JP2004010764A - 親水性コーティング剤 - Google Patents

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Hiroyuki Shinoyama
篠山 裕幸
Shigenori Fukuoka
福岡 重範
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Abstract

【課題】
多くの材質に塗布可能であり、塗布作業も容易で塗布後の耐久性が十分得られる、結露、水滴を防止するための親水性コーティング剤を提供する。
【解決手段】
親水性コーティング剤は、アクリル酸、マレイン酸、およびイタコン酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物と、アクリルアミドと、アクリロニトリルとが繰り返し単位である共重合体を親水成分とする。この共重合体は分子量500〜2000のポリエチレングリコール基を有するジグリシジルエーテルで架橋されてもよい。また、親水性コーティング剤は、ホスホン酸類をポリエチレングリコール基を有するジアミノ化合物で架橋するものでもよい。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属やガラス、プラスチック、セラミックスなどの表面に塗布して親水性皮膜を形成するための親水性コーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属等の物質の表面には、空気中の水分が凝集して結露を生じることがある。例えば暖かい室内と寒い室外を隔てる窓ガラスに、室内の空気中にある蒸気が凝集して結露し水滴が付着する。このような水滴は生活環境のなかで多くみられ、またこのような水滴による障害もいろいろいわれているが、その対策は十分とは云い難い。
【0003】
かつて、結露、水滴は金属の表面を防水することで防げるという考えのもとに、防水剤や撥水剤でコートすることがよいとされていた。しかし、多くの実験、経験を経るうちに防水によって水滴を完全に防止することは不可能であることが解明されてきた。そして現在では、物質表面に親水性を付与することが結露、水滴の防止に役立つという考え方が台頭し、そのための製品も開発されている。
【0004】
例えば特開平5−302042号公報にはエアコンディショナーのフィンに生ずる結露を防ぐための親水化表面処理剤、また特開平10−101986号公報には同じくフィン用塗料組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの公報に記載された親水化表面処理剤やフィン用塗料組成物は塗布後の耐久性が不十分であったり、また塗布作業が面倒であったり、汎用性に乏しいという問題点があった。
【0006】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、多くの材質に塗布可能であり、塗布作業も容易で塗布後の耐久性が十分得られる、結露、水滴を防止するための親水性コーティング剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
通常、親水性のある物質は、同時に耐水性が劣るという二面性を持っている。そこで本発明の発明者は、親水基を多く持ちながら非水溶性の皮膜を形成する物質について鋭意検討をおこなった。さらに親水基を多く持ち、単体では水溶性であったり、耐水性に劣っているものでも、架橋して高分子化することで耐水性の向上を望める物質について鋭意検討をおこなった。その結果、本発明の親水性コーティング剤を得るに至った。
【0008】
すなわち、前記の目的を達成するためになされた本発明の第1発明の親水性コーティング剤は、アクリル酸、アクリル酸塩、マレイン酸、マレイン酸塩、イタコン酸、およびイタコン酸塩から選ばれる少なくとも1種類の化合物と、アクリルアミドと、アクリロニトリルとが繰り返し単位である共重合体を成分とする。
【0009】
同じく第2発明の親水性コーティング剤は、前記の各共重合体、および分子量500〜2000のポリエチレングリコール基を有するジグリシジルエーテルを成分とする。
【0010】
第3発明の親水性コーティング剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸塩、ニトロトリス(メチレンホスホン酸)、ニトロトリス(メチレンホスホン酸塩)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸塩)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸塩)から選ばれる少なくとも一種類の化合物と、尿素、および分子量400〜1000のポリエチレングリコール基を有するサクシニックアミドジエステルから選ばれる少なくとも一種類のジアミノ化合物とを成分とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1発明の親水性コーティング剤に使用される共重合体は、アクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリルからなるもので、重量平均分子量が5000〜200000程度のものが使用される。重量平均分子量がこれより大きいとコーティング皮膜が堅くなるため後処理、後加工などがしにくくなり、重量平均分子量がこれより小さいとコーティング皮膜がべたつくなどの欠点が出るため後処理、後加工などがしにくくなって好ましくない。
【0012】
アクリル酸/アクリルアミド/アクリロニトリルの繰り返し単位の共重合重量比は、50〜90/5〜20/5〜30が好ましい。
【0013】
アクリル酸がこの比率より少ないと親水性が不足し、多すぎると耐水性が弱く水洗に耐えられなくなる。アクリルアミドがこの比率より少ないと皮膜が形成しにくくなり、多すぎると後処理、後加工などに支障がでる。アクリロニトリルの共重合モル比がこの比率より少ないと皮膜が形成せず、多すぎると後処理、後加工などに支障がでる。
【0014】
共重合体中のアクリル酸に変えてマレイン酸、またはイタコン酸であってもよい。さらにアクリル酸に変えて、アクリル酸−マレイン酸、アクリル酸−イタコン酸、アクリル酸−マレイン酸−イタコン酸、マレイン酸−イタコン酸の組み合わせであってもよい。その場合の前記共重合モル比は、酸基(カルボキシル基)の数に比例して増減することが好ましい。
【0015】
この共重合体、例えばアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリルは以下のようにして得られる。重合開始剤(例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム)の水溶液を75℃〜95℃に加熱し、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、水の4種類均一混合液体を滴下する。滴下終了後、2〜6時間熟成し、熟成終了後、室温まで冷却する。
【0016】
得られた共重合体の水溶液にレベリング剤として、カルボキシビニルポリマーを添加して親水性コーティング剤が完成する。レベリング剤はこれ以外に、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、合成ケイ酸ナトリウム、マグネシウム、シクロデキストリンが使用可能である。
【0017】
この親水性コーティング剤は、ワイヤバーにより親水性皮膜を形成する対象である金属、ガラス、プラスチック、セラミックスなどの表面に塗布する。塗布手段はワイヤバーに限らず、刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー塗布など、適宜適用できる。
【0018】
第1発明の親水性コーティング剤に使用される共重合体は、共重合体中のカルボン酸をNH 、Na、K、1級アミンなどで中和した塩であってもよい。アクリル酸塩−アクリルアミド−アクリロニトリルの重量平均分子量が1000〜200000程度のものが使用される。
【0019】
アクリル酸塩−アクリルアミド−アクリロニトリルの共重合体は、前記のようにして得られたアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリルの共重合体水溶液に、pHが3〜6になるようにアルカリ水溶液(例えばNaOH溶液)を加えて得られる。
【0020】
第2発明の親水性コーティング剤は、第1発明の共重合体と、架橋剤(分子量500〜2000のポリエチレングリコールの両末端がジグリシジルエーテル化されている)とを、塗布時に混合するもので、いわゆる二液型である。共重合体/架橋剤の混合割合は、重量比で10/1〜20/1がこのましい。ポリエチレングリコール基の分子量が500〜2000であることにより親水性が適度に保たれる。
【0021】
この親水性コーティング剤を塗布した皮膜は、耐久性が向上するため、アクリル酸/アクリルアミド/アクリロニトリルまたはアクリル酸塩/アクリルアミド/アクリロニトリルの繰り返し単位の共重合モル比を、20〜50/20〜50/5〜25というように、架橋剤を含まない親水性コーティング剤よりアクリル酸またはアクリル酸塩の比率を上げても、耐水性が良く水洗に耐えられる。
【0022】
この親水性コーティング剤は、共重合体の水溶液と架橋剤を別に保存しておき、塗布時に所定の割合で混合撹拌してから金属等に塗布し、加熱して皮膜を架橋硬化させる。
【0023】
第3発明の親水性コーティング剤は、親水成分としてホスホン酸類を含み、その架橋剤としてジアミノ化合物を含むものである。ホスホン酸類は、具体的には、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)であり、これらの単体または混合物であってもよい。ジアミノ化合物は、具体的には、尿素、ポリエチレングリコールのサクシニックアミドジエステル:NHCOCHO(CHO)n−CHCONH(nはポリエチレングリコール基の分子量が400〜1000に相当する数)であり、これらの単体または混合物であってもよい。ポリエチレングリコールの分子量が400以下であると親水性が低下し、1000以上になると耐水性が低下して好ましくない。
【0024】
親水成分は、ホスホン酸塩類であってもよい。ホスホン酸塩類は、ホスホン酸類の水溶液を、例えば当量のNHOH水で中和したものである。NHOH以外に、NaOH、KOH、1級アミンなどが使用できる。その架橋剤は、前記したと同一のジアミノ化合物を含むものである。
【0025】
ホスホン酸類またはホスホン酸塩類/ジアミノ化合物の割合は、重量比で2〜10/1〜5が好ましい。
【0026】
この親水性コーティング剤は、ホスホン酸類の水溶液と架橋剤を別に保存しておき、塗布時に所定の割合で混合撹拌してから金属等に塗布し、加熱して皮膜を架橋硬化させると、金属等の表面が親水性皮膜で覆われる。
【0027】
【実施例】
本発明の実施例を説明するに先立ち、本発明の親水性コーティング剤を得るに至るための予備検討について記載する。
【0028】
<親水性成分の検討>
下記表1には、親水性成分の候補が挙げられており、親水性層の皮膜形成をするための架橋点が分子中に存在するかを示してある。これら親水性成分の水溶液を100×300mmのアルミニウム板にワイヤバーで塗布し乾燥して試料をつくった。塗布乾燥の直後、塗布面を水洗した初期、塗布面を水で濡れた布で擦った後、塗布面を24時間水道水にて水洗後に、各々一旦乾燥してから試料に水滴をたらし、付着の接触角を測定した。その結果を、ブランク(アルミニウム板の生地)の試験結果とともに、表1に示してある。
【0029】
【表1】
Figure 2004010764
【0030】
接触角は小さいほど親水性が良いことを示し、接触角が大きいものは親水性が悪い。塗布直後〜24時間水洗後まで接触角が小さければ、水洗しても親水性成分が洗い流されることがなく安定した親水性を示している。上記の測定結果から、表1中のアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合物アンモニウム塩はこれに該当し、そのままで親水性コーティング剤として使用できる可能性がある。塗布直後〜水洗初期に接触角が小さくても、架橋点が存在するもの(表1中のポリマレイン酸部分ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸)は、架橋することで網目分子による親水性皮膜の形成がされて親水性成分が洗い流されることがなくなる可能性を示唆している。
【0031】
以上の予備検討実験をもとに、親水性成分を選び出し親水性コーティング剤を試作した。以下、本発明を適用する親水性コーティング剤の実施例、本発明を適用外の親水性コーティング剤の比較例を説明する。実施例1−は第1発明の実施例、実施例2−は第2発明の実施例、実施例3−は第3発明の実施例である。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
<実施例1−1>
還流フラスコに、過硫酸アンモニウム5gを水500mlに溶解して入れ、85℃に加熱維持しつつ激しく撹拌しながら、アクリル酸70g、アクリルアミド12g、アクリロニトリル18g、および水150gを混合しながら3時間かけて滴下し、滴下終了後も温度を維持しながら4時間撹拌を続けた後、室温まで冷却した。このアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液に、カルボキシビニルポリマー5gを添加して親水性コーティング剤が得られた。共重合体の重量平均分子量は、5678g/モルであった。
【0033】
100×300mmのアルミニウム板に、この親水性コーティング剤をワイヤバーで0.6g/mに塗布してから赤外線ランプで加熱乾燥し、実施例1−1の性能試験用試料をつくった。
【0034】
<実施例1−2>
共重合体を得るためのモノマー成分を、アクリル酸49g、イタコン酸5g、アクリルアミド34g、アクリロニトリル12gとした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸−イタコン酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液をつくった。共重合体の重量平均分子量は、73583g/モルであった。この共重合体水溶液により実施例1−1と同様にして得た親水性コーティング剤で、実施例1−2の性能試験用試料をつくった。
【0035】
<実施例1−3>
共重合体を得るためのモノマー成分を、アクリル酸25g、アクリルアミド67g、アクリロニトリル8gとした以外は、実施例1−1と同様にしてアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液をつくり、親水性コーティング剤を得た。共重合体の重量平均分子量は、35672g/モルであった。この親水性コーティング剤で同様に、実施例1−3の性能試験用試料をつくった。
【0036】
<比較例1−1>
共重合体を得るためのモノマー成分を、アクリル酸76g、メタクリル酸メチル3g、メタクリル酸2ヒドロキシエチル3g、アクリロニトリル18gとした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸2ヒドロキシエチル−アクリロニトリル共重合体の水溶液をつくった。共重合体の重量平均分子量は、160469g/モルであった。この共重合体水溶液により実施例1−1と同様にして得た親水性コーティング剤で、比較例1−1の性能試験用試料をつくった。
【0037】
<比較例1−2>
共重合体を得るためのモノマー成分を、アクリル酸50g、メタクリル酸メチル3g、メタクリル酸2ヒドロキシエチル10g、アクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸25g、アクリルアミド12gとした以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸2ヒドロキシエチル−アクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸−アクリルアミド共重合体の水溶液をつくった。共重合体の重量平均分子量は、164538g/モルであった。この共重合体の水溶液により実施例1−1と同様にして得た親水性コーティング剤で、比較例1−2の性能試験用試料をつくった。
【0038】
<比較例1−3>
共重合体を得るためのモノマー成分を、アクリル酸65g、マレイン酸16g、メタクリル酸2ヒドロキシエチル19gとした以外は、実施例1−1と同様にしてアクリル酸−マレイン酸−メタクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体の水溶液をつくり、親水性コーティング剤を得た。共重合体の重量平均分子量は、115942g/モルであった。この親水性コーティング剤で同様に、比較例1−3の性能試験用試料をつくった。
【0039】
<実施例2−1>
実施例1−1で得られたアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体をA液、その水溶液中の共重合体樹脂分と同重量のポリエチレングリコール#500ジグリシジルエーテルをB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意した。このA液とB液をよく混合し、100×300mmのアルミニウム板にワイヤバーで塗布してから赤外線ランプで表面温度240℃で1分間加熱し、水分を乾燥するとともに架橋反応を完結させ、実施例2−1の性能試験用試料をつくった。
【0040】
<実施例2−2>
実施例1−2で得られたアクリル酸−イタコン酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液をA液、その水溶液中の共重合体樹脂分と同重量のポリエチレングリコール#1000ジグリシジルエーテルをB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意した。この二液型の親水性コーティング剤で同様にして、実施例2−2の性能試験用試料をつくった。
【0041】
<実施例2−3>
実施例1−3で得られたアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液をA液、その水溶液中の共重合体樹脂分と同重量のポリエチレングリコール#2000ジグリシジルエーテルをB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意した。この二液型の親水性コーティング剤で同様にして、実施例2−2の性能試験用試料をつくった。
【0042】
<実施例2−4>
実施例1−1で得られたこのアクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液を、水酸化アンモニウム液で中和し、アクリル酸塩−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液をつくった。この共重合体の水溶液をA液、その水溶液中の共重合体樹脂分と1/2重量のポリエチレングリコール#1000ジグリシジルエーテルをB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意した。この二液型の親水性コーティング剤で同様にして、実施例2−4の性能試験用試料をつくった。
【0043】
<実施例2−5>
実施例2−4で得られたアクリル酸塩−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液からなるA液、その水溶液中の共重合体樹脂分と同重量のポリエチレングリコール#1000ジグリシジルエーテルをB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意し、同様にして、実施例2−5の性能試験用試料をつくった。
【0044】
<実施例2−6>
実施例2−4で得られたアクリル酸塩−アクリルアミド−アクリロニトリル共重合体の水溶液からなるA液、その水溶液中の共重合体樹脂分と1.5倍重量のポリエチレングリコール#1000ジグリシジルエーテルをB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意し、同様に、実施例2−6の性能試験用試料をつくった。
【0045】
<比較例2−1>
ポリアクリルアミド(重量平均分子量137852g/モル)の水溶液(重合体樹脂分100g/l)をA液、その水溶液中の重合体樹脂分と1/10重量のポリエチレングリコール#1000ジグリシジルエーテルをB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意した。この二液型の親水性コーティング剤で実施例2−1と同様にして、比較例2−1の性能試験用試料をつくった。
【0046】
<比較例2−2>
比較例2−1のA液、B液の比率を同重量とする以外はすべて同様にして、比較例2−2の性能試験用試料をつくった。
【0047】
<比較例2−3>
比較例2−1のA液、B液の比率を1:1.5とする以外はすべて同様にして、比較例2−2の性能試験用試料をつくった。
【0048】
<比較例2−4>
共重合体を得るためのモノマー成分を、イタコン酸1g、アクリルアミド11gとした以外は、実施例1−1と同様にして、イタコン酸−アクリルアミドの共重合体水溶液をつくった。この共重合体水溶液(重合体樹脂分100g/l)をA液、その水溶液中の重合体樹脂分と1/10重量のB液とし、二液型の親水性コーティング剤を用意した。この二液型の親水性コーティング剤で実施例2−1と同様にして、比較例2−4の性能試験用試料をつくった。
【0049】
<比較例2−5>
比較例2−4のA液、B液の比率を1/5重量とする以外はすべて同様にして、比較例2−5の性能試験用試料をつくった。
【0050】
<比較例2−6>
比較例2−4のA液、B液の比率を1:5とする以外はすべて同様にして、比較例2−6の性能試験用試料をつくった。
【0051】
<実施例3−1>
ニトロトリス(メチレンホスホン酸)10%水溶液を5g、尿素10%水溶液を2g、ポリエチレングリコール#400サクシニックアミドジエステル10%水溶液を10gの比率で混合した親水性コーティング剤を、ワイヤバーで固形成分0.6g/mに塗布してから赤外線ランプで表面温度240℃で1分間加熱して水分を乾燥するとともに架橋反応を完結させ、実施例3−1の性能試験用試料をつくった。
【0052】
<比較例3−1>
ニトロトリス(メチレンホスホン酸)を0.6g/mに塗布して水分を乾燥し、比較例3−1の性能試験用試料をつくった。
【0053】
<実施例3−2>
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸10%水溶液を5g、尿素10%水溶液を3gの比率で混合した親水性コーティング剤で実施例3−1と同様にして、実施例3−2の性能試験用試料をつくった。
【0054】
<実施例3−3>
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸1モル、尿素3モル、ポリエチレングリコール#1000ジグリシジルエーテル1モルを混合した親水性コーティング剤で実施例3−1と同様にして、実施例3−3の性能試験用試料をつくった。
【0055】
上記により試作した各実施例、比較例の性能試験用試料について、アルミニウム板と親水性コーティング剤の皮膜層との密着性をみるため、性能試験用試料の表面を、乾燥している布で強く擦ったときの皮膜層の剥がれ、湿った布で強く擦ったときの皮膜層の剥がれを調べた。表2にはその結果が示してある。皮膜層が全く剥がれないものを○、皮膜層に僅かでも擦過痕が残ったものを△、皮膜層が剥がれ生地のアルミニウム板が見えるようになったものを×とした。
【0056】
各実施例、比較例の性能試験用試料の水滴接触角度を測定した。性能試験用試料の親水性コーティング剤の皮膜層を塗布乾燥した直後、皮膜層を湿った布で強く擦った後、皮膜層を24時間純水にて水洗後、皮膜層を24時間水道水にて水洗後に、各々一旦乾燥してから、皮膜層に水滴をたらし、付着の接触角を測定した。その結果を表2に示してある。
【0057】
【表2】
Figure 2004010764
【0058】
表2から明らかなとおり、各実施例の性能試験用試料は、アルミニウム板と親水性コーティング剤の皮膜層との密着性がいずれも優れており、水滴接触角度が比較例のものに比して相対的に小さくなっている。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のコーティング剤は、親水基を多く持ちながら、塗布後に形成される皮膜は耐水性がある。したがって、本発明のコーティング剤を塗布した金属等の表面は、水分が均一に保持され、結露や水滴がつくことを防止できる。皮膜は同時に耐水性を持つから、水洗、あるいは長時間の湿気にあっても剥げ落ちることがない。さらにこのコーティング剤は、冷暖房器のアルミフィンをはじめ多くの金属、ガラス、セラミックス、プラスチックなど凡ゆる構造材に塗布可能であり、塗布作業も容易であるという利点もある。

Claims (3)

  1. アクリル酸、アクリル酸塩、マレイン酸、マレイン酸塩、イタコン酸、およびイタコン酸塩から選ばれる少なくとも1種類の化合物と、アクリルアミドと、アクリロニトリルとが繰り返し単位である共重合体を成分とする親水性コーティング剤。
  2. 請求項1に記載の共重合体、および分子量500〜2000のポリエチレングリコール基を有するジグリシジルエーテルを成分とする親水性コーティング剤。
  3. 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸塩、ニトロトリス(メチレンホスホン酸)、ニトロトリス(メチレンホスホン酸塩)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸塩)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸塩)から選ばれる少なくとも一種類の化合物と、尿素、および分子量400〜1000のポリエチレングリコール基を有するサクシニックアミドジエステルから選ばれる少なくとも一種類のジアミノ化合物とを成分とする親水性コーティング剤。
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