JP4092221B2 - 工具ホルダ - Google Patents

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政一 松本
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悦宏 田中
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の主軸にホルダを介して装着されたバニッシングリーマやドリル等の切削工具の刃先振れを修正することができる工具ホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械加工において、高精度の加工を実現するには、切削工具の取付け精度を高精度に維持する必要がある。
一般に切削工具を工具ホルダでチャッキングする場合の精度は、切削工具のチャック部分から刃先方向へ所定距離離れた先端の振れ精度を指標としており、高精度の工具ホルダであっても、その振れ精度は3〜5μmである。すなわち、バニッシングリーマやドリル等の工具ホルダに高精度のチャックを用いても工具の刃先の振れを限りなくゼロに近づけることは困難である。そこで、工具の刃先の振れを修正できる工具ホルダが提案され実用に供されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
「21世紀のツーリング」平成12年11月2日発行日
発行元・主催「日本工作機器工業会・技術振興委員会」
【0004】
非特許文献1に示す従来の刃先振れ修正機構付き工具ホルダについて、図面を参照して説明する。
図1は従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダの一例を示す一部切り欠きの側面図である。
この図1において、工具ホルダ1は、図示省略の工作機械の主軸に装着されるテーパ付きシャンク部2と、このシャンク部2の大径側端に形成された掴持用のフランジ3と、このフランジ3の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバ4とを有し、このアーバ4の先端部にはコレットチャック5によりドリル等の切削工具6が取り付けられている。
【0005】
また、前記アーバ4のフランジ3との連接部分にはアーバ4より径の大きい段部4aが形成され、この段部4aには刃先振れ修正機構を構成する回転リング7が回転可能に嵌合されており、この回転リング7の段部4aと対向する箇所には固定ボルト8が半径方向に貫通して螺合され、この固定ボルト8により回転リング7を段部4aに固定できるようになっている。さらに、前記回転リング7のアーバ4の根元部分と対向する円周方向の4箇所には刃先振れ修正ねじ9がそれぞれ半径方向に貫通して螺合されている。
【0006】
このような工具ホルダ1において、切削工具6の刃先振れを修正する場合は、切削工具6がチャッキングされた工具ホルダ1のシャンク部2を工作機械の主軸に装着し、次に切削工具6の先端外周面にテストインジケータ10を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ10の読みの最大差を切削工具6の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具6の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。その後、主軸の回転を止めて回転リング7を回転し、その刃先振れ修正ねじ9の1つを刃先振れ一番高くなった角度位置と対応するアーバ4の根元部分に合わせ、この位置に回転リング7を固定ボルト8より固定する。しかる後、刃先振れの一番高くなった角度位置のアーバ根元部に合わせた刃先振れ修正ねじ9を締付けることにより、アーバ4を修正ねじ9の締付け方向に弾性変形させて切削工具6の刃先の芯ずれをその刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ10を見ながら修正する。これにより、切削工具6の刃先振れを修正できる。
【0007】
次に、図2により従来の刃先振れ修正機構付き工具ホルダの他の例について説明する。図2は従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダの他の例を示す一部の切り欠き側面図である。
この図2において、工具ホルダ12は、図示省略の工作機械の主軸に装着されるテーパ付きシャンク部13と、このシャンク部13の大径側端に形成された掴持用のフランジ14と、このフランジ14の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバ15とを有し、このアーバ15の先端部にはコレットチャック16によりドリル等の切削工具17が取り付けられている。
【0008】
また、図2において、18は前記工具ホルダ12にコレットチャック16によりチャッキングされた切削工具17の刃先の振れを修正する振れ修正器であり、この振れ修正器18は、アーバ15の先端部外周及びコレットチャック16の抑えねじ161の外周に着脱可能に装着されるリング部材181と、このリング部材181にリング部材181を半径方向に貫通するように螺合された押しねじ182とを備えている。
【0009】
このような振れ修正器18を用いて切削工具6の刃先振れを修正する場合は、切削工具17がチャッキングされた工具ホルダ12のシャンク部13を工作機械の主軸に装着し、切削工具17の先端外周面にテストインジケータ19を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ19の読みの最大差を切削工具17の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具17の刃先の振れが一番高くなる角度位置を検出する。その後、主軸の回転を止めてリング部材181を回転し、その押しねじ182を刃先振れの一番高くなった角度位置と対応する抑えねじ161の外周部位に合わせ、この外周部位を押しねじ182の締付けにより矢印方向に加圧することで、切削工具17の刃先の芯ずれをその刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ19を見ながら修正する。これにより、切削工具6の刃先振れを修正できる。そして、振れの修正終了後は、振れ修正器18を工具ホルダ12から取り外す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示す工具ホルダ1では、アーバ4の根元部分に設けた刃先振れ修正機構の修正ねじ9によりアーバ4の根元部分をアーバ4のラジアル方向から押圧してアーバ4をラジアル方向に弾性変形させることで工具の刃先の芯ずれを修正するものであるため、刃先の振れ修正に大きな力が必要になる。したがって、このような従来の刃先振れ修正方式は小径刃物用の工具ホルダにしか適用できないという不具合があった。
また、図2に示す工具ホルダ12では、刃先の振れが修正された後に振れ修正器18を工具ホルダ12から取り外す方式になっているため、折角修正した刃先が元の振れ位置に戻ってしまう場合があり、刃先の振れ修正位置を安定に維持できないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、工具の刃先振れを小さい力で容易に修正できるとともに、高い振れ修正精度を安定に維持でき、かつ大径の切削工具を使用するホルダにも容易に適用でき、併せて、偏心カムまたは振れ修正用操作部材のみだりな回転を防止できるようにした刃先振れ修正機能付きの工具ホルダを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して反シャンク部側方向へ延在するように設けられた支持部と、前記支持部の先端に該支持部の中心軸と軸線を一致して設けられ前記工具のシャンク部が嵌挿される弾性変形可能なチャック筒とを有するホルダ本体と、前記チャック筒の外周に回転操作可能に嵌合され前記チャック筒を縮径することより前記チャック筒に挿入された前記工具のシャンク部を掴持する締付筒と、前記支持部の外周に同心に形成された所望径の環状段部と、前記環状段部に回転可能に嵌合されたリング部材と、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、前記偏心カムに一端が当接し他端が前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面に当接するようにして前記リング部材に前記フランジ部の中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンの前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面への押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、前記偏心カムの回転抑止手段を前記リング部材に設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記偏心カムの接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記偏心カムの周面と圧接して該偏心カムの回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1記載の工具ホルダにおいて、前記チャック筒が連接される前記支持部の先端面に、前記チャック筒の径方向への弾性変形及びチャック筒の支持部との連接基部を支点にしてチャック筒のラジアル方向への曲げ変形を容易にしてチャック筒の有効長を拡大するリング溝が形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載の工具ホルダにおいて、前記リング部材は、前記偏心カムが設けられることによるリング部材の回転バランスを取るためのバランス部材を備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1または5記載の工具ホルダにおいて、前記リング部材は、該リング部材を前記環状段部に固定するためのロックねじを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバとを有するホルダ本体と、前記アーバの先端に工具を掴持するチャックと、前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、前記フランジ部に設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、前記偏心カムに一端が当接し他端が前記フランジ部の後端面もしくは前記止め部材に当接するようにして前記リング部材に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンの前記フランジ部の後端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、前記偏心カムの回転抑止手段を前記リング部材に設けた
ことを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記偏心カムの接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記偏心カムの周面と圧接して該偏心カムの回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項7記載の工具ホルダにおいて、前記リング部材は、該リング部材を前記アーバに固定するためのロックねじを備えることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項7記載の工具ホルダにおいて、前記止め部材は、ねじ結合またはロックねじにより前記アーバに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して反シャンク部側方向へ延在するように設けられた支持部と、前記支持部の先端に該支持部の中心軸と軸線を一致して設けられ前記工具のシャンク部が嵌挿される弾性変形可能なチャック筒とを有するホルダ本体と、前記チャック筒の外周に回転操作可能に嵌合され前記チャック筒を縮径することにより前記チャック筒に挿入された前記工具のシャンク部を掴持する締付筒と、前記支持部の外周に同心に形成された所望径の環状段部と、 前記環状段部に回転可能に嵌合されたリング部材と、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の操作部材と、前記操作部材と該操作部材と対向する前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面との間に位置する前記リング部材の箇所に前記フランジ部の中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正用鋼球とを備え、前記操作部材を回転して前記振れ修正用鋼球の前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面への押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、前記操作部材の回転抑止手段を前記リング部材に設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明は、請求項12記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記操作部材の接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記操作部材の周面と圧接して該操作部材の回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項15の発明は、請求項12記載の工具ホルダにおいて、前記操作部材は円柱状を呈し、この円柱状操作部材の外周面に該操作部材の軸心より偏心して円弧状のカム溝が形成され、このカム溝に前記振れ修正用鋼球が係合され、このカム溝により前記締付筒の後端面への前記振れ修正用鋼球の押圧力を加減するように構成したことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項12記載の工具ホルダにおいて、前記チャック筒が連接される前記支持部の先端面に、前記チャック筒の径方向への弾性変形及びチャック筒の支持部との連接基部を支点にしてチャック筒のラジアル方向への曲げ変形を容易にしてチャック筒の有効長を拡大するリング溝が形成されていることを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項12記載の工具ホルダにおいて、前記リング部材は、前記振れ修正用鋼球が設けられることによるリング部材の回転バランスを取るためのバランス部材を備えることを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項12または17記載の工具ホルダにおいて、前記リング部材は、該リング部材を前記環状段部に固定するためのロックねじを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項19の発明は、工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバとを有するホルダ本体と、前記アーバの先端に工具を掴持するチャックと、前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、前記フランジ部に設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の操作部材と、前記操作部材と該操作部材と対向する前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材との間に位置する前記リング部材の箇所に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正用鋼球とを備え、前記操作部材を回転して前記振れ修正用鋼球の前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、前記操作部材の回転抑止手段を前記リング部材に設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項20の発明は、請求項19記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記操作部材の接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記操作部材の周面と圧接して該操作部材の回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項19記載の工具ホルダにおいて、前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする。
【0023】
請求項22の発明は、請求項19記載の工具ホルダにおいて、前記操作部材は円柱状を呈し、この円柱状操作部材の外周面に該操作部材の軸心より偏心して円弧状のカム溝が形成され、このカム溝に前記振れ修正用鋼球が係合され、このカム溝により前記締付筒の後端面への前記振れ修正用鋼球の押圧力を加減するように構成したことを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項19記載の工具ホルダにおいて、前記リング部材は、該リング部材を前記アーバに固定するためのロックねじを備えることを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項19記載の工具ホルダにおいて、前記止め部材は、ねじ結合またはロックねじにより前記アーバに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0024】
請求項25の発明は、請求項6,10,18,22の何れか1項に記載の工具ホルダにおいて、前記リング部材には前記ロックねじが螺合される雌ねじ穴が形成され、前記雌ねじ穴の前記リング部材の外周寄りのねじ山はつぶされた形に加工されていることを特徴とする。
請求項26の発明は、請求項12または19記載の工具ホルダにおいて、前記振れ修正用鋼球は、その一部に平坦な押圧面を有していることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図3は本発明にかかる刃先振れ修正機構を備えた工具ホルダの第1の実施の形態を示す縦断側面図、図4は図3の4−4線に沿う拡大断面図、図5はこの第1の実施の形態における偏心カムと振れ修正ピンとを拡大して示す説明図、図6は図4の矢印6方向から見た偏心カム及びその回転抑止手段の部分を拡大して示す横断平面図である。
【0026】
図3において、ドリルやバニッシングリーマ等の切削用の工具29を掴持する工具ホルダ30は、ホルダ本体31を有している。
このホルダ本体31は、図示省略した工作機械の主軸に挿着されるテーパ付きのシャンク部32と、このシャンク部32の大径側端部に形成したフランジ部33と、このフランジ部33の反シャンク部側にフランジ部33の中心軸と軸線を一致して反シャンク部側方向へ延在するように設けられた筒状の支持部48と、この支持部48の先端に支持部48の中心軸と軸線を一致して延設され、外周面にフランジ部33から先端に行くに従い径が小さくなるテーパ面34aが形成された円筒形状のチャック筒34とを備えている。
【0027】
また、図3において、35は前記チャック筒34の外周に遊嵌されるローラ保持筒であり、このローラ保持筒35は、チャック筒34のテーパ面34aとほぼ同様なテーパ角度で先端に行くに従い径が小さくなる筒体から形成されている。また、ローラ保持筒35は、チャック筒34の先端部外周に設けた止めリング36によってチャック筒34から抜け落ちないように保持されている。
【0028】
前記ローラ保持筒35には、このローラ保持筒35の中心軸に対して円周方向に所定の角度傾斜させて嵌め込んだニードルローラ37が円周方向に多数配設されている。また、各ニードルローラ37はローラ保持筒35の肉厚寸法より大きい径に形成され、これにより、ローラ保持筒35の内周面側へ突出する各ニードルローラ37をチャック筒34のテーパ面34aに当接させ、ローラ保持筒34の外周面側へ突出する各ニードルローラ37を後述する締付筒38の内周面に当接させる構成になっている。
【0029】
前記締付筒38は、チャック筒34を縮径させて目的の工具を緊密に掴持するものであって、チャック筒34の外周にローラ保持筒35で保持されたニードルローラ37を介して回転可能に嵌合されている。この締付筒38の内周面は、フランジ部33と対向する端部から先端に行くに従い径が小さくなるテーパ付き円筒面に構成されている。また、締付筒38のフランジ部33側の基端部内周には、シール兼用の抜け止めリング39が装着されており、このシール兼用の抜け止めリング39はチャック筒34の外周面に当接することによりシール機能を発揮し、また、ローラ保持筒34の端面に当接することで締付筒38のチャック筒34からの抜け落ちを防止している。
【0030】
図3及び図4において、符号40は工具29の刃先振れ修正機構を示し、この刃先振れ修正機構40は、環状段部41と、リング部材42と、刃先振れ修正用の偏心カム43と、振れ修正ピン44とを備えている。
前記環状段部41は、締付筒38の後端面38aと対向する筒状支持部48の外周箇所に筒状支持部48の中心軸と同心に形成され、締付筒38の後端面38aの外径より小さい所望径を有している。そして、チャック筒34が連接される筒状支持部48の端面48aには、チャック筒34の径方向への弾性変形及びチャック筒34の筒状支持部48との連接基部341を支点にしてチャック筒34のラジアル方向への曲げ変形を容易にするためにチャック筒34の有効長を拡大するリング状溝48bが形成されている。
【0031】
前記リング部材42は、環状段部41の外周にその周廻り方向に回転できるように嵌合されるもので、フランジ部33の外径と環状段部41の外径差に相当する厚さを有する矩形状断面を呈している。また、このリング部材42の矩形状断面箇所には、図3及び図4に示すように、リング部材42の半径方向に貫通するカム嵌合穴421と、このカム嵌合穴421と連通し、かつ矩形状断面箇所をフランジ部33の中心軸と平行な方向に貫通するピン穴422がそれぞれ形成されている。このカム嵌合穴421には前記刃先振れ修正用の偏心カム43がリング部材42の半径方向の軸線廻りに回転可能に嵌合され、ピン穴422には前記振れ修正ピン44が移動可能に嵌合されている。
【0032】
前記刃先振れ修正用の偏心カム43は、図3及び図5に示すように、カム嵌合穴421に回転可能に嵌合される一対の支持盤431と、この両支持盤431間に支持盤431の中心軸より偏心して設けたカム部432と、リング部材42の外周に臨む一方の支持盤431に形成された工具係合穴433とから構成されている。
前記ピン穴422に移動可能に嵌合された振れ修正ピン44の一端は前記偏心カム43のカム部432に当接され、その他端は前記締付筒38の後端面38aに当接されるようになっている。
【0033】
前記リング部材42の偏心カム43の設置箇所と反対の箇所には、図4に示すように、偏心カム43が設けられることによるリング部材42の回転のアンバランスを解消するためのバランス部材45が埋め込み式に設けられている。
また、リング部材42には、図4に示すように、リング部材42を環状段部41に対して円周方向の希望する角度位置に固定するためのロックねじ46が複数箇所に設けられている。このロックねじ46はリング部材42の矩形状断面箇所をリング部材42の半径方向に貫通するように螺合され、そして、環状段部41の外周面にはロックねじ46の螺入先端が係合する溝423がリング状に形成されている。
【0034】
図4〜図6において、符号49は前記偏心カム43が振動などによりみだりに回転されるのを抑止するための回転抑止手段を示し、この回転抑止手段49は、偏心カム43の一方の支持盤431と対応するリング部材42の箇所に、リング部材42の軸線と平行な支持盤431の接線方向に延在して形成された、一端が締付筒38と対向する側に開口する有底の穴491と、この穴491内に挿着され、支持盤431の外周面と圧接して偏心カム43の回転を抑制する、合成樹脂や硬質ゴムなどからなる円柱状の回転抑制部材492とを備え、更に、前記穴491の開口端に着脱可能に螺合され、回転抑制部材492の穴491からの抜け出しを防止する抑えねじ493を備えている。
【0035】
次に、上記のように構成された刃先振れ修正機構40を用いて工具ホルダ30に掴持された工具29の刃先振れを修正する場合について説明する。
この場合は、まず、チャック筒34に切削工具29のシャンク部29aを差し込み、締付筒38を締付けることによりチャック筒34を縮径して切削工具29のシャンク部29aをチャッキングする。次に、切削工具29を掴持した工具ホルダ30を図示省略した工作機械の主軸に装着する。しかる後、図3に示すように、切削工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ28の読みの最大差を切削工具29の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具29の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
【0036】
次に、主軸の回転を止めて切削工具29の刃先振れが一番高くなった角度位置、例えば図4で示す角度位置P1で矢印A1に示す方向へ刃先が破線に示すように振れ、その振れが一番高くなって、図3の仮想線に示す位置にずれているとすると、まず、リング部材42を回転して、偏心カム43を角度位置P1に合わせた後、ロックねじ46により環状段部41に固定する。この状態で、偏心カム43を構成する支持盤431の工具係合穴433に棒スパナ等の工具(図示せず)を係合して、偏心カム43を回転する。偏心カム43が回転されると、その回転量に応じて振れ修正ピン44は締付筒38の後端面38a側へ移動され、その後端面38aを強力に押圧する。これにより、チャック筒34は、フランジ部33との連接基部341を支点にして図3の矢印A2で示すラジアル方向に弾性変形される。すなわち、切削工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ28を見ながら偏心カム43をその偏心量が増大する方向に回転することにより、図3の仮想線に示す芯ずれ位置にあった切削工具29の刃先を実線に示す位置にくるように修正する。これにより、切削工具29の刃先振れ量d(μm)をゼロに修正することができる。
【0037】
このような第1の実施の形態によれば、ホルダ本体31の筒状支持部48の環状段部41に嵌合されたリング部材42に設けた偏心カム43を回転して振れ修正ピン44の締付筒38の後端面38aへの押圧力を加減することにより、チャック筒34のフランジ部33との連接基部331を切削工具29の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具29の刃先振れを小さい力で修正できるようにするとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【0038】
また、この第1の実施の形態によれば、回転抑止手段49を構成する回転抑制部材492が支持盤431の外周面と圧接しているため、回転抑制部材492と支持盤431の外周面との間に発生する摩擦力により、偏心カム43の回転方向の動きが抑制される。これにより、偏心カム43が振動等によりみだりに回転するのを防止できるとともに、切削工具29の刃先振れ修正状態を安定に保持することができる。
【0039】
次に、図7〜図9により本発明の第2の実施の形態について説明する。
図7は本発明にかかる刃先振れ修正機構を備えた工具ホルダの第2の実施の形態を示す縦断側面図、図8は図7の8−8線に沿う拡大断面図、図9は図8の矢印9方向から見た偏心カム及びその回転抑止手段の部分を拡大して示す横断平面図である。
【0040】
図7において、ドリルやバニッシングリーマ等の切削工具29を掴持する工具ホルダ50は、ホルダ本体51を備え、このホルダ本体51は、工作機械の主軸(図示せず)への装着用シャンク部52と、このシャンク部52の一端にシャンク部52の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部53と、このフランジ部53の反シャンク部側にフランジ部53の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバ54と、このアーバ54の先端に切削工具29を掴持するチャック55とから構成されている。
【0041】
前記ホルダ本体51のアーバ54の根元部分には、切削工具29の刃先振れ修正する振れ修正機構60が着脱可能に設けられている。
前記振れ修正機構60は、図7及び図8に示すように、アーバ54のフランジ部53との連接基部54aに回転可能に嵌合されたリング部材61と、このリング部材61が前記連接基部54aに保持されるようにアーバ54に形成した雄ねじ部54bに着脱可能にねじ結合された止め部材62と、刃先振れ修正用の偏心カム63及び振れ修正ピン64を備えている。
【0042】
また、リング部材61には、図7及び図8に示すように、リング部材61の半径方向に貫通するカム嵌合穴611と、このカム嵌合穴611と連通し、かつリング部材61をフランジ部53の中心軸と平行な方向に貫通するピン穴612がそれぞれ形成されている。このカム嵌合穴611には前記刃先振れ修正用の偏心カム63がリング部材61の半径方向の軸線廻りに回転可能に嵌合され、ピン穴612には前記振れ修正ピン64が移動可能に嵌合されている。
【0043】
前記刃先振れ修正用の偏心カム63は、図7及び図8に示すように、カム嵌合穴611に回転可能に嵌合される一対の支持盤631と、この両支持盤631間に支持盤631の中心軸より偏心して設けたカム部632と、リング部材61の外周に臨む一方の支持盤631に形成された工具係合穴633とから構成されている。
前記ピン穴612に移動可能に嵌合された振れ修正ピン64の一端は前記偏心カム63のカム部632に当接され、その他端は前記フランジ部53の端面53aに当接されるようになっている。
また、前記リング部材61には、図8に示すように、リング部材61をホルダ本体51のアーバ54に対して円周方向の希望する角度位置に固定するためのロックねじ65が複数箇所に設けられている。このロックねじ65はリング部材61を半径方向に貫通するように螺合されている。
【0044】
図8及び図9において、符号66は前記偏心カム63が振動などによりみだりに回転されるのを抑止するための回転抑止手段を示し、この回転抑止手段66は、偏心カム63の一方の支持盤631と対応するリング部材61の箇所に、リング部材61の軸線と平行な支持盤631の接線方向に延在して形成された、一端が止め部材62と対向する側に開口する有底の穴661と、この穴661内に挿着され、支持盤631の外周面と圧接して偏心カム63の回転を抑制する、合成樹脂や硬質ゴムなどからなる円柱状の回転抑制部材662とを備え、更に、前記穴661の開口端に着脱可能に螺合され、回転抑制部材662の穴661からの抜け出しを防止する抑えねじ663を備えている。
【0045】
次に、上記のように構成された刃先振れ修正機構60を用いて工具ホルダ50に掴持された切削工具29の刃先振れを修正する場合について説明する。
この場合は、まず、ホルダ本体51のアーバ54の先端にチャック55により切削工具29を掴持しておく。次に、切削工具29を掴持した工具ホルダ50を図示省略した工作機械の主軸に装着する。しかる後、図6に示すように、切削工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ28の読みの最大差を切削工具29の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具29の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
【0046】
次に、主軸の回転を止めて切削工具29の刃先振れが一番高くなった角度位置、例えば図8で示す角度位置P1で図7の矢印A1に示す方向へ刃先が破線に示すように振れ、その振れが一番高くなって、図7の仮想線に示す位置にずれているとすると、まず、リング部材61を回転して、偏心カム63を角度位置P1に合わせた後、ロックねじ65によりアーバ54に固定する。この状態で、偏心カム63を構成する支持盤631の工具係合穴633に棒スパナ等の工具(図示せず)を係合して、偏心カム63を回転する。偏心カム63が回転されると、その回転量に応じて振れ修正ピン64はフランジ部53の端面53a側へ移動され、その端面53aを強力に押圧する。これにより、アーバ54は、フランジ部53との連接基部54aを支点にして図7の矢印A2で示すラジアル方向に弾性変形される。すなわち、切削工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ28を見ながら偏心カム63をその偏心量が増大する方向に回転することにより、図7の仮想線に示す芯ずれ位置にあった切削工具29の刃先を実線に示す位置にくるように修正する。これにより、切削工具29の刃先振れ量d(μm)をゼロに修正することができる。
【0047】
このような第2の実施の形態によれば、リング部材61に設けた偏心カム63を回転して振れ修正ピン64のフランジ部53の端面53aへの押圧力を加減することにより、アーバ54のフランジ部53との連接基部54aを切削工具29の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具29の刃先振れを小さい力で修正できるようにするとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、比較的大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【0048】
また、この第2の実施の形態によれば、刃先振れ修正機構60を構成する刃先振れ修正用偏心カム63及び振れ修正ピン64含めたリング部材61は、アーバ54に着脱可能な止め部材62により保持される構成になっているため、刃先振れ修正機構60を既存の工具ホルダにも容易に適用することができ、しかも、刃先振れ修正機構60を購入するだけでよいため、経済的である。
また、この第2の実施の形態によれば、回転抑止手段66を構成する回転抑制部材662が支持盤631の外周面と圧接しているため、回転抑制部材662と支持盤631の外周面との間に発生する摩擦力により、偏心カム63の回転方向の動きが抑制される。これにより、偏心カム63が振動等によりみだりに回転するのを防止できるとともに、切削工具29の刃先振れ修正状態を安定に保持することができる。
【0049】
次に、図10〜図13により本発明の第3の実施の形態について説明する。
図10は本発明にかかる刃先振れ修正機構を備えた工具ホルダの第3の実施の形態を示す縦断側面図、図11は図10の11−11線に沿う拡大断面図、図12は図11の矢印12方向から見た偏心カム及びその回転抑止手段の部分を拡大して示す横断平面図、図13(A)は第3の実施の形態における刃先振れ修正機構のカムと振れ修正用鋼球を拡大して示す側面図、図13(B)は図13(A)のB−B線に沿う拡大断面図である。
【0050】
図10及び図11において、図3及び図4と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、図3及び図4と異なる部分を重点に述べる。
この図10及び図11において図3及び図4と異なる点は、切削工具29の刃先振れ修正機構80にある。この刃先振れ修正機構80は、環状段部81と、リング部材82と、刃先振れ修正用の操作部材83と、振れ修正用鋼球84とを備えている。
前記環状段部81は、締付筒38の後端面38aと対向する筒状支持部48の外周箇所に筒状支持部48の中心軸と同心に形成され、締付筒38の後端面38aの外径より小さい所望径を有している。
【0051】
前記リング部材82は、環状段部81の外周にその周廻り方向に回転できるように嵌合されるもので、フランジ部33の外径と環状段部81の外径差に相当する厚さを有する矩形状断面を呈している。また、このリング部材82の矩形状断面箇所には、図10及び図11に示すように、リング部材82の半径方向に貫通する所望径の円筒状の嵌合穴821と、この嵌合穴821と連通し、かつ矩形状断面箇所をフランジ部33の中心軸と平行な方向に貫通するガイド穴822がそれぞれ形成されている。この嵌合穴821には前記刃先振れ修正用の操作部材83がリング部材82の半径方向の軸線廻りに回転可能に嵌合され、ガイド穴822には前記振れ修正用鋼球84が移動可能に嵌合されている。
【0052】
前記刃先振れ修正用の操作部材83は、図10及び図13に示すように、嵌合穴821に対応する径の円柱状を呈し、この円柱状操作部材83の外周面には、操作部材83の軸心より偏心した円弧状のカム溝831が全周に亘り形成され、このカム溝831には前記振れ修正用鋼球84が係合されるもので、このカム溝831は振れ修正用鋼球84の球面径に相当する円弧面を呈している。また、操作部材83のリング部材42の外周へ臨む端面には工具係合穴832が形成されている。
【0053】
前記リング部材82の操作部材83の設置箇所と反対の箇所には、図11に示すように、操作部材83が設けられることによるリング部材82の回転のアンバランスを解消するためのバランス部材85が埋め込み式に設けられている。
また、リング部材82には、図11に示すように、リング部材82を環状段部41に対して円周方向の希望する角度位置に固定するためのロックねじ86が複数箇所に設けられている。このロックねじ86はリング部材82の矩形状断面箇所をリング部材82の半径方向に貫通するように螺合され、そして、環状段部41の外周面にはロックねじ86の螺入先端が係合する溝411がリング状に形成されている。
また、ロックねじ86を螺合するためにリング部材82に形成された雌ねじ穴824において、リング部材外周側のねじ山824Aはつぶされており、これにより、雌ねじ穴824に螺合されたロックねじ86がリング部材82から不用意に脱落するのを防止するようにしている。また、861はロックねじ86の先端に介在された緩み止め防止用の緩衝材である。なお、ロックねじ86の雌ねじ穴824への組み付けは、リング部材82の内側から行われる。
【0054】
図11及び図12において、符号87は前記操作部材83が振動などによりみだりに回転されるのを抑止するための回転抑止手段を示し、この回転抑止手段87は、操作部材83の外周面と対応するリング部材82の箇所に、リング部材82の軸線と平行な操作部材83の接線方向に延在して形成された、一端が締付筒38と対向する側に開口する有底の穴871と、この穴871内に挿着され、操作部材83の外周面と圧接して操作部材83の回転を抑制する、合成樹脂や硬質ゴムなどからなる円柱状の回転抑制部材872とを備え、更に、前記穴871の開口端に着脱可能に螺合され、回転抑制部材872の穴871からの抜け出しを防止する抑えねじ873を備えている。
【0055】
次に、上記のように構成された刃先振れ修正機構80を用いて工具ホルダ30に掴持された工具29の刃先振れを修正する場合について説明する。
この場合は、まず、チャック筒34に切削工具29のシャンク部29aを差し込み、締付筒38を締付けることによりチャック筒34を縮径して切削工具29のシャンク部29aをチャッキングする。次に、切削工具29を掴持した工具ホルダ30を図示省略した工作機械の主軸に装着する。しかる後、図10に示すように、切削工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ28の読みの最大差を切削工具29の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具29の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
【0056】
次に、主軸の回転を止めて切削工具29の刃先振れが一番高くなった角度位置、例えば図11で示す角度位置P1で矢印A1に示す方向へ刃先が破線に示すように振れ、その振れが一番高くなって、図10の仮想線に示す位置にずれているとすると、まず、リング部材82を回転して、操作部材83を角度位置P1に合わせた後、ロックねじ86により環状段部81に固定する。この状態で、操作部材83の工具係合穴832に棒スパナ等の工具(図示せず)を係合して、操作部材83を回転する。操作部材83が回転されると、その回転量に応じて振れ修正用鋼球84は操作部材83のカム溝831によって締付筒38の後端面38a側へ移動され、その後端面38aを強力に押圧する。これにより、チャック筒34は、フランジ部33との連接基部341を支点にして図10の矢印A2で示すラジアル方向に弾性変形される。すなわち、切削工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ28を見ながら操作部材83を回転することにより、図10の仮想線に示す芯ずれ位置にあった切削工具29の刃先を実線に示す位置にくるように修正する。これにより、切削工具29の刃先振れ量d(μm)をゼロに修正することができる。
【0057】
このような第3の実施の形態によれば、ホルダ本体31の筒状支持部48の環状段部81に嵌合されたリング部材82に設けた操作部材83を回転して振れ修正修正用鋼球84の締付筒38の後端面38aへの押圧力を加減することにより、チャック筒34のフランジ部33との連接基部331を切削工具29の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具29の刃先振れを小さい力で修正できるようにするとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【0058】
また、この第3の実施の形態によれば、回転抑止手段87を構成する回転抑制部材872が操作部材83の外周面と圧接しているため、回転抑制部材872と操作部材83の外周面との間に発生する摩擦力により、操作部材83の回転方向の動きが抑制される。これにより、操作部材83が振動等によりみだりに回転するのを防止できるとともに、切削工具29の刃先振れ修正状態を安定に保持することができる。
なお、第3の実施の形態において、回転抑止手段87が設けられる箇所は、図11に示すように、操作部材83の円筒面箇所に限らず、振れ修正用鋼球84が係合する操作部材83のカム溝831の箇所でもよい。
【0059】
次に、図14により前記刃先振れ修正機構80の変形例について説明する。
図14は、この変形例に示す刃先振れ修正機構の一部の拡大断面図である。この図14に示す刃先振れ修正機構80では、締付筒38の後端面38aに圧接される振れ修正用鋼球84の箇所に、これを弦状にカットして平坦面841を形成し、この平坦面841を締付筒38の後端面38aに面接触させるようにしたものである。これにより、振れ修正用鋼球84と締付筒38の後端面38aとの面圧を低くすることができ、しかも、これら互いの接触面の損傷も軽減できる。
【0060】
次に、図10に示す構成の刃先振れ修正機構80を図7に示す構造の工具ホルダ60に適用した場合の変形例について図15を参照して説明する。図15は、この変形例における刃先振れ修正機構の一部の拡大断面図である。
この図15に示す変形例では、リング部材61のカム嵌合穴611に刃先振れ修正機構80の操作部材83を回転可能に嵌合し、さらに、リング部材61にはカム嵌合穴611からフランジ部53の端面53aに達するガイド穴613をアーバ54の中心軸と平行に形成し、このガイド穴613に振れ修正修正用鋼球84を移動可能に嵌合するように構成したものである。
【0061】
このような刃先振れ修正機構80において、操作部材83を回転して振れ修正用鋼球84の締付筒38の後端面38aへの押圧力を加減することにより、図7に示す場合と同様に工具の刃先振れを修正することができる。
このような図15に示す変形例の工具ホルダにおいても、振れ修正ピンが鋼球に変更されただけであって、上記図7に示す場合と同様な作用効果が得られる。
なお、この図15に示す変形例において、フランジ部53の端面53aに圧接される振れ修正用鋼球84の箇所を図14に示す場合と同様に平坦面にカットしてもよい。
【0062】
次に、図3に示す構造の工具ホルダに適用された刃先振れ修正機構の変形例について図16を参照して説明する。図16は、この変形例における刃先振れ修正機構の一部の拡大断面図である。
この図16に示す刃先振れ修正機構40では、図3に示す場合と同様にリング部材42のカム嵌合穴421に刃先振れ修正用の偏心カム43を回転可能に嵌合する。そして、リング部材42にカム嵌合穴421から環状段部41の端面411に達するピン穴423をフランジ部33の中心軸と平行に形成し、このピン穴423に振れ修正ピン44を移動可能に嵌合するように構成したものである。
このような刃先振れ修正機構40において、偏心カム43を回転して振れ修正ピン44の環状段部41の端面411への押圧力を加減することにより、図3に示す場合と同様に工具の刃先振れを修正することができる。
【0063】
次に、図10に示す構造の工具ホルダに適用された刃先振れ修正機構の変形例について図17を参照して説明する。図17は、この変形例における刃先振れ修正機構の一部の拡大断面図である。
この図17に示す刃先振れ修正機構80では、図10に示す場合と同様にリング部材82の嵌合穴821に刃先振れ修正用の操作部材83を回転可能に嵌合する。そして、リング部材82に嵌合穴821から環状段部41の端面411に達するガイド穴823を支持部48の中心軸と平行に形成し、このガイド穴823に振れ修正用鋼球84を移動可能に嵌合するように構成したものである。
このような刃先振れ修正機構80において、操作部材83を回転して振れ修正用鋼球84の環状段部41の端面411への押圧力を加減することにより、図10に示す場合と同様に工具の刃先振れを修正することができる。
【0064】
次に、図7に示す構造の工具ホルダに適用された刃先振れ修正機構の変形例について図18を参照して説明する。図18は、この変形例における刃先振れ修正機構の一部の拡大断面図である。
この図18に示す刃先振れ修正機構40では、図7に示す場合と同様にリング部材42の嵌合穴421に刃先振れ修正用の偏心カム43を回転可能に嵌合する。そして、リング部材42にカム嵌合穴421から止め部材62に達するピン穴424をアーバ54の中心軸と平行に形成し、このピン穴424に振れ修正ピン44を移動可能に嵌合するように構成したものである。
このような刃先振れ修正機構40において、偏心カム43を回転して振れ修正ピン44の止め部材62への押圧力を加減することにより、図10に示す場合と同様に工具の刃先振れを修正することができる。
【0065】
なお、前記第2の実施の形態では、止め部材62をアーバ54にねじ結合した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、リング部材61を半径方向に貫通するように螺合したロックねじによりアーバ54に取り付けるようにしてもよい。
また、前記第1の実施の形態では、切削工具29のシャンク部29aをチャック筒34内に直接挿入してチャックングする場合について説明したが、本発明はこれに限らず、コレットを介して切削工具29のシャンク部29aを掴持するようにしてもよい。
また、前記第1の実施の形態では、チャック筒34の外周にニードルローラ37を介して締付筒38を嵌合したローラロック式のチャックについて説明したが、本発明はこれに限らず、チャック筒34の外周面と締付筒38の内周面に半円状の溝を螺旋状に形成し、この両螺旋溝に多数の鋼球を介在したボールネジ式等のチャックにも適用できることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる刃先振れ修正機構付きの工具ホルダによれば、ホルダ本体の筒状支持部の環状段部に嵌合されたリング部材の偏心カムを回転して振れ修正ピンの締付筒の後端面もしくは環状段部の端面への押圧力を加減することにより、チャック筒のフランジ部との連接基部を切削工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具の刃先振れを小さい力で修正できるとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【0067】
また、本発明にかかる刃先振れ修正機構付きの工具ホルダによれば、ホルダ本体のアーバに設けたリング部材の偏心カムを回転して振れ修正ピンのフランジ部の端面もしくは止め部材への押圧力を加減することにより、アーバのフランジ部との連接基部を切削工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具の刃先振れを小さい力で修正できるとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、比較的大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
また、本発明によれば、刃先振れ修正機構を構成する刃先振れ修正用偏心カム及び振れ修正ピン含めたリング部材は、アーバに着脱可能な止め部材により保持される構成になっているため、刃先振れ修正機構を既存の工具ホルダにも容易に適用することができ、しかも、刃先振れ修正機構を購入するだけでよいため、経済的となる効果を有する。
【0068】
また、本発明にかかる刃先振れ修正機構付きの工具ホルダによれば、ホルダ本体の筒状支持部の環状段部に嵌合されたリング部材の操作部材を回転して振れ修正用鋼球の締付筒の後端面もしくは環状段部の端面への押圧力を加減することにより、チャック筒のフランジ部との連接基部を切削工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具の刃先振れを小さい力で修正できるとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【0069】
また、本発明にかかる刃先振れ修正機構付きの工具ホルダによれば、ホルダ本体のアーバに設けたリング部材の操作部材を回転して振れ修正用鋼球のフランジ部の端面もしくは止め部材への押圧力を加減することにより、アーバのフランジ部との連接基部を切削工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形させるよう構成したので、切削工具の刃先振れを小さい力で修正できるとともに高い振れ精度を安定に維持することができ、しかも、比較的大径の切削工具を使用する工具ホルダにも容易に適用することができる。
【0070】
また、本発明にかかる刃先振れ修正機構付きの工具ホルダによれば、回転抑止手段を構成する回転抑制部材が刃先振れ修正用偏心カムまたは刃先振れ修正用操作部材の外周面と圧接するように構成されているため、回転抑制部材と偏心カムまたは操作部材の外周面との間に発生する摩擦力により、偏心カムまたは操作部材の回転方向の動きを抑制することになり、これにより、偏心カムまたは操作部材が振動等によりみだりに回転するのを防止できるとともに、切削工具の刃先振れ修正状態を安定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダの一例を示す一部切り欠きの側面図である。
【図2】従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダの他の例を示す一部の切り欠き側面図である。
【図3】本発明にかかる刃先振れ修正機構を備えた工具ホルダの第1の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿う拡大断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における偏心カムと振れ修正ピンとを拡大して示す説明図である。
【図6】図4の矢印6方向から見た偏心カム及びその回転抑止手段の部分を拡大して示す横断平面図である。
【図7】本発明にかかる刃先振れ修正機構を備えた工具ホルダの第2の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図8】図7の8−8線に沿う拡大断面図である。
【図9】図8の矢印9方向から見た偏心カム及びその回転抑止手段の部分を拡大して示す横断平面図である。
【図10】本発明にかかる刃先振れ修正機構を備えた工具ホルダの第3の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う拡大断面図である。
【図12】図11の矢印12方向から見た偏心カム及びその回転抑止手段の部分を拡大して示す横断平面図である。
【図13】(A)は本発明の第3の実施の形態における刃先振れ修正機構のカムと振れ修正用鋼球を拡大して示す側面図、(B)は(A)のB−B線に沿う拡大断面図斜視図である。
【図14】本発明における刃先振れ修正機構の変形例に示す一部の拡大断面図である。
【図15】本発明における刃先振れ修正機構の変形例に示す一部の拡大断面図である。
【図16】本発明における刃先振れ修正機構の変形例に示す一部の拡大断面図である。
【図17】本発明における刃先振れ修正機構の変形例に示す一部の拡大断面図である。
【図18】本発明における刃先振れ修正機構の変形例に示す一部の拡大断面図である。
【符号の説明】
28 テストインジケータ
29 切削工具
29a シャンク部
29b 刃部
30 工具ホルダ
31 ホルダ本体
32 シャンク部
33 フランジ部
34 チャック筒
341 連接基部
35 ローラ保持筒
37 ニードルローラ
38 締付筒
38a 後端面
40 刃先振れ修正機構
41 環状段部
42 リング部材
43 偏心カム
44 振れ修正ピン
45 バランス部材
46 ロックねじ
48 筒状支持部
48b リング状溝
49 回転抑止手段
491 穴
492 回転抑制部材
493 抑えねじ
50 工具ホルダ
51 ホルダ本体
52 シャンク部
53 フランジ部
54 アーバ
54a 連接基部
55 チャック
60 刃先振れ修正機構
61 リング部材
62 止め部材
63 偏心カム
64 振れ修正ピン
65 ロックねじ
66 回転抑止手段
661 穴
662 回転抑制部材
663 抑えねじ
80 刃先振れ修正機構
81 環状段部
82 リング部材
83 操作部材
831 カム溝
84 振れ修正用鋼球
87 回転抑止手段
871 穴
872 回転抑制部材
873 抑えねじ

Claims (26)

  1. 工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、
    工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して反シャンク部側方向へ延在するように設けられた支持部と、前記支持部の先端に該支持部の中心軸と軸線を一致して設けられ前記工具のシャンク部が嵌挿される弾性変形可能なチャック筒とを有するホルダ本体と、
    前記チャック筒の外周に回転操作可能に嵌合され前記チャック筒を縮径することにより前記チャック筒に挿入された前記工具のシャンク部を掴持する締付筒と、
    前記支持部の外周に同心に形成された所望径の環状段部と、
    前記環状段部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
    前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、
    前記偏心カムに一端が当接し他端が前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面に当接するようにして前記リング部材に前記フランジ部の中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、
    前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンの前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面への押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、
    前記偏心カムの回転抑止手段を前記リング部材に設けた、
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  2. 前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記偏心カムの接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記偏心カムの周面と圧接して該偏心カムの回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
  3. 前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする請求項2記載の工具ホルダ。
  4. 前記チャック筒が連接される前記支持部の先端面に、前記チャック筒の径方向への弾性変形及びチャック筒の支持部との連接基部を支点にしてチャック筒のラジアル方向への曲げ変形を容易にしてチャック筒の有効長を拡大するリング溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
  5. 前記リング部材は、前記偏心カムが設けられることによるリング部材の回転バランスを取るためのバランス部材を備えることを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
  6. 前記リング部材は、該リング部材を前記環状段部に固定するためのロックねじを備えることを特徴とする請求項1または5記載の工具ホルダ。
  7. 工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、
    工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバとを有するホルダ本体と、
    前記アーバの先端に工具を掴持するチャックと、
    前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
    前記フランジ部に設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、
    前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、
    前記偏心カムに一端が当接し他端が前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材に当接するようにして前記リング部材に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、
    前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンによる前記フランジ部の後端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、
    前記偏心カムの回転抑止手段を前記リング部材に設けた、
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  8. 前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記偏心カムの接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記偏心カムの周面と圧接して該偏心カムの回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする請求項7記載の工具ホルダ。
  9. 前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする請求項8記載の工具ホルダ。
  10. 前記リング部材は、該リング部材を前記アーバに固定するためのロックねじを備えることを特徴とする請求項7記載の工具ホルダ。
  11. 前記止め部材は、ねじ結合またはロックねじにより前記アーバに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の工具ホルダ。
  12. 工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、
    工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して反シャンク部側方向へ延在するように設けられた支持部と、前記支持部の先端に該支持部の中心軸と軸線を一致して設けられ前記工具のシャンク部が嵌挿される弾性変形可能なチャック筒とを有するホルダ本体と、
    前記チャック筒の外周に回転操作可能に嵌合され前記チャック筒を縮径することにより前記チャック筒に挿入された前記工具のシャンク部を掴持する締付筒と、
    前記支持部の外周に同心に形成された所望径の環状段部と、
    前記環状段部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
    前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の操作部材と、
    前記操作部材と該操作部材と対向する前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面との間に位置する前記リング部材の箇所に前記フランジ部の中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正用鋼球とを備え、
    前記操作部材を回転して前記振れ修正用鋼球の前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面への押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、
    前記操作部材の回転抑止手段を前記リング部材に設けた、
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  13. 前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記操作部材の接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記操作部材の周面と圧接して該操作部材の回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする請求項12記載の工具ホルダ。
  14. 前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする請求項13記載の工具ホルダ。
  15. 前記操作部材は円柱状を呈し、この円柱状操作部材の外周面に該操作部材の軸心より偏心して円弧状のカム溝が形成され、このカム溝に前記振れ修正用鋼球が係合され、このカム溝により前記締付筒の後端面への前記振れ修正用鋼球の押圧力を加減するように構成したことを特徴とする請求項12記載の工具ホルダ。
  16. 前記チャック筒が連接される前記支持部の先端面に、前記チャック筒の径方向への弾性変形及びチャック筒の支持部との連接基部を支点にしてチャック筒のラジアル方向への曲げ変形を容易にしてチャック筒の有効長を拡大するリング溝が形成されていることを特徴とする請求項12記載の工具ホルダ。
  17. 前記リング部材は、前記振れ修正用鋼球が設けられることによるリング部材の回転バランスを取るためのバランス部材を備えることを特徴とする請求項12記載の工具ホルダ。
  18. 前記リング部材は、該リング部材を前記環状段部に固定するためのロックねじを備えることを特徴とする請求項12または17記載の工具ホルダ。
  19. 工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、
    工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバとを有するホルダ本体と、
    前記アーバの先端に工具を掴持するチャックと、
    前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
    前記フランジ部に設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、
    前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の操作部材と、
    前記操作部材と該操作部材と対向する前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材との間に位置する前記リング部材の箇所に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正用鋼球とを備え、
    前記操作部材を回転して前記振れ修正用鋼球の前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材への押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するように構成され、
    前記操作部材の回転抑止手段を前記リング部材に設けた、
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  20. 前記回転抑止手段は、前記リング部材に前記操作部材の接線方向に延在して形成された穴と、前記穴内に挿着され、前記操作部材の周面と圧接して該操作部材の回転を抑制する回転抑制部材とを備えることを特徴とする請求項19記載の工具ホルダ。
  21. 前記回転抑止手段は、前記穴の開口端に着脱可能に螺合され、前記回転抑制部材の前記穴からの抜け出しを防止する抑えねじを備えることを特徴とする請求項19記載の工具ホルダ。
  22. 前記操作部材は円柱状を呈し、この円柱状操作部材の外周面に該操作部材の軸心より偏心して円弧状のカム溝が形成され、このカム溝に前記振れ修正用鋼球が係合され、このカム溝により前記締付筒の後端面への前記振れ修正用鋼球の押圧力を加減するように構成したことを特徴とする請求項19記載の工具ホルダ。
  23. 前記リング部材は、該リング部材を前記アーバに固定するためのロックねじを備えることを特徴とする請求項19記載の工具ホルダ。
  24. 前記止め部材は、ねじ結合またはロックねじにより前記アーバに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項19記載の工具ホルダ。
  25. 前記リング部材には前記ロックねじが螺合される雌ねじ穴が形成され、前記雌ねじ穴の前記リング部材の外周寄りのねじ山はつぶされた形に加工されていることを特徴とする請求項6,10,18,22の何れか1項に記載の工具ホルダ。
  26. 前記振れ修正用鋼球は、その一部に平坦な押圧面を有していることを特徴とする請求項12または19記載の工具ホルダ。
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