JP2004014163A - 冷陰極放電管 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電用の希ガスを封入した管状のガラスバルブと、このガラスバルブの一端部に気密に貫通して封止される内部電極と、ガラスバルブの外周に装着される外部電極とが備えられている冷陰極放電管において、反射シートを接合せず、ガラスバルブ内で発生した光を有効に利用することができるようにする。
【解決手段】本発明の冷陰極放電管は、外部電極11が、ガラスバルブ8とほぼ同じ長さのロッド部12と、このロッド部12の全長にわたって一方向に多数突出し、ガラスバルブ8の外周の一部と接合するように彎曲している電極端子13とを備えたものであり、電極端子13の先端部14が帯状のフリットガラス15によってガラスバルブ8に固定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の冷陰極放電管は、外部電極11が、ガラスバルブ8とほぼ同じ長さのロッド部12と、このロッド部12の全長にわたって一方向に多数突出し、ガラスバルブ8の外周の一部と接合するように彎曲している電極端子13とを備えたものであり、電極端子13の先端部14が帯状のフリットガラス15によってガラスバルブ8に固定されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置などのバックライトとして使用されている冷陰極放電管に関し、詳しくは、ガラスバルブの一端部を内部電極が貫通し、ガラスバルブの外周に外部電極が装着されている冷陰極放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置などのバックライトとして、冷陰極放電管が使用されている。冷陰極放電管である蛍光ランプが特開2001−210276号公報に開示されており、これを図4に示して説明する。
【0003】
この蛍光ランプは、放電用の希ガスを所定の封入圧で封入した管状のガラスバルブ1の両端部が封止され、ガラスバルブ1の一端部に棒状の内部電極2が気密に貫通して封止され、ガラスバルブ1の外周に金属線の外部電極3が螺旋状に巻き付けられ、ガラスバルブ1の外周のほぼ全長に樋形状の反射シート4が接合され、そして該反射シート4および露出しているガラスバルブ1を透明な保護チューブ5が被覆した構成となっている。
【0004】
放電用の希ガスとしては、キセノンの単一ガス、あるいはキセノンを主体としてアルゴン、ネオン、クリプトンなどを混合した混合ガスが使用されている。ガラスバルブ1は、誘電体として作用し、内周面には希土類蛍光体などによって蛍光被膜(図示せず)が形成されている。
【0005】
外部電極3としては、例えばニッケル線、アルミニウム線、銅線、銀線などの導電性に優れた金属線が使用されている。外部電極3の端縁には、電源(図示せず)に接続されるリード線6が取り付けられている。外部電極3がガラスバルブ1の表面に当接する面積は、点灯時の消費電力が従来の蛍光ランプの約半分以下となるようにするため、ガラスバルブ1の表面積の20%以下とされている。
【0006】
反射シート4は、絶縁性の酸化アルミニウムと酸化チタンとの混合物などからなる非導電性物質であり、ガラスバルブ1の表面積の50%以上に接合する樋形状とされている。外部電極3の面積がガラスバルブ1の表面積の20%以下と小さくされても、反射シート4の表面積がガラスバルブ1の表面積の50%以上とされることにより、指向性を有する光が放射される。
【0007】
そして保護チューブ5は、透明であり、耐熱性に優れるフッ素樹脂やポリエチレンなどの熱収縮性樹脂が使用されている。ガラスバルブ1が保護チューブ5によって被覆されることにより、外部電極3と反射シート4とがガラスバルブ1に密着して固定される。
【0008】
以上のように構成された蛍光ランプは、内部電極3を取り付けたリード線(図示せず)と外部電極3を取り付けたリード線6とが電源(図示せず)に接続され、内部電極2と外部電極3との間に電圧が印加されることにより、ガラスバルブ1内の希ガスにガラスバルブ1を介して電圧が印加され、放電が発生し、この放電により、希ガスが電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜によって可視光に変換され、この可視光がガラスバルブ1の反射シート4を接合していない部分を通過して外部に放射される。
【0009】
この蛍光ランプは、ガラスバルブ1の外周に金属線の外部電極3が螺旋状に巻き付けられ、そして外部電極3の面積がガラスバルブ1の表面積の20%以下とされることにより、管電流を少なくしても、ガラスバルブ1の全長で発光し、低消費電力化を図ることができるだけでなく、スパッタリングを抑制して長寿命化を図ることができ、さらに反射シート4がガラスバルブ1の表面積の50%以下とされることにより、放射される光が指向性を有するようにされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の蛍光ランプにあっては、ガラスバルブに反射シート4が接合されることにより、ガラスバルブ1内で発生した光が反射シート4によって遮蔽された状態となり、ガラスバルブ1内で発生した光を有効に利用することができていない。
【0011】
また、液晶表示装置のバックライトとして使用される冷陰極放電管は、板状の導光体の一端面に近接して配置され、断面ほぼU字形の反射傘によって導光体側を除いて囲まれている。したがって、このような使用態様においては、ガラスバルブ1に反射シート4を接合する必要がない。
【0012】
そこで本発明は、反射シートを接合せず、ガラスバルブ内で発生した光を有効に利用することができるようにした冷陰極放電管を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷陰極放電管は、放電用の希ガスを封入した管状のガラスバルブと、該ガラスバルブの一端部を気密に貫通する内部電極と、ガラスバルブの外周に装着される外部電極とが備えられている冷陰極放電管であって、前記外部電極が、ガラスバルブとほぼ同じ長さのロッド部と、該ロッド部の全長にわたって一方向に多数突出し、且つガラスバルブの外周の一部と接合するように彎曲している電極端子とを備えたものであり、該多数の電極端子の少なくとも先端部が帯状のフリットガラスによってガラスバルブに固定されていることを特徴としている。
【0014】
この冷陰極放電管によれば、彎曲した電極端子がガラスバルブの外周の一部と接合し、その接合した電極端子が帯状のフリットガラスによって固定される。フリットガラスは透明であるから、ガラスバルブ内で発生した光は、接合している電極端子にのみ遮蔽され、放射される。電極端子は細くて短いことから、ガラスバルブ内で発生した光は、接合している電極端子を回折し、放射されることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の冷陰極放電管を図1から図3を参照しながら説明する。図1は本発明の冷陰極放電管の斜視図、図2は同じく本発明の冷陰極放電管の正面断面図、図3は同じく本発明の冷陰極放電管の側面断面図である。
【0016】
本発明の冷陰極放電管は、希ガスが封入され、内面に蛍光被膜7が形成されたガラスバルブ8の一端部に貫通して封止される棒状の内部電極9がビードガラス10によって気密に封止され、ガラスバルブ8の外周に外部電極11が装着されたものであり、外部電極11が、棒状でガラスバルブ8とほぼ同じ長さのロッド部12と、ロッド部12の全長にわたって一方向に多数突出し、ガラスバルブ8の外周の一部と接合するように彎曲している電極端子13とを備えたものであり、該多数の電極端子13の少なくとも先端部14が帯状のフリットガラス15によってガラスバルブ8に固定されていることを特徴としている。
【0017】
多数の電極端子13は、ロッド部12に対して好ましくは直角方向に突出したものとされているが、斜め方向に突出したものとしてもよい。いずれにしても、多数の電極端子13は、内部電極9との間で放電が均等に発生するようにするため、等間隔に配置され、いずれも同じ長さに形成されている。そして、ロッド部12はガラスバルブ8の軸と平行に配置される。また、電極端子13は図3に示すように、先端部14がガラスバルブ8の外周と密着するように彎曲し、基端部16が外向きに折り曲げられ、ロッド部12に一体化されている。
【0018】
電極端子13の基端部16が外向きに折り曲げられることにより、ロッド部12がガラスバルブ8と離隔して配置される。ロッド部12がガラスバルブ8から離隔することにより、本冷陰極放電管を液晶表示装置などに組み付ける作業を容易にすることができる。したがって、使用態様によっては、電極端子13の基端部16は外向きに折り曲げることなく、ガラスバルブ8に接合した状態とし、ロッド部12もガラスバルブ8に接合するようにしてもよい。
【0019】
このような電極端子13とロッド部12とを一体化した外部電極11は、アルミニウム線、銅線、銀線などの導電性に優れた金属線が使用される。
【0020】
また、ロッド部12の一端には、電源(図示せず)に接続されるリード線17が取り付けられている。リード線17は図1および図2に示すように、内部電極9と同一方向に導出される場合と、内部電極9と反対方向に導出される場合とがある。リード線17と内部電極9とが同一方向に導出されていると、ガラスバルブ8の外径が細い場合には、相互間隔が接近するので内部電極9とリード線17との間でアーク放電が発生する可能性があるものの、同一方向に配線することができるため、配線を簡素化することができるという利点がある。他方、リード線17と内部電極9が反対方向に導出されていると、配線が複雑になることがあるものの、リード線17と内部電極9との間でアーク放電が発生しないようにすることができるという利点がある。したがって、冷陰極放電管のサイズや使用態様などに対応して、リード線17の導出方向が決められる。
【0021】
一方、フリットガラス15は、通常、パウダー状であるが、ペースト化することができ、軟化する温度がガラスバルブ8よりも低い300℃から500℃程度で透明に凝固するものが用いられる。外部電極11の多数の電極端子13の先端部14がガラスバルブ8の側面に接合され、その多数の電極端子13の少なくとも先端部14上にペースト状のフリットガラス15が帯状に塗布され、ベーキングされると、フリットガラス15が透明に凝固し、電極端子13の先端部14はガラスバルブ8上にフリットガラス15に埋め込まれた状態に確実に固定される。
【0022】
したがって、本発明の冷陰極放電管は、従来の蛍光ランプのように外部電極11を固定するための保護チューブがガラスバルブ8を被覆しない。また、本発明の冷陰極放電管は図3に示すように、導光体18の一端面に近接して配置され、断面ほぼU字形の反射傘19が導光体18側を除いて冷陰極放電管を囲むため、反射シートも接合されない。
【0023】
そしてガラスバルブ8は、外部電極11の電極端子13を接合していない側を導光体18の一端面に向けて近接して配置され、断面ほぼU字形の反射傘19によって導光体18側を除いて囲まれ、内部電極9に取り付けられたリード線(図示せず)と外部電極11に取り付けられたリード線17とが電源(図示せず)に接続される。
【0024】
内部電極9と外部電極11との間に電圧が印加されると、ガラスバルブ8内の希ガスに電圧が印加され、放電が発生する。この放電により、ガラスバルブ8内の希ガスが電離および励起され、紫外線が均等に発生し、この紫外線が蛍光被膜7によって可視光に変換され、可視光がガラスバルブ8から外部に均等に放射される。
【0025】
ガラスバルブ8から放射された可視光は、導光体18内に直接、入射されるとともに、反射傘19に反射して導光体18内に入射される。ガラスバルブ8が反射傘19と対向している側には、フリットガラス15によって固定された電極端子13の先端部14が接合しているが、フリットガラス15が透明であり、また電極端子13の先端部14は細くて短いため、ガラスバルブ8内で発生した光は、電極端子13の先端部14を回折し、反射傘19の方へ放射され、反射傘19に反射して、導光体18内に入射する。そして、本発明の冷陰極放電管、導光体18そして反射傘19によって構成される照明装置が液晶表示装置を均等に照明する。
【0026】
本発明は、前記発明の実施の形態に限定することなく特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、外部電極11の電極端子13は、ガラスバルブのほぼ半周と接合するようにすることもできる。また、フリットガラス15は、電極端子13の先端部14だけでなく、先端部14の一部分や逆に基端部16までも固定するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明の冷陰極放電管は、外部電極が棒状のロッド部と、このロッド部の全長にわたって一方向に多数突出した電極端子とを備えたものとされ、電極端子の先端部がガラスバルブの側面と接合し、帯状のフリットガラスによって固定されるため、ガラスバルブ内で発生した光が電極端子によって遮蔽されず、有効に利用される。したがって、本発明の冷陰極放電管をバックライトとして備えた液晶表示装置は、輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極放電管の斜視図
【図2】本発明の冷陰極放電管の正面断面図
【図3】本発明の冷陰極放電管の側面断面図
【図4】従来の冷陰極放電管の断面図
【符号の説明】
8 ガラスバルブ
9 内部電極
11 外部電極
12 ロッド部
13 電極端子
14 先端部
15 フリットガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置などのバックライトとして使用されている冷陰極放電管に関し、詳しくは、ガラスバルブの一端部を内部電極が貫通し、ガラスバルブの外周に外部電極が装着されている冷陰極放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置などのバックライトとして、冷陰極放電管が使用されている。冷陰極放電管である蛍光ランプが特開2001−210276号公報に開示されており、これを図4に示して説明する。
【0003】
この蛍光ランプは、放電用の希ガスを所定の封入圧で封入した管状のガラスバルブ1の両端部が封止され、ガラスバルブ1の一端部に棒状の内部電極2が気密に貫通して封止され、ガラスバルブ1の外周に金属線の外部電極3が螺旋状に巻き付けられ、ガラスバルブ1の外周のほぼ全長に樋形状の反射シート4が接合され、そして該反射シート4および露出しているガラスバルブ1を透明な保護チューブ5が被覆した構成となっている。
【0004】
放電用の希ガスとしては、キセノンの単一ガス、あるいはキセノンを主体としてアルゴン、ネオン、クリプトンなどを混合した混合ガスが使用されている。ガラスバルブ1は、誘電体として作用し、内周面には希土類蛍光体などによって蛍光被膜(図示せず)が形成されている。
【0005】
外部電極3としては、例えばニッケル線、アルミニウム線、銅線、銀線などの導電性に優れた金属線が使用されている。外部電極3の端縁には、電源(図示せず)に接続されるリード線6が取り付けられている。外部電極3がガラスバルブ1の表面に当接する面積は、点灯時の消費電力が従来の蛍光ランプの約半分以下となるようにするため、ガラスバルブ1の表面積の20%以下とされている。
【0006】
反射シート4は、絶縁性の酸化アルミニウムと酸化チタンとの混合物などからなる非導電性物質であり、ガラスバルブ1の表面積の50%以上に接合する樋形状とされている。外部電極3の面積がガラスバルブ1の表面積の20%以下と小さくされても、反射シート4の表面積がガラスバルブ1の表面積の50%以上とされることにより、指向性を有する光が放射される。
【0007】
そして保護チューブ5は、透明であり、耐熱性に優れるフッ素樹脂やポリエチレンなどの熱収縮性樹脂が使用されている。ガラスバルブ1が保護チューブ5によって被覆されることにより、外部電極3と反射シート4とがガラスバルブ1に密着して固定される。
【0008】
以上のように構成された蛍光ランプは、内部電極3を取り付けたリード線(図示せず)と外部電極3を取り付けたリード線6とが電源(図示せず)に接続され、内部電極2と外部電極3との間に電圧が印加されることにより、ガラスバルブ1内の希ガスにガラスバルブ1を介して電圧が印加され、放電が発生し、この放電により、希ガスが電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜によって可視光に変換され、この可視光がガラスバルブ1の反射シート4を接合していない部分を通過して外部に放射される。
【0009】
この蛍光ランプは、ガラスバルブ1の外周に金属線の外部電極3が螺旋状に巻き付けられ、そして外部電極3の面積がガラスバルブ1の表面積の20%以下とされることにより、管電流を少なくしても、ガラスバルブ1の全長で発光し、低消費電力化を図ることができるだけでなく、スパッタリングを抑制して長寿命化を図ることができ、さらに反射シート4がガラスバルブ1の表面積の50%以下とされることにより、放射される光が指向性を有するようにされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の蛍光ランプにあっては、ガラスバルブに反射シート4が接合されることにより、ガラスバルブ1内で発生した光が反射シート4によって遮蔽された状態となり、ガラスバルブ1内で発生した光を有効に利用することができていない。
【0011】
また、液晶表示装置のバックライトとして使用される冷陰極放電管は、板状の導光体の一端面に近接して配置され、断面ほぼU字形の反射傘によって導光体側を除いて囲まれている。したがって、このような使用態様においては、ガラスバルブ1に反射シート4を接合する必要がない。
【0012】
そこで本発明は、反射シートを接合せず、ガラスバルブ内で発生した光を有効に利用することができるようにした冷陰極放電管を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷陰極放電管は、放電用の希ガスを封入した管状のガラスバルブと、該ガラスバルブの一端部を気密に貫通する内部電極と、ガラスバルブの外周に装着される外部電極とが備えられている冷陰極放電管であって、前記外部電極が、ガラスバルブとほぼ同じ長さのロッド部と、該ロッド部の全長にわたって一方向に多数突出し、且つガラスバルブの外周の一部と接合するように彎曲している電極端子とを備えたものであり、該多数の電極端子の少なくとも先端部が帯状のフリットガラスによってガラスバルブに固定されていることを特徴としている。
【0014】
この冷陰極放電管によれば、彎曲した電極端子がガラスバルブの外周の一部と接合し、その接合した電極端子が帯状のフリットガラスによって固定される。フリットガラスは透明であるから、ガラスバルブ内で発生した光は、接合している電極端子にのみ遮蔽され、放射される。電極端子は細くて短いことから、ガラスバルブ内で発生した光は、接合している電極端子を回折し、放射されることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の冷陰極放電管を図1から図3を参照しながら説明する。図1は本発明の冷陰極放電管の斜視図、図2は同じく本発明の冷陰極放電管の正面断面図、図3は同じく本発明の冷陰極放電管の側面断面図である。
【0016】
本発明の冷陰極放電管は、希ガスが封入され、内面に蛍光被膜7が形成されたガラスバルブ8の一端部に貫通して封止される棒状の内部電極9がビードガラス10によって気密に封止され、ガラスバルブ8の外周に外部電極11が装着されたものであり、外部電極11が、棒状でガラスバルブ8とほぼ同じ長さのロッド部12と、ロッド部12の全長にわたって一方向に多数突出し、ガラスバルブ8の外周の一部と接合するように彎曲している電極端子13とを備えたものであり、該多数の電極端子13の少なくとも先端部14が帯状のフリットガラス15によってガラスバルブ8に固定されていることを特徴としている。
【0017】
多数の電極端子13は、ロッド部12に対して好ましくは直角方向に突出したものとされているが、斜め方向に突出したものとしてもよい。いずれにしても、多数の電極端子13は、内部電極9との間で放電が均等に発生するようにするため、等間隔に配置され、いずれも同じ長さに形成されている。そして、ロッド部12はガラスバルブ8の軸と平行に配置される。また、電極端子13は図3に示すように、先端部14がガラスバルブ8の外周と密着するように彎曲し、基端部16が外向きに折り曲げられ、ロッド部12に一体化されている。
【0018】
電極端子13の基端部16が外向きに折り曲げられることにより、ロッド部12がガラスバルブ8と離隔して配置される。ロッド部12がガラスバルブ8から離隔することにより、本冷陰極放電管を液晶表示装置などに組み付ける作業を容易にすることができる。したがって、使用態様によっては、電極端子13の基端部16は外向きに折り曲げることなく、ガラスバルブ8に接合した状態とし、ロッド部12もガラスバルブ8に接合するようにしてもよい。
【0019】
このような電極端子13とロッド部12とを一体化した外部電極11は、アルミニウム線、銅線、銀線などの導電性に優れた金属線が使用される。
【0020】
また、ロッド部12の一端には、電源(図示せず)に接続されるリード線17が取り付けられている。リード線17は図1および図2に示すように、内部電極9と同一方向に導出される場合と、内部電極9と反対方向に導出される場合とがある。リード線17と内部電極9とが同一方向に導出されていると、ガラスバルブ8の外径が細い場合には、相互間隔が接近するので内部電極9とリード線17との間でアーク放電が発生する可能性があるものの、同一方向に配線することができるため、配線を簡素化することができるという利点がある。他方、リード線17と内部電極9が反対方向に導出されていると、配線が複雑になることがあるものの、リード線17と内部電極9との間でアーク放電が発生しないようにすることができるという利点がある。したがって、冷陰極放電管のサイズや使用態様などに対応して、リード線17の導出方向が決められる。
【0021】
一方、フリットガラス15は、通常、パウダー状であるが、ペースト化することができ、軟化する温度がガラスバルブ8よりも低い300℃から500℃程度で透明に凝固するものが用いられる。外部電極11の多数の電極端子13の先端部14がガラスバルブ8の側面に接合され、その多数の電極端子13の少なくとも先端部14上にペースト状のフリットガラス15が帯状に塗布され、ベーキングされると、フリットガラス15が透明に凝固し、電極端子13の先端部14はガラスバルブ8上にフリットガラス15に埋め込まれた状態に確実に固定される。
【0022】
したがって、本発明の冷陰極放電管は、従来の蛍光ランプのように外部電極11を固定するための保護チューブがガラスバルブ8を被覆しない。また、本発明の冷陰極放電管は図3に示すように、導光体18の一端面に近接して配置され、断面ほぼU字形の反射傘19が導光体18側を除いて冷陰極放電管を囲むため、反射シートも接合されない。
【0023】
そしてガラスバルブ8は、外部電極11の電極端子13を接合していない側を導光体18の一端面に向けて近接して配置され、断面ほぼU字形の反射傘19によって導光体18側を除いて囲まれ、内部電極9に取り付けられたリード線(図示せず)と外部電極11に取り付けられたリード線17とが電源(図示せず)に接続される。
【0024】
内部電極9と外部電極11との間に電圧が印加されると、ガラスバルブ8内の希ガスに電圧が印加され、放電が発生する。この放電により、ガラスバルブ8内の希ガスが電離および励起され、紫外線が均等に発生し、この紫外線が蛍光被膜7によって可視光に変換され、可視光がガラスバルブ8から外部に均等に放射される。
【0025】
ガラスバルブ8から放射された可視光は、導光体18内に直接、入射されるとともに、反射傘19に反射して導光体18内に入射される。ガラスバルブ8が反射傘19と対向している側には、フリットガラス15によって固定された電極端子13の先端部14が接合しているが、フリットガラス15が透明であり、また電極端子13の先端部14は細くて短いため、ガラスバルブ8内で発生した光は、電極端子13の先端部14を回折し、反射傘19の方へ放射され、反射傘19に反射して、導光体18内に入射する。そして、本発明の冷陰極放電管、導光体18そして反射傘19によって構成される照明装置が液晶表示装置を均等に照明する。
【0026】
本発明は、前記発明の実施の形態に限定することなく特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、外部電極11の電極端子13は、ガラスバルブのほぼ半周と接合するようにすることもできる。また、フリットガラス15は、電極端子13の先端部14だけでなく、先端部14の一部分や逆に基端部16までも固定するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明の冷陰極放電管は、外部電極が棒状のロッド部と、このロッド部の全長にわたって一方向に多数突出した電極端子とを備えたものとされ、電極端子の先端部がガラスバルブの側面と接合し、帯状のフリットガラスによって固定されるため、ガラスバルブ内で発生した光が電極端子によって遮蔽されず、有効に利用される。したがって、本発明の冷陰極放電管をバックライトとして備えた液晶表示装置は、輝度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極放電管の斜視図
【図2】本発明の冷陰極放電管の正面断面図
【図3】本発明の冷陰極放電管の側面断面図
【図4】従来の冷陰極放電管の断面図
【符号の説明】
8 ガラスバルブ
9 内部電極
11 外部電極
12 ロッド部
13 電極端子
14 先端部
15 フリットガラス
Claims (1)
- 放電用の希ガスを封入した管状のガラスバルブと、このガラスバルブの一端部に気密に貫通して封止される内部電極と、ガラスバルブの外周に装着される外部電極とが備えられている冷陰極放電管であって、前記外部電極が、ガラスバルブとほぼ同じ長さのロッド部と、このロッド部の全長にわたって一方向に多数突出し、且つガラスバルブの外周の一部と接合するように彎曲している電極端子とを備えたものであり、この多数の電極端子の少なくとも先端部が帯状のフリットガラスによってガラスバルブに固定されていることを特徴とする冷陰極放電管。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002162509A JP2004014163A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 冷陰極放電管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002162509A JP2004014163A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 冷陰極放電管 |
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2002
- 2002-06-04 JP JP2002162509A patent/JP2004014163A/ja active Pending
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