JP2003178719A

JP2003178719A - 蛍光ランプ

Info

Publication number: JP2003178719A
Application number: JP2001378381A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Ikeda; 達也池田
Original assignee: Harison Toshiba Lighting Corp
Current assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date: 2001-12-12
Filing date: 2001-12-12
Publication date: 2003-06-27

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】バックライト光源などに適する高輝度の発光
が容易に得られ蛍光ランプの提供。【解決手段】内壁面に蛍光体被膜２が形成され、かつ
希ガスを含む放電媒体が封入されたガラスバルブ１と、
前記ガラスバルブ１内の両端部に対向して封止・導入さ
れた一対の端子リード線５，５と、前記対向する端子リ
ード線５，５間に架帳・封装された内部電極６と、前記
ガラスバルブ１外周面に管軸方向ほぼ全長に亘って一体
的に配置された外部電極７とを有する蛍光ランプであっ
て、前記内部電極６がガラスバルブ１中心軸から偏心し
た位置に架帳・封装されていることを特徴とする蛍光ラ
ンプである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置のバ
ックライト光源などに適する蛍光ランプに関する。

【０００２】たとえばパーソナルコンピューター、液晶
テレビ、ナビゲーションなどに使用される液晶表示装置
は、パーソナルコンピューターなどの普及とともに、高
性能、コンパクト化、低コスト化などが要求されてい
る。こうした要望に対応して、バックライト光源、たと
えば冷陰極蛍光ランプの高性能化も進められている。こ
こで、キセノンガスなどの希ガス放電を利用したキセノ
ン蛍光ランプは、有害物質である水銀を使用しないた
め、廃棄処分の際に環境に与える悪影響が少ない他、明
るさや放電電圧が周囲温度にほとんど影響されず、寿命
も長いなどの特長が利用されている。

【０００３】ところで、液晶表示装置のバックライト光
源は、図３に断面的示すような構成を採っている。図３
において、１は内壁面に蛍光体被膜２が形成され、かつ
放電媒体が封入されたガラスバルブ、３，３は前記ガラ
スバルブ１の両端側にリード端子（導入線）４，４を導
出して封装された放電電極である。ここで、ガラスバル
ブ１は、たとえば外径１．２〜１０ｍｍ程度、長さ５０
〜８００ｍｍ程度であり、また、放電媒体は、キセノ
ン，アルゴン，ネオンなどの１種以上の希ガス、もしく
は前記希ガスと水銀との混合系である。

【０００４】また、放電電極３，３は、たとえばニッケ
ル系の一端開口の内径２．０ｍｍ程度、長さ４．０ｍｍ
程度の円筒体で、その内外壁面に電子放射性物質を被着
したものである。さらに、リード端子４，４は、たとえ
ば径１．０ｍｍ程度のタングステン線ないし棒であり、
一端が前記円筒体の外底壁面に、溶接手段などで接合さ
れた構成を採っている。

【０００５】そして、この種の蛍光ランプは、リード端
子（導入線）４，４を介して放電電極３，３に所要の高
周波電圧、たとえば２０〜１００ＫＨｚ、１〜２ＫＶの
電圧を印加すると、放電電極３，３で放電が開始し、ガ
ラスバルブ１内で紫外線を放射する。こうして保放射さ
れた紫外線が、ガラスバルブ１内壁面の蛍光体被膜２に
よって可視光に変換され、ガラスバルブ１外に可視光を
透過・放射し、発光高率の高い光源として機能する。

【０００６】なお、外面電極蛍光ランプにおいて、内壁
面に蛍光体被膜が形成され、かつ希ガスを含む放電媒体
が封入した一対の端子リード線間に、内部電極を架帳・
封装する一方、外部電極としてガラスバルブ外周面に管
軸方向ほぼ全長に亘って、遮光部を低減するため線径
０．１ｍｍ程度の導電線（外部電極）を螺旋状に捲装・
配置した構造も知られている。しかし、明るさ、発光高
率の点で、前記内部放電電極形の蛍光ランプに較べて劣
っている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記構成の内部放電電
極形の蛍光ランプは、明るさないし発光高率など優れて
いるとは言え、高性能化が望まれている液晶表示装置の
バックライト光源として、なお充分とは言えない。つま
り、液晶表示ユニットのコンパクト化、高画質化などへ
の対応においては、たとえばバックライトの高輝度化が
望まれている。ここで、蛍光ランプの高輝度化には、一
般的に、ガラスバルブ１内に封有する放電媒体、換言す
ると希ガスの封入ガス圧を高める手段か、ランプ入力電
流を高める手段が採られる。

【０００８】しかし、蛍光ランプの封入ガス圧を高めた
手段を採った場合、あるいは入力電流を高電流領域に設
定する手段を採った場合、いずれも点灯・動作させる
と、陽光柱が絞られ線状となって、却って、発光効率が
著しく低下すると言う問題を呈する。つまり、陽光柱が
ガラスバルブ１の中心軸もしくは中心軸近傍に集中する
ため、紫外線の可視光変換が不十分となって、結果的
に、発光効率の低下を招来し、所望される高輝度が得ら
れない。

【０００９】本発明は、上記事情に対処してなされたも
ので、バックライト光源などに適する高輝度の発光が容
易に得られ蛍光ランプの提供を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、内壁
面に蛍光体被膜が形成され、かつ希ガスを含む放電媒体
が封入されたガラスバルブと、前記ガラスバルブ内の両
端部に対向して封止・導入された一対の端子リード線
と、前記対向する端子リード線間に架帳・封装された内
部電極と、前記ガラスバルブ外周面に管軸方向ほぼ全長
に亘って一体的に配置された外部電極とを有する蛍光ラ
ンプであって、前記内部電極がガラスバルブ中心軸から
偏心した位置に架帳・封装されていることを特徴とする
蛍光ランプである。

【００１１】請求項２の発明は、請求項１記載の蛍光ラ
ンプにおいて、外部電極が帯状であることを特徴とす
る。

【００１２】請求項３の発明は、請求項１もしくは請求
項２記載の蛍光ランプにおいて、放電媒体がキセノンガ
スもしくはキセノンガスを主体とした希ガスであること
を特徴とする。

【００１３】請求項４の発明は、請求項１ないし請求項
３いずれか一記載の蛍光ランプにおいて、蛍光ランプの
外部電極領域面が熱収縮性樹脂層で被覆されていること
を特徴とする。

【００１４】請求項１ないし４の発明は、次のような知
見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明者
は、封入希ガス圧を高く設定するか、あるいは入力電流
を高い電流領域に設定した場合の点灯において、高い発
光効率の維持策について、鋭意検討を進めた。その結
果、放電電極の一方を外部電極として設置し、また、他
方の放電電極をガラスバルブの軸方向に架帳配置した構
成とし、かつ内部電極の架帳配置をガラスバルブ中心軸
から偏心した位置に設定した。

【００１５】そして、このような構成を採った場合、ガ
ラスバルブ内全体に陽光柱が拡散し、輝度の向上が図ら
れることを確認して請求項の発明に至ったものである。
つまり、ガラスバルブの軸方向に延設された外部電極
と、ガラスバルブ内の軸方向に架帳・延設された内部電
極との距離を全体的に近付け、かつ両電極の表面積を大
きく設定したことにより、ガラスバルブ全体に発光を拡
大維持し、結果的に、高輝度ないし高効率が得られる。

【００１６】請求項１ないし４の発明において、外部電
極蛍光ランプは、たとえばキセノンガス、キセノン−ネ
オン混合ガス、キセノン−アルゴン混合ガスなど、キセ
ノンガスを主体とした希ガス類、あるいは前記希ガス類
と水銀との混合系などの放電媒体が封入されたものであ
る。また、発光管を成すガラスバルブは、一般的に、外
径１．２〜１０．０ｍｍ程度、肉厚０．２〜０．６ｍｍ
程度、長さ５０〜８００ｍｍ程であり、その内壁面の蛍
光体被膜は、通常、この種の蛍光ランプで使用されてい
る蛍光体で形成される。ここで、蛍光体被膜は、ガラス
管内全周に形成してあってもよいし、ガラス管軸方向に
一定の幅で蛍光体被膜が削り取られたアバーチャー構造
であってもよい。

【００１７】請求項１ないし４の発明において、外部電
極蛍光ランプの外部電極は、たとえば銀やアルミニウム
など導電性の優れた金属製で、一般的には、直線的な帯
状であるが、ジグザグ状などであってもよい。また、内
部電極は、たとえばニッケルもしくはニッケル系合金な
どを素材とした外径０．１〜１．０ｍｍ程度の線であ
り、ガラスバルブの両端側に封止・導入したリード端子
（導入線）に対し、溶接などで接続されている。そし
て、内部電極は、要すればエミッタ材料を担持させた構
成を採ってもよい。

【００１８】なお、ガラスバルブ内における内部電極の
架帳・配置は、Ｌ字形に加工されたリード端子の使用に
よって、ガラスバルブの軸に対して、外部電極側へ偏心
させた位置が選択される。ここで、ガラスバルブ軸に対
する偏心程度は、ガラスバルブ内径の１／４程度が好ま
しい。また、リード端子は、一般的に、外径０．１〜
０．５ｍｍ程度のニッケル線、導線、アルミニウム線、
コパール線、ジュメット線などである。

【００１９】請求項１ないし４の発明において、外部電
極形設面を含むガラスバルブの外周面を被覆し、保護な
いし安全性の向上を図る熱収縮性樹脂層は、たとえば熱
収縮性のポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド
樹脂、フッ素樹脂など、適度の耐熱性を有する透光性樹
脂を素材としたものである。つまり、所要の加熱処理を
施すと収縮性を呈し、被覆されるガラスバルブ面などに
密着的に一体化する樹脂チューブないしフィルムであ
る。

【００２０】

【発明の実施態様】以下、図１及び図２を参照して実施
例を説明する。

【００２１】図１は、実施例に係る蛍光ランプの要部構
成を示す断面図である。図１において、１は内壁面に蛍
光体被膜２が形成され、かつキセノンガスなどの放電媒
体が封入されたガラスバルブ、５，５は前記ガラスバル
ブ１内の両端部に対向して封止・導入されたＬ字形に加
工された一対の端子リード線、６は前記対向する端子リ
ード線５，５間に架帳・封装された内部電極である。そ
して、この蛍光ランプは、前記内部電極６がガラスバル
ブ１の中心軸から偏心した位置に、バルブ軸全長に亘っ
て架帳・封装されている点で特徴付けられる。また、７
は前記ガラスバルブ１外周面に管軸方向ほぼ全長に亘っ
て一体的に配置された外部電極、８は前記外部電極７を
含むガラスバルブ１外周面を被覆する熱収縮性樹脂層で
ある。

【００２２】ここで、ガラスバルブ１は、外径４．８ｍ
ｍ、長さ１００ｍｍであり、また、放電媒体として、キ
セノン、もしくはキセノンを主体とした希ガスが２．６
６×１０^３〜２．６６×１０^４Ｐａ（２０〜２００Ｔｏ
ｒｒ）封入されている。さらに内部電極６は、径０．８
ｍｍのニッケル系金属線で、その両端がガラスバルブ１
の両端部に封止・導入されたＷ製の端子リード５，５に
電気的・機械的に接合されている。一方、外部電極７
は、幅３．０ｍｍの帯状アルミニウム箔で、この帯状ア
ルミニウム箔７を、内部電極６の装着領域側（中心軸か
ら偏心）の外周面に貼着して配設してある。また、熱収
縮性樹脂層８は、透光性で、耐熱性の優れたポリエステ
ル樹脂チューブを、ガラスバルブ１に嵌合被覆し、加熱
して収縮させて配設したものである。

【００２３】なお、蛍光ランプは、所謂アパチーャ形で
もよく、この場合は、アパチーャ部と反対側に内部電極
６を架帳・封装する。また、ガラスバルブ１の外周面に
おける外部電極７の配設は、熱収縮性樹脂フィルムの内
面側に貼着しておき、この熱収縮性樹脂フィルムを巻き
付ける方式を採ることもできる。

【００２４】次に、上記蛍光ランプの点灯動作について
説明する。まず、予め用意した対応する照明器具に蛍光
ランプを装着し、端子リード線５，５を介して内部電極
６に、また、外部電極７に所要の電圧、たとえば高周波
の矩形波電圧を印加（２０〜１００ＫＨｚ、１〜５ｋＶ
の電圧を供給）すると、両電極６，７間で放電が開始
し、ガラスバルブ１内で放電が発生する。そして、この
放電に伴って放電媒体の希ガスが電離及び励起されて紫
外線を放射する。こうして放射された紫外線が、ガラス
バルブ１内壁面の蛍光体被膜２によって、可視光線に変
換されてガラスバルブ１外に放射される。

【００２５】図２の曲線Ａは、上記蛍光ランプの点灯動
作において、内部電極６及び外部電極７に印加した高周
波の矩形波電圧（インバータ入力Ｗ）を変え、そのとき
の照度（Ｌｘ）との関係例を示したものである。比較の
ため、一対の内部電極３，３をガラスバルブ１の両端部
に封装した他は、同一寸法・形状・に仕様とした蛍光ラ
ンプ（図３参照）について、同様に、点灯動作を行った
ところ、図２の曲線ａに示すような結果が得られた。

【００２６】図２の特性例から分かるように、蛍光ラン
プの入力電力が同一の場合、実施例に係る蛍光ランプ
は、比較例の蛍光ランプに較べて約１．２倍の高い照度
が得られる。つまり、実施例に係る蛍光ランプは、ガラ
スバルブ１の全長に亘って、陽光柱がほぼ一様に拡散さ
れた状態を呈して、高効率の発光、高い輝度が容易に確
保されるので、液晶表示装置のバックライト光源や複写
機の露光光源としての利用で、液晶表示装置や複写機の
高性能化ないし高品質性化に大きく寄与する。

【００２７】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採ることができる。たとえば蛍光ランプの構成、すなわ
ちガラスバルブの材質、外径、長さ、あるいは内部電極
および外部電極の材質、径などは、目的に応じて適宜選
択できる。

【００２８】

【発明の効果】請求項１ないし４の発明によれば、封入
希ガス（放電媒体）圧、高電流領域の入力設定などに左
右されずに、常時、バルブ全長に亘って高効率の発光、
全体的に高輝度の発光・照度を確保できる蛍光ランプが
提供される。つまり、画像の鮮明化などを図れる高効率
発光形の蛍光ランプを提供されるので、液晶表示装置、
電子複写機などの高性能化が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る蛍光ランプの要部構成を示す断面
図。

【図２】実施例に係る蛍光ランプ及び従来の蛍光ランプ
について、ランプ入力と照度との関係を比較して示す特
性図。

【図３】従来の蛍光ランプの要部構成を示す断面図。

【符号の説明】

１……ガラスバルブ２……蛍光体被膜３，６……内部電極４，５……端子リード線（導入線）７……外部電極８……熱収縮性樹脂層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内壁面に蛍光体被膜が形成され、かつ希ガ
スを含む放電媒体が封入されたガラスバルブと、前記ガ
ラスバルブ内の両端部に対向して封止・導入された一対
の端子リード線と、前記対向する端子リード線間に架帳
・封装された内部電極と、前記ガラスバルブ外周面に管
軸方向ほぼ全長に亘って一体的に配置された外部電極と
を有する蛍光ランプであって、前記内部電極がガラスバ
ルブ中心軸から偏心した位置に架帳・封装されているこ
とを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項２】外部電極が帯状であることを特徴とする請
求項１記載の蛍光ランプ。
【請求項３】放電媒体がキセノンガスもしくはキセノン
ガスを主体とした希ガスであることを特徴とする請求項
１もしくは請求項２記載の蛍光ランプ。
【請求項４】蛍光ランプの外部電極領域面が熱収縮性樹
脂層で被覆されていることを特徴とする請求項１ないし
請求項３いずれか一記載の蛍光ランプ。