JP2004018528A - 11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する改良方法。
【解決手段】原料として1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を使用し、Cu(II)化合物および希釈剤の存在下、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、反応の間に水と希釈剤とを含む共沸混合物を蒸溜、除去する方法。
【選択図】 なし
【解決手段】原料として1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を使用し、Cu(II)化合物および希釈剤の存在下、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、反応の間に水と希釈剤とを含む共沸混合物を蒸溜、除去する方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は11(12)−ペンタデセン−15−オリドの改良された製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マクロ環式ラクトンである11−ペンタデセン−15−オリド(=15−ヒドロキシペンタデク−11−エノン酸ラクトン)および12−ペンタデセン−15−オリド(=15−ヒドロキシペンタデク−12−エノン酸ラクトン)およびその混合物(11(12)−ペンタデセン−15−オリド)は麝香の芳香をもつ香料として知られている。この点に関しては特に(E)体および(Z)体並びにその混合物が芳香特性の立場から特に興味がもたれている。これらの物質の芳香特性は特許文献1に記載されている。また麝香性の芳香をもつ香料として使用されれている15−ペンタデカノリド(=15−ヒドロキシペンタデカン酸ラクトン)は水素化によって11(12)−ペンタデセン−15−オリドから得られることも広く知られている。
【0003】
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造法自身は公知である。現在における最も重要な製造法では13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)を原料として使用する。1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)は酸を触媒としてDDPに過酸化水素を加えることによって得られる。11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する合成法においては、DDP−OOHを開裂させてマクロ環式の環を生成させることが決定的な工程と見做されている。この開裂は通常Cu(OAc)2および随時使用されるFeSO4のような触媒の存在下において行われる。熱だけを用いてこの反応工程を行うと、反応生成物は飽和化合物である15−ペンタデカノリドをかなりの量含んでいるが、この化合物は麝香の芳香をもっているとは言え、11(12)−ペンタデセン−15−オリドとは異なった芳香特性を示すので、できるだけ最小の量しか生成しないようにしなければならない。さらに、熱だけを用いて開裂を行った場合には、残渣(例えば蒸溜残渣)が大量に生成する欠点がある。
【0004】
DDPは通常、酸を触媒として用い2−(3−ヒドロキシプロピル)−シクロドデカノン(OCP)を脱水して環化することによって得られる。このOCPはシクロドデカノンにアリルアルコールをフリーラジカルを用いて付加させることによって合成される(例えば特許文献2参照)。
【0005】
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造法は下記の反応式で示すことができる。
【0006】
【化1】
【0007】
特許文献1記載の方法では、OCPを重量で4.6当量の氷酢酸の中で室温において均一化し、OCPに関して25%の硫酸の冷水溶液(OCPに関し約51モル%(約21重量%)を加え、次にこの反応混合物を0℃に冷却する。次に1.65モル当量の過酸化水素(70%溶液)を加え、温度を7℃に上昇させる。短い後反応時間の後、生成した固体(DDP−OOH)を濾別し、これを水およびNaHCO3水溶液で洗滌して乾燥させる。収率は80%であった。
【0008】
DDP−OOHの開裂は、メタノール中にCu(OAc)2を含む飽和溶液(約94モル%のCu(OAc)2とDDP−OOHに関し12.3重量部のメタノールから調製;この量のメタノール中のDDP−OOHの濃度は約0.25モル/リットル)にDDP−OOHを少しずつ加えることによって行った。2回に亙ってのFe2SO4(それぞれDDP−OOHに関し丁度20モル%)を加え、次いで周囲温度で一晩撹拌する。回収を行うためにこの混合物を飽和NaCl水溶液に加え、ジイソプロピルエーテルで抽出し、この抽出物を飽和NaHCO3水溶液および飽和NaCl水溶液で洗滌する。乾燥して精溜を行った後、なお8%の15−ペンタデカノリドを含む11(12)−ペンタデセン−15−オリドが理論値の73%の収率で得られる。
【0009】
非特許文献1によれば、DDPを先ず0℃において重量で5.2当量の氷酢酸中に導入し、硫酸の50%水溶液(DDPに関し約26モル%(=11重量%)および30%の過酸化水素(約1.89モル当量)から成る混合物を加えた。短い後反応時間の後に生成した固体(DDP−OOH)を濾別し、これを50%の酢酸溶液(DDPに関し80重量%)で洗滌した後、洗滌液が中性になるまで数回水で洗滌する(それぞれDDPに関して2重量部の水を用いて4回洗滌)。乾燥後純度96%のDDP−OOHが理論値の85%の収率で得らた。
【0010】
DDP−OOHの開裂は、1部のDDP−OOHと約3.8重量部の4−メチルペンタン−2−オン(MIBK)との懸濁液を長時間に亙り、約3.8重量部のMIBK(DDP−OOHに関し)中にCu(OAc)2を含む沸騰した溶液に計量して加えることによって行われる。Cu(OAc)2の量はDDP−OOHに関し0.15〜7.0モル%の範囲で変化するが、該文献の著者によればCu(OAc)2が5モル%の時が最適である。沸騰させながら3時間の後反応時間が経過した後、反応混合物を冷却し沈殿した銅塩を濾別した。濾液を高温の水で洗滌し(それぞれDDP−OOHに関して重量で7.7当量の水を用いて2回洗滌操作を行い)濃縮した。5モル%のCu(OAc)2を用い理論値の96.5%の収率で粗製の11(12)−ペンタデセン−15−オリドが得られた。
【0011】
この方法の欠点は特に、DDP−OOHの開裂の反応条件下において元素状の銅および/または不溶性の銅化合物がが沈澱すること、およびこの反応には大量の試薬および助剤が使用されることである。またこれ以外の欠点として、例えば数多くの或る場合には時間のかかる処理工程および洗滌操作、およびそれに伴なう環境的なまた安全上の配慮が必要であり、また空時収率が悪いことが挙げられる。最後に挙げた方法の規模を拡大した場合の他の欠点は、ω−ヒドロキシアルキル側鎖を有する環が狭くなったラクトンがかなりの量生成することである。
【0012】
従って公知の方法は工業的規模の反応には不適当である。従って工業的には、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを簡単且つ廉価な方法で製造できる工業的な方法に大きな興味がもたれている。
【0013】
【特許文献1】
欧州特許第A−424 787号明細書
【0014】
【特許文献2】
独国特許OS第2 136 496号明細書
【0015】
【非特許文献1】
Russ.Chem.Bull.誌、47巻、p.1166〜1169
【0016】
【発明の要約】
本発明によれば、上記の欠点を克服し、工業的に有利な方法を提供することができる。本発明の方法は特に工業的な規模で使用するのに適している。
【0017】
従って本発明の主題は、原料としてDDP−OOHを使用し、Cu(II)化合物および希釈剤の存在下、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、反応の間水と希釈剤とを含む共沸混合物を蒸溜、除去することを特徴とする方法である。
【0018】
本発明において有利なCu(II)化合物はDDP−OOHの反応の条件下において使用される溶媒に可溶な化合物である。このようなCu(II)化合物は20℃において希釈剤1kg当たり少なくとも0.5g、好ましくは少なくとも1gの希釈剤中への溶解度を有している。Cu(II)化合物は無水の形または水和物の形(結晶水をもった形)で使用することができる。結晶水中の水の量は重要ではない。
【0019】
好適なCu(II)化合物は有機基を含むものである。この点に関してはCu(II)2,4−ペンタンジオン酸誘導体の他に、カルボン酸のCu(II)塩が特に好適である。好適なペンタンジオン酸のCu(II)塩はCu(II)アセチルアセトネート、Cu(II)1,1,1−トリフルオロアセチルアセトネートおよび[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)]−Cu(II)、炭素数が2〜5のアルキルカルボン酸のCu(II)塩、特に酢酸Cu(II)およびプロピオン酸Cu(II)が特に好適である。
【0020】
本発明に従えば、1種またはそれ以上のCu(II)化合物を使用することができる。DDP−OOHを11(12)−ペンタンジオン−15−オリドに転化させる上で本発明に有利なCu(II)化合物の量は、DDP−OOHに関し0.02〜1.5モル%、好ましくは0.05〜1モル%、特に好ましくは0.1〜0.6モル%である。
【0021】
水と共沸混合物を生成するすべての液体有機化合物を希釈剤として使用することができる。本発明に従えば、これらの希釈剤は希釈剤を蒸溜して除去する際の水捕捉剤として作用する。1種またはそれ以上の希釈剤を使用することができる。1種だけの希釈剤を使用することが好適である。有利な希釈剤は常圧下において70〜230℃の範囲の沸点を有し、該沸点が90〜150℃の範囲のものが特に有利である。好適な希釈剤は脂肪族のエステル、エーテルまたはケトン、特にケトンである。好適なエステルは酢酸ブチルであり、好適なエーテルはジ−n−ブチルエーテルである。好適なケトンは2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−メチルペンタン−2−オン(MIBK)、エチルイソプロピルケトンおよびジイソプロピルケトンである。MIBKが特に好適である。
【0022】
開裂反応の間に蒸溜によって除去される共沸混合物から水を除去し希釈剤を開裂反応に再利用することが好ましい。この点に関し、回収された希釈剤の酸価は3mgKOH/g以下であることが有利である。酸価は、回収された希釈剤1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量をmgで表した数に相当する。
【0023】
開裂に使用される本発明に好適な希釈剤の全量に対するDDP−OOHの重量比は1:2〜1:7、好ましくは1:3〜1:5の範囲である。
【0024】
開裂を行う温度範囲は70〜120℃である。開裂は好ましくは80〜100℃、特に好ましくは85〜95℃の温度範囲で行われる。
【0025】
開裂を行うのに有利な圧力範囲は0.01ミリバール〜2バールである。この方法は1013ミリバールより低い、特に50〜800ミリバールの範囲の圧力で行うことが好ましい。反応を不連続的に行う場合、開裂が進行するにつれて圧力をさらに低下させ、温度は実質的に一定に保つことがことが好ましい。即ち圧力は450〜750ミリバールから始まって100〜400ミリバールで終わるようにすることが好適である。
【0026】
開裂に使用するDDP−OOHは無水であるか、或いは水を含んでいることもできる。好適なDDP−OOHは水を含んでいる。DDP−OOHの含水量は5〜40重量%が有利であり、好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%である。
【0027】
また驚くべきことには、或る種の添加剤は開裂の間銅および/または不溶性の銅化合物の沈澱を抑制することが見出だされた。11(12)−ペンタデセン−15−オリドへのDDP−OOHの転化は下記の式で表すことができる添加剤の存在下において行うことが好ましい。
【0028】
HX−[A]−YH
ここで、XおよびYは互いに独立にOまたはN−Rを表し、ここでRはHまたは炭素数1〜10の有機基であり、Aは炭素数2〜100の有機基である。
【0029】
添加剤の沸点が使用する希釈剤の沸点より高く、且つ希釈剤と水との共沸混合物よりも高いことが有利である。
【0030】
好ましくはAは炭素数が6〜50、特に好ましくは炭素数が10〜30である。基Rは好ましくは1〜4個の炭素原子を含んでおり、Rは好ましくはメチルまたはエチルである。
【0031】
有機基Aは好ましくはヘテロ原子OまたはNを、好ましくはヒドロキシ基、エーテル基、またはアミノ基の形で含んでいる。エーテル基および2級アミノ基が好適である。基Aの炭素骨格には1個またはそれ以上の有機基が結合していることができ、有機基は互いに独立に直鎖の、分岐した、環式の、ヘテロ環式の、芳香族の或いはヘテロ芳香族であることができ、ヘテロ原子を含む基はOまたはNを含む基であることが好ましい。
【0032】
有利な添加剤はα,ω−ジオールおよびα,ω−アミノアルコールである。
【0033】
特に有利な具体化例においては、へテロ原子として酸素だけを含む添加剤が使用される。これらのα,ω−ジオールは有機基Aの炭素骨格の中に好ましくは少なくとも2個の酸素原子を、好ましくはエーテル基の形で含んでいる。
【0034】
特に好適な添加剤はポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)であり、これは重合度が少なくとも2であり、好ましくはモル質量が144〜約2,200の範囲にある。これよりもモル質量が大きい場合にはポリアルキレングリコールは多分散性であり、例えばPEG1000では典型的には950〜1,050の範囲のモル質量を有している。重合度が4〜50のポリエチレングリコール(PEG)が極めて好適である。PEG200〜PEG1000、この場合特にPEG400、PEG600およびPEG800が特に好適である。これらの製品は市販されている。
【0035】
本発明に従えば1種またはそれ以上の添加剤を使用することができる。本発明に従ってDDP−OOHを11(12)−ペンタデセン−15−オリドに転化する場合に有利な添加剤の量はDDP−OOHに関して0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜8重量%、極めて好ましくは3〜6重量%である。
【0036】
希釈剤およびCu(II)化合物、並びに随時添加剤を含む混合物を先ず導入し、加熱する方法で開裂を行うことが好ましい。次いでこの加熱した混合物に希釈剤およびDDP−OOHを含む懸濁液または溶液を加える。DDP−OOHを計量して供給し始める際に水性の希釈剤の共沸蒸溜による除去を開始することが有利である。
【0037】
開裂が完了したら、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを蒸溜により単離する前に、銅イオンを失活させることが殆ど完全に有利である。この目的に対しては、銅を実質的に錯化させるか、および/または銅を銅化合物として沈澱させることが適当である。銅に対する強い錯化剤、例えばクリプタンド、EDTAまたはクエン酸がこの目的に特に適している。
【0038】
開裂は非連続的、半連続的または連続的に行うことができる。半連続法または連続法が好適である。
【0039】
また開裂は連続的に撹拌されている反応容器の中で行うこともできる。この場合、DDP−OOHおよび希釈剤の懸濁液ばかりでなく、それと平行してCu(II)化合物、希釈剤および随時加えられる添加剤の懸濁液を計量して加えることが好ましい。撹拌反応容器から除去された粗製の懸濁液を第2の連続的に操作される反応容器を通して流し、この容器の中で後反応の際に水性の希釈剤を蒸溜、除去することも有利である。必要に応じ強いCu錯化剤を第3の連続的に操作されている撹拌反応容器の中に計量して加え、水性の希釈剤の蒸溜を続けることができる。この撹拌反応容器からの流出液を連続的に操作される蒸溜塔に供給し、この中で希釈剤および残留水が塔頂部を介して除去され、また希釈剤を含まない生成物が塔底生成物として得られる。強いCu錯化剤を加えた場合には、沈澱したCu錯体を濾過して分離し、粗製の11(12)−ペンタデセン−15−オリドを必要に応じさらに精製することができる。
【0040】
この方法を連続的、半連続的または非連続的に行う場合、典型的には11(12)−ペンタデセン−15−オリドは開裂反応において理論値の97%の分離収率で得られ、DDPから始まる全工程に亙っては理論値の87%の収率で得られる。
【0041】
本発明の他の主題は、原料としてDDPおよび過酸化水素を使用し、酢酸および硫酸の存在下においてDDP−OOHを製造する方法において、DDPに関して0.05〜5モル%のH2SO4の存在下に反応を行うことを特徴とする方法である。
【0042】
DDPをDDP−OOHに転化するための本発明に好適なH2SO4の量は、DDPに関し0.1〜3モル%、特に好ましくは0.2〜2.5モル%である。
【0043】
本発明において好適なDDP対酢酸の重量比は1:2〜1:8、好ましくは1:4〜1:6である。
【0044】
反応を自発的に且つ均一に進行させるためには、前回の粗製バッチ(濾過を行っていない、なおDDP−OOH結晶を含む可能性がある、主成分が酢酸の粗製反応生成物の混合物)の一部を最初に導入することが有利である。
【0045】
種々の濃度の過酸化水素を使用してH2O2をDDPに加えDDP−OOHを得ることができる。典型的には30〜70%過酸化水素水溶液を使用する。50%または70%が好適である。
【0046】
本発明によるH2O2の好適な量はDDPに関し0.8〜1.25モル当量、特に好ましくは0.95〜1.1モル当量、である。
【0047】
H2O2を添加する温度範囲は0〜10℃、好ましくは3〜8℃の範囲である。約5℃の反応温度が特に適していることが分かった。
【0048】
またOCPを原料として使用してDDP−OOHを製造することもできる。この場合にはDDPを出発物質(educt)として使用する場合に比べ酢酸を多量に、典型的には10〜30重量%多く使用することが有利である。
【0049】
反応が完結したら、反応混合物を濾過し、DDP−OOHの結晶をできるだけ少量の水で洗滌して結晶から酢酸および硫酸を実質的に除去する。水を用いて向流で2回洗滌を行なうが、それぞれの場合DDP−OOHに関して2倍の重量の水を用いることが有利である。この濾過にはベルト・フィルターおよび水平遠心分離器が特に適している。水(例えば脱塩水または蒸溜水)および/または前回のDDP−OOH結晶の洗滌水をこの洗滌操作に使用することが好ましい。濾過および洗滌の操作の後得られたDDP−OOHの結晶はこれ以上乾燥させず、得られた含水量を維持することが特に有利である。
【0050】
DDP−OOHの結晶を濾過し次いで洗滌操作を行った後の濾液(結晶を含まない反応溶液)は主として酢酸を含んでいる。この濾液の中の含水量は通常10〜25重量%である。この濾液は通常新しい氷酢酸の一部を加えた後に同じ反応に再使用することが好ましい。
【0051】
洗滌操作および濾過操作、並びに随時行われる洗滌したDDP−OOH結晶の乾燥はできるだけ穏やかな条件で−10〜+10℃の温度範囲で行われなければならない。約0℃の温度が好適である。
【0052】
濾過洗滌操作および随時行われる乾燥操作の後で得られるDDP−OOH結晶は好ましくは含水量が5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%、極めて好ましくは15〜25重量%である。
【0053】
DDP−OOHの製造は非連続的、半連続的または連続的に行うことができる。
【0054】
この反応は例えば連続的に操作される撹拌反応容器の中で行うことができる。この場合一方では過酸化水素を、またそれと平行して他方ではDDP、酢酸、硫酸および水を含む混合物をこの撹拌反応容器に計量して加える。またこの混合物はDDP、結晶を含まない反応溶液(例えば前回のバッチから得られたもの)、若干の新しい硫酸および新しい酢酸、および必要に応じ水から製造することもできる。撹拌した反応容器から取り出された懸濁液を後反応のために第2の連続的に操作される撹拌された反応容器を通して流すことができる場合には、この連続操作は生成物の収率および品質に関して非連続的な(バッチ式の)態様とは異ならない。
【0055】
連続的、半連続的または非連続的に行われるこの方法では、典型的にはDDP−OOHはDDPを原料とした場合分離収率は理論値の90%で得られる。
【0056】
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造のすべての工程、特にDDP−OOH結晶の製造、濾過、および取り扱いは、保護用のガスまたは保護用のガスの混合物の雰囲気の中で行うことが推奨される。特に適した保護用のガスは例えば窒素、アルゴン、ヘリウムまたは二酸化炭素である。
【0057】
DDP−OOHを生じるDDPと過酸化水素との反応を連続的に行うことができ、反応溶液とDDP−OOHの結晶との分離およびその精製を半連続的に行うことができ、銅(II)触媒の存在下において11(12)−ペンタデセン−15−オリドへのDDP−OOHの転移は同様に連続的に行なうことができるという事実は、経済的な観点からばかりでなく作業の安全性および環境問題の観点からも重要であり、このようにして工程中に存在するヒドロパーオキシドの量を最低限度に低減させることができる。
【0058】
本発明によれば溶媒および触媒の回路を閉鎖して廃棄物を最低限度に減らすことができる。
【0059】
下記実施例により本発明を例示する。
【0060】
【実施例】
実施例1
DDP−OOHの製造
448gのDDP、2070gの酢酸、330gの脱塩水および4gの硫酸を5℃の一定温度に保ち、これを先ず底に出口をもつ6リットルの二重壁の容器に導入した。この容器には櫂形撹拌機、2個の計量ポンプ、蠕動ポンプ、低温恒温槽および窒素導入用の連結部が備えられている。この混合物を400rpm(回転/分)で撹拌する。50%過酸化水素140gを30分間に亙り計量して導入する。この反応は発熱反応であり自発性である。15分の後反応時間の後に、反応混合物を磁器製のの吸引濾斗を通して濾過し、それぞれ1000gの水を用いて2回洗滌する(一緒にした濾液は結晶を含まない反応溶液になる)。DDP−OOHの収率(含まれる約17重量%の水を除いたもの)は理論値の89%であった。
【0061】
実施例2
DDP−OOHの製造
前回のバッチ(実施例1)から得られた2600gの結晶を含まない反応溶液、448gのDDP、180gの酢酸および0.4gの硫酸を恒温槽で5℃にコントロールし、これを先ず底に出口をもつ6リットルの二重壁の容器に導入した。この容器には櫂形撹拌機、計量ポンプ、低温恒温槽および窒素導入用の連結部が備えられている。この混合物を400rpmで撹拌する。70%の過酸化水素100gを30分間に亙り計量して供給する。この反応は発熱反応であり自発性である。後反応時間は15分であった。次のバッチのために反応器の中に300gの粗反応生成物を残した。他の3000gはさらに精製を行うために供給した。
【0062】
実施例3
DDP−OOHの連続的製造
前回の粗バッチ(なおDDP−OOHの結晶を含んでいる濾過しない粗反応生成物)300g、448gのDDP、2070gの酢酸、330gの脱塩水、および4gの硫酸を恒温槽の中で5℃にコントロールし、これを先ず底に出口をもつ6リットルの二重壁の容器に供給した。この容器には櫂形撹拌機、2個の計量ポンプ、蠕動ポンプ、低温恒温槽および窒素導入用の連結部が備えられている。この混合物を400rpmで撹拌する。50%の過酸化水素140gを30分間に亙り計量して導入する。この反応は発熱反応であり自発性である。15分後、反応を連続的に継続し、2個の計量ポンプを用い一つのポンプでは70%の過酸化水素を計量し、他のポンプではそれと平行して結晶を含まない反応溶液、DDP、酢酸および硫酸を計量して反応容器に加えた。同時に蠕動ポンプを用いて底部の出口から反応溶液を取り出した。
【0063】
70%の過酸化水素は毎時200gの割合で計量して供給した。計量して供給した混合物は結晶を含まない反応溶液2300g、DDP 448g、酢酸180gおよび硫酸0.4gの割合で調製し、毎時5857gの割合で計量して供給した。反応溶液は、反応器の中の液面が実質的に一定になるような方法で、毎時約6057gの速度で取り出した。濾過しさらに精製するために粗製バッチを供給した。
【0064】
実施例4
DDP−OOHの濾過
水平遠心分離器を使用してDDP−OOHの結晶を母液から分離した。母液を約+5℃に冷却し、窒素で不活性雰囲気を与えた後、遠心分離工程を開始した。遠心分離器は2300rpmの遠心分離速度を得るように設定した。蠕動ポンプを使用して1〜1.5分の間に亙り15kgの反応溶液を圧入した。供給ラインには2kgの結晶を含まない反応溶液を流した。2300rpmでの遠心分離を5分間行った。13.9kgの結晶を含まない反応溶液が得られ、さらに使用するためにこれを恒温槽で1℃にコントロールした。遠心分離器の回転速度を600rpmに低下させた後、逆方向に抜き取って遠心分離器を空にした。DDP−OOHの湿った結晶3.1kgが得られた。
【0065】
約1℃において洗滌水6.9kgを用いて結晶をすり潰し、すり潰した物を15分間激しく撹拌した。脱塩水または前回の濾過バッチからの濾液(酢酸含量約3重量%)は洗滌水として用いることができる。
【0066】
水平遠心分離器は遠心分離の回転速度を2600rpmに設定した。蠕動ポンプを用いて1分間の間に10kgのDDP−OOHを計量して加えた。回転速度を変化させずにさらに1分間中間的な遠心分離を行った。6.1kgの廃水が得られたが、これは廃棄した。同じ回転速度において5.9kgの脱塩水を用い洗滌を行った。脱塩水は予め1℃に冷却されたもので、計量ポンプを用いて1分間に亙って圧入した。次にこの混合物を10分間2600rpmで遠心分離を行い、6.9kgの洗滌水を得た(これは次のバッチで再利用される)。遠心分離の終わりにおいて、遠心分離の回転速度を600rpmに低下させた。逆方向に抜き取って遠心分離器を空にした。水分含量が約20%の2.9kgのDDP−OHH(原文のまま)の結晶が得られた。これは2.30kgの量のDDP−OOHに相当する。従ってDDP−OOHの製造およびその分離の工程を含むDDPに対する収率は理論値の90%である。この生成物は酢酸および硫酸を実質的に含んでいなかった。
【0067】
実施例5
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造
予め水素で不活性雰囲気を与えられた6リットルの二重壁容器に、先ず800gのMIBK、100gのPEG400および3.6gの酢酸銅(II)一水和物の混合物を導入した。この容器には撹拌機、熱電対、蒸溜塔、塔頂部、真空ポンプおよび真空制御器が備えられている。この混合物を加熱し、30分間還流下沸騰させる(上部の温度約112℃、底部の温度約118℃)。注意して真空を550ミリバールに設定し、底部の温度が90℃、上部の温度が85℃になるようにした。
【0068】
DDP−OOH(実施例4から得られた湿った水分含量約20重量%のもの)2.9kgおよび59kgのMIBK(随時DDP−OOHの開裂工程から回収されたMIBKを含む)を熱電対で0℃にコントロールされた撹拌機付きの計量容器の中ですり潰す。この懸濁液を毎時約2リットルの割合で蠕動ポンプにより計量容器から6リットルの二重壁容器の中に導入した。計量して供給を開始する時においては、懸濁液が入った二重壁容器の中へ計量して供給を行う場合に比べ、幾分少量のMIBKが塔頂部から取り出された。水が分離されなくなるまで共沸蒸溜を継続した。このようにして計量して供給を行う操作の終りにおいて、8KgのMIBK(酸価2.0mgKOH/g)および約600gの水が蒸溜、除去された。MIBKは有利に再利用することができる。底部の温度を約90℃に保つために、計量して供給を行う間真空の圧力を約350ミリバールに低下させた。真空の圧力を低下させた時に塔頂部の温度は約70℃に下がった。
【0069】
蒸溜終了後、加熱を止め、容器に窒素ガスを装入する。5gのクエン酸を加えた後、この混合物を常圧下において撹拌しながら加熱し、もはや水が分離しなくなるまで蒸溜する。底部の温度は約120℃であり、塔頂部の温度は約115℃であった。注意しながら真空をかけて蒸溜を続けた。底部の温度が120℃で真空の圧力が約60ミリバールになった時蒸溜を中止し、容器に窒素ガスを装入する。得られた溜出物は約30gの水と1.6kgのMIBKから成っていた。50〜60℃においてこの粗製生成物を磁器製のの吸引濾斗を通して濾過し、100gのMIBKで2回洗滌した。濾液および2回の洗滌濾液を別々に集める。2250gの濾液および6.2gの乾燥したクエン酸銅、並びに約250gの洗滌濾液が得られた。濃縮して洗滌濾液からさらに50gの濾液を回収することができた。
【0070】
再び蒸溜を行った後、40gの初溜液、2080gの11(12)−ペンタデセン−15−オリドおよび主としてPEG400を含む150gの蒸溜残渣が得られた。このことは、DDPから出発したすべての工程に亙る11(12)−ペンタデセン−15−オリドの収率は理論値の87%に相当し、DDP−OOHから11(12)−ペンタデセン−15−オリドに至るまでの工程における収率は理論値の97%に相当する。
【0071】
実施例6
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの連続的製造
この方法は計量して供給を行う最後まで、および8kgのMIBKおよび約600gの水を蒸溜、除去する共沸蒸留の所までは実施例5と同じである。
【0072】
この時点において、DDP−OOHの懸濁液を蠕動ポンプによってさらに計量して供給し、第2の計量ポンプを介して第2の計量混合物を導入し、反応溶液を第3の蠕動ポンプを用いて底部の出口から連続的に抜き出すように反応を継続した。DDP−OOHの懸濁液は、9kgのMIBKに対しDDP−OOH(実施例4から得られた湿った水分含量が20重量%のもの)2.9kgの割合で調製し、毎時1.7kgの速度で計量して供給した。第2の計量混合物は800gのMIBK、100gのPEG400および3.6gのCu(OAc)2一水和物から調製し、十分に撹拌した懸濁液として110℃に予熱して使用した。この第2の計量混合物は毎時130gの速度で計量して供給した。塔頂部を介して毎時1230gの水性MIBKを蒸溜、除去し、底部の出口から毎時600gの反応溶液を取り出した。
【0073】
実施例5と同様にして反応溶液の回収をさらに行い、収率に関して同じ結果を得た。
【0074】
本発明の主な特徴および態様は次の通りである。
【0075】
1.原料として1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を使用し、Cu(II)化合物および希釈剤の存在下、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、反応の間に水と希釈剤とを含む共沸混合物を蒸溜、除去する方法。
【0076】
2.Cu(II)化合物の量はDDP−OOHに関し0.02〜1.5モル%である上記第1項記載の方法。
【0077】
3.開裂に使用される希釈剤の全量に対するDDP−OOHの重量比は1:2〜1:7の範囲である上記第1または2項記載の方法。
【0078】
4.希釈剤の少なくとも一部を前回のバッチから回収する上記第1〜3項の少なくとも一つに記載された方法。
【0079】
5.反応は式
HX−[A]−YH
式中XおよびYは互いに独立にOまたはN−Rを表し、ここでRはHまたは炭素数1〜10の有機基であり、
Aは炭素数2〜100の有機基である、
の添加剤の存在下において行われる上記第1〜4項の少なくとも一つに記載された方法。
【0080】
6.反応温度は80〜100℃の範囲にある上記第1〜5項の少なくとも一つに記載された方法。
【0081】
7.添加剤はポリアルキレングリコールである上記第1〜6項の少なくとも一つに記載された方法。
【0082】
8.添加剤の量はDDP−OOHに関し0.5〜15重量%である上記第1〜7項の少なくとも一つに記載された方法。
【0083】
9.DDP−OOHの含水量は有利には5〜40重量%の範囲にある上記第1〜8項の少なくとも一つに記載された方法。
【0084】
10.該方法は50〜800ミリバールの範囲の圧力で行われる上記第1〜9項の少なくとも一つに記載された方法。
【0085】
11.原料として13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)および過酸化水素を使用し、酢酸および硫酸の存在下、1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を製造する方法において、反応をDDPに関し0.05〜5モル%のH2SO4の存在下行なう方法。
【0086】
12.H2SO4の量はDDPに関し0.1〜3モル%である上記第11項記載の方法。
【0087】
13.DDPに関し0.8〜1.25モル当量の過酸化水素を使用する上記第11または12項記載の方法。
【0088】
14.反応完結後、濾過および洗滌操作を行う上記第11〜13項の少なくとも一つに記載された方法。
【0089】
15.前回のバッチからの洗滌液の少なくとも一部を使用する上記第11〜14項の少なくとも一つに記載された方法。
【0090】
16.DDP−OOHの含水量は5〜40重量%の範囲にある上記第11〜15項の少なくとも一つに記載された方法。
【0091】
17.原料として13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)を使用し11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、第1工程では酢酸とDDPに関して0.05〜5モル%のH2SO4の存在下DDPと過酸化水素とを反応させ、第2工程ではCu(II)化合物および希釈剤の存在下DDP−OOHを反応させ、反応の間に水および希釈剤を含む共沸混合物を蒸溜、除去する方法。
【発明の属する技術分野】
本発明は11(12)−ペンタデセン−15−オリドの改良された製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マクロ環式ラクトンである11−ペンタデセン−15−オリド(=15−ヒドロキシペンタデク−11−エノン酸ラクトン)および12−ペンタデセン−15−オリド(=15−ヒドロキシペンタデク−12−エノン酸ラクトン)およびその混合物(11(12)−ペンタデセン−15−オリド)は麝香の芳香をもつ香料として知られている。この点に関しては特に(E)体および(Z)体並びにその混合物が芳香特性の立場から特に興味がもたれている。これらの物質の芳香特性は特許文献1に記載されている。また麝香性の芳香をもつ香料として使用されれている15−ペンタデカノリド(=15−ヒドロキシペンタデカン酸ラクトン)は水素化によって11(12)−ペンタデセン−15−オリドから得られることも広く知られている。
【0003】
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造法自身は公知である。現在における最も重要な製造法では13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)を原料として使用する。1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)は酸を触媒としてDDPに過酸化水素を加えることによって得られる。11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する合成法においては、DDP−OOHを開裂させてマクロ環式の環を生成させることが決定的な工程と見做されている。この開裂は通常Cu(OAc)2および随時使用されるFeSO4のような触媒の存在下において行われる。熱だけを用いてこの反応工程を行うと、反応生成物は飽和化合物である15−ペンタデカノリドをかなりの量含んでいるが、この化合物は麝香の芳香をもっているとは言え、11(12)−ペンタデセン−15−オリドとは異なった芳香特性を示すので、できるだけ最小の量しか生成しないようにしなければならない。さらに、熱だけを用いて開裂を行った場合には、残渣(例えば蒸溜残渣)が大量に生成する欠点がある。
【0004】
DDPは通常、酸を触媒として用い2−(3−ヒドロキシプロピル)−シクロドデカノン(OCP)を脱水して環化することによって得られる。このOCPはシクロドデカノンにアリルアルコールをフリーラジカルを用いて付加させることによって合成される(例えば特許文献2参照)。
【0005】
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造法は下記の反応式で示すことができる。
【0006】
【化1】
【0007】
特許文献1記載の方法では、OCPを重量で4.6当量の氷酢酸の中で室温において均一化し、OCPに関して25%の硫酸の冷水溶液(OCPに関し約51モル%(約21重量%)を加え、次にこの反応混合物を0℃に冷却する。次に1.65モル当量の過酸化水素(70%溶液)を加え、温度を7℃に上昇させる。短い後反応時間の後、生成した固体(DDP−OOH)を濾別し、これを水およびNaHCO3水溶液で洗滌して乾燥させる。収率は80%であった。
【0008】
DDP−OOHの開裂は、メタノール中にCu(OAc)2を含む飽和溶液(約94モル%のCu(OAc)2とDDP−OOHに関し12.3重量部のメタノールから調製;この量のメタノール中のDDP−OOHの濃度は約0.25モル/リットル)にDDP−OOHを少しずつ加えることによって行った。2回に亙ってのFe2SO4(それぞれDDP−OOHに関し丁度20モル%)を加え、次いで周囲温度で一晩撹拌する。回収を行うためにこの混合物を飽和NaCl水溶液に加え、ジイソプロピルエーテルで抽出し、この抽出物を飽和NaHCO3水溶液および飽和NaCl水溶液で洗滌する。乾燥して精溜を行った後、なお8%の15−ペンタデカノリドを含む11(12)−ペンタデセン−15−オリドが理論値の73%の収率で得られる。
【0009】
非特許文献1によれば、DDPを先ず0℃において重量で5.2当量の氷酢酸中に導入し、硫酸の50%水溶液(DDPに関し約26モル%(=11重量%)および30%の過酸化水素(約1.89モル当量)から成る混合物を加えた。短い後反応時間の後に生成した固体(DDP−OOH)を濾別し、これを50%の酢酸溶液(DDPに関し80重量%)で洗滌した後、洗滌液が中性になるまで数回水で洗滌する(それぞれDDPに関して2重量部の水を用いて4回洗滌)。乾燥後純度96%のDDP−OOHが理論値の85%の収率で得らた。
【0010】
DDP−OOHの開裂は、1部のDDP−OOHと約3.8重量部の4−メチルペンタン−2−オン(MIBK)との懸濁液を長時間に亙り、約3.8重量部のMIBK(DDP−OOHに関し)中にCu(OAc)2を含む沸騰した溶液に計量して加えることによって行われる。Cu(OAc)2の量はDDP−OOHに関し0.15〜7.0モル%の範囲で変化するが、該文献の著者によればCu(OAc)2が5モル%の時が最適である。沸騰させながら3時間の後反応時間が経過した後、反応混合物を冷却し沈殿した銅塩を濾別した。濾液を高温の水で洗滌し(それぞれDDP−OOHに関して重量で7.7当量の水を用いて2回洗滌操作を行い)濃縮した。5モル%のCu(OAc)2を用い理論値の96.5%の収率で粗製の11(12)−ペンタデセン−15−オリドが得られた。
【0011】
この方法の欠点は特に、DDP−OOHの開裂の反応条件下において元素状の銅および/または不溶性の銅化合物がが沈澱すること、およびこの反応には大量の試薬および助剤が使用されることである。またこれ以外の欠点として、例えば数多くの或る場合には時間のかかる処理工程および洗滌操作、およびそれに伴なう環境的なまた安全上の配慮が必要であり、また空時収率が悪いことが挙げられる。最後に挙げた方法の規模を拡大した場合の他の欠点は、ω−ヒドロキシアルキル側鎖を有する環が狭くなったラクトンがかなりの量生成することである。
【0012】
従って公知の方法は工業的規模の反応には不適当である。従って工業的には、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを簡単且つ廉価な方法で製造できる工業的な方法に大きな興味がもたれている。
【0013】
【特許文献1】
欧州特許第A−424 787号明細書
【0014】
【特許文献2】
独国特許OS第2 136 496号明細書
【0015】
【非特許文献1】
Russ.Chem.Bull.誌、47巻、p.1166〜1169
【0016】
【発明の要約】
本発明によれば、上記の欠点を克服し、工業的に有利な方法を提供することができる。本発明の方法は特に工業的な規模で使用するのに適している。
【0017】
従って本発明の主題は、原料としてDDP−OOHを使用し、Cu(II)化合物および希釈剤の存在下、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、反応の間水と希釈剤とを含む共沸混合物を蒸溜、除去することを特徴とする方法である。
【0018】
本発明において有利なCu(II)化合物はDDP−OOHの反応の条件下において使用される溶媒に可溶な化合物である。このようなCu(II)化合物は20℃において希釈剤1kg当たり少なくとも0.5g、好ましくは少なくとも1gの希釈剤中への溶解度を有している。Cu(II)化合物は無水の形または水和物の形(結晶水をもった形)で使用することができる。結晶水中の水の量は重要ではない。
【0019】
好適なCu(II)化合物は有機基を含むものである。この点に関してはCu(II)2,4−ペンタンジオン酸誘導体の他に、カルボン酸のCu(II)塩が特に好適である。好適なペンタンジオン酸のCu(II)塩はCu(II)アセチルアセトネート、Cu(II)1,1,1−トリフルオロアセチルアセトネートおよび[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)]−Cu(II)、炭素数が2〜5のアルキルカルボン酸のCu(II)塩、特に酢酸Cu(II)およびプロピオン酸Cu(II)が特に好適である。
【0020】
本発明に従えば、1種またはそれ以上のCu(II)化合物を使用することができる。DDP−OOHを11(12)−ペンタンジオン−15−オリドに転化させる上で本発明に有利なCu(II)化合物の量は、DDP−OOHに関し0.02〜1.5モル%、好ましくは0.05〜1モル%、特に好ましくは0.1〜0.6モル%である。
【0021】
水と共沸混合物を生成するすべての液体有機化合物を希釈剤として使用することができる。本発明に従えば、これらの希釈剤は希釈剤を蒸溜して除去する際の水捕捉剤として作用する。1種またはそれ以上の希釈剤を使用することができる。1種だけの希釈剤を使用することが好適である。有利な希釈剤は常圧下において70〜230℃の範囲の沸点を有し、該沸点が90〜150℃の範囲のものが特に有利である。好適な希釈剤は脂肪族のエステル、エーテルまたはケトン、特にケトンである。好適なエステルは酢酸ブチルであり、好適なエーテルはジ−n−ブチルエーテルである。好適なケトンは2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−メチルペンタン−2−オン(MIBK)、エチルイソプロピルケトンおよびジイソプロピルケトンである。MIBKが特に好適である。
【0022】
開裂反応の間に蒸溜によって除去される共沸混合物から水を除去し希釈剤を開裂反応に再利用することが好ましい。この点に関し、回収された希釈剤の酸価は3mgKOH/g以下であることが有利である。酸価は、回収された希釈剤1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量をmgで表した数に相当する。
【0023】
開裂に使用される本発明に好適な希釈剤の全量に対するDDP−OOHの重量比は1:2〜1:7、好ましくは1:3〜1:5の範囲である。
【0024】
開裂を行う温度範囲は70〜120℃である。開裂は好ましくは80〜100℃、特に好ましくは85〜95℃の温度範囲で行われる。
【0025】
開裂を行うのに有利な圧力範囲は0.01ミリバール〜2バールである。この方法は1013ミリバールより低い、特に50〜800ミリバールの範囲の圧力で行うことが好ましい。反応を不連続的に行う場合、開裂が進行するにつれて圧力をさらに低下させ、温度は実質的に一定に保つことがことが好ましい。即ち圧力は450〜750ミリバールから始まって100〜400ミリバールで終わるようにすることが好適である。
【0026】
開裂に使用するDDP−OOHは無水であるか、或いは水を含んでいることもできる。好適なDDP−OOHは水を含んでいる。DDP−OOHの含水量は5〜40重量%が有利であり、好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%である。
【0027】
また驚くべきことには、或る種の添加剤は開裂の間銅および/または不溶性の銅化合物の沈澱を抑制することが見出だされた。11(12)−ペンタデセン−15−オリドへのDDP−OOHの転化は下記の式で表すことができる添加剤の存在下において行うことが好ましい。
【0028】
HX−[A]−YH
ここで、XおよびYは互いに独立にOまたはN−Rを表し、ここでRはHまたは炭素数1〜10の有機基であり、Aは炭素数2〜100の有機基である。
【0029】
添加剤の沸点が使用する希釈剤の沸点より高く、且つ希釈剤と水との共沸混合物よりも高いことが有利である。
【0030】
好ましくはAは炭素数が6〜50、特に好ましくは炭素数が10〜30である。基Rは好ましくは1〜4個の炭素原子を含んでおり、Rは好ましくはメチルまたはエチルである。
【0031】
有機基Aは好ましくはヘテロ原子OまたはNを、好ましくはヒドロキシ基、エーテル基、またはアミノ基の形で含んでいる。エーテル基および2級アミノ基が好適である。基Aの炭素骨格には1個またはそれ以上の有機基が結合していることができ、有機基は互いに独立に直鎖の、分岐した、環式の、ヘテロ環式の、芳香族の或いはヘテロ芳香族であることができ、ヘテロ原子を含む基はOまたはNを含む基であることが好ましい。
【0032】
有利な添加剤はα,ω−ジオールおよびα,ω−アミノアルコールである。
【0033】
特に有利な具体化例においては、へテロ原子として酸素だけを含む添加剤が使用される。これらのα,ω−ジオールは有機基Aの炭素骨格の中に好ましくは少なくとも2個の酸素原子を、好ましくはエーテル基の形で含んでいる。
【0034】
特に好適な添加剤はポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)であり、これは重合度が少なくとも2であり、好ましくはモル質量が144〜約2,200の範囲にある。これよりもモル質量が大きい場合にはポリアルキレングリコールは多分散性であり、例えばPEG1000では典型的には950〜1,050の範囲のモル質量を有している。重合度が4〜50のポリエチレングリコール(PEG)が極めて好適である。PEG200〜PEG1000、この場合特にPEG400、PEG600およびPEG800が特に好適である。これらの製品は市販されている。
【0035】
本発明に従えば1種またはそれ以上の添加剤を使用することができる。本発明に従ってDDP−OOHを11(12)−ペンタデセン−15−オリドに転化する場合に有利な添加剤の量はDDP−OOHに関して0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜8重量%、極めて好ましくは3〜6重量%である。
【0036】
希釈剤およびCu(II)化合物、並びに随時添加剤を含む混合物を先ず導入し、加熱する方法で開裂を行うことが好ましい。次いでこの加熱した混合物に希釈剤およびDDP−OOHを含む懸濁液または溶液を加える。DDP−OOHを計量して供給し始める際に水性の希釈剤の共沸蒸溜による除去を開始することが有利である。
【0037】
開裂が完了したら、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを蒸溜により単離する前に、銅イオンを失活させることが殆ど完全に有利である。この目的に対しては、銅を実質的に錯化させるか、および/または銅を銅化合物として沈澱させることが適当である。銅に対する強い錯化剤、例えばクリプタンド、EDTAまたはクエン酸がこの目的に特に適している。
【0038】
開裂は非連続的、半連続的または連続的に行うことができる。半連続法または連続法が好適である。
【0039】
また開裂は連続的に撹拌されている反応容器の中で行うこともできる。この場合、DDP−OOHおよび希釈剤の懸濁液ばかりでなく、それと平行してCu(II)化合物、希釈剤および随時加えられる添加剤の懸濁液を計量して加えることが好ましい。撹拌反応容器から除去された粗製の懸濁液を第2の連続的に操作される反応容器を通して流し、この容器の中で後反応の際に水性の希釈剤を蒸溜、除去することも有利である。必要に応じ強いCu錯化剤を第3の連続的に操作されている撹拌反応容器の中に計量して加え、水性の希釈剤の蒸溜を続けることができる。この撹拌反応容器からの流出液を連続的に操作される蒸溜塔に供給し、この中で希釈剤および残留水が塔頂部を介して除去され、また希釈剤を含まない生成物が塔底生成物として得られる。強いCu錯化剤を加えた場合には、沈澱したCu錯体を濾過して分離し、粗製の11(12)−ペンタデセン−15−オリドを必要に応じさらに精製することができる。
【0040】
この方法を連続的、半連続的または非連続的に行う場合、典型的には11(12)−ペンタデセン−15−オリドは開裂反応において理論値の97%の分離収率で得られ、DDPから始まる全工程に亙っては理論値の87%の収率で得られる。
【0041】
本発明の他の主題は、原料としてDDPおよび過酸化水素を使用し、酢酸および硫酸の存在下においてDDP−OOHを製造する方法において、DDPに関して0.05〜5モル%のH2SO4の存在下に反応を行うことを特徴とする方法である。
【0042】
DDPをDDP−OOHに転化するための本発明に好適なH2SO4の量は、DDPに関し0.1〜3モル%、特に好ましくは0.2〜2.5モル%である。
【0043】
本発明において好適なDDP対酢酸の重量比は1:2〜1:8、好ましくは1:4〜1:6である。
【0044】
反応を自発的に且つ均一に進行させるためには、前回の粗製バッチ(濾過を行っていない、なおDDP−OOH結晶を含む可能性がある、主成分が酢酸の粗製反応生成物の混合物)の一部を最初に導入することが有利である。
【0045】
種々の濃度の過酸化水素を使用してH2O2をDDPに加えDDP−OOHを得ることができる。典型的には30〜70%過酸化水素水溶液を使用する。50%または70%が好適である。
【0046】
本発明によるH2O2の好適な量はDDPに関し0.8〜1.25モル当量、特に好ましくは0.95〜1.1モル当量、である。
【0047】
H2O2を添加する温度範囲は0〜10℃、好ましくは3〜8℃の範囲である。約5℃の反応温度が特に適していることが分かった。
【0048】
またOCPを原料として使用してDDP−OOHを製造することもできる。この場合にはDDPを出発物質(educt)として使用する場合に比べ酢酸を多量に、典型的には10〜30重量%多く使用することが有利である。
【0049】
反応が完結したら、反応混合物を濾過し、DDP−OOHの結晶をできるだけ少量の水で洗滌して結晶から酢酸および硫酸を実質的に除去する。水を用いて向流で2回洗滌を行なうが、それぞれの場合DDP−OOHに関して2倍の重量の水を用いることが有利である。この濾過にはベルト・フィルターおよび水平遠心分離器が特に適している。水(例えば脱塩水または蒸溜水)および/または前回のDDP−OOH結晶の洗滌水をこの洗滌操作に使用することが好ましい。濾過および洗滌の操作の後得られたDDP−OOHの結晶はこれ以上乾燥させず、得られた含水量を維持することが特に有利である。
【0050】
DDP−OOHの結晶を濾過し次いで洗滌操作を行った後の濾液(結晶を含まない反応溶液)は主として酢酸を含んでいる。この濾液の中の含水量は通常10〜25重量%である。この濾液は通常新しい氷酢酸の一部を加えた後に同じ反応に再使用することが好ましい。
【0051】
洗滌操作および濾過操作、並びに随時行われる洗滌したDDP−OOH結晶の乾燥はできるだけ穏やかな条件で−10〜+10℃の温度範囲で行われなければならない。約0℃の温度が好適である。
【0052】
濾過洗滌操作および随時行われる乾燥操作の後で得られるDDP−OOH結晶は好ましくは含水量が5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%、極めて好ましくは15〜25重量%である。
【0053】
DDP−OOHの製造は非連続的、半連続的または連続的に行うことができる。
【0054】
この反応は例えば連続的に操作される撹拌反応容器の中で行うことができる。この場合一方では過酸化水素を、またそれと平行して他方ではDDP、酢酸、硫酸および水を含む混合物をこの撹拌反応容器に計量して加える。またこの混合物はDDP、結晶を含まない反応溶液(例えば前回のバッチから得られたもの)、若干の新しい硫酸および新しい酢酸、および必要に応じ水から製造することもできる。撹拌した反応容器から取り出された懸濁液を後反応のために第2の連続的に操作される撹拌された反応容器を通して流すことができる場合には、この連続操作は生成物の収率および品質に関して非連続的な(バッチ式の)態様とは異ならない。
【0055】
連続的、半連続的または非連続的に行われるこの方法では、典型的にはDDP−OOHはDDPを原料とした場合分離収率は理論値の90%で得られる。
【0056】
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造のすべての工程、特にDDP−OOH結晶の製造、濾過、および取り扱いは、保護用のガスまたは保護用のガスの混合物の雰囲気の中で行うことが推奨される。特に適した保護用のガスは例えば窒素、アルゴン、ヘリウムまたは二酸化炭素である。
【0057】
DDP−OOHを生じるDDPと過酸化水素との反応を連続的に行うことができ、反応溶液とDDP−OOHの結晶との分離およびその精製を半連続的に行うことができ、銅(II)触媒の存在下において11(12)−ペンタデセン−15−オリドへのDDP−OOHの転移は同様に連続的に行なうことができるという事実は、経済的な観点からばかりでなく作業の安全性および環境問題の観点からも重要であり、このようにして工程中に存在するヒドロパーオキシドの量を最低限度に低減させることができる。
【0058】
本発明によれば溶媒および触媒の回路を閉鎖して廃棄物を最低限度に減らすことができる。
【0059】
下記実施例により本発明を例示する。
【0060】
【実施例】
実施例1
DDP−OOHの製造
448gのDDP、2070gの酢酸、330gの脱塩水および4gの硫酸を5℃の一定温度に保ち、これを先ず底に出口をもつ6リットルの二重壁の容器に導入した。この容器には櫂形撹拌機、2個の計量ポンプ、蠕動ポンプ、低温恒温槽および窒素導入用の連結部が備えられている。この混合物を400rpm(回転/分)で撹拌する。50%過酸化水素140gを30分間に亙り計量して導入する。この反応は発熱反応であり自発性である。15分の後反応時間の後に、反応混合物を磁器製のの吸引濾斗を通して濾過し、それぞれ1000gの水を用いて2回洗滌する(一緒にした濾液は結晶を含まない反応溶液になる)。DDP−OOHの収率(含まれる約17重量%の水を除いたもの)は理論値の89%であった。
【0061】
実施例2
DDP−OOHの製造
前回のバッチ(実施例1)から得られた2600gの結晶を含まない反応溶液、448gのDDP、180gの酢酸および0.4gの硫酸を恒温槽で5℃にコントロールし、これを先ず底に出口をもつ6リットルの二重壁の容器に導入した。この容器には櫂形撹拌機、計量ポンプ、低温恒温槽および窒素導入用の連結部が備えられている。この混合物を400rpmで撹拌する。70%の過酸化水素100gを30分間に亙り計量して供給する。この反応は発熱反応であり自発性である。後反応時間は15分であった。次のバッチのために反応器の中に300gの粗反応生成物を残した。他の3000gはさらに精製を行うために供給した。
【0062】
実施例3
DDP−OOHの連続的製造
前回の粗バッチ(なおDDP−OOHの結晶を含んでいる濾過しない粗反応生成物)300g、448gのDDP、2070gの酢酸、330gの脱塩水、および4gの硫酸を恒温槽の中で5℃にコントロールし、これを先ず底に出口をもつ6リットルの二重壁の容器に供給した。この容器には櫂形撹拌機、2個の計量ポンプ、蠕動ポンプ、低温恒温槽および窒素導入用の連結部が備えられている。この混合物を400rpmで撹拌する。50%の過酸化水素140gを30分間に亙り計量して導入する。この反応は発熱反応であり自発性である。15分後、反応を連続的に継続し、2個の計量ポンプを用い一つのポンプでは70%の過酸化水素を計量し、他のポンプではそれと平行して結晶を含まない反応溶液、DDP、酢酸および硫酸を計量して反応容器に加えた。同時に蠕動ポンプを用いて底部の出口から反応溶液を取り出した。
【0063】
70%の過酸化水素は毎時200gの割合で計量して供給した。計量して供給した混合物は結晶を含まない反応溶液2300g、DDP 448g、酢酸180gおよび硫酸0.4gの割合で調製し、毎時5857gの割合で計量して供給した。反応溶液は、反応器の中の液面が実質的に一定になるような方法で、毎時約6057gの速度で取り出した。濾過しさらに精製するために粗製バッチを供給した。
【0064】
実施例4
DDP−OOHの濾過
水平遠心分離器を使用してDDP−OOHの結晶を母液から分離した。母液を約+5℃に冷却し、窒素で不活性雰囲気を与えた後、遠心分離工程を開始した。遠心分離器は2300rpmの遠心分離速度を得るように設定した。蠕動ポンプを使用して1〜1.5分の間に亙り15kgの反応溶液を圧入した。供給ラインには2kgの結晶を含まない反応溶液を流した。2300rpmでの遠心分離を5分間行った。13.9kgの結晶を含まない反応溶液が得られ、さらに使用するためにこれを恒温槽で1℃にコントロールした。遠心分離器の回転速度を600rpmに低下させた後、逆方向に抜き取って遠心分離器を空にした。DDP−OOHの湿った結晶3.1kgが得られた。
【0065】
約1℃において洗滌水6.9kgを用いて結晶をすり潰し、すり潰した物を15分間激しく撹拌した。脱塩水または前回の濾過バッチからの濾液(酢酸含量約3重量%)は洗滌水として用いることができる。
【0066】
水平遠心分離器は遠心分離の回転速度を2600rpmに設定した。蠕動ポンプを用いて1分間の間に10kgのDDP−OOHを計量して加えた。回転速度を変化させずにさらに1分間中間的な遠心分離を行った。6.1kgの廃水が得られたが、これは廃棄した。同じ回転速度において5.9kgの脱塩水を用い洗滌を行った。脱塩水は予め1℃に冷却されたもので、計量ポンプを用いて1分間に亙って圧入した。次にこの混合物を10分間2600rpmで遠心分離を行い、6.9kgの洗滌水を得た(これは次のバッチで再利用される)。遠心分離の終わりにおいて、遠心分離の回転速度を600rpmに低下させた。逆方向に抜き取って遠心分離器を空にした。水分含量が約20%の2.9kgのDDP−OHH(原文のまま)の結晶が得られた。これは2.30kgの量のDDP−OOHに相当する。従ってDDP−OOHの製造およびその分離の工程を含むDDPに対する収率は理論値の90%である。この生成物は酢酸および硫酸を実質的に含んでいなかった。
【0067】
実施例5
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの製造
予め水素で不活性雰囲気を与えられた6リットルの二重壁容器に、先ず800gのMIBK、100gのPEG400および3.6gの酢酸銅(II)一水和物の混合物を導入した。この容器には撹拌機、熱電対、蒸溜塔、塔頂部、真空ポンプおよび真空制御器が備えられている。この混合物を加熱し、30分間還流下沸騰させる(上部の温度約112℃、底部の温度約118℃)。注意して真空を550ミリバールに設定し、底部の温度が90℃、上部の温度が85℃になるようにした。
【0068】
DDP−OOH(実施例4から得られた湿った水分含量約20重量%のもの)2.9kgおよび59kgのMIBK(随時DDP−OOHの開裂工程から回収されたMIBKを含む)を熱電対で0℃にコントロールされた撹拌機付きの計量容器の中ですり潰す。この懸濁液を毎時約2リットルの割合で蠕動ポンプにより計量容器から6リットルの二重壁容器の中に導入した。計量して供給を開始する時においては、懸濁液が入った二重壁容器の中へ計量して供給を行う場合に比べ、幾分少量のMIBKが塔頂部から取り出された。水が分離されなくなるまで共沸蒸溜を継続した。このようにして計量して供給を行う操作の終りにおいて、8KgのMIBK(酸価2.0mgKOH/g)および約600gの水が蒸溜、除去された。MIBKは有利に再利用することができる。底部の温度を約90℃に保つために、計量して供給を行う間真空の圧力を約350ミリバールに低下させた。真空の圧力を低下させた時に塔頂部の温度は約70℃に下がった。
【0069】
蒸溜終了後、加熱を止め、容器に窒素ガスを装入する。5gのクエン酸を加えた後、この混合物を常圧下において撹拌しながら加熱し、もはや水が分離しなくなるまで蒸溜する。底部の温度は約120℃であり、塔頂部の温度は約115℃であった。注意しながら真空をかけて蒸溜を続けた。底部の温度が120℃で真空の圧力が約60ミリバールになった時蒸溜を中止し、容器に窒素ガスを装入する。得られた溜出物は約30gの水と1.6kgのMIBKから成っていた。50〜60℃においてこの粗製生成物を磁器製のの吸引濾斗を通して濾過し、100gのMIBKで2回洗滌した。濾液および2回の洗滌濾液を別々に集める。2250gの濾液および6.2gの乾燥したクエン酸銅、並びに約250gの洗滌濾液が得られた。濃縮して洗滌濾液からさらに50gの濾液を回収することができた。
【0070】
再び蒸溜を行った後、40gの初溜液、2080gの11(12)−ペンタデセン−15−オリドおよび主としてPEG400を含む150gの蒸溜残渣が得られた。このことは、DDPから出発したすべての工程に亙る11(12)−ペンタデセン−15−オリドの収率は理論値の87%に相当し、DDP−OOHから11(12)−ペンタデセン−15−オリドに至るまでの工程における収率は理論値の97%に相当する。
【0071】
実施例6
11(12)−ペンタデセン−15−オリドの連続的製造
この方法は計量して供給を行う最後まで、および8kgのMIBKおよび約600gの水を蒸溜、除去する共沸蒸留の所までは実施例5と同じである。
【0072】
この時点において、DDP−OOHの懸濁液を蠕動ポンプによってさらに計量して供給し、第2の計量ポンプを介して第2の計量混合物を導入し、反応溶液を第3の蠕動ポンプを用いて底部の出口から連続的に抜き出すように反応を継続した。DDP−OOHの懸濁液は、9kgのMIBKに対しDDP−OOH(実施例4から得られた湿った水分含量が20重量%のもの)2.9kgの割合で調製し、毎時1.7kgの速度で計量して供給した。第2の計量混合物は800gのMIBK、100gのPEG400および3.6gのCu(OAc)2一水和物から調製し、十分に撹拌した懸濁液として110℃に予熱して使用した。この第2の計量混合物は毎時130gの速度で計量して供給した。塔頂部を介して毎時1230gの水性MIBKを蒸溜、除去し、底部の出口から毎時600gの反応溶液を取り出した。
【0073】
実施例5と同様にして反応溶液の回収をさらに行い、収率に関して同じ結果を得た。
【0074】
本発明の主な特徴および態様は次の通りである。
【0075】
1.原料として1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を使用し、Cu(II)化合物および希釈剤の存在下、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、反応の間に水と希釈剤とを含む共沸混合物を蒸溜、除去する方法。
【0076】
2.Cu(II)化合物の量はDDP−OOHに関し0.02〜1.5モル%である上記第1項記載の方法。
【0077】
3.開裂に使用される希釈剤の全量に対するDDP−OOHの重量比は1:2〜1:7の範囲である上記第1または2項記載の方法。
【0078】
4.希釈剤の少なくとも一部を前回のバッチから回収する上記第1〜3項の少なくとも一つに記載された方法。
【0079】
5.反応は式
HX−[A]−YH
式中XおよびYは互いに独立にOまたはN−Rを表し、ここでRはHまたは炭素数1〜10の有機基であり、
Aは炭素数2〜100の有機基である、
の添加剤の存在下において行われる上記第1〜4項の少なくとも一つに記載された方法。
【0080】
6.反応温度は80〜100℃の範囲にある上記第1〜5項の少なくとも一つに記載された方法。
【0081】
7.添加剤はポリアルキレングリコールである上記第1〜6項の少なくとも一つに記載された方法。
【0082】
8.添加剤の量はDDP−OOHに関し0.5〜15重量%である上記第1〜7項の少なくとも一つに記載された方法。
【0083】
9.DDP−OOHの含水量は有利には5〜40重量%の範囲にある上記第1〜8項の少なくとも一つに記載された方法。
【0084】
10.該方法は50〜800ミリバールの範囲の圧力で行われる上記第1〜9項の少なくとも一つに記載された方法。
【0085】
11.原料として13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)および過酸化水素を使用し、酢酸および硫酸の存在下、1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を製造する方法において、反応をDDPに関し0.05〜5モル%のH2SO4の存在下行なう方法。
【0086】
12.H2SO4の量はDDPに関し0.1〜3モル%である上記第11項記載の方法。
【0087】
13.DDPに関し0.8〜1.25モル当量の過酸化水素を使用する上記第11または12項記載の方法。
【0088】
14.反応完結後、濾過および洗滌操作を行う上記第11〜13項の少なくとも一つに記載された方法。
【0089】
15.前回のバッチからの洗滌液の少なくとも一部を使用する上記第11〜14項の少なくとも一つに記載された方法。
【0090】
16.DDP−OOHの含水量は5〜40重量%の範囲にある上記第11〜15項の少なくとも一つに記載された方法。
【0091】
17.原料として13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)を使用し11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、第1工程では酢酸とDDPに関して0.05〜5モル%のH2SO4の存在下DDPと過酸化水素とを反応させ、第2工程ではCu(II)化合物および希釈剤の存在下DDP−OOHを反応させ、反応の間に水および希釈剤を含む共沸混合物を蒸溜、除去する方法。
Claims (3)
- 原料として1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を使用し、Cu(II)化合物および希釈剤の存在下、11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、反応の間に水と希釈剤とを含む共沸混合物を蒸溜、除去することを特徴とする方法。
- 原料として13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)および過酸化水素を使用し、酢酸および硫酸の存在下、1−ヒドロパーオキシ−16−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデカン(DDP−OOH)を製造する方法において、反応をDDPに関し0.05〜5モル%のH2SO4の存在下行なうことを特徴とする方法。
- 原料として13−オキサビシクロ[10.4.0]ヘキサデク−1(12)−エン(DDP)を使用し11(12)−ペンタデセン−15−オリドを製造する方法において、第1工程では酢酸とDDPに関して0.05〜5モル%のH2SO4の存在下DDPと過酸化水素とを反応させ、第2工程ではCu(II)化合物および希釈剤の存在下DDP−OOHを反応させ、反応の間に水および希釈剤を含む共沸混合物を蒸溜、除去することを特徴とする方法。
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