JP2004012689A - 放射線画像情報消去装置および方法 - Google Patents
放射線画像情報消去装置および方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004012689A JP2004012689A JP2002164492A JP2002164492A JP2004012689A JP 2004012689 A JP2004012689 A JP 2004012689A JP 2002164492 A JP2002164492 A JP 2002164492A JP 2002164492 A JP2002164492 A JP 2002164492A JP 2004012689 A JP2004012689 A JP 2004012689A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- erasing
- light source
- erasing light
- image information
- abnormality
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Radiography Using Non-Light Waves (AREA)
- Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
Abstract
【課題】消去光源に劣化や断線等の異常が発生した場合であっても、生産効率を低下させることなく蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報の消去処理を継続することができると共に、保守作業に迅速に対応することが可能な放射線画像情報消去装置および方法を提供する。
【解決手段】制御部52は、各消去光源44(1)〜44(5)の駆動電流値I1〜I5および光量値T1〜T5を取得し、消去光源44(1)〜44(5)に異常があると判定した場合、どの予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯すればよいかを決定し、点灯情報Cを生成し、予備消去光源点灯回路54に転送する。予備消去光源点灯回路54は、点灯情報Cに基づいて予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯させる。一方、制御部52は、異常情報Eを生成し、異常情報Eを表示部56を介して報知する。
【選択図】図3
【解決手段】制御部52は、各消去光源44(1)〜44(5)の駆動電流値I1〜I5および光量値T1〜T5を取得し、消去光源44(1)〜44(5)に異常があると判定した場合、どの予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯すればよいかを決定し、点灯情報Cを生成し、予備消去光源点灯回路54に転送する。予備消去光源点灯回路54は、点灯情報Cに基づいて予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯させる。一方、制御部52は、異常情報Eを生成し、異常情報Eを表示部56を介して報知する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する放射線画像情報消去装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギの一部が蓄積され、その後、可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギ強度に応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報をシート状の蓄積性蛍光体層を備えてなる蓄積性蛍光体シートに一旦記録し、この蓄積性蛍光体シートにレーザ光等の励起光を照射して得られる輝尽発光光を光電的に読み取って得られた画像信号を写真感光材料等の記録媒体、あるいは、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置に被写体の放射線画像を可視像として出力させる放射線画像情報記録読取装置、いわゆる、CR(Computed Radiography)装置が知られている。
【0003】
この放射線画像情報記録読取装置として、さらに、放射線画像情報の読み取られた蓄積性蛍光体シートに消去光を照射して残存する放射線画像情報を消去し、蓄積性蛍光体シートを新たな放射線画像情報の記録に供するための消去ユニットを備えたものがある。消去ユニットを構成する光源としては、例えば、冷陰極蛍光管、ハロゲンランプ、キセノンランプ等、蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去することのできる波長の消去光を出力するものが使用される。
【0004】
ところで、これらの消去光源は、使用時間の経過に伴い劣化して光量が低下し、あるいは、配線の断線により点灯不能となる場合がある。このような事態が生じると、蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を適切に消去できなくなり、再記録に使用した際、残存する放射線画像情報の影響により像が二重になる等、画質が著しく低下するという問題が発生する。
【0005】
このような問題の解決方法として、例えば、特許第2693719号には、消去光源の劣化または断線を検出する異常検出手段を設け、前記異常検出手段が消去光源の劣化または断線を検出した場合、その状態を認識可能な報知を行うことが開示されている。また、この従来技術には、異常を検出した際、消去光の照射時間を長くし、あるいは、消去光の出力強度を大きくして消去に必要な光量を確保することが開示されている。
【0006】
しかしながら、消去光の照射時間を長くすると、消去処理に長時間を要し、生産効率が低下してしまう。また、消去光の出力強度を大きくすると、消去光源の劣化や断線の懸念が増加するだけでなく、消去光源の寿命が短くなるという問題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、消去光源に劣化や断線等の異常が発生した場合であっても、生産効率を低下させることなく蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報の消去処理を継続することができると共に、保守作業を迅速に行うことが可能な放射線画像情報消去装置および方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する放射線画像情報消去装置において、
前記消去光源と独立に設けられる予備消去光源と、
前記消去光源の異常を検出する異常検出器と、
前記消去光源の異常を報知する報知部と、
前記異常検出器が前記消去光源の異常を検出したとき、前記予備消去光源を点灯させると共に、前記報知部を介して前記消去光源の異常を報知する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する方法において、
前記消去光源の異常の有無を検出し、異常を検出した際、報知部を介して前記消去光源の異常を報知すると共に、前記消去光源と独立に設けられる予備消去光源を点灯し、前記放射線画像情報の消去処理を継続することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、劣化や断線等の消去光源の異常を検出した場合、予備消去光源を点灯させて消去に必要な光量を確保し、蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報の消去処理を継続して確実に行うことができる。なお、消去処理を継続する際、消去時間を長く設定したり、あるいは、消去光の出力強度を大きくする必要がなく、生産効率の低下や、消去光源の寿命低下が惹起されるおそれはない。
【0011】
また、消去処理を継続すると共に、消去光源の異常状態が報知されるため、速やかに保守作業の準備を進めることができる。
【0012】
なお、異常検出器として、消去光源からの消去光の光量を検出する光量検出器、あるいは、消去光源に供給される電流を検出する電流検出器を用いることができる。また、光量検出器および電流検出器の双方を備えることにより、消去光源の劣化と断線の両方に対処することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る放射線画像情報消去装置および方法について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用される実施形態である放射線画像情報記録読取装置10の概略構成を示す。放射線画像情報記録読取装置10は、基本的には、人体等の被写体18の放射線画像を蓄積性蛍光体シートPに一旦記録する放射線記録部12と、前記蓄積性蛍光体シートPにレーザ光等の励起光Lを照射し、蓄積された放射線の強度に応じて発光する輝尽発光光Rを光電的に読み取る読取部14と、蓄積性蛍光体シートPに残存している放射線画像情報を消去させる消去ユニット16(消去装置)とから構成される。
【0015】
放射線記録部12は、放射線Sを発生させる放射線源20に対向して配置され、人体等の被写体18を所定位置に保持する撮影台22と、撮影台22に平行な状態で固定配置される蓄積性蛍光体シートPとを備える。前記撮影台22は、散乱線除去用のグリッド24を有する。
【0016】
読取部14は、蓄積性蛍光体シートPから放射線画像を読み取る読取ユニット30と、前記読取ユニット30を上下方向に変位させる読取ユニット駆動部32とから構成される。読取ユニット30は、ライン状光源36と、集光レンズアレイ38と、CCDラインセンサ40とから構成される。
【0017】
ライン状光源36は、図示しないレーザダイオードアレイおよびシリンドリカルレンズから構成される。レーザダイオードアレイは、発振波長が、例えば、650〜690nm帯にある複数のレーザダイオードが一列に並設されたものである。各レーザダイオードから発せられた発散光状態の励起光は、シリンドリカルレンズにより一方向に集光されてファンビームとなり、それらのファンビームが合成されてなる励起光Lが蓄積性蛍光体シートPを線状に照射する。
【0018】
集光レンズアレイ38は、複数の屈折率分布型レンズ(図示せず)が一列に並設されたものである。前記複数の屈折率分布型レンズは、励起光Lが照射される蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)と平行に配設される。各屈折率分布型レンズは、蓄積性蛍光体シートPから発せられた輝尽発光光Rを集光し、CCDラインセンサ40に導く。
【0019】
CCDラインセンサ40は、複数のセンサチップ(光電変換素子)(図示せず)が一列に並設されたものである。前記複数のセンサチップは、励起光Lが照射される蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)と平行に配設される。なお、蓄積性蛍光体シートPの幅が広い場合、前記蓄積性蛍光体シートPの幅方向全域を読み取ることができるように、幅方向(X方向)に対して、前記CCDラインセンサ40を複数個連ねるような構成にしてもよい。
【0020】
読取ユニット駆動部32は、放射線画像情報記録読取装置10内の上下方向(Y方向)に延設されたボールねじ34を有し、該ボールねじ34を回転させることにより、読取ユニット30を上下方向に変位可能とする。読取ユニット30は、読み取り時以外、図1の二点鎖線で示すホームポジションに待機している。
【0021】
消去ユニット16は、蓄積性蛍光体シートPに対して読取部14を挟んで対向した位置に配置される。消去ユニット16は、蓄積性蛍光体シートPに消去光Qを2次元的に照射して、該蓄積性蛍光体シートPに残存している放射線画像情報を消去させる面照明装置である。消去ユニット16は、略鉛直状態に配置される筐体42を備える。筐体42の内部には、蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)に延在する複数の消去光源44(1)〜44(5)が配置される。消去光源44(1)〜44(5)の間には、同じく、蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)に延在する複数の予備消去光源46(1)〜46(4)が配設される。また、図2に示すように、各消去光源44(1)〜44(5)には、それぞれから出力される消去光Qを検出する光量検出器48(1)〜48(5)が近接して配設される。なお、これらの光量検出器48(1)〜48(5)は、消去光Qの蓄積性蛍光体シートPに対する照射を妨げない位置に配置されることが望ましい。
【0022】
図3は、消去ユニット16の制御回路ブロック図を示す。各消去光源44(1)〜44(5)は、消去光源点灯回路53から供給される駆動電流により駆動制御されることで、所定量の消去光Qを出力する。各消去光源44(1)〜44(5)の駆動電流値I1〜I5は、電流検出器50(1)〜50(5)によって検出され、制御部52に入力される。また、各消去光源44(1)〜44(5)から出力される消去光Qの光量値T1〜T5は、光量検出器48(1)〜48(5)によって検出され、制御部52に入力される。なお、光量検出器48(1)〜48(5)は、光量値T1〜T5に基づいて各消去光源44(1)〜44(5)の劣化を検出する異常検出器として機能し、電流検出器50(1)〜50(5)は、消去光源点灯回路53および消去光源44(1)〜44(5)間の断線の有無を検出する異常検出器として機能する。
【0023】
また、制御部52には、予備消去光源点灯回路54および表示部56(報知部)が接続される。制御部52は、電流検出器50(1)〜50(5)により検出された駆動電流値I1〜I5と、光量検出器48(1)〜48(5)により検出された光量値T1〜T5とに基づき、各消去光源44(1)〜44(5)が異常であるか否かを判定し、異常であると判定した場合、予備消去光源46(1)〜46(4)の点灯指令(後述する点灯情報C)を予備消去光源点灯回路54に出力すると共に、表示部56に対して異常状態を報知させるための異常情報E(詳細は後述する)を出力する。予備消去光源点灯回路54には、予備消去光源46(1)〜46(4)が接続される。予備消去光源点灯回路54は、点灯情報Cに基づいて、予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯させる。
【0024】
なお、本実施形態では、消去光源44(1)〜44(5)に異常が発生したことを報知する表示部56を用いているが、表示部56の代わりに、あるいは、表示部56と共に、スピーカ等の音声メッセージやブザー音を発生する報知手段を用いることもできる。さらには、通信手段を介して異常情報Eを当該放射線画像情報記録読取装置10以外の装置に送信するようにしてもよい。
【0025】
光量検出器48(1)〜48(5)は、例えば、CdSセル、フォトダイオード、フォトトランジスタ、またはCCD(Charge−Coupled Device)等で構成することができる。
【0026】
消去光源44(1)〜44(5)および予備消去光源46(1)〜46(4)は、例えば、冷陰極蛍光管、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED(Light Emitted Diode)等で構成することができる。また、消去光源44(1)〜44(5)と予備消去光源46(1)〜46(4)とは、蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報を消去できる波長であればよく、必ずしも同じ種類の光源である必要はない。
【0027】
さらに、予備消去光源46(1)〜46(4)の数は任意に設定でき、しかも、蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報を消去できる光量さえ得られれば、必ずしも消去光源44(1)〜44(5)と同じ本数である必要はない。
【0028】
本実施形態の放射線画像情報記録読取装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作並びに作用効果について説明する。
【0029】
先ず、被写体18を放射線記録部12の撮影台22の所定位置に位置決めした後、医師等によってショットスイッチが押されると、放射線記録が開始される。放射線源20から出力された放射線Sは、被写体18を透過した後、グリッド24を介して蓄積性蛍光体シートPに到達することにより、放射線画像情報が記録される。
【0030】
蓄積性蛍光体シートPに放射線画像情報が記録された後、CCDラインセンサ40による読み取りが開始される。すなわち、ライン状光源36から出力された励起光Lが蓄積性蛍光体シートPをX方向に走査する一方、読取ユニット30がボールねじ34の回転に伴ってY方向に変位することにより、放射線画像情報を蓄積した蓄積性蛍光体シートPが励起光Lによって2次元的に走査される。
【0031】
励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートPは、放射線画像情報に応じた輝尽発光光Rを出力し、この輝尽発光光Rが集光レンズアレイ38を介してCCDラインセンサ40に入射する。CCDラインセンサ40は、入射した輝尽発光光Rを電気信号に変換し、これによって、電気信号として所望の放射線画像情報が取得される。
【0032】
次に、放射線画像情報の読み取られた蓄積性蛍光体シートPに対して、消去ユニット16を構成する各消去光源44(1)〜44(5)からの消去光Qが照射され、残存する放射線画像情報の消去が行われることにより、蓄積性蛍光体シートPが次の撮影に供される。
【0033】
具体的には、放射線画像情報の読み取りが完了し、読取ユニット30が放射線画像情報記録読取装置10のホームポジションに退避した後、制御部52は、消去光源点灯回路53を制御する。消去光源点灯回路53は、消去ユニット16の各消去光源44(1)〜44(5)に駆動電流を印加することにより、各消去光源44(1)〜44(5)が点灯し、消去光Qが蓄積性蛍光体シートPの全面に照射され、残存する放射線画像情報の消去が行われる。
【0034】
ここで、消去光源点灯回路53と各消去光源44(1)〜44(5)との間に接続された電流検出器50(1)〜50(5)は、各消去光源44(1)〜44(5)に供給される駆動電流値I1〜I5を検出し、制御部52に供給する。また、各消去光源44(1)〜44(5)に近接して配置されている光量検出器48(1)〜48(5)は、各消去光源44(1)〜44(5)から出力される消去光Qの光量値T1〜T5を検出し、制御部52に供給する。
【0035】
制御部52は、検出された駆動電流値I1〜I5および光量値T1〜T5に基づいて、消去光源44(1)〜44(5)が異常であるか否かを判定する。具体的には、駆動電流値I1〜I5のいずれかが正常時に比して異常に低い場合(例えば、0[A]に近い場合)、該当する消去光源44(1)〜44(5)が断線状態にあるものと判定することができる。また、各消去光源44(1)〜44(5)から出力される消去光Qの光量値T1〜T5のいずれかが所定の基準光量値より低い場合、該当する消去光源44(1)〜44(5)が劣化しているものと判定することができる。
【0036】
制御部52は、消去ユニット16が異常状態であると判定したとき、消去光Qを正常時の光量値に復旧させることのできる予備消去光源46(1)〜46(4)を演算によって求め、その予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯させるための点灯情報Cを生成する。
【0037】
例えば、消去光源44(2)が断線していると判定された場合、消去光源44(2)に隣接する予備消去光源46(2)を最大出力で点灯させる点灯情報Cを生成する。また、消去光源44(2)の光量値T2が、例えば、所定の基準光量値の略50%であることが検出された場合、光量値T2を正常値とすべく、予備消去光源46(2)を、例えば、最大出力の略50%で点灯させる点灯情報Cを生成する。なお、各消去光源44(1)〜44(5)の異常状態に応じた点灯情報テーブルを予め設定しておき、この点灯情報テーブルを用いて予備消去光源46(1)〜46(4)を制御する点灯情報Cを生成するようにしてもよい。
【0038】
以上のようにして生成された点灯情報Cは、予備消去光源点灯回路54に転送される。予備消去光源点灯回路54は、この点灯情報Cに基づいて予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯制御する。
【0039】
また、制御部52は、上記の判定結果に基づいて異常情報Eを生成し、表示部56を制御して消去ユニット16の異常状態を報知する。例えば、消去光源44(1)が断線状態であることを検出した場合、消去光源44(1)が断線しており、交換が必要であることを表示部56に表示することができる。また、消去光源44(1)の光量が低下していることを検出した場合には、消去光源44(1)が劣化しており、交換が必要であることを表示部56に表示することができる。
【0040】
これにより、作業者は、これらの表示に従い、消去ユニット16に対する適切な保守作業を迅速に行うことができる。その一方で、消去ユニット16は、生産性を何ら低下させることなく、蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報の消去処理を確実且つ継続して行うことができる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、図1、図2に示すように、消去光源44(1)〜44(5)と予備消去光源46(1)〜46(4)とを同一平面内に配置しているが、予備消去光源46(1)〜46(4)の配置は、これに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、消去光源44(1)〜44(5)を、平面L1上に配置し、予備消去光源46(1)〜46(4)を、平面L1より後方の平面L2上に配置するようにしてもよい。このように構成することにより、消去光源44(1)〜44(5)を密に配置し、消去ユニット16の長手方向に対する寸法L3を短縮することができる。
【0042】
また、消去ユニット16を蓄積蛍光体シートPに対して近接離間可能に構成し、予備消去光源46(1)〜46(4)を必要とする際、消去ユニット16を蓄積蛍光体シートP側に変位させることにより、必要な光量を確保した状態で消去光Qを蓄積蛍光体シートPに照射させることもできる。さらに、予備消去光源46(1)〜46(4)を必要とする際、蓄積蛍光体シートPに照射される放射線Sの量を制限することにより、必要最小限の消去光Qで残存する放射線画像情報の消去を行うようにすることも可能である。
【0043】
さらに、上述した実施形態では、図1に示すように、固定した消去ユニット16を用いて蓄積性蛍光体シートPに消去光Qを照射し、該蓄積性蛍光体シートPに残存している放射線画像情報を放出させるように構成しているが、図5に示すように、消去光源および予備消去光源を内包する消去ユニット16aを読取ユニット30と一体的に構成した放射線画像情報記録読取装置10aとすることもできる。この場合、読取ユニット30は、読取ユニット駆動部32の駆動作用下に副走査方向(Y方向)に移動しながら蓄積性蛍光体シートPに記録された放射線画像情報を読み取る一方、消去ユニット16aは、読み取り処理と同時に、読み取り処理の完了した蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報の消去処理を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、劣化や断線等の消去光源の異常を検出した場合、予備消去光源を点灯させて消去に必要な光量を確保することができるため、生産効率を何ら低下させることなく、放射線画像情報の読み取り処理や消去処理を継続することができる。また、消去光源に不具合の発生したことを報知することにより、劣化した消去光源の交換作業の準備や修理作業の準備を速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る放射線画像情報記録読取装置の概略構成図である。
【図2】消去ユニットの概略斜視説明図である。
【図3】消去ユニットの制御回路ブロック図である。
【図4】消去ユニットにおける予備消去光源の他の配置を説明する側面図である。
【図5】移動式の消去ユニットを備えた放射線画像情報記録読取装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10、10a…放射線画像情報記録読取装置
12…放射線記録部 14…読取部
16、16a…消去ユニット 18…被写体
20…放射線源 30…読取ユニット
42…筐体 44(1)〜44(5)…消去光源
46(1)〜46(4)…予備消去光源
48(1)〜48(5)…光量検出器 50(1)〜50(5)…電流検出器
52…制御部 53…消去光源点灯回路
54…予備消去光源点灯回路 56…表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する放射線画像情報消去装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギの一部が蓄積され、その後、可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギ強度に応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報をシート状の蓄積性蛍光体層を備えてなる蓄積性蛍光体シートに一旦記録し、この蓄積性蛍光体シートにレーザ光等の励起光を照射して得られる輝尽発光光を光電的に読み取って得られた画像信号を写真感光材料等の記録媒体、あるいは、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置に被写体の放射線画像を可視像として出力させる放射線画像情報記録読取装置、いわゆる、CR(Computed Radiography)装置が知られている。
【0003】
この放射線画像情報記録読取装置として、さらに、放射線画像情報の読み取られた蓄積性蛍光体シートに消去光を照射して残存する放射線画像情報を消去し、蓄積性蛍光体シートを新たな放射線画像情報の記録に供するための消去ユニットを備えたものがある。消去ユニットを構成する光源としては、例えば、冷陰極蛍光管、ハロゲンランプ、キセノンランプ等、蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去することのできる波長の消去光を出力するものが使用される。
【0004】
ところで、これらの消去光源は、使用時間の経過に伴い劣化して光量が低下し、あるいは、配線の断線により点灯不能となる場合がある。このような事態が生じると、蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を適切に消去できなくなり、再記録に使用した際、残存する放射線画像情報の影響により像が二重になる等、画質が著しく低下するという問題が発生する。
【0005】
このような問題の解決方法として、例えば、特許第2693719号には、消去光源の劣化または断線を検出する異常検出手段を設け、前記異常検出手段が消去光源の劣化または断線を検出した場合、その状態を認識可能な報知を行うことが開示されている。また、この従来技術には、異常を検出した際、消去光の照射時間を長くし、あるいは、消去光の出力強度を大きくして消去に必要な光量を確保することが開示されている。
【0006】
しかしながら、消去光の照射時間を長くすると、消去処理に長時間を要し、生産効率が低下してしまう。また、消去光の出力強度を大きくすると、消去光源の劣化や断線の懸念が増加するだけでなく、消去光源の寿命が短くなるという問題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、消去光源に劣化や断線等の異常が発生した場合であっても、生産効率を低下させることなく蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報の消去処理を継続することができると共に、保守作業を迅速に行うことが可能な放射線画像情報消去装置および方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する放射線画像情報消去装置において、
前記消去光源と独立に設けられる予備消去光源と、
前記消去光源の異常を検出する異常検出器と、
前記消去光源の異常を報知する報知部と、
前記異常検出器が前記消去光源の異常を検出したとき、前記予備消去光源を点灯させると共に、前記報知部を介して前記消去光源の異常を報知する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する方法において、
前記消去光源の異常の有無を検出し、異常を検出した際、報知部を介して前記消去光源の異常を報知すると共に、前記消去光源と独立に設けられる予備消去光源を点灯し、前記放射線画像情報の消去処理を継続することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、劣化や断線等の消去光源の異常を検出した場合、予備消去光源を点灯させて消去に必要な光量を確保し、蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報の消去処理を継続して確実に行うことができる。なお、消去処理を継続する際、消去時間を長く設定したり、あるいは、消去光の出力強度を大きくする必要がなく、生産効率の低下や、消去光源の寿命低下が惹起されるおそれはない。
【0011】
また、消去処理を継続すると共に、消去光源の異常状態が報知されるため、速やかに保守作業の準備を進めることができる。
【0012】
なお、異常検出器として、消去光源からの消去光の光量を検出する光量検出器、あるいは、消去光源に供給される電流を検出する電流検出器を用いることができる。また、光量検出器および電流検出器の双方を備えることにより、消去光源の劣化と断線の両方に対処することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る放射線画像情報消去装置および方法について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用される実施形態である放射線画像情報記録読取装置10の概略構成を示す。放射線画像情報記録読取装置10は、基本的には、人体等の被写体18の放射線画像を蓄積性蛍光体シートPに一旦記録する放射線記録部12と、前記蓄積性蛍光体シートPにレーザ光等の励起光Lを照射し、蓄積された放射線の強度に応じて発光する輝尽発光光Rを光電的に読み取る読取部14と、蓄積性蛍光体シートPに残存している放射線画像情報を消去させる消去ユニット16(消去装置)とから構成される。
【0015】
放射線記録部12は、放射線Sを発生させる放射線源20に対向して配置され、人体等の被写体18を所定位置に保持する撮影台22と、撮影台22に平行な状態で固定配置される蓄積性蛍光体シートPとを備える。前記撮影台22は、散乱線除去用のグリッド24を有する。
【0016】
読取部14は、蓄積性蛍光体シートPから放射線画像を読み取る読取ユニット30と、前記読取ユニット30を上下方向に変位させる読取ユニット駆動部32とから構成される。読取ユニット30は、ライン状光源36と、集光レンズアレイ38と、CCDラインセンサ40とから構成される。
【0017】
ライン状光源36は、図示しないレーザダイオードアレイおよびシリンドリカルレンズから構成される。レーザダイオードアレイは、発振波長が、例えば、650〜690nm帯にある複数のレーザダイオードが一列に並設されたものである。各レーザダイオードから発せられた発散光状態の励起光は、シリンドリカルレンズにより一方向に集光されてファンビームとなり、それらのファンビームが合成されてなる励起光Lが蓄積性蛍光体シートPを線状に照射する。
【0018】
集光レンズアレイ38は、複数の屈折率分布型レンズ(図示せず)が一列に並設されたものである。前記複数の屈折率分布型レンズは、励起光Lが照射される蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)と平行に配設される。各屈折率分布型レンズは、蓄積性蛍光体シートPから発せられた輝尽発光光Rを集光し、CCDラインセンサ40に導く。
【0019】
CCDラインセンサ40は、複数のセンサチップ(光電変換素子)(図示せず)が一列に並設されたものである。前記複数のセンサチップは、励起光Lが照射される蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)と平行に配設される。なお、蓄積性蛍光体シートPの幅が広い場合、前記蓄積性蛍光体シートPの幅方向全域を読み取ることができるように、幅方向(X方向)に対して、前記CCDラインセンサ40を複数個連ねるような構成にしてもよい。
【0020】
読取ユニット駆動部32は、放射線画像情報記録読取装置10内の上下方向(Y方向)に延設されたボールねじ34を有し、該ボールねじ34を回転させることにより、読取ユニット30を上下方向に変位可能とする。読取ユニット30は、読み取り時以外、図1の二点鎖線で示すホームポジションに待機している。
【0021】
消去ユニット16は、蓄積性蛍光体シートPに対して読取部14を挟んで対向した位置に配置される。消去ユニット16は、蓄積性蛍光体シートPに消去光Qを2次元的に照射して、該蓄積性蛍光体シートPに残存している放射線画像情報を消去させる面照明装置である。消去ユニット16は、略鉛直状態に配置される筐体42を備える。筐体42の内部には、蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)に延在する複数の消去光源44(1)〜44(5)が配置される。消去光源44(1)〜44(5)の間には、同じく、蓄積性蛍光体シートPの幅方向(X方向)に延在する複数の予備消去光源46(1)〜46(4)が配設される。また、図2に示すように、各消去光源44(1)〜44(5)には、それぞれから出力される消去光Qを検出する光量検出器48(1)〜48(5)が近接して配設される。なお、これらの光量検出器48(1)〜48(5)は、消去光Qの蓄積性蛍光体シートPに対する照射を妨げない位置に配置されることが望ましい。
【0022】
図3は、消去ユニット16の制御回路ブロック図を示す。各消去光源44(1)〜44(5)は、消去光源点灯回路53から供給される駆動電流により駆動制御されることで、所定量の消去光Qを出力する。各消去光源44(1)〜44(5)の駆動電流値I1〜I5は、電流検出器50(1)〜50(5)によって検出され、制御部52に入力される。また、各消去光源44(1)〜44(5)から出力される消去光Qの光量値T1〜T5は、光量検出器48(1)〜48(5)によって検出され、制御部52に入力される。なお、光量検出器48(1)〜48(5)は、光量値T1〜T5に基づいて各消去光源44(1)〜44(5)の劣化を検出する異常検出器として機能し、電流検出器50(1)〜50(5)は、消去光源点灯回路53および消去光源44(1)〜44(5)間の断線の有無を検出する異常検出器として機能する。
【0023】
また、制御部52には、予備消去光源点灯回路54および表示部56(報知部)が接続される。制御部52は、電流検出器50(1)〜50(5)により検出された駆動電流値I1〜I5と、光量検出器48(1)〜48(5)により検出された光量値T1〜T5とに基づき、各消去光源44(1)〜44(5)が異常であるか否かを判定し、異常であると判定した場合、予備消去光源46(1)〜46(4)の点灯指令(後述する点灯情報C)を予備消去光源点灯回路54に出力すると共に、表示部56に対して異常状態を報知させるための異常情報E(詳細は後述する)を出力する。予備消去光源点灯回路54には、予備消去光源46(1)〜46(4)が接続される。予備消去光源点灯回路54は、点灯情報Cに基づいて、予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯させる。
【0024】
なお、本実施形態では、消去光源44(1)〜44(5)に異常が発生したことを報知する表示部56を用いているが、表示部56の代わりに、あるいは、表示部56と共に、スピーカ等の音声メッセージやブザー音を発生する報知手段を用いることもできる。さらには、通信手段を介して異常情報Eを当該放射線画像情報記録読取装置10以外の装置に送信するようにしてもよい。
【0025】
光量検出器48(1)〜48(5)は、例えば、CdSセル、フォトダイオード、フォトトランジスタ、またはCCD(Charge−Coupled Device)等で構成することができる。
【0026】
消去光源44(1)〜44(5)および予備消去光源46(1)〜46(4)は、例えば、冷陰極蛍光管、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED(Light Emitted Diode)等で構成することができる。また、消去光源44(1)〜44(5)と予備消去光源46(1)〜46(4)とは、蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報を消去できる波長であればよく、必ずしも同じ種類の光源である必要はない。
【0027】
さらに、予備消去光源46(1)〜46(4)の数は任意に設定でき、しかも、蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報を消去できる光量さえ得られれば、必ずしも消去光源44(1)〜44(5)と同じ本数である必要はない。
【0028】
本実施形態の放射線画像情報記録読取装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作並びに作用効果について説明する。
【0029】
先ず、被写体18を放射線記録部12の撮影台22の所定位置に位置決めした後、医師等によってショットスイッチが押されると、放射線記録が開始される。放射線源20から出力された放射線Sは、被写体18を透過した後、グリッド24を介して蓄積性蛍光体シートPに到達することにより、放射線画像情報が記録される。
【0030】
蓄積性蛍光体シートPに放射線画像情報が記録された後、CCDラインセンサ40による読み取りが開始される。すなわち、ライン状光源36から出力された励起光Lが蓄積性蛍光体シートPをX方向に走査する一方、読取ユニット30がボールねじ34の回転に伴ってY方向に変位することにより、放射線画像情報を蓄積した蓄積性蛍光体シートPが励起光Lによって2次元的に走査される。
【0031】
励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートPは、放射線画像情報に応じた輝尽発光光Rを出力し、この輝尽発光光Rが集光レンズアレイ38を介してCCDラインセンサ40に入射する。CCDラインセンサ40は、入射した輝尽発光光Rを電気信号に変換し、これによって、電気信号として所望の放射線画像情報が取得される。
【0032】
次に、放射線画像情報の読み取られた蓄積性蛍光体シートPに対して、消去ユニット16を構成する各消去光源44(1)〜44(5)からの消去光Qが照射され、残存する放射線画像情報の消去が行われることにより、蓄積性蛍光体シートPが次の撮影に供される。
【0033】
具体的には、放射線画像情報の読み取りが完了し、読取ユニット30が放射線画像情報記録読取装置10のホームポジションに退避した後、制御部52は、消去光源点灯回路53を制御する。消去光源点灯回路53は、消去ユニット16の各消去光源44(1)〜44(5)に駆動電流を印加することにより、各消去光源44(1)〜44(5)が点灯し、消去光Qが蓄積性蛍光体シートPの全面に照射され、残存する放射線画像情報の消去が行われる。
【0034】
ここで、消去光源点灯回路53と各消去光源44(1)〜44(5)との間に接続された電流検出器50(1)〜50(5)は、各消去光源44(1)〜44(5)に供給される駆動電流値I1〜I5を検出し、制御部52に供給する。また、各消去光源44(1)〜44(5)に近接して配置されている光量検出器48(1)〜48(5)は、各消去光源44(1)〜44(5)から出力される消去光Qの光量値T1〜T5を検出し、制御部52に供給する。
【0035】
制御部52は、検出された駆動電流値I1〜I5および光量値T1〜T5に基づいて、消去光源44(1)〜44(5)が異常であるか否かを判定する。具体的には、駆動電流値I1〜I5のいずれかが正常時に比して異常に低い場合(例えば、0[A]に近い場合)、該当する消去光源44(1)〜44(5)が断線状態にあるものと判定することができる。また、各消去光源44(1)〜44(5)から出力される消去光Qの光量値T1〜T5のいずれかが所定の基準光量値より低い場合、該当する消去光源44(1)〜44(5)が劣化しているものと判定することができる。
【0036】
制御部52は、消去ユニット16が異常状態であると判定したとき、消去光Qを正常時の光量値に復旧させることのできる予備消去光源46(1)〜46(4)を演算によって求め、その予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯させるための点灯情報Cを生成する。
【0037】
例えば、消去光源44(2)が断線していると判定された場合、消去光源44(2)に隣接する予備消去光源46(2)を最大出力で点灯させる点灯情報Cを生成する。また、消去光源44(2)の光量値T2が、例えば、所定の基準光量値の略50%であることが検出された場合、光量値T2を正常値とすべく、予備消去光源46(2)を、例えば、最大出力の略50%で点灯させる点灯情報Cを生成する。なお、各消去光源44(1)〜44(5)の異常状態に応じた点灯情報テーブルを予め設定しておき、この点灯情報テーブルを用いて予備消去光源46(1)〜46(4)を制御する点灯情報Cを生成するようにしてもよい。
【0038】
以上のようにして生成された点灯情報Cは、予備消去光源点灯回路54に転送される。予備消去光源点灯回路54は、この点灯情報Cに基づいて予備消去光源46(1)〜46(4)を点灯制御する。
【0039】
また、制御部52は、上記の判定結果に基づいて異常情報Eを生成し、表示部56を制御して消去ユニット16の異常状態を報知する。例えば、消去光源44(1)が断線状態であることを検出した場合、消去光源44(1)が断線しており、交換が必要であることを表示部56に表示することができる。また、消去光源44(1)の光量が低下していることを検出した場合には、消去光源44(1)が劣化しており、交換が必要であることを表示部56に表示することができる。
【0040】
これにより、作業者は、これらの表示に従い、消去ユニット16に対する適切な保守作業を迅速に行うことができる。その一方で、消去ユニット16は、生産性を何ら低下させることなく、蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報の消去処理を確実且つ継続して行うことができる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、図1、図2に示すように、消去光源44(1)〜44(5)と予備消去光源46(1)〜46(4)とを同一平面内に配置しているが、予備消去光源46(1)〜46(4)の配置は、これに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、消去光源44(1)〜44(5)を、平面L1上に配置し、予備消去光源46(1)〜46(4)を、平面L1より後方の平面L2上に配置するようにしてもよい。このように構成することにより、消去光源44(1)〜44(5)を密に配置し、消去ユニット16の長手方向に対する寸法L3を短縮することができる。
【0042】
また、消去ユニット16を蓄積蛍光体シートPに対して近接離間可能に構成し、予備消去光源46(1)〜46(4)を必要とする際、消去ユニット16を蓄積蛍光体シートP側に変位させることにより、必要な光量を確保した状態で消去光Qを蓄積蛍光体シートPに照射させることもできる。さらに、予備消去光源46(1)〜46(4)を必要とする際、蓄積蛍光体シートPに照射される放射線Sの量を制限することにより、必要最小限の消去光Qで残存する放射線画像情報の消去を行うようにすることも可能である。
【0043】
さらに、上述した実施形態では、図1に示すように、固定した消去ユニット16を用いて蓄積性蛍光体シートPに消去光Qを照射し、該蓄積性蛍光体シートPに残存している放射線画像情報を放出させるように構成しているが、図5に示すように、消去光源および予備消去光源を内包する消去ユニット16aを読取ユニット30と一体的に構成した放射線画像情報記録読取装置10aとすることもできる。この場合、読取ユニット30は、読取ユニット駆動部32の駆動作用下に副走査方向(Y方向)に移動しながら蓄積性蛍光体シートPに記録された放射線画像情報を読み取る一方、消去ユニット16aは、読み取り処理と同時に、読み取り処理の完了した蓄積性蛍光体シートPに残存する放射線画像情報の消去処理を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、劣化や断線等の消去光源の異常を検出した場合、予備消去光源を点灯させて消去に必要な光量を確保することができるため、生産効率を何ら低下させることなく、放射線画像情報の読み取り処理や消去処理を継続することができる。また、消去光源に不具合の発生したことを報知することにより、劣化した消去光源の交換作業の準備や修理作業の準備を速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る放射線画像情報記録読取装置の概略構成図である。
【図2】消去ユニットの概略斜視説明図である。
【図3】消去ユニットの制御回路ブロック図である。
【図4】消去ユニットにおける予備消去光源の他の配置を説明する側面図である。
【図5】移動式の消去ユニットを備えた放射線画像情報記録読取装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10、10a…放射線画像情報記録読取装置
12…放射線記録部 14…読取部
16、16a…消去ユニット 18…被写体
20…放射線源 30…読取ユニット
42…筐体 44(1)〜44(5)…消去光源
46(1)〜46(4)…予備消去光源
48(1)〜48(5)…光量検出器 50(1)〜50(5)…電流検出器
52…制御部 53…消去光源点灯回路
54…予備消去光源点灯回路 56…表示部
Claims (4)
- 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する放射線画像情報消去装置において、
前記消去光源と独立に設けられる予備消去光源と、
前記消去光源の異常を検出する異常検出器と、
前記消去光源の異常を報知する報知部と、
前記異常検出器が前記消去光源の異常を検出したとき、前記予備消去光源を点灯させると共に、前記報知部を介して前記消去光源の異常を報知する制御部と、
を備えることを特徴とする放射線画像情報消去装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記異常検出器は、前記消去光源からの前記消去光の光量を検出する光量検出器からなることを特徴とする放射線画像情報消去装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記異常検出器は、前記消去光源に供給される電流を検出する電流検出器からなることを特徴とする放射線画像情報消去装置。 - 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに消去光源からの消去光を照射することで前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する方法において、
前記消去光源の異常の有無を検出し、異常を検出した際、報知部を介して前記消去光源の異常を報知すると共に、前記消去光源と独立に設けられる予備消去光源を点灯し、前記放射線画像情報の消去処理を継続することを特徴とする放射線画像情報の消去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002164492A JP2004012689A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 放射線画像情報消去装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002164492A JP2004012689A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 放射線画像情報消去装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004012689A true JP2004012689A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30432623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002164492A Pending JP2004012689A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 放射線画像情報消去装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004012689A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009510497A (ja) * | 2005-09-27 | 2009-03-12 | デュール デンタル アクチェンゲゼルシャフト | 露光されたディスケットを読み出す器具 |
-
2002
- 2002-06-05 JP JP2002164492A patent/JP2004012689A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009510497A (ja) * | 2005-09-27 | 2009-03-12 | デュール デンタル アクチェンゲゼルシャフト | 露光されたディスケットを読み出す器具 |
JP4768819B2 (ja) * | 2005-09-27 | 2011-09-07 | デュール デンタル アクチェンゲゼルシャフト | 露光されたディスケットを読み出す器具 |
US9417337B2 (en) | 2005-09-27 | 2016-08-16 | Michael Thorns | Device for reading out exposed imaging plates |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004004588A (ja) | 放射線変換パネルを用いた放射線画像情報読取装置および放射線変換パネルの感度補正方法 | |
JP4008328B2 (ja) | 放射線画像情報読取方法および装置 | |
US7825393B2 (en) | Computed radiography system and method for manufacturing the same | |
JP2005296115A (ja) | 乳房画像撮影装置 | |
JP2004012689A (ja) | 放射線画像情報消去装置および方法 | |
JP4080135B2 (ja) | 画像情報記録読取装置 | |
WO2004016175A1 (ja) | 画像入力装置 | |
JP2007033992A (ja) | 残留放射線画像消去装置及び消去方法 | |
JP2007256981A (ja) | 放射線変換パネルを用いた放射線画像情報読取装置および放射線変換パネルの状態判定方法 | |
JP4461085B2 (ja) | 残留放射線画像消去装置及び消去方法 | |
JP2004109294A (ja) | 放射線画像情報読取装置における消去光量制御方法および装置 | |
JPH03238441A (ja) | 放射線画像情報記録読取装置 | |
US20130015371A1 (en) | Thermoluminescent computed radiography reader and method for using same | |
JP4708556B2 (ja) | 撮影制御装置、放射線撮影装置及び放射線撮影システム | |
JP2006267427A (ja) | 放射線画像補正装置 | |
JPH01178956A (ja) | 放射線画像情報記録読取装置 | |
JP2002072389A (ja) | 放射線画像情報記録読取装置 | |
JPH11119356A (ja) | 放射線画像情報読み取り方法及び放射線画像情報読み取り装置 | |
JP2003295363A (ja) | 放射線画像情報読取装置における消去光量制御方法及び装置 | |
JP2004109835A (ja) | 放射線カセッテ用ホルダおよび放射線画像情報記録装置 | |
JP2003077311A (ja) | 面照明装置 | |
JP2003098608A (ja) | 放射線画像情報記録読取装置 | |
JP2002277992A (ja) | 放射線画像撮影装置の検査方法、放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影装置の異常通報システム | |
US6740899B2 (en) | Method and apparatus for recording and reading out radiation images | |
JP2002072377A (ja) | 放射線画像情報読取装置 |