JP2004009244A - 工具ホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】重量バランス調整部材の抜け止めを確実に、かつ低コストで実現でき、併せて、切削工具の刃先振れを容易に修正できる工具ホルダを提供する。
【解決手段】ホルダ本体51のアーバ54の根元部分にリング部材61を回転可能に設け、さらに、アーバ54にはリング部材61をアーバ54の根元部分に保持する止め部材62にねじ結合する。そして、偏心カム63を回転して振れ修正ピン64のフランジ部53への押圧力を加減することによりアーバ54の根元部分を切削工具29の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形して刃先振れを修正する。また、止め部材62に設けたネジ孔31に着脱可能に螺着される重量バランス調整部材32に、調整部材32がネジ孔31から抜け出すのを防止する抜け止め手段33を設け、この抜け止め手段33により調整部材32のネジ孔31から抜け出しを防止する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具の刃先振れ修正を可能にした工具ホルダにおいて、切削工具の刃先振れを修正した後の工具ホルダが工作機械の主軸に装着されて回転された時の回転方向の重量バランスを調整できるようにした工具ホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダの一例を示す一部切り欠きの側面図である。
この図1において、工具ホルダ1は、図示省略の工作機械の主軸に装着されるテーパ付きシャンク部2と、このシャンク部2の大径側端に形成された掴持用のフランジ3と、このフランジ3の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバ4とを有し、このアーバ4の先端部にはコレットチャック5によりドリル等の切削工具6が取り付けられている。
【0003】
また、前記アーバ4のフランジ3との連接部分にはアーバ4より径の大きい段部4aが形成され、この段部4aには刃先振れ修正機構を構成する回転リング7が回転可能に嵌合されており、この回転リング7の段部4aと対向する箇所には固定ボルト8が半径方向に貫通して螺合され、この固定ボルト8により回転リング7を段部4aに固定できるようになっている。さらに、前記回転リング7のアーバ4の根元部分と対向する円周方向の4箇所には刃先振れ修正ねじ9がそれぞれ半径方向に貫通して螺合されている。
【0004】
このような工具ホルダ1において、切削工具6の刃先振れを修正する場合は、切削工具6がチャッキングされた工具ホルダ1のシャンク部2を工作機械の主軸に装着し、次に切削工具6の先端外周面にテストインジケータ10を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ10の読みの最大差を切削工具6の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具6の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。その後、主軸の回転を止めて回転リング7を回転し、その刃先振れ修正ねじ9の1つを刃先振れ一番高くなった角度位置と対応するアーバ4の根元部分に合わせ、この位置に回転リング7を固定ボルト8より固定する。しかる後、刃先振れの一番高くなった角度位置のアーバ根元部に合わせた刃先振れ修正ねじ9を締付けることにより、アーバ4を修正ねじ9の締付け方向に弾性変形させて切削工具6の刃先の芯ずれをその刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ10を見ながら修正する。これにより、切削工具6の刃先振れを修正できる。
【0005】
ところで、刃先振れ修正機構付きの工具ホルダをマシニングセンタなどの工作機械の主軸に装着して被加工物を切削加工する場合、切削工具を含む工具ホルダの振動が被加工物の加工精度に悪影響を及ぼす。この振動の要因としては、工具ホルダの回転アンバランスによる強制振動が挙げられる。
【0006】
従来、このような工具ホルダの回転アンバランスを調整可能にした工具ホルダとしては、例えば、実用新案登録第2512454号に示す構造のものが知られている。
図2及び図3は、このようなバランス調整機構を備えた従来の工具ホルダを示している。工具ホルダ11は、図示省略の工作機械の主軸に装着されるテーパ付きシャンク部12と、このシャンク部12の大径側端に形成された掴持用のフランジ部13と、このフランジ部13の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバ14とを有し、このアーバ14の先端部には図示省略のコレットチャックによりドリル等の切削工具(図示せず)が取り付けられている。
【0007】
また、前記フランジ部13のアーバ4側端面13aには、円周方向に所定の間隔をおいて複数のネジ孔15が形成され、このネジ孔15のうち任意のネジ孔15には、工具ホルダ11がその軸線廻りに回転した時の動的な重量バランスを調整するための調整分銅16が着脱可能に螺着されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の工具ホルダ11における調整分銅16のフランジ部13への取り付け方式は、フランジ部13のネジ孔15にネジ構造の調整分銅16を単純に螺入するだけの構造であるため、高速回転による振動や切削加工時に生じる振動が工具ホルダ本体に作用すると、長い時間の間に調整分銅16が緩んでネジ孔15から抜け出す怖れがあった。
【0009】
本発明の目的は、切削工具の刃先振れ修正を可能にした工具ホルダにおいて、切削工具の刃先振れを修正した後に、重量バランスを修正できるようにすると共に、重量バランス調整部材の抜け止めを確実にかつ低コストで実現でき、併せて、切削工具の刃先振れを容易に修正できるようにした工具ホルダを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、シャンク部と、このシャンク部の大径側端に形成された掴持用のフランジ部と、このフランジ部の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバと、前記アーバの先端に切削工具を着脱可能に掴持するチャックとを有する工具ホルダであって、前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、前記アーバに設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、前記偏心カムに一端が当接し他端が前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材に当接するようにして前記リング部材に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、前記止め部材には所望深さのネジ孔が止め部材の周方向に所定の間隔をおいて複数形成され、前記ネジ孔のうち任意のネジ孔に回転方向の重量バランスを調整する調整部材が着脱可能に螺着され、前記調整部材は、該調整部材が前記ネジ孔から抜け出すのを防止する抜け止め手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の工具ホルダにおいて、前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンによる前記フランジ部の後端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、シャンク部と、このシャンク部の大径側端に形成された掴持用のフランジ部と、このフランジ部の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバと、前記アーバの先端に切削工具を着脱可能に掴持するチャックとを有する工具ホルダであって、前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、前記アーバに設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の操作部材と、前記操作部材と該操作部材と対向する前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材との間に位置する前記リング部材の箇所に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正用鋼球とを備え、前記止め部材には所望深さのネジ孔が止め部材の周方向に所定の間隔をおいて複数形成され、前記ネジ孔のうち任意のネジ孔に回転方向の重量バランスを調整する調整部材が着脱可能に螺着され、前記調整部材は、該調整部材が前記ネジ孔から抜け出すのを防止する抜け止め手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3記載の工具ホルダにおいて、前記操作部材を回転して前記振れ修正用鋼球の前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1または3記載の工具ホルダにおいて、前記抜け止め手段は、前記ネジ孔の内周面に一部がネジ孔の中心方向へ突出するように設けた弾性変形可能な止めリングと、前記調整部材の一端側外周に形成され、前記調整部材が前記ネジ孔に螺合された時に前記止めリングと係合して抜け止めを行う段部とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1または3記載の工具ホルダにおいて、前記抜け止め手段は、前記調整部材の外周面に該調整部材の軸心と平行する方向に沿って形成され、かつ前記ネジ孔と該ネジ孔に螺合された前記調整部材との間に生じる隙間を部分的に充填して前記調整部材の回転を抑制する薄膜層から構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1または3記載の工具ホルダにおいて、前記抜け止め手段は、前記調整部材の一端部を円周方向に複数に分割された弾性片を備え、前記各弾性片は前記ネジ孔の径より大きくなるように外周方向へ湾曲されていることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1または3項記載の工具ホルダにおいて、前記調整部材の前記ネジ孔への螺入側と反対の端面には、前記調整部材をネジ孔に対して着脱方向に回転操作する工具係合穴が設けられていることを特徴とする請求項1または3項記載の工具ホルダ。
請求項9の発明は、請求項1または3記載の工具ホルダにおいて、前記止め部材は、ねじ結合またはロックねじにより前記アーバに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項3記載の工具ホルダにおいて、前記振れ修正用鋼球の前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材と圧接される箇所に平坦な押圧面が形成されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図4は本発明にかかる抜け止め機構を有する刃先振れ修正機構付きの工具ホルダの第1の実施の形態を示す縦断側面図、図5は図4の5−5線に沿う拡大断面図、図6はこの第1の実施の形態における偏心カムと振れ修正ピンとを拡大して示す斜視図、図7は図4の7−7線に沿う端面図、図8は図7の8の部分の拡大断面図である。
【0019】
図4において、ドリルやバニッシングリーマ等の切削工具29を掴持する工具ホルダ50は、ホルダ本体51を備え、このホルダ本体51は、工作機械の主軸(図示せず)への装着用シャンク部52と、このシャンク部52の一端にシャンク部52の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部53と、このフランジ部53の反シャンク部側にフランジ部53の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバ54と、このアーバ54の先端に切削工具29を掴持するチャック55とから構成されている。
【0020】
前記ホルダ本体51のアーバ54の根元部分には、切削工具29の刃先振れ修正する振れ修正機構60が着脱可能に設けられている。
前記振れ修正機構60は、図4〜図6に示すように、アーバ54のフランジ部53との連接基部54aに回転可能に嵌合されたリング部材61と、このリング部材61が前記連接基部54aに保持されるようにアーバ54に形成した雄ねじ部54bに着脱可能にねじ結合されたドーナツ盤状の止め部材62と、刃先振れ修正用の偏心カム63及び振れ修正ピン64を備えている。
【0021】
また、リング部材61には、図4及び図5に示すように、リング部材61の半径方向に貫通するカム嵌合穴611と、このカム嵌合穴611と連通し、かつリング部材61をフランジ部53の中心軸と平行な方向に貫通するピン穴612がそれぞれ形成されている。このカム嵌合穴611には前記刃先振れ修正用の偏心カム63がリング部材61の半径方向の軸線廻りに回転可能に嵌合され、ピン穴612には前記振れ修正ピン64が移動可能に嵌合されている。
【0022】
前記刃先振れ修正用の偏心カム63は、図4及び図6に示すように、カム嵌合穴611に回転可能に嵌合される一対の支持盤631と、この両支持盤631間に支持盤631の中心軸より偏心して設けたカム部632と、リング部材61の外周に臨む一方の支持盤631に形成された工具係合穴633とから構成されている。
前記ピン穴612に移動可能に嵌合された振れ修正ピン64の一端は前記偏心カム63のカム部632に当接され、その他端は前記フランジ部53の端面53aに当接されるようになっている。
また、前記リング部材61には、図5に示すように、リング部材61をホルダ本体51のアーバ54に対して円周方向の希望する角度位置に固定するためのロックねじ65が複数箇所に設けられている。このロックねじ65はリング部材61を半径方向に貫通するように螺合されている。
【0023】
前記止め部材62の外周面には、図4、図7及び図8に示すように、止め部材62の外周面から半径方向に延びる所望深さのネジ孔31が止め部材62の円周方向に所定の間隔をおいて複数形成されており、このネジ孔31のうちの任意のネジ孔31には、工具ホルダ50がその軸線廻りに回転した時の回転方向の重量バランスを調整するネジ式の調整部材32が着脱可能に螺着されている。この調整部材32は、調整部材32がネジ孔31から抜け出すのを防止する抜け止め手段33を備えている。
なお、調整部材32には、径が同一で長さを変えることにより僅かずつ重量を異ならしめた多種類のものが準備されている。
【0024】
前記抜け止め手段33は、図8に示すように、ネジ孔31の内周面に一部がネジ孔31の中心方向へ突出するように設けたOリング等の弾性変形可能な合成樹脂材などからなる止めリング331と、調整部材32の一端側外周に形成され、調整部材32がネジ孔31に螺合された時に止めリング331と係合して抜け止めを行う段部332とを有している。
また、調整部材32のネジ孔31への螺入側と反対の端面には、調整部材32をネジ孔31に対して着脱方向に回転操作する工具係合穴32aが設けられている。
【0025】
上記のように構成された刃先振れ修正機構60を用いて工具ホルダ50に掴持された切削工具29の刃先振れを修正する場合について説明する。
この場合は、まず、ホルダ本体51のアーバ54の先端にチャック55により切削工具29を掴持しておく。次に、切削工具29を掴持した工具ホルダ50を図示省略した工作機械の主軸に装着する。しかる後、図4に示すように、切削工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ28の読みの最大差を切削工具29の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具29の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
【0026】
次に、主軸の回転を止めて切削工具29の刃先振れが一番高くなった角度位置、例えば図7で示す角度位置P1で図4の矢印A1に示す方向へ刃先が破線に示すように振れ、その振れが一番高くなって、図4の仮想線に示す位置にずれているとすると、まず、リング部材61を回転して、偏心カム63を角度位置P1に合わせた後、ロックねじ65によりアーバ54に固定する。この状態で、偏心カム63を構成する支持盤631の工具係合穴633に棒スパナ等の工具(図示せず)を係合して、偏心カム63を回転する。偏心カム63が回転されると、その回転量に応じて振れ修正ピン64はフランジ部53の端面53a側へ移動され、その端面53aを強力に押圧する。これにより、アーバ54は、フランジ部53との連接基部54aを支点にして図4の矢印A2で示すラジアル方向に弾性変形される。すなわち、切削工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ28を見ながら偏心カム63をその偏心量が増大する方向に回転することにより、図4の仮想線に示す芯ずれ位置にあった切削工具29の刃先を実線に示す位置にくるように修正する。これにより、切削工具29の刃先振れ量d(μm)をゼロに修正することができる。
【0027】
このような構成の工具ホルダ50において、その回転アンバランスの調整に際しては、まず、工具ホルダ50をバランシングマシンにかけてバランステストを行う。これにより、アンバランスがある時は、その余剰質量、半径および基準位置からの角度がバランシングマシンに表示されため、これらの値から余剰バランスを修正すべき調整部材32の質量と、その装着方向を求める。
そして、求められた質量の調整部材32を選択し、この調整部材32を上記求められた方向に対応するネジ孔31に螺合する。この時、ネジ孔31に螺入された調整部材32の段部332が止めリング331に図8に示すように係合されるため、調整部材32がネジ孔31から抜け出るのを防止できる。
【0028】
したがって、この第1の実施の形態に示す工具ホルダ50によれば、切削工具の刃先振れを容易に修正した後、回転バランスを修正できる。
しかも、このような第1の実施の形態に示す工具ホルダ50によれば、ホルダ本体51のネジ孔31に螺合された調整部材32の段部332をネジ孔31の内周面に設けた止めリング331に係合させることにより、調整部材32がネジ孔31から抜け出すのを防止するように構成されているため、高速回転による振動や切削加工時に生じる振動がホルダ本体に作用しても、調整部材32がネジ孔31から抜けでるのを確実に防止できるとともに、Oリングのような止めリング331をネジ孔31の内周面に設けるだけでよいため、調整部材32の抜け止めを低コストで実現できるという効果がある。
【0029】
次に、図9〜図11により本発明の工具ホルダにおける調整部材用抜け止め手段の他の実施の形態について説明する。
図9は本発明の他の実施の形態における調整部材とネジ孔部分の拡大断面図、図10は図9に示す調整部材の側面図であり、図11は図10に示す調整部材の端面図である。
【0030】
図9において、図4と同一の構成要素には同一符号を付して説明すると、止め部材62の外周面には、図4に示す場合と同様なネジ孔31が形成されており、このネジ孔31のうちの任意のネジ孔31には回転方向の重量バランスを調整するネジ式の調整部材35が着脱可能に螺着されている。この調整部材35は、調整部材35がネジ孔31から抜け出すのを防止する抜け止め手段36を備えている。
なお、調整部材35には、径が同一で長さを変えることにより僅かずつ重量を異ならしめた多種類のものが準備されている。
【0031】
前記抜け止め手段36は、図9〜図11に示すように、調整部材35の一端部(ネジ孔31への螺入端側)に、その端面から軸心方向に延在する十字状のスリット35aを形成することにより円周方向に複数に分割された弾性片(この実施の形態では4分割)361を有し、この各弾性片361は、図10に示すようにネジ孔31の径より大きくなるように外周方向へ湾曲された構造を呈している。
また、調整部材35のネジ孔31への螺入側と反対の端面には、調整部材35をネジ孔31に対して着脱方向に回転操作する工具係合穴35bが設けられている。
【0032】
このような抜け止め手段36を有する調整部材35を用いて工具ホルダの回転方向の重量バランスを調整する場合は、上記図4に示す実施の形態と同様に工具ホルダをバランシングマシンにかけてバランステストを行い、アンバランスがある時は、その余剰質量、半径および基準位置からの角度から余剰バランスを修正すべき調整部材35の質量と、その装着方向を求める。そして、求められた質量の調整部材35を選択し、この調整部材35を上記求められた方向に対応するネジ孔31に抜け止め手段36側から差し込み螺合する。これに伴い、図10に示すように外周方向へ湾曲されていた各弾性片361はネジ孔31への螺入により内方へ弾性変形されるとともにネジ孔31の内周面に密着される。
【0033】
したがって、上記のような他の実施の形態に示す工具ホルダよれば、高速回転による振動や切削加工時に生じる振動がホルダ本体に作用しても、調整部材35がネジ孔31から抜けでるのを確実に防止できるとともに、調整部材35の一端面に形成した十字状のスリットにより円周方向に複数分割された弾性片361を形成することで抜け止め手段36を構成する方式としたため、調整部材35の抜け止めを低コストで実現できるという効果がある。
【0034】
次に、図12及び図13により本発明の工具ホルダにおける調整部材用抜け止め手段の更に他の実施の形態について説明する。
図12は本発明の更に他の実施の形態における調整部材の正面図、図13は図12の右側面図である。
この実施の形態における工具ホルダの重量バランスを調整する調整部材38の抜け止め手段39は、図12及び図13に示すように、ネジ式の調整部材38の外周面に調整部材38の軸心と平行する方向に沿って合成樹脂材を短冊状に塗布することで形成された薄膜層391から構成され、この薄膜層391は、調整部材38が螺合されるネジ孔とこのネジ孔に螺合された調整部材38との間に生じる隙間を部分的に充填して調整部材38の回転を抑制するように構成されている。
【0035】
このような本発明の更に他の実施の形態に示す工具ホルダよれば、高速回転による振動や切削加工時に生じる振動がホルダ本体に作用しても、調整部材38がネジ孔から抜けでるのを確実に防止できるとともに、調整部材38の抜け止め手段39を構成する薄膜層391は調整部材38の外周面に合成樹脂材を短冊状に塗布するだけで構成できるため、調整部材38の抜け止めをより低コストで実現できるという効果がある。
【0036】
次に、図4に示す構造の工具ホルダに適用された刃先振れ修正機構の変形例について図14を参照して説明する。図14は、この変形例における刃先振れ修正機構部分の断面図である。
この図14に示す刃先振れ修正機構60では、図4に示す場合と同様にリング部材62のカム嵌合穴621に刃先振れ修正用の偏心カム63を回転可能に嵌合する。そして、リング部材62にカム嵌合穴621から止め部材62の端面621に達するピン穴624をアーバ54の中心軸と平行に形成し、このピン穴624に振れ修正ピン64を移動可能に嵌合するように構成したものである。
また、止め部材62に設けたネジ孔31には、回転方向の重量バランスを調整するネジ式の調整部材32が着脱可能に螺着されている。
【0037】
このような変形例に示す刃先振れ修正機構60においても、偏心カム63を回転して振れ修正ピン64の止め部材62の端面621への押圧力を加減すれば、図4に示す場合と同様に工具の刃先振れを修正することができる。
【0038】
次に、図15及び図16により本発明の第2の実施の形態について説明する。
図15は本発明にかかる抜け止め機構を有する刃先振れ修正機構付きの工具ホルダの第2の実施の形態を示す縦断側面図、図16(A)は第2の実施の形態における刃先振れ修正機構のカムと振れ修正用鋼球を拡大して示す側面図、図16(B)は図16(A)のB−B線に沿う断面図である。
【0039】
図15及び図16において、図4と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、図4と異なる部分を重点に述べる。
この図15及び図16に示す工具ホルダ50において、図4と異なる点は、切削工具29の刃先振れ修正機構80にある。この刃先振れ修正機構80は、アーバ54のフランジ部53との連接基部54aに回転可能に嵌合されたリング部材81と、このリング部材81が前記連接基部54aに保持されるようにアーバ54に形成した雄ねじ部54bに着脱可能にねじ結合された止め部材82と、刃先振れ修正用の操作部材83と、振れ修正用鋼球84とを備えている。
【0040】
前記リング部材81には、図15及び図16に示すように、リング部材81の半径方向に貫通する所望径の円筒状の嵌合穴811と、この嵌合穴811と連通し、かつリング部材81をアーバ54の中心軸と平行な方向に貫通するガイド穴812がそれぞれ形成されている。この嵌合穴811には前記刃先振れ修正用の操作部材83がリング部材81の半径方向の軸線廻りに回転可能に嵌合され、ガイド穴812には前記振れ修正用鋼球84が移動可能に嵌合されている。
【0041】
前記刃先振れ修正用の操作部材83は、図15及び図16に示すように、嵌合穴811に対応する径の円柱状を呈し、この円柱状操作部材83の外周面には、操作部材83の軸心より偏心した円弧状のカム溝831が全周に亘り形成され、このカム溝831には前記振れ修正用鋼球84が係合されるもので、このカム溝831は振れ修正用鋼球84の球面径に相当する円弧面を呈している。また、操作部材83のリング部材42の外周へ臨む端面には工具係合穴832が形成されている。
また、リング部材81には、リング部材81をアーバ54の連接基部54aに対して円周方向の希望する角度位置に固定するためのロックねじ86が設けられている。
また、止め部材82に設けたネジ孔31には、回転方向の重量バランスを調整するネジ式の調整部材32が着脱可能に螺着されている。
【0042】
次に、上記のように構成された刃先振れ修正機構80を用いて工具ホルダ30に掴持された切削工具29の刃先振れを修正する場合について説明する。
この場合は、まず、チャック筒34に切削工具29のシャンク部29aを差し込み、締付筒38を締付けることによりチャック筒34を縮径して切削工具29のシャンク部29aをチャッキングする。次に、切削工具29を掴持した工具ホルダ30を図示省略した工作機械の主軸に装着する。しかる後、図15に示すように、切削工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ28の読みの最大差を切削工具29の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具29の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
【0043】
次に、主軸の回転を止めて切削工具29の刃先振れが一番高くなった角度位置、例えば図15の矢印A1に示す方向へ刃先が振れ、その振れが一番高くなって、仮想線に示す位置にずれているとすると、まず、リング部材81を回転して、操作部材83を刃先振れの方向に合わせた後、ロックねじ86によりアーバ54に固定する。この状態で、操作部材83の工具係合穴832に棒スパナ等の工具(図示せず)を係合して、操作部材83を回転する。操作部材83が回転されると、その回転量に応じて振れ修正用鋼球84は操作部材83のカム溝831によって止め部材82の端面82a側へ移動され、その端面82aを強力に押圧する。これにより、止め部材82はアーバ54の連接基部54aを支点にして図15の矢印A2で示すラジアル方向に弾性変形される。すなわち、切削工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ28を見ながら操作部材83を回転することにより、図15の仮想線に示す芯ずれ位置にあった切削工具29の刃先を実線に示す位置にくるように修正する。これにより、切削工具29の刃先振れ量d(μm)をゼロに修正することができる。
【0044】
このような第2の実施の形態によれば、ホルダ本体31の筒状支持部48の環状段部81に嵌合されたリング部材82に設けた操作部材83を回転して振れ修正修正用鋼球84による止め部材82の端面82aへの押圧力を加減することにより、アーバ54の連接基部54aを切削工具29の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具29の刃先振れを小さい力で修正できるようにするとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
また、この第2の実施の形態に示す工具ホルダにおいても、上記第1の実施の形態に示す場合と同様に重量バランス調整部材の抜け止めを確実に、かつ低コストで実現することができる。
【0045】
なお、上記第2の実施の形態に示す工具ホルダにおいても、上記図9〜図11または図12と図13に示す調整部材用抜け止め手段を適用できることは勿論である。
【0046】
次に、図17により刃先振れ修正機構の他の変形例について説明する。
図17は、この他の変形例における刃先振れ修正機構の一部の断面図である。
この図17に示す変形例では、リング部材81のカム嵌合穴811に刃先振れ修正機構80の操作部材83を回転可能に嵌合し、さらに、リング部材81にはカム嵌合穴811から止め部材82の端面82aに達するガイド穴813をアーバ54の中心軸と平行に形成し、このガイド穴613に振れ修正修正用鋼球84を移動可能に嵌合するように構成したものである。
【0047】
このような刃先振れ修正機構80において、操作部材83を回転して振れ修正用鋼球84の止め部材82の端面82aへの押圧力を加減することにより、図15に示す場合と同様に工具の刃先振れを修正することができる。
【0048】
次に、図18により刃先振れ修正機構80の更に他の変形例について説明する。
図18は、この変形例に示す刃先振れ修正機構の一部の断面図である。この図18に示す刃先振れ修正機構80では、止め部材82の端面82aに圧接される振れ修正用鋼球84の箇所に、これを弦状にカットして平坦面841を形成し、この平坦面841を止め部材82の端面82aに面接触させるようにしたものである。これにより、振れ修正用鋼球84と止め部材82の端面82aとの面圧を低くすることができ、しかも、これら互いの接触面の損傷も軽減できる。
【0049】
本発明における抜け止め手段付き調整部材32の止め部材62への取り付け仕様としては、図4に示す構造のものに限定されない。
例えば、図19(A)に示すように、止め部材62の外側端面622に、この外側端面622からアーバ54の軸線と平行な方向に延在するネジ孔31Aをアーバ54の軸線を中心とする同一円上に所定の間隔をおいて複数形成し、このネジ孔31Aのうちの任意のネジ孔31Aに抜け止め手段33付きの調整部材32を着脱可能に螺着するようにしてもよい。このような調整部材32の取り付け仕様においても図4に示す実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0050】
また、図19(B)に示すように、止め部材62の外周角部を斜めにカットすることにより傾斜端面623を形成し、この傾斜端面623には、該傾斜端面623からアーバ54の軸線と所定の鋭角で交差する方向に延在するネジ孔31Bをアーバ54の軸線を中心とする同一円上に所定の間隔をおいて複数形成し、このネジ孔31Bのうちの任意のネジ孔31Bに抜け止め手段33付きの調整部材32を着脱可能に螺着するようにしてもよい。このような調整部材32の取り付け仕様においても図4に示す実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる切削工具の刃先振れ修正を可能にした工具ホルダによれば、ネジ孔に着脱可能に螺着された重量バランス調整用の調整部材を抜け止め手段によりネジ孔から抜け出すのを防止する構成にしたので、切削工具の刃先振れ修正をした後、重量バランスを修正できしかも高速回転しても重量バランス調整部材の抜け止めが確実に防止できるとともに、調整部材の抜け止めを低コストで実現できるという効果がある。
【0052】
本発明にかかる切削工具の刃先振れ修正を可能にした工具ホルダによれば、ホルダ本体のアーバに設けたリング部材の偏心カムを回転して振れ修正ピンのフランジ部の端面もしくは止め部材への押圧力を加減することにより、アーバのフランジ部との連接基部を切削工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具の刃先振れを小さい力で修正できるとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、比較的大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【0053】
また、本発明にかかる刃先振れ修正機構付きの工具ホルダによれば、ホルダ本体のアーバに設けたリング部材の操作部材を回転して振れ修正用鋼球のフランジ部の端面もしくは止め部材への押圧力を加減することにより、アーバのフランジ部との連接基部を切削工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具の刃先振れを小さい力で修正できるとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、比較的大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダの一例を示す一部切り欠きの側面図である。
【図2】従来における工具ホルダの一例を示す一部切り欠きの側面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う端面図である。
【図4】本発明にかかる抜け止め機構を有する刃先振れ修正機構付きの工具ホルダの第1の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図5】図4の5−5線に沿う拡大断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における偏心カムと振れ修正ピンとを拡大して示す斜視図である。
【図7】図4の7−7線に沿う端面図である。
【図8】図7の8の部分の拡大断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態における調整部材とネジ孔部分の拡大断面図である。
【図10】図9に示す調整部材の側面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う調整部材の端面図である。
【図12】本発明の更に他の実施の形態における調整部材の正面図である。
【図13】図12の右側面図である。
【図14】本発明における刃先振れ修正機構の変形例に示す一部の断面図である。
【図15】本発明にかかる抜け止め機構を有する刃先振れ修正機構付きの工具ホルダの第2の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図16】(A)は第2の実施の形態における刃先振れ修正機構のカムと振れ修正用鋼球を拡大して示す側面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図17】本発明における他の変形例における刃先振れ修正機構の一部の断面図である。
【図18】本発明における更に他の変形例における刃先振れ修正機構の一部の断面図である。
【図19】(A)、(B)は本発明における抜け止め手段付き調整部材の止め部材への取り付け仕様の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
28 テストインジケータ
29 切削工具
29a シャンク部
29b 刃部
31 ネジ孔
31A,31B ネジ孔
32 調整部材
33 抜け止め手段
331 止めリング
332 段部
32a 工具係合穴
35 調整部材
36 抜け止め手段
361 弾性片
38 調整部材
39 抜け止め手段
391 薄膜層
50 工具ホルダ
51 ホルダ本体
52 シャンク部
53 フランジ部
54 アーバ
54a 連接基部
55 チャック
60 刃先振れ修正機構
61 リング部材
62 止め部材
63 偏心カム
64 振れ修正ピン
65 ロックねじ
80 刃先振れ修正機構
81 リング部材
82 止め部材
83 操作部材
831 カム溝
84 振れ修正用鋼球
841 平坦面

Claims (10)

  1. シャンク部と、このシャンク部の大径側端に形成された掴持用のフランジ部と、このフランジ部の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバと、前記アーバの先端に切削工具を着脱可能に掴持するチャックとを有する工具ホルダであって、
    前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
    前記アーバに設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、
    前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、
    前記偏心カムに一端が当接し他端が前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材に当接するようにして前記リング部材に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、
    前記止め部材には所望深さのネジ孔が止め部材の周方向に所定の間隔をおいて複数形成され、前記ネジ孔のうち任意のネジ孔に回転方向の重量バランスを調整する調整部材が着脱可能に螺着され、
    前記調整部材は、該調整部材が前記ネジ孔から抜け出すのを防止する抜け止め手段を有することを特徴とする工具ホルダ。
  2. 前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンによる前記フランジ部の後端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
  3. シャンク部と、このシャンク部の大径側端に形成された掴持用のフランジ部と、このフランジ部の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバと、前記アーバの先端に切削工具を着脱可能に掴持するチャックとを有する工具ホルダであって、
    前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
    前記アーバに設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、
    前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の操作部材と、
    前記操作部材と該操作部材と対向する前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材との間に位置する前記リング部材の箇所に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正用鋼球とを備え、
    前記止め部材には所望深さのネジ孔が止め部材の周方向に所定の間隔をおいて複数形成され、前記ネジ孔のうち任意のネジ孔に回転方向の重量バランスを調整する調整部材が着脱可能に螺着され、
    前記調整部材は、該調整部材が前記ネジ孔から抜け出すのを防止する抜け止め手段を有することを特徴とする工具ホルダ。
  4. 前記操作部材を回転して前記振れ修正用鋼球の前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の工具ホルダ。
  5. 前記抜け止め手段は、前記ネジ孔の内周面に一部がネジ孔の中心方向へ突出するように設けた弾性変形可能な止めリングと、前記調整部材の一端側外周に形成され、前記調整部材が前記ネジ孔に螺合された時に前記止めリングと係合して抜け止めを行う段部とを有することを特徴とする請求項1または3記載の工具ホルダ。
  6. 前記抜け止め手段は、前記調整部材の外周面に該調整部材の軸心と平行する方向に沿って形成され、かつ前記ネジ孔と該ネジ孔に螺合された前記調整部材との間に生じる隙間を部分的に充填して前記調整部材の回転を抑制する薄膜層から構成されていることを特徴とする請求項1または3記載の工具ホルダ。
  7. 前記抜け止め手段は、前記調整部材の一端部を円周方向に複数に分割された弾性片を備え、前記各弾性片は前記ネジ孔の径より大きくなるように外周方向へ湾曲されていることを特徴とする請求項1または3記載の工具ホルダ。
  8. 前記調整部材の前記ネジ孔への螺入側と反対の端面には、前記調整部材をネジ孔に対して着脱方向に回転操作する工具係合穴が設けられていることを特徴とする請求項1または3項記載の工具ホルダ。
  9. 前記止め部材は、ねじ結合またはロックねじにより前記アーバに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1または3記載の工具ホルダ。
  10. 前記振れ修正用鋼球の前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材と圧接される箇所に平坦な押圧面が形成されていることを特徴とする請求項3記載の工具ホルダ。
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