JP2004012799A - 光ファイバ調心装置、及び光ファイバ融着接続装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバの突き出し量を短くすることができ、かつ光ファイバアダプタのセット等の作業をし易くした光ファイバ調心装置及び光ファイバ融着接続装置を提供する。
【解決手段】光ファイバ心線40aを保持する光ファイバ保持具30の胴部34を、光ファイバ心線40aの中心軸が回転中心となるよう回転可能に支持するホルダ支持部11を設け、ホルダ支持部11に設けられた受動歯車部15と噛み合う駆動歯車(図示せず)によりホルダ支持部11自体を回転させることにより、光ファイバ保持具30に保持された光ファイバ心線40aをその中心軸を中心に一定の角度正逆回転させて、θ調心を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ心線40aを保持する光ファイバ保持具30の胴部34を、光ファイバ心線40aの中心軸が回転中心となるよう回転可能に支持するホルダ支持部11を設け、ホルダ支持部11に設けられた受動歯車部15と噛み合う駆動歯車(図示せず)によりホルダ支持部11自体を回転させることにより、光ファイバ保持具30に保持された光ファイバ心線40aをその中心軸を中心に一定の角度正逆回転させて、θ調心を行なう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光編波保持ファイバ(光PMファイバ)のように軸に対して非対称の光ファイバの接続を行なう場合に、軸に対して回転方向合わせを行なう調心装置、及びこのような調心装置を備えた光ファイバ融着接続装置に関する。
【0002】
【従来技術】
光偏波保持ファイバ等の軸に対して非対称の光ファイバは、光ファイバの中心軸に対して回転方向合せを行なって接続する必要がある。このような回転方向合せを以後「θ調心」と呼ぶ。光ファイバの軸を中心として回転させる機構には、従来から主に2つの方法が採られている。第1の方法は、特開平9−138316に開示されているように、光ファイバをXY方向に調心するファイバチャック(V溝)部と光ファイバアダプタの間にギヤを配置してモータと連結する方法で、ギヤには光ファイバを通すためのスリットが必要となる。
第2の方法は、特開平1−147507にあるようにモータを介して回転させるギヤを光ファイバアダプタの後方に配置する方法である。この公報に開示されているような、光ファイバアダプタを用いずに直接回転台にチャックするものの他、光ファイバアダプタを用いるもの、あるいはモータの回転軸を光ファイバアダプタ設置台に直結するものがある。
いずれの方法も光ファイバの前処理段階等で、光ファイバの位置決めを容易にするために、光ファイバアダプタに光ファイバをセットして、その光ファイバアダプタを設置台の上に装着し、その設置台を光ファイバ軸を中心として回転させるようにしている。両方法の違いは、設置台を回転させる機構が光ファイバアダプタの前方に配置されているか後方に配置されているかにある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
第1の方法では、ギヤを光ファイバアダプタの前方に配置したことにより、光ファイバアダプタより先への光ファイバの突出量が多くなる点が問題となる。突出量が多いと、光ファイバの融着作業に必要となる専有長が長くなり、自由端の短い光ファイバの取りまわしが悪くなるという問題、θ調心のために光ファイバアダプタ部分を回転させても光ファイバ突出部で光ファイバが捻じれてしまい、光ファイバ先端部まで光ファイバアダプタの回転が正確に伝達されないという問題があった。
【0004】
他方、第2の方法の問題点は、光ファイバアダプタの後方にギヤやモータなどの回転機構を配置したことにより、光ファイバアダプタ後方部がこれらの機構により占有され、光ファイバが絡まる等により断線または作業性を低下させる等の問題があった。
【0005】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、光ファイバアダプタからの長い突出量を必要とせず、光ファイバアダプタのθ回転を光ファイバ先端に正確に伝達可能な光ファイバ調心装置及びこれを備えた光ファイバ融着機を提供することである。また、本発明は作業性に優れた光ファイバ調心装置及びこれを備えた光ファイバ融着機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、設置台上に載置された光ファイバを保持する光ファイバアダプタ(光ファイバ保持具)自体を回転させることによりθ調心を行ない上記従来技術の問題点を解決した。これにより、光ファイバアダプタからの光ファイバの突出量を小さくできる。また、θ調心のための機構が光ファイバアダプタの後方には存しない。そのため、光ファイバが絡んで断線その他の作業ミスの発生を抑制可能となる他、光ファイバアダプタの設置台へのセットをし易くなる等作業性を向上させることができる。
【0007】
本発明の第一の態様にかかる光ファイバ調心装置は、光ファイバ心線を保持する光ファイバ保持具の胴部を、光ファイバ心線の中心軸が回転中心となるよう回転可能に支持するホルダ支持部と、ホルダ支持部により保持された光ファイバ保持具を光ファイバ心線の中心軸を中心に一定の角度正逆回転させる回転駆動部とを備えることを特徴とする。この態様では光ファイバを保持している光ファイバ保持具自体を回転することによりθ調心を行なうので、光ファイバ保持具の前後に調心機構を設ける必要がなく、光ファイバを長く突出させる必要がない。また、融着接合部の近くでθ回転の調心を行なうので、捻れ等による回転誤差が生じない。さらに、光ファイバ心線を通す部分にθ調心機構がないので、断線等のおそれが少なくなり、作業性が向上する。
【0008】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、ホルダ支持部が、回転可能に支持されており、光ファイバ保持具に保持された光ファイバ心線の中心軸を回転中心位置に配置するように光ファイバ保持具の胴部を所定の位置へ案内して把持する切欠部と、回転動作のための受動歯車部とを備える回転部材からなり、回転駆動部が、受動歯車部と噛合してホルダ支持部を回転させる回転駆動部を備えることを特徴とする。この態様では、光ファイバ保持具を回転させるための構造として、光ファイバ保持具を把持するホルダ支持部が回転する。これにより、光ファイバを保持した光ファイバ保持具全体を、安定した状態で確実かつ精確にθ回転させることが可能となる。
【0009】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、切欠部の形状と整合するくびれ形状の胴部を有する光ファイバ保持具を備えることを特徴とする。この態様によると、光ファイバ保持具の胴部をホルダ支持部の切欠部部でより確実に把持可能となり、さらに安定したθ調心が可能となる。
【0010】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、切欠部の光ファイバ保持具を把持部又は光ファイバ保持具のいずれか一方に磁力発生部を備え、他の一方の全部または一部に磁性材料部を備えることを特徴とする。本態様により、光ファイバ保持具をより確実に把持可能であり、他の複雑な把持機構を設けることを抑制可能となる。
【0011】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、少なくとも一部に磁性材料部を含む円柱状の胴部と、該胴部の一部の円周上に設けられた受動歯車部とを有する光ファイバ保持具を備える光ファイバ調心装置であって、ホルダ支持部は、光ファイバ保持具の前記胴部を側面で支持するV溝部と、該V溝部に配設されて光ファイバ保持具の磁性材料部を引き付けて、光ファイバ保持具を回転可能に保持する磁力発生部とを備え、回転駆動部は、光ファイバ保持具がホルダ支持部の前記V溝部に載置されたときに、光ファイバ保持具の受動歯車部と噛合して光ファイバ保持具を前記光ファイバ心線の中心軸を中心に一定角度正逆回転させる駆動歯車部と、該駆動歯車部を駆動する駆動部とを備えることを特徴とする。この態様では、光ファイバ保持具を載置するV溝部を広くすることが可能となり、光ファイバ保持具のセットが容易となり、作業性が向上する。
【0012】
本発明の第1の態様にかかる光ファイバ融着接続装置は、上記の各実施態様の光ファイバ調心装置を備えることを特徴とする。従って、光ファイバ保持具の前後にθ調心のための複雑な調心機構を設ける必要がなく、調心装置の前に光ファイバを長く突出させる必要がない。また、融着接合部の近くでθ回転の調心を行なうので、捻れ等による回転誤差が生じない。さらに、光ファイバ心線を通す部分にθ調心機構がないので、融着作業時に断線等のおそれが少なくなり、作業性の高い光ファイバ融着接続装置を提供可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1から図 を用いて説明する。まず図2を用いて、本発明を適用するのに最適な光ファイバ融着接続装置の基本構成を説明する。図2は、光PMファイバを融着接続するための光ファイバ融着接続装置の基本構造を説明するための概念図である。接続する2本の光ファイバ心線40a、40bの線端41a,41bは、被覆が除去された極細線の裸光ファイバである。裸ファイバ41a、40bの線端42a,42bが精確に位置合わせされた後、融着制御装置52の制御に基づいて溶融されて接続される。
【0014】
裸ファイバ41a41bは極細線であるので、融着接続する裸ファイバの線端42a,42bの位置合わせには、ミクロン単位の位置合わせ精度が要求される。このような融着接続される線端部42a、42bの位置合わせには、x−y−z軸方向の3次元の位置合わせが行なわれる他、光PMファイバのような軸に対して非対称の光ファイバでは、光ファイバ軸方向であるz軸を中心とする回転方向(θ回転方向)の位置合わせ(θ調心)も行う必要がある。このような裸ファイバの線端部分42a、42bのx−y−z方向及び、θ回転方向の位置合わせは、調心装置50、51により、光ファイバ心線40a,40bの位置を移動し、又は回転することにより行なう。この発明は、調心装置50又は51の調心動作のうち、θ回転方向の調心装置に関するものである。
【0015】
図1に本発明の一実施態様に係る調心装置の斜視図を示す。(a)は光ファイバ心線40aを保持した光ファイバアダプタまたは光ファイバホルダ等の光ファイバ保持具(以下「光ファイバ保持具」と称する)30を把持した状態の光ファイバ調心装置10の斜視図であり、(b)はその分解斜視図である。図1(a)に示すように、光ファイバ心線は、保持台部31に設けられた心線保持溝部33に挿入されてカバー32を閉じることにより、光ファイバ保持具30内に精確に位置決めされ保持されている。光ファイバ心線を保持した光ファイバ保持具30は、光ファイバ調心装置10の切欠部12に挿入されて、設置台部13上に載置される。載置された光ファイバ保持具30は、設置台部13及び位置決め係合部14a、14b等により、光ファイバ心線40aの中心軸が調心装置10によるθ調心の回転中心となるよう精確に位置決めされた状態で把持される。
【0016】
本実施形態にかかる調心装置10のθ調心のための回転機構について、図1(b)の分解斜視図を用いて説明する。光ファイバ保持具30を精確に位置決めして把持するホルダ支持部11は、回転可能な回転部材として構成されている。ホルダ支持部11は、光ファイバ保持具30を載置する設置台部13と、光ファイバ保持具30を設置台13に案内して載置させる切欠部部12と、回転駆動力を受けるための受動歯車部15と、θ回転方向に回転するための回転軸部16とを備えている。設置台部13は、さらに、光ファイバ保持具30を精確に位置決めして把持する位置決めガイド14a、14bを備えている。
【0017】
ホルダ支持部11は、受動歯車部15を挟みその回転軸部16がブッシュ21及び22により回転可能に支持された状態で、ハウジング20内に収容されて、後部ハウジング23により固定される。従って、ホルダ支持部11は、θ方向に回転可能に支持されている。この状態において、受動歯車15と噛合する駆動歯車(図示せず)により回転駆動することにより、ホルダ支持部全体をθ調心方向に回転させることができる。駆動歯車は図示しないモータまたは、手動のダイヤル等により回転させることが可能である。
【0018】
設置台部13に永久磁石または電磁石を埋め込むことにより、光ファイバ保持具30を設置台部13に把持固定することも可能である。この場合、光ファイバ保持具30の全部または一部を磁性材料で構成する。また、設置台部14の光ファイバ保持具30との接触面全体を磁石としてもよい。これとは逆に、光ファイバ保持具30に磁石を設けて、設置台部13の全部または一部を磁性材料で構成してもよい。
【0019】
ホルダ支持部11の切欠部12及び設置台部13の形状を、汎用の光ファイバホルダまたはアダプタの形状に対応させた形状とすることにより、光ファイバ保持具30として汎用の光ファイバホルダ等の使用が可能である。しかし、光ファイバ保持具30の胴部34をくびれ形状とし、ホルダ支持部11の切欠部部12に嵌合するような構造とすることにより、光ファイバ保持具30を、設置台部13の所定の位置により精確に載置することが可能となる。また、光ファイバ保持具30の一部に設置台部13と係合する凹部または凸部を設けてより精確な位置決めをすることが可能となる。図1(b)では、先端部に設置台部13の位置決め係合部14a、14bと嵌合する係合凹部35a、35bが設けられている。
【0020】
本発明の他の実施形態を説明する。図3は本発明の他の実施形態に係る光ファイバ保持具と調心装置を示す斜視図である。図3では、駆動部分の構造を分かり易くするために、調心装置70を中央で切り取り、残りの部分は破線で示している。
【0021】
図3の実施形態では、光ファイバ保持具60の胴部61は円筒形状であり、そのほぼ中央部近傍に受動歯車部62を有している。また、円筒形状の胴部61には、光ファイバ心線をその内部の回転中心位置に配置するためのスリット63が設けられている。光ファイバ心線は、該スリット63から挿入される。光ファイバ支持台64にはカバー65が設けられており、スリット63に光ファイバ心線を載置した後にカバー65を閉じることにより、光ファイバ心線を押さえて固定する。
【0022】
光ファイバ心線を保持した光ファイバ保持具60は、θ回転調心装置70のV溝部71に挿入される。V溝部71に挿入された光ファイバ保持具60は、その胴部61がV溝部71の側壁77と接することにより、V溝部71の所定位置に支持される。光ファイバ保持具60がV溝部71に支持される位置(高さ)は、光ファイバ保持具60の胴部61の直径、V溝部71の開口幅、及び側壁77の傾斜角度により定まる。光ファイバ保持具60がV溝部71に支持されている状態で、光ファイバ保持具60の受動歯車部62と調心装置70の駆動歯車73が噛み合う状態となるように構成されている。
【0023】
調心装置70のV溝部71の低部には、永久磁石または電磁石等の磁力発生部材74a,74bが埋め込まれている。一方、光ファイバ保持具60の胴部61の全部または一部は磁性材料を含んで構成されている。そのため、V溝部71に支持された光ファイバ保持具60の状態を維持するように、磁力が作用する。前述と同様に、磁性材料を調心装置70に設け、磁石等の磁力発生材料を光ファイバ保持具60に設けてもよい。
【0024】
さらに、V溝部71内に位置決め部材76(破線で示す)を設けて、長手方向の位置を規定する。位置決め部材76は、光ファイバ保持具60の胴部61の線端下部の位置決め係合部66と係合することにより、光ファイバ保持具60を位置決めする。
【0025】
光ファイバ保持具60がV溝部71内の所定の位置に支持された状態で、駆動歯車73が回転すると、回転駆動力が光ファイバ保持具60の受動歯車部62に伝達される。光ファイバ保持具60は、磁力線発生部74a,74bにより引き付けられているので、光ファイバ保持具60の胴部61とV溝部71の側壁77が摺動しながら、光ファイバ保持具60がθ方向に回転する。駆動歯車73は、ステップモータ等からなるモータ75により回転駆動される。モータ75から駆動歯車73への回転力の伝達は、ギヤ比を落すことにより回転量を微細に制御することが可能である。
【0026】
図5に本発明の第3の実施形態にかかる光ファイバ調心装置80の斜視図を示す。図5では、光ファイバ40bを保持した光ファイバホルダ95がホルダ支持台部83上に載置された状態を示している。本実施形態における光ファイバ調心装置80は、可動ブロック81と、可動ブロック81を調心のためにθ回転させる駆動モータ90及び伝達歯車92により構成される。この実施形態では、上述した第1及び第2の実施形態とは反対側(融着接合部98の左側)に調心装置80を設けた例を示しているが、第1及び第2の実施例と同様に、右側に調心装置を設ける構成としてもよい。
【0027】
可動ブロック81は、θ方向の調心のために回転駆動される回転動作部82と、光ファイバホルダ95を載置するホルダ支持台部83とから構成されている。ホルダ支持部83は、回転動作部82と接合されており、回転動作部82が駆動されることにより可動ブロック81全体が一体的にθ方向に回転駆動される。可動ブロック81の先端部84は調心装置の基台部(図示せず)に固定された支持部材86に、軸支されている。可動ブロック81は、先端部84と反対側の部分も前記従動歯車部がC字状に形成されたカラーにより軸支されている。
【0028】
第3の実施形態は、回転動作部82を可動ブロック81の後方に設け、ホルダ支持台部83を融着接合部98に近い位置に設けたことを特徴とする。この構成により、光ファイバホルダ95から突き出る裸ファイバ41bの長さlを短くすることが可能となる。裸ファイバ41bの長さlが短いと、融着接続後の被覆処理が簡単となる他、正確な調心操作が可能となる。すなわち、裸ファイバ41bの長さが短いと、動作プロック81の回転に伴う裸ファイバ41bのねじれも少なくなるので、より正確なθ方向の調心が可能となる。
【0029】
θ方向の調心動作について説明する。光ファイバ40bを保持した光ファイバホルダ95が、融着接合のためにホルダ支持台部83上に載置される。ホルダ保持カバー85は、上方向に開閉可能な構造となっており、光ファイバホルダ95を載置する際には開かれ、光ファイバホルダを載置した後に閉じられて、光ファイバホルダ95をホルダ支持台83上に保持する。光ファイバホルダ95の載置位置は、ガイドピン等の案内部材(図示せず)により位置決めされる。光ファイバホルダ95に保持されている光ファイバ40bを通すために、回転動作部82には溝部87が設けられている。
【0030】
θ方向の調心は、可動ブロック81を駆動モータ90により回転駆動することにより行われる。調心の必要に応じて、駆動モータ90が回転駆動されると、その軸に直接又は間接に接続された回転歯車91が所定の方向に所定量回転し、それにより伝達歯車92が回転する。一方、回転動作部82内には伝達歯車92と噛み合う従動歯車部(図示せず)が設けられている。従って、伝達歯車92が回転すると、従動歯車部の回転により可動ブロック81全体が、伝達歯車92の回転方向と反対方向に一定量回転される。この回転量を調整することにより、θ調心が行われる。
【0031】
駆動力を付与する駆動モータ90として、回転量を正確に制御できるステップモータ、超音波モータを使用することができる。また、回転量を正確に制御するために、モータ軸の回転量に比べて伝達される回転量が少なくなるように、ギア比を落す構成としてもよい。さらに駆動モータとしては、圧電素子を使用したリニアモータ等を用いることも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、光ファイバ調心装置の設置台上に載置された光ファイバを保持する光ファイバ保持具自体を回転させることによりθ調心を行ない上記従来技術の問題点を解決した。これにより、光ファイバの突き出し量を少なくし、θ調心装置から溶接接続部までの距離を短くできる。この状態で光ファイバ保持具自体を回転させるので、光ファイバ心線が捻れる等によるθ調心の誤差が発生しない。また、θ調心のための機構がアダプタの後方に無いので、光ファイバが絡んで断線その他の作業ミスが発生し難くなる。従って、本発明によると、光ファイバアダプタの設置台へのセットが簡単かつ確実となる等、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る調心装置の斜視図であり、(a)は光ファイバ心線を保持した光ファイバ保持具を把持した状態の調心装置の斜視図であり、(b)はその分解斜視図である。
【図2】光PMファイバを融着接続するための光ファイバ融着接続装置の基本構造を説明するための概念図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る光ファイバ保持具と調心装置の斜視図である。
【図4】図3の実施形態にかかる調心装置70に光ファイバ保持具60をセットした状態を示す縦中央断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態にかかる光ファイバ調心装置80の斜視図を示す。
【符号の説明】
10 第1の実施形態に係る光ファイバ調心装置
11 ホルダ支持部
12 切欠部
13 設置台部
14a、14b 位置決め係合部
15 受動歯車部
16 回転軸部
20、23 ハウジング
21、22 ブッシュ
30 第1の実施形態に係る光ファイバ保持具
32 カバー部
40a、40b 光ファイバ心線
41a,41b 裸ファバ
42a,42b 線端部
50、51 x−y−z及びθ調心装置
52 融着制御装置
60 第1の実施形態に係る光ファイバ保持具
61 胴部
62 第2の実施形態に係る光ファイバ保持具の受動歯車部
63 スリット
70 第2の実施形態に係る光ファイバ調心装置
71 V溝部
73 駆動歯車
74a,74b 磁力発生部材
75 モータ
77 V溝部の側壁
80 第3の実施形態に係る光ファイバ調心装置
81 可動ブロック
82 回転動作部
83 ホルダ支持台部
86 支持部材
90 駆動モータ
91 回転歯車
92 伝達歯車
【発明の属する技術分野】
この発明は、光編波保持ファイバ(光PMファイバ)のように軸に対して非対称の光ファイバの接続を行なう場合に、軸に対して回転方向合わせを行なう調心装置、及びこのような調心装置を備えた光ファイバ融着接続装置に関する。
【0002】
【従来技術】
光偏波保持ファイバ等の軸に対して非対称の光ファイバは、光ファイバの中心軸に対して回転方向合せを行なって接続する必要がある。このような回転方向合せを以後「θ調心」と呼ぶ。光ファイバの軸を中心として回転させる機構には、従来から主に2つの方法が採られている。第1の方法は、特開平9−138316に開示されているように、光ファイバをXY方向に調心するファイバチャック(V溝)部と光ファイバアダプタの間にギヤを配置してモータと連結する方法で、ギヤには光ファイバを通すためのスリットが必要となる。
第2の方法は、特開平1−147507にあるようにモータを介して回転させるギヤを光ファイバアダプタの後方に配置する方法である。この公報に開示されているような、光ファイバアダプタを用いずに直接回転台にチャックするものの他、光ファイバアダプタを用いるもの、あるいはモータの回転軸を光ファイバアダプタ設置台に直結するものがある。
いずれの方法も光ファイバの前処理段階等で、光ファイバの位置決めを容易にするために、光ファイバアダプタに光ファイバをセットして、その光ファイバアダプタを設置台の上に装着し、その設置台を光ファイバ軸を中心として回転させるようにしている。両方法の違いは、設置台を回転させる機構が光ファイバアダプタの前方に配置されているか後方に配置されているかにある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
第1の方法では、ギヤを光ファイバアダプタの前方に配置したことにより、光ファイバアダプタより先への光ファイバの突出量が多くなる点が問題となる。突出量が多いと、光ファイバの融着作業に必要となる専有長が長くなり、自由端の短い光ファイバの取りまわしが悪くなるという問題、θ調心のために光ファイバアダプタ部分を回転させても光ファイバ突出部で光ファイバが捻じれてしまい、光ファイバ先端部まで光ファイバアダプタの回転が正確に伝達されないという問題があった。
【0004】
他方、第2の方法の問題点は、光ファイバアダプタの後方にギヤやモータなどの回転機構を配置したことにより、光ファイバアダプタ後方部がこれらの機構により占有され、光ファイバが絡まる等により断線または作業性を低下させる等の問題があった。
【0005】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、光ファイバアダプタからの長い突出量を必要とせず、光ファイバアダプタのθ回転を光ファイバ先端に正確に伝達可能な光ファイバ調心装置及びこれを備えた光ファイバ融着機を提供することである。また、本発明は作業性に優れた光ファイバ調心装置及びこれを備えた光ファイバ融着機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、設置台上に載置された光ファイバを保持する光ファイバアダプタ(光ファイバ保持具)自体を回転させることによりθ調心を行ない上記従来技術の問題点を解決した。これにより、光ファイバアダプタからの光ファイバの突出量を小さくできる。また、θ調心のための機構が光ファイバアダプタの後方には存しない。そのため、光ファイバが絡んで断線その他の作業ミスの発生を抑制可能となる他、光ファイバアダプタの設置台へのセットをし易くなる等作業性を向上させることができる。
【0007】
本発明の第一の態様にかかる光ファイバ調心装置は、光ファイバ心線を保持する光ファイバ保持具の胴部を、光ファイバ心線の中心軸が回転中心となるよう回転可能に支持するホルダ支持部と、ホルダ支持部により保持された光ファイバ保持具を光ファイバ心線の中心軸を中心に一定の角度正逆回転させる回転駆動部とを備えることを特徴とする。この態様では光ファイバを保持している光ファイバ保持具自体を回転することによりθ調心を行なうので、光ファイバ保持具の前後に調心機構を設ける必要がなく、光ファイバを長く突出させる必要がない。また、融着接合部の近くでθ回転の調心を行なうので、捻れ等による回転誤差が生じない。さらに、光ファイバ心線を通す部分にθ調心機構がないので、断線等のおそれが少なくなり、作業性が向上する。
【0008】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、ホルダ支持部が、回転可能に支持されており、光ファイバ保持具に保持された光ファイバ心線の中心軸を回転中心位置に配置するように光ファイバ保持具の胴部を所定の位置へ案内して把持する切欠部と、回転動作のための受動歯車部とを備える回転部材からなり、回転駆動部が、受動歯車部と噛合してホルダ支持部を回転させる回転駆動部を備えることを特徴とする。この態様では、光ファイバ保持具を回転させるための構造として、光ファイバ保持具を把持するホルダ支持部が回転する。これにより、光ファイバを保持した光ファイバ保持具全体を、安定した状態で確実かつ精確にθ回転させることが可能となる。
【0009】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、切欠部の形状と整合するくびれ形状の胴部を有する光ファイバ保持具を備えることを特徴とする。この態様によると、光ファイバ保持具の胴部をホルダ支持部の切欠部部でより確実に把持可能となり、さらに安定したθ調心が可能となる。
【0010】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、切欠部の光ファイバ保持具を把持部又は光ファイバ保持具のいずれか一方に磁力発生部を備え、他の一方の全部または一部に磁性材料部を備えることを特徴とする。本態様により、光ファイバ保持具をより確実に把持可能であり、他の複雑な把持機構を設けることを抑制可能となる。
【0011】
本発明の他の態様にかかる光ファイバ調心装置は、少なくとも一部に磁性材料部を含む円柱状の胴部と、該胴部の一部の円周上に設けられた受動歯車部とを有する光ファイバ保持具を備える光ファイバ調心装置であって、ホルダ支持部は、光ファイバ保持具の前記胴部を側面で支持するV溝部と、該V溝部に配設されて光ファイバ保持具の磁性材料部を引き付けて、光ファイバ保持具を回転可能に保持する磁力発生部とを備え、回転駆動部は、光ファイバ保持具がホルダ支持部の前記V溝部に載置されたときに、光ファイバ保持具の受動歯車部と噛合して光ファイバ保持具を前記光ファイバ心線の中心軸を中心に一定角度正逆回転させる駆動歯車部と、該駆動歯車部を駆動する駆動部とを備えることを特徴とする。この態様では、光ファイバ保持具を載置するV溝部を広くすることが可能となり、光ファイバ保持具のセットが容易となり、作業性が向上する。
【0012】
本発明の第1の態様にかかる光ファイバ融着接続装置は、上記の各実施態様の光ファイバ調心装置を備えることを特徴とする。従って、光ファイバ保持具の前後にθ調心のための複雑な調心機構を設ける必要がなく、調心装置の前に光ファイバを長く突出させる必要がない。また、融着接合部の近くでθ回転の調心を行なうので、捻れ等による回転誤差が生じない。さらに、光ファイバ心線を通す部分にθ調心機構がないので、融着作業時に断線等のおそれが少なくなり、作業性の高い光ファイバ融着接続装置を提供可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1から図 を用いて説明する。まず図2を用いて、本発明を適用するのに最適な光ファイバ融着接続装置の基本構成を説明する。図2は、光PMファイバを融着接続するための光ファイバ融着接続装置の基本構造を説明するための概念図である。接続する2本の光ファイバ心線40a、40bの線端41a,41bは、被覆が除去された極細線の裸光ファイバである。裸ファイバ41a、40bの線端42a,42bが精確に位置合わせされた後、融着制御装置52の制御に基づいて溶融されて接続される。
【0014】
裸ファイバ41a41bは極細線であるので、融着接続する裸ファイバの線端42a,42bの位置合わせには、ミクロン単位の位置合わせ精度が要求される。このような融着接続される線端部42a、42bの位置合わせには、x−y−z軸方向の3次元の位置合わせが行なわれる他、光PMファイバのような軸に対して非対称の光ファイバでは、光ファイバ軸方向であるz軸を中心とする回転方向(θ回転方向)の位置合わせ(θ調心)も行う必要がある。このような裸ファイバの線端部分42a、42bのx−y−z方向及び、θ回転方向の位置合わせは、調心装置50、51により、光ファイバ心線40a,40bの位置を移動し、又は回転することにより行なう。この発明は、調心装置50又は51の調心動作のうち、θ回転方向の調心装置に関するものである。
【0015】
図1に本発明の一実施態様に係る調心装置の斜視図を示す。(a)は光ファイバ心線40aを保持した光ファイバアダプタまたは光ファイバホルダ等の光ファイバ保持具(以下「光ファイバ保持具」と称する)30を把持した状態の光ファイバ調心装置10の斜視図であり、(b)はその分解斜視図である。図1(a)に示すように、光ファイバ心線は、保持台部31に設けられた心線保持溝部33に挿入されてカバー32を閉じることにより、光ファイバ保持具30内に精確に位置決めされ保持されている。光ファイバ心線を保持した光ファイバ保持具30は、光ファイバ調心装置10の切欠部12に挿入されて、設置台部13上に載置される。載置された光ファイバ保持具30は、設置台部13及び位置決め係合部14a、14b等により、光ファイバ心線40aの中心軸が調心装置10によるθ調心の回転中心となるよう精確に位置決めされた状態で把持される。
【0016】
本実施形態にかかる調心装置10のθ調心のための回転機構について、図1(b)の分解斜視図を用いて説明する。光ファイバ保持具30を精確に位置決めして把持するホルダ支持部11は、回転可能な回転部材として構成されている。ホルダ支持部11は、光ファイバ保持具30を載置する設置台部13と、光ファイバ保持具30を設置台13に案内して載置させる切欠部部12と、回転駆動力を受けるための受動歯車部15と、θ回転方向に回転するための回転軸部16とを備えている。設置台部13は、さらに、光ファイバ保持具30を精確に位置決めして把持する位置決めガイド14a、14bを備えている。
【0017】
ホルダ支持部11は、受動歯車部15を挟みその回転軸部16がブッシュ21及び22により回転可能に支持された状態で、ハウジング20内に収容されて、後部ハウジング23により固定される。従って、ホルダ支持部11は、θ方向に回転可能に支持されている。この状態において、受動歯車15と噛合する駆動歯車(図示せず)により回転駆動することにより、ホルダ支持部全体をθ調心方向に回転させることができる。駆動歯車は図示しないモータまたは、手動のダイヤル等により回転させることが可能である。
【0018】
設置台部13に永久磁石または電磁石を埋め込むことにより、光ファイバ保持具30を設置台部13に把持固定することも可能である。この場合、光ファイバ保持具30の全部または一部を磁性材料で構成する。また、設置台部14の光ファイバ保持具30との接触面全体を磁石としてもよい。これとは逆に、光ファイバ保持具30に磁石を設けて、設置台部13の全部または一部を磁性材料で構成してもよい。
【0019】
ホルダ支持部11の切欠部12及び設置台部13の形状を、汎用の光ファイバホルダまたはアダプタの形状に対応させた形状とすることにより、光ファイバ保持具30として汎用の光ファイバホルダ等の使用が可能である。しかし、光ファイバ保持具30の胴部34をくびれ形状とし、ホルダ支持部11の切欠部部12に嵌合するような構造とすることにより、光ファイバ保持具30を、設置台部13の所定の位置により精確に載置することが可能となる。また、光ファイバ保持具30の一部に設置台部13と係合する凹部または凸部を設けてより精確な位置決めをすることが可能となる。図1(b)では、先端部に設置台部13の位置決め係合部14a、14bと嵌合する係合凹部35a、35bが設けられている。
【0020】
本発明の他の実施形態を説明する。図3は本発明の他の実施形態に係る光ファイバ保持具と調心装置を示す斜視図である。図3では、駆動部分の構造を分かり易くするために、調心装置70を中央で切り取り、残りの部分は破線で示している。
【0021】
図3の実施形態では、光ファイバ保持具60の胴部61は円筒形状であり、そのほぼ中央部近傍に受動歯車部62を有している。また、円筒形状の胴部61には、光ファイバ心線をその内部の回転中心位置に配置するためのスリット63が設けられている。光ファイバ心線は、該スリット63から挿入される。光ファイバ支持台64にはカバー65が設けられており、スリット63に光ファイバ心線を載置した後にカバー65を閉じることにより、光ファイバ心線を押さえて固定する。
【0022】
光ファイバ心線を保持した光ファイバ保持具60は、θ回転調心装置70のV溝部71に挿入される。V溝部71に挿入された光ファイバ保持具60は、その胴部61がV溝部71の側壁77と接することにより、V溝部71の所定位置に支持される。光ファイバ保持具60がV溝部71に支持される位置(高さ)は、光ファイバ保持具60の胴部61の直径、V溝部71の開口幅、及び側壁77の傾斜角度により定まる。光ファイバ保持具60がV溝部71に支持されている状態で、光ファイバ保持具60の受動歯車部62と調心装置70の駆動歯車73が噛み合う状態となるように構成されている。
【0023】
調心装置70のV溝部71の低部には、永久磁石または電磁石等の磁力発生部材74a,74bが埋め込まれている。一方、光ファイバ保持具60の胴部61の全部または一部は磁性材料を含んで構成されている。そのため、V溝部71に支持された光ファイバ保持具60の状態を維持するように、磁力が作用する。前述と同様に、磁性材料を調心装置70に設け、磁石等の磁力発生材料を光ファイバ保持具60に設けてもよい。
【0024】
さらに、V溝部71内に位置決め部材76(破線で示す)を設けて、長手方向の位置を規定する。位置決め部材76は、光ファイバ保持具60の胴部61の線端下部の位置決め係合部66と係合することにより、光ファイバ保持具60を位置決めする。
【0025】
光ファイバ保持具60がV溝部71内の所定の位置に支持された状態で、駆動歯車73が回転すると、回転駆動力が光ファイバ保持具60の受動歯車部62に伝達される。光ファイバ保持具60は、磁力線発生部74a,74bにより引き付けられているので、光ファイバ保持具60の胴部61とV溝部71の側壁77が摺動しながら、光ファイバ保持具60がθ方向に回転する。駆動歯車73は、ステップモータ等からなるモータ75により回転駆動される。モータ75から駆動歯車73への回転力の伝達は、ギヤ比を落すことにより回転量を微細に制御することが可能である。
【0026】
図5に本発明の第3の実施形態にかかる光ファイバ調心装置80の斜視図を示す。図5では、光ファイバ40bを保持した光ファイバホルダ95がホルダ支持台部83上に載置された状態を示している。本実施形態における光ファイバ調心装置80は、可動ブロック81と、可動ブロック81を調心のためにθ回転させる駆動モータ90及び伝達歯車92により構成される。この実施形態では、上述した第1及び第2の実施形態とは反対側(融着接合部98の左側)に調心装置80を設けた例を示しているが、第1及び第2の実施例と同様に、右側に調心装置を設ける構成としてもよい。
【0027】
可動ブロック81は、θ方向の調心のために回転駆動される回転動作部82と、光ファイバホルダ95を載置するホルダ支持台部83とから構成されている。ホルダ支持部83は、回転動作部82と接合されており、回転動作部82が駆動されることにより可動ブロック81全体が一体的にθ方向に回転駆動される。可動ブロック81の先端部84は調心装置の基台部(図示せず)に固定された支持部材86に、軸支されている。可動ブロック81は、先端部84と反対側の部分も前記従動歯車部がC字状に形成されたカラーにより軸支されている。
【0028】
第3の実施形態は、回転動作部82を可動ブロック81の後方に設け、ホルダ支持台部83を融着接合部98に近い位置に設けたことを特徴とする。この構成により、光ファイバホルダ95から突き出る裸ファイバ41bの長さlを短くすることが可能となる。裸ファイバ41bの長さlが短いと、融着接続後の被覆処理が簡単となる他、正確な調心操作が可能となる。すなわち、裸ファイバ41bの長さが短いと、動作プロック81の回転に伴う裸ファイバ41bのねじれも少なくなるので、より正確なθ方向の調心が可能となる。
【0029】
θ方向の調心動作について説明する。光ファイバ40bを保持した光ファイバホルダ95が、融着接合のためにホルダ支持台部83上に載置される。ホルダ保持カバー85は、上方向に開閉可能な構造となっており、光ファイバホルダ95を載置する際には開かれ、光ファイバホルダを載置した後に閉じられて、光ファイバホルダ95をホルダ支持台83上に保持する。光ファイバホルダ95の載置位置は、ガイドピン等の案内部材(図示せず)により位置決めされる。光ファイバホルダ95に保持されている光ファイバ40bを通すために、回転動作部82には溝部87が設けられている。
【0030】
θ方向の調心は、可動ブロック81を駆動モータ90により回転駆動することにより行われる。調心の必要に応じて、駆動モータ90が回転駆動されると、その軸に直接又は間接に接続された回転歯車91が所定の方向に所定量回転し、それにより伝達歯車92が回転する。一方、回転動作部82内には伝達歯車92と噛み合う従動歯車部(図示せず)が設けられている。従って、伝達歯車92が回転すると、従動歯車部の回転により可動ブロック81全体が、伝達歯車92の回転方向と反対方向に一定量回転される。この回転量を調整することにより、θ調心が行われる。
【0031】
駆動力を付与する駆動モータ90として、回転量を正確に制御できるステップモータ、超音波モータを使用することができる。また、回転量を正確に制御するために、モータ軸の回転量に比べて伝達される回転量が少なくなるように、ギア比を落す構成としてもよい。さらに駆動モータとしては、圧電素子を使用したリニアモータ等を用いることも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、光ファイバ調心装置の設置台上に載置された光ファイバを保持する光ファイバ保持具自体を回転させることによりθ調心を行ない上記従来技術の問題点を解決した。これにより、光ファイバの突き出し量を少なくし、θ調心装置から溶接接続部までの距離を短くできる。この状態で光ファイバ保持具自体を回転させるので、光ファイバ心線が捻れる等によるθ調心の誤差が発生しない。また、θ調心のための機構がアダプタの後方に無いので、光ファイバが絡んで断線その他の作業ミスが発生し難くなる。従って、本発明によると、光ファイバアダプタの設置台へのセットが簡単かつ確実となる等、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る調心装置の斜視図であり、(a)は光ファイバ心線を保持した光ファイバ保持具を把持した状態の調心装置の斜視図であり、(b)はその分解斜視図である。
【図2】光PMファイバを融着接続するための光ファイバ融着接続装置の基本構造を説明するための概念図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る光ファイバ保持具と調心装置の斜視図である。
【図4】図3の実施形態にかかる調心装置70に光ファイバ保持具60をセットした状態を示す縦中央断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態にかかる光ファイバ調心装置80の斜視図を示す。
【符号の説明】
10 第1の実施形態に係る光ファイバ調心装置
11 ホルダ支持部
12 切欠部
13 設置台部
14a、14b 位置決め係合部
15 受動歯車部
16 回転軸部
20、23 ハウジング
21、22 ブッシュ
30 第1の実施形態に係る光ファイバ保持具
32 カバー部
40a、40b 光ファイバ心線
41a,41b 裸ファバ
42a,42b 線端部
50、51 x−y−z及びθ調心装置
52 融着制御装置
60 第1の実施形態に係る光ファイバ保持具
61 胴部
62 第2の実施形態に係る光ファイバ保持具の受動歯車部
63 スリット
70 第2の実施形態に係る光ファイバ調心装置
71 V溝部
73 駆動歯車
74a,74b 磁力発生部材
75 モータ
77 V溝部の側壁
80 第3の実施形態に係る光ファイバ調心装置
81 可動ブロック
82 回転動作部
83 ホルダ支持台部
86 支持部材
90 駆動モータ
91 回転歯車
92 伝達歯車
Claims (6)
- 光ファイバ心線を保持する光ファイバ保持具の胴部を、前記光ファイバ心線の中心軸が回転中心となるよう回転可能に支持するホルダ支持部と、
前記ホルダ支持部により保持された前記光ファイバ保持具を前記光ファイバ心線の中心軸を中心に一定の角度正逆回転させる回転駆動部と、
を備える光ファイバ調心装置。 - 前記ホルダ支持部は、回転可能に支持されており、前記光ファイバ保持具に保持された前記光ファイバ心線の中心軸を回転中心位置に配置するように前記光ファイバ保持具の胴部を所定の位置へ案内して把持する切欠部と、回転動作のための受動歯車部とを備える回転部材からなり、
前記回転駆動部は、前記受動歯車部と噛合して前記ホルダ支持部を回転させる回転駆動部を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ調心装置。 - さらに、前記切欠部の形状と整合するくびれ形状の胴部を有する光ファイバ保持具を備えることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ調心装置。
- 前記切欠部の前記光ファイバ保持具を把持部又は前記光ファイバ保持具のいずれか一方に磁力発生部を備え、他の一方の全部または一部に磁性材料部を備えることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ調心装置。
- 少なくとも一部に磁性材料部を含む円柱状の胴部と、該胴部の一部の円周上に設けられた受動歯車部とを有する光ファイバ保持具を備える光ファイバ調心装置であって、
前記ホルダ支持部は、前記光ファイバ保持具の前記胴部を側面で支持するV溝部と、該V溝部に配設されて前記光ファイバ保持具の前記磁性材料部を引き付けて、前記光ファイバ保持具を回転可能に保持する磁力発生部とを備え、
前記回転駆動部は、前記光ファイバ保持具が前記ホルダ支持部の前記V溝部に載置されたときに、前記光ファイバ保持具の前記受動歯車部と噛合して前記光ファイバ保持具を前記光ファイバ心線の中心軸を中心に一定角度正逆回転させる駆動歯車部と、該駆動歯車部を駆動する駆動部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ調心装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバ調心装置を備えることを特徴とする光ファイバ融着接続装置。
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