91、92に跨って照射されており、ミラー50の角度によって変化する反射光照射点Bの位置に応じて、それぞれの出力電圧が決まる。従って、予め2つの受光素子91、92の出力と、ミラー角度の関係を表又は関数で保有しておくことにより、ミラー50の角度を任意に位置決めすることができる。又、2つの受光素子91、92の出力と、主ビームの方向や最終的に照射する加工位置等との関係を表又は関数で保有しておくことにより、主ビームの方向や最終的に照射する加工位置を直接位置決めすることもできる。
【0064】
本実施形態によれば、ミラーの位置決め精度が向上して、結果としてビームの位置決め精度が向上する。又、主ビームの方向や最終的に照射する加工位置の精度を直接向上することもできる。
【0065】
なお、前記実施形態においては、本発明がレーザ穴開け機に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、レーザマーキング装置等に用いるビームスキャナ一般に同様に適用できることは明らかである。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、発生したトルクを回転軸を介してミラーに伝達する必要がないので、回転軸の捩れ変形による共振が発生しない。又、慣性モーメントの小さい構成が可能である。このため、高速化を実現し易い。更に、回転軸の捩れ変形によってミラーと角度センサの回転角度に相違が生じることもなく、位置決め精度が向上する。
【0067】
又、本発明によれば、コイルが発熱した場合も、コイルが開放されているため放熱し易く、気体冷却も容易である。このため、コイルの発熱による破損を防ぐことができる。更に、コイルの発熱は、支持部材を通してのみ他の部品に伝達するので、他の部品が温度上昇し難い。これらの発熱に対する効果により、コイルが発熱した場合にも、ミラーを初めとする部品の変形やセンサドリフトが起き難く、精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象であるレーザ加工装置の要部構成を示す正面図
【図2】レーザ加工装置で一般的に用いられている従来のガルバノスキャナの構成例を示す断面図
【図3】本発明に係るビームスキャナの第1実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図4】図3のIV−IV線に沿う横断面図
【図5】第1実施形態の推力発生方法を説明するための斜視図
【図6】本発明の第2実施形態の構成を示す横断面図
【図7】本発明の第3実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図8】本発明の第4実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図9】本発明の第5実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図10】図9のX−X線に沿う横断面図
【図11】本発明の第6実施形態の構成を示す、正面から見た縦断面図
【図12】図11のXI−XI線に沿う横断面図
【図13】本発明の第7実施形態の構成を示す横断面図
【図14】本発明の第8実施形態の構成を示す横断面図
【図15】本発明の第9実施形態の構成を示す横断面図
【図16】本発明の第10実施形態の構成を示す横断面図
【図17】図16の矢視XVII方向から見た、ミラー端面の正面図
【図18】本発明の第11実施形態の構成を示す横断面図
【図19】図18の矢視XIX方向から見た、受光部の正面図
【符号の説明】
50…回動ミラー
51…反射面
52、54、56、58…支持部材
60…トルク発生部
62、63…コイル
64、65…永久磁石
66…ヨーク
70、72、74、76…軸受
82…ノズル
84…スケール
86…エンコーダヘッド
88…測定用レーザ
89…ビーム
90…受光部
91、92…受光素子
Claims (20)
- ビームを反射して走査するための可動ミラーを有するビームスキャナにおいて、
前記可動ミラーに一端が固定された支持部材と、
該支持部材の他端近傍に配設されたトルク発生部と、
前記支持部材又は可動ミラーを揺動自在に支持する軸受と、
を備えたことを特徴とするビームスキャナ。 - 前記支持部材が、揺動中心と直交する方向に長いことを特徴とする請求項1に記載のビームスキャナ。
- 前記支持部材が、前記可動ミラーとトルク発生部の両端に、それぞれ設けられ、それぞれ軸受によって支持されていることを特徴とする請求項2に記載のビームスキャナ。
- 前記支持部材が、前記可動ミラーとトルク発生部の中央部に1つ設けられ、軸受によって支持されていることを特徴とする請求項2に記載のビームスキャナ。
- 前記可動ミラーの両端が軸受によって支持され、該可動ミラーの中央に前記支持部材の一端が固定されていることを特徴とする請求項2に記載のビームスキャナ。
- 前記支持部材の揺動中心が、前記可動ミラーとトルク発生部を含む可動部の重心にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記支持部材の揺動中心が、前記可動ミラーの反射面にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記支持部材の幅が、その揺動中心から可動ミラーやトルク発生部に向けて扇状に広がるようにされていることを特徴とする請求項6又は7に記載のビームスキャナ。
- 前記トルク発生部が、前記支持部材に配設されたコイルと、固定側に配設された磁石を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記コイルと可動ミラーを連結する支持部材の熱伝導性が低いことを特徴とする請求項9に記載のビームスキャナ。
- 前記トルク発生部が、前記支持部材に配設された磁石と、固定側に配設されたコイルを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記コイルが、揺動中心を中心とする同心円状に配設され、前記磁石により発生する磁界が、前記揺動中心より放射状に形成されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記磁石により発生する磁界が、コイルの駆動範囲内で一様に形成されていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記トルク発生部を冷却するための冷却機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記トルク発生部のコイルに流体を吹き付けて冷却することを特徴とする請求項14に記載のビームスキャナ。
- 前記磁界を形成する磁石のヨークがコイルを取囲むように構成され、前記流体の通り道となって、コイルが効率良く冷却されることを特徴とする請求項15に記載のビームスキャナ。
- 前記可動ミラーの回動位置を検出するセンサが設けられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のビームスキャナ。
- 前記センサが、前記支持部材の回動位置を検出するロータリエンコーダ又は角度センサであることを特徴とする請求項17に記載のビームスキャナ。
- 前記センサが、前記可動ミラーの端面に配設したスケールの移動を検出するリニヤエンコーダであることを特徴とする請求項17に記載のビームスキャナ。
- 前記センサが、前記可動ミラーの裏面にレーザ光を照射する測定用レーザと、該レーザ光の反射光位置を検出する受光素子とを含むことを特徴とする請求項17に記載のビームスキャナ。
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