JP2004015402A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜厚の厚いゲート酸化膜で形成されるトランジスタで構成され、電源電圧を低電圧化しても速度劣化しないインターフェース部を備える半導体装置を提供する。
【解決手段】コア部110は、電源電圧VDDを受けて動作し、膜厚の薄いゲート酸化膜で形成されるトランジスタで構成される。インターフェース部120は、電源電圧VDDHを受けて動作し、膜厚の厚いゲート酸化膜で形成されるトランジスタで構成される。電源電圧VDDHの電圧レベルに応じて設定されるモード選択信号LMに基づいて、出力ドライバであるPチャネルMOSトランジスタP1およびNチャネルMOSトランジスタN1の基板に適切な電圧が印加され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1が高速に駆動される。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置に関し、特に、電源電圧が低電圧時においても動作速度が劣化しない出力回路を備える半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体加工技術の微細化に伴い、1チップに集積できるトランジスタ数は、近年飛躍的に増加している。これは同時に、トランジスタに印加できる電圧をより厳しく制限する。また、集積されるトランジスタ数の増加による消費電力の増加を抑えるためにも、電源電圧を低下させることは不可避である。現在、最も広く用いられるMOSトランジスタの場合、最小加工寸法が0.25μm、0.18μm、0.15μmに縮小されるにしたがって、電源電圧も2.5V、1.8V、1.5Vと低下してきている。これらの電源電圧は、集積回路の中核部分に用いられることから、コア部の電源電圧VDDと呼ぶ。
【0003】
その一方で、他のチップと信号を交換するためのインターフェース部の電源電圧VDDHは、プロセス技術の進展にかかわりなく、コア部の電源電圧VDDより高い電位に設定されている。現状では、電源電圧VDDHは、3.0Vないし3.3Vが一般的である。最先端トランジスタを3.3Vで用いることはできないため、性能は大きく劣化するものの、インターフェース部のトランジスタは、コア部のトランジスタよりも意図的にゲート酸化膜を厚くして対応することになる。
【0004】
インターフェース部の電源電圧VDDHが高く設定される理由は、第1に、ボード上に搭載される半導体装置のすべてが最先端のプロセス技術で製造されているわけではなく、従来からのインターフェース規格で動作する半導体装置も多く、インターフェース規格の変更には多くの混乱が生じるためである。
【0005】
第2に、インターフェース部は入出力ピンに近接して設けられており、静電気による入出力ピンのサージ破壊に対して、ゲート酸化膜を厚くすると静電破壊耐量(ESD耐量)が高くなり好都合であるからである。
【0006】
以降では、ゲート酸化膜の厚いトランジスタを厚膜トランジスタと称し、ゲート酸化膜の薄いトランジスタを薄膜トランジスタと称する。
【0007】
図14は、2種類の電源電圧VDD,VDDHを受けて動作する従来の半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0008】
図14を参照して、半導体装置500は、電源電圧VDDを受けて動作するコア部501と、電源電圧VDDHを受けて動作するインターフェース部502とを備える。
【0009】
コア部501は、信号D0および出力イネーブル信号ENを受けるNANDゲートG51と、出力イネーブル信号ENを受けて反転するインバータ510と、インバータ510の出力および信号D0を受けるNORゲートG52とを含む。コア部501に含まれるこれらの各回路は、薄膜トランジスタで構成される。
【0010】
ここで、信号D0は、コア部501に含まれる図示されない内部回路から受ける出力データであって、出力イネーブル信号ENの論理レベルがH(論理ハイ)レベルのとき、信号D0がインターフェース部502の出力ノードから信号D1として出力され、出力イネーブル信号ENの論理レベルがL(論理ロー)レベルのとき、インターフェース部502の出力ノードはハイインピーダンスに設定される。
【0011】
インターフェース部502は、レベルシフト回路512,514と、レベルシフト回路512,514から出力される信号に応じて出力ノードND51を駆動する出力駆動回路516とを含む。
【0012】
レベルシフト回路512,514は、それぞれコア部501から出力されるNANDゲートG51の出力およびNORゲートG52の出力を受け、電源電圧VDDを受けて動作するコア部501と電源電圧VDDHを受けて動作する出力駆動回路516との間で、各々が受ける信号の電位振幅を変換する。
【0013】
出力駆動回路516は、レベルシフト回路512から出力された信号を受けて反転するインバータ522と、インバータ522の出力を受けて反転するインバータ524と、電源電圧VDDHが与えられる電源ノード(以下、電源ノードVDDHと称する。)および出力ノードND51に接続され、インバータ524の出力をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタP51とを含む。また、出力駆動回路516は、レベルシフト回路514から出力された信号を受けて反転するインバータ526と、インバータ526の出力を受けて反転するインバータ528と、出力ノードND51および接地ノードに接続され、インバータ528の出力をゲートに受けるNチャネルMOSトランジスタN51とを含む。容量CL1は、出力ノードND51の負荷容量である。
【0014】
以下、この半導体装置500の動作について説明する。
半導体装置500からHレベルのデータが出力されるときは、出力イネーブル信号ENおよび信号D0は、いずれもHレベルに設定される。そして、PチャネルMOSトランジスタP51側では、NANDゲートG51の出力はLレベルとなり、インバータ524の出力はLレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP51はONする。
【0015】
一方、NチャネルMOSトランジスタN51側では、NORゲートG52の出力はLレベルとなり、インバータ528の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN51はOFFする。したがって、出力ノードND51はHレベル(VDDH)に駆動され、信号D1がHレベルで出力される。
【0016】
一方、半導体装置500からLレベルのデータが出力されるときは、出力イネーブル信号ENはHレベルに設定され、信号D0はLレベルに設定される。そして、PチャネルMOSトランジスタP51側では、NANDゲートG51の出力はHレベルとなり、インバータ524の出力はHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP51はOFFする。
【0017】
一方、NチャネルMOSトランジスタN51側では、NORゲートG52の出力はHレベルとなり、インバータ528の出力はHレベルとなって、NチャネルMOSトランジスタN51はONする。したがって、出力ノードND51はLレベル(GND)に駆動され、信号D1がLレベルで出力される。
【0018】
半導体装置500がデータを出力しないときは、出力イネーブル信号ENがLレベルに設定される。そして、PチャネルMOSトランジスタP51側では、NANDゲートG51の出力はHレベルとなり、インバータ524の出力はHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP51はOFFする。
【0019】
一方、NチャネルMOSトランジスタN51側では、NORゲートG52の出力はLレベルとなり、インバータ528の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN51もOFFする。したがって、2つの出力トランジスタP51,N51の両方がOFFし、出力ノードND51はハイインピーダンスとなる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯端末などの普及により、消費電力の削減が最重要の課題となってきている。消費電力は、電源電圧の2乗に比例するため、電源電圧を低電圧化することは、低消費電力化に対して効果が非常に大きい。上述したように、これまでコア部の電源電圧は、半導体加工技術の微細化に伴なって低電圧化されてきている一方で、インターフェース部は、特殊な分野を除いて、上述した理由により3V系がいまだに用いられている。それでも、従来は、インターフェース部の動作速度が遅く、消費電力が大きな問題となることはなかった。
【0021】
しかしながら、近年、高速インターフェースに対する要求が高まり、それに伴って消費電力の問題が顕在化してきている。たとえば、負荷容量30pFの32ビットバスを、3Vの電源電圧VDDHおよび200M(メガ)ビット/秒/ピンで駆動する場合、最大消費電力は約860mWにも達する。半導体装置がプラスチックパッケージに封入される場合、チップとして許容できる消費電力は1W程度であるため、この場合、コア部の消費電力は、わずか140mWしか許容されないことになる。コア部の消費電力をわずか140mW以内に抑えて設計することは実際上不可能である。
【0022】
ここで、インターフェース部を低消費電力化するため、インターフェース部の電源電圧VDDHを低減することが考えられる。しかしながら、インターフェース部に用いられる厚膜トランジスタは、低電圧化すると駆動力が急激に低減するため、高速にデータ通信を行なうことができなくなる。電源電圧VDDHを低電圧化したときの動作速度改善のため、出力ドライバに薄膜トランジスタを用いると、今度は、上述したようにESD耐量が低下するという問題が発生する。
【0023】
また、電源電圧VDDHを低電圧化すると、3V系のデバイスは使用できなくなるため、ボードに組込むことができる論理デバイスが制限され、結局コストが高くなるという問題も生じる。
【0024】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、厚膜トランジスタで構成され、電源電圧を低電圧化しても速度劣化しないインターフェース部を備える半導体装置を提供することである。
【0025】
また、この発明の別の目的は、厚膜トランジスタで構成され、電源電圧が低電圧の場合およびそれよりも高い電圧の場合のいずれにも対応可能なインターフェース部を備える半導体装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、半導体装置は、第1の膜厚を有するゲート酸化膜によって形成されるMOSトランジスタで構成され、第1の電源電圧を受けて動作するコア部と、第1の膜厚より厚い第2の膜厚を有するゲート酸化膜によって形成されるMOSトランジスタで構成され、第2の電源電圧を受けて動作するインターフェース部とを備え、コア部は、内部信号をインターフェース部へ出力する内部回路を含み、インターフェース部は、出力ノードに接続され、内部信号に応じて出力ノードを駆動する出力MOSトランジスタと、第2の電源電圧の電圧レベルに基づいて設定されるモード選択信号によって低電圧動作モードが選択されているとき、出力MOSトランジスタに寄生して構成される寄生バイポーラトランジスタを出力MOSトランジスタの動作に応じて活性化する活性化回路とを含む。
【0027】
この発明による半導体装置においては、コア部を構成するMOSトランジスタのゲート酸化膜より厚い膜厚を有するゲート酸化膜によって形成されるMOSトランジスタで構成されるインターフェース部において、動作電源電圧を低電圧化しても、出力ノードを駆動するMOSトランジスタとともに、高速に動作する寄生バイポーラトランジスタが動作し、出力ノードの駆動力が補われる。
【0028】
したがって、動作速度を劣化させることなくインターフェース部の電源電圧を低電圧化することができ、性能を維持したうえで半導体装置の消費電力を低減することができる。
【0029】
好ましくは、出力MOSトランジスタは、内部信号に応じて出力ノードをハイレベルに相当する電位に駆動するPチャネルMOSトランジスタと、内部信号に応じて出力ノードをローレベルに相当する電位に駆動するNチャネルMOSトランジスタとからなり、寄生バイポーラトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタに寄生して構成されるPNP寄生バイポーラトランジスタと、NチャネルMOSトランジスタに寄生して構成されるNPN寄生バイポーラトランジスタとからなる。
【0030】
好ましくは、PNP寄生バイポーラトランジスタは、内部信号に応じてPチャネルMOSトランジスタの基板から電荷が放電されることによってONし、NPN寄生バイポーラトランジスタは、内部信号に応じてNチャネルMOSトランジスタの基板に電荷が供給されることによってONする。
【0031】
好ましくは、コア部は、充放電駆動回路をさらに含み、充放電駆動回路は、低電圧動作モードが選択されているとき、内部信号に応じてNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する。
【0032】
好ましくは、充放電駆動回路は、内部信号に応じてNチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、NPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する。
【0033】
好ましくは、コア部は、低電圧動作モードが選択されているとき、寄生バイポーラトランジスタを出力MOSトランジスタの動作に応じて活性化するもう1つの活性化回路をさらに含み、もう1つの活性化回路は、充電駆動回路からなり、活性化回路は、放電駆動回路からなり、低電圧動作モードが選択されているとき、充電駆動回路は、内部信号に応じてPNP寄生バイポーラトランジスタをOFFし、放電駆動回路は、内部信号に応じてPNP寄生バイポーラトランジスタをONする。
【0034】
好ましくは、充電駆動回路は、内部信号に応じてPチャネルMOSトランジスタの基板に電荷を供給することによって、PNP寄生バイポーラトランジスタをOFFし、放電駆動回路は、内部信号に応じてPチャネルMOSトランジスタの基板から電荷を放電することによって、PNP寄生バイポーラトランジスタをONする。
【0035】
好ましくは、活性化回路は、もう1つの充電駆動回路をさらに含み、もう1つの充電駆動回路は、低電圧動作モードが選択されているとき、内部信号の電圧レベルに拘わらずPNP寄生バイポーラトランジスタをOFFする。
【0036】
好ましくは、もう1つの充電駆動回路は、PチャネルMOSトランジスタの基板に電荷を供給することによって、PNP寄生バイポーラトランジスタをOFFする。
【0037】
好ましくは、放電駆動回路は、もう1つのNチャネルMOSトランジスタと、もう1つのNチャネルMOSトランジスタの動作に応じて、もう1つのNチャネルMOSトランジスタに寄生して構成されるもう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタとからなる。
【0038】
好ましくは、もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタは、もう1つのNチャネルMOSトランジスタの基板にゲート端子が接続されることによって構成される。
【0039】
好ましくは、もう1つの活性化回路は、充放電駆動回路をさらに含み、充放電駆動回路は、低電圧動作モードが選択されているとき、内部信号に応じてもう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する。
【0040】
好ましくは、充放電駆動回路は、内部信号に応じてもう1つのNチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する。
【0041】
好ましくは、もう1つのNチャネルMOSトランジスタのゲート端子は、接地ノードに接続される。
【0042】
好ましくは、もう1つの活性化回路は、低電圧動作モードが選択されているとき、内部信号に応じてNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第1のベース駆動回路と、低電圧動作モードが選択されているとき、内部信号に応じてもう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第2のベース駆動回路とをさらに含み、活性化回路は、低電圧動作モード時の電圧よりも高い電圧で動作するもう1つの低電圧動作モードがモード選択信号によって選択されているとき、内部信号に応じてNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第3のベース駆動回路と、もう1つの低電圧動作モードが選択されているとき、内部信号に応じてもう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第4のベース駆動回路とをさらに含む。
【0043】
好ましくは、第1および第3のベース駆動回路は、内部信号に応じてNチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、NPN寄生バイポーラトランジスタを駆動し、第2および第4のベース駆動回路は、内部信号に応じてもう1つのNチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する。
【0044】
好ましくは、内部回路から受ける信号の電位振幅を第2の電源電圧に対応した電位振幅に変換するレベル変換回路と、内部回路から受ける信号と、レベル変換回路によって電位振幅が変換された信号とを受けるスイッチ回路とをさらに備え、スイッチ回路は、低電圧動作モードが選択されているとき、内部回路から受ける信号をそのままインターフェース部へ出力し、低電圧動作モードが選択されていないとき、レベル変換回路によって電位振幅が変換された信号をインターフェース部へ出力する。
【0045】
好ましくは、内部回路は、モード選択信号を生成してインターフェース部へ出力するモード選択回路を含み、モード選択回路は、第2の電源電圧を受け、第2の電源電圧を基準電圧と比較し、第2の電源電圧が基準電圧よりも低いとき、モード選択信号を出力する。
【0046】
好ましくは、基準電圧は、第1の電源電圧である。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0048】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による半導体装置100の全体構成を示すブロック図である。
【0049】
図1を参照して、半導体装置100は、他のデバイスとデータバスなどを介して信号DQをやり取りするインターフェース部120と、インターフェース部120と内部信号IDQをやり取りするコア部110とを備える。
【0050】
インターフェース部120は、電源電圧VDDHを受けて動作する。コア部110は、電源電圧VDDを受けて動作する。電源電圧VDDH,VDDは、外部から直接供給されてもよいし、あるいは、外部から電源電圧VDDHを受けて内部で電源電圧VDDを発生させる電源回路を半導体装置100に内蔵し、この電源回路から供給されてもよい。
【0051】
図2は、実施の形態1による半導体装置100のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0052】
図2を参照して、コア部110は、信号D0および出力イネーブル信号ENを受けるNANDゲートG1と、出力イネーブル信号ENを受けて反転するインバータ12と、インバータ12の出力および信号D0を受けるNORゲートG2とを含む。コア部110に含まれる各回路は、薄膜トランジスタで構成される。
【0053】
ここで、信号D0は、コア部110に含まれる図示されない内部回路から受ける出力データであって、出力イネーブル信号ENがHレベルのとき、信号D0がインターフェース部120の出力ノードから信号D1として出力され、出力イネーブル信号ENがLレベルのとき、インターフェース部120の出力ノードはハイインピーダンスとなる。
【0054】
また、インターフェース部120へ出力されるモード選択信号LMは、上述した内部回路によって設定され、内部回路は、インターフェース部120が受ける電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき、モード選択信号LMをLレベルに設定し、インターフェース部120が受ける電源電圧VDDHが低電圧(1V)のとき、モード選択信号LMをHレベル(VDD)に設定する。
【0055】
インターフェース部120は、レベルシフト回路14,16,18と、レベルシフト回路14,16,18から出力される信号に応じて出力ノードND1を駆動する出力駆動回路130とを含む。
【0056】
レベルシフト回路14,16,18は、それぞれNANDゲートG1の出力、モード選択信号LMおよびNORゲートG2の出力を受け、電源電圧VDDを受けて動作するコア部110と電源電圧VDDHを受けて動作する出力駆動回路130との間で、各々が受ける信号の電位振幅を変換する。
【0057】
出力駆動回路130は、レベルシフト回路14から出力された信号を受けて反転するインバータ22と、インバータ22の出力を受けて反転するインバータ24と、電源ノードVDDHおよび出力ノードND1に接続され、インバータ24の出力をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタP1とを含む。また、出力駆動回路130は、レベルシフト回路18から出力された信号を受けて反転するインバータ26と、インバータ26の出力を受けて反転するインバータ28と、出力ノードND1および接地ノードに接続され、インバータ28の出力をゲートに受けるNチャネルMOSトランジスタN1とを含む。
【0058】
さらに、出力駆動回路130は、インバータ22の出力およびレベルシフト回路16の出力を受けるNANDゲートG5と、NANDゲートG5の出力を受けて反転するインバータG6と、インバータG6の出力を受けて反転し、ノードND2へ出力するインバータG7と、ノードND2がPチャネルMOSトランジスタP1の基板に接続されることによって生成されるPチャネルMOSトランジスタP1のPNP寄生バイポーラトランジスタQP1とを含む。
【0059】
また、さらに、出力駆動回路130は、インバータ28の出力およびレベルシフト回路16の出力を受けるNANDゲートG3と、NANDゲートG3の出力を受けて反転し、ノードND3へ出力するインバータG4と、ノードND3がNチャネルMOSトランジスタN1の基板に接続されることによって生成されるNチャネルMOSトランジスタN1のNPN寄生バイポーラトランジスタQN1とを含む。
【0060】
インターフェース部120に含まれる各回路並びにPチャネルMOSトランジスタP1およびNチャネルMOSトランジスタN1は、厚膜トランジスタで構成される。
【0061】
なお、容量CL,CN,CPは、それぞれ出力ノードND1,ノードND2およびノードND3の負荷容量である。
【0062】
図2に示すこの実施の形態1による半導体装置100の構成と、図14に示す従来技術の半導体装置500の構成とは、以下の点で回路構成が異なる。
【0063】
半導体装置100においては、モード選択信号LMが新たに設けられる。モード選択信号LMは、インターフェース部120の電源電圧VDDHが低電圧(1V)のときHレベルに設定され、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のときはLレベルに設定される。
【0064】
そして、モード選択信号LMは、コア部110の図示されない内部回路によって発生されるので、モード選択信号LMをインターフェース部120における電位振幅に変換するレベルシフト回路16が備えられる。NANDゲートG5は、モード選択信号LMがHレベルのときインバータ22の出力を反転し、NANDゲートG5の出力は、その後2段のインバータG6,G7を介してノードND2へ出力される。ノードND2は、PチャネルMOSトランジスタP1の基板と接続されている。また、NANDゲートG3は、モード選択信号LMがHレベルであるときインバータ28の出力を反転し、NANDゲートG3の出力は、インバータG4を介してノードND3へ出力される。ノードND3は、NチャネルMOSトランジスタN1の基板と接続されている。
【0065】
以下、この半導体装置100の動作について説明する。
(1)電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき
コア部110の図示されない内部回路は、モード選択信号LMをLレベルに設定する。半導体装置100がHレベルのデータを出力するときは、内部回路は、出力イネーブル信号ENおよび信号D0をいずれもHレベルに設定する。そして、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、インバータ24の出力はLレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はONする。
【0066】
ここで、モード選択信号LMはLレベルであるため、レベルシフト回路16の出力はLレベルであり、NANDゲートG5の出力は、信号D0および出力イネーブル信号ENの状態に拘わらずHレベルとなる。したがって、ノードND2は、インバータG7によってHレベル(VDDH)に駆動され、モード選択信号LMがLレベルのときは、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONせず、PチャネルMOSトランジスタP1は通常のPチャネルMOSトランジスタとして動作する。
【0067】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1はOFFする。
【0068】
ここで、NANDゲートG3についても、NANDゲートG5と同様に、モード選択信号LMがLレベルであるので、NANDゲートG3の出力は、信号D0および出力イネーブル信号ENの状態に拘わらずHレベルとなる。したがって、ノードND3は、インバータG4によってLレベル(GND)に駆動され、モード選択信号LMがLレベルのときは、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0069】
以上により、出力ノードND1はPチャネルMOSトランジスタP1によってHレベル(VDDH)に駆動され、信号D1がHレベルで出力される。
【0070】
半導体装置100がLレベルのデータを出力するときは、内部回路は、出力イネーブル信号ENをHレベルに設定し、信号D0をLレベルに設定する。そして、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。ここで、モード選択信号LMはLレベルであるので、上述したように、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0071】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はHレベルとなり、インバータ28の出力はHレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1はONする。ここで、モード選択信号LMはLレベルであるので、上述したように、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONせず、NチャネルMOSトランジスタN1は通常のNチャネルMOSトランジスタとして動作する。
【0072】
以上により、出力ノードND1は、NチャネルMOSトランジスタN1によってLレベル(GND)に駆動され、信号D1がLレベルで出力される。
【0073】
半導体装置100がデータを出力しないときは、内部回路は、出力イネーブル信号ENをLレベルに設定する。そして、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。
【0074】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1もOFFする。ここで、モード選択信号LMはLレベルであるので、上述したように、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1は、いずれもONしない。
【0075】
したがって、2つの出力トランジスタP1,N1はいずれもOFFし、また、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1もいずれもONしないので、出力ノードND1はハイインピーダンスとなる。
【0076】
以上のように、電源電圧VDDHが通常電圧(3V系)のときは、出力駆動回路130は、従来と同様の動作を行なう。
【0077】
(2)電源電圧VDDHが低電圧(1V)のとき
このときは、コア部110の図示されない内部回路は、モード選択信号LMをHレベルに設定する。半導体装置100がHレベルのデータを出力するときは、内部回路は、出力イネーブル信号ENおよび信号D0をいずれもHレベルに設定する。そして、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、インバータ24の出力はLレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はONする。
【0078】
ここで、電源電圧VDDHは1Vの低電圧であるため、PチャネルMOSトランジスタP1の駆動力は小さい。したがって、負荷容量CLを有する出力ノードND1をPチャネルMOSトランジスタP1だけで充電するには長時間を要し、出力駆動回路130の動作速度は大幅に劣化してしまう。
【0079】
ところが、このとき、モード選択信号LMはHレベルであるため、レベルシフト回路16の出力はHレベルであり、また、インバータ22の出力もHレベルであるため、NANDゲートG5の出力はLレベルとなる。そうすると、ノードND2は、インバータG7によってLレベル(GND)に駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1がONする。
【0080】
ここで、MOSトランジスタの場合、その駆動電流はゲート/ソース間電位の高々2乗に比例するにすぎないが、バイポーラの場合、その駆動電流はベース/エミッタ間電位に対して指数関数に比例する。PNP寄生バイポーラトランジスタQP1においては、ベース/エミッタ間電位が0.8V程度で十分な駆動電流が得られる。したがって、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1がONすることによって、出力ノードND1は高速に充電される。
【0081】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1はOFFする。ここで、インバータ28の出力がLレベルであるため、NANDゲートG3の出力はHレベルとなり、ノードND3は、インバータG4によってLレベル(GND)に駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0082】
以上により、出力ノードND1は、PチャネルMOSトランジスタP1のPNP寄生バイポーラトランジスタQP1によってHレベル(VDDH)に高速に駆動され、信号D1がHレベルで出力される。
【0083】
半導体装置100がLレベルのデータを出力するときは、内部回路は、出力イネーブル信号ENをHレベルに設定し、信号D0をLレベルに設定する。そして、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。ここで、インバータ22の出力がLレベルであるため、NANDゲートG5の出力はHレベルとなり、ノードND2は、インバータG7によってHレベル(VDDH)に駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0084】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はHレベルとなり、インバータ28の出力はHレベルとなって、NチャネルMOSトランジスタN1はONする。ここで、電源電圧VDDHは1Vの低電圧であるため、NチャネルMOSトランジスタN1の駆動力は小さい。したがって、負荷容量CLを有する出力ノードND1をNチャネルMOSトランジスタN1だけで放電するには長時間を要し、出力駆動回路130の動作速度は大幅に劣化してしまう。
【0085】
ところが、このとき、モード選択信号LMはHレベルであるため、レベルシフト回路16の出力はHレベルであり、また、インバータ28の出力もHレベルであるため、NANDゲートG3の出力はLレベルとなる。そうすると、ノードND3は、インバータG4によってHレベル(VDDH)に駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1がONする。そして、上述したように、バイポーラの駆動電流は大きく、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1においても、ベース/エミッタ間電位が0.8V程度で十分な駆動電流が得られる。したがって、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1がONすることによって、出力ノードND1は高速に放電される。
【0086】
以上により、出力ノードND1はNチャネルMOSトランジスタN1のNPN寄生バイポーラトランジスタQN1によってLレベル(GND)に高速に駆動され、信号D1がLレベルで出力される。
【0087】
半導体装置100がデータを出力しないときは、内部回路は、出力イネーブル信号ENをLレベルに設定する。そして、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。ここで、インバータ22の出力はLレベルであるので、NANDゲートG5の出力はHレベルとなり、ノードND2は、インバータG7によってHレベルに駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0088】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1もOFFする。ここで、インバータ28の出力はLレベルであるので、NANDゲートG3の出力はHレベルとなり、ノードND3は、インバータG4によってLレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0089】
したがって、2つの出力トランジスタP1,N1はいずれもOFFし、また、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1もいずれもONしないので、出力ノードND1はハイインピーダンスとなる。
【0090】
以上のように、電源電圧VDDHが低電圧(1V)のときは、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1によって出力ノードND1を高速に充放電するので、インターフェース部120の電源電圧VDDHが低電圧であっても、出力駆動回路130は高速に動作する。
【0091】
なお、上述した説明では、低電圧動作時の電源電圧VDDHが1Vに設定される場合について説明したが、低電圧動作時の電源電圧VDDHは、1Vに限定されることはなく、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1がONする最小電圧(約0.8V)から従来電圧(3V系)より小さい範囲であればよい。
【0092】
以上のように、この実施の形態1による半導体装置100によれば、インターフェース部120の電源電圧VDDHが低電圧のとき、出力データに応じて出力トランジスタの寄生バイポーラを駆動するようにしたので、寄生バイポーラによって出力ノードND1の駆動力が補われ、電源電圧VDDHが低電圧であってもインターフェース部120は速度が劣化することなく動作する。
【0093】
また、この実施の形態1による半導体装置100によれば、インターフェース部の電圧が従来電圧(3V系)の場合と低電圧の場合とに対応できるようにしたので、ボードに組込むことができる論理デバイスの電圧制限が無くなり、コストを削減できる。
【0094】
さらに、この実施の形態1による半導体装置100によれば、インターフェース部120の電源電圧VDDHを低電圧化したので、電源電圧VDDHを1Vとした場合、従来電圧を3Vとした場合と比べて、インターフェース部120の消費電力は、1/9に低減される。
【0095】
[実施の形態2]
実施の形態1におけるPNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1のベースノードは、それぞれPチャネルMOSトランジスタP1およびNチャネルMOSトランジスタN1の基板であるため、寄生容量が非常に大きい。実施の形態1では、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1のベースノードは、それぞれ厚膜トランジスタで構成されるインバータG7,G4によって駆動されている。上述したように、厚膜トランジスタは、電源電圧が低くなると急激に駆動力が低下するため、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1を高速に駆動するには、非常に大きなMOSトランジスタが必要になる。
【0096】
実施の形態2では、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1のベースノードの駆動に、一部薄膜トランジスタが用いられ、実施の形態1と比較して回路面積の縮小が図られている。
【0097】
図3は、実施の形態2による半導体装置101のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0098】
図3を参照して、半導体装置101は、コア部111と、インターフェース部121とを備える。
【0099】
コア部111は、図2に示したコア部110の構成に加えて、インターフェース部121の電源ノードVDDHおよびノードND2に接続され、後述する出力駆動回路131に含まれるNANDゲートG10の出力をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタP2と、モード選択信号LMおよびNORゲートG2の出力を受けるNANDゲートG8と、NANDゲートG8の出力を受けて反転し、ノードND3へ出力するインバータG9とを含む。PチャネルMOSトランジスタP2、NANDゲートG8およびインバータG9は、いずれも薄膜トランジスタで構成される。
【0100】
コア部111のその他の回路構成は、図2に示したコア部110の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0101】
インターフェース部121は、図2に示したインターフェース部120の構成において、出力駆動回路130に代えて出力駆動回路131を含む。
【0102】
出力駆動回路131は、出力駆動回路130の構成において、NANDゲートG3およびインバータG4,G7がなく、レベルシフト回路16およびインバータ24の出力を受け、出力ノードがPチャネルMOSトランジスタP2のゲートに接続されるNANDゲートG10と、電源ノードVDDHおよびノードND2に接続され、レベルシフト回路16の出力をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタP3と、ノードND2および接地ノードに接続され、インバータG6の出力をゲートに受けるNチャネルMOSトランジスタN2とをさらに含む。
【0103】
以下、出力駆動回路131と、図2に示した出力駆動回路130との違いについて説明すると、出力駆動回路130においては、厚膜トランジスタで構成されるインバータG4がノードND3を駆動するが、出力駆動回路131においては、薄膜トランジスタで構成されるコア部111のインバータG9がノードND3を駆動する。また、出力駆動回路130においては、厚膜トランジスタで構成されるインバータG7がノードND2を駆動するが、出力駆動回路131においては、コア部111に含まれるPチャネルMOSトランジスタP2またはPチャネルMOSトランジスタP3によってノードND2はHレベル(VDDH)に駆動され、NチャネルMOSトランジスタN2によってノードND2はLレベル(GND)に駆動される。
【0104】
インターフェース部121のその他の回路構成は、図2に示したインターフェース部120の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0105】
以下、この半導体装置101の動作について説明する。
(1)電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき
半導体装置101がHレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、インバータ24の出力はLレベルとなって、PチャネルMOSトランジスタP1はONする。
【0106】
ここで、モード選択信号LMはLレベルであるため、レベルシフト回路16の出力はLレベルであり、NANDゲートG5の出力は、信号D0および出力イネーブル信号ENの状態に拘わらずHレベルとなる。したがって、NチャネルMOSトランジスタN2はOFFする。一方、レベルシフト回路16の出力はLレベルであるので、PチャネルMOSトランジスタP3はONし、また、NANDゲートG10の出力はHレベルとなるのでPチャネルMOSトランジスタP2はOFFする。したがって、ノードND2は、PチャネルMOSトランジスタP3によってHレベル(VDDH)に駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONせず、PチャネルMOSトランジスタP1は通常のPチャネルMOSトランジスタとして動作する。
【0107】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなって、NチャネルMOSトランジスタN1はOFFする。ここで、モード選択信号LMはLレベルであるため、NANDゲートG8の出力はHレベルとなる。したがって、ノードND3は、インバータG9によってLレベル(GND)に駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0108】
以上により、出力ノードND1は、PチャネルMOSトランジスタP1によってHレベル(VDDH)に駆動され、信号D1がHレベルで出力される。
【0109】
半導体装置101がLレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなって、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。
【0110】
ここで、上述したように、モード選択信号LMはLレベルであるので、NチャネルMOSトランジスタN2およびPチャネルMOSトランジスタP2,P3の状態は、半導体装置101が出力データとしてHレベルのデータを出力するときと同じである。したがって、ノードND2は、PチャネルMOSトランジスタP3によってHレベル(VDDH)に駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0111】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はHレベルとなり、インバータ28の出力はHレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1はONする。ここで、モード選択信号LMはLレベルであるため、NANDゲートG8の出力はHレベルとなる。したがって、ノードND3は、インバータG9によってLレベル(GND)に駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONせず、NチャネルMOSトランジスタN1は通常のNチャネルMOSトランジスタとして動作する。
【0112】
以上により、出力ノードND1は、NチャネルMOSトランジスタN1によってLレベル(GND)に駆動され、信号D1がLレベルで出力される。
【0113】
半導体装置101がデータを出力しないときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、出力イネーブル信号ENがLレベルであるのでNANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなって、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。
【0114】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなって、NチャネルMOSトランジスタN1もOFFする。ここで、モード選択信号LMはLレベルであるので、ノードND2,ND3の状態は、上述したデータを出力する場合と同じであり、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1は、いずれもONしない。
【0115】
したがって、2つの出力トランジスタP1,N1はいずれもOFFし、また、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1もいずれもONしないので、出力ノードND1はハイインピーダンスとなる。
【0116】
なお、PチャネルMOSトランジスタP2は、コア部111に形成される薄膜トランジスタであり、PチャネルMOSトランジスタの各ノードには最大3Vの電源電圧VDDHが印加されることから、その耐圧が問題になる。しかしながら、モード選択信号LMがLレベルであるので、PチャネルMOSトランジスタP2のソース端子、ゲート端子およびドレイン端子には、信号D0および出力イネーブル信号ENに拘わらず、すべて3Vの電源電圧VDDHが印加される。したがって、PチャネルMOSトランジスタP2の各端子間に1Vを超えるような電圧がかかることはなく、PチャネルMOSトランジスタP2が薄膜トランジスタであっても耐圧の問題はない。
【0117】
また、バイポーラは、ベース/エミッタ間のクランプ力が強いため、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1のベース電圧の変化は、接地レベル(GND)からベース/エミッタ間の電位差VBE(0.8V前後)までに限定される。したがって、ノードND3の電圧レベルは、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)であっても、接地レベル(GND)から0.8Vまでしか変化しない。このため、ノードND3を駆動する回路として、薄膜トランジスタで構成されるインバータG9を用いることができる。
【0118】
一方、ノードND2をプルダウンするトランジスタには、薄膜トランジスタを用いることはできず、厚膜のNチャネルMOSトランジスタN2を用いる。これは、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき、ノードND2は最大で3Vまで上昇するため、NチャネルMOSトランジスタN2のソース/ドレイン間に3Vの電位差が生じるからである。
【0119】
以上のように、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のときは、出力駆動回路130は、従来と同様の動作を行なう。
【0120】
(2)電源電圧VDDHが低電圧(1V)のとき
半導体装置101がHレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、インバータ24の出力はLレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はONする。
【0121】
ここで、モード選択信号LMはHレベルであるため、レベルシフト回路16の出力はHレベルであり、また、インバータ22の出力もHレベルとなるため、NANDゲートG5の出力はLレベルとなる。したがって、NチャネルMOSトランジスタN2はONする。一方、レベルシフト回路16の出力はHレベルであるので、PチャネルMOSトランジスタP3はOFFし、また、インバータ24の出力がLレベルであることからNANDゲートG10の出力はHレベルとなり、PチャネルMOSトランジスタP2もOFFする。したがって、ノードND2は、NチャネルMOSトランジスタN2によってLレベル(GND)に駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1がONすることによって、出力ノードND1は高速に充電される。
【0122】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1はOFFする。ここで、NORゲートG2の出力がLレベルであるため、NANDゲートG8の出力はHレベルとなり、ノードND3は、インバータG9によってLレベル(GND)に駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0123】
以上により、出力ノードND1は、PチャネルMOSトランジスタP1のPNP寄生バイポーラトランジスタQP1によってHレベル(VDDH)に高速に駆動され、信号D1がHレベルで出力される。
【0124】
半導体装置101がLレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。
【0125】
ここで、インバータ22の出力はLレベルとなるため、NANDゲートG5の出力はHレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタN2はOFFする。一方、レベルシフト回路16の出力はHレベルであるので、PチャネルMOSトランジスタP3はOFFし、また、インバータ24の出力がHレベルであることからNANDゲートG10の出力はLレベルとなり、PチャネルMOSトランジスタP2はONする。したがって、ノードND2は、PチャネルMOSトランジスタP2によってHレベル(VDDH)に駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0126】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はHレベルとなり、インバータ28の出力はHレベルとなって、NチャネルMOSトランジスタN1はONする。ここで、モード選択信号LMはHレベルであり、また、NORゲートG2の出力もHレベルであるため、NANDゲートG8の出力はLレベルとなる。したがって、ノードND3は、インバータG9によってHレベル(VDDH)に駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1がONすることによって、出力ノードND1は高速に放電される。
【0127】
以上により、出力ノードND1は、NチャネルMOSトランジスタN1のNPN寄生バイポーラトランジスタQN1によってLレベルに高速に駆動され、信号D1がLレベルで出力される。
【0128】
半導体装置101がデータを出力しないときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、出力イネーブル信号ENがLレベルであるためNANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ24の出力はHレベルとなって、PチャネルMOSトランジスタP1はOFFする。
【0129】
ここで、インバータ22の出力はLレベルであるので、NANDゲートG5の出力はHレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタN2はOFFする。一方、インバータ24の出力はHレベルであり、また、レベルシフト回路16の出力もHレベルであるので、NANDゲートG10の出力はLレベルとなる。したがて、PチャネルMOSトランジスタP2がONし、ノードND2は、PチャネルMOSトランジスタP2によってHレベル(VDDH)に駆動され、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0130】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、インバータ28の出力はLレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN1はOFFする。ここで、NORゲートG2の出力はLレベルであるので、NANDゲートG8の出力はHレベルとなり、ノードND3は、インバータG9によってLレベル(GND)に駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0131】
したがって、2つの出力トランジスタP1,N1はいずれもOFFし、また、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1もいずれもONしないので、出力ノードND1はハイインピーダンスとなる。
【0132】
以上のように、電源電圧VDDHが低電圧(1V)のときは、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1によって出力ノードND1を高速に充放電するので、インターフェース部121の電源電VDDHが低電圧であっても、出力駆動回路131は高速に動作する。
【0133】
なお、上述した説明では、低電圧動作時の電源電圧VDDHが1Vに設定される場合について説明したが、低電圧動作時の電源電圧VDDHは、1Vに限定されることはなく、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1がONする最小電圧(約0.8V)から従来電圧(3V系)より小さい範囲であればよい。
【0134】
以上のように、この実施の形態2による半導体装置101によれば、寄生バイポーラを駆動する回路の一部を薄膜トランジスタで構成したので、低電圧動作時における寄生バイポーラのベースノードの充放電速度が改善され、動作速度が改善されるとともに、回路面積が縮小される。
【0135】
[実施の形態3]
実施の形態2による半導体装置101では、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1のベースノードであるノードND2の放電に厚膜トランジスタであるNチャネルMOSトランジスタN2が用いられているため、低電圧動作時の動作速度がNチャネルMOSトランジスタN2によって律速される。したがって、低電圧動作時、出力ノードND1の電位立上り時間が電位立下り時間よりも長くなり、このような電圧波形の歪みは最大動作周波数を制限する。実施の形態3では、ノードND2の放電時間を短縮して、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1の動作速度の向上が図られている。
【0136】
図4は、実施の形態3による半導体装置102のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0137】
図4を参照して、半導体装置102は、コア部111と、インターフェース部122とを備える。インターフェース部122は、図3に示したインターフェース部121の構成において、出力駆動回路131に代えて出力駆動回路132を含む。
【0138】
出力駆動回路132は、出力駆動回路131の構成において、インバータG6の出力ノードがNチャネルMOSトランジスタN2の基板に接続されることによって生成されるNチャネルMOSトランジスタN2のNPN寄生バイポーラトランジスタQN2を含む。
【0139】
インターフェース部122のその他の回路構成は、図3に示したインターフェース部121の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。また、コア部111の回路構成は、既に実施の形態2で説明しているので、その説明も繰り返さない。
【0140】
以下、この半導体装置102の動作について説明する。
実施の形態2において説明したように、NチャネルMOSトランジスタN2がONするのは、電源電圧VDDHが低電圧で、半導体装置がHレベルのデータを出力するときだけである。そして、半導体装置102において、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2がONするのはNチャネルMOSトランジスタN2がONするときだけである。したがって、電源電圧VDDHが低電圧で、半導体装置102がHレベルのデータを出力するとき以外は、この半導体装置102の動作は、実施の形態2による半導体装置101と同じであり、その動作の説明は繰り返さない。
【0141】
電源電圧VDDHが低電圧で、半導体装置がHレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、インバータ24の出力はLレベルとなって、PチャネルMOSトランジスタP1はONする。
【0142】
ここで、モード選択信号LMはHレベルであるため、レベルシフト回路16の出力はHレベルであり、また、インバータ22の出力もHレベルとなるため、NANDゲートG5の出力はLレベルとなる。したがって、インバータG6の出力はHレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタN2がONするとともに、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2がONする。一方、実施の形態2と同様に、PチャネルMOSトランジスタP2,P3はいずれもOFFするので、ノードND2は、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2によってLレベル(GND)に高速に駆動される。そして、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1がONすることによって、出力ノードND1は高速に充電される。
【0143】
このように、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1のベースノードであるノードND2をNPN寄生バイポーラトランジスタQN2によって高速に放電することによって、出力ノードND1の電位立上り時間が改善される。
【0144】
なお、上述した説明では、低電圧動作時の電源電圧VDDHが1Vに設定される場合について説明したが、低電圧動作時の電源電圧VDDHは、1Vに限定されることはなく、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1,QN2がONする最小電圧(約0.8V)から従来電圧(3V系)より小さい範囲であればよい。
【0145】
以上のように、この実施の形態3による半導体装置102によれば、低電圧動作時にHレベルのデータを出力する際、出力ノードND1のプルアップを高速化するPNP寄生バイポーラトランジスタQP1のベースノードをNPN寄生バイポーラトランジスタQN2によって高速に放電できるので、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1の動作速度が向上し、低電圧動作時のHレベルのデータ出力速度が改善される。したがって、出力電位の波形の歪みが無くなり、動作周波数をより高くすることができる。
【0146】
また、NチャネルMOSトランジスタN2の面積が小さくても、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2の電流駆動力は十分大きいため、NチャネルMOSトランジスタN2の面積を小さくすることができ、実施の形態2と比較して回路面積が縮小される。
【0147】
[実施の形態4]
実施の形態3による半導体装置102では、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1のベースノードであるノードND2の放電にNPN寄生バイポーラトランジスタQN2が用いられた。そして、このNPN寄生バイポーラトランジスタQN2のベース駆動には、厚膜トランジスタであるインバータG6が用いられている。上述したように、低電圧下では、厚膜トランジスタの駆動力は低下し、低電圧下でも駆動力を確保するためには大型化する必要があるため、実施の形態3ではインバータG6が大型化する。
【0148】
ここで、NPN寄生バイポーラトランジスタのベース電位の変化は、実施の形態2の説明で述べたように、接地レベル(GND)からベース/エミッタ間の電位差VBE(約0.8V)である。そうすると、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2のベース駆動に薄膜トランジスタを用いることができる。
【0149】
図5は、実施の形態4による半導体装置103のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0150】
図5を参照して、半導体装置103は、コア部113と、インターフェース部123とを備える。
【0151】
コア部113は、図4に示したコア部111の構成に加えて、NANDゲートG1の出力を反転するインバータ30と、インバータ30の出力およびモード選択信号LMを受けるNANDゲートG11と、NANDゲートG11の出力を反転してノードND4へ出力するインバータG12とを含む。
【0152】
コア部113のその他の回路構成は、図4に示したコア部111の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0153】
インターフェース部123は、図4に示したインターフェース部122の構成において、出力駆動回路132に代えて出力駆動回路133を含む。
【0154】
出力駆動回路133においては、NチャネルMOSトランジスタN2の基板にノードND4が接続される。ノードND4は、上述したように、コア部113に含まれるインバータG12の出力ノードと接続される。
【0155】
インターフェース部123のその他の回路構成は、図4に示したインターフェース部122の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0156】
以下、この半導体装置103の動作について説明する。
(1)電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき
電源電圧VDDHが従来電圧のときは、モード選択信号LMがLレベルであるため、NANDゲートG11の出力はHレベルとなり、ノードND4は、インバータG12によってLレベルに駆動される。したがって、信号D0および出力イネーブル信号ENの状態に拘わらず、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2がONすることはなく、実施の形態4による半導体装置103は、実施の形態3による半導体装置102と同じ動作を行なう。
【0157】
(2)電源電圧VDDHが低電圧(1V)のとき
半導体装置103がLレベルのデータを出力するときは、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ30の出力がLレベルとなる。そうすると、NANDゲートG11の出力はHレベルとなり、ノードND4はインバータG12によってLレベルに駆動される。したがって、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2はONせず、この場合も、半導体装置103は、実施の形態3による半導体装置102と同じ動作を行なう。
【0158】
半導体装置103がHレベルのデータを出力するときは、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、インバータ30の出力がHレベルとなる。ここで、モード選択信号LMもHレベルであるので、NANDゲートG11の出力はLレベルとなり、インバータG12の出力はHレベル(VDD)となる。したがって、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2は、低電圧下では厚膜トランジスタよりも駆動力が大きい薄膜トランジスタで構成されるインバータG12によって駆動されて高速にONする。
【0159】
なお、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2がONすると、NチャネルMOSトランジスタN2自体によるノードND2の放電がなくても十分にノードND2を放電することができるので、NチャネルMOSトランジスタN2のゲートを接地レベル(GND)に固定し、NANDゲートG5およびインバータG6を削除することもできる。これによって、NチャネルMOSトランジスタN2の駆動電流を削減でき、さらに、NANDゲートG5およびインバータG6の削除によって回路面積も削減できる。
【0160】
なお、上述した説明では、低電圧動作時の電源電圧VDDHが1Vに設定される場合について説明したが、低電圧動作時の電源電圧VDDHは、1Vに限定されることはなく、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1,QN2がONする最小電圧(約0.8V)から従来電圧(3V系)より小さい範囲であればよい。
【0161】
以上のように、この実施の形態4による半導体装置103によれば、低電圧動作時にHレベルのデータを出力する際、出力ノードND1のプルアップを高速化するPNP寄生バイポーラトランジスタQP1のベースノードを放電するNPN寄生バイポーラトランジスタQN2を薄膜トランジスタで構成されるインバータG12によって高速に駆動できるので、最終的にPNP寄生バイポーラトランジスタQP1の動作速度が向上し、低電圧動作時のHレベルのデータ出力速度が改善される。
【0162】
また、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1のベースノードを放電するNチャネルMOSトランジスタN2のゲートを接地レベルに固定できるので、NチャネルMOSトランジスタN2の駆動電流を削減できる。
【0163】
さらに、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2を駆動するために薄膜トランジスタで構成されるゲート回路が新たに追加されても、NチャネルMOSトランジスタN2のゲートを接地レベルに固定できることによって、NチャネルMOSトランジスタN2自体を駆動する、厚膜トランジスタで構成されるゲート回路を削除できるので、全体として回路面積が縮小される。
【0164】
[実施の形態5]
実施の形態1〜4では、インターフェース部の電源電圧VDDHがコア部の電源電圧VDDに近い電圧(たとえば1V)であるときも、NANDゲートG1,G2の出力およびモード選択信号LMは、レベルシフト回路を介して出力駆動回路に供給されていた。
【0165】
しかしながら、特に図4に示した実施の形態3では、低電圧動作時、出力ノードND1をプルダウンする側のNPN寄生バイポーラトランジスタQN1は、コア部111から出力された信号に基づいて直接駆動されるのに対して、出力ノードND1をプルアップする側のNPN寄生バイポーラトランジスタQN2は、レベルシフト回路14,16を介した信号に基づいて駆動される。したがって、出力ノードND1の出力電位の立上り時間が、その立下り時間に比べて大きくなる。
【0166】
レベルシフト回路は、コア部とインターフェース部との電源電圧が異なるときに、コア部から受けた信号の電位振幅をインターフェース部の電位振幅に合わせるための回路であって、コア部およびインターフェース部における信号の電位振幅がほぼ等しいときには、レベルシフト回路は必要でない。そこで、実施の形態5では、インターフェース部の電源電圧VDDHがコア部の電源電圧VDDに近い1Vに設定される場合、コア部から出力された信号は、レベルシフト回路を介さずにインターフェース部の出力駆動回路に供給される。
【0167】
図6は、実施の形態5による半導体装置104のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0168】
図6を参照して、半導体装置104は、コア部111と、インターフェース部124とを備える。
【0169】
インターフェース部124は、図4に示したインターフェース部122の構成に加えて、スイッチS1〜S5と、レベルシフト回路16からノードND14に出力された信号を受けて反転し、ノードND17へ出力するインバータ32と、ノードND19および接地ノードに接続され、ゲートがノードND17に接続されるNチャネルMOSトランジスタN3とを含む。
【0170】
スイッチS1は、ノードND11およびノードND18に接続され、レベルシフト回路16からノードND14に出力された信号がHレベルであるとき、すなわちモード選択信号LMがHレベルであるときにONし、モード選択信号LMがLレベルであるときにOFFする。
【0171】
スイッチS2は、ノードND15およびノードND18に接続され、レベルシフト回路16からノードND14に出力された信号がLレベルであるとき、すなわちモード選択信号LMがLレベルであるときにONし、モード選択信号LMがHレベルであるときにOFFする。
【0172】
スイッチS3は、ノードND12およびノードND19に接続され、スイッチS1と同様に、モード選択信号LMがHレベルであるときにONし、モード選択信号LMがLレベルであるときにOFFする。
【0173】
スイッチS4は、ノードND16およびノードND20に接続され、スイッチS2と同様に、モード選択信号LMがLレベルであるときにONし、モード選択信号LMがHレベルであるときにOFFする。
【0174】
スイッチS5は、ノードND13およびノードND20に接続され、スイッチS1,S3と同様に、モード選択信号LMがHレベルであるときにONし、モード選択信号LMがLレベルであるときにOFFする。
【0175】
インターフェース部124のその他の回路構成は、図4に示したインターフェース部122の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。また、コア部111の回路構成は、既に実施の形態2で説明しているので、その説明も繰り返さない。
【0176】
次に、この半導体装置103の動作について説明する。
(1)電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき
このときは、モード選択信号LMがLレベルであるため、スイッチS1,S3,S5はOFFし、スイッチS2,S4がONする。したがって、NANDゲートG1の出力は、レベルシフト回路14およびスイッチS2を介してインバータ22へ出力され、NORゲートG2の出力は、レベルシフト回路18およびスイッチS4を介してインバータ26へ出力される。
【0177】
なお、モード選択信号LMがLレベルであるため、インバータ32の出力はHレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタN3はONする。したがって、ノードND19はLレベルとなり、NANDゲートG5の出力はHレベルとなるので、NチャネルMOSトランジスタN2およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN2はOFFする。したがって、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のときは、出力駆動回路132は、実施の形態3と同様の動作を行なう。
【0178】
(2)電源電圧VDDHが低電圧(1V)のとき
このときは、モード選択信号LMがHレベルであるため、スイッチS1,S3,S5がONし、スイッチS2,S4はOFFする。したがって、NANDゲートG1の出力は、スイッチS1を介して、レベルシフト回路14を迂回してインバータ22へ出力され、NORゲートG2の出力は、スイッチS5を介して、レベルシフト回路18を迂回してインバータ26へ出力される。
【0179】
なお、モード選択信号LMがHレベルであるため、インバータ32の出力はLレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタN3はOFFするので、ノードND19はHレベルとなる。したがって、電源電圧VDDHが低電圧のときも、出力駆動回路132は、実施の形態3の場合と同様の動作を行なう。
【0180】
このように、電源電圧VDDHが低電圧であるときは、出力ノードND1をプルアップする側のNPN寄生バイポーラトランジスタQN2は、レベルシフト回路14,16を迂回した信号に基づいて駆動されるので、出力ノードND1の出力電位の立上り時間が改善される。
【0181】
以上のように、この実施の形態5による半導体装置104によれば、インターフェース部124の電源電圧VDDHが、コア部111の電源電圧VDDに近い場合、コア部111から出力される信号をレベルシフト回路を介さずに出力駆動回路132に供給するようにしたので、特に、出力ノードND1の出力電圧の立上り特性が改善される。
【0182】
[実施の形態6]
上述した実施の形態1〜5では、インターフェース部の電源電圧VDDHとして、従来電圧は3Vまたは3.3Vを想定し、低電圧は1Vを想定している。そして、電源電圧VDDHが1Vのときは、厚膜トランジスタの有する駆動力が非常に小さくなるため、寄生バイポーラの駆動に薄膜トランジスタが用いられている。
【0183】
一方、電源電圧VDDHが1Vと従来電圧との間の電圧であって、たとえば2Vである場合、厚膜トランジスタはある程度の駆動力を有し、電源電圧VDDHが1Vのときと異なり、寄生バイポーラは補助的な役割で十分である。寄生バイポーラによる駆動力が小さすぎると、上述したように高速動作に対応できず、逆に、寄生バイポーラによる駆動力が大きすぎると、出力電位にオーバーシュートまたはアンダーシュートが発生し、出力電位の整定時間が大きくなるとともに、誤動作の原因となる。したがって、寄生バイポーラによる駆動力は、電源電圧VDDHに基づいて適切に設定されるのが望ましい。実施の形態6では、寄生バイポーラを駆動する回路が複数備えられ、電源電圧VDDHに基づいて最適な条件で寄生バイポーラが駆動される。
【0184】
図7は、実施の形態6による半導体装置105のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0185】
図7を参照して、半導体装置105は、コア部115と、インターフェース部125とを備える。
【0186】
コア部115は、図5に示した実施の形態4による半導体装置103のコア部113の構成において、NANDゲートG11およびインバータG12に代えて、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2のベースノードを駆動するベース駆動回路51と、NANDゲートG8およびインバータG9に代えて、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1のベースノードを駆動するベース駆動回路52とを含む。
【0187】
また、コア部115の図示されない内部回路は、2つのモード選択信号LM1,LM2を設定する。内部回路は、インターフェース部125が受ける電源電圧VDDHが1Vのとき、モード選択信号LM1,LM2をそれぞれHレベルおよびLレベルに設定し、電源電圧VDDHが1Vと従来電圧との中間電圧(たとえば2V)のとき、モード選択信号LM1,LM2をそれぞれLレベルおよびHレベルに設定する。また、内部回路は、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき、モード選択信号LM1,LM2をいずれもLレベルに設定する。
【0188】
ベース駆動回路51,52は、薄膜トランジスタで構成され、電源電圧VDDを受けて動作する。ベース駆動回路51,52は、入力ノードCに入力されるモード選択信号LM1がHレベルのときに活性化され、入力ノードDに入力される信号に応じて出力ノードUを駆動する。ベース駆動回路51,52は、入力ノードCに入力されるモード選択信号LM1がLレベルのときは、入力ノードDに入力される信号の状態に拘わらず、出力ノードUをハイインピーダンスに設定する。
【0189】
コア部115のその他の回路構成は、図5に示したコア部113の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0190】
インターフェース部125は、図5に示したインターフェース部123の構成において、レベルシフト回路20をさらに含み、出力駆動回路133に代えて出力駆動回路135を含む。
【0191】
レベルシフト回路20は、コア部115の図示されない内部回路から出力されたモード選択信号LM1を受け、電源電圧VDDHに応じて電位振幅を変換したモード選択信号LM1*を出力駆動回路135へ出力する。
【0192】
出力駆動回路135は、出力駆動回路133の構成において、NANDゲートG5およびインバータG6に代えて、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2のベースノードを駆動するベース駆動回路53を含み、NチャネルMOSトランジスタN2のゲートは接地ノードに接続される。また、出力駆動回路135は、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1のベースノードを駆動するベース駆動回路54を含む。
【0193】
さらに、出力駆動回路135は、出力駆動回路133の構成において、PチャネルMOSトランジスタP3に代えて、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1のベースノードをHレベル(VDDH)に駆動するプルアップ回路55と、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1,QN2のベースノードをLレベル(GND)に駆動するための信号を出力するプルダウン回路56とを含む。
【0194】
また、さらに、出力駆動回路135は、プルダウン回路56の出力を受け、その受けた信号がHレベルのとき、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2,QN1のベースノードをそれぞれLレベルに駆動するNチャネルMOSトランジスタN4,N5を含む。また、さらに、出力駆動回路135においては、NANDゲートG10は、インバータ24の出力およびモード選択信号LM1*を受ける。
【0195】
これらのベース駆動回路53,54、プルアップ回路55、プルダウン回路56およびNチャネルMOSトランジスタN4,N5は、インターフェース部125に含まれることから、いずれも厚膜トランジスタで構成され、電源電圧VDDHを受けて動作する。
【0196】
ベース駆動回路53,54は、入力ノードCに入力される、レベルシフト回路16によってモード選択信号LM2の電位振幅が変換されたモード選択信号LM2*がHレベルのときに活性化され、入力ノードDに入力される信号に応じて出力ノードUを駆動する。ベース駆動回路53,54は、入力ノードCに入力されるモード選択信号LM2*がLレベルのときは、入力ノードDに入力される信号の状態に拘わらず、出力ノードUをハイインピーダンスに設定する。
【0197】
プルダウン回路56は、モード選択信号LM1*,LM2*がいずれもLレベルのとき、すなわち、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき、ノードND28にHレベルの信号を出力し、モード選択信号LM1*,LM2*の少なくとも一方がHレベルのとき、ノードND28にLレベルの信号を出力する。これによって、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき、NチャネルMOSトランジスタN4,N5はONし、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2,QN1のベースノードであるノードND4,ND3は、Lレベルにプルダウンされる。
【0198】
プルアップ回路55は、入力ノードin2に入力されるノードND28上の信号がHレベルのとき、ノードND2をHレベル(VDDH)にプルアップする。また、プルアップ回路55は、モード選択信号LM2*がHレベルであり、かつ、入力ノードin1に入力されるノードND27上の信号がHレベルのとき、すなわち、電源電圧VDDHが中間電圧(2V)であってPチャネルMOSトランジスタP1がOFFするときは、ノードND2をHレベル(VDDH)にプルアップする。
【0199】
一方、モード選択信号LM1*がHレベルであり、かつ、ノードND27上の信号がHレベルであるとき、すなわち、電源電圧VDDHが1VであってPチャネルMOSトランジスタP1がOFFするとき、NANDゲートG10の出力はLレベルとなる。したがって、コア部115に含まれるPチャネルMOSトランジスタP2がONし、PチャネルMOSトランジスタP2は、ノードND2をHレベル(VDDH)にプルアップする。
【0200】
すなわち、電源電圧VDDHが低電圧(1V)であるときは、薄膜トランジスタであるPチャネルMOSトランジスタP2によってノードND2はHレベル(VDDH)にプルアップされ、電源電圧VDDHが中間電圧(2V)であるときは、厚膜トランジスタで構成されるプルアップ回路55によってノードND2はHレベル(VDDH)にプルアップされる。
【0201】
なお、出力駆動回路135のその他の回路構成は、図5に示した出力駆動回路133の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0202】
図8は、ベース駆動回路51〜54の構成を示す回路図である。図8を参照して、ベース駆動回路51〜54は、入力ノードC,D上の信号を受けるNANDゲート62と、入力ノードC上の信号を反転するインバータ66と、入力ノードD上の信号およびインバータ66の出力を受けるNORゲート64と、電源ノードおよび出力ノードUに接続され、NANDゲート62の出力をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタP11と、出力ノードUおよび接地ノードに接続され、NORゲート64の出力をゲートに受けるNチャネルMOSトランジスタN11とからなる。
【0203】
なお、ベース駆動回路51,52においては、PチャネルMOSトランジスタP11は電源ノードVDDに接続される。一方、ベース駆動回路53,54においては、PチャネルMOSトランジスタP11は電源ノードVDDHに接続される。
【0204】
ベース駆動回路51〜54は、入力ノードC上の信号がHレベルであるときに活性化され、入力ノードD上の信号がHレベルのとき、NANDゲート62,NORゲート64の出力はいずれもLレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP11およびNチャネルMOSトランジスタN11はそれぞれON,OFFし、出力ノードUはHレベルに駆動される。一方、入力ノードD上の信号がLレベルのときは、NANDゲート62,NORゲート64の出力はいずれもHレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP11およびNチャネルMOSトランジスタN11はそれぞれOFF,ONし、出力ノードUはLレベルに駆動される。
【0205】
図9は、プルアップ回路55の構成を示す回路図である。図9を参照して、プルアップ回路55は、入力ノードin2上の信号を反転するインバータG14と、電源ノードVDDHおよび出力ノードout1に接続され、インバータG14の出力をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタP13と、モード選択信号LM2*および入力ノードin1上の信号を受けるNANDゲートG13と、電源ノードVDDHおよび出力ノードout1に接続され、NANDゲートG13の出力をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタP12とからなる。
【0206】
プルアップ回路55においては、入力ノードin2上の信号がHレベルのとき、PチャネルMOSトランジスタP13はONし、出力ノードout1をHレベル(VDDH)にプルアップする。また、モード選択信号LM2*および入力ノードin1上の信号がいずれもHレベルのとき、NANDゲートG13の出力はLレベルとなるので、PチャネルMOSトランジスタP12はONし、出力ノードout1をHレベル(VDDH)にプルアップする。
【0207】
図10は、プルダウン回路56の構成を示す回路図である。図10を参照して、プルダウン回路56は、NORゲートG15からなる。プルダウン回路56は、モード選択信号LM1*,LM2*のいずれもLレベルであるとき、出力ノードout2へHレベルの信号を出力する。
【0208】
再び図7を参照して、以下、この半導体装置105の動作について説明する。
(1)電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき
コア部115の図示されない内部回路は、モード選択信号LM1,LM2をいずれもLレベルに設定する。したがって、プルダウン回路56の出力はHレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタN4,N5がONするので、ノードND4,ND3がLレベルにプルダウンされ、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2,QN1はいずれもONしない。また、プルアップ回路55の入力ノードin2にHレベルの信号が入力されるので、ノードND2は、プルアップ回路55によってHレベル(VDDH)にプルアップされ、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0209】
以上により、電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のときは、寄生バイポーラはいずれもONせず、PチャネルMOSトランジスタP1およびNチャネルMOSトランジスタN1は、それぞれ通常のPチャネルMOSトランジスタおよびNチャネルMOSトランジスタとして動作する。
【0210】
(2)電源電圧VDDHが低電圧(1V)のとき
このときは、内部回路は、モード選択信号LM1,LM2をそれぞれHレベル,Lレベルに設定するので、薄膜トランジスタで構成されるベース駆動回路51,52が活性化される。
【0211】
半導体装置105がHレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、ベース駆動回路51の入力ノードDはHレベルとなるので、ベース駆動回路51の出力はHレベルとなる。また、プルダウン回路56の出力はLレベルであるので、NチャネルMOSトランジスタN4はOFFする。さらに、モード選択信号LM2*はLレベルであるので、ベース駆動回路53の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND4は、ベース駆動回路51によってHレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2が高速にONする。
【0212】
また、プルダウン回路56およびインバータ24の出力はいずれもLレベルとなるので、プルアップ回路55はノードND2をHレベルにプルアップせず、さらに、NANDゲートG10の出力がHレベルとなることからPチャネルMOSトランジスタP2もONしないので、ノードND2がHレベルにプルアップされることはない。したがって、ノードND2は、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2によって高速にLレベルにプルダウンされ、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1が高速にONする。
【0213】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、ベース駆動回路52の入力ノードDはLレベルとなるので、ベース駆動回路52の出力はLレベルとなる。また、モード選択信号LM2*はLレベルであるので、ベース駆動回路54の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND3は、ベース駆動回路52によってLレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0214】
以上により、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1が高速にONすることによって、出力ノードND1は高速にHレベルに駆動される。
【0215】
半導体装置105がLレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、ベース駆動回路51の入力ノードDはLレベルとなるので、ベース駆動回路51の出力はLレベルとなる。また、モード選択信号LM2*はLレベルであるので、ベース駆動回路53の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND4は、ベース駆動回路51によってLレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2はONしない。
【0216】
また、プルダウン回路56の出力はLレベルであり、また、モード選択信号LM2*がLレベルであるので、プルアップ回路55はノードND2をHレベルにプルアップしない。一方、モード選択信号LM1*はHレベルであり、また、インバータ24の出力もHレベルであるので、NANDゲートG10の出力はLレベルとなり、PチャネルMOSトランジスタP2がONする。したがって、ノードND2は、薄膜トランジスタであるPチャネルMOSトランジスタP2によって高速にHレベルにプルアップされ、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1は高速にOFFする。
【0217】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はHレベルとなるので、ベース駆動回路52の入力ノードDはHレベルとなり、ベース駆動回路52の出力はHレベルとなる。また、プルダウン回路56の出力はLレベルであり、NチャネルMOSトランジスタN5はOFFする。さらに、モード選択信号LM2*はLレベルであるので、ベース駆動回路54の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND3は、薄膜トランジスタで構成されるベース駆動回路52によって高速にHレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1は高速にONする。
【0218】
以上により、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1が高速にONすることによって、出力ノードND1は高速にLレベルに駆動される。
【0219】
半導体装置105がデータを出力しないときは、出力イネーブル信号ENがLレベルに設定されるため、ベース駆動回路51,52の入力ノードDはいずれもLレベルとなり、ベース駆動回路51,52の出力は、いずれもLレベルとなる。また、ベース駆動回路53,54の出力ノードは、いずれもハイインピーダンスである。したがって、ノードND4,ND3は、それぞれベース駆動回路51,52によってLレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2,QN1はいずれもONしない。また、インバータ24の出力およびモード選択信号LM1*はいずれもHレベルであるので、NANDゲートG10の出力はLレベルとなり、PチャネルMOSトランジスタP2がONする。したがって、ノードND2は、PチャネルMOSトランジスタP2によってHレベルに駆動されるので、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0220】
出力イネーブル信号ENがLレベルであるとき、PチャネルMOSトランジスタP1,NチャネルMOSトランジスタN1がいずれもOFFするのは、上述した各実施の形態と同じである。
【0221】
以上により、PチャネルMOSトランジスタP1、NチャネルMOSトランジスタN2、および全ての寄生バイポーラはいずれもOFFするので、出力ノードND1はハイインピーダンスとなる。
【0222】
このように、電源電圧VDDHが低電圧(1V)のときは、各寄生バイポーラは、薄膜トランジスタで構成されるベース駆動回路51,52およびPチャネルMOSトランジスタP2によって高速に駆動される。
【0223】
(3)電源電圧VDDHが中間電圧(2V)のとき
このときは、内部回路は、モード選択信号LM1,LM2をそれぞれLレベル,Hレベルに設定するので、厚膜トランジスタで構成されるベース駆動回路53,54が活性化される。
【0224】
半導体装置105がHレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はLレベルとなり、インバータ22の出力はHレベルとなるので、ベース駆動回路53の入力ノードDはHレベルとなり、ベース駆動回路53の出力はHレベルとなる。また、プルダウン回路56の出力はLレベルであり、NチャネルMOSトランジスタN4はOFFする。さらに、モード選択信号LM1はLレベルであるので、ベース駆動回路51の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND4は、ベース駆動回路53によって適切な条件でHレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2が高速にONする。
【0225】
また、プルダウン回路56およびインバータ24の出力はいずれもLレベルとなるので、プルアップ回路55はノードND2をHレベルにプルアップせず、さらに、NANDゲートG10の出力がHレベルとなることからPチャネルMOSトランジスタP2もONしないので、ノードND2がHレベルにプルアップされることはない。したがって、ノードND2は、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2によって高速にLレベルにプルダウンされ、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1が高速にONする。
【0226】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はLレベルとなり、レベルシフト回路18の出力がLレベルとなるので、ベース駆動回路54の入力ノードDはLレベルとなり、ベース駆動回路54の出力はLレベルとなる。また、モード選択信号LM1はLレベルであるので、ベース駆動回路52の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND3は、ベース駆動回路54によってLレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1はONしない。
【0227】
以上により、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1が高速にONすることによって、出力ノードND1は高速にHレベルに駆動される。
【0228】
半導体装置105がLレベルのデータを出力するときは、PチャネルMOSトランジスタP1側では、NANDゲートG1の出力はHレベルとなり、インバータ22の出力はLレベルとなるので、ベース駆動回路53の入力ノードDはLレベルとなり、ベース駆動回路53の出力はLレベルとなる。また、モード選択信号LM1はLレベルであるので、ベース駆動回路51の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND4は、ベース駆動回路53によってLレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN2はONしない。
【0229】
また、モード選択信号LM1*はLレベルであるので、NANDゲートG10の出力はHレベルとなり、PチャネルMOSトランジスタP2はOFFする。一方、インバータ24の出力およびモード選択信号LM2*がいずれもHレベルであるので、プルアップ回路55はノードND2をHレベルにプルアップする。したがって、ノードND2は、厚膜トランジスタで構成されるプルアップ回路55によって適切な条件でHレベルにプルアップされ、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1は高速にOFFする。
【0230】
一方、NチャネルMOSトランジスタN1側では、NORゲートG2の出力はHレベルとなり、レベルシフト回路18の出力はHレベルとなるので、ベース駆動回路54の入力ノードDはHレベルとなり、ベース駆動回路54の出力はHレベルとなる。また、プルダウン回路56の出力はLレベルであり、NチャネルMOSトランジスタN5はOFFする。さらに、モード選択信号LM1はLレベルであるので、ベース駆動回路52の出力ノードUはハイインピーダンスである。したがって、ノードND3は、厚膜トランジスタで構成されるベース駆動回路54によって適切な条件でHレベルに駆動され、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1は高速にONする。
【0231】
以上により、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1が高速にONすることによって、出力ノードND1はLレベルに高速に駆動される。
【0232】
半導体装置105がデータを出力しないときは、出力イネーブル信号ENがLレベルに設定されるため、ベース駆動回路53,54の入力ノードDはいずれもLレベルとなり、ベース駆動回路53,54の出力は、いずれもLレベルとなる。また、ベース駆動回路51,52の出力ノードは、モード選択信号LM1がLレベルであるため、いずれもハイインピーダンスである。したがって、NPN寄生バイポーラトランジスタQN1,QN2はいずれもONしない。
【0233】
また、モード選択信号LM1*はLレベルであるので、NANDゲートG10の出力はHレベルとなり、PチャネルMOSトランジスタP2はOFFする。一方、インバータ24の出力およびモード選択信号LM2*はいずれもHレベルであるので、プルアップ回路55は、ノードND2をHレベルにプルアップする。したがって、ノードND2は、厚膜トランジスタで構成されるプルアップ回路55によってHレベルにプルアップされ、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1はONしない。
【0234】
出力イネーブル信号ENがLレベルであるとき、PチャネルMOSトランジスタP1,NチャネルMOSトランジスタN1がいずれもOFFするのは、上述した各実施の形態と同じである。
【0235】
以上により、PチャネルMOSトランジスタP1、NチャネルMOSトランジスタN2、および全ての寄生バイポーラはいずれもOFFするので、出力ノードND1はハイインピーダンスとなる。
【0236】
このように、電源電圧VDDHが中間電圧(2V)のときは、各寄生バイポーラは、厚膜トランジスタで構成されるベース駆動回路53,54およびプルアップ回路55によって、適切な条件で高速に駆動される。
【0237】
なお、上述した説明では、低電圧動作時の電源電圧VDDHは1Vに設定され、中間電圧動作時の電源電圧VDDHは2Vに設定される場合について説明したが、これらの電圧は、1Vおよび2Vに限定されることはなく、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1,QN2がONする最小電圧(約0.8V)から従来電圧(3V系)より小さい範囲で適切に設定される。
【0238】
以上のように、この実施の形態6による半導体装置105によれば、インターフェース部135が受ける電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)よりも低い場合、電源電圧VDDHに合わせて出力ドライバの駆動力を適切に選択できるようにしたので、電源電圧VDDHに応じた適切な条件で寄生バイポーラを駆動でき、出力ノードND1を最適な条件で駆動できる。
【0239】
[実施の形態7]
実施の形態1〜6では、モード選択信号LMまたはLM1,LM2は外部から受ける指示に基づいて、上述した内部回路によって設定されるものとしているが、実施の形態7による半導体装置は、インターフェース部が受ける電源電圧VDDHに基づいてモード選択信号LMまたはLM1,LM2を内部で自動的に発生する。
【0240】
実施の形態7による半導体装置の全体構成は、図2に示した実施の形態1による半導体装置100の全体構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0241】
図11は、この実施の形態7による半導体装置に備えられるモード選択回路の構成を示す回路図である。
【0242】
図11を参照して、モード選択回路200は、図示されないコア部110の内部回路に含まれる。モード選択回路200は、電源電圧VDDHおよび参照電圧VREFを受け、その比較結果に応じてモード選択信号LMを出力するアンプG16からなる。
【0243】
アンプG16は、電源電圧VDDHを参照電圧VREFと比較し、電源電圧VDDHが参照電圧VREFより小さいとき、Hレベル(VDD)のモード選択信号を出力する。参照電圧VREFには、たとえばインターフェース部120を1Vの低電圧で動作させる場合は、1Vより大きく従来電圧(3V系)より小さい電圧が設定される。
【0244】
また、図12は、この実施の形態7による半導体装置に備えられるモード選択回路の他の構成を示す回路図である。
【0245】
図12を参照して、モード選択回路200Aは、モード選択回路200において、参照電圧VDDに代えてコア部110の電源電圧VDDを受ける。
【0246】
モード選択回路200Aにおいては、アンプG16は、インターフェース部120の電源電圧VDDHをコア部110の電源電圧VDDと比較し、電源電圧VDDHが電源電圧VDDより小さいとき、Hレベル(VDD)のモード選択信号を出力する。たとえば、コア部110の電源電圧VDDが1.5V、インターフェース部の電源電圧VDDHが1Vのとき、モード選択信号200AはHレベルのモード選択信号を出力する。
【0247】
なお、このモード選択回路200,200Aは、実施の形態2〜5による半導体装置101〜104においても備えることができ、モード選択回路200は、実施の形態6による半導体装置105においても備えることができる。ただし、実施の形態6においては、2つのモード選択信号LM1,LM2が必要であるため、モード選択信号LM1,LM2を発生するモード選択回路200を2つ備え、それぞれに適切な参照電圧VREFを与えればよい。
【0248】
以上のように、実施の形態7による半導体装置によれば、インターフェース部の電源電圧VDDHを参照電圧またはコア部の電源電圧VDDと比較してモード選択信号LMを内部で自動的に発生するようにしたので、外部からモード選択信号LMを受けるための配線が不要になる。
【0249】
[実施の形態8]
実施の形態1による半導体装置100では、モード選択信号LMはコア部110に含まれる内部回路において生成されるが、実施の形態8による半導体装置では、モード選択信号LMは半導体装置の外部から端子を介して設定される。
【0250】
図13は、実施の形態8による半導体装置100Aのデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【0251】
図13を参照して、半導体装置100Aは、コア部110Aと、インターフェース部120Aとを備える。
【0252】
コア部110Aは、モード選択信号LMをインターフェース部120Aへ出力しない点において、図2に示した実施の形態1による半導体装置100のコア部110と異なる。コア部110Aのその他の回路構成は、コア部110の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0253】
インターフェース部120Aは、図2に示した実施の形態1による半導体装置100におけるインターフェース部120の構成において、レベルシフト回路16を含まず、また、出力駆動回路130に代えて出力駆動回路130Aを含む。
【0254】
出力駆動回路130Aは、実施の形態1による半導体装置100における出力駆動回路130の構成と基本的に同じであるが、NANDゲートG5,G3が、コア部110Aに含まれる内部回路からモード選択信号LMを受けるのではなく、外部端子Tを介して半導体装置100Aの外部から設定されるモード選択信号LMを受ける点において、出力駆動回路130と異なる。出力駆動回路130Aのその他の回路構成については、出力駆動回路130の回路構成と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0255】
半導体装置100Aにおいては、インターフェース部120Aが受ける電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき、Lレベル(GND)のモード選択信号LMが外部端子Tから入力され、インターフェース部120Aが受ける電源電圧VDDHが低電圧(1V系)のとき、Hレベル(VDDH)のモード選択信号LMが外部端子Tから入力される。
【0256】
これによって、出力駆動回路130Aは、実施の形態1による半導体装置130と同様に機能し、電源電圧VDDHが通常電圧(3V系)のときは、従来と同様の動作を行ない、電源電圧VDDHが低電圧(1V系)のときは、PNP寄生バイポーラトランジスタQP1およびNPN寄生バイポーラトランジスタQN1によって出力ノードND1を高速に充放電するので、インターフェース部120Aの電源電圧VDDHが低電圧であっても、出力駆動回路130Aは高速に動作する。
【0257】
なお、外部端子Tから入力されるモード選択信号LMは、インターフェース部120Aが受ける電源電圧VDDHが従来電圧(3V系)のとき、Hレベル(VDDH)であり、インターフェース部120Aが受ける電源電圧VDDHが低電圧(1V系)のとき、Lレベル(GND)であってもよい。この場合は、外部端子TとNANDゲートG5,G3との間にインバータが挿入され、論理の整合が図られる。
【0258】
以上のように、この実施の形態8による半導体装置100Aによれば、インターフェース部120Aの電源電圧VDDHが低電圧のとき、外部端子Tから入力されるモード選択信号LMに基づいて、出力トランジスタの寄生バイポーラを出力データに応じて駆動するようにしたので、実施の形態1による半導体装置100と同様に、寄生バイポーラによって出力ノードND1の駆動力が補われ、電源電圧VDDHが低電圧であってもインターフェース部120Aは速度が劣化することなく動作する。
【0259】
また、この実施の形態8による半導体装置100Aによっても、インターフェース部の電圧が従来電圧(3V系)の場合と低電圧の場合とに対応できるので、ボードに組込むことができる論理デバイスの電圧制限が無くなり、コストを削減できる。
【0260】
さらに、この実施の形態8による半導体装置100Aによっても、インターフェース部120Aの電源電圧VDDHを低電圧化できるので、電源電圧VDDHを1Vとした場合、従来電圧を3Vとした場合と比べて、インターフェース部120の消費電力は、1/9に低減される。
【0261】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による半導体装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1による半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【図3】実施の形態2による半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【図4】実施の形態3による半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【図5】実施の形態4による半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【図6】実施の形態5による半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【図7】実施の形態6による半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【図8】図7に示すベース駆動回路の構成を示す回路図である。
【図9】図7に示すプルアップ回路の構成を示す回路図である。
【図10】図7に示すプルダウン回路の構成を示す回路図である。
【図11】実施の形態7による半導体装置に備えられるモード選択回路の構成を示す回路図である。
【図12】実施の形態7による半導体装置に備えられるモード選択回路の他の構成を示す回路図である。
【図13】実施の形態8による半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【図14】従来の半導体装置のデータ出力に関する部分を説明するための回路図である。
【符号の説明】
12,22〜30,66,510,522〜528,G4,G6,G7,G9,G12,G14 インバータ、14〜20,512,514 レベルシフト回路、51〜54 ベース駆動回路、55 プルアップ回路、56 プルダウン回路、62,G1,G3,G5,G8,G10,G11,G13,G51 NANDゲート、64,G2,G15,G52 NORゲート、100,100A,101〜105,500 半導体装置、110,110A,111,113,115,501 コア部、120,120A,121〜125,502 インターフェース部、130,130A,131〜133,135,516 出力駆動回路、200,200A モード選択回路、G16 アンプ、P1〜P3,P11〜P13,P51 PチャネルMOSトランジスタ、N1〜N5,N11,N51NチャネルMOSトランジスタ、QP1 PNP寄生バイポーラトランジスタ,QN1,QN2 NPN寄生バイポーラトランジスタ、CL,CN,CP,CL1 負荷容量、ND1,ND51 出力ノード、ND2〜ND28 ノード、S1〜S5 スイッチ。

Claims (19)

  1. 第1の膜厚を有するゲート酸化膜によって形成されるMOSトランジスタで構成され、第1の電源電圧を受けて動作するコア部と、
    前記第1の膜厚より厚い第2の膜厚を有するゲート酸化膜によって形成されるMOSトランジスタで構成され、第2の電源電圧を受けて動作するインターフェース部とを備え、
    前記コア部は、内部信号を前記インターフェース部へ出力する内部回路を含み、
    前記インターフェース部は、
    出力ノードに接続され、前記内部信号に応じて前記出力ノードを駆動する出力MOSトランジスタと、
    前記第2の電源電圧の電圧レベルに基づいて設定されるモード選択信号によって低電圧動作モードが選択されているとき、前記出力MOSトランジスタに寄生して構成される寄生バイポーラトランジスタを前記出力MOSトランジスタの動作に応じて活性化する活性化回路とを含む、半導体装置。
  2. 前記出力MOSトランジスタは、
    前記内部信号に応じて前記出力ノードをハイレベルに相当する電位に駆動するPチャネルMOSトランジスタと、
    前記内部信号に応じて前記出力ノードをローレベルに相当する電位に駆動するNチャネルMOSトランジスタとからなり、
    前記寄生バイポーラトランジスタは、
    前記PチャネルMOSトランジスタに寄生して構成されるPNP寄生バイポーラトランジスタと、
    前記NチャネルMOSトランジスタに寄生して構成されるNPN寄生バイポーラトランジスタとからなる、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記PNP寄生バイポーラトランジスタは、前記内部信号に応じて前記PチャネルMOSトランジスタの基板から電荷が放電されることによってONし、
    前記NPN寄生バイポーラトランジスタは、前記内部信号に応じて前記NチャネルMOSトランジスタの基板に電荷が供給されることによってONする、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記コア部は、充放電駆動回路をさらに含み、
    前記充放電駆動回路は、前記低電圧動作モードが選択されているとき、前記内部信号に応じて前記NPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する、請求項2に記載の半導体装置。
  5. 前記充放電駆動回路は、前記内部信号に応じて前記NチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、前記NPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記コア部は、前記低電圧動作モードが選択されているとき、前記寄生バイポーラトランジスタを前記出力MOSトランジスタの動作に応じて活性化するもう1つの活性化回路をさらに含み、
    前記もう1つの活性化回路は、充電駆動回路からなり、
    前記活性化回路は、放電駆動回路からなり、
    前記低電圧動作モードが選択されているとき、
    前記充電駆動回路は、前記内部信号に応じて前記PNP寄生バイポーラトランジスタをOFFし、
    前記放電駆動回路は、前記内部信号に応じて前記PNP寄生バイポーラトランジスタをONする、請求項2に記載の半導体装置。
  7. 前記充電駆動回路は、前記内部信号に応じて前記PチャネルMOSトランジスタの基板に電荷を供給することによって、前記PNP寄生バイポーラトランジスタをOFFし、
    前記放電駆動回路は、前記内部信号に応じて前記PチャネルMOSトランジスタの基板から電荷を放電することによって、前記PNP寄生バイポーラトランジスタをONする、請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記活性化回路は、もう1つの充電駆動回路をさらに含み、
    前記もう1つの充電駆動回路は、前記低電圧動作モードが選択されているとき、前記内部信号の電圧レベルに拘わらず前記PNP寄生バイポーラトランジスタをOFFする、請求項6に記載の半導体装置。
  9. 前記もう1つの充電駆動回路は、前記PチャネルMOSトランジスタの基板に電荷を供給することによって、前記PNP寄生バイポーラトランジスタをOFFする、請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記放電駆動回路は、
    もう1つのNチャネルMOSトランジスタと、
    前記もう1つのNチャネルMOSトランジスタの動作に応じて、前記もう1つのNチャネルMOSトランジスタに寄生して構成されるもう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタとからなる、請求項6に記載の半導体装置。
  11. 前記もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタは、前記もう1つのNチャネルMOSトランジスタの基板にゲート端子が接続されることによって構成される、請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記もう1つの活性化回路は、充放電駆動回路をさらに含み、
    前記充放電駆動回路は、前記低電圧動作モードが選択されているとき、前記内部信号に応じて前記もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する、請求項10に記載の半導体装置。
  13. 前記充放電駆動回路は、前記内部信号に応じて前記もう1つのNチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、前記もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する、請求項12に記載の半導体装置。
  14. 前記もう1つのNチャネルMOSトランジスタのゲート端子は、接地ノードに接続される、請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記もう1つの活性化回路は、
    前記低電圧動作モードが選択されているとき、前記内部信号に応じて前記NPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第1のベース駆動回路と、
    前記低電圧動作モードが選択されているとき、前記内部信号に応じて前記もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第2のベース駆動回路とをさらに含み、
    前記活性化回路は、
    前記低電圧動作モード時の電圧よりも高い電圧で動作するもう1つの低電圧動作モードが前記モード選択信号によって選択されているとき、前記内部信号に応じて前記NPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第3のベース駆動回路と、
    前記もう1つの低電圧動作モードが選択されているとき、前記内部信号に応じて前記もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する第4のベース駆動回路とをさらに含む、請求項10に記載の半導体装置。
  16. 前記第1および第3のベース駆動回路は、前記内部信号に応じて前記NチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、前記NPN寄生バイポーラトランジスタを駆動し、
    前記第2および第4のベース駆動回路は、前記内部信号に応じて前記もう1つのNチャネルMOSトランジスタの基板に対して電荷を充放電することによって、前記もう1つのNPN寄生バイポーラトランジスタを駆動する、請求項15に記載の半導体装置。
  17. 前記内部回路から受ける信号の電位振幅を前記第2の電源電圧に対応した電位振幅に変換するレベル変換回路と、
    前記内部回路から受ける信号と、前記レベル変換回路によって電位振幅が変換された信号とを受けるスイッチ回路とをさらに備え、
    前記スイッチ回路は、
    前記低電圧動作モードが選択されているとき、前記内部回路から受ける信号をそのまま前記インターフェース部へ出力し、
    前記低電圧動作モードが選択されていないとき、前記レベル変換回路によって電位振幅が変換された信号を前記インターフェース部へ出力する、請求項1に記載の半導体装置。
  18. 前記内部回路は、前記モード選択信号を生成して前記インターフェース部へ出力するモード選択回路を含み、
    前記モード選択回路は、前記第2の電源電圧を受け、前記第2の電源電圧を基準電圧と比較し、前記第2の電源電圧が前記基準電圧よりも低いとき、前記モード選択信号を出力する、請求項1に記載の半導体装置。
  19. 前記基準電圧は、前記第1の電源電圧である、請求項18に記載の半導体装置。
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