JP2004009347A - インクリボンの装填方法およびその装填ガイド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印字ヘッドとこれに対向するプラテンとの間の隙間にインクリボンを挿入してインクリボンを装填するインクリボンの装填方法において、シート材を舌片状に成形した装填ガイドを、印字ヘッドとプラテンとの間の隙間にプラテンを覆うように挿入して設置し、装填ガイドと印字ヘッドとの間の隙間にインクリボンを挿入し、その後に装填ガイドを引抜くことによって装填する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発券機や券売機等の券類発行装置に用いられるインクリボンの装填方法およびその装填ガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクリボンの装填方法の例を図面を用いて説明する。
図4は従来の券類発行装置を示す説明図、図5はその印字部を示す正面図、図6はその本体部を示す斜視図、図7はそのリボンカセットを示す斜視図である。図4において、1は券類発行装置であり、駅の発券窓口の係員等が列車用の定期券、座席指定券等の券類を発行するときに用いる。
【0003】
2は券類挿入口であり、継続購入される定期券の使用済み定期券等の券類が挿入される。
3は券類排出口であり、列車の利用者等に発行する座席指定券や定期券等の券類を排出する。
4はホッパ部であり、一方の面に磁気記録のための磁気面が、他方の面に印字するための印刷面が設けられた定期券用の媒体が収納されている。
【0004】
5は分離繰出部であり、ホッパ部4の繰出口に設けられ、ピックアップローラ5a、フィードローラ5bおよびリバースローラ5cで構成されており、定期券用の媒体を1枚毎に分離して繰出す。
6a、6bはロール紙であり、一方の面に磁気記録のための磁気面が、他方の面に印字するための印刷面が設けられたロール状に巻かれた媒体であり、カッタ7によって切断されて種々の大きさの券類に用いる媒体になる。
【0005】
8は磁気書込部であり、媒体の磁気面に発行する券類の乗車駅、降車駅、有効日時等の券類情報を書込む。
9は磁気読取部であり、磁気書込部8で書込まれた券類情報を読取り、その内容を確認する。
10は回収スタッカ部であり、係員の入力ミス等により磁気書込処理や印字処理がなされた後に取消処理された媒体を回収して集積する。
【0006】
11は印字部であり、色違い等の印字のために同様の印字部11が2台設けられており、媒体の印刷面に券類情報を印字する。
15a〜15iは上記各部を相互に接続する搬送路であり、媒体を挟持して搬送するためのベルトとローラからなる搬送部を複数連続的に配置して構成されており、その分岐部には各搬送路の搬送方向を切替える切替ブレード16a〜16cが設けられている。
【0007】
図5において、21は印字部11の本体部である。
22はリボンカセットである。
23はサーマルヘッド等の印字ヘッドである。
24はプラテンであり、隙間を介して印字ヘッド23に対向して設けられ、その周囲に比較的硬質のゴム等の弾性部材が設けられており、印字の際に媒体を支持する機能を有している。
【0008】
25はインクリボンであり、印字ヘッド23とプラテン24との間に挿入され、印字の際に転写材料等の印字用インクを供給する。
26は係止部材であり、インクリボン25が軸方向に抜け落ちることを防止している。
図6、図7において、31はリボンシャフトであり、数条の突起部32、リボンシャフト31と連動して回転する鍔部33およびリボンカセット22のリボンロール芯34(図7)を係止するための係止機構35が設けられている。
【0009】
リボンロール芯34には、リボンシャフト31の突起部32と嵌合する溝部37が設けられ、リボンシャフト31と連動して回転するように構成されている。38はリボンカセット22のケースであり、ガイド部39a、39bが設けられている。
インクリボン25は、一方のリボンロール芯34からガイド部39a、39bを経由して他方のリボンロール芯34へ掛け渡されており、印字部11の図示しない駆動機構によりインクリボン25がリボンロール芯34に巻き取られて送られる際に、ガイド部39a、39bの間のインクリボン25に張りが与えられるように構成されている。
【0010】
このような構成の印字部11の本体部21にリボンカセット22を装着する場合は、リボンカセット22のリボンロール芯34の溝部37をリボンシャフト31の突起部32に嵌合させながら、ガイド部39a、39bの間の図7に示すA部を印字ヘッド23とプラテン24との間に形成されている隙間に配置し、図7に示す矢印B方向に挿入してインクリボン25を印字ヘッド23とプラテン24との間に装填する。
【0011】
この時、リボンロール芯34がリボンシャフト31の係止機構35によって係止され、リボンロール芯34とその鍔部36およびリボンシャフト31の鍔部33によってボビンが形成され、このボビンにリボンロール芯34に巻き付けられたインクリボン25が収納される。
これによって、リボンカセット22が本体部21に装着され、印字部11が形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術においては、印字部の本体部へのリボンカセット装着時に、印字ヘッドとプラテンとの間の隙間にインクリボンを挿入する際、インクリボンの剛性が不足するため、インクリボンとプラテンの弾性部材との接触による摩擦力等によってインクリボンの装填が難しく、折れ曲がる等の不整な状態で装填されてしまうことがあるという問題がある。
【0013】
また、この場合、印字部の駆動機構によりインクリボンをリボンロール芯に巻き取る際に乱巻となり、インクリボンを最後まで使用することができないことによるインクリボンの早期交換やインクリボンの破断等が発生して短期間でのリボンカセットの交換作業が必要になり、これに費やす時間や費用の無駄が発生するという問題がある。
【0014】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、インクリボンの装填時の作業を容易にし、かつ確実にインクリボンを装填できるインクリボンの装填方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、印字ヘッドと、該印字ヘッドに対向するプラテンと、前記印字ヘッドと前記プラテンとの間の隙間にインクリボンを挿入してインクリボンを装填するインクリボンの装填方法において、シート材を舌片状に成形した装填ガイドを、前記印字ヘッドとプラテンとの間の隙間に前記プラテンを覆うように挿入して設置し、この装填ガイドと前記印字ヘッドとの間の隙間に前記インクリボンを挿入し、その後に前記装填ガイドを引抜くことによって装填することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明によるインクリボンの装填方法の実施の形態について説明する。
第1実施の形態例
図1は本発明の第1実施の形態を示す説明図である。
【0017】
なお、上記従来例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。41は比較的剛性の高いシート材を長方形や長円形等の舌片状に成形した装填ガイドであり、本実施の形態では、連量70〜100kgの比較的剛性の高い上質紙を用いている。
装填ガイド41の片面には、装填ガイド41の印字ヘッドとプラテンとの間の隙間への挿入方向を示す矢印、装填ガイドの使用方法および装填ガイド41の設置時の挿入長さの目安を示す太い実線が印刷されている。
【0018】
なお、この印刷は装填ガイド41の両面に施すようにしてもよい。
上記の構成の作用について説明する。
図2は第1実施の形態の装填ガイドの設置状態を示す斜視図である。
リボンカセット22を本体部21に装着する場合は、まず装填ガイド41に印刷されている挿入方向に従って、装填ガイド41を印字ヘッド23とプラテン24との間の隙間に装填ガイド41に印刷されている挿入長さの目安である太い実線まで挿入し、プラテン24を覆うようにして図2に示すように設置する。
【0019】
次いで、リボンカセット22のリボンロール芯34の溝部37をリボンシャフト31の突起部32に嵌合させながら、ガイド部39a、39bの間の図7に示すA部のインクリボン25を装填ガイド41に沿わせ、印字ヘッド23と装填ガイド41との間に形成されている隙間に配置し、インクリボン25を印字ヘッド23と装填ガイド41の間に図7に示す矢印Bの方向へ挿入してリボンカセット22を本体部21に装着する。
【0020】
その後、装填ガイド41を引抜いてインクリボン25を印字ヘッド23とプラテン24との間に装填する。
このようにして、第1実施の形態の装填ガイド41を用いたインクリボン装填方法による印字部11が形成される。
以上のように、本実施の形態では、装着ガイドを印字ヘッドとプラテンとの間の隙間に摩擦係数の大きいプラテンの弾性部材を覆うように設置し、印字ヘッドと装着ガイドとの間の隙間にインクリボンを挿入するようにしたことによって、剛性が不足するインクリボンであってもプラテンの弾性部材にひっかかるようなことがなく、円滑な装填が行えるようになり、不整状態でのインクリボンの装填を防止することができる。
【0021】
この結果、不必要なリボンカセットの交換作業をなくすことができ、業務効率を向上することができる。
また、装填ガイドが、一般に目視し難い位置に設置されている券類発行装置等の印字部の本体部にリボンカセットを装着する際の目標物の機能を発揮し、リボンカセットの装着容易性を向上することができる。
【0022】
第2実施の形態例
図3は本発明の第2実施の形態を示す説明図である。
なお、上記従来例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。51は第1のシート材であり、その端部付近に第2のシート材52を挿入して係止するためのスリット53が設けられている。
【0023】
第2のシート材52は、その一端にスリット53に挿入して係止するための舌状の係止部54、他端にインクリボン25の挿入を容易にするために端部を折広げた案内部55が設けられている。
この2枚のシート材は、第1のシート材51のスリット53に第2のシート材52の係止部54を挿入して着脱可能に組合せて組合せ端を形成し、一端を開放し他端を着脱可能に組合せて構成した装填ガイド56を形成する。
【0024】
また、第2のシート材52の外側には、装填ガイド56の挿入方向を示す矢印、装填ガイドの使用方法および装填ガイド56の設置時の挿入長さの目安を示す太い実線が印刷されている。
なお、この印刷は第1のシート材51の外側に施すようにしてもよく、両側に施すようにしてもよいが、装着ガイド56の設置時に視認しやすい側のみに施すことが望ましい。
【0025】
また、本実施の形態では、第1のシート材51および第2のシート材52は第1実施の形態例と同様の上質紙が用いられている。
更に、第2のシート材52の案内部55を省略して第1のシート材51より短く成形し、その段差を利用してインクリボン25の挿入性を保持するようにしてもよい。
【0026】
上記の構成の作用について説明する。
リボンカセット22を本体部21に装着する場合は、まず第2のシート材52の外側に印刷されている挿入方向に従って、装填ガイド56の組合せ端を印字ヘッド23とプラテン24との間の隙間に挿入長さの目安である太い実線まで挿入し、第1実施の形態例と同様にして図2に示す位置に設置する。
【0027】
次いで、リボンカセット22のリボンロール芯34の溝部37をリボンシャフト31の突起部32に嵌合させながら、ガイド部39a、39bの間の図7に示すA部のインクリボン25を装填ガイド56の第1のシート51と第2のシート52の間に挟みこむように配置し、インクリボン25を図7に示す矢印B方向に挿入して印字ヘッド23とプラテン24との間の所定の位置に位置させ、リボンカセット22を本体部21に装着する。
【0028】
その後、第2のシート材52を引抜き、次いで第1のシート材51を引抜いて装填ガイド56を取除き、インクリボン25を印字ヘッド23とプラテン24との間に装填する。
この時、第2のシート材52を先に引抜くことにより、第1のシート材51のスリット53から係止部54を円滑に引抜くことができる。
【0029】
このようにして、装填ガイド56を用いたインクリボン装填方法による印字部11が形成される。
これによって、上記した第1実施の形態例の効果に加えて、2枚のシート材の間にインクリボンを挿入して装填するようにすることによって、印字ヘッドへの接触をも防止でき、より円滑なインクリボンの装填が可能となる。
【0030】
なお、上記各実施の形態例においては、装填ガイドのシート材を上質紙として説明したが、その他どのようなシート材であってもよく、例えば合成樹脂をコーティングしたシート材や合成樹脂単体のシート材がある。
更には、これらのシート材の表面に軽度の荒れを施したり、洗浄剤を含浸させたり等して洗浄作用を持たせたクリーニング媒体としてもよい。
【0031】
これによって、上記各実施の形態例の効果に加えて、装填ガイドの設置時および引抜時に印字ヘッドやプラテンのクリーニングが可能になり、印字部を常に良好な状態に保つことができる。
なお、クリーニング媒体としては、乾式クリーニング媒体を用いることが望ましい。
【0032】
また、上記各実施の形態例のおいては、列車の定期券や座席指定券の発行を行う券類発行装置を例に説明したが、本発明を適用する装置はインクリボンを使用して印字を行う印字部を装備した装置であればどのような装置であってもよく、前記券類発行装置の例に限るものではない。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、装着ガイドを印字ヘッドとプラテンとの間の隙間にプラテンを覆うように挿入して設置し、装着ガイドに案内させてインクリボンを挿入するようにしたことによって、狭い隙間であってもインクリボンがプラテンの弾性部材にひっかかるようなことがなく、円滑で確実なインクリボンの装填が行えるようになり、不整状態でのインクリボンの装填を防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す説明図
【図2】第1実施の形態の装填ガイドの設置状態を示す斜視図
【図3】本発明の第2実施の形態を示す説明図
【図4】従来の券類発行装置を示す説明図
【図5】従来の印字部を示す正面図
【図6】従来の本体部を示す斜視図
【図7】従来のリボンカセットを示す斜視図
【符号の説明】
1 券類発行装置
2 券類挿入口
3 券類排出口
4 ホッパ部
5 分離繰出部
5a ピックアップローラ
5b フィードローラ
5c リバースローラ
6a、6b ロール紙
7 カッタ
8 磁気書込部
9 磁気読取部
10 回収スタッカ部
11 印字部
15a〜15i 搬送路
16a〜16c 切替ブレード
21 本体部
22 リボンカセット
23 印字ヘッド
24 プラテン
25 インクリボン
26 係止部材
31 リボンシャフト
32 突起部
33、36 鍔部
34 リボンロール芯
35 係止機構
37 溝部
38 ケース
39a、39b ガイド部
41、56 装填ガイド
51 第1のシート材
52 第2のシート材
53 スリット
54 係止部
55 案内部
Claims (9)
- 印字ヘッドと、該印字ヘッドに対向するプラテンとを有し、前記印字ヘッドと前記プラテンとの間の隙間にインクリボンを挿入してインクリボンを装填するインクリボンの装填方法において、
シート材を舌片状に成形した装填ガイドを、前記印字ヘッドとプラテンとの間の隙間に前記プラテンを覆うように挿入して設置し、この装填ガイドと前記印字ヘッドとの間の隙間に前記インクリボンを挿入し、その後に前記装填ガイドを引抜くことによって装填することを特徴とするインクリボンの装填方法。 - 印字ヘッドと、該印字ヘッドに対向するプラテンとを有し、前記印字ヘッドと前記プラテンとの間の隙間にインクリボンを挿入してインクリボンを装填するインクリボンの装填方法において、
2枚のシート材の一端を開放し、他端を組合せ端として着脱可能に組合せて構成した装填ガイドを、前記印字ヘッドとプラテンとの間の隙間に前記組合せ端を挿入して設置し、その2枚のシート材の開放端の間に前記インクリボンを挿入し、その後に前記装填ガイドのシート材を順次に引抜くことによって装填することを特徴とするインクリボンの装填方法。 - 請求項2において
前記2枚のシート材が、端部付近にスリットを有する第1のシート材と、前記スリットに一端を挿入して着脱可能に組合せる第2のシート材とからなり、前記装填ガイドの引抜時に、前記第2のシート材を引抜いた後に前記第1のシート材を引抜くことを特徴とするインクリボンの装填方法。 - 舌片状のシート材からなり、印字ヘッドとこれに対向するプラテンとの間の隙間に前記プラテンを覆うように挿入されて設置され、前記印字ヘッドとの間に形成される隙間にインクリボンを案内することを特徴とするインクリボンの装填ガイド。
- 請求項4において
前記シート材に、前記印字ヘッドとプラテンとの間の隙間への挿入時の挿入方向と挿入長さの目安を印刷したことを特徴とするインクリボンの装填ガイド。 - 一端を開放し他端を組合せ端として着脱可能に組合せて構成した2枚のシート材からなり、前記印字ヘッドとこれに対向するプラテンとの間の隙間に前記組合せ端を挿入されて設置され、前記2枚のシート材の間に前記インクリボンが挿入され、これを案内することを特徴とするインクリボンの装填ガイド。
- 請求項6において
前記2枚のシート材が、端部付近にスリットを有する第1のシート材と、前記スリットに一端を挿入して着脱可能に組合せる第2のシート材とからなることを特徴とするインクリボンの装填ガイド。 - 請求項7において
前記第1のシート材および/もしくは前記第2のシート材の外側に、前記印字ヘッドとプラテンとの間の隙間への挿入時の挿入方向と挿入長さの目安を印刷したことを特徴とするインクリボンの装填ガイド。 - 請求項4から請求項8において
前記シート材が、クリーニング媒体であることを特徴とするインクリボンの装填ガイド。
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