JP2004011024A - ニッケルベースの合金及びその使用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】該ニッケルベースの合金は、ケイ素1.8質量%〜2.2質量%、イットリウム及び/又はハフニウム及び/又はジルコニウム0.05質量%〜0.1質量%、アルミニウム2質量%〜2.4質量%及びニッケル残余を有する。
【効果】該ニッケルベースの合金は、内燃機関のためのスパークプラグ電極を製造するための使用される。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合金成分としてケイ素、イットリウム及びアルミニウムを有するニッケルベースの合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニッケルベースの合金は、内燃機関のためのスパークプラグ電極を製造するために特に好適である。スパークプラグは、更に大体において、セラミック、中心電極及び接続ボルトを含むプラグからなる。更に、スパークプラグは、単数又は複数の接地電極が固定されたスチールからなるケーシングを有する。これらの電極は、大抵耐食性及び温度変化に安定な材料、例えばニッケルから製造されており、場合により熱伝導性コア、例えば銅が埋め込まれている。スパークプラグの機能は、15kV〜30kVの電圧で移行もしくはスパークする電気火花が燃焼室内に存在する空気/ガソリン混合物を点火することにより与えられる。
【0003】
ガソリンエンジンにおいてスパークプラグを使用する際には、その材料もしくは成分は複雑な負荷に曝される。特にスパークプラグの機能部分、例えばガソリンエンジンの燃焼室内に突入している電極は、酸化雰囲気と還元雰囲気の間の同時相互作用で400℃〜950℃の平均運転温度が生じるので、特に極端な負荷に曝される。
【0004】
更に、火花の発生は、スパークプラグの電極の別の負荷を生じる。スパークフットで発生する数千ケルビンでかつスパークの1回の突発で最初のナノ秒内に100Aまでの電流が流れる。更に、該突発に引き続き約2ミリ秒の時間中に約80mAの電流が流れ、これはスパークプラズマが消える際に高い反発力を伴う。この際、特に酸化雰囲気下でスパーク侵食が電極の強度の材料剥離を惹起する。付加的なエンジン振動は電極の機械的負荷を高めるので、場合によってはスパークプラグの接地電極の破壊、ひいては機能故障を発生する恐れがある。
【0005】
適当な電極材料を選択する際には、高温度酸化、熱ガス腐食、温度ショック及びスパーク侵食のような個々の負荷を考慮すべきである。更に、使用材料の良好な耐クリープ性及び耐熱性が所望される。更に、電極は、良好な熱伝導性、十分な導電性並びに硫化、炭化、還元及び窒化に対する高い耐摩耗性を有するべきである。電極材料に対する別の選択基準は、材料の十分に高い融点、良好な加工性及び好ましい価格である。
【0006】
前記の複雑な要求を考慮すると(その際、選択において価格及び加工性に主眼が置かれる)、ニッケル、コバルト及び鉄ベースの合金をが有利であり、この場合初期に30,000km〜60,000kmのスパークプラグの交換インターバルを100,000km以上に高めるためには付加的に貴金属ピン又は貴金属プレート片がベース電極に施される。それというのも、貴金属及びその合金、特に白金、イリジウム及びロジウムは極めて良好な耐エロージョン性及び耐腐食性を有するからである。
【0007】
しかしながら、このような手段はスパークプラグの製造コストを高めるので、貴金属もしくは貴金属合金補強部は電極の高負荷される領域の僅かな部分、即ち電極尖端に施されるに過ぎない。しかし、このようないわゆる貴金属を施したスパークプラグは、溶接結合部の腐食又は火花侵食穿掘に基づきベース電極の故障を引き起こす。
【0008】
従って、スパークプラグのベース電極に、このように構成された電極の熱伝導性を高める銅フィンガーを導入することに移行されている。この構造的手段により、電極尖端での温度ピークが低下せしめられるので、例えば接地電極の耐用時間が高められる。
【0009】
ガソリン直接噴射機のような新しいエンジン開発は、エンジン室内もしくは燃焼室内でスパークプラグの接地電極の一層深い位置を要求し、それによりスパークプラグもしくはその電極の負荷は更に高められる。特に、この手段から、1000℃を越えることがあるスパークプラグのための使用温度が生じる。この場合特に重要であるのは、若干の前記の電極材料、例えば鉄又はコバルトは上昇する温度で、このような材料を電極材料として使用することを排除する相転移を呈することである。それに対して、ニッケルはその融点に達するまで面心立方構造を有し、それによってニッケルベースの合金はその相安定性に基づきスパークプラグ電極として使用するための良好な前提を提供する。
【0010】
ニッケルベースの合金を使用するために有利であるもう1つの重要なことは、鉄合金は高温で炭化並びに窒化しやすいことである。確かに、コバルト合金は極めて良好な高温耐食性を有するが、しかしその低い耐スパークエロージョン性に基づき同様にニッケルベースの合金ほど適当でない。更に、鉄合金は、鉄が体心立方構造を有するので、ニッケル合金及びコバルト合金に比較して変形困難である。
【0011】
ニッケルベースの合金は、鉄合金並びにコバルト合金に比較して良好な耐熱性並びに高い耐食性を有する。更に、ニッケル合金は、良好に溶接可能でありかつ冷間引抜により良好に加工可能であり、それによりニッケルベースの合金は鉄合金及びコバルト合金に比較して特に電極材料として適当である。
【0012】
この場合、種々の合金成分は、ニッケルベースの合金から製造されたスパークプラグの電極の耐酸化性及び耐スパークエロージョン性に程度の差こそあれプラスもしくはマイナスに作用する。
【0013】
ニッケルベースの合金は、DE2936312A1から公知であり、これはケイ素0.2質量%〜3質量%、マンガン0.5質量%まで、アルミニウム0.2質量%〜3質量%、イットリウム0.01質量%〜1質量%、クロム0.2質量%〜3質量%及びニッケル残余を有する。この場合には、ニッケルベースの合金をスパークプラグの電極材料として使用する際に酸化及びスパーク剥離に対して安定に構成するために、ケイ素の含量は有利には0.5質量%〜2.5質量%、アルミニウムの含量は有利には0.5質量%〜2.5質量%、イットリウムの含量は有利には0.1質量%〜0.5質量%であるべきである。
【0014】
しかしながら、この場合の欠点は、ニッケルベースの合金がマンガンを合金成分として有することである。それというのも、マンガンは耐酸化性を劣化するからである。更に、0.1質量%〜0.5質量%の有利なイットリウム範囲が金属間化合物もしくは中間相(Zweitphasen)、例えばNi17Y2を生じる欠点を有する。これらの相は同様に耐酸化性を劣化させる。それというのも、特にこの中間相の材料表面での発生は腐食を惹起するか、又は材料表面に配置された酸化物層の破壊を生じるからである。
【0015】
更に、これらの中間相は、引抜き、押出成形又は溶接のような製造工程を困難にしかつ不利にも、これらは高負荷された領域におけるノッチ効果を付加的に高めるので、機械的負荷を受けると構造部材の破壊をもたらす恐れがある。
【0016】
【特許文献1】
DE2936312A1
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記の従来の技術に基づく欠点を排除したニッケルベースの合金、特に内燃機関のためのスパークプラグ電極を製造するために使用することができるニッケルベースの合金を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
ケイ素1.8質量%〜2.2質量%、イットリウム及び/又はハフニウム及び/又はジルコニウム0.05質量%〜0.1質量%、アルミニウム2質量%〜2.4質量%及びニッケル残余を有する、請求項1の特徴を有するニッケルベースの合金により、特にスパークプラグの電極のための材料として高い耐酸化性を有する材料が提供される。この場合、本発明に基づく合金元素の割合範囲の特殊な組合せは、質量変化に関して及び酸化深さに関して従来の技術から公知の幅広い割合範囲からの組合せに対して決定的な利点を有する。
【0019】
特に本発明に基づく合金成分を有するニッケルベースの合金における低いイットリウム割合は、特にアルミニウム及びケイ素の本発明による割合範囲と組合わせて本発明に基づく合金の特に良好な耐酸化性を生じる良好な高温酸化保護を生じる。
【0020】
本発明に基づくニッケルベースの合金の組成の意図的選択は、広範囲の一連の実験において高い負荷において傑出した熱交換特性並びに高い耐酸化性、即ち僅かな酸化深さ並びに低い質量変化により優れている材料を生じる。
【0021】
更に、本発明に基づくニッケルベースの合金は、良好な耐スパークエロージョン性並びに均質な組織を有する。それというのも、低いイットリウム割合に基づき中間相もしくは金属間化合物、例えばNi17Y2の形成が減少せしめられかもしくは全く阻止されるので、このような中間相の前記欠点が有利に生じないからである。
【0022】
本発明に基づく対象の更なる利点及び有利な実施態様は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から推察可能である。
【0023】
図面には、異なる合金成分の合金割合に依存したニッケルベースの種々の合金の耐酸化性の比較を示す2つのグラフが図示されている。
【0024】
図1は、異なる合金元素及び種々の合金割合を有するニッケルベースの合金の時間に関する質量変化の複数の曲線を示し、かつ図2は、図1からのニッケルベースの合金の温度に関する腐食深さの複数の曲線を示す。
【0025】
本発明に基づくニッケルベースの合金は、種々の元素を有し、以下にはまず異なる合金成分を記載し、それらの合金に対する作用を言及する。
【0026】
ニッケルベースの合金の合金成分としての炭素は、不純物としのみ許容される、即ち、ニッケルベースの合金の割合は、炭素はニッケルの液相線温度を著しく低下させるので、0.05質量%未満である。更に、炭素は炭化物形成を惹起し、このことは確かに結果として耐クリープ性を高めるが、しかしニッケルベースの合金の耐酸化性を著しく低下させる。
【0027】
合金成分としてのマンガンは、主として同様に不純物としてのみ許容される、即ちニッケルベースの合金におけるマンガン割合は、マンガンはニッケルベースの合金の耐酸化性を著しく劣化させるので、0.01質量%未満に調節すべきである。従来、マンガンは従来の技術においてはニッケル合金における溶融物の脱酸のため及び硫黄の除去のために添加された。溶融金属術おける方法の改良により、そのうちに脱酸するマンガンを省略することができ、それにより前記欠点が回避される。
【0028】
合金成分としての元素クロムの使用は、特に12質量%より大きい合金割合の場合には、ニッケルベースの合金の耐食性を高め、しかも特に耐硫化性が改良される。しかしながら、クロムは約900℃の使用温度から酸化クロムとして蒸発するので、特に、電極表面で2000℃までの温度が生じるスパークエロージョン負荷の際に酸化クロムの強化された蒸発が生じかつかつ合金元素としてクロムを有するニッケルベースの合金は極めて悪い耐スパークエロージョン性を有する。更に、クロムは燃焼室内の燃焼ガスと炭化物及び窒化物を形成し、これらは確かにニッケルベースの合金の耐クリープ性を高めるが、しかし耐酸化性を低下させる。従って、本発明による合金においては全てクロムを合金成分として省略する。
【0029】
合金成分としての硫黄の使用は、同様に、硫黄はニッケルと低融点の化合物に移行し、このことはスパークプラグの電極の安定性にとって不利であるので、望ましくない。この理由から、ニッケルベースの合金の硫黄割合は0.002質量%未満になるようにするのが望ましい。この基準値は、ニッケルベースの合金を製造する際の方法の改良並びに高純度の出発物質の使用により実現可能である。
【0030】
ニッケルベースの合金の合金成分としてのアルミニウムの使用は、耐酸化性を高め、その際アルミニウムを添加することにより特に耐スパークエロージョン性の上昇も達成される。この場合、所望の効果を達成するためには、少なくとも1質量%が必要である。4.5質量%を越えるアルミニウム割合は、中間相を生じ、これはAlNi3として析出されかつ成形性並びに溶接性を著しく劣化する。一般に、アルミニウムの添加によりニッケルベースの合金の強度が高められる。
【0031】
アルミニウムの他に、合金元素としてのケイ素の添加もスパークエロージョン、酸化及び熱腐食に対する安定性の改良をもたらす。
【0032】
酸化物層の被覆層付着力を高めるため及び等温並びに循環(cyclic)耐酸化性を改良するために、ニッケルベースの合金にイットリウム又はその他の希土類が添加される。この場合、イットリウム割合は原則的にニッケル内の溶解度を超えるべきでない。それというのも、ニッケル内のイットリウムの溶解限界よりも大きいイットリウム割合の場合には、金属間化合物もしくは中間相、例えばNi17Y2が形成されるからである。これらの中間相は、耐酸化性もしくは耐食性を劣化させる。このような中間相が電極の表面上に発生すると、特に腐食が起こるか又は電極の酸化物保護層が破壊される。
【0033】
更に、これらのニッケル及びイットリウムからなる中間相は、ワイヤ引抜、押出成形又は溶接のようなスパークプラグの製造法を困難にする。更に、該中間相は材料内のノッチとして作用しかつひいては機械的負荷を受けるとスパークプラグ電極の故障確率を高める。
【0034】
イットリウムと組み合わせて、ニッケルベースの合金にハフニウム及びジルコニウムを合金することもでき、これらの元素の低合金化ニッケル材料への合金は耐スパークエロージョン性の上昇をもたらす。更に、ハフニウム及び/又はジルコニウムをイットリウムに対して選択的にニッケルベースの合金の合金成分として加えることもできる。
【0035】
ニッケルベースの合金への元素コバルトの添加は、耐熱性を改善し並びに耐クリープ性を高める。更に、コバルトの添加により耐高温腐食性の改良が達成可能であり、この場合コバルトの割合は5質量%以下であってよい。
【0036】
一般に、有効な酸化保護が達成されるように、スパークプラグ電極上には緻密な酸化物層が形成されなばならない。この場合には、用語“緻密な酸化物層”とは、孔を有せずに形成された酸化物層であると理解されるべきである。これはアルミニウム及びケイ素の合金割合が7原子%より大である場合に初めて達成されるということが多数の実験により判明した。
【0037】
更に、良好な腐食保護は、種々のカチオンからなる酸化物層はカチオン及びアニオンの拡散に強度に反作用するので、スパークプラグ電極の酸化物層内のアニオンとしての酸素及びニッケルの拡散定数が極めて小さい場合に達成される。
【0038】
種々のニッケルベースの合金の900℃の温度での時間における時間tに関する平方メートル当たりのグラムにおける質量変化の複数の曲線を示す図1から、それぞれ1質量%のアルミニウム及びケイ素割合から出発して、0.25質量%から出発するイットリウム割合を同時に減少させるとニッケルベースの合金の耐酸化性の明らかな上昇が生じることが明らかである。
【0039】
ここで、概念“質量変化”とは、材料の表面での酸素とニッケルベースの合金との間の反応より生じる材料の質量の増加であると理解されるべきである。この場合、反応に基づきニッケルベースの合金の表面での酸化層の形成が生じ、これは質量上昇の際に表面に残留する。ニッケルベースの合金の質量減少は、処理温度が上昇する際、この形成される酸化物層の剥離から生じる。一般に、本発明に基づく所定の範囲内でのアルミニウム、ケイ素及びイットリウムの添加は、ニッケルベースの合金の表面に形成される酸化物層が極めて緻密でありかつ不動態化層を形成する事態を惹起し、その際酸化物層内への酸素の拡散は強度に減少されかつ酸化深さは小さく保持される。
【0040】
この場合、時間に関する材料NiAl1Si1Y0.25の質量変化を示す曲線1は、強度の、望ましくない上昇を示す。合金NiAl1Si1Y0.12の曲線2は、ニッケルベースの合金イットリウム割合の0.25質量%から0.12質量%への減少が質量変化の更なる減少を伴うことを示す。曲線3は、時間に関するNiAl1.8Si1Y0.1の質量変化を示す。曲線2と3の比較から、アルミニウム含量の1質量%から1.8質量%への上昇が、質量変化の減少で表れるニッケル合金の耐酸化性の改良を生じることが明らかである。
【0041】
曲線4は、アルミニウム及びケイ素に加えてクロム及びマンガンをも合金成分として有する合金NiAl2Cr2Si2Mn0.2の特性を示す。この合金は、初期には合金NiAl1Si1Y0.25に類似した特性を有する。実験時間が増大するに伴い、質量変化の曲線4は合金NiAl1.8Si1Y0.1の曲線3に類似する。
【0042】
合金NiAl2.4Si1Y0.1の質量変化を表す曲線5は、曲線1,2及び3に比較して、イットリウム含量の0.1質量%の減少と同時にアルミニウム含量の1質量%から2.4質量%への上昇が耐酸化性の著しい改良をもたらすことを示す。
【0043】
合金NiAl2.2Si2Y0.1の時間に関する質量変化を示す曲線6から、曲線5の合金NiAl2.4Si1Y0.1に対して1質量%から2質量%へのケイ素割合の上昇及びアルミニウム割合の2.4質量%から2.2質量%への減少は耐酸化性の著しい改良をもたらすことが明らかである。
【0044】
図2には、図1における説明で挙げた合金に関する200時間の実験時間での℃の温度に関するマイクロメートルにおける腐食深さの曲線が示されている。この場合、図2の腐食深さのに関する合金の曲線には図1におけると同じ参照数字が付けられており、しかも図2における参照数字には十分に区別するために文字Aが付記されている。この場合、酸化深さもしくは腐食深さは、構造部材もしくは電極の初期の、侵食されていない金属表面から、酸化された領域を経て酸化されていない金属構造に至るまでの金属の深さに達する、電極もしくは材料の領域を示す。
【0045】
図2からの腐食深さに関する曲線1A〜6Aは、イットリウムの割合を低下させると同時にアルミニウム及びケイ素の合金割合を高めると腐食深さの明らかな減少を生じることを示す。この場合、曲線1A〜6Aの比較から、合金NiAl2.2Si2Y0.1が腐食深さにおいても最良の安定性を有することが明らかである。
【0046】
多数の試験から、特に良好な耐酸化性は、ニッケルベースの合金のアルミニウムの合金割合が2質量%〜2.4質量%である場合に達成され、その際2.2質量%の値が特に有利であることが判明した。
【0047】
更に、ニッケルベースの合金の耐酸化性を改良するためには、同時にケイ素割合を1.8質量%〜2.2質量%に調整すべきである。付加的に、ニッケルベースの合金の特に良好な耐酸化性は、イットリウム割合を0.05質量%〜0,1質量%の範囲内に調整する場合に達成される。
【0048】
ニッケル合金の特に良好な耐酸化性は、イットリウム割合0.06質量%、アルミニウム割合2.2質量%及びケイ素割合2質量%で生じ、その際耐スパークエロージョン性は、より高いイットリウム割合を有するニッケルベースの合金に比較して同じく良好である。
【0049】
良好な耐酸化性を保証するためには、ニッケルベースの合金の合金元素の全ての割合の和は有利には5質量%を上回るべきでない。
【図面の簡単な説明】
【図1】異なる合金元素及び種々の合金割合を有するニッケルベースの合金の時間に関する質量変化の複数の曲線を示すグラフである。
【図2】図1からのニッケルベースの合金の温度に関する腐食深さの複数の曲線を示すグラフである。
Claims (8)
- ケイ素1.8質量%〜2.2質量%、
イットリウム及び/又はハフニウム及び/又はジルコニウム0.05質量%〜0.1質量%、
アルミニウム2質量%〜2.4質量%及びニッケル残余を有することを特徴とする、ニッケルベースの合金。 - イットリウム0.06質量%を含有する、請求項1記載のニッケルベースの合金。
- 炭素割合が0.05質量%未満である、請求項1又は2記載のニッケルベースの合金。
- マンガン含量が0.01質量%未満である、請求項1から3までのいずれか1項記載のニッケルベースの合金。
- 硫黄含量が0.002質量%以下である、請求項1から4までのいずれか1項記載のニッケルベースの合金。
- コバルト割合が5質量%までである、請求項1から5までのいずれか1項記載のニッケルベースの合金。
- 全合金割合が5質量%を越えない、請求項1から6までのいずれか1項記載のニッケルベースの合金。
- 請求項1から7までのいずれか1項記載のニッケルベースの合金の、内燃機関のためのスパークプラグ電極を製造するための使用。
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