JP2004019237A - ブロック材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面および上面を有する木製のブロック材において、各側面に対して底面に貫通する溝を形成する。この溝は、上記底面に対して略45°に配向させたり、上記底面に対して所定角度の傾斜または当該傾斜に対して左右対称の関係となる角度の傾斜が与えられる。また、溝の傾斜角度の組み合わせを違えた複数種のブロック材が構成される。このブロック材を対面させつつ溝に嵌合片を嵌入する構成により、少ない作業で連結/分離が可能になり、また、少数の嵌合片で強度を確保することができ、多様な模様を形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロック材に関し、特に、複数のブロック材を並置して床面を形成するために使用して好適なブロック材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境に対する配慮等の観点からあらゆる分野でリサイクル,省資源化が望まれている。木製品の製材所等にて目的とする物品を製造した後には多くの場合端材が生ずる。この端材は木材の切れ端であり、木製品として利用困難であることが多い。端材を再利用するための一つの方向性としては、複数の端材を組み合わせてより大きな一つの木製品に仕上げる方向性が考えられる。
【0003】
木材同士を組み合わせるための手法として、従来、嵌合片(ダボ)による連結が知られている。例えば、板状の木片にて形成したブロック材を複数個連結してより大きな面積を有する一つの床材を形成する場合、床面に対して平行方向および床面に対して垂直方向にずれないようにブロック材同士を拘束する必要がある。従来の嵌合片においては、ずれ方向に対して垂直に嵌合片を挿入しており、床面に対して平行方向に拘束するために床面に対して垂直に嵌合片を挿入可能に構成し、また、床面に対して垂直方向に拘束するために床面に対して平行に嵌合片を挿入していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のブロック材においては、木片同士を一定の面内で拘束するために2方向から嵌合片を挿入可能な嵌合片用の穴を形成し、また、2方向から嵌合片を挿入する作業が必要であり、多くの嵌合片を必要とするとともに作業に手間がかかっていた。このブロック材においては木片の一つを他の木片に変更する際にも嵌合片を抜くための作業に手間がかかり、実質上、木片の再利用が促進されない結果になっていた。また、作業性の確保のために嵌入片の数を少なくすると、ブロック材同士の連結強度が低下し、分離しやすくなってしまう。さらに、従来のブロック材では通常、複数のブロック材のすべてを同一の形に形成するので、床面の模様が画一化され、おもしろみにかけるきらいがあった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、少ない作業および嵌合片によって効率的に拘束することができ、また、交換することが可能であるとともに簡易な構成によって強固に連結可能であり、種々の模様を容易に形勢可能なブロック材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面と同底面に対面する上面とを有する木製のブロック材であって、各側面には、上記底面に対して略45°に配向されるとともに当該底面側に貫通し、他のブロック材と隣接させたときに対面して底面側に開口した穴を形成する溝が形成されている構成としてある。
【0006】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、ブロック材の側面に対して溝が形成されており、複数のブロック材を隣接させたときに溝同士が対面し、底面側に開口する穴となる。従って、当該穴に嵌合片を挿入することによってブロック材同士を連結することができる。また、本発明において各側面に形成される溝は底面に対して略45°に配向されている。従って、この溝が底面に対して配向する角度と底面に対して垂直な線に対して配向する角度とは略同一角度(略45°)である。
【0007】
このため、上記穴に嵌合片を嵌入することによって複数のブロック材を連結した状態で、各ブロック材の当接面と平行かつ底面に平行な方向に所定の力が作用した場合と底面に垂直な所定の方向に力が作用した場合の双方において嵌合片に作用する力は略同値になる。従って、一つの嵌合片によって2方向からの力に抗してブロック材を拘束することができるとともに、両方向からの力に対して均等な拘束力でブロック材を拘束することができ、少ない作業および嵌合片で2方向からの力に対する拘束が実現できる。また、一つの嵌合片を上記穴から抜き去ることによって2方向の拘束を解除することができ、少ない作業でブロック材を交換することができる。
【0008】
ここで、ブロック材は6面体であり、側面に溝が形成されていればよく、厚みは特に限定されない。また、側面に隣接する面は底面と上面であり、上面を露出するようにしてブロック材を連結しつつ平面状に形成すれば上記穴が露出せず美感上好ましいものの、むろん、底面を鉛直方向下方に配向させることが必須ではない。すなわち、底面を裏側に配向させつつ上面を表側に配向させることによって本発明にかかるブロック材にて壁面を形成することが可能であるし、ブロック材同士を交差させることによって立体構造物を形成することも可能である。
【0009】
溝の配向方向を規定する角度としては、溝の中心線が底面に対して45°傾斜していれば良く、側面に正対して底面を鉛直上方に配向させたときに底面から溝の中心線に対して反時計回りに角度を計測しても良いし、時計回りに角度を計測しても良い。溝においてはブロック材を互いに連結して拘束するための嵌合片が嵌入可能であれば良く、その限りにおいて形状は限定されない。
【0010】
例えば、幅が一定の溝でも良いし、幅が一定の溝の一部に凹部を形成し、嵌合片において対応する位置に凸部を形成して嵌合片が抜け落ちにくい構造にするなど種々の構成を採用可能である。むろん、上記溝の中心線が底面に対して傾斜する角度は、厳密に45°であることが必須ではない。すなわち、上述のように2方向からの力が嵌合片に対して略均等に作用すればよいので、その限りにおいて45°からの変動は許容される。
【0011】
また、請求項2にかかる発明は、厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面と同底面に対面する上面とを有する木製のブロック材であって、各側面には、上記底面側に貫通するとともに他のブロック材と隣接させたときに対面して底面側に開口した穴を形成する溝が形成されており、当該溝は上記底面に対して所定角度の傾斜または当該傾斜に対して左右対称の関係となる角度の傾斜が与えられるとともに各側面に設けられた溝の傾斜角度の組み合わせをブロック材によって違えることで溝の配向形態が異なる2種類のブロック材が形成されている構成としてある。
【0012】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、ブロック材の側面に溝が形成されており、複数のブロック材を隣接させたときに溝同士が対面し、底面側に開口する穴となる。従って、当該穴に嵌合片を挿入することによってブロック材同士を連結することができる。ここで、溝は底面に対して所定角度の傾斜が与えられているが、当該所定角度の傾斜に対して左右対称の関係になる溝も存在することによって、側面同士を連結することができる。
【0013】
すなわち、ある側面に対して所定の傾斜角で溝を形成し、同じ傾斜角で溝を形成した側面を対面させると、一方が180°回転した状態で両側面が向き合うので、向き合った側面間で溝が一致することはない。しかし、ある側面に対して所定の傾斜角で溝を形成しておき、当該傾斜に対して左右対称の傾斜角で溝を形成すれば、両面を対面させたときに溝を一致させることができる。
【0014】
また、溝が底面に対して傾斜していることにより、当該溝に嵌入される嵌入片によって底面に対して平行方向からの力および垂直方向からの力の双方に対して拘束力を作用させることができる。従って、少ない作業および嵌合片で2方向からの力に対する拘束が実現できる。さらに、一つの嵌合片を上記穴から抜き去ることによって2方向の拘束を解除することができ、少ない作業でブロック材を交換することができる。
【0015】
さらに、請求項3にかかる発明は、厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面と同底面に対面する上面とを有する木製のブロック材であって、各側面には、上記底面に対して略45°または略135°の傾斜が与えられるとともに上記底面側に貫通し、他のブロック材と隣接させたときに対面して底面側に開口した穴を形成する溝が形成されており、上記側面の中の3面に上記略45°の傾斜が与えられた溝が形成されるとともに残りの1面に上記略135°の傾斜が与えられた溝が形成された第1のブロック材と上記側面の中の3面に上記略135°の傾斜が与えられた溝が形成されるとともに残りの1面に上記略45°の傾斜が与えられた溝が形成された第2のブロック材とが形成される構成としてある。
【0016】
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、ブロック材の側面同士を当接させた状態で溝によって形成される穴に対して嵌合片を嵌入することによってブロック材を連結することができる。ここでは、傾斜角が底面に対して略45°あるいは略135°であり、上述の発明と同様に2方向から作用する力を嵌合片に対して均等に作用させることができる。但し、上記請求項1では底面からの角度の計測法が時計回り,反時計回りのどちらでも良かったが、本請求項では時計回りと反時計回りのいずれかに統一して計測する。すなわち、略135°の傾角は略45°の傾角に対して左右対称の関係の傾角であると言える。
【0017】
さらに、本発明では、4つの側面の中で特定の一面に形成された溝の傾角が他の3面に形成された溝の傾角と異なっている。また、当該特定の一面に形成された溝の傾角が略45°であるか略135°であるかによって2種類のブロックが形成されている。この結果、側面同士を向かい合わせる際のブロック材の配置パターンが多様化し、複雑な模様を形成することができる。
【0018】
例えば、長方形の上面を有するブロック材を平面内に並べる際に、ブロック材の長辺同士と短辺同士とを当接させつつ連結させたのでは、美感上おもしろみがないが、長辺と短辺とを当接させることができるとともに長辺と長辺とあるいは短辺と短辺とを当接させることができると、ブロックの配置が多様化され、美感上好ましい連結体を形成することができる。また、作業者のアイデアによって種々のデザインを形成することができる。さらに、パズルとしての楽しみ方も可能になる。尚、上記請求項1〜請求項3に記載の発明において、ブロック材を並べて平面を形成するに当たり、端に配置されるブロック材においてはその外周側で露出する側面に溝を形成していなくても良い。
【0019】
さらに、請求項4にかかる発明では、上記溝が対面して底面側に形成する穴には、当該穴の内径より大きな外径を有する木製の嵌入片が嵌入される構成としてある。すなわち、穴の内径より大きな外径を有する木製の嵌入片を利用すれば、穴に対する嵌入によってブロック材同士を強固に連結することができる。さらに、木製材料は通常、吸湿によって膨張するので、経時的に嵌入片の穴に対する連結がより強固になって好適である。木製材料は通常、乾燥によって収縮するので、嵌入片よりも収縮率の大きい材料でブロック材を形成することによって、収縮にて連結を強固にする構成とすることもできる。
【0020】
さらに、請求項5にかかる発明では、上記嵌入片は上記ブロック材より堅い木材で形成される構成としてある。すなわち、上記溝が形成する穴に対してブロック材より堅い木材を嵌入してブロック材を拘束すれば、ブロック材同士を非常に強固に連結することができる。上述のように側面に形成する溝に傾角が与えられていることにより、多数のブロック材が連結された状態で特定のブロック材を分離しようとすると、嵌入片を剪断する必要があるところ、ブロック材同士の連結強度は嵌入片の強度に非常に密接に依存する。
【0021】
従って、嵌入片が堅く、剪断に対して非常に強い強度を有していれば、ブロック材同士を非常に強固に連結することが可能になり、端材を組み合わせているにもかかわらず、あたかもブロック材の素材自体で一枚板を形成したかの如き強度を得ることができる。むろん、嵌入片堅さを適宜選択することによって所望の連結強度でブロック材同士を連結することができる。
【0022】
さらに、請求項6にかかる発明では、上記底面および上面は長方形の外周を有し、当該長方形の短辺の長さと長辺の長さとの比が当該短辺を含む側面上に形成された溝の数と長辺を含む側面上に形成された溝の数との比に等しい構成としてある。すなわち、長方形の底面および上面を有するブロック材は容易に平面状に並べることができるとともに、各ブロック材で総ての側面において隣合う溝間の距離を同値にすることができ、溝と側面同士の境界との距離を同値にすることができるとともに、溝と側面同士の境界の距離を溝間の距離の1/2にすることができ、異なるブロック材において長辺と短辺とを当接させながら並べることができる。
【0023】
さらに、請求項7にかかる発明では、上記底面および上面は短辺の長さと長辺の長さの比が1:2の長方形である構成としてある。すなわち、底面と上面が長方形となっているブロック材の例として短辺の長さと長辺の長さの比を1:2にする例を採用可能である。この例においては長辺に対して二つの短辺をを当接させることができ、ブロック材を並べて容易に平面を埋め尽くすことができる。また、かかる例においては、上記長方形の短辺を含む側面において中央に1つ溝を形成し、上記長方形の長辺を含む側面において長辺に沿って一方の端から1/4および3/4の距離の位置に溝を形成する構成例を採用可能である。
【0024】
さらに、請求項8にかかる発明では、上記底面および上面が正方形の外周であるとともにその一辺の長さは上記長方形の短辺の長さと等しい構成としてある。すなわち、底面および上面が長方形のブロック材を平面状に並べていった場合、並べ方によっては正方形の隙間が生じてしまう場合がある。そこで、底面および上面が正方形のブロック材を形成しておけば当該正方形の隙間を埋めることができる。底面および上面が正方形のブロック材の側面に形成する溝の配向方向としては、上記底面および上面が長方形のブロック材の側面に形成された溝に対面して底面に穴を形勢可能であれば良い。従って、一つのブロック材においてその溝の傾角の組み合わせ、例えば45°と135°との組み合わせは種々のものを採用可能である。
【0025】
さらに、請求項9にかかる発明では、上記嵌入片は、ネジを螺入するとともに当該ネジに対して抜き方向の力を作用させることによって引き抜くことが可能であり、直角二等辺三角形の板状部材を対面させつつ当該直角二等辺三角形より小さな面を有する所定の角材を介して連結することによって当該直角二等辺三角形の間にネジを配置可能に形成した補助具を構成し、ネジの引き抜きに際して補助具の斜辺側を嵌入片に螺入されたネジ頭に当接させるとともにネジ本体を直角二等辺三角形の間に配置し、斜辺に隣接する一方の辺を上記底面に当接させて斜辺に隣接する他方の辺に押圧力を作用させる構成としてある。
【0026】
上記のように構成した請求項9にかかる発明においては、嵌入片を引き抜く際に補助具によって容易に引き抜くことができる。すなわち、嵌入片を嵌入した状態で底面から嵌入片が露出しないように構成すれば、底面を略平面状に形成することができるとともに、嵌入片が脱落しづらくすることができる。この状態においても嵌入片にネジを螺入すれば、ネジを螺入した状態でネジを引き抜くことによってネジとともに嵌入片を引き抜くことができ、補助具により引き抜きが非常に容易になる。
【0027】
補助具は直角二等辺三角形の板状部材を対面させつつ当該直角二等辺三角形より小さな面を有する所定の角材を介して連結されている。従って、角材とネジとが干渉しないようにしつつ、ネジを直角二等辺三角形の間に配置することができる。この補助具において直角二等辺三角形の斜辺に隣接する一方の辺をブロック材の底面に当接させると、直角二等辺三角形の斜辺はブロック材の底面に対して45°の向きに配向する。
【0028】
嵌入片にネジを螺入した状態ではネジが傾斜した状態になっており、当該ネジの頭と上記直角二等辺三角形の斜辺とを当接させ、かつ斜辺に隣接する一方の辺をブロック材の底面に当接させることができる。そして、この状態で斜辺に隣接する他方の辺に押圧力を作用させると、上記斜辺に隣接する一方の辺がブロック材の底面上で摺動しつつ補助具が移動する。このとき、ネジの頭は直角二等辺三角形の斜辺に押されつつ移動するので、この結果、ネジとともに嵌入片を引き抜くことができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、少ない作業および嵌合片で2方向からの力に対する拘束が実現でき、少ない作業でブロック材を交換することができる。また、請求項2にかかる発明によれば、少ない作業および嵌合片で2方向からの力に対する拘束が実現でき、少ない作業でブロック材を交換することができる。
【0030】
さらに、請求項3にかかる発明によれば、少ない作業および嵌合片で2方向からの力に対する拘束が実現でき、少ない作業でブロック材を交換することができるとともに、ブロック材の配置パターンが多様化し、複雑な模様を形成することができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、ブロック材同士を強固に連結することができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、ブロック材同士を非常に強固に連結することができる。
【0031】
さらに、請求項6にかかる発明によれば、異なるブロック材において長辺と短辺とを当接させながら並べることができる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、ブロック材を並べて容易に平面を埋め尽くすことができる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、ブロック材を並べる際の自由度が増加する。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、嵌入された嵌入片を容易に引き抜くことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ブロック材の構成:
(2)溝の構成:
(3)ブロック材の連結:
(4)組み合わせによる模様の形成:
(5)嵌入片の引き抜き:
(6)他の実施形態:
【0033】
(1)ブロック材の構成:
図1および図2は本発明にかかるブロック材を示す斜視図である。本実施形態においては、溝の配向方向が異なる2種類のブロック材を形成しており、両図に示すそれぞれのブロック材では溝の配向方向が異なっている。これら2種類のブロック材双方とも木製であり、これらを多数個形成し、当接させるブロック材を適宜選定することによって種々の並べ方にて平面を埋め尽くすことができる。すなわち、木製の床面や壁面等を形成することができる。本明細書では図1に示す第1のブロック材をブロック材10とし、図2に示す第2のブロック材をブロック材20として説明する。
【0034】
図1に示す第1のブロック材10において、各ブロック材は向かい合う面が平行の直方体であり、所定の厚みを有する板状の部材を形成している。すなわち、ブロック材10の外面は略長方形の側面11〜14と略長方形の底面15と略長方形の上面16とに覆われている。図1においては底面15を上側に向けて示しているが、実際に使用される際には底面15が下側に配向され、上面16が上側に配向される。
【0035】
底面15および上面16は短辺の長さと長辺の長さの比が略1:2の長方形である。また側面11,13は底面15および上面16の長辺を含み、側面12,14は底面15および上面16の短辺を含む。従って、側面11,13は側面12,14の2倍の面積であり、側面12,14を側面11,13の左半分または右半分に突き合わせつつ当接させることができる。各側面11〜14には底面に対して所定角度に配向された溝11a,11b,12a,13a,13b,14aが形成されている。
【0036】
一方、図2に示す第2のブロック材20の寸法および概略形状は上記ブロック材10と同様であり、直方体であるとともに所定の厚みを有する板状部材であって、側面21から24および底面25と上面26とに覆われている。また、各側面21〜24には底面に対して所定角度に配向された溝21a,21b,22a,23a,23b,24aが形成されている。
【0037】
(2)溝の構成:
第1のブロック材10と第2のブロック材20においては、底面15,25に対して中心線が45°に配向した溝と135°に配向した溝とが形成されている。ここでの角度は、底面を上方に配向させつつ側面に正対するとともに底面から時計回りに計測した角度である。図3,図4はその例を示すための側面図である。
【0038】
すなわち、図3はブロック材10において底面15を上方に配向させつつ側面12に正対して視認した状態を示す側面図である。ここで、溝12aは略一定の幅で対面する壁面12a1を備え、壁面12a1は底面15側で貫通するとともに上面16側には貫通せず、側面12の中央やや下よりに円弧状部位12a2が形成されている。また、図3の奥行き方向には略一定の深さを有している。溝12aの中心線は、2つの壁面12a1から等距離にある線であり、同図に示すようにこの中心線が底面15から時計回りに45°に配向している。
【0039】
図4はブロック材10において底面15を上方に配向させつつ側面14に正対して視認した状態を示す側面図である。ここで、溝14aは略一定の幅で対面する壁面14a1を備え、壁面14a1は底面15側で貫通するとともに上面16側には貫通せず、側面14の中央やや下よりに円弧状部位14a2が形成されている。また、図4の奥行き方向には略一定の深さを有している。溝14aの中心線は、2つの壁面14a1から等距離にある線であり、同図に示すようにこの中心線は底面15から時計回りに135°に配向している。尚、45°に配向した溝と135°に配向した溝とは、側面に正対した状態で左右対称である。後述するように、溝の配向が左右対称の関係となっていることによって、ブロック材の側面同士を当接させて連結させることが可能になる。
【0040】
本実施形態においては、ブロック材10およびブロック材20にて溝の配向方向を違えることによってブロック材が2種類存在するようにしてある。すなわち、ブロック材10においては側面11,12,13に形成された溝11a,11b,12a,13a,13bが底面15に対して45°に配向しており、側面14に形成された溝14aが底面15に対して135°に配向している。ブロック材20においては側面21,23,24に形成された溝21a,21b,23a,23b,24aが底面25に対して135°に配向しており、側面22に形成された溝22aが底面25に対して45°に配向している。
【0041】
以上の構成によって、ブロック材10とブロック材20とはそれぞれどのように回転させても互いに一致した形状とはならず、対称性が異なっていることになる。図5は、この関係をより明示的に示す図である。同図下部にはブロック材10の底面図を示し、同図上部にはブロック材20の底面図を示している。同図において、各溝の近傍には矢印を付しており、同矢印は各溝の壁面(溝12aにおいては壁面12a1,溝14aにおいては壁面14a1)がいずれの方向に向いているか、すなわち、各側面上で溝がいずれの方向に伸びているのかを示している。
【0042】
例えば、図5の下部右側において側面12上の溝12a近傍に示した矢印は、同図の上方かつ紙面奥側に向けて伸びていること、すなわち、側面12に正対して視認したときに右下方向に伸びていることを示している。また、この矢印は、後述する嵌入片を挿入する方向とも略一致している。以上のように、ブロック材10とブロック材20とでは対称性が異なっているが、対称性が異なることによって、2種類のブロック材を連結して平面を埋め尽くすことができる。
【0043】
(3)ブロック材の連結:
以下、ブロック材の連結を説明する。各ブロック材10,20において各側面に形成された溝11a〜14a,21a〜24aは、側面を向かい合わせつつ他のブロック材と隣接させたときに対面する位置に形成されている。すなわち、各溝が底面側に開口する位置および溝の長さが一致し、溝同士を対面させることによって底面側に開口した穴が形成されるようになっている。各側面を向かい合わせて穴を形成するためには、向かい合わせた状態で溝の壁面が略面一かつ平行になっている必要があるので、むろん、底面に対する配向角度が45°同士および135°同士の溝を向かい合わせても穴は形成しない。配向角度が45°の溝と135°の溝を向かい合わせたときに穴が形成される。この意味で、溝の配向方向が上述の左右対称の関係になっている。
【0044】
本実施形態におけるブロック材では、側面同士を当接させたときに図5に示す矢印が同一方向に向いているときに溝同士が穴を形成する。例えば、ブロック材10の側面11に対して、ブロック材20の側面21,23を当接させると穴が形成される。また、ブロック材20の側面24を当接させても穴が形成されるし、他のブロック材10の側面14を当接させても穴が形成される。
【0045】
以上のように、ブロック材10,20のそれぞれにおいて適宜側面を選択して側面同士を当接させると穴が形成されるので、当該穴に対して嵌合片を嵌入することによってブロック材同士を連結することができる。図6は、ブロック材10の側面11とブロック材20の側面23とを当接させした状態で、溝11aと溝23bとによって形成される穴の付近を拡大して示した斜視図である。
【0046】
同図に示すように、底面15に対して45°に配向する溝11aと底面25に対して135°に配向する溝23bとを向かい合わせつつ側面11,23を当接させると、底面15,25側に正方形の開口部を有する穴が形成される。この穴には同図に示す嵌入片30が嵌入される。嵌入片30はブロック材10,20より堅い材質を有する木製の角柱状部材であり、対面するひと組の面が正方形であるとともに他の4面は当該正方形の一辺と同一長の短辺を有する長方形である。
【0047】
溝11aの対面する壁面11a1同士の距離は嵌入片30の正方形の一辺よりわずかに小さくなっており、溝23bの対面する壁面23b1同士の距離は嵌入片30の正方形の一辺よりわずかに小さくなっている。また、図6に示す状態において、溝11aにて壁面11a1に隣接する壁面11a3と溝23bにて壁面23b1に隣接する壁面23b3との距離は、嵌入片30の正方形の一辺の長さと略同一である。ブロック材10,20および嵌入片30は木製であるため、溝同士を向かい合わせて形成される穴に対して嵌入片30を嵌入することができる。ここで、上述のように上記嵌入片30の正方形は上記溝の壁面間の距離より大きいので、嵌入片30を穴に対して嵌入することによってブロック材同士を強固に連結することができる。
【0048】
また、上述のように、溝が45°あるいは135°に配向していることによって、一つの嵌入片30で2方向からの力に抗してブロック材同士を拘束することができる。図7は、かかる状況を説明するための説明図である。同図においては、上記図6のようにしてブロック材10とブロック材20とを連結した状態で、嵌入片30を切断するとともにブロック材20側から側面11を正対して眺めた状態を示している。
【0049】
ブロック材10,20を連結してそれぞれの底面および上面に平行な面を形成した状態にて、各ブロック材10,20を分離する力はブロック材10,20に対して任意の方向に作用する。この力を図7における左右上下,手前奥方向に分解すると、図7に示す嵌入片30は左右上下方向に作用する力に抗してブロック材10,20を拘束することができる。すなわち、ブロック材10,20に対して左右方向に作用する力は図7においてブロック材10を固定して考えると、ブロック材20を左右に移動させる力であり、この力は嵌入片30を左右に移動させようとする力として作用する。
【0050】
本実施形態では、溝がこの力に対して略45°に傾斜しているとともに溝と嵌入片30とは大きな静止摩擦を有しているため、嵌入片30が溝内を摺動して抜けることがなく当該力に抗してブロック材10,20を連結したまま保持させることができる。ブロック材に対して上下方向に作用する力においても同様であり、ブロック材10,20を連結したまま保持させることができる。むろん、両ブロック材10,20を分離させる力として非常に大きな力が作用し、嵌入片30を剪断する程の力が作用した場合には嵌入片30が剪断し、ブロック材10,20が分離することもあり得る。しかし、ブロック材10,20は、通常、複数個が連結され、一つのブロック材10,20に対して嵌入される嵌入片30の数が多くなるので、剪断に必要な力は非常に大きくなり非常に強固にブロック材を連結することが可能になる。
【0051】
また、図7において、嵌入片30は手前奥方向に作用する力に対してブロック材10,20を拘束していない。すなわち、嵌入片30のみでは、この力が作用した場合に容易にブロック材同士が分離してしまう。しかし、本実施形態が実際に利用される場合には、側面11以外の他の側面で嵌入片30による連結が実施される。この場合、図7における手前奥方向が当該他の側面の左右方向になっていれば、この側面にて嵌入される嵌入片によってブロック材同士が拘束され、ブロック材が分離されることはない。通常の使用状態、例えば、複数のブロック材によって床面や壁面を形成する使用状態において、2つのブロック材のみが連結されると言う状態は非常にまれである。従って、通常の使用状態では実質上、任意の方向からの力に対してブロック材を拘束している場合が多い。
【0052】
(4)組み合わせによる模様の形成:
図8は、上記ブロック材10,20を連結して、平面状の床板材を形成する際の例を示す図である。上述のように、ブロック材10,20は連結された状態でそれぞれの上面16,26を床板上に露出させて使用される。従って、各ブロック材10,20を連結して形成する穴は床板上に露出しない。図8においては、そのいくつかのブロック材に対して上記図5と同様の矢印を付すとともに、ブロック材10の上面に「10」という文字を付し、ブロック材20の上面に「20」と言う文字を付して示している。但し、図8は上面16,26から見た状態を示しているので、図5と比較して矢印の向きは紙面表裏を裏返した状態となっている。
【0053】
ブロック材10,20にて側面同士を向かい合わせ、底面15,25上に穴を形成するために向かい合う側面同士の矢印は同じ向きにする。図8に示す例では、中央左にブロック材20を配置し、中央右にブロック材10を配置する。この状態ではブロック材10の側面13とブロック材20の側面21を当接することになる。この状態では、図8の上方に配向する側面、すなわち、側面14,24のそれぞれの矢印が同じ向きである。
【0054】
従って、両側面14,24に形成された溝の配向方向は共通であり、ブロック材10の側面13を向かい合わせて連結させることができる。ここで、側面14,24に対してブロック材10の側面13を向かい合わせて連結可能になるのは、ブロック材10,20の4側面において特定の1面の溝の配向方向が他の側面と異なるからである。すなわち、ブロック材10においては、側面11,12,13に形成された溝が底面15に対して45°配向しているのに対し、側面14に形成された溝が底面15に対して135°に配向しており、ブロック材20においては、側面21,23,24に形成された溝が底面15に対して135°配向しているのに対し、側面22に形成された溝が底面15に対して45°に配向しているからである。
【0055】
例えば、ブロック材10の側面14に形成された溝が底面15に対して45°配向していれば、側面14,24のそれぞれにおいて溝の配向方向が異なり、ブロック材10,20の長手側の側面を当接させながら連結することは不可能である。しかし、ブロック材10,20の側面のうち一つだけ溝の配向方向が他の溝と異なっていることにより、図8に示すようにブロック材10,20の短手側の側面を二つ並べつつその長手側の側面に連結することが可能になる。むろん、短手側の側面同士を向かい合わせて連結することもできる。
【0056】
従って、ブロック材10,20を連結して平面状の床を形成する際に、非常に多様な並べ方が可能になり、床の模様に多様性を与えることができる。実際、図8においては、ブロック材10,20が螺旋を描くように配置されている。ブロック材10,20を互いに異なる色で着色することも可能であり、この場合はより模様が分かりやすくなる。むろん、図8においてその周りに対してさらにブロック材10,20を適宜連結していっても良い。
【0057】
ブロック材10,20を並べることによって形成される上面の模様は、むろん上記図8に示すものに限られない。図9は、ブロック材10,20を連結して形成される他の模様を示す図である。同図においても各ブロック材にて上面16,26側を示しており、それぞれのブロック材に「10」,「20」の文字を付して示している。むろん、この他にも非常に多様な模様を形成することが可能であるし、各ブロック材の各側面に対して形成する溝の配向方向を上記図1,2と異なるものにすれば、さらに異なる模様を形成することが可能になる。
【0058】
(5)嵌入片の引き抜き:
本実施形態にかかるブロック材10,20を連結する際に、嵌入片30は上述の図6に示すように底面15,25から露出しないように嵌入される。従って、ブロック材10,20を連結した後に嵌入片30を引き抜きづらくなっている。しかし、本実施形態において、補助具とネジとを利用すれば底面15,25から露出していない嵌入片30を容易に引き抜くことができる。嵌入片30を引き抜くことができれば、ブロック材10,20を連結して床材等として使用を開始した後であっても、容易に特定のブロック材を選定して交換することができ、端材の利用が促進される。
【0059】
図10は、嵌合片に螺入したネジを引き抜く際に使用される補助具40を示す斜視図である。補助具40は、薄板状かつ直角二等辺三角形状の部材41,42および角材43にて構成されている。すなわち、補助具40は、角材43は直方体の部材であり、同角材43を直角二等辺三角形状の部材41,42で挟み込みながら当接させて形成されている。角材43の一辺は直角二等辺三角形状の部材41,42の一辺に合わせられており、後述するようにネジを引き抜く際にハンマー等によって力を作用させ易くなっている。また、角材43の幅Wは上記嵌入片30における正方形の一辺より大きくなっている。
【0060】
図11は、ブロック材10,20の側面であって、底面15,25の短辺を含む側面を例にして嵌入片30を引き抜く様子を説明する説明図である。同図においてはある側面を正対した状態で示しており、嵌入片30を側面に平行な断面で示している。嵌入片30を引き抜く際には当該嵌入片30に対してネジ50を螺入し、このネジ50を嵌入片30の引き抜き方向に引くことによってネジ50とともに嵌入片30を引き抜く。
【0061】
このためにまず、ネジ50を嵌入片30の穴への挿入方向に対して略平行に螺入する。そして、上記補助具40の斜辺以外の辺かつ上記角材43が取り付けられていない方の辺を下方に向け、ブロック材10,20の底面15,25に当接させつつ斜辺をネジ50方向に向けて移動させる。ここで、ネジ50のネジ頭51は上記角材43の幅Wより大きくなっており、補助具40をネジ50側に移動させることにより、補助具40の直角二等辺三角形状の部材41,42の間にネジ50の螺刻された部位を挟み込みつつ、その斜辺をネジ頭51に当接させた、図11に示す状態にセットすることができる。
【0062】
そして、補助具40の直角二等辺三角形状の部材41,42の角材43側の辺に対して紙面右方向に配向した力Fを作用させれば、ネジ50に対してその引き抜き方向に効果的に力を作用させることができる。この結果、ネジ50とともに嵌入片30を引き抜くことができる。尚、上述のように角材43の幅Wは上記嵌入片30における正方形の一辺より大きくなっているので、嵌入片30が穴から引き抜かれる際に当該嵌入片30を直角二等辺三角形状の部材41,42の間に配置することができる。従って、直角二等辺三角形状の部材41,42と嵌入片30とが干渉しないようにしつつ、嵌入片30を引き抜くことができる。
【0063】
(6)他の実施形態:
上述のブロック材10,20は底面および上面が長方形であり、この2種類のブロック材10,20のみで平面を埋め尽くすようにしていたが、むろんこれらのブロック材10,20に加えて他のブロック材を形成してもよい。図12は、底面65および上面66が正方形のブロック材60を示す斜視図である。このブロック材60も木製であり、その側面61〜64に溝61a〜64aが形成されている。
【0064】
このブロック材60の溝61a〜64aにおいても、底面65に対する配向方向は45°あるいは135°であり、ブロック材10,20の側面とブロック材60の側面とを向かい合わせたときに対面して底面側に開口する穴を形成する位置に溝61a〜64aが形成してある。図12に示す例では、側面61,63,64に形成された溝61a,63a,64aが底面65に対して135°に配向しており、側面62に形成された溝62aが底面65に対して45°に配向している。
【0065】
むろん、溝の配向方向はこれのみでなく、他にも種々の配向方向を形成すると都合がよい。特に、ブロック材で種々の模様を形成する場合には、正方形状の空間を許容しつつ長方形状のブロック材10,20を並べた方が並びの自由度が高く、あらゆる状況に対応させるためには正方形の底面および上面を有するブロック材として溝の配向方向を違えた複数のブロック材が必要になる場合が多い。
【0066】
図13は、このようにしてブロック材60と略同寸、すなわち正方形の底面および上面を有するブロック材であって、溝の配向方向を適宜変更したものを形成することによって作成可能な模様の例を示す図である。同図においては、ブロック材を連結して上面方向から視認した状態を示しており、正方形の底面および上面を有するブロック材にハッチを付して示している。また、同図に示す長方形のブロック材は上記ブロック材10,20のいずれかである。
【0067】
正方形の底面および上面を有するブロック材が利用できれば、同図に示すようにブロック材10,20において平面をきちんと埋め尽くすことをせず、正方形状の空間ができることを許容しながらブロック材10,20を並べることができる。形成された正方形状の空間にはブロック材60等を配置すれば、最終的に容易に平面を埋め尽くすことができる。このようにして形成した床材等であっても、溝同士を対面させることによって形成される穴に対して嵌入片30を嵌入してブロック材同士を連結するので、上述のように、各方向からの力に抗してブロック材同士を拘束することができる。
【0068】
さらに、特定のブロック材を交換する場合には上記補助具によって嵌入片30を引き抜くことによって、容易に交換することができ、端材の利用が促進される。正方形のブロック材60等はより小さな端材から形成することができるので、資源利用の観点で有利である。むろん、図13に示す模様はブロック材10,20およびブロック材60等によって形成される模様の一部に過ぎず、他にも種々の模様を形成することができる。
【0069】
本発明によれば、上述のように平面状の床や壁面を形成する他、立体構造物を形成することも可能である。図14は立体構造物を作成するためのブロック材70,80を示している。ブロック材70,80は角柱状の部材であり、表面は正方形および長方形で覆われている。本実施形態においては、長方形の一面を底面75,85とし、側面71,81に溝を形成している。本発明において、底面や側面という名称は便宜上の名称であり、必ずしも底面が下方を向いている必要はない。
【0070】
図14に示す例において、側面71に形成された溝71aは底面75側に開口するとともにその中心線は底面75に対して時計回りに135°に配向している。側面81に形成された溝81aは底面85側に開口するとともにその中心線は底面85に対して時計回りに135°に配向している。側面71と側面81とを対面させた状態において、溝71aと溝81aとは対面して正方形状の穴を形成する。従って、当該穴に対して上述と同様な角柱状の嵌入片30を嵌入することによって、ブロック材70,80を連結することができる。
【0071】
むろん、側面71,81の他の位置に溝を形成し、側面71,81を向かい合わせたときに穴を形成するようにしておき、この穴に対して嵌入片を嵌入してより強固にブロック材70,80を連結しても良いし、他のブロック材を連結することによってより強固に連結するように構成しても良い。かかる構成においても、溝が底面に対して所定角度配向していることによって、2方向からの力に対してブロック材を拘束することができる。また、上記補助具40とネジ50とを利用して嵌入片を容易に引き抜くことができるので、特定のブロック材のみを交換することも容易である。尚、この例において、ブロック材70,80と略同寸のブロック材に加えて他の寸法にて形成されたブロック材を利用しても良い。
【0072】
このように、本発明においては、厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面と同底面に対面する上面とを有する木製のブロック材において、各側面に対して底面に貫通する溝を形成する。この溝は、上記底面に対して略45°に配向させたり、上記底面に対して所定角度の傾斜または当該傾斜に対して左右対称の関係となる角度の傾斜が与えられるとともに各側面に設けられた溝の傾斜角度の組み合わせをブロック材によって違えるようにして構成してあり、さらに、他のブロック材と隣接させたときに対面して底面側に開口した穴を形成するよう構成する。従って、少ない作業および嵌合片によって効率的に拘束することができ、また、交換することが可能なブロック材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるブロック材を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかるブロック材を示す斜視図である。
【図3】溝の配向角度の例を示すための側面図である。
【図4】溝の配向角度の例を示すための側面図である。
【図5】ブロック材の対称性を説明するための平面図である。
【図6】溝によって形成される穴の付近を拡大して示した斜視図である。
【図7】嵌入片によってブロック材を拘束する様子を示す図である。
【図8】平面状の床板材を形成する際の例を示す図である。
【図9】ブロック材を連結して形成される模様を示す図である。
【図10】補助具を示す斜視図である。
【図11】補助具の使用状態を示す斜視図である。
【図12】正方形の底面を有するブロック材を示す斜視図である。
【図13】ブロック材を連結して形成される模様を示す図である。
【図14】立体構造物を作成するためのブロック材を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…ブロック材
11〜14…側面
11a〜14a…溝
15…底面
16…上面
20…ブロック材
21〜24…側面
21a〜24a…溝
25…底面
26…上面
30…嵌入片
40…補助具
41,42…直角二等辺三角形状の部材
43…角材
50…ネジ
51…ネジ頭
Claims (9)
- 厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面と同底面に対面する上面とを有する木製のブロック材であって、
各側面には、上記底面に対して略45°に配向されるとともに当該底面側に貫通し、他のブロック材と隣接させたときに対面して底面側に開口した穴を形成する溝が形成されていることを特徴とするブロック材。 - 厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面と同底面に対面する上面とを有する木製のブロック材であって、
各側面には、上記底面側に貫通するとともに他のブロック材と隣接させたときに対面して底面側に開口した穴を形成する溝が形成されており、当該溝は上記底面に対して所定角度の傾斜または当該傾斜に対して左右対称の関係となる角度の傾斜が与えられるとともに各側面に設けられた溝の傾斜角度の組み合わせをブロック材によって違えることで溝の配向形態が異なる2種類のブロック材が形成されていることを特徴とするブロック材。 - 厚み方向の4面を形成する側面と同側面に隣接する底面と同底面に対面する上面とを有する木製のブロック材であって、
各側面には、上記底面に対して略45°または略135°の傾斜が与えられるとともに上記底面側に貫通し、他のブロック材と隣接させたときに対面して底面側に開口した穴を形成する溝が形成されており、上記側面の中の3面に上記略45°の傾斜が与えられた溝が形成されるとともに残りの1面に上記略135°の傾斜が与えられた溝が形成された第1のブロック材と上記側面の中の3面に上記略135°の傾斜が与えられた溝が形成されるとともに残りの1面に上記略45°の傾斜が与えられた溝が形成された第2のブロック材とが形成されることを特徴とするブロック材。 - 上記溝が対面して底面側に形成する穴には、当該穴の内径より大きな外径を有する木製の嵌入片が嵌入されることを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載のブロック材。
- 上記嵌入片は上記ブロック材より堅い木材で形成されることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかにブロック材。
- 上記底面および上面は長方形の外周を有し、当該長方形の短辺の長さと長辺の長さとの比が当該短辺を含む側面上に形成された溝の数と長辺を含む側面上に形成された溝の数との比に等しいことを特徴とする上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載のブロック材。
- 上記底面および上面は短辺の長さと長辺の長さの比が1:2の長方形であることを特徴とする上記請求項6に記載のブロック材。
- 上記底面および上面が正方形の外周であるとともにその一辺の長さは上記長方形の短辺の長さと等しいことを特徴とする上記請求項6または請求項7のいずれかに記載のブロック材。
- 上記嵌入片は、ネジを螺入するとともに当該ネジに対して抜き方向の力を作用させることによって引き抜くことが可能であり、直角二等辺三角形の板状部材を対面させつつ当該直角二等辺三角形より小さな面を有する所定の角材を介して連結することによって当該直角二等辺三角形の間にネジを配置可能に形成した補助具を構成し、ネジの引き抜きに際して補助具の斜辺側を嵌入片に螺入されたネジ頭に当接させるとともにネジ本体を直角二等辺三角形の間に配置し、斜辺に隣接する一方の辺を上記底面に当接させて斜辺に隣接する他方の辺に押圧力を作用させることを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載のブロック材。
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