JPH0992226A

JPH0992226A - 蛍光ランプおよび照明装置

Info

Publication number: JPH0992226A
Application number: JP24622395A
Authority: JP
Inventors: Masasane Takagi; 将実高木; Shoichi Okusa; 祥一大草
Original assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Current assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date: 1995-09-25
Filing date: 1995-09-25
Publication date: 1997-04-04

Abstract

(57)【要約】【課題】発光特性の向上およびこの特性の向上に伴う
小形化がはかれるアパーチャ形蛍光ランプおよびこのラ
ンプが組込まれた照明装置を提供することを目的とす
る。【解決手段】管状のガラスバルブ１と、このバルブ１
の管軸方向に沿った開口部３を有してバルブ１内面に形
成された蛍光体被膜２と、少なくとも一方が開口部３と
対向して上記バルブ１外面の管軸方向に沿って形成され
た一対の外部電極４、５と、上記バルブ１内に封入され
た放電媒体とを備えている蛍光ランプＬ１およびこのラ
ンプＬ１を装着した照明装置Ｄである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特定方向への照射
量が多いアパーチャ形の蛍光ランプおよびこのランプと
点灯回路装置とを備えた照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般の蛍光ランプは、内面に蛍光体被膜
が形成されたガラスバルブの両端内部にコイル状のフィ
ラメントなどからなる電極を封装し、かつこのバルブ内
に放電媒体として水銀および放電用の希ガスを封入して
構成されている。

【０００３】しかし、このような構成のランプは、バル
ブ内に格別な電極が必要であり、またこの電極部を封着
するための格別な構造を要するなど、部品点数が多く製
造が複雑で製造コストが高くなる。しかも、この内部電
極はランプの寿命を左右する主因をなしている。また、
電極部が位置するバルブの端部からの発光量が低いとい
うことがある。

【０００４】このようなことから、たとえば特開平３−
２２５７４５号公報には、電極をバルブの内部に設けず
に、バルブ外面にバルブ軸に沿った一対の外部電極を形
成し、これら外部電極間に高周波電力を供給し、これに
よってバルブ内に高周波放電を発生させ、希ガスを電離
および励起させて蛍光体を発光するようにした外部電極
形の蛍光ランプが提案されている。

【０００５】そして、この公報中にはバルブ内面にこの
バルブ軸に沿った開口部（アパーチャ）を残して蛍光体
被膜が形成され、バルブ外面にこのバルブ軸に沿って帯
状の一対の外部電極が形成されたアパーチャ形の蛍光ラ
ンプが記載されている。

【０００６】このような構成のアパーチャ形の蛍光ラン
プは、蛍光体被膜の劣化低減、バルブ温度の異常上昇の
防止やバルブ端部まで全体の発光ができ、安定した放電
が得られるので十分な光量と光束低下の抑制、バルブ軸
方向に形成された開口部（アパーチャ）からは均一な照
度分布が得られる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置のバック
ライトやファクシミリなどの原稿読取用の光源として
は、さらにの照度アップや機器のコンパクト化に伴う小
形化が要望されている。

【０００８】そして、本発明者等は実験の結果、外部電
極形の蛍光ランプにおいて発光特性が一層向上できる構
成を見出だした。

【０００９】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、さらにの発光特性の向上およびこの特性の向上に伴
う小形化がはかれるアパーチャ形蛍光ランプおよびこの
ランプが組込まれた照明装置を提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の蛍光ランプは、管状のガラスバルブと、このバルブの
管軸方向に沿った開口部を有してバルブ内面に形成され
た蛍光体被膜と、少なくとも一方が開口部と対向して上
記バルブ外面の管軸方向に沿って形成された一対の外部
電極と、上記バルブ内に封入された放電媒体とを具備し
ていることを特徴としている。

【００１１】一方の外部電極が形成された蛍光体部位は
いわゆる負グローが発生するため放電ガスとの励起が活
発で、この部分の蛍光体被膜は輝度が高くなる。そこ
で、この高輝度部分を開口部（アパーチャ）と対向させ
ることによって、開口部（アパーチャ）からの放射光の
増加がはかれる。なお、本発明でいう開口部（アパーチ
ャ）と対向する上記バルブ外面の管軸方向に沿う部分と
は、バルブ１の管軸を中心として開口部（アパーチャ）
が設けられている反対面に対向している、対称的に正対
した位置を指す。

【００１２】本発明の請求項２に記載の蛍光ランプは、
ガラスバルブ内外面の少なくとも一方の面には、開口部
を除き非導電性物質からなる反射膜が形成されているこ
とを特徴としている。

【００１３】反射形としたランプにおいては、反射膜が
蛍光体被膜から生じた可視光を反射するため、さらに高
い輝度を得ることができる。

【００１４】本発明の請求項３に記載の蛍光ランプは、
ガラスバルブ外面の外部電極が、導電性の被膜からなる
ことを特徴としている。

【００１５】外部電極は貼付、蒸着、塗布などの手段で
容易に形成できる。

【００１６】本発明の請求項４に記載の蛍光ランプは、
ガラスバルブ外面の一対の外部電極間には、電気絶縁層
が形成されていることを特徴としている。

【００１７】ガラスバルブ上の外部電極間の湿気の付着
による絶縁抵抗の低下を防止する。本発明の請求項５に
記載の照明装置は、筐体と、この筐体内に収納された請
求項１ないし請求項４のいずれか一に記載の蛍光ランプ
と、この蛍光ランプを点灯させる点灯回路装置とを具備
していることを特徴としている。

【００１８】外部電極形のランプの安定点灯が行えると
ともに、ランプからの放射光が増し照度を向上できる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。図はアパーチャ形蛍光ランプＬ１を示
し、図１は一部断面正面図、図２は図１中のＡ−Ａ線に
沿って切断した部分の側面断面図である。

【００２０】図中１は直管形の透明なガラスバルブで、
両端は気密に閉塞されている。また、２はこのバルブ１
の内面に形成された蛍光体被膜で管軸に沿って蛍光体被
膜のない光投射用の開口部（アパーチャ）３が設けてあ
る。また、このバルブ１内には放電媒体として所定量の
キセノン（Ｘｅ）ガスが封入されている。

【００２１】また、４および５はバルブ１の外面に管軸
に沿って貼付されたアルミニウムテープなどの導電性の
粘着テープからなる一対の帯状の外部電極である。一方
の外部電極４はバルブ１の管軸を中心として光投射用の
開口部（アパーチャ）３が設けられている反対面に対向
して開口部（アパーチャ）３とほぼ同じ幅で形成してあ
る。他方の外部電極５は図においてバルブ１の下面側
（上面側でもよい）に上記の外部電極４と所定の間隔を
隔ててほぼ平行して形成してある。

【００２２】また、６は上記外部電極４、５間に形成さ
れたシリコンレジンなどからなる電気絶縁層で、湿気の
付着し易いガラスバルブの絶縁低下を防ぎ両外部電極
４、５間の短絡を防いでいる。

【００２３】そして、この構成の蛍光ランプＬ１は外部
電極４、５を介し、図２に示すような高周波点灯回路装
置７に接続して点灯される。この高周波点灯回路装置７
からたとえば３ＫＶ、３０ＫＨZ の高周波電力を外部電
極４、５に供給すると、バルブ１内で高周波電界による
放電が発生し、この放電によりキセノンガスが電離およ
び励起されて紫外線を発し、この紫外線が蛍光体被膜２
により可視光に変換され、この可視光がバルブ１を通っ
て外部に放射される。このランプＬ１からの光放射はバ
ルブ１に蛍光体被膜のない光投射用の開口部（アパーチ
ャ）３が形成してあるので、光の大部分は透明な開口部
（アパーチャ）３部から放射される。なお、このとき蛍
光体被膜２部からの放射もある。

【００２４】そして、本発明ではランプＬ１点灯時にバ
ルブ１の外面に形成した外部電極４、５と対向する内面
部分の蛍光体被膜２部の輝度が高まっていて、この部分
と管軸を隔てて対峙する光投射用の開口部（アパーチ
ャ）３からの光出力が多くなり、その光放射量を増加さ
せることができる。また、外部電極４がアルミニウムな
どであれば光反射性も高く、光出力を上げるのに寄与す
ることができる。また、従来と光出力を同じとすればラ
ンプＬ１の小形化や省電力化ができる。

【００２５】なお、この外部電極４、５と対向する内面
部分の蛍光体被膜２部の輝度が高まる理由は、導電性材
料で形成した外部電極４、５が存在する部分はいわゆる
負グローが発生するためキセノンガス（Ｘｅ）の励起が
活発に行われ、放射される紫外線（１４７ｎｍ、１７２
ｎｍ）も多くなり、この部分の蛍光体被膜２の輝度が上
がるためと考えられる。

【００２６】上記のように、開口部（アパーチャ）３部
と対向したバルブ１の外面に外部電極４を形成したラン
プＬ１は、光投射用の開口部（アパーチャ）３からの光
出力を約５％向上することができた。

【００２７】また、図３は本発明に係わる他の蛍光ラン
プＬ２の実施例を示す横断面図で、図中図２と同一部分
には同一の符号を付してその説明は省略する。

【００２８】図３の上記図２のランプＬ１と相違する点
は、バルブ１の内面に非導電性物質たとえば酸化アルミ
ニウム（Ａｌ₂Ｏ₃）と酸化チタン（ＴｉＯ₂）との混
合粉末からなる光反射膜８が形成され、さらに、この光
反射膜８上に蛍光体被膜２が形成されていることで、光
反射膜８および蛍光体被膜２の一部は形成されてなく光
投射用の開口部（アパーチャ）３が設けられている。

【００２９】このランプＬ２は、光反射膜８が非導電性
物質であるにも拘らず外部電極４、５による蛍光体被膜
２への作用があり、上記実施例のランプＬ１と同様に、
外部電極４と対面する蛍光体被膜２部分の輝度を高める
ことができ、ランプＬ２の発光特性を向上することがで
きた。

【００３０】また、図４は本発明に係わる照明装置Ｄの
実施例を示す。図４において９は蛍光ランプＬ１（また
はＬ２）を収納した筐体で、この筐体９内（外でもよ
い）には必要に応じて反射鏡９１や高周波点灯回路装置
７が設けられている。

【００３１】この照明装置Ｄは液晶表示装置のバックラ
イトやファクシミリの原稿読取用に用いられ、上述した
ようにランプＬ１、Ｌ２の発光特性の向上がはかれるこ
とから、照射面照度を高めることができ画像や転写の鮮
明度を上げることができる。また、従来と光出力を同じ
とすればランプＬ１、Ｌ２の小形化や省電力化ができ、
この照明装置Ｄを用いる機器も小形化や省電力化が可能
である。

【００３２】なお、本発明は上記実施例に限定されな
い。たとえば、外部電極はアルミニウムのテープを貼付
したものに限らず、アルミニウム（Ａｌ）、ニッケル
（Ｎｉ）、金（Ａｕ）、白金（Ｐｔ）、銀・白金（Ａｇ
・Ｐｔ）合金などの金属からなる良導電性材料を蒸着や
塗布あるいは箔にして貼付してもあるいはＩＴＯ膜（Ｉ
ｎ₂Ｏ₃・ＳｎＯ₂）などで形成してあってもよく、本
発明ではこれらを総称して被膜と表現している。

【００３３】また、光反射膜はバルブの内面に形成した
ものに限らず、バルブの外面に形成し、その上に重層し
て外部電極を形成してもよい。

【００３４】また、放電媒体としての希ガスはキセノン
（Ｘｅ）に限らず、クリプトン（Ｋｒ）の希ガスを一種
ないし複数種封入してもよい。

【００３５】さらに、上記実施例では外部電極間のみに
電気絶縁層を形成したが、図２に点線で示すように電気
絶縁層６１はバルブ１の全周に亘り形成してもよく、こ
のように形成すれば電極間の絶縁が完全であるとともに
電極にリード線を接続するものでは強固な固着が可能と
なる。このバルブの全周に亘る場合は、ポリエチレンな
どの熱収縮性チューブを被せ形成してもよい。

【００３６】さらにまた、照明装置は実施例記載の構成
に限らず、種々の変形が可能であり、たとえば点灯回路
装置は高周波点灯によらず、他の方式であっても差支え
ない。

【００３７】

【実施例】以下に示す構成の蛍光ランプＬ１を製作し、
開口部（アパーチャ）３からバルブ１内を見た外部電極
４と対面する蛍光体被膜２２部分の輝度（Ｋ）を測定し
た。

【００３８】ランプ電流約２０ｍＡガラスバルブ１長さ約３００ｍｍガラスバルブ１外径約５．８ｍｍガラスバルブ１内径約４．８ｍｍ開口部（アパーチャ）３幅約４．５ｍｍ（開口角度約９０度）外部電極４（Ａｌテープ）幅約２．５ｍｍ外部電極５（Ａｌテープ）幅約１．０ｍｍ蛍光体被膜材料（緑）ＬａＰＯ4 ：Ｃｅ、Ｔｂ放電ガスキセノン（Ｘｅ）１００トール輝度（Ｋ）約２１，０００ｃｄ／ｍ² 輝度（Ｋ）を測定した結果、上記本発明品は約２１，０
００ｃｄ／ｍ²を得たが、従来品（図２において外部電
極５と対面するバルブ１の上面側に外部電極４を形成し
たランプで、他は上記実施例と同じもの。）は約２０，
０００ｃｄ／ｍ²で本発明品は輝度が約５％向上でき
た。

【００３９】

【発明の効果】本発明の請求項１に記載の構成によれ
ば、光投射用の開口部（アパーチャ）からの光出力を約
５％向上する蛍光ランプを提供でき、発光特性を同じと
すればランプの小形化や省電力化がはかれる。

【００４０】本発明の請求項２に記載の構成によれば、
反射膜付きランプとしても、反射膜が導電性物質で形成
してあれば、上記請求項１と同じ効果を奏する。

【００４１】本発明の請求項３に記載の構成によれば、
外部電極は貼付などの通常の手段で容易に形成すること
ができる。

【００４２】本発明の請求項４に記載の構成によれば、
ガラスバルブ上の外部電極間の湿気の付着による絶縁抵
抗の低下が防止でき、電極間の導通や絶縁破壊によるバ
ルブのクラックなどの発生を防止できる。

【００４３】本発明の請求項５に記載の構成によれば、
外部電極形のランプの安定点灯が行えるとともに、ラン
プからの放射光が増し照度が向上でき、また、照度が同
じであれば機器の小形化や省電力化がはかれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアパーチャ形蛍光ランプの実施例
を示す一部断面正面図である。

【図２】図１中のＡ−Ａ線に沿って切断した部分の側面
断面図である。

【図３】本発明に係るアパーチャ形蛍光ランプの他の実
施例を示す側面断面図である。

【図４】本発明に係る照明装置の実施例を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

Ｌ１、Ｌ２：蛍光ランプＤ：照明装置１：管状ガラスバルブ２：蛍光体被膜３：開口部（アパーチャ）４、５：外部電極６、６１：電気絶縁層７：高周波点灯回路装置８：光反射膜９：筐体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】管状のガラスバルブと；このバルブの管
軸方向に沿った開口部を有してバルブ内面に形成された
蛍光体被膜と；少なくとも一方が開口部と対向して上記
バルブ外面の管軸方向に沿って形成された一対の外部電
極と；上記バルブ内に封入された放電媒体と；を具備し
ていることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項２】ガラスバルブ内外面の少なくとも一方の
面には、開口部を除き非導電性物質からなる反射膜が形
成されていることを特徴とする請求項１に記載の蛍光ラ
ンプ。
【請求項３】ガラスバルブ外面の外部電極が、導電性
の被膜からなることを特徴とする請求項１または請求項
２に記載の蛍光ランプ。
【請求項４】ガラスバルブ外面の一対の外部電極間に
は、電気絶縁層が形成されていることを特徴とする請求
項１ないし請求項３のいずれか一に記載の蛍光ランプ。
【請求項５】筐体と、この筐体内に収納された請求項
１ないし請求項４のいずれか一に記載の蛍光ランプと；
この蛍光ランプを点灯させる点灯回路装置と；を具備し
ていることを特徴とする照明装置。