JP2004018449A - スルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池、食塩電解、イオン交換膜などに用いられる各種機能性高分子化合物の原料として有用な新規なスルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】一般式(I)で表されるスルホン酸基含有芳香族化合物。
(式中、R1はエーテル結合を有していてもよいアルキレン基を表し、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表し、nは1ないし2の整数を表し、R1−SO3Mで表わされる基の二つの芳香環における置換位置、置換数は同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】 なし
【解決手段】一般式(I)で表されるスルホン酸基含有芳香族化合物。
(式中、R1はエーテル結合を有していてもよいアルキレン基を表し、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表し、nは1ないし2の整数を表し、R1−SO3Mで表わされる基の二つの芳香環における置換位置、置換数は同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、食塩電解、イオン交換膜などに用いられる各種機能性高分子の原料として有用なスルホン酸基を有する芳香族炭化水素化合物に関する。特に、耐酸化性に優れた耐熱性高分子の原料として有用なスルホン酸基含有芳香族化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池、イオン交換や食塩電解等に用いられる固体高分子電解質膜の材料として、高いプロトン伝導性を有するパーフルオロスルホン酸樹脂が使用されている。パーフルオロスルホン酸樹脂は安定なC−F結合を有しているため、樹脂の熱的及び化学的安定性が高く、燃料電池、イオン交換や食塩電解といった耐熱性、耐腐食性が要求される電解質膜用途へ使用されている。
【0003】
代表的な固体高分子電解質膜として、ナフィオン(デュポン社)、アシプレックス(旭化成工業株式会社)、フレミオン(旭硝子株式会社)などのパーフルオロスルホン酸樹脂がよく知られている。
【0004】
しかし、フッ素系樹脂は製造が困難であり、非常に高価であるという欠点がある。このため、自動車や携帯電子機器など、低公害型動力源としての固体高分子型燃料電池の応用が困難であった。
【0005】
また、安価な固体高分子電解質膜として、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンやスルホン化ポリエーテルスルホン等の芳香族炭化水素系電解質膜が提案されている。
【0006】
しかし、これらは芳香環に直接スルホン酸基が導入されているため、高温下ではスルホン酸基が脱離してプロトン伝導性が低下するという問題があり、高温下でもスルホン酸基の脱離が起こらず、フッ素系電解質膜と同等のプロトン伝導度を有する芳香族炭化水素系樹脂及び該樹脂の原料モノマーの創出が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、燃料電池、イオン交換や食塩電解用の固体電解質膜などの機能性高分子の原料として有用な新規なスルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のような課題を解決するため鋭意検討を行った結果、スルホン酸基の代わりにスルホアルキル基を芳香環に導入することにより、芳香環からのスルホン酸基の脱離を抑制できる新規スルホン酸基含有芳香族化合物を見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、一般式(I)で表されることを特徴とするスルホン酸基含有芳香族化合物である。
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、R1はエーテル結合を有していてもよいアルキレン基を表し、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表し、nは1ないし2の整数を表し、R1−SO3Mで表わされる基の二つの芳香環における置換位置、置換数は同一でも異なっていてもよい。)
【0012】
また、本発明は、一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物と一般式(IV)で表されるアルデヒド類とアルカリ金属亜硫酸塩を、塩基触媒の存在下、反応させることを特徴とする前記一般式(I)で表されるスルホン酸基含有芳香族化合物の製造方法である。
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表す。)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、R2は水素原子またはアルキル基を表す。)
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法について具体的に説明する。
[スルホン酸基含有芳香族化合物]
本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物は、下記一般式(I)で表されることを特徴とする。
【0018】
【化8】
【0019】
(式中、R1はエーテル結合を有していてもよいアルキレン基を表し、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表し、nは1ないし2の整数を表し、R1−SO3Mで表わされる基の二つの芳香環における置換位置、置換数は同一でも異なっていてもよい。)
【0020】
R1のエーテル結合を有していてもよいアルキレン基としては、直鎖又は分岐状のものが挙げられ、炭素数1〜12のアルキレン基または炭素数2〜12のオキシアルキレン基であり、その代表例としては、
−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、
−(CH2)5−、−CH(CH3)−、−(CH2)2O−、−(CH2)3O−、− CH2CH(CH3)O−、− CH(CH3)CH2O−、
−CH2CH2OCH2CH2O−、−(CH2CH2O)2CH2CH2O−、
−(CH2CH2O)3CH2CH2O−、
−CH2CH(CH3)OCH2CH(CH3)O−、
−(CH2CH(CH3)O)2CH2CH(CH3)O−、
−(CH2CH(CH3)O)3CH2CH(CH3)O−が挙げられる。
【0021】
オキシアルキレン基の場合は、オキシアルキレン基中の炭素原子が芳香環と結合し、酸素原子がスルホン酸基の硫黄原子と結合する。
R1としては、−CH2−が好ましい。
Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、この中では水酸基が好ましい。
【0022】
Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表す。
【0023】
Bのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が挙げられ、その代表例としては、−CH2−、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、
−CH(CH(CH3)2)−、−CH((CH2)2CH3)−、
−CH((CH2)3CH3)−、−CH((CH2)4CH3)−、
−CH((CH2)5CH3)−、−CH((CH2)6CH3)−、
−CH((CH2)7CH3)−、−CH((CH2)8CH3)−、
−C(CH3)2−、−C(CH2CH3)2−、−C(CF3)2−、
−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)((CH2)2CH3)−、
−C(CH3)(CH(CH3)2)−、−C(CH3)((CH2)3CH3)−、
−C(CH3)((CH2)4CH3)−、−C(CH3)((CH2)5CH3)−、
−C(CH3)((CH2)6CH3)−、−C(CH3)((CH2)7CH3)−、
−C(CH3)((CH2)8CH3)−、などが挙げられる。
この中では、単結合、−C(CH3)2−が好ましい。
【0024】
Mは水素原子またはアルカリ金属を表す。アルカリ金属の中では、特にナトリウムが好ましい。また、Mとしては、アルカリ土類金属であってもよく、この場合のアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。Mがアルカリ土類金属である場合には、アルカリ土類金属とスルホン酸基のモル比は、1対2であるスルホン酸基含有芳香族化合物が好ましい。
【0025】
本発明における一般式(I)で示されるスルホン酸基含有芳香族化合物の具体例として、下記の化合物(a)〜(g)を挙げることができる。
【0026】
【化9】
【0027】
[スルホン酸基含有芳香族化合物の製造方法]
本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物は、以下に述べる方法によって製造することができる。
一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物と一般式(IV)で表されるアルデヒド及びアルカリ金属亜硫酸塩を塩基触媒の存在下に反応させて、目的のスルホン酸基含有芳香族化合物を製造する。その反応式は、以下のとおりである。
【0028】
【化10】
【0029】
一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物の代表例としては、例えば、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−メチレンビスフェノール、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−スルホニルジフェノールなどが挙げられる。
これらの中では、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0030】
一般式(IV)で表されるアルデヒドの代表例としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどが挙げられる。これらの中では、ホルムアルデヒドが好ましい。
【0031】
アルカリ金属亜硫酸塩としては例えば、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ルビジウム、亜硫酸セシウム等があげられ、これらの中では、亜硫酸ナトリウムが好ましい。アルカリ金属亜硫酸塩は無水物であってもよいし、水和物であってもよい。
【0032】
本発明の方法において、一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物、一般式(IV)で表されるアルデヒド、アルカリ金属亜硫酸塩の使用量の割合は、一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物を1として、それぞれ1:4:4ないし1:12:12のモル比の範囲になるよう設定される。
【0033】
ここで、アルデヒド(IV)及びアルカリ金属亜硫酸塩の使用量は、芳香族炭化水素化合物(III)に対して、前記範囲内になるように、それぞれ独立に設定することができる。
【0034】
反応温度は0〜200℃、好ましくは90〜120℃であり、反応圧力は常圧〜10気圧、好ましくは常圧である。
反応時間は、3 〜30時間、好ましくは8〜20時間である。
【0035】
反応溶媒としては、反応基質や反応試剤、または生成物と反応しない溶媒であれば特に制限は無いが、水、ハロゲン化炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系、ニトリル系、ケトン系、エステル系などの溶媒から、原料の溶解度や反応条件に応じて適宜選択して用いることができ、例えば、水、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどを例示することができる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いられる。
この中では、水が好ましい。
【0036】
溶媒の使用量は特に制限はないが、容積効率の観点から芳香族炭化水素化合物に対し、50質量倍以下が好ましい。
【0037】
本反応に用いる塩基触媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定はないが、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水素化物、炭酸塩、炭酸水素塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、炭酸塩、炭酸水素塩;リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属そのもの;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、t−ブトキシカリウム等のアルカリ金属アルコキシラート;酢酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム等のアルカリ金属弱酸塩;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基;アンバーリスト−21(登録商標)、アンバーリスト−93(登録商標)等の弱塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる。
【0038】
これらの塩基は単独で用いても2種類以上を混合して用いても良い。これらの中では炭酸ナトリウムが特に好ましい。
塩基触媒の使用量は、芳香族炭化水素化合物に対して、通常0.1〜20モル倍であり、好ましくは0.3〜1.0モル倍の範囲である。
【0039】
また、塩基触媒がイオン交換樹脂である場合の使用量は、芳香族炭化水素化合物に対して、通常0.01〜20質量倍であり、好ましくは0.03〜1.0質量倍の範囲である。
【0040】
本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物は、スルホン酸基と芳香環の間に連結基を有しているので、高温下でのスルホン酸基の脱離が抑えられ、高耐熱性、高プロトン伝導性電解質膜として有用な芳香族系高分子化合物の原料として用いることができる。
特に、燃料電池、イオン交換や食塩電解用の固体高分子電解質膜として有用である。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって何ら限定されるものではない。
【0042】
(分析方法)
プロトン−NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置GSX270(日本電子(株)製)を用いて、溶媒D2O、分解能270MHzの条件で測定した。
【0043】
質量分析は質量測定装置SX−102A(日本電子(株)製)を用いて、FAB−MS(nega.)測定した。
【0044】
(実施例1)3,3’,5,5’−テトラキス(スルホメチル)‐4,4’−ヒ゛フェノールのナトリウム塩の合成
シ゛ムロート冷却管、100ml滴下ロートを備えた500ml3つ口フラスコに4,4’−ヒ゛フェノール(10g、0.05モル)、亜硫酸ナトリウム(32.0g、0.25モル)、炭酸ナトリウム(3.2g、0.03モル)、水200mlを加え、37%ホルムアルテ゛ヒト゛水溶液(11.2g、32.3ml、0.4モル)を加熱還流下、15分で滴下した。その後、加熱還流下18時間反応を行った。室温まで冷却後、10%塩酸を溶液がpH7になるまで加えた。析出した固体をろ別し、固体を水、エタノールを用いて洗浄した。3,3’,5,5’−テトラキス(スルホメチル)‐4,4’−ヒ゛フェノールのナトリウム塩を26.0g(収率74.4%)で得た。
分析結果:
1H−NMR(D2O):δ(ppm)7.53(s、1H)、4.29(s、2H)
FAB−MS(nega.) m/z:649
【0045】
(実施例2)2,2−ヒ゛ス(3,5−ヒ゛ス(スルホメチル)‐4−ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ンのナトリウム塩の合成シ゛ムロート冷却管、100ml滴下ロートを備えた500ml3つ口フラスコに2,2−ヒ゛ス(4−ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ン(10g、0.04モル)、亜硫酸ナトリウム(48.3g、0.35モル)、炭酸ナトリウム(2.8g、0.03モル)、水200mlを加え、37%ホルムアルテ゛ヒト゛水溶液(10.5g、28.4ml、0.35モル)を加熱還流下、15分で滴下した。その後、加熱還流下12時間反応を行った。室温まで冷却後、10%塩酸を溶液がpH7になるまで加えた。析出した固体をろ別し、固体を水、エタノールを用いて洗浄した。2,2−ヒ゛ス(3,5−ヒ゛ス(スルホメチル)‐4−ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ンのナトリウム塩を15.1g(収率54.6%)で得た。
分析結果:
1H−NMR(D2O):δ(ppm)7.10(s、2H)、4.09(s、4H)、1.52(s、3H)
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、固体電解質膜等の原料として有用な新規な構造のスルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法を提供することができる。この化合物は芳香族炭化水素化合物と極性基であるスルホン酸基の間に連結基を有し、用途や性能によって種々選択することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、食塩電解、イオン交換膜などに用いられる各種機能性高分子の原料として有用なスルホン酸基を有する芳香族炭化水素化合物に関する。特に、耐酸化性に優れた耐熱性高分子の原料として有用なスルホン酸基含有芳香族化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池、イオン交換や食塩電解等に用いられる固体高分子電解質膜の材料として、高いプロトン伝導性を有するパーフルオロスルホン酸樹脂が使用されている。パーフルオロスルホン酸樹脂は安定なC−F結合を有しているため、樹脂の熱的及び化学的安定性が高く、燃料電池、イオン交換や食塩電解といった耐熱性、耐腐食性が要求される電解質膜用途へ使用されている。
【0003】
代表的な固体高分子電解質膜として、ナフィオン(デュポン社)、アシプレックス(旭化成工業株式会社)、フレミオン(旭硝子株式会社)などのパーフルオロスルホン酸樹脂がよく知られている。
【0004】
しかし、フッ素系樹脂は製造が困難であり、非常に高価であるという欠点がある。このため、自動車や携帯電子機器など、低公害型動力源としての固体高分子型燃料電池の応用が困難であった。
【0005】
また、安価な固体高分子電解質膜として、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンやスルホン化ポリエーテルスルホン等の芳香族炭化水素系電解質膜が提案されている。
【0006】
しかし、これらは芳香環に直接スルホン酸基が導入されているため、高温下ではスルホン酸基が脱離してプロトン伝導性が低下するという問題があり、高温下でもスルホン酸基の脱離が起こらず、フッ素系電解質膜と同等のプロトン伝導度を有する芳香族炭化水素系樹脂及び該樹脂の原料モノマーの創出が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、燃料電池、イオン交換や食塩電解用の固体電解質膜などの機能性高分子の原料として有用な新規なスルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のような課題を解決するため鋭意検討を行った結果、スルホン酸基の代わりにスルホアルキル基を芳香環に導入することにより、芳香環からのスルホン酸基の脱離を抑制できる新規スルホン酸基含有芳香族化合物を見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、一般式(I)で表されることを特徴とするスルホン酸基含有芳香族化合物である。
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、R1はエーテル結合を有していてもよいアルキレン基を表し、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表し、nは1ないし2の整数を表し、R1−SO3Mで表わされる基の二つの芳香環における置換位置、置換数は同一でも異なっていてもよい。)
【0012】
また、本発明は、一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物と一般式(IV)で表されるアルデヒド類とアルカリ金属亜硫酸塩を、塩基触媒の存在下、反応させることを特徴とする前記一般式(I)で表されるスルホン酸基含有芳香族化合物の製造方法である。
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表す。)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、R2は水素原子またはアルキル基を表す。)
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法について具体的に説明する。
[スルホン酸基含有芳香族化合物]
本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物は、下記一般式(I)で表されることを特徴とする。
【0018】
【化8】
【0019】
(式中、R1はエーテル結合を有していてもよいアルキレン基を表し、Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表し、nは1ないし2の整数を表し、R1−SO3Mで表わされる基の二つの芳香環における置換位置、置換数は同一でも異なっていてもよい。)
【0020】
R1のエーテル結合を有していてもよいアルキレン基としては、直鎖又は分岐状のものが挙げられ、炭素数1〜12のアルキレン基または炭素数2〜12のオキシアルキレン基であり、その代表例としては、
−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、
−(CH2)5−、−CH(CH3)−、−(CH2)2O−、−(CH2)3O−、− CH2CH(CH3)O−、− CH(CH3)CH2O−、
−CH2CH2OCH2CH2O−、−(CH2CH2O)2CH2CH2O−、
−(CH2CH2O)3CH2CH2O−、
−CH2CH(CH3)OCH2CH(CH3)O−、
−(CH2CH(CH3)O)2CH2CH(CH3)O−、
−(CH2CH(CH3)O)3CH2CH(CH3)O−が挙げられる。
【0021】
オキシアルキレン基の場合は、オキシアルキレン基中の炭素原子が芳香環と結合し、酸素原子がスルホン酸基の硫黄原子と結合する。
R1としては、−CH2−が好ましい。
Aは水酸基またはハロゲン原子を表し、この中では水酸基が好ましい。
【0022】
Bは単結合、アルキレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホン基から選ばれる基を表す。
【0023】
Bのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が挙げられ、その代表例としては、−CH2−、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、
−CH(CH(CH3)2)−、−CH((CH2)2CH3)−、
−CH((CH2)3CH3)−、−CH((CH2)4CH3)−、
−CH((CH2)5CH3)−、−CH((CH2)6CH3)−、
−CH((CH2)7CH3)−、−CH((CH2)8CH3)−、
−C(CH3)2−、−C(CH2CH3)2−、−C(CF3)2−、
−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)((CH2)2CH3)−、
−C(CH3)(CH(CH3)2)−、−C(CH3)((CH2)3CH3)−、
−C(CH3)((CH2)4CH3)−、−C(CH3)((CH2)5CH3)−、
−C(CH3)((CH2)6CH3)−、−C(CH3)((CH2)7CH3)−、
−C(CH3)((CH2)8CH3)−、などが挙げられる。
この中では、単結合、−C(CH3)2−が好ましい。
【0024】
Mは水素原子またはアルカリ金属を表す。アルカリ金属の中では、特にナトリウムが好ましい。また、Mとしては、アルカリ土類金属であってもよく、この場合のアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。Mがアルカリ土類金属である場合には、アルカリ土類金属とスルホン酸基のモル比は、1対2であるスルホン酸基含有芳香族化合物が好ましい。
【0025】
本発明における一般式(I)で示されるスルホン酸基含有芳香族化合物の具体例として、下記の化合物(a)〜(g)を挙げることができる。
【0026】
【化9】
【0027】
[スルホン酸基含有芳香族化合物の製造方法]
本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物は、以下に述べる方法によって製造することができる。
一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物と一般式(IV)で表されるアルデヒド及びアルカリ金属亜硫酸塩を塩基触媒の存在下に反応させて、目的のスルホン酸基含有芳香族化合物を製造する。その反応式は、以下のとおりである。
【0028】
【化10】
【0029】
一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物の代表例としては、例えば、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−メチレンビスフェノール、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−スルホニルジフェノールなどが挙げられる。
これらの中では、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0030】
一般式(IV)で表されるアルデヒドの代表例としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどが挙げられる。これらの中では、ホルムアルデヒドが好ましい。
【0031】
アルカリ金属亜硫酸塩としては例えば、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ルビジウム、亜硫酸セシウム等があげられ、これらの中では、亜硫酸ナトリウムが好ましい。アルカリ金属亜硫酸塩は無水物であってもよいし、水和物であってもよい。
【0032】
本発明の方法において、一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物、一般式(IV)で表されるアルデヒド、アルカリ金属亜硫酸塩の使用量の割合は、一般式(III)で表される芳香族炭化水素化合物を1として、それぞれ1:4:4ないし1:12:12のモル比の範囲になるよう設定される。
【0033】
ここで、アルデヒド(IV)及びアルカリ金属亜硫酸塩の使用量は、芳香族炭化水素化合物(III)に対して、前記範囲内になるように、それぞれ独立に設定することができる。
【0034】
反応温度は0〜200℃、好ましくは90〜120℃であり、反応圧力は常圧〜10気圧、好ましくは常圧である。
反応時間は、3 〜30時間、好ましくは8〜20時間である。
【0035】
反応溶媒としては、反応基質や反応試剤、または生成物と反応しない溶媒であれば特に制限は無いが、水、ハロゲン化炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系、ニトリル系、ケトン系、エステル系などの溶媒から、原料の溶解度や反応条件に応じて適宜選択して用いることができ、例えば、水、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどを例示することができる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いられる。
この中では、水が好ましい。
【0036】
溶媒の使用量は特に制限はないが、容積効率の観点から芳香族炭化水素化合物に対し、50質量倍以下が好ましい。
【0037】
本反応に用いる塩基触媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定はないが、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水素化物、炭酸塩、炭酸水素塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、炭酸塩、炭酸水素塩;リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属そのもの;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、t−ブトキシカリウム等のアルカリ金属アルコキシラート;酢酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム等のアルカリ金属弱酸塩;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基;アンバーリスト−21(登録商標)、アンバーリスト−93(登録商標)等の弱塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる。
【0038】
これらの塩基は単独で用いても2種類以上を混合して用いても良い。これらの中では炭酸ナトリウムが特に好ましい。
塩基触媒の使用量は、芳香族炭化水素化合物に対して、通常0.1〜20モル倍であり、好ましくは0.3〜1.0モル倍の範囲である。
【0039】
また、塩基触媒がイオン交換樹脂である場合の使用量は、芳香族炭化水素化合物に対して、通常0.01〜20質量倍であり、好ましくは0.03〜1.0質量倍の範囲である。
【0040】
本発明のスルホン酸基含有芳香族化合物は、スルホン酸基と芳香環の間に連結基を有しているので、高温下でのスルホン酸基の脱離が抑えられ、高耐熱性、高プロトン伝導性電解質膜として有用な芳香族系高分子化合物の原料として用いることができる。
特に、燃料電池、イオン交換や食塩電解用の固体高分子電解質膜として有用である。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって何ら限定されるものではない。
【0042】
(分析方法)
プロトン−NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置GSX270(日本電子(株)製)を用いて、溶媒D2O、分解能270MHzの条件で測定した。
【0043】
質量分析は質量測定装置SX−102A(日本電子(株)製)を用いて、FAB−MS(nega.)測定した。
【0044】
(実施例1)3,3’,5,5’−テトラキス(スルホメチル)‐4,4’−ヒ゛フェノールのナトリウム塩の合成
シ゛ムロート冷却管、100ml滴下ロートを備えた500ml3つ口フラスコに4,4’−ヒ゛フェノール(10g、0.05モル)、亜硫酸ナトリウム(32.0g、0.25モル)、炭酸ナトリウム(3.2g、0.03モル)、水200mlを加え、37%ホルムアルテ゛ヒト゛水溶液(11.2g、32.3ml、0.4モル)を加熱還流下、15分で滴下した。その後、加熱還流下18時間反応を行った。室温まで冷却後、10%塩酸を溶液がpH7になるまで加えた。析出した固体をろ別し、固体を水、エタノールを用いて洗浄した。3,3’,5,5’−テトラキス(スルホメチル)‐4,4’−ヒ゛フェノールのナトリウム塩を26.0g(収率74.4%)で得た。
分析結果:
1H−NMR(D2O):δ(ppm)7.53(s、1H)、4.29(s、2H)
FAB−MS(nega.) m/z:649
【0045】
(実施例2)2,2−ヒ゛ス(3,5−ヒ゛ス(スルホメチル)‐4−ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ンのナトリウム塩の合成シ゛ムロート冷却管、100ml滴下ロートを備えた500ml3つ口フラスコに2,2−ヒ゛ス(4−ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ン(10g、0.04モル)、亜硫酸ナトリウム(48.3g、0.35モル)、炭酸ナトリウム(2.8g、0.03モル)、水200mlを加え、37%ホルムアルテ゛ヒト゛水溶液(10.5g、28.4ml、0.35モル)を加熱還流下、15分で滴下した。その後、加熱還流下12時間反応を行った。室温まで冷却後、10%塩酸を溶液がpH7になるまで加えた。析出した固体をろ別し、固体を水、エタノールを用いて洗浄した。2,2−ヒ゛ス(3,5−ヒ゛ス(スルホメチル)‐4−ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ンのナトリウム塩を15.1g(収率54.6%)で得た。
分析結果:
1H−NMR(D2O):δ(ppm)7.10(s、2H)、4.09(s、4H)、1.52(s、3H)
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、固体電解質膜等の原料として有用な新規な構造のスルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法を提供することができる。この化合物は芳香族炭化水素化合物と極性基であるスルホン酸基の間に連結基を有し、用途や性能によって種々選択することができる。
Claims (5)
- 一般式(I)中、Aで表される基が水酸基である請求項1記載の化合物。
- 一般式(I)中、R1がメチレン基である請求項1または2記載のスルホン酸基含有芳香族化合物。
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JP2002174779A JP2004018449A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | スルホン酸基含有芳香族化合物及びその製造方法 |
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Cited By (3)
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CN105646296A (zh) * | 2014-12-01 | 2016-06-08 | 东丽先端材料研究开发(中国)有限公司 | 一种含磺酸基的二酚化合物及其制备方法 |
JP2016138080A (ja) * | 2015-01-29 | 2016-08-04 | Tdk株式会社 | イオン導電性固体電解質 |
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- 2002-06-14 JP JP2002174779A patent/JP2004018449A/ja active Pending
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