JP2002072389A - 放射線画像情報記録読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄積性蛍光体シートを使用した放射線画像情
報記録読取装置を小型化する。 【解決手段】 蓄積性蛍光体シート２に被写体11を透過
した放射線13を照射することにより、シート２に被写体
11の放射線画像情報を蓄積記録する画像記録部10と、こ
の記録がなされた蓄積性蛍光体シート２から放射線画像
情報を読み取る読取ユニット21からなる画像情報読取部
20を備えた放射線画像情報記録読取装置において、輝尽
発光光35の読取りがなされた後の蓄積性蛍光体シート２
に、画像記録部10での画像記録がなされるのに先行し
て、このシート２に残存している放射線エネルギーを放
出させる消去光源を、ＥＬ発光体からなるシート状の消
去光源40により構成し、該消去光源40を画像記録部1に
保持されたシート２の放射線13の照射面に密接させて配
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蓄積性蛍光体シー
トに放射線画像情報を蓄積記録し、次いでこれに励起光
を照射し、蓄積記録された画像情報に応じて輝尽発光す
る光を検出して画像情報を読み取り電気信号に変換する
放射線画像情報記録読取装置に関し、特にその消去光源
の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、放射線（Ｘ線、α線、β線、
γ線、電子線、紫外線等）を照射すると、この放射線エ
ネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を
照射すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示
す蓄積性蛍光体（輝尽性蛍光体）を利用して、人体等の
被写体の放射線画像情報をシート状の蓄積性蛍光体層を
備えてなる蓄積性蛍光体シートに一旦記録し、この蓄積
性蛍光体シートにレーザ光等の励起光を走査して輝尽発
光光を生じせしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読み
取って画像信号を得、この画像信号に基づき写真感光材
料等の記録媒体、ＣＲＴ等の表示装置に被写体の放射線
画像を可視像として出力させる放射線画像情報記録再生
システムが知られている（ＣＲ＝Computed Radiograph
y）。

【０００３】一方、本出願人により蓄積性蛍光体シート
を循環通路に沿って搬送させる循環搬送手段、この循環
通路上にあって蓄積性蛍光体シートに被写体の放射線画
像を撮影する画像記録部、循環通路上にあってこの撮影
された放射線画像を読取る画像読取部、循環通路上にあ
って放射線画像を読取後の蓄積性蛍光体シートに残存す
る放射線エネルギーを放出させる消去部からなるいわゆ
るビルトインタイプの放射線画像情報記録読取装置が提
案されており（特開昭58-200269号、同59-192240号、特
開平3-238441号等）、蓄積性蛍光体シートを繰り返し利
用して蓄積性蛍光体シートの効率的運用を実現してい
る。

【０００４】ここで、上述した放射線画像情報記録読取
装置においては、輝尽発光光の読取時間の短縮や、装置
のコンパクト化およびコスト低減等の観点から、光電読
取手段としてＣＣＤ等からなるラインセンサを適用する
ことが提案されている（特開昭60-111568号、特開昭60-
236354、特開平1-101540号等）。

【０００５】この種のラインセンサを用いた放射線画像
情報記録読取装置は、基本的に、蓄積性蛍光体シートの
一部に励起光を線状に照射する励起光照射手段およびこ
の蓄積性蛍光体シートの線状の励起光照射部分に沿うよ
うに複数の光電変換素子が並設されてなるラインセンサ
からなる読取ユニットと、この読取ユニットと蓄積性蛍
光体シートとの一方を他方に対して相対的に、励起光照
射部分の長さ方向（主走査方向）とほぼ直交する方向
（副走査方向）に移動させる副走査手段とを備えてなる
ものである。

【０００６】特に、蓄積性蛍光体シートを固定し、読取
ユニットを移動させる構成とすれば、装置全体としての
大きさを効果的に小型化することができる。このような
装置の場合、残存放射線画像を消去するために、読取ユ
ニットの後方に消去光源を設けシート全面に同時に消去
光を照射する形態、もしくは、読取ユニット内に消去光
源を設け、ユニットを移動させることによりシート全面
に消去光を照射する形態等が提案されている（特開昭63
-189855号）。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、読取ユ
ニットの後方に配置された消去光源によりシート全面に
同時に消去光を照射して残存放射線画像を消去する構成
の場合、シートと消去光源との間に配されている読取ユ
ニットが消去光を遮るために、シート全面に一様に消去
光を照射することは困難である。

【０００８】また、読取ユニット内に消去光源を設け、
読取ユニット移動により全面消去する構成の場合、読取
ユニット内に消去光源と読取手段とが混在するために構
成が複雑となり、読取ユニット自体の大きさが大きくな
るという問題がある。

【０００９】本発明は上記のような問題点に鑑み、装置
全体の大きさを小型化することができ、また、消去光源
の移動を必要としない放射線画像情報記録読取装置を提
供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の放射線画像情報
記録読取装置は、蓄積性蛍光体シートを片面側から放射
線に照射される撮影位置に保持する画像記録部、前記撮
影位置に保持された前記シートの前記放射線の照射面と
反対の面側に配され、放射線の照射後、放射線画像情報
が蓄積記録された前記シートに励起光を二次元的に照射
して、該励起光の照射により前記シートから発せられた
輝尽発光光を光電的に検出して、前記シートに蓄積記録
された放射線画像情報を担持する画像信号を得る読取手
段、および、前記撮影位置に保持された前記シートの前
記放射線の照射面側に該シートに近接して配された、該
放射線に対して一様な透過性を有する、前記シートの全
面に消去光を照射して読取りの終了した該シートに残存
する放射線エネルギーを放出させるシート状の消去光源
を備えたことを特徴とするものである。

【００１１】ここで、「励起光を二次元的に照射」と
は、１本の光ビームを主走査方向および副走査方向に偏
向させて該ビームの光スポットにより蓄積性蛍光体シー
ト上を二次元的に走査するもの、主走査方向にのみ偏向
させ、副走査方向にはシートとビームを相対的に移動さ
せるもの、主走査方向に沿って照射される線状光を副走
査方向に移動させることにより蓄積性蛍光体シート上を
二次元的に走査するもの、シート全面同時に励起光を照
射させるもの等、様々の方法があるが、これらのうちい
ずれであってもよい。

【００１２】また、「放射線に対して一様な透過性を有
する」とは、放射線透過性に関して実質的に不連続な構
造を持たず、すなわち、放射線が透過しても蓄積性蛍光
体シート上にその構造が濃淡を持った画像として記録さ
れることがなく、かつ、前記画像情報を蓄積性蛍光体シ
ートに蓄積記録するために十分な量の放射線を透過する
ものであることを意味する。この透過性は高いほうが好
ましいことは言うまでもない。

【００１３】なお、前記シート状の消去光源は有機ＥＬ
発光体からなるものであってもよいし、前記シートに対
面する面から前記シートに向けて前記消去光を出力させ
る光拡散性を有する透明シートと、該透明シートの両端
部に配された、前記透明シートの両端部から透明シート
内部に光を入射する光源とからなるものであってもよ
い。

【００１４】透明シートが光拡散性を有するようにする
ためには、透明シートの少なくとも片面に光拡散面を備
えるようにしてもよいし、内部に光拡散用粒子を分散し
てもよい。

【００１５】さらに、前記蓄積性蛍光体シートは、シー
ト状の透明支持体と、該支持体上に配された蓄積性蛍光
体層とを備えてなるものとし、前記消去光源の透明シー
トが前記蓄積性蛍光体シートの前記透明支持体を兼ねる
ものとしてもよい。

【００１６】なお、本発明の放射線画像情報記録読取装
置においては、蓄積性蛍光体シートを、放射線画像情報
を蓄積記録する位置にそのまま固定しておいて放射線画
像情報読取り（つまり励起光照射と輝尽発光光検出）を
行うようにしてもよいし、あるいは、放射線画像情報の
記録後にシートを搬送手段により画像読取部まで搬送し
て放射線画像情報の読取りを行うようにしてもよいが、
特に、前記蓄積性蛍光体シートを前記撮影位置に固定
し、前記読取手段を、前記シートに対して主走査方向に
沿って一次元的に前記励起光の照射を行い、該励起光の
一次元的な照射により発せられた輝尽発光光を検出する
読取ユニットと、該読取ユニットを副走査方向に移動さ
せるユニット移動手段とからなるものとすることが望ま
しい。

【００１７】なおここで「副走査方向」とは、前記主走
査方向と交差する方向であり、前記主走査方向への一次
元的な励起光の照射とこの副走査方向への移動により励
起光の二次元的な照射がなされる。通常は、主走査方向
に対し、副走査方向は垂直である。

【００１８】さらに、前記読取ユニットは、前記励起光
を前記シート上に線状に照射する線状光源および前記線
状に照射された励起光の照射位置に沿って配された該励
起光の照射により前記シートから発せられた輝尽発光光
を光電的に検出するラインセンサからなるものであるこ
とが好ましい。

【００１９】

【発明の効果】本発明の放射線画像情報記録読取装置
は、画像情報読取り済みのシートに残存する放射線エネ
ルギーを放出させる消去光源として、画像記録部の撮影
位置に保持されたシートの放射線の照射面側に該シート
に近接して配された、放射線に対して一様な透過性を有
するシート状の消去光源を備えており、消去光源がシー
ト状であることから場所をとらず、また消去光源を移動
型とする必要がなく装置全体として小型化することがで
き、装置の構造を簡易化することができる。

【００２０】また、前記蓄積性蛍光体シートを撮影位置
に固定し、読取手段を、主走査方向に沿って一次元的に
励起光の照射を行い、励起光の一次元的な照射により発
せられた輝尽発光光を検出する読取ユニットと、読取ユ
ニットを副走査方向に移動させるユニット移動手段とか
らなるものとした場合には、シートを搬送するための空
間や搬送手段が必要ないために放射線画像情報記録読取
装置全体として小型に構成することができる。

【００２１】さらに、前記読取ユニットを、励起光を前
記シート上に線状に照射する線状光源および線状に照射
された励起光の照射位置に沿って配された励起光の照射
により前記シートから発せられた輝尽発光光を光電的に
検出するラインセンサからなるものとした場合には、線
状光源は、１本の光ビームを偏向させて蓄積性蛍光体シ
ート上を走査させるポイントスキャン型の光源と比べて
小型に構成され得るものであり、さらに、ラインセンサ
も、光電子増倍管等と比べて小型であるから、読取ユニ
ットを全体として小型に構成することができ、読取ユニ
ットの小型化に伴い放射線画像情報記録読取装置全体と
しても十分に小型化され得るものとなる。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図１は、本発明の実施形態に
よる放射線画像情報記録読取装置の概略側面形状を示す
ものである。図示のように本実施形態の装置は、放射線
画像記録部10および放射線画像情報読取部20を有してい
る。

【００２３】放射線画像記録部10には人体等の被写体11
を所定位置に保持する撮影台12が設けられ、この撮影台
12の後方には散乱線除去用のグリッド16が配されてお
り、該グリッド16のさらに後方に蓄積性蛍光体シート２
が所定の撮影位置に固定保持されている。蓄積性蛍光体
シート２は透明支持体2A上に蓄積性蛍光体層2Bが形成さ
れてなるものであり、また前記撮影台12も放射線透過性
を有するものとなっている。また、蓄積性蛍光体シート
２の放射線13の照射面側にはシート状の消去光源40が蓄
積性蛍光体シート２に密着するようにして配されてい
る。

【００２４】放射線画像情報読取部20においては、読取
ユニット21を用いて、蓄積性蛍光体シート２から放射線
画像情報が読み取られる。この読取ユニット21には、ラ
イン光源（線状光源）22と、ＣＣＤラインセンサ23と、
このラインセンサ23の前側（蓄積性蛍光体シート２側）
に配された集光レンズアレイ25とが搭載されている。こ
の読取ユニット21は、上下方向に延びて移動手段15によ
り回転されるボールネジ14に螺合する雌ネジ部（図示せ
ず）等を有し、ボールネジ14が正逆回転されることによ
り、上下方向に移動するようになっている。

【００２５】上記ライン光源22は図２に正面形状を示す
ように、レーザダイオードアレイ33およびシリンドリカ
ルレンズ34から構成されている。レーザダイオードアレ
イ33は、発振波長が例えば６５０〜６９０ｎｍ帯にある
複数のレーザダイオード33ａ、33ｂ、33ｃ……が一列に
並設されてなるものである。各レーザダイオード33ａ、
33ｂ、33ｃ……から発せられた発散光状態の励起光31
ａ、31ｂ、31ｃ……は、シリンドリカルレンズ34により
一方向のみ（図１に示される面内のみ）に集光されてフ
ァンビームとなり、それらのファンビームが合成されて
なる励起光31が蓄積性蛍光体シート２の一部分を線状に
照射するようになっている。

【００２６】ＣＣＤラインセンサ23は図３に平面形状を
示すように、一列に並設された多数のセンサチップ（光
電変換素子）23ａを有するものである。本例においてこ
のＣＣＤラインセンサ23のセンサチップ並設方向と直交
する方向の受光幅、つまりセンサチップ23ａの幅Ｗは約
１００μｍである。

【００２７】このＣＣＤラインセンサ23は、センサチッ
プ23ａが図１の蓄積性蛍光体シート２上における励起光
照射部分の長さ方向（Ｘ方向）に沿って並ぶ向きに配設
されている。なおこのＣＣＤラインセンサ23は、幅の大
きい蓄積性蛍光体シート２に対応するために、複数のラ
インセンサをその長さ方向に連ねて構成されてもよい。

【００２８】一方、ＣＣＤラインセンサ23の前側に配さ
れた集光レンズアレイ25は、図４に正面形状を示す通
り、例えば多数の屈折率分布型レンズ25ａ、25ｂ、25
ｃ、25ｄ……が一列に並設されてなるものである。そし
てこの集光レンズアレイ25は、屈折率分布型レンズ25
ａ、25ｂ、25ｃ、25ｄ……が蓄積性蛍光体シート２上に
おける励起光照射部分の長さ方向（Ｘ方向）に沿って並
ぶ向きに配設されている。各屈折率分布型レンズ25ａ、
25ｂ、25ｃ、25ｄ……は、蓄積性蛍光体シート２から発
せられた輝尽発光光35を集光して、図１に示すようにＣ
ＣＤラインセンサ23に導く。

【００２９】なお、ＣＣＤラインセンサ23と集光レンズ
アレイ25との間には、蓄積性蛍光体シート２で反射した
励起光31をカットするフィルタ（図示せず）が介設され
ている。

【００３０】消去光源40は、蓄積性蛍光体シート２の励
起波長域にある波長の光（消去光）を発するものであ
り、放射線に対して一様な透過性を有し、蓄積性蛍光体
シートと同等以上の大きさを有して該シート全面に同時
に消去光を照射するものである。該消去光の照射により
読取りの終了したシートに残存する放射線エネルギーを
放出させる。

【００３１】この消去光源40は具体的には有機ＥＬ発光
体からなるものである。この消去光源40は放射線に対し
て十分な透過性を有し、実質的に構造を持たない。従っ
て、放射線13が消去光源40を透過して蓄積性蛍光体シー
ト２に画像を蓄積記録する際、消去光源40の画像がシー
ト２に同時に記録されることはない。

【００３２】また、本実施形態の放射線画像情報記録読
取装置においては、図５、６に示すような消去光源を用
いることもできる。

【００３３】図５に示す消去光源40は、例えばアクリル
製の透明シート41と、その両端部41a に設けられたアパ
ーチャタイプ蛍光灯42とからなる。蛍光灯の開口43は透
明シートの端部41a に接して、ここから光を透明シート
41内部に入射させる。透明シート41は放射線13の入射面
41b は光拡散面であり、この光拡散面により蓄積性蛍光
体シート２に対面する面41c から効率よく消去光を出力
する。なお、透明シート41は、蓄積性蛍光体シート２に
対面する面から消去光を出力するものであればよいの
で、必ずしも放射線の入射面41b が光拡散面とされてい
なくても光拡散性を有するものであればよく、蓄積性蛍
光体シート２に対面する面41cが光拡散面であってもよ
いし、光拡散用の粒子が内部に分散されていてもよい。
また、アパーチャタイプ蛍光灯42の代わりに冷陰極蛍光
灯等を用いることもできる。

【００３４】また、図６に示すように消去光源40の透明
シート41上に蓄積性蛍光体層2Bを形成し、該透明シート
41が蓄積性蛍光体シート２の透明支持体2Aを兼ねるもの
とすることもできる。すなわち、図６に示す例では、消
去光源40と蓄積性蛍光体シート２が一体的に形成されて
いる。

【００３５】次に、本実施形態の放射線画像情報記録読
取装置の作用を説明する。

【００３６】放射線画像の撮影に際して被写体11は撮影
台12の上記所定位置に配され、この被写体11に対して、
図示外の放射線源から発せられたＸ線等の放射線13が照
射される。そして、被写体11を透過した放射線13が蓄積
性蛍光体シート２に照射され、該蓄積性蛍光体シート２
に被写体11の透過放射線画像が撮影（蓄積記録）され
る。

【００３７】読取ユニット21は、蓄積性蛍光体シート２
に対して放射線画像が撮影される際には、図１中に破線
で表示する待機位置に設定されており、そしてこの撮影
が終了すると上方に定速で移動する。そのとき、ライン
光源22のレーザダイオードアレイ33が駆動され、ファン
ビーム状の励起光31が蓄積性蛍光体シート２にＸ方向に
延びる線状に照射されるとともに、読取ユニット21が、
この照射方向と直交するＹ方向に移動して励起光31の副
走査がなされるので、蓄積性蛍光体シート２は励起光31
によって二次元的に走査される。

【００３８】励起光31の照射を受けた蓄積性蛍光体シー
ト２の部分からは、そこに蓄積記録されている放射線画
像情報に対応した光量の輝尽発光光35が発散する。この
輝尽発光光35は集光レンズアレイ25によって集光され、
ＣＣＤラインセンサ23に入射し、受光される。

【００３９】ＣＣＤラインセンサ23が出力する光検出信
号は、図示しない読取回路において増幅、Ａ／Ｄ変換の
処理を受け、それによって得られた読取画像信号Ｓは装
置外に出力され、必要に応じて階調処理、周波数処理等
の処理を受けた後、例えばＣＲＴ表示装置等の画像表示
手段や、光走査記録装置等の画像記録装置に送られ、該
信号Ｓが担持する画像、つまり蓄積性蛍光体シート２に
蓄積記録されていた放射線画像の再生に供される。

【００４０】読取ユニット21が副走査終端位置まで移動
して放射線画像情報の読取りが終了すると、読取ユニッ
ト21は前記待機位置に向けて下方に移動される。

【００４１】次に、消去光源40が点灯され、そこから発
せられた消去光が、蓄積性蛍光体シート２の全面に一様
に照射される。蓄積性蛍光体シート２の励起波長域にあ
るこの消去光が照射されると、蓄積性蛍光体シート２の
蓄積性蛍光体層に残存していた放射線エネルギーが放出
される。それにより該シート２は、再度放射線画像の撮
影（記録）に使用され得る状態となる。

【００４２】読取ユニット21が上記待機位置に戻った
後、蓄積性蛍光体シート２に被写体11を透過した放射線
13が照射されれば、該シート２に再び被写体11の透過放
射線画像が蓄積記録される。

【００４３】以上説明した通り本実施形態の放射線画像
情報記録読取装置においては、消去光源40がシート状で
あり、蓄積性蛍光体シート２の放射線照射面側に密接し
て配置されている構成であるため、消去光源40自体が薄
くコンパクトであり、移動させるための空間も必要ない
ため装置全体として小型に構成することができる。

【００４４】なおライン光源22はレーザダイオードアレ
イ33から構成されたものに限らず、その他、ＬＥＤアレ
イ等から構成されたものを用いることもできる。

【００４５】以上、蓄積性蛍光体シートを放射線画像撮
影位置に静止させたままそこから放射線画像情報を読み
取るように構成された実施形態について説明したが、本
発明は、撮影位置において蓄積性蛍光体シートに放射線
画像を撮影した後、該シートを所定の読取位置に移動さ
せて、そこで放射線画像情報を読み取るように構成され
た放射線画像情報記録読取装置に対しても同様に適用可
能である。

【００４６】さらに、本発明の放射線画像情報読取装置
における画像読取部の構成は、ライン光源とラインセン
サからなる上述の読取ユニットを備えるものに限るもの
ではなく、ポイントスキャン手段とフォトマルチセンサ
からなる光電変換手段を備えるものであってもよい。

【００４７】また、本発明の放射線画像情報記録読取装
置において用いられる蓄積性蛍光体シートは、従来の放
射線吸収機能とエネルギー蓄積機能とを兼ね備えた蓄積
性蛍光体シートであってもよいし、あるいはそれら両機
能を分離して放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光
を示す蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、紫外
乃至可視領域の光を吸収してそのエネルギーを蓄積可能
で、可視乃至赤外領域の光により励起されたとき上記エ
ネルギーを輝尽発光光として放出する蓄積専用の輝尽性
蛍光体の層とを備えた、特願平11-372978 号に開示され
ている蓄積性蛍光体シートであってもよく、その他様々
な形態の蓄積性蛍光体シートを用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態による放射線画像情報
記録読取装置の概略側面図

【図２】図１の装置に用いられたライン光源を示す正面
図

【図３】図１の装置に用いられたラインセンサを示す平
面図

【図４】図１の装置に用いられた集光レンズアレイを示
す正面図

【図５】本発明の放射線画像情報記録読取装置に用いら
れる消去光源の他の例を示す概略側断面図

【図６】本発明の放射線画像情報記録読取装置に用いら
れる消去光源のさらに別の例を示す概略側断面図

【符号の説明】

２ 蓄積性蛍光体シート 10 放射線画像記録部 11 被写体 12 撮影台 13 放射線 14 ボールネジ 15 駆動手段 16 グリッド 20 放射線画像情報読取部 21 読取ユニット 22 ライン光源 23 ＣＣＤラインセンサ 25 集光レンズアレイ 31 励起光 35 輝尽発光光 40 消去光源 41 透明シート 42 アパーチャタイプ蛍光灯

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓄積性蛍光体シートを片面側から放射線
   に照射される撮影位置に保持する画像記録部、 前記撮影位置に保持された前記シートの前記放射線の照
   射面と反対の面側に配され、放射線の照射後、放射線画
   像情報が蓄積記録された前記シートに励起光を二次元的
   に照射して、該励起光の照射により前記シートから発せ
   られた輝尽発光光を光電的に検出して、前記シートに蓄
   積記録された放射線画像情報を担持する画像信号を得る
   読取手段、および、 前記撮影位置に保持された前記シートの前記放射線の照
   射面側に該シートに近接して配された、該放射線に対し
   て一様な透過性を有する、前記シートの全面に消去光を
   照射して読取りの終了した該シートに残存する放射線エ
   ネルギーを放出させるシート状の消去光源を備えたこと
   を特徴とする放射線画像情報記録読取装置。
2. 【請求項２】 前記シート状の消去光源が有機ＥＬ発光
   体からなるものであることを特徴とする請求項１記載の
   放射線画像情報記録読取装置。
3. 【請求項３】 前記シート状の消去光源が、前記シート
   に対面する面から前記シートに向けて前記消去光を出力
   させる光拡散性を有する透明シートと、該透明シートの
   両端部に配された、前記透明シートの両端部から透明シ
   ート内部に光を入射する光源とからなるものであること
   を特徴とする請求項１記載の放射線画像情報記録読取装
   置。
4. 【請求項４】 前記透明シートが、少なくとも片面に光
   拡散面を備えたものであることを特徴とする請求項３記
   載の放射線画像情報記録読取装置。
5. 【請求項５】 前記透明シートが、内部に光拡散用粒子
   を分散されているものであることを特徴とする請求項３
   記載の放射線画像情報記録読取装置。
6. 【請求項６】 前記蓄積性蛍光体シートが、シート状の
   透明支持体と、該支持体上に配された蓄積性蛍光体層と
   を備えてなるものであり、前記消去光源の透明シートが
   前記蓄積性蛍光体シートの前記透明支持体を兼ねるもの
   であることを特徴とする請求項３から５いずれか１項記
   載の放射線画像情報記録読取装置。
7. 【請求項７】 前記蓄積性蛍光体シートが前記撮影位置
   に固定されており、 前記読取手段が、前記シートに対して主走査方向に沿っ
   て一次元的に前記励起光の照射を行い、該励起光の一次
   元的な照射により発せられた輝尽発光光を検出する読取
   ユニットと、該読取ユニットを副走査方向に移動させる
   ユニット移動手段とからなるものであることを特徴とす
   る請求項１から６いずれか１項記載の放射線画像情報記
   録読取装置。
8. 【請求項８】 前記読取ユニットが、前記励起光を前記
   シート上に線状に照射する線状光源および前記線状に照
   射された励起光の照射位置に沿って配された該励起光の
   照射により前記シートから発せられた輝尽発光光を光電
   的に検出するラインセンサからなるものであることを特
   徴とする請求項７記載の放射線画像情報記録読取装置。