JP2004014671A - コイル部品の継線構造及び方法 - Google Patents

コイル部品の継線構造及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】巻線端末のワイヤ被覆の熱劣化や線細り等の品質の問題がなく、継線部の高さも低く、ワイヤ引出方向の寸法も小さくでき、しかも継線部の端子強度も問題が無く、溶接状態のバラツキが少なく、歩留まり良く安価に作製可能なコイル部品を提供する。
【解決手段】端子金具20の端部電極に巻線端末30aを継線する場合に、端子金具20は、本体の一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部23とで略U形状を成した継線部22を有し、折り返し部23の上面部分のみにスリット24を形成して仮止め部25と溶接部26とに分け、前記略U形状の継線部22に通された巻線端末30aを、溶接部26の手前側に位置する仮止め部25で挟持し、巻線端末30aと溶接部26とをレーザやアーク等の溶接で溶融接続する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気コアやボビンに巻線を施したEMCフィルタ等のコイル部品に係り、特に使用環境の厳しい自動車等に好適で、磁気コアやボビンに端部電極となる端子金具を装着したものに巻線を行い、継線を溶接で行う場合に、巻線端末と端部電極との継線構造部分の信頼性向上が図れるコイル部品の継線構造及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のコイル部品としては、図6に示されるように、角ドラムタイプの磁気コア(フェライトコア等)1に銀ペーストを焼き付けた後、Snめっき処理して端部電極2とし、前記磁気コア1に巻線3を設け、前記巻線3の端末を熱圧着により端部電極2に接続して表面実装型のコイル部品を構成したものがある。
【0003】
また、他の表面実装型のコイル部品としては、図7(A),(B)に示されるように、角ドラムタイプの磁気コア1にL字状の端子金具5を接着、貼り付けして端部電極とし、前記磁気コア1に巻線3を設け、前記巻線3の端末を端子金具5の絡げ部5aに絡げてレーザやアーク溶接にて接続したものがある。
【0004】
さらに、図8(A)のように端部電極としての端子金具6に、その本体の一部6aと当該本体の一部6aに対して庇状に折り返された折り返し部6bとで略U形状を成した継線部7を設け、巻線端末3aのワイヤを略U形状の継線部7に通し、折り返し部6bをかしめた後、同図(B)のように溶接接続する構成がある。
【0005】
また、本発明者が従来考慮した構造として、図9(A)のように端部電極としての端子金具6に、その本体の一部6aと当該本体の一部6aに対して庇状に折り返された折り返し部6bとで略U形状を成した継線部7を設け、さらに折り返し部6bを基部にまで達するスリット8で仮止め部7aと溶接部7bとに分離したものがある。この場合、巻線端末3aのワイヤを略U形状の継線部7に通し、仮止め部7aをかしめた後、図9(B)のように溶接部7bと巻線端末3aとを溶接接続する。
【0006】
なお、図10は小型製品の端子金具であって、端子金具6のワイヤ引出方向の長さLを大きくとれない場合に本発明者が従来考慮した構造であり、溶接部7bの基部(根本)の幅よりも上面部分の幅を大きくしたものである(図9と同一又は相当部分に同一符号を付した)。巻線端末の溶接接続は図9の場合と同様に行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図6の表面実装型コイル部品は、熱圧着により巻線端末を端部電極に接続しているが、熱圧着は基本的に端部電極のSn部と巻線ワイヤの銅部との溶融接続となっており、とくに相手側基板に対する鉛フリーの比較的高温のリフロー実装時にSn部が溶融してしまうため、接続信頼性に問題があった。
【0008】
また、図7(A),(B)の端子金具5の絡げ部5aに巻線端末を絡げてレーザやアーク溶接にて接続する場合、巻線端末のワイヤ被覆の熱劣化や線細り(溶接時の熱が巻線端末に伝導するため)、テンション(テンションがワイヤにかかっていると断線の問題がある)等の品質の問題と製品高さが大きくなる問題があった。
【0009】
図8の巻線端末3aのワイヤを継線部7のかしめによって係止し溶接で固定する構造は、製品高さは低くできるが、巻線端末のワイヤ被覆の熱劣化や線細りの問題があった。
【0010】
図9の継線部7の折り返し部6bを仮止め部7aと溶接部7bとに分割する構造は、巻線端末3aを挟持する仮止め部7aでワイヤが固定されるとともに溶接時の熱が放熱されるため、ワイヤ被覆の熱劣化は軽減できるが、端子金具6のワイヤ引出方向の長さを十分確保する必要があり、ワイヤ引出方向の小型化に対応できない。
【0011】
また、図10のように端子金具6のワイヤ引出方向の長さLを小さくしたときは、溶接部7bの基部の幅が極めて狭くなり継線部7の端子強度に問題があった。例えば、前記長さLが0.5mm程度の場合、折り返し部6bの基部は0.35mm程度しか確保できず、スリット8の幅を0.1mmとすると、仮止め部7aと溶接部7bの基部の幅は各々0.125mmとなり、細くて弱く、最悪の場合に折損してしまう恐れがある。
【0012】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであって、特に自動車等の使用環境の厳しい場合でも、巻線端末のワイヤ被覆の熱劣化や線細り等の品質の問題がなく、継線部の高さも低く、ワイヤ引出方向の寸法も小さくでき、しかも継線部の端子強度も問題が無く、溶接状態のバラツキが少なく安定した作業ができるため、歩留まりが良く安価に作製可能なコイル部品の継線構造及び方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、端子金具の端部電極に巻線端末を継線するコイル部品の継線構造において、
前記端部電極は、本体の一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部とで略U形状を成した継線部を有し、前記折り返し部の上面部分のみにスリットを形成して仮止め部と溶接部とに分け、前記略U形状の継線部に通された前記巻線端末を、前記溶接部の手前側に位置する前記仮止め部で挟持し、前記巻線端末と前記溶接部とをレーザやアーク等の溶接で溶融接続したことを特徴としている。
【0015】
本願請求項2の発明は、端子金具の端部電極に巻線端末を継線するコイル部品の継線方法において、
前記端部電極は、本体の一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部とで略U形状を成した継線部を有し、前記折り返し部の上面部分のみにスリットを形成して仮止め部と溶接部とに分けておき、前記略U形状の継線部に前記巻線端末を挿通し、前記折り返し部をかしめて挟持した後、前記巻線端末と前記溶接部とをレーザやアーク等の溶接で溶融接続することを特徴としている。
【0016】
本願請求項3の発明に係るコイル部品の継線方法は、請求項2において、レーザビームが少なくとも前記巻線端末と前記溶接部の両方にかかるようにしてレーザ溶接を行うことを特徴としている。
【0017】
本願請求項4の発明に係るコイル部品の継線方法は、請求項3において、前記レーザビームの照射パターンが前記巻線端末の引出方向と交差する方向に長径を有する略楕円乃至長円形状であることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコイル部品の継線構造及び方法の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】
図1で本発明の第1の実施の形態を説明する。図1(A)は端子金具20を装着した磁気コア11に巻線30を施して巻線端末30aを端子金具20の継線部22にて圧着固定した状態の斜視図、同図(B)は前記端子金具20における継線部22の拡大斜視図であって、スリット24により仮止め部25と溶接部26とに分けられており、同図(C)は継線部20における溶接部26と巻線端末とを溶接した状態をそれぞれ示す。また、図2は第1の実施の形態で用いる端子金具20(但し、かしめる前の状態)を示す。
【0020】
ここで使用する磁気コア11は角ドラムタイプのフェライトコア(フェライト・ドラムコア)であり、図1(A)のように、巻芯部の両側に方形鍔12を形成したものである。なお、磁気コア11の形状寸法は、例えば長さが4.5mm、方形鍔横幅が3.2mm、その高さが2mm程度である。
【0021】
端子電極となる端子金具20は、燐青銅、真鍮等の銅合金であって、図2(A),(B),(C)のように、略コ字形状に折り曲げ成形されており、側面部20a、上面部20b及び底面部20c及び上下の折り返し部20dからなる本体を有している。また、側面部20aの内面には磁気コア11側抜け止め部(図示せず)に係合する金具側抜け止め部としてのポッチ部(内面側に突出した凸部)21が形成されている。
【0022】
さらに、図1(B)、図2(A),(B),(C)のように、本体の上面部20bに形成される継線部22は、本体の一部(つまり上面部20b)と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部23とで略U形状を成しており、折り返し部23の上面部分のみにスリット24を形成して仮止め部25と溶接部26とに分けている。溶接部26は折り返し部23の基部23aに比べて幅広に形成されている。前記端子金具20の板厚は0.08〜0.1mmであり、図2(C)に示す端子金具20のワイヤ引出方向の長さLが0.5mm程度の場合、折り返し部23の基部23aの幅が0.35mm程度となるが、スリット24(幅0.1mm程度)は折り返し部23の基部23aに達していないため、その基部23aの強度が損なわれることは無い。
【0023】
このような端子金具20は、磁気コア11の端面部、つまり方形鍔12に、その側方より挿入され、嵌合装着される。そして、磁気コア11の巻芯部の周囲に、ウレタン線等の絶縁被覆線を用いて巻線30が巻回され、各巻線30の巻線端末30aのワイヤは、方形鍔12に嵌合装着された端子金具20の継線部22の略U形状部分に通され、継線部22の折り返し部23(仮止め部25及び溶接部26)をかしめることで圧着固定される。この場合、ワイヤ先端は溶接部26を通過して溶接部26よりも僅かに突出する配置が好ましく、仮止め部25は、溶接部26で押さえられるワイヤ先端部より手前側を押さえる。
【0024】
その後、前記ワイヤ端末と端子金具20の継線部22との接続をレーザ溶接又はアーク溶接で行い、図1(C)のように、継線部22の溶接部26とワイヤ先端部とを溶融させて溶融接続部Kとして、継線部22とワイヤの導体部分(銅線部分)とを機械的及び電気的に接続する。このとき、仮止め部25は溶接されないで巻線端末30aのワイヤ押さえを継続するため、溶接部26が溶融してもワイヤの押さえが不安定になることはなく(ワイヤの位置ずれが発生せず)、また溶接部26からワイヤに伝わる熱を放熱する作用も果たすため、巻線30の本体部分のワイヤ被覆の熱劣化、線細りの問題も解消できる。
【0025】
それらにより、巻線30を磁気コア11に設け、端部電極としての端子金具20に巻線端末30aを溶接、接続した表面実装型コイル部品が得られる。
【0026】
この第1の実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0027】
(1) 磁気コア11に装着された端部電極としての端子金具20は、本体(上面部20b)の一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部23とで略U形状を成した継線部22を有し、折り返し部23の上面部分のみにスリット24を形成して仮止め部25と溶接部26とに分け、前記略U形状の継線部22に通された巻線端末30aを、仮止め部25(溶接部26の手前側に位置する)及び溶接部26で挟持して圧着固定し、巻線端末30aと溶接部26とをレーザやアーク等の溶接で溶融接続しており、環境に配慮して融点の高い鉛レスはんだを用いて表面実装型コイル部品を配線基板に装着する場合であっても、はんだ付け時に表面実装型コイル部品の巻線端末30aと端子金具20間の接合部分が溶融することはない。
【0028】
(2) 溶接部26は巻線端末30aのワイヤと溶接で接続されるが、仮止め部25は溶接されないで巻線端末30aのワイヤ押さえを継続するため、溶接部26が溶融してもワイヤの押さえが不安定になることはなく(ワイヤの位置ずれが発生せず)、また仮止め部25は溶接部26からワイヤに伝わる熱を放熱する作用も果たすため、巻線30の本体部分のワイヤ被覆の熱劣化、線細りの問題も解消できる。
【0029】
(3) 図9や図10の従来例においては、継線部の折り返し部を仮止め部と溶接部とに分けるスリットが略U形状の継線部の下面部にまで達しているため、端子金具のワイヤ引出方向の長さを小さくし、折り返し部の基部の幅が0.35mm程度しか確保できない場合、端子金具20の板厚0.08mm、スリット幅0.1mmで、仮止め部と溶接部の根本の幅がそれぞれ0.125mmとなり(ワイヤ径0.06〜0.08mm)、強度的に弱くなってしまい、信頼性に問題があった。また、溶融接続時の熱を、仮止め部で放熱させてワイヤ被覆やワイヤ自体の劣化を防止する訳であるが、前記仮止め部が小さく不十分となってしまう。本実施の形態においては、図1(B)や図2のように、継線部22の折り返し部23の上面部分のみにスリット24を形成しており、折れ易い根本部の幅は広くとれるため、強度確保が十分にとれるばかりでなく、放熱容量も大きくなり、ワイヤ被覆やワイヤ自体の劣化を防止できる。また、これらにより、製品の歩留も向上し、安価で高品質のコイル部品が供給できるようになる。
【0030】
図3は本発明の第2の実施の形態を示す。この場合、絶縁樹脂製のボビン41に端部電極である端子金具50をインサート成形で設け、さらに巻線60をボビン41の外周に巻回して、巻線端末60aのワイヤを端子金具50に溶接で接続している。端子金具50は第1の実施の形態の端子金具20と同様であり、本体(上面部)50aの一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部53とで略U形状を成した継線部52を有し、折り返し部53の上面部分のみにスリット54を形成して仮止め部55と溶接部56とに分け、前記略U形状の継線部52に通された巻線端末60aを、溶接部56の手前側に位置する仮止め部55と溶接部56とで挟持し、巻線端末60aと溶接部56とをレーザやアーク等の溶接で溶融接続している。
【0031】
この第2の実施の形態の場合も、前述の第1の実施の形態と同様の効果、つまりワイヤ被覆やワイヤ自体の劣化を防止でき、ひいては製品の歩留向上、安価で高品質のコイル部品の提供が可能である。
【0032】
図4は、第1及び第2の実施の形態において、巻線端末30a,60aと端子金具20,50の継線部22,52とをレーザ溶接する場合のレーザビーム照射位置を示す。図4(A)のレーザビーム照射位置Pのように円形のレーザビーム照射パターンが少なくとも巻線端末30a,60aのワイヤと継線部22,62に形成された溶接部26,56にかかるように設定するか、レーザビーム照射位置Qのように円形のレーザビーム照射パターンがワイヤ上の溶接部26,56にかかるように設定することで溶接部26,56とワイヤとの溶融結合を良好に行うことができる。図4(B)のようにレーザビーム照射位置Pに対してワイヤずれが発生したとき、あるいは同図(C)のようにレーザビーム照射位置がP’にずれたときは溶融結合が良好な結果とならない場合が多い。
【0033】
図5は第1及び第2の実施の形態において、巻線端末30a,60aと端子金具20,50の継線部22,52とをレーザ溶接する場合の好ましいレーザビーム照射位置及び照射パターンを示す。ここで、レーザビーム照射位置はレーザビーム照射パターンSが少なくとも巻線端末30a,60aのワイヤと継線部22,62に形成された溶接部26,56にかかるように設定され、かつ照射パターンSは巻線端末ワイヤの引出方向と交差する方向に長径を有する略楕円乃至長円形状である。このような照射パターンSとすることで、図5中に点線で示すようにワイヤずれが発生しても端子金具側溶接部26,56とワイヤとの溶融結合を広範囲にわたり良好に行うことができる。
【0034】
例えば、YAGレーザビーム処理で溶融接続する場合、図4の円形のレーザビーム照射パターンではビーム径0.3mmで1ジュール程度で良好な継線接続が得られるが、ビーム径を0.4mmにした場合には1.3ジュール程度必要となり、溶融過大やワイヤの熱影響が懸念された。一方、図5のようにビーム形状を短径0.2mm×長径0.4mmの略楕円乃至長円形状とした場合、1ジュール程度のエネルギーで、円形ビーム径0.3mmではワイヤ1本分のずれが許容範囲であったものが、ワイヤ2本分のずれ程度をカバーすることができた。このように、略楕円乃至長円形状とすることで、少ないレーザビームパワーで広範囲にわたる溶融をカバーできる。
【0035】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、端子金具の端部電極に巻線端末を継線する場合において、前記端部電極は、本体の一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部とで略U形状を成した継線部を有し、前記折り返し部の上面部分のみにスリットを形成して仮止め部と溶接部とに分け、前記略U形状の継線部に通された前記巻線端末を、前記溶接部の手前側に位置する前記仮止め部で挟持し、前記巻線端末と前記溶接部とをレーザやアーク等の溶接で溶融接することで、巻線端末のワイヤ被覆の熱劣化や線細り等の品質の問題がなく、継線部の高さも低く、ワイヤ引出方向の寸法も小さくでき、しかも継線部の端子強度も問題が無く、溶接状態のバラツキが少なく安定した作業が可能なコイル部品を実現できる。
【0037】
とくに、本発明はコイル部品が小型化された場合に有効であり、図9や図10の従来例においては、継線部スリットが下面部までとなっているため、継線部に形成した折り返し部の基部幅を0.35mm程度と小さくする場合、板厚0.08mm、スリット幅0.1mm、スリットで区分された仮止め部と溶接部の基部の幅は各々0.125mmとなり(ワイヤ径0.06〜0.08mm)、強度的に弱くなってしまい、信頼性に問題があった。また、溶接部を溶融させて接続する際の熱を、仮止め部で放熱させてワイヤ被覆やワイヤ自体の劣化を防止する訳であるが、前記仮止め部が小さく不十分となってしまう。本発明においては、例えば図1(B)に示すように折り返し部の上面部分のみにスリットがあるため、折れ易い根本部は幅広にすることができ、強度確保が十分にとれるばかりでなく、放熱容量も大きくなるため、ワイヤ被覆やワイヤ自体の劣化を効果的に防止できる。また、これらにより、製品の歩留も向上し、安価で高品質のコイル部品が提供できるようになる。
【0038】
さらに、継線部と巻線端末とをレーザ溶接する場合、レーザビームの照射パターンを前記巻線端末引出方向と交差する方向に長径を有する略楕円乃至長円形状とすれば、前記巻線端末ワイヤの位置ずれに対する許容度が増し、いっそうの歩留向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係るコイル部品の継線構造及び方法の第1の実施の形態であって、(A)は表面実装型コイル部品の磁気コアに端子金具を装着し巻線した状態を示す斜視図、(B)は端部電極としての端子金具の継線部であって巻線端末を係止した溶接前の拡大斜視図、(C)は継線部を溶接した状態を示す拡大斜視図である。
【図2】
第1の実施の形態で用いる端子金具であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図3】
本発明の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】
第1及び第2の実施の形態において、巻線端末と端子金具の継線部とをレーザ溶接する場合のレーザビーム照射位置を示し、(A)は好ましい照射位置、(B)はワイヤずれが発生した場合、(C)はビームずれが発生した場合を示す説明図である。
【図5】
第1及び第2の実施の形態において、巻線端末と端子金具の継線部とをレーザ溶接する場合のレーザビーム照射パターンの好ましい例を示す説明図である。
【図6】
従来の表面実装型コイル部品の1例を示す斜視図である。
【図7】
従来の表面実装型コイル部品の他の例を示し、(A)は巻線端末を絡げた状態の斜視図、(B)は巻線端末をレーザやアーク溶接で接続した状態の部分斜視図である。
【図8】
従来のコイル部品の継線構造であって、(A)は溶接前、(B)は溶接後を示す拡大斜視図である。
【図9】
本発明者が先に考慮していたコイル部品の継線構造の例であって、(A)は溶接前、(B)は溶接後を示す拡大斜視図である。
【図10】
本発明者が先に考慮していたコイル部品の継線構造の他の例を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1,11 磁気コア
2 端部電極
3,30,60 巻線
3a,30a,60a 巻線端末
5,6,20,50 端子金具
6a 本体の一部
6b,23,53 折り返し部
7,22,52 継線部
7a,25,55 仮止め部
7b,26,56 溶接部
8,24,54 スリット
12 方形鍔
41 ボビン
K 溶融接続部

Claims (4)

  1. 端子金具の端部電極に巻線端末を継線するコイル部品の継線構造において、
    前記端部電極は、本体の一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部とで略U形状を成した継線部を有し、前記折り返し部の上面部分のみにスリットを形成して仮止め部と溶接部とに分け、前記略U形状の継線部に通された前記巻線端末を、前記溶接部の手前側に位置する前記仮止め部で挟持し、前記巻線端末と前記溶接部とをレーザやアーク等の溶接で溶融接続したことを特徴とするコイル部品の継線構造。
  2. 端子金具の端部電極に巻線端末を継線するコイル部品の継線方法において、
    前記端部電極は、本体の一部と当該本体の一部に対して庇状に折り返された折り返し部とで略U形状を成した継線部を有し、前記折り返し部の上面部分のみにスリットを形成して仮止め部と溶接部とに分けておき、前記略U形状の継線部に前記巻線端末を挿通し、前記折り返し部をかしめて挟持した後、前記巻線端末と前記溶接部とをレーザやアーク等の溶接で溶融接続することを特徴とするコイル部品の継線方法。
  3. レーザビームが少なくとも前記巻線端末と前記溶接部の両方にかかるようにしてレーザ溶接を行う請求項2記載のコイル部品の継線方法。
  4. 前記レーザビームの照射パターンが前記巻線端末の引出方向と交差する方向に長径を有する略楕円乃至長円形状である請求項3記載のコイル部品の継線方法。
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