JP2004009275A - 管材切断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材4を本体3上面に設けるとともに該本体3に支柱1を立設し、該支柱1に昇降動自在に取り付けられるスライド部材2に前記駆動ローラ部材4と向かい合うカッタホイール5と切断補助用押えローラ10とを設け、スライド部材2に設けた昇降機構80を介してスライド部材2を下降させ、駆動ローラ部材4上の被加工物にカッタホイール5を押し当てたうえカム式レバー加圧機構6によりカッタホイール5に切断押圧力を加えて切断を行なうとともに、切断後はスライド部材2に設けた昇降機構80を介してスライド部材2を上昇させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はステンレス等のような硬い金属管も切断することができる管材切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、管材切断装置としては、管径に応じたスライド動作と切り込み動作とを行なうカッタホイールと受ローラとからなる手動式のパイプカッタや、管材をワーククランプにクランプさせた後、カッタホイールが装着されているロータヘッドをモータで回転させて管材を切断する簡易型の電動式のパイプカッタや、ベルト状の鋸歯を循環動させて切断する鋸盤、円盤状カッタを回転させて切断を行うチップソーカッタ等がよく知られている。手動式のパイプカッタは管材をカッタホイールと受ローラ間に挟み込んだ上、切り込みに応じて切断刃を進出させつつ本体を回転させなければならず切断作業に多大な労力を要するという問題があった。しかも、ステンレスのような硬い金属管を切断するには銅管や樹脂管より大きな力を要するという問題があった。
【0003】
このため硬い金属管材の切断には電動式のパイプカッタが用いられた。しかし、電動式のパイプカッタの場合、大径の管材の切断ができないうえに管材のクランプ作業が必要で、作業が煩雑になるうえにクランプにより管材表面に疵がつくという問題があった。このため硬くて大径の金属管の切断には鋸盤やチップソーカッタが用いられた。しかし鋸盤やチップソーカッタによる切断でも、クランプ作業が必要となって表面に疵がつくうえに切断により切り屑が発生するため切り屑の廃棄処理に手数を要するという問題があるうえに、切断端面にバリが生じるため、リーマによる切断端面の仕上げ処理が必ず必要となるという問題があった。さらに切断時の騒音が公害となるうえにパイプカッタに比較して切断時間が多くかかるという問題もあった。
【0004】
このような問題を解決するため、図8、9に示されるような据え置き型の電動パイプカッタが提案されている。この電動パイプカッタは被加工物を回転駆動させるゴム製の並列ローラ90間に形成される被加工物受用凹部91上に被加工物を載置させて、被加工物受用凹部91上で被加工物を回転させながら上方からゴム製の押えローラ92とカッタホイール93を有するスライド部材94を、レバーハンドル95を引き下げることにより被加工物に押し当てて切断加工を行うものであるため、パイプカッタと同様騒音を発することなく、バリのない切断端面をもつ加工品を得ることができる。この切断加工を詳述すれば、レバーハンドル95の引き下げにより枢動下降したスライド部材94の押えローラ92はカッタホイール93より先に被加工物の表面に接して並列ローラ90に押し付けることとなる。この押し付けにより摩擦力を高めて強い回転力が被加工物に与えられる。しかし押えローラ92はばねに支持されて常に一定の押圧力が加えられるようになっているので、レバーハンドル95がさらに押し下げられると押えローラ92ガイド溝に沿って後退することとなる。この後退によりカッタホイール93は被加工物に接して切込みを開始し、回転される被加工物の円周面にカッタホイール93は切り込まれてゆき被加工物は最終的に切断されるものである。
【0005】
しかし単式のレバーハンドル95によりカッタホイール93を被加工物を押し当てて切断押圧力を加えるため、充分な切断押圧力が加えられないので被加工物が銅管や樹脂管のように柔らかいものは問題なく切断できるが、ステンレス管のように硬度が大きいものの切断は極めて難しかった。またカッタホイール93によるステンレス管への切り込みの際、カッタホイール93とステンレス管との間で大きな摩擦抵抗が発生して並列ローラ90による回転力がステンレス管に伝達されず、ステンレス管がスリップして回転せず切断ができなくなるという問題もあった。これらのことから硬いステンレス管でも切断することができる管材切断装置の開発が強く要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は硬い金属管材の切断ができるうえに切り屑の発生がなく、しかもバリの発生が少ない管材切断装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため本発明は、被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材を本体上面に設けるとともに該本体に支柱を立設し、該支柱に昇降動自在に取り付けられるスライド部材に前記駆動ローラ部材と向かい合うカッタホイールと切断補助用押えローラとを設けるとともに、該スライド部材にスライド部材を昇降動させる昇降機構とカッタホイールに切断押圧力を加えるカム式レバー加圧機構を設けた管材切断装置を請求項1の発明とし、請求項1の発明において、昇降機構がカッタホイールを一動作で切断または旧状復帰または切断と旧状復帰の状態に移行させる管材切断装置を請求項2の発明とし、請求項1または2の発明において、駆動ローラ部材と連動して回転駆動されるリーマの先端部がリーマカバーにより被覆される管材切断機構を請求項3の発明とし、請求項3の発明において、リーマカバーが一定角度上開きされると開放状態が維持され、一定角度以上閉じられると閉鎖動が続行されるように本体に枢着される管材接続装置を請求項4の発明とし、請求項3または4の発明において、駆動ローラ部材上に載置される被加工物の延長線方向に一定角度上開きされて開放状態が維持されるリーマカバーの背部が配置される管材切断装置を請求項5の発明とし、請求項1から5の発明において、本体に被加工物の遊端部を受けるパイプサポートを連結自在とした管材切断装置を請求項6の発明とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明も好ましい実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
本発明装置は図1、2、3、4に示されるように、本体3上面に設けられる被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材4と、本体3から立設される支柱1に昇降動自在に取り付けられるスライド部材2と、該スライド部材2に設けられるカッタホイール5と該カッタホイール5が被加工物の肉厚まで切り込まれた際に被加工物を回転させる切断補助用押えローラ10と、スライド部材2に設けられてカッタホイール5に切断押圧力を加えるカム式レバー加圧機構6と、スライド部材2に設けられてカッタホイール5が一動作で切断または旧状復帰または切断と旧状復帰の状態に移行するようスライド部材2を昇降動させる昇降機構80と、該昇降機構80に設けられるカッタホイール5を被加工物の切断状態まで一動作で移行させる一動作押下機構7およびカッタホイール5を切断状態から一動作で旧状復帰状態に移行させる一動作復帰機構8とからなるものである。
【0009】
前記スライド部材2は図5に示されるように左右の弾性材よりなる切断補助用押えローラ10間に設けられるカッタホイール5を切断補助用押えローラ10と同軸の軸9に軸支するとともに、図4に示されるようにカッタホイール5に切断押圧力を加えるカム式レバー加圧機構6とスライド部材2を昇降動させる昇降機構80とを設けたものであり、該昇降機構80はカッタホイール5を切断状態に移行させる一動作押下機構7とカッタホイール5を切断状態から旧状復帰状態に移行させる一動作復帰機構8とからなる。また前記スライド部材2は支柱1に昇降動自在に取り付けられ、カッタホイール5の中心軸線と各種径の異なる被加工物の中心軸線とは常に垂直面上にあるものとしている。このようにすることによりカッタホイール5の被加工物への押し付け力は的確に駆動ローラ部材4へ伝達され、被加工物がスリップしたり駆動ローラ部材4から逃げ出すことがないようにしている。前記カッタホイール5の外径は図5に示されるように、左右の切断補助用押えローラ10の外径より若干大きいものとしている。これはカッタホイール5自体が被加工物を金属製の駆動ローラ部材4に押し付けて摩擦力を高めて強い回転力を被加工物に与えるためであり、このようにすることにより被加工物がスリップすることなく強い回転力を得られることとなる。そして切断補助用押えローラ10はカッタホイール5が被加工物の肉厚を越えて切り込まれて被加工物に対する回転駆動力が失われた際、駆動ローラ部材4に被加工物を押し付けて強い回転力を被加工物に与えるものである。カッタホイール5と切断補助用押えローラ10との外径差は被加工物の略肉厚分であればよく、最大加工径と最小加工径では肉厚は異なるがその差は弾性を有する切断補助用押えローラ10により吸収するものとする。
【0010】
また被加工物を受ける金属製の駆動ローラ部材4は、本体3の上面に同じ高さに並設軸支した駆動ローラ12と従動ローラ13とよリなるもので、駆動ローラ12と従動ローラ13間の凹部に被加工物受けを形成するため駆動ローラ12と従動ローラ13とは近接して並設されている。駆動ローラ12と従動ローラ13は図1、2、3に示されるように、金属製の筒体12a、13aと、該筒体12a、13aの両端を嵌着支持する一対のローラホルダ12b、13bと、該ローラホルダ12b、13bをキー結合するローラ軸12cとから構成されている。駆動ローラ12と従動ローラ13の筒体12a、13aの表面には切断刃介入用の凹溝14が形成されている。該凹溝14は筒体12a、13aの偏心位置に形成されている。凹溝14を筒体12a、13aの偏心位置に形成するのは切り落とされる側より切り残される側の接触面積を大きくして回転駆動力が不均等に力が加わるようにすることにより、肉厚を越えて切り込まれたカッタホイール5が被加工物に食い込んだ時、切り残される側の被加工物に大きな回転力が加えられるようにして被加工物がスリップしにくくなるようにしている。
【0011】
さらに駆動ローラ部材4はモータ4aと、該モータ4aに連繋される図示しない減速歯車機構とからなる駆動装置により駆動されるものである。減速歯車機構の最終歯車は駆動ローラ12のローラ軸12cに取り付けられている。
【0012】
図2、3において、15は駆動装置と連動して回転駆動されるリーマであり、該リーマ15は被加工物の前端外周縁の面取りを行なったり、被加工物の切断端面に生じたバリを切削するものである。また該リーマ15は減速歯車機構の2番目の歯車と噛合される小径歯車軸に設けられたもので、モータの回転速度より僅かに遅い速度で回転するものである。
【0013】
16は図2に示されるようにリーマ15の先端部を被覆するコーン形状のリーマカバーであり、該リーマカバー16は、一定角度上開きされるとその背面部が本体3の減速歯車機構カバー上面に当接して開放状態が維持されるとともに、一定角度以上閉じ方向に枢動されるとリーマカバー16は自重でリーマ先端を被覆し、その開口縁が本体3の減速歯車機構カバー側面に当接して被覆状態となるよう本体3の減速歯車機構カバー側面に基部を枢着している。リーマカバー16の枢着中心は本体3の減速歯車機構カバー側面と同一面上にあるため、リーマカバー16の開口縁は減速歯車機構カバー側面に密接することとなる。
【0014】
また、一定角度上開きされて開放状態が維持されるリーマカバー16の背面部は駆動ローラ部材4の被加工物受けに載置される被加工物の延長線方向に位置されるため、リーマ加工後、リーマカバー16を閉じ忘れたまま被加工物の切断を行なおうとすると、被加工物受けに載置した被加工物の先端によりリーマカバー16の背面部が押圧され、リーマカバー16は被覆方向に枢動してリーマ先端を被覆することとなる。このため被加工物の切断加工時にはリーマ15はリーマカバー16に必然的に被覆されることとなって安全性が自動的に確保されることとなる。
【0015】
前記したカム式レバー加圧機構6はスライド部材2に基部を軸37aで枢着するとともに先端にカッタホイール5と切断補助用押えローラ10を同軸の軸9に軸支した遊動アーム20と、該遊動アーム20にカム機構22を介して切断押圧力を加えるレバーハンドル21とからなるものであり、レバーハンドル21はスライド部材2に枢着されている。またカム機構22は遊動アーム20の先方部上面に形成したカム当て面20aと、該カム当て面20aに当接されるレバーハンドル21の遊動端部に設けた偏心カム23とからなる。遊動端部とはレバーハンドル21の枢軸部周縁の回転運動を生じる部分をいうものである。24はカム式レバー加圧機構7の復帰機構で、該復帰機構24は遊動アーム20に遊挿される頭付ピン26と、該頭付ピン26に巻装されるばね25と、頭付ピン26の頭部を当接させる支柱1の前面とから構成されるものであり、頭付ピン26がばね25の付勢力により飛び出そうとする力により、遊動アーム20には常時上向きの力が加えられるので、被加工物の切断後にレバーハンドル21を上方に枢動させて偏心カム23とカム当て面20aとの圧接が解かれると遊動アーム20のカッタホイール5と切断補助用押えローラ10は上方に枢動して切断位置から離脱した旧状に復帰される。
【0016】
また昇降機構80におけるカッタホイール5の一動作押下機構7は、支柱1内に装着されてスライド部材2を上方に付勢するスライドばね30と、スライド部材2に取り付けられてスライド部材2の上昇をロックするラチェット機構31と、カッタホイール5を被加工物位置まで押し下げるレバーハンドル21とからなるものである。該ラチェット機構31は支柱1の前面側に形成されたラチェット溝32とスライド部材2に枢着されるラチェット爪33とからなり、ラチェット爪33は該ラチェット爪33を時計回り方向に付勢するばね34によりラチェット溝32に圧着係止されているが、ラチェット爪形状はスライド部材2に押し下げる力が加わった際にはラチェット爪はラチェット溝32から外れて下降を許すが、スライドばね30によりスライド部材2に上昇力が加えられた状態ではラチェット爪33はラチェット溝32に食い込んで上昇は許さないようになっている。また前記ばね34は先端をラチェット爪33のカム当片33aに当接されるとともに基端フックをスライド部材2に張設されたピン35に係止させたものである。ピン35に係止されるばね34の基端フックはピン35に嵌挿した左右のカラー35aにより位置ずれが生じないようになっている。36はスライドばね30の遊端部に設けられる座金、37は支柱1にスライド自在に嵌挿されるスライド部材2のガイド筒部、38は該ガイド筒部37に取り付けられるボルトであり、該ボルト38は前記座金36と当接してスライドばね30の付勢力を受けている。39はスライド部材2のストローク分ボルト38が通過できるようにするとともに、断面円形の支柱1に嵌挿されるガイド筒部37が回動しないよう遊動アーム20の軸37aを当接させる切欠溝であり、該切欠溝39は支柱1の背面に形成されている。
【0017】
さらに昇降機構80におけるカッタホイール5の一動作復帰機構8は、スライド部材2を上方に付勢するスライドばね30と、スライドばね30のスライド部材2に対する付勢を押えて所定位置にロックさせるラチェット機構31と、該チェット機構31によるスライド部材2のロックを開放するラチェット復帰機構41とからなるものである。ラチェット復帰機構41はレバーハンドル21の基端に形成されたカム42と、該カム42と当接するラチェット爪33のカム当片33aとからなるものである。前記カム42は枢着されたレバーハンドル21の遊動端部に形成されるもので、ラチェット爪33のカム当片33aはカム42の回転軌跡上に配置される。また遊動端部に形成される前記した偏心カム23とカム42間にはカム当片33aを介入できる凹部43が形成されている。45はレバーハンドル21のストッパである。
【0018】
50は被加工物の遊端を支持するためのパイプサポートであり、該パイプサポート50は駆動ローラ部材4の駆動ローラ12と従動ローラ13と同じ高さで同じ隙間で近接されるローラ51、51を断面L型フレーム53に並設軸支するとともに、断面L型フレーム53の下部左右に連結パイプのパイプ挿通孔55を形成したものである。該パイプ挿通孔55はローラ51の軸支位置より約2倍広い間隔で形成されたものとして被加工物を受けたときの安定性を高めている。パイプサポート50のパイプ挿通孔55に挿通される連結パイプPは本体3の4隅に被加工物の軸線方向に沿って形成されるパイプ挿通孔56に挿通されてパイプサポート50は本体3と一体化される。56は本体3に設けられる手持ちハンドルである。
【0019】
このように構成されたものは、先ず、駆動ローラ部材4の被加工物受け上に被加工物を載置する。このとき被加工物が長尺で遊端部が駆動ローラ部材4から離れた位置にある場合は、パイプサポート50を連結パイプPを介して本体3に連結し、パイプサポート50のローラ51、51に被加工物の遊端部を支持させるものとする。また被加工物の切断位置を駆動ローラ12と従動ローラ13に形成された凹溝14位置に合わせる。次いで、昇降機構80としての一動作押下機構7を作動させるようレバーハンドル21を把持して押し下げれば、支柱1に嵌挿されたスライド部材2のガイド筒部37は支柱1にガイドされ、ボルト38と当接しているスライドばね30の付勢力に抗して一気に下降するので、スライド部材2は被加工物まで一動作で下降することとなる。この下降動作によりラチェット機構31のラチェット爪33はラチェット溝32との係止を自動的に外される。
【0020】
スライド部材2の一動作下降によりスライド部材2に枢着された遊動アーム20のカッタホイール5は被加工物に当接する切断状態に移行することとなるので、当接後、電源をオンとして駆動機構を作動させれば減速歯車機構を介して駆動ローラ部材4の駆動ローラ12は回転駆動され被加工物受け上の被加工物は回転し切断が開始されることとなる。そして切込みを行なうためカム式レバー加圧機構6のレバーハンドル21を手前に引けば、レバーハンドル21の遊動端部に設けられたカム機構22の偏心カム23は該偏心カム23と当接している遊動アーム20のカム当て面20aを押し下げることとなる。この押し下げによりカッタホイール5は被加工物を駆動ローラ部材4に強く圧着することとなる。この圧着により被加工物と駆動ローラ部材4との摩擦力が高まり、被加工物に強い回転力が加えられると同時に、カッタホイール5により被加工物へのより深い切り込みが行われる。切り込みを行うカッタホイール5自体による圧着により強い回転力が加えられるので被加工物がステンレスのような硬い金属でも被加工物はスリップすることなく確実に回転されることとなる。
【0021】
カッタホイール5の被加工物への切り込みに応じてレバーハンドル21を押し下げてカム式レバー加圧機構6による切り込みを行なってゆき、カッタホイール5が被加工物の」肉厚を越える切り込みが行われると、カッタホイール5と駆動ローラ部材4により被加工物への回転力の伝達が行なわれなくなる。しかし肉厚を越える切り込みが行なわれる直前に、切断補助用押えローラ10は被加工物表面に圧接され、駆動ローラ部材4に被加工物を押し付けるので被加工物には強い回転力が加えられることとなる。これによりカッタホイール5は肉厚を越えて被加工物の切断を続行されることとなり、切断補助用押えローラ10に押圧されて被加工物が略一回転すると被加工物は切り落とされることとなる。
【0022】
このようにして切断が完了したら、昇降機構80としての一動作復帰機構8を作動させるレバーハンドル21を引き上げ枢動させれば、レバーハンドル21の遊動端部に形成されたラチェット復帰機構41としてのカム42はラチェット爪33のカム当片33aに当接してラチェット爪33を反時計回り方向に枢動させる。ラチェット爪33が反時計回り方向に回転されることによりラチェット溝32にばね34により強制的に係止されていたラチェット爪33はばね34の付勢力に抗してラチェット溝32から外されることとなる。これによりラチェット機構31は復帰されるのでスライドばね30の付勢力によりスライド部材2は一気に上昇してカッタホイール5を切断状態から一動作で旧状復帰状態に移行することとなる。このような操作を繰り返すことにより、切断屑が生じることがないうえにバリのない切断端縁を有する加工品を簡単且つ短時間に得ることができる。
【0023】
このようにして切断加工された金属管材の切断端面の面取りを行なう場合やバリが生じた場合は、リーマカバー16を上方に枢動させてリーマ15を露呈させる。次いで、電源を投入すればリーマ15は回転されることとなるので、リーマ15に切断加工品の切断端面をあてがって切断端面の面取りやバリを削り取ればよいものである。リーマ加工が完了したら、リーマ15をリーマカバー16で被覆することにより管材の切断加工時に回転するリーマ15により誤って怪我をすることがないものである。またたとえリーマカバー16の被覆を忘れても管材の切断加工時、被加工品を被加工品受けに載置することにより、被加工品の先端によりリーマカバー16の背面部は押圧されてリーマカバー16は閉じる方向に枢動されてリーマ15を被覆するので極めて安全なものとなる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は前記説明によって明らかなように、被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材を本体上面に設けるとともに該本体に支柱を立設し、該支柱に昇降動自在に取り付けられるスライド部材に前記駆動ローラ部材と向かい合うカッタホイールと切断補助用押えローラとを設けるとともに、該スライド部材にスライド部材を昇降動させる昇降機構とカッタホイールに切断押圧力を加えるカム式レバー加圧機構を設けたものとしたから、被加工物が硬い金属管材であってもカム式レバー加圧機構により充分な切断押圧力が加えられるので、被加工物は確実に切断されることとなる。しかもカッタホイールによる切断だから切削屑が出ないうえにバリも生じ難いのでリーマによりバリ取り加工を行なう必要がほとんどないものとなり極めて生産性が高いものとなる。さらにカッタホイールによる切断だから切削音が発生することもない。
【0025】
請求項2のように、昇降機構がカッタホイールを一動作で切断または旧状復帰または切断と旧状復帰の状態に移行されるものとすることにより、被加工物を駆動ローラ部材に載置した後、作業毎にサイズ(径)の異なる被加工物であっても瞬時に切断作業に移行することができるので切断時間を短縮でき、また切断後は瞬時に復帰状態に移行することができるので復帰時間を短縮できることとなる。また両動作を組み合わせることにより連続した切断加工に要する時間を大幅に短縮でき生産性を向上させることができる。
【0026】
請求項3のように、駆動ローラ部材と連動して回転駆動されるリーマの先端部がリーマカバーにより被覆されるものとすることにより、リーマによる負傷事故を防ぐことができ、安全性の高いものとすることができる。
【0027】
請求項4のように、リーマカバーが一定角度上開きされると開放状態が維持され、一定角度以上閉じられると閉鎖動が続行されるように本体に枢着されるようにすることにより、リーマカバーの開閉操作が極めて簡単なものとなるので、リーマカバーの開閉を確実なものとすることができる。
【0028】
請求項5のように、駆動ローラ部材上に載置される被加工物の延長線方向に一定角度上開きされて開放状態が維持されるリーマカバーの背部が配置されるようにすることにより、リーマカバーを閉め忘れても切断加工時に被加工物によって自動的に閉じられるのでリーマによる負傷事故をなくすることができ、極めて安全なものとなる。
【0029】
請求項6のように、本体に被加工物の遊端部を受けるパイプサポートを連結自在とすることにより、長尺の被加工物の切断加工も安定して行なうことができる等種々の利点を有するものである。
従って、本発明は従来の問題点を解消した管材切断装置として業界の発展に寄与するところ極めて大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す側面図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態を示す正面図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態を示す平面図である。
【図4】本発明の好ましい実施の形態の要部を拡大して示す一部切欠側面図である。
【図5】本発明の好ましい実施の形態のカッタホイールと切断補助用押えローラの取り付け状態を示す断面図である。
【図6】本発明の好ましい実施の形態のばねの取り付け状態を示す一部切欠正面図である。
【図7】本発明の好ましい実施の形態のパイプサポートを示す一部切欠側面図である。
【図8】従来のパイプカッタを示す一部切欠側面図である。
【図9】従来のパイプカッタを示す一部切欠正面図である。
【符号の説明】
1 支柱
2 スライド部材
3 本体
4 駆動ローラ部材
5 カッタホイール
6 カム式レバー加圧機構
7 一動作押下機構
8 一動作復帰機構
10 切断補助用押えローラ
15 リーマ
16 リーマカバー
50 パイプサポート
Claims (6)
- 被加工物を受けて回転させる駆動ローラ部材を本体上面に設けるとともに該本体に支柱を立設し、該支柱に昇降動自在に取り付けられるスライド部材に前記駆動ローラ部材と向かい合うカッタホイールと切断補助用押えローラとを設けるとともに、該スライド部材にスライド部材を昇降動させる昇降機構とカッタホイールに切断押圧力を加えるカム式レバー加圧機構を設けたことを特徴とする管材切断装置。
- 昇降機構がカッタホイールを一動作で切断または旧状復帰または切断と旧状復帰の状態に移行させるものであることを特徴とする請求項1に記載の管材切断装置。
- 駆動ローラ部材と連動して回転駆動されるリーマの先端部がリーマカバーにより被覆されることを特徴とする請求項1または2に記載の管材切断機構。
- リーマカバーが一定角度上開きされると開放状態が維持され、一定角度以上閉じられると閉鎖動が続行されるように本体に枢着されることを特徴とする請求項3に記載の管材接続装置。
- 駆動ローラ部材上に載置される被加工物の延長線方向に一定角度上開きされて開放状態が維持されるリーマカバーの背部が配置されることを特徴とする請求項3または4に記載の管材切断装置。
- 本体に被加工物の遊端部を受けるパイプサポートを連結自在とした請求項1から5のいずれかに記載の管材切断装置。
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