JP3843024B2 - コーティング剤 - Google Patents

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JP3843024B2
JP3843024B2 JP2002022593A JP2002022593A JP3843024B2 JP 3843024 B2 JP3843024 B2 JP 3843024B2 JP 2002022593 A JP2002022593 A JP 2002022593A JP 2002022593 A JP2002022593 A JP 2002022593A JP 3843024 B2 JP3843024 B2 JP 3843024B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性を付与するためのコーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、金属基材、無機質基材、プラスチック基材、ガラス基材、木材、布材等の基材に対して、コーティング処理により親水性を付与することが行われている。その際に用いられるコーティング剤としては、例えば、水ガラスやシリカゲル等の親水性無機化合物、界面活性剤や水溶性樹脂等の親水性有機化合物を単独もしくは組み合わせて使用することが知られている。
しかし、従来のコーティング剤は、用途や基材によっては未だ充分に満足しうる親水性能を付与しうるものではなく、特に親水持続性については改良が望まれるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、親水性能、特に親水持続性に優れたコーティング剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、カルボキシル基とスルホン酸基とを併せ持つ特定のポリマーとともに、架橋剤を配合することにより、優れた親水性を長期間持続させうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のコーティング剤は、カルボキシル基を有するモノマーおよびスルホン酸基を有するモノマーを含む単量体成分を共重合して得られるポリマー(A1)と、架橋剤(B)とを必須成分として含有する。上記スルホン酸基を有するモノマーとしては、後述の一般式(3)または(4)に示されるものとする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のコーティング剤は、カルボキシル基を有するモノマーおよびスルホン酸基を有するモノマーを含む単量体成分を共重合して得られるポリマー(A1)を必須成分として含有する。
ポリマー(A1)を得る際の単量体成分であるカルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、下記一般式(2)で示されるモノマーが挙げられる。
【0006】
【化2】
Figure 0003843024
【0007】
(式(2)中、R4、R5、およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−COOX2を表し、かつR4〜R6のうち同時に2つ以上が−COOX2となることはなく、X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、1価金属、2価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表す。)
前記一般式(2)で示されるモノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、あるいはこれら酸の1価金属、2価金属、アンモニウムまたは有機アミンによる部分中和塩または完全中和塩等が挙げられる。このとき、1価金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、2価金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が挙げられ、有機アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が挙げられる。また、例えば(メタ)アクリル酸クロライド等の酸ハライドのように、重合後、加水分解によりポリ(メタ)アクリル酸となるモノマーの使用も可能である。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0008】
前記単量体成分中、カルボキシル基を有するモノマーの割合は、50〜95モル%とすることが好ましい。
ポリマー(A1)を得る際の単量体成分であるスルホン酸基を有するモノマーとしては、例えば、下記一般式(3)または下記一般式(4)で示されるモノマーが挙げられる。
【0009】
【化3】
Figure 0003843024
【0010】
(式(3)中、R7は、水素原子またはメチル基を表し、a、bは、0〜100の整数を表し、Y1、Y2は、スルホン酸基(−SO3M)または水酸基を表し、Y1とY2のうち少なくとも一方はスルホン酸基(−SO3M)であり、Mは、水素原子、1価金属、2価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表す。)
【0011】
【化4】
Figure 0003843024
【0012】
(式(4)中、R8〜R13は、水素原子、メチル基、スルホン酸基(−SO3M)を表し、R8〜R13のうち少なくとも1つはメチル基であり、R8〜R13のうち少なくとも1つはスルホン酸基(−SO3M)であり、Mは、水素原子、1価金属、2価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表す。)
前記一般式(3)または一般式(4)で示されるモノマーの具体例としては、例えば、3−(メタ)アリロキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、3−(メタ)アリロキシ−1−ヒドロキシ−2−プロパンスルホン酸、3−アリロキシプロパン−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンスルホネート、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、3−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、あるいはこれらの1価金属、2価金属、アンモニウムまたは有機アミンによる塩等が挙げられる。このとき、1価金属、2価金属、有機アミンの具体例としては、前述したものと同様である。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0013】
前記単量体成分中、スルホン酸基を有するモノマーの割合は、5〜50モル%とすることが好ましい。
また、前記単量体成分としては、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、酢酸ビニル等のノニオニックモノマーなどを他のモノマーとして併用してもよい。その場合、前記単量体成分中、他のモノマーの割合は、40モル%以下とすることが好ましく、20モル%以下とすることがさらに好ましい。
前記単量体成分を共重合してポリマー(A1)を得る際の重合方法としては、特に制限はなく、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法で行えばよい。
【0014】
ポリマー(A1)の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがさらに好ましい。
本発明のコーティング剤における前記ポリマー(A1)の含有量は、ポリマー固形分として1〜50重量%とすることが好ましい。
本発明のコーティング剤は、架橋剤(B)を必須成分として含有する。
架橋剤(B)としては、特に制限されないが、本発明においては、特に、水溶性架橋剤が好ましい。水溶性架橋剤としては、例えば、水溶性ブロック化ポリイソシアネート化合物、水溶性ポリメチロール化合物、水溶性ポリグリシジル化合物、水溶性ポリアジリジル化合物等の有機系架橋剤や、ポリマー(ポリマー(A1)もしくは後述するポリマー(A2)を用いる場合にはポリマー(A2))と錯化合物を形成し得る金属化合物等の無機系架橋剤が挙げられる。有機系架橋剤の具体例としては、例えば、NaHSO3でブロック化したポリイソシアネート(例えば、第一工業製薬製「エラストロン」等)、メチロールメラミン、メチロール尿素、メチロール化ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイドのジグリシジルエーテル、ジアリジリル化ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。無機系架橋剤の例である錯化合物を形成し得る金属化合物としては、具体的には、例えば、配位数が4以上の金属(好ましくはCr、Ti、Al、Zr等)化合物が挙げられ、中でも特に、クロム酸、重クロム酸およびその塩、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトン、乳酸とチタニウムアクコキシドとの反応物、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニル、ジルコン弗酸およびその塩、硫酸アルミ等の水溶性の高い化合物が好ましい。また、架橋剤(B)として前記有機系架橋剤と前記無機系架橋剤とを併用することもできる。
【0015】
本発明のコーティング剤における前記架橋剤(B)の含有量は、その種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、前記ポリマー(A1)のポリマー固形分100重量部に対して固形分で1〜400重量部、好ましくは、5〜200重量部とすることが好ましい。
本発明のコーティング剤は、さらに、下記一般式(1)で示されるモノマーを含む単量体成分を(共)重合して得られるポリマー(A2)をも含有することが好ましい。
【0016】
【化5】
Figure 0003843024
【0017】
(式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2およびR3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基または炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を表す。)
前記一般式(1)で示されるモノマーの具体例としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。なお、これらは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリマー(A2)は、前記一般式(1)で示されるモノマー(以下、モノマー(a)と略す)を含む単量体成分を(共)重合して得られるものであるが、具体的には、以下の(i)〜(ix)のようなポリマーが挙げられる。なお、単量体成分を(共)重合する際の重合方法は、特に限定されず、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法で行えばよい。
【0018】
(i)モノマー(a)の重合体。
(ii)モノマー(a)と、該モノマー(a)と共重合可能なノニオニック不飽和モノマー(b1)との共重合体であるノニオニックポリマー。なお、ノニオニックモノマー(b1)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリルニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0019】
(iii)モノマー(a)と、前記ノニオニックモノマー(b1)および/またはアミノ基やアンモニウム基を有するカチオニック不飽和モノマー(b2)との共重合体であるカチオニックポリマー。なお、カチオニック不飽和モノマー(b2)の具体例としては、例えば、下記一般式(5)で示されるモノマーが挙げられる。
【0020】
【化6】
Figure 0003843024
【0021】
(式(5)中、R14は、水素原子またはメチル基を表し、Z1は、例えば、下記(I)〜(V)のような基を表す。なお、下記(I)〜(V)において、Ra、Rb、Rcは、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキルフェニル基、またはベンジル基を表し、yは、1〜3の数を表し、Xは、無機または有機残基を表す。)
【0022】
【化7】
Figure 0003843024
【0023】
【化8】
Figure 0003843024
【0024】
【化9】
Figure 0003843024
【0025】
【化10】
Figure 0003843024
【0026】
【化11】
Figure 0003843024
【0027】
(iv)上記(i)、(ii)および(iii)の(共)重合体のホフマン反応物またはマンニッヒ反応物、あるいはこれらの反応物をさらにアルキル化して4級アミノ化したポリマー。例えば、1)前記(共)重合体が有するアミド基を、NH(Rd)(Re)(但し、Rd、Reは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基、またはベンジル基を表す。)で示される化合物およびホルムアルデヒドを用いたマンニッヒ反応により、−CONH−CH2−N(Rd)(Re)へ転化したポリマー;2)前記(共)重合体の側鎖エステル基とアルキレンジアミン(H2N−Rf−NH2:但し、Rfは、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。)との反応により、−CONH−Rf−NH2を導入したポリマー;3)上記1)または2)の反応で得られるアミノ基をアルキル化することにより、4級アミノ化したポリマー;である。
【0028】
(v)モノマー(a)およびアクリル酸エステルの共重合体と、アルキレンポリアミンとの反応物。
(vi)モノマー(a)と、ノニオニックモノマー(b1)および/またはアニオニックモノマー(b3)との共重合体であるアニオニックポリマー。なお、アニオニックモノマー(b3)の具体例としては、例えば、下記一般式(6)で示されるような、無水マレイン酸やイタコン酸等のカルボン酸基、スルホン酸基、フォスフェン酸基を有する不飽和モノマーが挙げられる。
【0029】
【化12】
Figure 0003843024
【0030】
(式(6)中、R15は、水素原子またはメチル基を表し、Z2は、例えば、−COOH(またはその塩)、−SO3H(またはその塩)、下記(VI)〜(XI)のような基(またはその塩)を表す。なお、下記(XI)において、R16は、水素原子またはメチル基を表す。)
【0031】
【化13】
Figure 0003843024
【0032】
【化14】
Figure 0003843024
【0033】
【化15】
Figure 0003843024
【0034】
【化16】
Figure 0003843024
【0035】
【化17】
Figure 0003843024
【0036】
【化18】
Figure 0003843024
【0037】
(vii)モノマー(a)と、無水マレイン酸またはイタコン酸との共重合体。
(viii)上記(i)、(ii)および(vi)の(共)重合体の加水分解物であるアニオニックポリマー。例えば、前記(共)重合体が有するアミド基を加水分解によりカルボキシル基へ転化したポリマーである。
(ix)モノマー(a)と、ノニオニック不飽和モノマー(b1)および/またはカチオニック不飽和モノマー(b2)、アニオニックモノマー(b3)との共重合体である両性ポリマー。
【0038】
前記(ii)〜(ix)のようなポリマー(A2)において用いられる各モノマーの共重合量比(モル比)は、特に制限されないが、例えば、以下の(1)〜(3)のいずれかであるのが好ましい。
(1)モノマー(a)l−モノマー(b1)m−モノマー(b2)n(ここでl>40、m=0〜60、n=0〜60、l+m+n=100)
(2)モノマー(a)l−モノマー(b1)o−モノマー(b3)p(ここでl>40、m=0〜59、p=0〜60、l+o+p=100)
(3)モノマー(a)l−モノマー(b1)q−モノマー(b2)p−モノマー(b3)s(ここでl>40、o≦q<30、r=1〜59、s=1〜59、l+q+r+s=100)
ポリマー(A2)の重量平均分子量は、5,000以上であることが好ましい。ポリマー(A2)の重量平均分子量が5,000以下であり、親水性の高い場合には、非水溶化のために架橋剤の含有比率を高める必要がある。また、塗装時の糸曳現象を抑えるためには、ポリマー(A2)の重量平均分子量を2,000,000以下、好ましくは1,000,000以下とするのが好ましい。
【0039】
本発明のコーティング剤における前記ポリマー(A2)の含有量は、ポリマー固形分として1〜50重量%とすることが好ましい。
本発明のコーティング剤は、さらに、リチウム化合物、マグネシウム化合物、およびバリウム化合物からなる群から選ばれる1種以上の金属化合物をも含有することが好ましい。
前記リチウム化合物としては、例えば、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiNO3、Li2CO3、Li3PO4、LiMnO4、Li2Cr27、Li4SiO4、Li2SiO3、LiBO2、Li3VO4、Li2WO4、HCOOLi、Li224、CH3COOLi、C25COOLi、LiOOCCH2COOLi、クエン酸リチウム、酒石酸リチウム、トリメリット酸リチウム、ピロメリット酸リチウム等が挙げられる。
【0040】
前記マグネシウム化合物としては、例えば、MgF2I、MgCl2、MgBr2、MgI2、Mg(NO32、MgCO3、Mg3(PO42、Mg(MnO42、MgCr27、Mg2SiO4、MgSiO3、Mg(BO22、Mg3(VO42、MgWO4、(HCOO)2Mg、MgC24、(CH3COO)2Mg、(C25COO)2Mg、シュウ酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、トリメリット酸マグネシウム、ピロメリット酸マグネシウム等が挙げられる。
前記バリウム化合物としては、例えば、BaF2、BaCl2、BaBr2、BaI2、Ba(NO32、BaCO3、Ba3(PO42、Ba(MnO42、BaCr27、Ba2SiO4、BaSiO3、Ba(BO22、Ba3(VO42、BaWO4、(HCOO)2Ba、BaC24、(CH3COO)2Ba、(C25COO)2Ba、シュウ酸バリウム、クエン酸バリウム、酒石酸バリウム、トリメリット酸バリウム、ピロメリット酸バリウム等が挙げられる。
【0041】
本発明のコーティング剤における前記金属化合物の含有量は、固形分として1〜60重量%とすることが好ましい。
本発明のコーティング剤は、必要に応じて、溶媒を含有するものである。溶媒としては、水を主体とするものが好ましいが、乾燥速度の調節や塗膜状態の改善のために、アルコール、ケトン、セロソルブ等の水溶性溶媒を併用してもよい。
本発明のコーティング剤は、さらに必要に応じて、例えば、防錆剤、充填剤、着色剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、防菌防黴剤等の従来公知の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。
【0042】
本発明のコーティング剤は、例えば、無機ガラス、無機質系の瓦、内外壁材、金属製の壁材、種々のプラスチック材、樹脂材、セラミック材、ゴム材、木材、不織布、フィルム材、シート材、金属(鉄、銅、ステンレス、アルミニウム等)材等の基材に適用することができる。
本発明のコーティング剤の塗装方法としては、特に制限はなく、例えば、浸漬、噴霧、刷毛、ロール、フローコート等の方法により塗付し、乾燥させればよい。
【0043】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、得られたコーティング剤については、以下の評価を行った。
(初期親水性)
厚さ1mmのアルミニウム板を、弱アルカリ性脱脂剤(日本パーカライジング(株)製「ファインクリーナー315(商標)」)を用いて脱脂洗浄した後、水洗し、80℃で1分間水切り乾燥を行った。該アルミニウム板の表面に、得られたコーティング剤を乾燥膜厚が1μmとなるようにバーコートし、180℃で3分間乾燥して、試験板を作製した。そして、該試験板の表面に、直径1〜2mmの水滴を静置し、接触角計(協和界面化学社製「FACE接触角計VCA−VZ型」)を用いて水滴の接触角(度)を測定し、この値により初期親水性を評価した。
【0044】
(親水持続性)
上記初期親水性の評価と同様の方法で試験板を作製した。そして、試験板を室温で流水に8時間浸漬した後に80℃の熱風乾燥機中で16時間乾燥させる操作を1サイクルとし、これを5サイクル繰り返し行った後の試験板の表面に、直径1〜2mmの水滴を静置し、接触角計(協和界面化学社製「FACE接触角計VCA−VZ型」)を用いて水滴の接触角(度)を測定し、この値により親水持続性を評価した。
<実施例1>
ポリマー(A1)としてアクリル酸(AA)/3−アリロキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(HAPS)共重合体(AA/HAPS=85/15(モル比)、重量平均分子量55,000)をポリマー固形分で20g/L濃度となるように、架橋剤(B)としてフッ化クロム3水和物を固形分で2.5g/L濃度となるように、ポリマー(A2)としてアクリルアミド(AAm)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)共重合体(AAm/AMPS=60/40(モル比)、重量平均分子量75,000)をポリマー固形分で10g/L濃度となるように混合した水溶液を調製し、本発明のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は10度以下であり、親水持続性における接触角も10度以下であった。
【0045】
<実施例2>
実施例1で得られた水溶液に、さらに、硫酸バリウムを固形分で5g/L濃度となるように混合した水溶液を調製し、本発明のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は10度以下であり、親水持続性における接触角も10度以下であった。
<実施例3>
実施例1で用いたポリマー(A1)を、アクリル酸(AA)/3−アリロキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(HAPS)共重合体(AA/HAPS=70/30(モル比)、重量平均分子量30,000)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして水溶液を調製し、本発明のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は10度以下であり、親水持続性における接触角も10度以下であった。
【0046】
<実施例4>
実施例1で用いたポリマー(A1)を、アクリル酸(AA)/2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸ナトリウム(IPS)共重合体(AA/IPS=90/10(モル比)、重量平均分子量80,000)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして水溶液を調製し、本発明のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は10度以下であり、親水持続性における接触角も10度以下であった。
<実施例5>
実施例4で得られた水溶液に、さらに、炭酸マグネシウムを固形分で7.5g/L濃度となるように混合した水溶液を調製し、本発明のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は10度以下であり、親水持続性における接触角も10度以下であった。
【0047】
<実施例6>
実施例5で用いたポリマー(A1)を、アクリル酸(AA)/2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸ナトリウム(IPS)共重合体(AA/IPS=60/40(モル比)、重量平均分子量50,000)に変更したこと以外は、実施例5と同様にして水溶液を調製し、本発明のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は10度以下であり、親水持続性における接触角も10度以下であった。
<比較例1>
実施例2において、ポリマー(A1)および架橋剤(B)を用いないこと以外は、実施例2と同様にして水溶液を調製し、比較用のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は32度であり、親水持続性における接触角は38度であった。
【0048】
<比較例2>
実施例2において、ポリマー(A1)を用いないこと以外は、実施例2と同様にして水溶液を調製し、比較用のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は25度であり、親水持続性における接触角は32度であった。
<比較例3>
実施例6において、架橋剤(B)を用いないこと以外は、実施例6と同様にして水溶液を調製し、比較用のコーティング剤とした。該コーティング剤について前記評価を行ったところ、初期親水性における接触角は41度であり、親水持続性における接触角は49度であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明のコーティング剤によれば、優れた親水性能、特に優れた親水持続性を付与することができる。

Claims (3)

  1. カルボキシル基を有するモノマーおよび下記一般式(3)で示されるスルホン酸基を有するモノマーを含む単量体成分を共重合して得られるポリマー(A1)と、架橋剤(B)とを必須成分として含有する、コーティング剤。
    Figure 0003843024
    (式(3)中、R は、水素原子またはメチル基を表し、a、bは、0〜100の整数を表し、Y 、Y は、スルホン酸基(−SO M)または水酸基を表し、Y とY のうち少なくとも一方はスルホン酸基(−SO M)であり、Mは、水素原子、1価金属、2価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表す。)
  2. カルボキシル基を有するモノマーおよび下記一般式(4)で示されるスルホン酸基を有するモノマーを含む単量体成分を共重合して得られるポリマー(A1)と、架橋剤(B)とを必須成分として含有する、コーティング剤。
    Figure 0003843024
    (式(4)中、R 〜R 13 は、水素原子、メチル基、スルホン酸基(−SO M)を表し、R 〜R 13 のうち少なくとも1つはメチル基であり、R 〜R 13 のうち少なくとも1つはスルホン酸基(−SO M)であり、Mは、水素原子、1価金属、2価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表す。)
  3. さらに、下記一般式(1)で示されるモノマーを含む単量体成分を(共)重合して得られるポリマー(A2)をも含有する、請求項1または2に記載のコーティング剤。
    Figure 0003843024
    (式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、RおよびRは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基または炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を表す。)
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