JP2004019225A - 杭打機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベースマシン2の前部に立設されるリーダ3に沿って昇降する杭回転駆動装置4を案内するガイドパイプ5をリーダ3最下端まで設けるとともに、リーダ3最下部の左右両側面にガイドパイプ5を昇降する杭回転駆動装置4に干渉しない位置に、杭10の振れ止めをする開閉可能な左右一対のアーム13を取り付けるブラケット24を設け、杭回転駆動装置4をリーダ3最下端まで下降させる際に、両アーム13を開いて、杭回転駆動装置4がリーダ3最下端まで下降できるようにする。また、両アーム13の先端に排土板26を取り付けて、不整地においても杭打機1の走行や施行を可能にする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭回転駆動装置にて回転される杭の振れ止めをリーダの下部に取り付けた杭打機に関する。
【0002】
【従来の技術】
杭打機では、地中に埋設される杭の水平方向のずれを抑制して杭の鉛直度を保つために、リーダの下部に杭の振れ止めを取り付けたものがある。例えば、図8に示される杭打機1は、ベースマシン2の前部に立設される横断面角形のリーダ3の左右両側面に杭回転駆動装置4の昇降を案内するガイドパイプ5をそれぞれ設け、両ガイドパイプ5に、杭回転駆動装置4のガイドギブ6,6を係合させるとともに、リーダ3の前面に設けたラック7に、杭回転駆動装置4の昇降用油圧モータ8のピニオン9を噛合させ、昇降用油圧モータ8の回転によって杭回転駆動装置4をガイドパイプ5にて案内昇降させる。前記リーダ3の最下部には、杭回転駆動装置4によって回転圧入される杭10の振れ止め11が設けられている。この振れ止め11は、リーダ3の最下部前面に設けたブラケット12に左右一対のアーム13をピン14にて水平回動可能に連結して、両アーム13を開閉可能とし、両アーム13間に杭10を挟んで振れ止めをする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の構成では、杭回転駆動装置をリーダの下部に下げていくと、ガイドギブがブラケットに当接して下降を規制され、それ以上深く杭を埋設することができない。特に、屋内や橋下等の高さ制限のある現場で使用される短尺のリーダを備えた低空頭型の杭打機では、短い杭を継ぎ足して埋設するので、杭を深く埋設できないことは、例え振れ止めの高さ分だけであっても、杭全体の長さに及ぼす影響が大きく、継ぎ足しする2本目以降の杭の長さが短くなって、継ぎ足しする杭の数が多くなり、杭回転駆動装置への杭装着回数が増え施工効率が悪くなってしまう。
【0004】
また、限られた全高のなかでリーダ長さを伸ばそうとすると、リーダ下端を地上面すれすれ迄伸ばす必要がでてくる。一方、施行現場は不整地であることが多く、リーダ下端を地上面すれすれ迄伸ばした場合、リーダ下部や振れ止めが石ころ等の障害物や地面の凹凸に当たり、走行や杭の位置合わせ・振れ止めのアームの開閉等に支障が出てしまう。
【0005】
そこで本発明は、下部に振れ止めを備えたリーダの最下部まで杭回転駆動装置を下降させて、杭を深く埋設することができるとともに、不整地でも支障なく施行や移動ができる杭打機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ベースマシンの前部に立設されるリーダに、杭回転駆動装置の昇降を案内するガイドパイプと、杭回転駆動装置にて回転される杭の振れ止めをする左右一対のアームとを備えた杭打機において、前記ガイドパイプをリーダの最下端まで設けるとともに、前記アームを水平回動可能に取り付けるブラケットを、前記リーダ最下部の前記杭回転駆動装置の昇降に干渉しない位置に設けたことを特徴としている。また、前記リーダが横断面角形の場合は、左右両側面の前面寄りに前記ガイドパイプが、左右両側面の背面寄りに前記ブラケットが設けられていることが好ましいが、ベースマシンに対向する背面に前記ブラケットを設けてもよい。さらに、前記左右一対のアームの前面に排土板を設けることにより、石ころ等の障害物や凹凸のある現場で杭打機が移動や施行する際に、障害物の排除や整地作業が行える。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を低空頭型の杭打機に適用した一実施形態例を図1乃至図7に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一要素には同一の符号を付して説明する。杭打機1は、自走式のベースマシン2前部のフロントブラケット20に、短尺のリーダ3を車体前後方向に回動可能に設け、フロントブラケット20上部に設置したリーダ起伏シリンダ21にてリーダ3を後方から支持し、リーダ起伏シリンダ21の伸縮によりリーダ3を立設又は倒伏させる。リーダ3は鉛直に立設された状態では最下端が地上面すれすれに位置する。
【0008】
リーダ3は、横断面角形で、左右両側面の前面寄りに杭回転駆動装置4の昇降を案内するガイドパイプ5をそれぞれ最上端から最下端まで設けるとともに、前面に杭回転駆動装置4昇降用のラック7を設けている。
【0009】
杭回転駆動装置4は、前記ガイドパイプ5に係合するガイドギブ6と、杭10を装着する杭キャップ22を回転する杭回転用油圧モータ23と、前記ラック7にピニオン9を噛合させる昇降用油圧モータ8とを有し、該昇降用油圧モータ8の回転によってガイドパイプ5に案内されてリーダ3に沿って昇降する。
【0010】
前記リーダ3最下部の左右両側面には、杭10の振れ止め11を構成する左右一対のアーム13を取り付けるブラケット24がそれぞれ設けられている。各ブラケット24は、前記ガイドパイプ5を昇降するガイドギブ6に干渉しない位置、すなわち、リーダ3のベースマシン側である背面寄りにガイドギブ6と接触しないように充分な間隔を開けた位置に設けられており、各ブラケット24に前記アーム13がピン14にて水平回動可能にそれぞれ取り付けられている。
【0011】
各アーム13は、ブラケット24に連結された基部からガイドパイプ5を避ける形に一旦外へ膨らんだ後略直線状となる形状で、対向する内側の中間部からやや先端寄りに、杭10の挿通孔となる半円弧状の凹部13aが形成され、該凹部13aには、杭10の回転用係合突起10aの係合溝13bが形成されている。また、各アーム13の先端寄りには、両アーム13を閉じ状態に保持するピン25の挿通孔13cが形成されている。さらに、各アーム13の最前面には、鉄板で形成された平板状の排土板26が溶接によりそれぞれ設けられている。
【0012】
このように構成することにより、下部に螺旋羽根10bを備えた杭10を埋設する場合には、リーダ3の上部に引き上げた杭回転駆動装置4の杭キャップ22に杭10の回転用係合突起10aを係合させて杭10を杭キャップ22に装着し、振れ止め11の両アーム13を開いておいて、杭回転駆動装置4により杭10を回転しながら杭回転駆動装置4を下降させて杭10を地中に圧入し、図1に示されるように、螺旋羽根10bが振れ止め11の位置を通過したら、両アーム13を閉じてピン25で閉じ状態を保持し、両アーム13で杭10の振れ止めをさせながら杭10の回転圧入作業を続ける。杭回転駆動装置4がリーダ3の下部に下降したら、ピン25を抜いて両アーム13を杭回転駆動装置4の下降を妨げないように大きく開き、さらに杭回転駆動装置4をリーダ3の最下端まで下降させる。
【0013】
これにより、図2に示されるように、杭回転駆動装置4は、振れ止め11に邪魔されることなく、下降できる限度の地上面すれすれまで下降できるから、杭10を従来よりも深く埋設することができる。そして、埋設された杭10に次の杭27をネジ込みにより継ぎ足す場合には、図3に示されるように、両アーム13の係合溝13bに埋設された杭10の回転用係合突起10aを係合させて杭10を固定し、リーダ3の上部に引き上げた杭回転駆動装置4の杭キャップ22に装着された杭27を回転して杭27の先端を杭10にネジ込んで継ぎ足す。継ぎ足しが完了したら、両アーム13を少し開いて係合溝13bと回転用係合突起10aの係合を解除し、杭回転駆動装置4により杭27を回転しながら杭回転駆動装置4を下降させて杭27を地中に圧入し、回転用係合突起10aが振れ止め11の位置を通過したら両アーム13を閉じて、両アーム13で杭27の振れ止めをさせながら上記と同様に杭27の回転圧入作業を続ける。杭回転駆動装置4がリーダ3の下部に下降したら、両アーム13を大きく開いて杭回転駆動装置4をリーダ3の最下端まで下降させて深く埋設し、上記と同様にして、さらに次の杭を継ぎ足す。
【0014】
このように、杭回転駆動装置4を地上面すれすれまで下降させることにより、杭10を従来よりも深く埋設するから、継ぎ足す杭に従来よりも長い杭を使用することができ、継ぎ足す杭の数を少なくして、杭回転駆動装置への杭装着回数を低減させて施行効率を向上させることができる。また、杭回転駆動装置4をラック&ピニオン方式でリーダ3に沿って昇降させることにより、杭回転駆動装置4の昇降ストロークをリーダ3の全長とほぼ同じにできる。
【0015】
また、杭打作業現場は不整地が多いので、杭打機1が走行移動する際に、土塊や石ころ等の障害物あるいは地面の凹凸に対して、排土板26により障害物の排除や整地作業が行え、杭打機1が支障なく走行移動できる。さらに、施行する際にも、排土板26により施行する地面の障害物の排除や整地作業が行える。
【0016】
図5は、排土板26を平板状のゴム板にして各アーム13の最前面にボルト28で取り付けた第2実施形態例を示すものである。また、図6及び図7は、各アーム13最前面に後方へ向かって傾斜する排土板26をそれぞれ設け、各アーム13を閉じると、各排土板26が楔状になる第3実施形態例を示すものである。これらの構成でも、前記第1実施形態例の排土板と同様の作用効果を奏する。
【0017】
なお、上記実施形態例では、横断面角形の短尺リーダの左右両側面の背面寄りにブラケットを設けたもので説明したが、リーダのベースマシン対向面である背面にブラケットを設けてもよく、また、横断面丸形のリーダの場合は、リーダの側面から背面に設けることが好ましい。さらに、一般的な長尺のリーダを備えた杭打機に本発明を適用できることは勿論であり、また、杭回転駆動装置の昇降方式は、ラック&ピニオン方式に限らず、チェーン&スプロケット方式やリーダ頂部のトップシーブからワイヤロープで吊持する方式でもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、杭回転駆動装置をリーダ最下端の地上面すれすれまで下降させて、従来よりも杭を深く埋設できるから、その上に継ぎ足す杭に従来よりも長い杭が使用でき、継ぎ足す杭の数を少なくして、杭回転駆動装置への杭装着回数を低減させて、施行効率を向上させることができる。また、杭の振れ止め最前面に排土板を設けることにより、石ころ等の障害物や凹凸のある現場での杭打機の移動や施行の際に、障害物の排除や整地作業が行え、杭打機を支障なく移動させることや施行効率を向上ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例を示す杭打機による杭埋設初期の側面図
【図2】杭回転駆動装置をリーダの最下端まで下降させた状態の側面図
【図3】埋設した杭に次の杭を継ぎ足す状態の側面図
【図4】振れ止めの平面図
【図5】排土板の第2実施形態例を示す側面図
【図6】排土板の第3実施形態例を示す平面図
【図7】排土板の第3実施形態例を示す側面図
【図8】従来の杭打機の側面図
【符号の説明】
1…杭打機、2…ベースマシン、3…リーダ、4…杭回転駆動装置、5…ガイドパイプ、10…杭、11…振れ止め、13…アーム、14…ピン、24…ブラケット、26…排土板
Claims (3)
- ベースマシンの前部に立設されるリーダに、杭回転駆動装置の昇降を案内するガイドパイプと、杭回転駆動装置にて回転される杭の振れ止めをする左右一対のアームとを備えた杭打機において、前記ガイドパイプをリーダの最下端まで設けるとともに、前記アームを水平回動可能に取り付けるブラケットを、前記リーダ最下部の前記杭回転駆動装置の昇降に干渉しない位置に設けたことを特徴とする杭打機。
- 前記リーダが横断面角形であり、該リーダの左右両側面の前面寄りに前記ガイドパイプが、左右両側面の背面寄りに前記ブラケットがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の杭打機。
- 前記左右一対のアームの前面に排土板を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の杭打機。
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