JP2012091269A - 工具ホルダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、アーバ14のフランジ部13との連接基部14aに回転可能に嵌合されたリング部材16と、リング部材16を連接基部14aに保持する止め部材17と、リング部材16に設けられアーバ14の連接基部14aを工具29の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形する主刃先振れ修正機構20と、主刃先振れ修正機構22を中心にしてリング部材16にリング部材16の円周方向に一定の間隔を離して設けられアーバ14の連接基部14aを工具29の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形する第1及び第2の微調整用刃先振れ修正機構21,22とを備える構成にした。
【選択図】 図3
Description
一般に切削工具を工具ホルダでチャッキングする場合の精度は、切削工具のチャック部分から刃先方向へ所定距離離れた先端の振れ精度を指標としており、高精度の工具ホルダであっても、その振れ精度は3〜5μmである。すなわち、バニッシングリーマやドリル等の工具ホルダに高精度のチャックを用いても工具の刃先の振れを限りなくゼロに近づけることは困難である。そこで、工具の刃先の振れを修正できる工具ホルダが提案され実用に供されている(例えば特許文献1参照)。
次に、主軸の回転を止め、リング部材を回転操作して偏心カムを切削工具の刃先振れが一番高くなった角度位置に合わせる。この状態で、偏心カムを棒スパナ等で回転して振れ修正ピンの締付筒の後端面のへの押圧力を加減することにより、チャック筒の連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形する。これにより、切削工具の刃先振れを修正するようにしている。
以下、本発明の実施の形態1について、図1乃至図5を参照して詳細に説明する。
図1乃至図3において、ドリルやバニッシングリーマ等の切削用の工具29を掴持する工具ホルダ10は、ホルダ本体11を有している。このホルダ本体11は、工作機械の主軸(図示せず)への装着用シャンク部12と、このシャンク部12の一端にシャンク部12の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部13と、このフランジ部13の反シャンク部側にフランジ部13の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバ14と、このアーバ14の先端に切削工具29を掴持するチャック15とを有している。
また、アーバ14のフランジ部13との連接基部14aには、リング部材16が回転可能に嵌合されている。さらに、リング部材16の嵌合部位を除く連接基部14aの外周には雄ねじ部14bが形成され、この雄ねじ部14bには、リング部材16が連接基部14aから脱落しないように保持する止め部材17が螺着されている。
刃先振れ修正用の偏心カム201は、リング部材16にその半径方向に貫通して形成されたカム嵌合穴161内に、リング部材16の半径方向の軸線廻りに回転可能に嵌合されている。また、振れ修正ピン202は、カム嵌合穴161と連通し、かつリング部材16をフランジ部13の中心軸と平行な方向に貫通して形成されたピン穴162に移動可能に嵌合されている。
また、ピン穴162に移動可能に嵌合された振れ修正ピン202の一端は偏心カム201のカム部201bに当接され、その他端はフランジ部13の前端面13aに当接されている。
更に、図5(A),(B)において、符号66は前記偏心カム201が振動などによりみだりに回転されるのを抑止するための回転抑止手段を示し、この回転抑止手段66は、偏心カム201の一方の指示盤201aと対応するリング部材16の箇所に、リング部材16の軸線と平行な指示盤201aの接線方向に延在して形成された、一端が止め部材62と対向する側に開口する有底の穴661と、この穴661内に装着され、指示盤201aの外周面と圧接して偏心カム201の回転を抑止する、合成樹脂や硬質ゴムなどからなる円柱状の回転抑止部材とを備え、更に、前記穴661の開口端に着脱可能に螺合され、回転抑止部材662の穴661からの抜け出しを防止する抑えねじ663を備えている。
また、リング部材16には、図4に示すように、リング部材16を連接基部14aに対して円周方向の希望する角度位置に固定するためのロックねじ25が複数箇所に設けられている。このロックねじ25はリング部材16をリング部材16の半径方向に貫通するように螺合されている。
この場合は、まず、ホルダ本体11のアーバ14の先端にチャック15により切削工具29を掴持しておく。次に、切削工具29を掴持した工具ホルダ10を図示省略した工作機械の主軸に装着する。しかる後、図3に示すように、切削工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ28の読みの最大差を切削工具29の刃先振れとして測定する。そして、この測定値から切削工具29の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
また、本実施の形態1によれば、リング部材16に、主刃先振れ修正機構20と第1及び第2の微調整用刃先振れ修正機構22,23に対応してバランス部材24が設けられているので、リング部材16の回転バランスを安定して得ることができる。
また、本発明に係る工具ホルダによれば、回転抑止手段を構成する回転抑止部材が刃先振れ修正用偏心カムまたは刃先振れ修正用操作部材の外周面と圧接するように構成されているため、回転抑止部材と偏心カムまたは操作部材の外周面との間に発生する摩擦力により、偏心カムまたは操作部材の回転方向の動きを抑止することになり、これにより、偏心カムまたは操作部材が振動などによりみだりに回転するのを防止できると共に、切削工具の刃先振れ修正状態を安定に保持することができる。
次に、本発明の実施の形態2について、図6乃至図8を参照して詳細に説明する。
図6において、ドリルやバニッシングリーマ等の切削用の工具29を掴持する工具ホルダ30は、ホルダ本体31を有している。
このホルダ本体31は、図示省略した工作機械の主軸に挿着されるテーパ付きのシャンク部32と、このシャンク部32の大径側端部に形成したフランジ部33と、このフランジ部33の反シャンク部側にフランジ部33の中心軸と軸線を一致して反シャンク部側方向へ延在して設けられた筒状の支持部34と、この支持部34の先端に支持部34の中心軸と軸線を一致して延設され、外周面にフランジ部33から先端に行くに従い径が小さくなるテーパ面35aが形成された円筒形状のチャック筒35とを備えている。
刃先振れ修正用の操作部材431は、リング部材42にその半径方向に貫通して形成された円筒状の嵌合穴421内に、リング部材42の半径方向の軸線廻りに回転可能に嵌合されている。また、操作部材431の外周面には、操作部材431の軸心より偏心した円弧状のカム溝431aが全周に亘り形成されている。
また、リング部材42には、図7に示すように、リング部材42を環状段部41に対して円周方向の希望する角度位置に固定するためのロックねじ47が複数箇所に設けられている。このロックねじ47はリング部材42をリング部材42の半径方向に貫通するように螺合されている。
この場合は、まず、チャック筒35に切削工具29のシャンク部29aを差し込み、締付筒39を締付けることによりチャック筒35を縮径して切削工具29のシャンク部29aをチャッキングする。次に、切削工具29を掴持した工具ホルダ30を図示省略した工作機械の主軸に装着する。しかる後、図6に示すように、切削工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ28の読みの最大差を切削工具29の刃先振れとして測定する。この測定値から切削工具29の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
更に、図8において、符号80は前記操作部材431が振動などによりみだりに回転されるのを抑止するための回転抑止手段を示し、この回転抑止手段80は、操作部材431の外周面と対応するリング部材42の箇所に、リング部材42の軸線と平行な操作部材431の接線方向に延在して形成された、一端が締付筒39と対向する側に開口する有底の穴81と、この穴81内に装着され、操作部材431の外周面と圧接して操作部材431の回転を抑止する、合成樹脂や硬質ゴムなどからなる円柱状の回転抑止部材82とを備え、更に、前記穴81の開口端に着脱可能に螺合され、回転抑止部材82の穴81からの抜け出しを防止する抑えねじ83を備えている。
また、本実施の形態2によれば、リング部材42に、主刃先振れ修正機構43と第1及び第2の微調整用刃先振れ修正機構44,45に対応してバランス部材46が設けられているので、リング部材42の回転バランスを安定して得ることができる。
次に、本発明の実施の形態2について、図9及び図10を参照して詳細に説明する。
この実施の形態3において、図1及び図2と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、図1及び図2と異なる部分を重点に述べる。
図9及び図10において、アーバ14のフランジ部13との連接基部14aに回転可能に嵌合されたリング部材16に、上記実施の形態1に示した主刃先振れ修正機構20と同一構成の主刃先振れ修正機構52が設けられ、さらに、リング部材16には、主刃先振れ修正機構52を基準にして、リング部材16の円周方向に60度の間隔で5個の微調整用刃先振れ修正機構53a,53b,53c,53d,53eが設けられている。
これら微調整用刃先振れ修正機構53a,53b,53c,53d,53eは、切削工具29の刃部29aの外周に一定の角度(例えば60度)を離して装着された複数の刃29cに対応している。
11 ホルダ本体
12 シャンク部
13 フランジ部
14 アーバ
15 チャック
16 リング部材
17 止め部材
20 主刃先振れ修正機構
22、23 微調整用刃先振れ修正機構
201 偏心カム
202 振れ修正ピン
24 バランス部材
25 ロックねじ
28 テストインジケータ
29 切削工具
29a シャンク部
29b 刃部
30 工具ホルダ
31 ホルダ本体
32 シャンク部
33 フランジ部
34 筒状支持部
35 チャック筒
36 ローラ保持筒
37 ニードルローラ
39 締付筒
41 環状段部
42 リング部材
43 主刃先振れ修正機構
431 操作部材
432 振れ修正用鋼球
44 第1の微調整用刃先振れ修正機構
45 第2の微調整用刃先振れ修正機構
49 回転抑止手段
492 回転抑止部材
493 抑えねじ
52 主刃先振れ修正機構
53a,53b,53c,53d,53e 微調整用刃先振れ修正機構
80 回転抑止手段
81 穴
82 回転抑止部材
83 抑えねじ
Claims (13)
- 工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、
工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して設けられたアーバとを有するホルダ本体と、
前記アーバの先端に工具を掴持するチャックと、
前記アーバの前記フランジ部との連接基部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
前記フランジ部に設けられ前記リング部材を前記連接基部に保持する止め部材と、
前記リング部材に設けられ前記アーバの前記フランジ部との前記連接基部を前記工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形する主刃先振れ修正機構と、
前記主刃先振れ修正機構を中心にして前記リング部材に該リング部材の円周方向に一定の間隔を離して設けられ前記アーバの前記フランジ部との前記連接基部を前記工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形する複数の微調整用刃先振れ修正機構と、
を備えることを特徴とする工具ホルダ。 - 前記主刃先振れ修正機構は、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、前記偏心カムに一端が当接し他端が前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材に当接するようにして前記リング部材に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンを前記フランジ部の後端面もしくは前記止め部材に押圧される方向へ移動してその押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
- 前記微調整用刃先振れ修正機構は、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられた刃先振れ修正用の偏心カムと、前記偏心カムに一端が当接し他端が前記フランジ部の端面もしくは前記止め部材に当接するようにして前記リング部材に前記アーバの中心軸と平行な方向に移動可能に設けられた振れ修正ピンとを備え、前記偏心カムを回転して前記振れ修正ピンを前記フランジ部の後端面もしくは前記止め部材に押圧される方向へ移動してその押圧力を加減することにより前記アーバの前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。
- 前記リング部材は、該リング部材を前記アーバに固定するためのロックねじを備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の工具ホルダ。
- 前記リング部材は、前記偏心カムが設けられることによるリング部材の回転バランスを取るためのバランス部材を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の工具ホルダ。
- 前記偏心カムの回転抑止手段が前記リング部材に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の工具ホルダ。
- 工具の刃先振れを修正可能にした工具ホルダであって、
工作機械の主軸への装着用シャンク部と、前記シャンク部の一端に該シャンク部の中心軸と軸線を一致して設けられたフランジ部と、前記フランジ部の反シャンク部側に該フランジ部の中心軸と軸線を一致して反シャンク部側方向へ延在するように設けられた筒状支持部と、前記筒状支持部の先端に該支持部の中心軸と軸線を一致して設けられ前記工具のシャンク部が嵌挿される弾性変形可能なチャック筒とを有するホルダ本体と、
前記チャック筒の外周に回転操作可能に嵌合され前記チャック筒を縮径することにより前記チャック筒に挿入された前記工具のシャンク部を掴持する締付筒と、
前記筒状支持部の外周に同心に形成された所望径の環状段部と、
前記環状段部に回転可能に嵌合されたリング部材と、
前記リング部材に設けられ前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面に押圧される方向へ移動してその押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形する主刃先振れ修正機構と、
前記主刃先振れ修正機構を中心にして前記リング部材に該リング部材の円周方向に一定の間隔を離して設けられ前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面に押圧される方向へ移動してその押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形する複数の微調整用刃先振れ修正機構と、
を備えることを特徴とする工具ホルダ。 - 前記主刃先振れ修正機構は、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられ、かつ前記回転中心に対し偏心した円弧状の偏心カム溝を外周面に有する刃先振れ修正用の操作部材と、前記操作部材の偏心カム溝と該偏心カム溝に対向する前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面との間に介在される前記リング部材の箇所に前記フランジ部の中心軸と平行な方向に移動可能に設けられるとともに前記偏心カム溝に係合する振れ修正用鋼球とを備え、前記操作部材を回転して前記偏心カム溝と係合する前記振れ修正用鋼球を前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面に押圧される方向へ移動してその押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする請求項6記載の工具ホルダ。
- 前記微調整用刃先振れ修正機構は、前記リング部材に該リング部材を半径方向に貫通するようにして該半径方向の軸線廻りに回転可能に設けられ、かつ前記回転中心に対し偏心した円弧状の偏心カム溝を外周面に有する刃先振れ修正用の操作部材と、前記操作部材の偏心カム溝と該偏心カム溝に対向する前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面との間に介在される前記リング部材の箇所に前記フランジ部の中心軸と平行な方向に移動可能に設けられるとともに前記偏心カム溝に係合する振れ修正用鋼球とを備え、前記操作部材を回転して前記偏心カム溝と係合する前記振れ修正用鋼球を前記締付筒の後端面もしくは前記環状段部の端面に押圧される方向へ移動してその押圧力を加減することにより前記チャック筒の前記フランジ部との連接基部を工具の刃先振れがゼロに近づくようにラジアル方向に弾性変形するよう構成したことを特徴とする請求項6記載の工具ホルダ。
- 前記チャック筒が連接される前記筒状支持部の先端面に、前記チャック筒の径方向への弾性変形及びチャック筒の筒状支持部との連接基部を支点にしてチャック筒のラジアル方向への曲げ変形を容易にしてチャック筒の有効長を拡大するリング溝が形成されていることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項記載の工具ホルダ。
- 前記リング部材は、前記偏心カムが設けられることによるリング部材の回転バランスを取るためのバランス部材を備えることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項記載の工具ホルダ。
- 前記操作部材の回転抑止手段が前記リング部材に設けられていることを特徴とする請求項8乃至12の何れか1項に記載の工具ホルダ。
- 前記リング部材は、該リング部材を前記環状段部に固定するためのロックねじを備えることを特徴とする請求項7乃至13の何れか1項記載の工具ホルダ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112620444A (zh) * | 2020-11-10 | 2021-04-09 | 西北矿冶研究院 | 一种柱齿钎头柱齿压装模具 |
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