JP2006235413A - レーザスキャナ装置およびレーザ加工機 - Google Patents
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Abstract
【課題】
レーザスキャナ装置における発熱を抑制して、ミラーを高精度かつ高速に位置決めする。
【解決手段】
レーザスキャナ装置200は、レーザ光を反射するミラー1と、ミラーの回転角度を検出する角度センサ30とを有する。ミラーおよび角度センサは、フレーム5に連結している。ミラーをコイル4が揺動させる。コイルの内側には、センターヨーク9が配置されている。センターヨークの軸心部に冷媒の流路9cが形成されている。冷媒流路を流通する冷媒でセンターヨークとセンターヨークの近傍に位置するロータとを冷却する。
【選択図】 図1
レーザスキャナ装置における発熱を抑制して、ミラーを高精度かつ高速に位置決めする。
【解決手段】
レーザスキャナ装置200は、レーザ光を反射するミラー1と、ミラーの回転角度を検出する角度センサ30とを有する。ミラーおよび角度センサは、フレーム5に連結している。ミラーをコイル4が揺動させる。コイルの内側には、センターヨーク9が配置されている。センターヨークの軸心部に冷媒の流路9cが形成されている。冷媒流路を流通する冷媒でセンターヨークとセンターヨークの近傍に位置するロータとを冷却する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザビームの位置決めに使用されるレーザスキャナ装置およびそれを搭載したレーザ加工機に関する。
従来のレーザスキャナ装置(以下、スキャナとも称す)の例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載のスキャナは、温度変化の影響を受けることなく、ガルバノミラーの高速動作時においても高精度の角度測定を可能にするため、回動板に第1の放射状パターンを設け、シャフト及びミラーとこの回動板が一体的に回動する。そして、回動板の手前側には、第1放射状パターンに対向する位置にLEDが固定されている。LEDが発生した光は、第1放射状パターンを抜けて、この第1のパターンの背面側に設けた固定板の第2の放射状パターンに当る。固定板の第2のパターンを抜けた光は、フォトダイオードにより受光され、最終的に角度値に変換される。
このシステムにより得られたシャフトの角度信号は、コントローラにフィードバックされる。これによりシャフトの駆動電流を制御し、ミラーを高精度に位置決めしている。なお、このスキャナではミラーの回転角が±8゜に設定されている。したがって、ミラーは360゜回転する必要はなく、動き出しから整定までの時間は、揺動回数が1000回/秒程度であるから、揺動角度にもよるが1ms程度になっている。
上記特許文献1に記載のスキャナは、温度変化や高速動作等については考慮されているものの、ミラーの大型化については十分には考慮されていない。例えば、プリント基板の穴明けをレーザ光を用いて実行するのに使用するスキャナには、携帯電話などの電子機器の小型化に伴い、より高精度で高速な位置決め性能が要求されている。高品質な穴を加工するためには、エネルギの損失を少なくし、レーザ光を反射するミラーを大きくする必要がある。その結果、スキャナは、より大きな質量および慣性モーメントを有するミラーを、より高速で高精度に位置決めしなければならない。
スキャナのミラーが大型化すると、ミラーを揺動駆動するアクチュエータ部の負荷が増大し、温度上昇を引き起こす。つまり、ミラーの大型化と位置決めの高速化のために、ミラーの駆動に必要な電流が増大し、これに伴いアクチュエータが備えるコイルの発熱が増大する。コイルの発熱が増大すると、コイルの焼損やコイルを含めた回転部分の熱変形、磁気回路の特性変化、回転部分の振動特性の変化を引き起こし、レーザビームの位置決め誤差を発生する恐れがある。
なお、ムービングコイル型のスキャナは、回転軸にコイルやミラーを取付けているので、コイルの内側に配置して磁気回路を構成するセンターヨークに回転軸を貫通させる穴が必須であり、センターヨークに冷却水の通路を形成するのは困難である。また、センターヨークをコイルと非接触で支持しなければならないが、センターヨークに回転軸を貫通させる穴を形成し、回転軸の揺動を妨げずに支持するようにすると、装置が大型化する。
本発明は、上記従来のスキャナにおける不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、スキャナのアクチュエータ部を冷却することにより、発熱に起因する上記不具合を解消することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、レーザスキャナ装置が、インナーヨークと同心に配置した磁石との間にフレームに保持したコイルを配置し、フレームの一端側にレーザ光を反射するミラーを、他端側に角度検出器を有し、インナーヨークの軸心部に冷媒の流通する穴を形成し、コイルと磁石との電磁作用によりフレームを揺動させミラーに導かれたレーザ光を位置決めするものである。
そしてこの特徴において、冷媒の流通する穴に連通する穴が形成された部材をセンターヨークの両端部に設けてもよく、磁石の外周側にアウターヨークを設け、このアウターヨークとインナーヨークに、冷媒の流通する穴にほぼ垂直な穴を軸方向複数箇所に形成してもよい。また、コイルを複数のレーストラック型コイルで形成し、磁石を多極で形成してもよい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、レーザ加工機が、ベッド上に載置したXYテーブルと、このXYテーブルに載置した被加工物にレーザ光を収束させるfθレンズと、レーザ光を発生するレーザ光源と、このレーザ光源で発生したレーザ光をfθレンズに導く少なくとも2台のレーザスキャナとを備え、このレーザスキャナが上記特徴を有するものである。
上記目的を達成する本発明のさらに他の特徴は、レーザ光を反射するミラーと、このミラーの回転角度を検出する角度センサと、ミラーと一体的に結合しミラーおよび角度センサを含むロータと、ミラーを揺動させるアクチュエータと、このアクチュエータの内側に配置したセンターヨークと、角度センサの出力信号と目標値とを比較してアクチュエータに制御指令を与えてミラーの揺動位置を制御しレーザ光の照射位置を制御する制御手段とを備えたレーザスキャナ装置であって、アクチュエータは電磁駆動方式のアクチュエータであり、ロータは概略中空円筒形状のフレームにミラーおよび角度センサを一体的に連結結合して構成されており、センターヨークの軸心部に冷媒の流路を形成し、この冷媒流路を流通する冷媒でセンターヨークとセンターヨークの近傍に位置するロータとを冷却するものである。
そしてこの特徴において、ロータの半径方向外側に隣り合って受熱板を設け、この受熱板を用いてロータを冷却するものであってもよく、アクチュエータはコイルを有し、このコイルをフレームに結合するようにしてもよい。
本発明のさらに他の特徴は、レーザ加工機が上記特徴を有するレーザスキャナ装置を搭載し、レーザ光の照射位置を位置決めするものである。
本発明によれば、概略中空円筒形状のフレームを用いてミラーおよび角度センサを一体的に連結結合して可動部を構成したので、センターヨークに冷却通路を形成でき、可動部の温度上昇を低減できる。これにより、ミラーの駆動部の温度上昇に起因する不具合を解消できる。
以下、本発明に係るレーザスキャナ装置およびそれを搭載したレーザ加工機のいくつかの実施例を図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るレーザスキャナ装置200の一実施例の縦断面図(同図(a))およびその上面縦断面図(同図(b))である。図2は、図1に示したレーザスキャナ装置200の横断面図である。図2(a)は図1のC−C断面図であり、図2(b)は、(a)図のA−A断面図である。図3は、レーザスキャナ装置200の分解斜視図である。
軸中心部に貫通穴9aが形成されたセンターヨーク9の両端部は段状に形成されており、この段の部分には軸受10a、10bが嵌合されている。センターヨーク9の一方の端部には、角度センサ30が取付けられている。角度センサ30側の軸受10bの内輪は、圧入あるいは接着などにより、センターヨーク9の段部に固定されている。センターヨーク9の他端部には、ミラーマウンタ2を介してミラー1が取付けられている。ミラーマウンタ2はミラー1の端部を表裏両側から挟持し、正面形状がC字型をしている。C字型の横に突き出た部分を、フレームジョイント3aにねじ3xを用いてねじ止めしている。ミラー1側の軸受10aの内輪は、すきま嵌めでセンターヨーク9の段部に嵌合している。したがって、軸受10aはセンターヨーク9の長手方向に摺動可能である。
センターヨーク9のミラー1側段部であって、軸受10aを挟んでミラー1と反対側には、軸受押えスペーサ13が嵌合している。軸受押えスペーサ13は、軸受10aの内輪に接触している。軸受押えスペーサ13とセンターヨーク9の間には、波ワッシャ23が圧縮挿入されており、この波ワッシャ23の弾性力が軸受押えスペーサ13を軸方向に押すことにより、軸受10a、10bに予圧が作用する。軸受10a、10bの外輪に、フレームジョイント3a、3bが取付けられている。その際、フレームジョイント3a、3bを、軸受10a、10bに圧入あるいは接着する。フレームジョイント3a、3bを、円筒形状のフレーム5の軸方向両端部に連結する。
フレーム5の外周側には、銅あるいはアルミニウム素線のコイル4が巻回されている。コイル4の外周側であってコイル4と半径方向に隙間を置いてNS反対磁極の1対の磁石14が対向配置されている。磁石14は、アウターヨーク15に形成された矩形状の穴に保持されている。アウターヨークは、円筒形を2つの平行な平面で切り落とした形状になっている。図2に示すように、受熱板17がアウターヨーク15の内周面に固定されている。ただし、図3では、形状を示すため揺動部と一緒に示している。フレーム5は、受熱板17によって上下から挟み込まれる。
センターヨーク9の中心に形成した貫通穴に、アウターヨーク15の外周側から連通する半径方向の第1の穴9a、15aがアウターヨーク15およびセンターヨーク9に形成されている。この半径方向の第1の穴9a、15aは、軸方向に間隔を置いて2箇所形成されている。センターヨーク9の軸中心部に形成した貫通穴9cの両端部には、この穴9cを封止する栓16が取付けられている。
アウターヨーク15およびセンターヨーク9では、半径方向の第1の穴9a、15aと周方向にほぼ180度隔てた位置に、半径方向の第2の穴9b、15bが形成されている。ただし、この第2の穴9b、15bは、アウターヨーク15では貫通している(穴15b)が、センターヨーク9では半径方向の所定位置までしか形成されていない(穴9b)。半径方向第1の穴9a、15aには、中心部に貫通穴12aが形成された冷媒流路付支持部材12が嵌合しており、センターヨーク固定ナット22でアウターヨーク15に固定されている。
冷媒流路付支持部材12の先端には、冷媒供給用の図示しないチューブが接続されている。一方、半径方向第2の穴9b、15bには、支持部材11が嵌合しており、これもセンターヨーク固定ナット22でアウターヨーク15に固定されている。これにより、センターヨーク9とアウターヨーク15とは、一体的に結合している。
角度センサ30は、レーザ反射式のロータリーエンコーダである。角度センサ30側のフレームジョイント3bには、フランジを部分的に形成したグレーティングハブ6がねじ止めされている。グレーティングハブ6の反ミラー1端側は断付形状であり、この段付部にフランジ8がねじ止めされている。さらに、ロータリーエンコーダのグレーティング7がこのフランジ8に固定されている。グレーティング7の表面には、放射状にスリットパターンが形成されており、図示しないサポートがアウターヨーク15と一体にセンサヘッド31を固定している。センサヘッド31はスキャナコントローラ40に接続されている。スキャナコントローラ40は、コイル4にも接続されている。
次にこのように構成した本実施例の各部の動作を、説明する。フレームジョイント3a、3b間を接続するフレーム5は、揺動部分(ロータ)に作用するねじりトルクを伝達する。それとともに、コイル4を保持し、コイル4の熱を外部に伝導するために伝熱面積を増す作用をする。フレーム5に、例えば熱伝導率が比較的大きく熱変形が少ないアルミナセラミック材を用いると、熱変形が小さいのでコイルが発熱しても熱応力をそれほど増大させず、形状精度を安定して確保できる。
フレーム5に、非導電体のセラミックスを用いると、磁場中でフレーム5が揺動しても渦電流が発生しない。そのため、渦電流に起因して電磁力が発生する負の力である抵抗が生じないので、高速な位置決め応答が可能になる。また、コイル4に電流が流れたときに、コイル4の電流を相殺する方向に流れる渦電流も発生しないので、渦電流による電磁力の損失がなく、さらに高速な応答が可能になる。
フレーム5に巻回されたコイル4は、接着などによりフレーム5と一体化される。コイル4の巻付方向は、図1(b)において、センターヨーク9の外周を巻回する方向である。すなわち、電流が、円筒形状のフレーム5の手前側の円筒面を、円筒の長手方向に流れ(図2のコイル4b参照)、端面で奥側の円筒面へ横断し、奥側の円筒面を先ほどとは逆方向に円筒の長手方向に流れ(図2のコイル4a参照)、端面で再び手前側の円筒面へ横断して元の場所に戻り、周回するように、素線を巻き付ける。
なお、本実施例のスキャナ200は約±10度の範囲で揺動するだけであり、連続回転するものではないので、整流ブラシ等を使用せずに、揺動動作により断線しないような余裕を見てコイル4の素線を引き出している。コイル4の巻き付け回数は、必要なトルクの大きさに応じて決定される。
移動指令s1である角度目標値がスキャナコントローラ40に入力されると、コントローラ40はその信号s1に応じて、駆動電流s2をレーザスキャナ装置200に供給する。レーザスキャナ装置200のコイル4に電流が流れると、磁石14によって形成された磁界との電磁相互作用により、コイル4の電流に比例したトルクが発生し、ロータが揺動する。ロータの揺動角は、角度センサ30によって検出される。すなわち、角度センサが有するセンサヘッド31は、レーザ光s4をグレーティング7に照射し、スリットパターンでの通過からグレーティング7の回転角度を検出し、コントローラ40に検出信号s3を送信する。コントローラは、フィードバックされた検出信号s3と角度信号の目標値s1とを比較してコイル4の駆動電流を制御する。これにより、ロータを目標位置に、高精度で位置決めする。
センターヨーク9の軸心部の流路9cに、冷媒流路付支持部材12の穴12aが連通し、冷却流路が形成される。センターヨーク9に冷媒の流路を設けたので、一方の冷媒流路付支持部材12から入った冷媒は、支持部材12の穴12a、センターヨーク9の第1の半径方向穴9a、センターヨーク9の軸心部の流路9cを通り、センターヨーク9の他方の第1の半径方向穴9a、冷媒流路付支持部材12の穴12aを経て、スキャナ200外に導かれる。
冷媒は、センターヨーク9の流路9cを通過中に熱を吸収し、センターヨーク9を冷却する。冷媒には、水や油などの液体の他、空気等の気体も用いることができる。つまり、効率良く熱伝達できるものであればよい。本実施例によれば、センターヨーク9が冷却され、コイル4で発生した熱をセンターヨーク9に伝えて吸収できるので、ロータ部の温度上昇を抑制できる。
なお図1では、冷媒がセンターヨーク9中を角度検出器30側からミラー1側へ向かって流れているが、流れの方向はこの逆であってもかまわない。本実施例では、角度の位置決め精度の点から角度検出器30側の冷却を重視して、角度検出器30側に低温の冷媒を導いている。これに対して、レーザ照射による温度上昇を抑制する観点から、ミラー1側の冷却を重視する場合には、ミラー1側から角度検出器30へ冷媒を流した方が良い。また、構成がやや複雑になるが、中央付近に冷媒の出口を設け、角度検出器30側とミラー1側の双方に低温の冷媒を導入し、中央付近に設けた出口から回収すれば、角度検出器30側、ミラー1側の両方の冷却効率を高めることができる。
コイル4の温度上昇を低減してスキャナ200の応答性を向上させる他に、コイル4で発生する磁束の変化を打ち消すようにしてもスキャナ200の応答性を向上できる。一般にショートリングと呼ばれる導電体を、コイル4の周囲に設ける方法である。フレーム5の周囲に巻いたコイル4に流れる電流に平行な電流経路が形成されるように、センターヨーク9の周囲に導電体の経路を形成する。これにより、スキャナ200の応答速度が向上する。
具体的には、センターヨーク9の表面にセンターヨーク9の材料よりも電気抵抗の低い銅等の材料をめっきする。コイル4に通電するときに発生する磁束変化を、センターヨーク9のメッキ層であるショートリングに流れる電流が打ち消し、コイル4のインダクタンスによる電流の立ち上がりの遅れを低減できる。これにより、スキャナ200の応答性能が向上する。
本実施例によれば、概略中空円筒形状のフレーム5を用いてミラー1および角度検出器30を一体化してロータを構成し、センターヨーク9および支持部材11の構造の制約条件を軽減したので、センターヨーク9に揺動軸を貫通させるスペースが不要となる。また、センターヨーク9の支持構造を簡単化できるので、冷媒通路を容易に形成することができる。
コイル4による磁界の発生を、図2を用いて説明する。上述したように、コイルの素線4a、4bには、紙面に垂直な方向に互いに逆向きの電流が流れる。できる限り強力な磁界がコイル4(4a、4b)を貫くように、磁石14、センターヨーク9、アウターヨーク15で磁気回路を構成する。紙面の左右方向に磁界を形成したので、コイル4(4a、4b)に電流が流れると、偶力の電磁力が作用し、コイル4(4a、4b)、フレーム5、フレームジョイント3を有するロータ部が一体で回動する。
フレーム5とアウターヨーク15の内面との間の磁石が設けられていない上下の空間には、フレーム5に近接して受熱板17を設けている。フレーム5の円筒面と受熱板17の受熱面の間隔が0.1〜0.3mm程度になるように、受熱面の曲率を設計する。フレーム5の回転を妨げないようにして、極力、受熱板17とフレーム5を近接させる。フレーム5を使用しないスキャナ200の場合は、センターヨーク9に近接させた受熱板17を設ける。受熱板17は、伝熱経路を確保しながらアウターヨーク15に固定されている。
スキャナ200が動作した時に、コイル4で発生した熱をフレーム5に伝導する。そして、フレーム5から受熱板17へ伝わり、アウターヨーク15へ伝熱する。または、コイル4で発生した熱を、センターヨーク9に伝導する。そして、センターヨーク9から受熱板17へ伝わり、アウターヨーク15へ伝熱する。これらの伝熱経路を確保したので、コイルで発生した熱は、ロータ部に留まることなくロータ部外に速やかに放熱されるので、ロータ部の温度上昇を抑制できる。受熱板17の材料には、熱伝導率が高く、非磁性で安価な材料、例えば、銅、アルミなどを使用する。
上記実施例の変形例を、図4および図5を用いて説明する。図4に、スキャナ200aの縦断面図を、図5にスキャナ200aの分解斜視図を示す。この変形例では、貫通穴である冷媒流路9cの両端部に、冷媒流路配管18を接続している。これにより、冷媒流路付支持部材12を省き、構造をより簡単化している。なおセンターヨーク9とアウターヨーク15とを、上記実施例と同様に、支持部材11およびセンターヨーク固定ナット22を用いて固定する。図5に示すように、コイル4が冷媒流路配管18に干渉しないように、冷媒流路配管18を取付けるセンターヨークの貫通穴9cの開口部を避けて、コイル4を巻回する。本変形例によれば、センターヨーク9の支持構造を簡単化できる。
図6〜図8を用いて、本発明に係るスキャナ210の他の実施例を説明する。図6はスキャナ210の縦断面図であり、図7はその横断面図、図8はその分解斜視図である。本実施例が上記実施例と異なるのは、上記実施例ではフレーム5を中心にしてその外側を囲む枠型のコイル4を配置していたが、本実施例では、枠型に形成されたいわゆるレーストラック型コイル20を、フレーム5の外周面の周方向に複数個配置していることにある。これにより、コイル20のインダクタンスが低下する。この変更に伴い、磁石を4極にし、アウターヨーク21a、21bを2つ割れ構造とした。ミラー1を駆動するコイのインダクタンスが大きくなり過ぎて電気的時定数が悪化する場合に、コイルのインダクタンスを低減するのに有効である。
ところで本実施例では、フレーム5の全周にレーストラック型コイル20を配置しているので、センターヨーク9を支える支持部材をセンターヨーク9の円筒面に設けることができない。そこで、センターヨーク9の両端部を貫通する丸棒の支持部材19を設けた。フレームジョイント3と軸受10a、10bの内輪を嵌合し、軸受10a、10bの外輪を2つ割れアウターヨーク21a、21bで支持する。フレームジョイント3a、3bには、円筒状のフレーム5が連結され、フレーム5の円筒面に、4個のレーストラック型コイル20を貼り合わせる。
レーストラック型コイル20の周囲に、磁石14を配置する。フレーム5を貫通するようにセンターヨーク9を配置し、このセンターヨーク9を両持ち型支持部材19に、嵌合またはロウ付け、ねじ締結、接着のいずれかにより結合する。両持ち型支持部材19は、2つ割れアウターヨーク21a、21bに形成した円筒部と嵌合して連結され、センターヨーク9を支持する。
センターヨーク9の軸心部に形成された流路9cは、両持ち型支持部材19に形成した流路19aに連通しており、冷却流路を形成する。本実施例によれば、レーストラック型コイル20を使用しても、センターヨーク9を簡易な構造で冷却することができ、レーストラック型コイル20の発熱によるロータ部の温度上昇を抑制できる。
次に、上記各実施例および変形例で示したスキャナ200、200a、210を搭載したレーザ加工機300の一実施例を、図9を用いて説明する。図9(a)は、レーザ加工機300の全体斜視図であり、同図(b)はスキャナ部(図9(a)のA部)の詳細を示す図である。なおスキャナは、このレーザ加工機のみならず、レーザ光の位置決めを高速および高精度に行う加工機や計測装置などにも適用できる。レーザ加工機300では、ベッド106に門型架台107が固定されている。門型架台107の上面には、光路系を構成する各要素を配置する天板109が取付けられている。門型架台107の側面には、L字型に成形されたプレート108が取付けられている。プレート108には、上記いずれかのレーザスキャナ装置103が配置されている。
天板109の上および門型架台107の側面に、光路ミラー102a〜102cを複数枚配置してレーザ光の光路系を構成する。レーザ光源101から出射されたレーザ光は、レーザスキャナ装置103a、103bに取付けたミラー1a、1bに誘導される。この光路系には、加工の必要に応じて、図示しないアパーチャ、コリメータレンズなどの光学装置を設ける。レーザスキャナ装置103a、103bを、スキャナサポート111a、111bが保持する。スキャナサポート111a、111bを、プレート108に固定する。
一方のレーザスキャナ装置103aは、図示しないコントローラからの指令に従ってミラー1aを所定の角度に位置決めする。これにより、X方向にレーザ光を位置決めする。他方のレーザスキャナ装置103bは、コントローラからの指令に従ってミラー1bを所定の角度に位置決めする。これにより、Y方向にレーザ光を位置決めする。
レーザスキャナ装置103a、103bの下方には、fθレンズ104が配置されている。レーザスキャナ装置103a、103bで偏向されたレーザ光は、fθレンズ104を通って、このfθレンズ104の下方のXYテーブル105上に載置された被加工物110であるプリント基板上の所定の位置に、垂直に照射される。XYテーブル105を備えているので、レーザ光のスキャンエリアの外を加工する場合でも、XYテーブル105に載置された被加工物110をX、Y方向の任意の位置へ移動させて加工することができる。本実施例によれば、被加工物110上の任意の位置に、レーザ光を2次元的に高速かつ高精度に位置決めできる。これにより、高速で高精度な加工が可能になる。
上記実施例の記載では、スキャナについて詳述したが、本発明はスキャナに限定されるものではなく、スキャナを組込みレーザ光の位置決めを高速および高精度に行う加工機械や計測装置等も含まれる。また角度センサに、レーザ反射式のロータリーエンコーダを用いているが、他の種類の角度センサ、例えば磁気式の角度センサであってもよい。
1、1a、1b…ミラー、2…ミラーマウンタ、3a、3b…フレームジョイント、4…コイル、5…フレーム、6…グレーティングハブ、7…エンコーダグレーティング、8…フランジ、9…センターヨーク、10…軸受、11…支持部材、12…冷媒流路付支持部材、13…軸受押えスペーサ、14……磁石、15…アウターヨーク、16…栓、17…受熱板、18…冷媒流路管、19…両持ち型支持部材、20…レーストラック型コイル、21a、21b…2つ割れアウターヨーク、22…センターヨーク固定ナット、23…波ワッシャ、101……レーザ光源、102a〜102c…光路ミラー、103a、103b…レーザスキャナ装置、104…fθレンズ、105…XYテーブル、106…ベッド、107…門型架台、108…プレート、109…天板、110…被加工物、111a、111b…スキャナサポート、200、200a、210…(レーザ)スキャナ(装置)、300…レーザ加工機。
Claims (9)
- インナーヨークと同心に配置した磁石との間にフレームに保持したコイルを配置し、前記フレームの一端側にレーザ光を反射するミラーを、他端側に角度検出器を有し、前記インナーヨークの軸心部に冷媒の流通する穴を形成し、前記コイルと前記磁石との電磁作用により前記フレームを揺動させミラーに導かれたレーザ光を位置決めするレーザスキャナ装置。
- 前記冷媒の流通する穴に連通する穴が形成された部材を前記センターヨークの両端部に設けたことを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャナ装置。
- 前記磁石の外周側にアウターヨークを設け、このアウターヨークと前記インナーヨークに、前記冷媒の流通する穴にほぼ垂直な穴を軸方向複数箇所に形成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャナ装置。
- 前記コイルを複数のレーストラック型コイルで形成し、前記磁石を多極で形成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザスキャナ装置。
- ベッド上に載置したXYテーブルと、このXYテーブルに載置した被加工物にレーザ光を収束させるfθレンズと、レーザ光を発生するレーザ光源と、このレーザ光源で発生したレーザ光を前記fθレンズに導く少なくとも2台のレーザスキャナとを備え、このレーザスキャナは請求項1ないし4のいずれか1項に記載されたものであることを特徴とするレーザ加工機。
- レーザ光を反射するミラーと、このミラーの回転角度を検出する角度センサと、前記ミラーと一体的に結合しミラーおよび角度センサを含むロータと、前記ミラーを揺動させるアクチュエータと、このアクチュエータの内側に配置したセンターヨークと、前記角度センサの出力信号と目標値とを比較して前記アクチュエータに制御指令を与えて前記ミラーの揺動位置を制御しレーザ光の照射位置を制御する制御手段とを備えたレーザスキャナ装置であって、前記アクチュエータは電磁駆動方式のアクチュエータであり、前記ロータは概略中空円筒形状のフレームにミラーおよび角度センサを一体的に連結結合して構成されており、前記センターヨークの軸心部に冷媒の流路を形成し、この冷媒流路を流通する冷媒でセンターヨークとセンターヨークの近傍に位置する前記ロータとを冷却することを特徴とするレーザスキャナ装置。
- 前記ロータの半径方向外側に隣り合って受熱板を設け、この受熱板を用いてロータを冷却することを特徴とする請求項6に記載のレーザスキャナ装置。
- 前記アクチュエータはコイルを有し、このコイルを前記フレームに結合したことを特徴とする請求項6に記載のレーザスキャナ装置。
- 請求項1から8のいずれかに記載のレーザスキャナ装置を搭載し、レーザ光の照射位置を位置決めすることを特徴とするレーザ加工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005052237A JP2006235413A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | レーザスキャナ装置およびレーザ加工機 |
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JP2005052237A JP2006235413A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | レーザスキャナ装置およびレーザ加工機 |
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JP2006235413A true JP2006235413A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37043100
Family Applications (1)
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JP2005052237A Withdrawn JP2006235413A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | レーザスキャナ装置およびレーザ加工機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014071160A (ja) * | 2012-09-27 | 2014-04-21 | Brother Ind Ltd | 2軸型ガルバノミラーデバイス |
JP2015133867A (ja) * | 2014-01-15 | 2015-07-23 | ファナック株式会社 | リニアモータの電機子、リニアモータ、およびリニアモータの電機子の製造方法 |
-
2005
- 2005-02-28 JP JP2005052237A patent/JP2006235413A/ja not_active Withdrawn
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