JP2004016119A - ダイオキシン類排泄促進用組成物 - Google Patents

ダイオキシン類排泄促進用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ダイオキシン類を効率よく体外に排泄することのできる組成物を提供する。
【解決手段】(1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種、を配合してダイオキシン類排泄促進用組成物を調製する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内に取り込まれたダイオキシン類を効率よく体外に排泄する効果に優れた組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境汚染の進行に伴って、ダイオキシン類による人体への影響がクローズアップされている。ダイオキシン類は、悪性腫瘍の原因となったり、ホルモンや生殖機能に悪影響を与えて胎児の催奇形の原因となること等が指摘されている。また、かかるダイオキシン類は、一旦体内に取り込まれると排泄されにくく徐々に体内に蓄積されていく。また、ダイオキシン類は、母体を介して胎児及び乳児に移行するために、本人のみならずその子孫、すなわち人類に及ぼす悪影響は計り知れないものがある。
【0003】
このため、ダイオキシン類の人体への負荷及び子孫への影響を低減する対策として、従来より体内に取り込まれたダイオキシン類を効率よく排泄する方法の開発又はダイオキシン類の排泄促進作用を有する物質の探索が進められている。このような状況のもと、これまでにセルロース、キチン、ペクチン、ローカストビーンガム及びグァーガムなどの食物繊維(O.Aozasa, et al., Chemosphere 45 (2001) 195−200)、Cu−クロロフェリン結合型キトサン等のクロロフェリン結合型食物繊維(環境化学討論会10th、(2001))、マンネンタケの子実体傘部の抽出物(特開2000−139407号公報)等に、ダイオキシン類排泄促進作用があることが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものである。具体的には本発明は体内に取り込まれたダイオキシン類を効率よく体外に排泄する能力に優れた食品素材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者らは、上記課題の解決を目指して日夜研究を進めていたところ、キチンまたはキトサンに、特定の水溶性植物多糖を組み合わせて用いることによって、キチンまたはキトサンが有するダイオキシン類排泄能を格段に向上させることができ、効率よくダイオキシン類を体外に排泄することができることを見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0006】
すなわち本発明は下記1.〜4.に掲げるダイオキシン類排泄促進用組成物である:
1.(1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種、を含有することを特徴とするダイオキシン類排泄促進用組成物。
2.ダイオキシン類排泄促進用組成物に含まれる(1)キチンまたはキトサンの総量100重量部に対して、(2)グァーガム、ローカストビーンガムまたはタラガムをこれらの総量として0.1〜10,000重量部の割合で含有する1に記載のダイオキシン類排泄促進用組成物。
3.経口組成物である1または2に記載のダイオキシン類排泄促進用組成物。
4.菓子、飲料、及びサプリメントよりなる群から選択される食品の形態を有するものである1乃至3のいずれかに記載のダイオキシン類排泄促進用組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物は、(1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種、を含有することを特徴とするものである。
【0008】
ここで(1)の成分として用いられるキチンは、カニや海老などの甲殻類の甲殻を酸処理することによって得られるN−アセチルグルコサミンのポリマーを成分とする不溶性食物繊維であり、従来よりダイオキシン類排泄促進作用があることが知られている(Chemosphere 45 (2001) 195−200)。またキトサンは上記キチンをアルカリ処理して得られるポリグルコサミンを成分とする不溶性食物繊維であり、これについてもダイオキシン類排泄促進作用が報告されている(環境化学討論会10th、(2001))。これらキチン及びキトサンは常法に従って甲殻類の甲殻から調製することもできるが、簡便には商業的に入手できるものを使用することができる。これらは、1種単独で用いても良いし、また2種を組み合わせて用いることもできる。好ましくはキトサンである。
【0009】
本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物中に含まれる上記キチンまたはキトサンの割合は、本発明の効果を奏することを限度として特に制限されないが、通常ダイオキシン類排泄促進用組成物100重量%中、総量として0.1重量%以上含まれていることが好ましい。より好ましくは0.2〜80重量%であり、さらに好ましくは0.2〜50重量%である。
【0010】
また、上記キチンまたはキトサンと組み合わせて用いられる(2)の成分、すなわちグァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムはいずれも植物種子に由来する水溶性多糖(種子多糖)である。主鎖と側鎖との配合比は異なるものの、これらはいずれもβ−1,4マンノースからなる主鎖に、側鎖としてガラクトースがα−1,6結合したガラクトマンナンを主成分とする多糖である。グァーガムはマメ科のグア樹(Cyamaposis tetragonobobus)の種子の胚乳から抽出して調製されるが(約78〜82%ガラクトマンナンを含む)、さらにこれを酵素(例えばヘミセルラーゼ等)で分解処理したものもグァーガムとして用いることができる。
ローカストビーンガムはキャロブ樹(Ceratonia siliqua)の種子の胚乳から抽出して調製され(約88%ガラクトマンナンを含む)、またタラガムはマタタビ科タラ(Actinidia callosa L.)の種子の胚乳から抽出して調製される種子多糖である。これらは上記のようにして各植物の種子から常法に従って調製することもできるが、簡便には商業的に入手できるものを使用することができる。なお、これらのうち、グァーガム及びローカストビーンガムは、従来よりダイオキシン類排泄促進作用があることが知られている(Chemosphere 45 (2001) 195−200)。
【0011】
これらの(2)の成分は、1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせた態様で、前述するキチンまたはキトサンのいずれか少なくとも1方と組み合わせて用いることができる。上記3種の種子多糖のうち、好ましくはグァーガムである。かかるグァーガムは、上記のキチンまたはキトサンのいずれかと組み合わせて用いてもよいし、キチン及びキトサンの両者と組み合わせて用いてもよい。好ましくはグァーガムとキトサンとの組み合わせ、グァーガムとキトサンとキチンとの組み合わせである。
【0012】
本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物中に含まれる上記グァーガム、ローカストビーンガムまたはタラガムの割合は、本発明の効果を奏することを限度として特に制限されないが、通常ダイオキシン類排泄促進用組成物に含まれる上記(1)の成分(キチンまたはキトサンの総量)100重量部に対する割合(グァーガム、ローカストビーンガムまたはタラガムの総量)として、0.1〜10,000重量部、好ましくは1〜10,000重量部、より好ましくは10〜5,000重量部、さらに好ましくは50〜1,000重量部、さらにより好ましくは50〜500重量部、特に好ましくは100〜500重量部を挙げることができる。
【0013】
前述する(1)の成分に上記(2)の成分を組み合わせて用いることにより、特に上記の配合割合で組み合わせて用いることにより、(1)の成分及び(2)の成分が各々有するダイオキシン類の体外排泄作用を相乗的に向上させることができる。本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物は、その粘度を特に制限するものではないが、好ましくは1〜3,000mPa・s、より好ましくは10〜1000mPa・s、さらに好ましくは50〜500mPa・sの範囲を例示することができる(採用測定条件:ブルックフィールド型粘度計、30rpm、20±0.5℃)。
【0014】
なお、ダイオキシン類とは、ポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)とポリクロロジベンゾフラン(PCDFs)及び同様な毒性を示すコプラナーPCBsで表される化合物の総称である(平成11年7月16日公布のダイオキシン類対策特別措置法)。PCDDsには、2,3,7,8−位塩素置換異性体が含まれる。かかる異性体としては例えば2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(2,3,7,8−TeCDD)、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(1,2,3,7,8−PeCDD)、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(1,2,3,4,7,8−HxCDD)、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(1,2,3,7,8,9−HxCDD)、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(1,2,3,4,6,7,8−HpCDD)、オクタクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(OCDD)を挙げることができる。PCDFsにも、2,3,7,8−位塩素置換異性体が含まれる。かかる異性体としては例えば2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラン(2,3,7,8−TeCDF)、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン(1,2,3,7,8−PeCDF)、2,3,4,7,8−PeCDF、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン(1,2,3,4,7,8−HxCDF)、1,2,3,6,7,8−HxCDF、1,2,3,7,8,9−HxCDF、2,3,4,6,7,8−HxCDF、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジベンゾフラン(1,2,3,4,6,7,8−HpCDF)、1,2,3,4,7,8,9−HpCDF、オクタクロロジベンゾフラン(OCDF)を挙げることができる。
【0015】
コプラナーPCBsとは、ポリクロロビフェニルで表される化合物であって、化学構造上2,2’,6及び6’で表記されるオルト位の塩基置換数が1以下である化合物である。これらの化合物には、3,3’,4,4’−テトラクロロビフェニル(3,3’,4,4’−TeCB)、3,4,4’,5−TeCB、3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニル(3,3’,4,4’,5−PeCB)、3,3’,4,4’,5,5’−ヘキサクロロビフェニル(3,3’,4,4’,5,5’−HxCB)などのノンオルトコプラナーPCBs;2,3,3’,4,4’−PeCB、2,3,4,4,5’−PeCB、2,3’,4,4’,5−PeCB、2’,3,4,4’,5−PeCB、2,3,3’,4,4’,5−HxCB、2,3,3’,4,4’,5’−HxCB、2,3’,4,4’,5,5’−HxCB、2,3,3’,4,4’,5,5’−ヘプタクロロビフェニル(2,3,3’,4,4’,5,5’−HpCB)などのモノオルトコプラナーPCBs等が含まれる。
【0016】
なお、本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物は、上記ダイオキシン類に属する全ての化合物に対して排泄促進作用を有する必要はなく、ダイオキシン類に属する化合物の少なくとも1種に対して排泄促進作用を有するものであればよい。
【0017】
本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物は、上記の(1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種と、(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種とからなるものであってもよいし、かかる成分の他に、食品衛生上許容される可食性の成分または薬学的に許容される経口可能な成分を配合してもよく、これらは経口組成物として調製することができる。かかる経口組成物には食品、経口用の医薬品及び医薬部外品が含まれる。好ましくは食品である。なお、当該食品には、ダイオキシン類排泄促進作用を有する機能性食品または特定保健用食品等が含まれる。
【0018】
ここで、ダイオキシン類排泄促進用組成物が有する医薬品形態または医薬部外品形態としては、経口用途に使用されるものであれば特に制限されず、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル、硬カプセル)、散剤、顆粒剤、ゼリー、シロップ、ドライシロップ等の形態を例示することができる。
【0019】
また本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物が有する食品形態としては、特に制限されないが、例えば乳飲料、乳酸菌飲料、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果汁飲料、ゼリー飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶、ブレンド茶、粉末飲料、スポーツ飲料、サプリメント飲料等の飲料形態;カスタードプリン、スフレプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓、アイスキャンディー等の冷菓類;ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ハードキャンディー(タフィー等を含む)等のキャンディー類;ハードビスケット、クッキー、クラッカー、おかき、煎餅、シリアルバー、ヌガーバー等のバー状菓子類、エクストルーダーを用いた膨化スナック類等の菓子形態;食パン、惣菜パン等のパン形態;シリアル類;コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ(汁)形態;かまぼこ、ソーセージ等の練り製品類;レトルトカレー等のレトルト食品形態;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺形態;スパゲティ、マカロニ等のパスタ類;丸剤、錠剤、ゼリー剤またはカプセル剤などの形態を有するサプリメント食品(補助食品);単純流動食や高栄養の濃厚流動食などの経口流動食、その他、各種の加工食品を挙げることができる。好ましくは飲料形態、菓子形態、サプリメント食品である。
【0020】
なお、飲料形態、菓子形態並びにサプリメント食品等の各種の食品形態を有する本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物は、前述する(1)の成分及び(2)の成分を、好ましくは前述する割合で配合する以外は、調製する各食品の慣用の処方及び製造方法に従って製造することができる。
【0021】
なお、本発明には下記の態様が包含される。
a. (1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種と、(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせて用いることを特徴とする、キチンまたはキトサンのダイオキシン類排泄促進作用の増強方法。
b. キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種と、(2)グァーガム及びローカストビーンガムよりなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせて用いることを特徴とする、キチンまたはキトサンのダイオキシン類排泄促進作用及びグァーガムまたはローカストビーンガムのダイオキシン類排泄促進作用の相互増強方法。
c. (1)キチンまたはキトサンの総量100重量部に対して、(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種をこれらの総量として0.1〜10,000重量部の割合で組み合わせて用いる方法である、aに記載のダイオキシン類排泄促進作用の増強方法。
d. (1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種の総量100重量部に対して、(2)グァーガム及びローカストビーンガムよりなる群から選択される少なくとも1種の総量0.1〜10,000重量部の割合で組み合わせて用いる方法である、bに記載のダイオキシン類排泄促進作用の相互増強方法。
e. ダイオキシン類排泄促進作用を相乗的に増強する方法であるa乃至dのいずれかに記載のダイオキシン類排泄促進作用の増強方法。
【0022】
【実施例】
以下に実験例及び実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実験例等に何ら限定されるものではない。なお、以下の実験例等において、特に断らない限り、配合割合に関して「%」とは重量%を、「部」とは重量部を意味するものである。
【0023】
実験例1
本発明の組成物のダイオキシン類排泄促進作用を評価するために、ラットを被験動物として用いて下記の実験を行った。
【0024】
1.被験動物及び飼育条件
被験動物として、Jcl:SDラット(雄、5週齢、120〜132g)(日本クレア(株))を15匹(5群×3匹)を用いた。当該被験動物は、試験期間中、個別に22W×29W×21H(cm)のステンレス製ワイヤーケージに収容して、温度22〜24℃、湿度51〜60%及び照明12時間(7−19時)/日の条件で、飼育した。飼料は試験開始(混餌投与開始)までAIN93G配合飼料(粉末、オリエンタル酵母(株))を与え、水は上水道水を自由摂取させた。
【0025】
2.ダイオキシン類及びその投与液の調製
(1)ダイオキシン類として下記のものを用いた。
▲1▼ 2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン(2,3,4,7,8−PeCDF)(Wellington社製)
▲2▼ 1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ジオキシン(1,2,3,7,8−PeCDD)(Wellington社製)
▲3▼ 3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニル(3,3’,4,4’,5−PeCB)(CIL社製)。
【0026】
(2)投与液の調製
Tween 80 5gに、生理食塩水25mLを加えて泡立たないように溶解した。当該溶解液と95容量%エタノール水溶液0.5mLを50mL容量のメスフラスコに入れ、これに上記で調製した1,2,3,7,8−PeCDD、2,3,4,7,8−PeCDF及び3,3’,4,4’,5−PeCB をそれぞれ2μg添加し、混和し、生理食塩水で50mLにメスアップした(ダイオキシン類混合液)。当該ダイオキシン類混合液には、1,2,3,7,8−PeCDD、2,3,4,7,8−PeCDF及び3,3’,4,4’,5−PeCBが、それぞれ40.0ng/mlの割合で含まれている。
【0027】
3.対照食餌及び被験食餌
対照食餌の処方を下記に示す。
【0028】
カゼイン                 20.0(%)
L−レシチン                0.3
α化コーンスターチ              13.2
シュークロース             10.0
大豆油                       7.0
セルロースパウダー               5.0
AIN93Gミネラル混合              3.5
AIN93Gビタミン混合+重酒石酸コリン   1.25
第三ブチルヒドロキノン         0.0014
 コーンスターチ              残 部   
合 計                          100.00 %。
【0029】
(2)  被験食餌として下記の4種類の混餌食を用いた。
▲1▼ 0.2%銅クロロフィリンナトリウム混餌食
▲2▼ 1%キトサン混餌食
▲3▼ 5%グァーガム混餌食
▲4▼ 1%キトサン+5%グァーガム混餌食
なお、これらの混餌食は、上記の対照食餌の処方において、各々上記割合で銅クロロフィリンナトリウム、キトサン又は/及びグァーガムが含まれるように、当該成分をコーンスターチに換えて配合することによって調製した。
【0030】
4.実験方法
ラット(15匹)を5群に分け、それぞれI.対照群(対照食餌投与群)、II.銅クロロフィリンNa群(0.2%銅クロロフィリンナトリウム混餌食投与群)、III.1%キトサン群(1%キトサン混餌食投与群)、IV.5%グァーガム群(5%グァーガム混餌食投与群)、V.1%キトサン+5%グァーガム群(1%キトサン+5%グァーガム混餌食投与群)とした。
【0031】
これらの各群のラットに対照食餌または各種の被験食餌を19日間、連続して自由に摂取させ、投与から15日目の9〜10時の間に、上記で調製したダイオキシン類混合液(各ダイオキシン類各々40ng/ml配合)1mLを強制経口投与した。試験期間中、1日3回糞便を採取し、その重量を測定した。また、ダイオキシン類混合液投与後の糞便については、さらにダイオキシン類の排泄量を測定し、下式に従って排泄率(%)を求めた。
【0032】
【数1】
Figure 2004016119
【0033】
投与したダイオキシン類(1,2,3,7,8−PeCDD、2,3,4,7,8−PeCDF及び3,3’,4,4’,5−PeCB)毎の排泄率(%)を示す結果を図1に示す。図1の結果からわかるように、キトサン及びグァーガムはいずれも投与した3種類全てのダイオキシン類に対して排泄促進作用を示した。さらにキトサンとグァーガムを併用することによって、両者のダイオキシン類排泄促進作用は相乗的に増加した。これらの結果は、統計学的解析方法(SASの1−Way ANOVA(ADDitive Effect Test)によりいずれも危険率5%未満であり、このことから有意な相乗的排泄促進作用が認められた。
【0034】
以上の結果から、(1)の成分であるキトサンと(2)の成分であるグァーガムとを組み合わせて調製される組成物は優れたダイオキシン類排泄促進作用を発揮することが示された。
【0035】
以下に、本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物の具体的態様を示す。
【0036】
実施例1〜4 錠剤形態の調製
下記表1に示す各成分をそれぞれ所定割合(%)となるように混合し、得られた混合物を直接粉末圧縮法により錠剤形態に成型して、本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物を調製した。
【0037】
【表1】
Figure 2004016119
【0038】
実施例5 クラッカーの調製
グァーガム7部、食品用キトサン2部、小麦粉65部、砂糖5部、油脂12部及び適量の膨張剤、香料を適量の水を用いて混合し(総量100部)、クラッカー生地を得た。この生地を適当な大きさに成型した後、オーブンにて焼き上げ、クラッカー形態の本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物を調製した。
【0039】
実施例6 ハードビスケットの調製
タラガム5部、食品用キトサン8部、小麦粉60部、砂糖13部、油脂10部及び適量の膨張剤、香料を適量の水を用いて混合し(総量100部)、ハードビスケット生地を得た。この生地を適当な大きさに成型した後、オーブンにて焼き上げ、ハードビスケット形態の本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物を調製した。
【0040】
実施例7 キャラメルの調製
グァーガム10部と食品用キトサン8部、糖類30部及び加糖練乳30部を適量の水に懸濁し、A液を調製する。別途油脂類5部に適量の乳化剤を加え、加温溶解し、B液を調製する。A液にB液を加え、加温下でホモジナイズし、乳化液を調製した後、乳化液を所定の水分量に達するまで煮詰める。冷却後、フォンダン10部、適量の香料等を加え、ニーダーで混練する(総量100部)。混練後のキャラメル生地を適当な大きさに成型し、キャラメル形態の本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物を調製した。
【0041】
実施例8 コーンポタージュの調製
ローカストビーンガム2部と食品用キトサン5部をミルク50部に懸濁した。この懸濁液とコーン(水煮)40部、調味料等を合わせて湿式粉砕した後(総量100部)、加熱殺菌し、コーンポタージュ形態の本発明のダイオキシン類排泄促進用組成物を得た。
【0042】
実施例9〜12 高蛋白流動食形態の調製
カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、ゼラチン等の蛋白質成分及び糖質を水中に投入し、攪拌溶解後、混合液中にキチン又はキトサンのいずれかと、グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムの中からいずれか1種、及びNaCl等のミネラル成分を更に投入して攪拌溶解して液状物(A液)を調製した。また他方で、カゼインを水に投入し、NaOHを加えて中和溶解させた後、これにMgSO等のミネラル類、ビタミン類、油類を加えて攪拌溶解して液状物(B液)を調製した。得られたA液とB液を、各成分が表2に示すような配合割合になるように混合し、攪拌後、液量を調整した。次いで、これにビタミン類、フレーバー等を加えて乳化し、それぞれ80mlチューブタイプの容器に充填し、殺菌して高蛋白流動食形態のダイオキシン類排泄促進用組成物(製品)を調製した。
【0043】
【表2】
Figure 2004016119
【0044】
実施例13 ゼリー飲料形態
グァーガム2部、食品用キトサン2部を適量の砂糖、酸味料、香料等と併せて加温溶解し(総量100部)、加熱殺菌後、パウチ袋に充填し、ゼリー飲料形態の本発明の類排泄促進用組成物を調製した。
【0045】
【発明の効果】
本発明の組成物は、(1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種と、(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせて含むことにより、各成分のダイオキシン類排泄作用が相乗的に増大され、結果として顕著に優れたダイオキシン類排泄促進能を発揮することができる。ゆえに、本発明の組成物はダイオキシン類排泄促進剤として、また食品形態とした場合にはダイオキシン類を効果的に体外に排泄する機能を有する機能性食品(特定保健用食品)として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1の結果を示す図である。具体的には、キトサン、グァーガム、並びにキトサンとグァーガムの混合物が有する1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ジオキシン(1,2,3,7,8−PeCDD)(図a)、2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン(2,3,4,7,8−PeCDF)(図b)、及び3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニル(3,3’,4,4’,5−PeCB)(図c)の体外排泄作用を、ラットを被験動物とした該ラットの糞便への排泄率(%)で比較した結果を示す図である。

Claims (4)

  1. (1)キチン及びキトサンよりなる群から選択される少なくとも1種、並びに(2)グァーガム、ローカストビーンガム及びタラガムよりなる群から選択される少なくとも1種、を含有することを特徴とするダイオキシン類排泄促進用組成物。
  2. ダイオキシン類排泄促進用組成物に含まれる(1)キチンまたはキトサンの総量100重量部に対して、(2)グァーガム、ローカストビーンガムまたはタラガムをこれらの総量として0.1〜10,000重量部の割合で含有する請求項1に記載のダイオキシン類排泄促進用組成物。
  3. 経口組成物である請求項1または2に記載のダイオキシン類排泄促進用組成物。
  4. 菓子、飲料、及びサプリメントよりなる群から選択される食品の形態を有するものである請求項1乃至3のいずれかに記載のダイオキシン類排泄促進用組成物。
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