JP2004008252A - パチンコ機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者の技量の差が少ないパチンコ機。
【解決手段】遊技球がゲート5を通過すると抽選が行われ、当たりなら変動始動入賞装置7を開放し、これに入賞すると大入賞口16を始動開口し、大入賞口16への入賞球が特別領域を通過すると大当たり状態になる。ゲート5によって検出されるのはアウト球であるから、変動始動入賞装置7の作動回数及び大入賞口16の始動開口回数はほぼ発射数に比例する。始動開口した大入賞口16に入賞する確率はある値に収束し、入賞球が特別領域を通過する確率も同様に収束する。大当たりになる確率は遊技者の技量によらずにほぼ一定となり、遊技者の技量の差が遊技結果にほとんど反映されない。また、微妙な釘の調整は不要であり、釘調整に熟練した従業員も、長時間の調整作業労働も不要になる。
【選択図】 図1
【解決手段】遊技球がゲート5を通過すると抽選が行われ、当たりなら変動始動入賞装置7を開放し、これに入賞すると大入賞口16を始動開口し、大入賞口16への入賞球が特別領域を通過すると大当たり状態になる。ゲート5によって検出されるのはアウト球であるから、変動始動入賞装置7の作動回数及び大入賞口16の始動開口回数はほぼ発射数に比例する。始動開口した大入賞口16に入賞する確率はある値に収束し、入賞球が特別領域を通過する確率も同様に収束する。大当たりになる確率は遊技者の技量によらずにほぼ一定となり、遊技者の技量の差が遊技結果にほとんど反映されない。また、微妙な釘の調整は不要であり、釘調整に熟練した従業員も、長時間の調整作業労働も不要になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
現状のパチンコ機は、第1種、第2種、第3種及びその他の区分の物に大別できる。最近では、過度の射倖性が社会問題となったり、客離れが問題となったりしながらも、技量の差が出にくいことと大当たり時の出球の多さから第1種のパチンコ機が主流となっており、射倖性よりゲーム性ということで例えば液晶ディスプレイでの表示技術が重要視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パチンコ産業は歴史も長く、昔のゲームを知る高齢者などを中心に、余暇時間が増加する中で時間消化型ゲームが求められており、この要望に対応可能な第2種のパチンコ機の再びの発展が望まれている。
【0004】
しかしながら、第2種のパチンコ機は、種々の規制の為に技術革新が遅れていて、次のような未解決の問題点が残っている。
1.始動口に入賞させ、これに起因して短時間(例えば0.1〜0.5秒)開放された大入賞口に入賞させることで大当たり状態になるか否かが決まる為、釘の状態を読む能力や球の発射状態を適度に保つ能力などに応じて、遊技者の技量の差が大きく出る。
2.上記1と実質的に同じではあるが、パチンコホールの立場では釘の調整に高度な技術、技能が必要で、そうした技能を有する従業員の確保が困難であり、また長時間の調整作業労働を必要とする。
【0005】
上記のような問題点は、第2種のパチンコ機に限るものではなく、例えば入賞装置内での入賞球の挙動(特別領域を通過するか否か等)によって大当たり状態になるか否かが決まる形態のパチンコ機に共通する問題でもある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載のパチンコ機は、遊技球の通過タイミングを検出するゲートであって、該ゲートを通過後に入賞する可能性が無い位置に配されるゲートと、上記通過タイミングに基づいて当たり外れの抽選を行う抽選手段と、該抽選が当たりであると変動入賞装置を開放作動させる変動入賞装置制御手段と、上記変動入賞装置に入賞したことに起因して特別電動役物の開閉部材を揺動変位させることで大入賞口を始動開口させ、上記大入賞口に入賞した遊技球が特別領域を通過すると上記大入賞口を上記始動開口よりも多数回又は長時間にわたって大当たり開口させる特別電動役物制御手段とを備えている。
【0007】
ゲートは、自身を通過する遊技球の通過タイミングを検出するが、そこを通過後に入賞する可能性が無い位置に配される。
ゲートを通過後に入賞する可能性が無い位置というのは、例えば遊技盤に設けられた排出口(アウト口)又はその近傍である。また、入賞口(入賞装置)が配置されている領域よりも下方で、ゲートを通過した遊技球が例えば釘で跳躍しても入賞口に到達できない位置である。
【0008】
例えばゲートを排出口に設置すれば入賞しなかった遊技球の全てを検出できる。また排出口の近傍(例えば上方や左右隣り)などに設置すれば入賞しなかった遊技球の多くを検出できる。この場合、遊技球をゲートに向けて誘導する配置で釘を植設して、入賞しなかった遊技球をゲートに集中させるとさらに多くの遊技球(例えば排出口に向かう遊技球の殆ど)を検出できる。
【0009】
抽選手段は、ゲートによって検出された遊技球の通過タイミングに基づいて、例えば遊技球の通過が検出さえれたタイミングにおけるランダムカウンタの値に基づいて当たり外れの抽選を行う。
変動入賞装置制御手段は、抽選手段による抽選が当たりであると、変動入賞装置(例えばチューリップ式の変動入賞装置、いわゆる電動チューリップ)を開放作動させる。
【0010】
特別電動役物制御手段は、変動入賞装置に入賞したことに起因して特別電動役物の開閉部材を揺動変位させることで特別電動役物の大入賞口を始動開口させる。この始動開口の時間は、容易には入賞できないがきわめて困難という程ではない時間(例えば0.3秒前後)とされる。したがって、始動開口時に大入賞口に入賞する確率は高くはないが、適度の確率で入賞する。
【0011】
また特別電動役物制御手段は、この大入賞口に入賞した遊技球が予め設定されている特別領域(例えば特別領域通過検出センサの検出口)を通過すると、大入賞口を始動開口よりも多数回又は長時間にわたって大当たり開口させる。大当たり開口は例えば始動開口と同程度の開放を間欠的に繰り返すことで行われ、その開放回数が上限回数に達した、その合計時間が上限時間に達した、入賞数が上限個数に達した等の条件により1ラウンドを終了する。また、間欠的な開放でなくて、開放時間が上限時間に達するか、その前に入賞数が上限個数に達するまで継続的に開放して1ラウンドとする形態でもよい。
【0012】
従来と同様に、この1ラウンドの大当たり開口中の入賞球が特別領域を通過したことを条件として次のラウンドの大当たり開口を行うことを、ラウンド数が上限に達するまで繰り返して大当たり状態の終了とする構成が望ましい。
なお、抽選手段、変動入賞装置制御手段及び特別電動役物制御手段は、パチンコ機の主基板の機能で実現できる。
【0013】
上記のように、ゲートによって検出された遊技球の通過タイミングに基づいて行われる抽選が当たりであると変動入賞装置を開放作動し、変動入賞装置に入賞すると大入賞口を始動開口し、大入賞口への入賞球が特別領域を通過するか否かによって大当たり状態になるか否かが決まるのである。
【0014】
ここで、ゲートによって検出される遊技球はアウト球になる遊技球(その全てでもよいし、殆どでもよい)であり、その数はほぼ発射数に比例する。抽選手段の抽選で当たりになる確率を一定とすれば(ただし、当たりになる確率を高低変化させることも可能であるが、それぞれの期間内では一定。)、変動入賞装置の開放作動回数もほぼ発射数に比例し、当然に大入賞口の始動開口回数もほぼ発射数に比例する。長時間で考えれば、始動開口した大入賞口に入賞する確率はある値に収束し、その入賞球が特別領域を通過する確率もある値に収束する。
【0015】
すなわち、大当たり状態になる確率は、遊技者の技量(釘の状態を読む能力や球の発射状態を適度に保つ能力など)によらずにほぼ一定となるから、遊技者の技量の差が遊技結果にほとんど反映されない。
つまり、遊技者の釘の状態を読む能力や球の発射状態を適度に保つ能力などの有無や程度に関わりなく適度に大当たりを獲得でき、どんな技量の遊技者でも遊技を楽しむことができ、パチンコホールとしては微妙な釘の調整は不要であり、釘調整に熟練した従業員も、長時間の調整作業労働も不要になる。
【0016】
そして、本発明のパチンコ機のように、特別電動役物(大入賞口)への入賞球が特別領域を通過するか否かによって大当たり状態になる形態のパチンコ機は、従来の第2種のパチンコ機にも見られるとおり、時間消化型ゲームが可能であり、そうした要望に良好に対応できる。
【0017】
ところで、ゲートによって検出される遊技球はアウト球になる遊技球であり、その数はほぼ発射数に比例するから、抽選手段による抽選で当たりになることが連続する場合もある。このような場合に対応するには、請求項2の構成が好適である。
【0018】
請求項2記載のパチンコ機は、請求項1記載のパチンコ機において、上記抽選手段による抽選が当たりになる毎に1加算され上記変動入賞装置が開放作動する毎に1減算される当たり回数を記憶する当たり回数記憶手段を備え、上記変動入賞装置制御手段は、該当たり回数記憶手段に記憶されている当たり回数に基づいて上記変動入賞装置を制御する。
【0019】
変動入賞装置制御手段は、当たり回数記憶手段に記憶されている当たり回数が正値であると変動入賞装置を開放作動させ、例えばその開放終了に伴って当たり回数を1減算させる。これにより、抽選手段による抽選で当たりになることが連続しても、その当たり回数分の開放作動が確実に行われる。また、変動入賞装置の開放作動を各回ごとに区切って、変動入賞装置の開放を1回単位で遊技者に認識させることができる。
【0020】
なお、大当たり状態中は変動入賞装置の開放作動を行わずに、その終了後に当たり回数記憶手段の記憶に基づいて変動入賞装置を開放作動させる構成も可能である。また、当たり回数記憶手段に記憶される当たり回数に上限を設けてもよい。
【0021】
請求項1又は2のパチンコ機においては、上記変動入賞装置に入賞したタイミングから上記大入賞口が始動開口するまでの時間についての制限はないが、変動入賞装置に入賞したタイミングから大入賞口が始動開口するまでの時間が一定であると、その時間の設定によっては始動開口した大入賞口に入賞し難くなったり、または適宜にタイミングを計って発射することによって入賞する率が高まったりするおそれがある。
【0022】
しかし、請求項3記載のパチンコ機は、請求項1又は2記載のパチンコ機において、上記変動入賞装置に入賞したタイミングから上記大入賞口が始動開口するまでの時間を変化させるので、始動開口した大入賞口に入賞し難い状態或いはし易い状態に固定されることはない。また、タイミングを計っての発射で入賞する率を高めるのも難しい。すなわち、始動開口した大入賞口へ入賞する率を均一化できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例により発明の実施の形態を説明する。
【0024】
【実施例】
図1に示すように、本実施例のパチンコ機の遊技盤2には従来公知の第2種電動役物3、普通入賞口4、排出口6内に設置されたゲート5、変動始動入賞装置7、風車8、多数の障害釘9(図示は一部のみ)、レール10等が設けられており、レール10によって囲まれた内側が遊技領域となる。
【0025】
変動始動入賞装置7はチューリップ式の変動入賞装置(電動チューリップ)であり、開閉羽根を駆動するためのソレノイド7a及び入賞球を検出するための始動入賞スイッチ7bが備わっている(図3参照)。図示は省略するが普通入賞口4には入賞球を検出するための入賞スイッチが備わっており、ゲート5はそれ自体が通過センサである。
【0026】
また、パチンコ機の前面には上皿、下皿、発射ハンドルなどが配置されている。
特別電動役物に該当する第2種電動役物3の構造は図2に示すとおりであり、一対の開閉部材15が破線のごとく揺動変位すると開口する大入賞口16を備えている。なお、図2には示されないが開閉部材15を駆動するためのソレノイド3aが備わっている(図3参照)。
【0027】
大入賞口16の内部には、手前から奥へ向かって傾斜する上傾斜板17が設けられており、大入賞口16への入賞球は上傾斜板17上を奥側へ移動して2箇所の切欠18から落下する。落下した入賞球は、奥から手前に向かって傾斜する下傾斜板19上を移動して、特別領域20または普通領域21のいずれかを通過することになる。
【0028】
ただし、図示にて明らかなように、下傾斜板19の中央部には案内溝22が設けられており、入賞球が特別領域20を通過するためには案内溝22に案内される必要がある。このような構成により、特別領域20の通過確率はおおむね1/10に設定されている。
【0029】
特別領域20を通過した入賞球はVスイッチ24にて検出されてからカウントスイッチ25によって検出されて、第2種電動役物3から排出される。また普通領域21を通過した入賞球はカウントスイッチ25によって検出されて、第2種電動役物3から排出される。
【0030】
図3に示すように、パチンコ機は、遊技盤2に設置されている電気部品などを制御するための主基板30を備えている。主基板30には、公知のものと同様にマイクロコンピュータを中心とする制御回路が設けられており、詳細は後述するが抽選手段、変動入賞装置制御手段及び特別電動役物制御手段として機能する。
【0031】
主基板30には、第2種電動役物3のソレノイド3a、Vスイッチ24及びカウントスイッチ25、変動始動入賞装置7のソレノイド7a及び始動入賞スイッチ7b、普通入賞口4(入賞スイッチ)、ゲート5等が接続されている。なお、その他のスイッチ、センサ類や賞球制御基板、発射制御基板等のサブ基板などは、本発明との関連が薄いので図示と説明は省略する。
【0032】
主基板30には、これらVスイッチ24、カウントスイッチ25、始動入賞スイッチ7b、普通入賞口4(入賞スイッチ)、ゲート5等の検出信号が入力される。また主基板30は、ソレノイド3aを制御することで第2種電動役物3の大入賞口16の開閉を制御し、ソレノイド7aを制御することで変動始動入賞装置7の開閉を制御する。
【0033】
次に、パチンコ機の動作を説明する。
遊技者が発射ハンドルを操作すると遊技球が上皿から発射装置に供給され、遊技盤2上に打ち出される。
打ち出された遊技球は、障害釘9や風車8などと接触しながら遊技盤2上を落下する。第2種電動役物3、普通入賞口4、変動始動入賞装置7のいずれにも入賞しなかった遊技球は排出口6を通ってパチンコ機の外部に排出される。このときゲート5によって遊技球の通過が検出されると、その検出信号が主基板30に入力される。
【0034】
主基板30(正確には主基板30のマイコン)は、図4に示す変動入賞装置制御処理において、ゲート5による通過検出信号が入力されると(S1)、当たりか否かを判定する(S2)。本実施例では、0〜12の循環する乱数(ゲート抽選用乱数)が使用され、通過検出信号が入力されたタイミングにおけるゲート抽選用乱数が当たり値(例えば7)であったか否かが判定され、7であれば当たり、それ以外なら外れと判定する。したがって、ゲート抽選用乱数が当たりになる確率は1/13である。なお、この確率は1/13でなくてもよいが、本実施例では後述する理由から1/13に設定している。
【0035】
判定が当たりであれば当たりカウンタの値を+1して(S3)、当たりカウンタが0か否かを判断する(S4)。判定が外れの時は、S3を行わずにS4を実行する。
当たりカウンタが0なら(S4:YES)エンドへ抜け、0でないときは(正値のときは)、変動始動入賞装置7を開放駆動中か否かが調べられる(S5)。開放駆動中なら(S5:YES)新たな処理をせずにエンドへ抜ける。
【0036】
開放駆動中でなければ(S5:NO)、変動始動入賞装置7を短時間、例えば0.5秒程度開放駆動して入賞しやすい状態とするが、その開放駆動後に次の開放駆動までのインターバルとして確保するための休止期間を含めている(S6)。したがって、上記のS5ではこの休止時も開放駆動中と判断される。
【0037】
そして、開放及び休止の終了後に当たりカウンタの値を−1して(S7)、本処理を一旦終了する。この処理はメインルーチンのサブルーチンとして実行されるので、約2ミリ秒周期で繰り返される。
このプログラムは、従来パチンコ機で用いられてきた通過のタイミングでの乱数値を記憶しておいて必要な時点、時点で判定、評価する方式に対して、プログラムが短いこととRAM領域が少しでよいことのメリットがある。
【0038】
変動始動入賞装置7に入賞すると(開放駆動されていなくても入賞可能)、図5に示す電動役物制御処理により、大入賞口16の開放制御が行われる。
主基板30(マイコン)は、変動始動入賞装置7の始動入賞スイッチ7bから始動信号が入力されると(S11)、ソレノイド3aを制御して一対の開閉部材15を揺動変位させて(図2参照)、予め設定された開口時間、例えば0.3秒間だけ大入賞口16を開口させる(S12)。
【0039】
次に、この0.3秒の始動開口中に大入賞口16へ入賞した入賞球が特別領域20を通過したか否かを、Vスイッチ24の検出信号に基づいて判断する(S13)。特別領域20を通過していれば(Vスイッチ24が検出していれば)、大当たり状態となり、入賞確率がきわめて高い遊技状態が創出される(S14)。しかし、特別領域20を通過していなければ大当たり状態にはならない。
【0040】
大当たり状態は、一般に開閉部材15の30秒間の開閉揺動又は10個の入賞球の入賞を1ラウンドとして16ラウンドの継続が可能であるように作られる。ただし、ラウンドの継続にはそのラウンド中に入賞した入賞球が特別領域20を通過することが必要で、特別領域20を通過しなければそのラウンドまでで(16ラウンドに達する前でも)大当たり状態は終了する。また、入賞球が特別領域20を通過すれば、上記条件(30秒間の開閉揺動又は10個の入賞)に満たなくても、そのラウンドが終了して次のラウンドが開始される。
【0041】
こうした遊技形態であることから、1回の大当たり状態で獲得できる球数は大きく変化する。勿論、種々の技術開発により、例えば1ラウンド中の最初の5球目程までの入賞球を貯留しておいて特別領域20への通過を遅らせる等の改良により、出球数の安定化が図られているが、技術的には困難さを伴う。
【0042】
ここで設計的に、変動始動入賞装置7が開放駆動された時の入賞率は1/2、大入賞口16が始動開口したときの入賞率は1/3、大入賞口16へ入賞した遊技球が特別領域20を通過する率を1/10とする。次に、大当たり状態は平均8ラウンド継続、1ラウンド中の平均入賞球数は8個とする。また、大入賞口16への入賞球1個に対して遊技者に返される払出数は12個とする。
【0043】
今、遊技者が楽しく遊べてパチンコホールも営業できる状態として、遊技者が打ち込んだ球数と獲得した球数が同じで、いわゆる換金率の分だけ遊技代金を払う時と仮定する。また、大当たり状態以外での獲得球を無視して単純化すると、
大当たりで得られる球数=8×8×12=768個
大当たりまでに打ち込む球数=2×3×10×R個
であり、両球数が等しくなるためにはR=12.8となる。すなわち、12.8球の発射で変動始動入賞装置7が1回開放駆動される確率で、ゲート5の信号が主基板30内で抽選されればよいことが判る。厳密さは必要ないから、この抽選確率P=1/R=1/13と取り扱うことができる。上述の変動入賞装置制御処理(図4参照)において、S2で当たりとなる確率Pを1/13としたのはこの理由による。
【0044】
以上の説明で明らかなように、本実施例のパチンコ機には従来の第2種のパチンコ機と大きく異なる点がある。
本実施例で示す方法では、発射された遊技球の内、遊技盤2上の入賞口に入賞できなかった遊技球が13×2=26球に対して変動始動入賞装置7に1球の入賞が見込まれる。
【0045】
一方、従来の第2種のパチンコ機では、約26球の発射の内1球が始動入賞口に入賞するように、釘、風車等を配置、設計していたのであり、技術困難度は著しく異なる。
上記の差違は遊技者から見ると更に違う。すなわち、平均的に26球に1球が始動入賞するといえども、従来の第2種のパチンコ機の場合にはどのポイントを狙って球を発射するかで結果は大きく異なる。これに対して本実施例のパチンコ機では、ずばり目を閉じて発射していても、入賞できなかった遊技球が排出口6へ向かい、そしてゲート5による検出に基づいて抽選され、始動入賞口である変動始動入賞装置7へ入賞し易くなるのだから、遊技者の技量の差はほとんど発現せず遊技者間の公平さが得られる。
【0046】
次に、変動始動入賞装置7への入賞に基づき、開閉部材15が短時間揺動した際に例えば上記仮定のように1/3入賞する、という部分にも大きな技術的問題が残されている。
図1で示す開閉部材15と変動始動入賞装置7との高低差Hは通常約20cmであり、遊技球が20cmを自由落下するに要する時間は約0.2秒である。
【0047】
一方、発射装置からは毎分約100球、すなわち約0.6秒間隔で規則正しく発射されてくる。
今、変動始動入賞装置7への入賞球が始動入賞スイッチ7bによって検出されて直ちに開閉部材15が0.3秒間揺動したときを考えると、高さHを落下する時間0.2秒+開閉部材15が閉じるまでの時間0.3秒=0.5秒であり、開閉部材15は次の遊技球が来る0.6秒の時間内で閉じており入賞し得ないことを示す。勿論、このようなことが起きないように、風車8や障害釘9を多数配置して、高さHの部分を通過するに必要な時間を長くし、かつばらつきが多くなるように設計されている。
【0048】
しかし、そのためには多くの部材を必要とする。一方、遊技者にあっては、同じ回数の開閉部材15の揺動でも図1に示すルートaとルートbでの変動始動入賞装置7への入賞時間差を利用して技量の差を生み出すことができる。
この問題、すなわち部材を多く必要とすることと遊技者の技量の差が出ることの両方を解決する手段(本実施例で採用している手段)を図6により説明する。
【0049】
図6は、変動始動入賞装置7へ入賞して(始動入賞スイッチ7bが入賞球を検出して)発生する始動入賞信号に対応して開閉部材15が0.3秒間揺動変位する様子を示しているが、1回目は始動入賞と同時に開閉部材15が揺動変位を開始し、2回目は始動入賞から0.1秒遅れて、3回目は同0.2秒、4回目は同0.3秒、5回目は同0.4秒遅れて開閉部材15が揺動を開始する。そして、6回目には再び始動入賞と同時になり、以下同様に繰り返される。
【0050】
このように、変動始動入賞装置7に入賞(始動入賞スイッチ7bが検出)してから開閉部材15が揺動を開始するまでの時間を可変にすることで、大入賞口16へ入賞する率を均一化することができる。すなわち、遊技者の技量の差が発生しない。また、図6に例示するようなタイミングで開閉部材15を動作させるには主基板30内のプログラムを変更するだけでよく、何ら部材の増加を必要としない。
【0051】
なお、図6には揺動開始の遅れ時間を規則的に変化させる例を示したが、不規則であっても構わない。また、始動入賞信号から大入賞口の開放までのタイムラグを変化させて大入賞口へ入賞率の均一化を図る構成は、始動入賞信号に起因して大入賞口を開放させるパチンコ機であれば、全てに適用可能である。
【0052】
以上述べてきたパチンコ機では、遊技者の技量の差が出ないばかりか、パチンコホールにおいても保守、管理する特別な技能を必要としないというメリットがある。すなわち、第1種のパチンコ機と同様に技量の差が出にくいという良い点と、液晶等のディスプレーのみに依存するゲーム性に対しては、特別電動役物内の遊技球の動きにハラハラ、ドキドキするゲーム性に基づき、いたずらに高額な金銭を伴わない本来の健全娯楽を可能にするものである。
【0053】
なお、図7に例示するように、ゲート5を遊技盤2の盤面下部に設置して、遊技球が通過できない間隔で植設された多数の障害釘9にて遊技球をゲート5に導いて通過させる構成としても(制御動作等は実施例と同様)、上記実施例と同様の効果が得られる。また、図7において遊技球をゲート5に誘導するための障害釘9の列を板状の障害壁としてもよい。
【0054】
以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
例えば排出口に排出される遊技球の全てをゲートに通さなくてもよく、実質的にほとんどがゲートを通る場合も含むことは明らかである。具体的な例を示せば、図7の例で遊技球をゲート5に誘導するための障害釘9の間隔を、その全部又は一部において遊技球1個分程度に広げて遊技球を通過させるようにした場合等も含むことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパチンコ機の遊技盤の正面図。
【図2】第2種電動役物の正面図。
【図3】実施例のパチンコ機の制御系の要部のブロック図。
【図4】実施例のパチンコ機における変動入賞装置制御処理のフローチャート。
【図5】実施例のパチンコ機における電動役物制御処理のフローチャート。
【図6】実施例のパチンコ機における変動始動入賞装置への入賞と開閉部材の開放との時間差のタイミングチャート。
【図7】遊技盤の他の構成例の正面図。
【符号の説明】
2 遊技盤
3 第2種電動役物(特別電動役物)
5 ゲート
6 排出口
7 変動始動入賞装置(変動入賞装置)
7b 始動入賞スイッチ
9 障害釘
10 レール
15 開閉部材
16 大入賞口
20 特別領域
24 Vスイッチ
30 主基板(抽選手段、変動入賞装置制御手段、特別電動役物制御手段、回数記憶手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
現状のパチンコ機は、第1種、第2種、第3種及びその他の区分の物に大別できる。最近では、過度の射倖性が社会問題となったり、客離れが問題となったりしながらも、技量の差が出にくいことと大当たり時の出球の多さから第1種のパチンコ機が主流となっており、射倖性よりゲーム性ということで例えば液晶ディスプレイでの表示技術が重要視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パチンコ産業は歴史も長く、昔のゲームを知る高齢者などを中心に、余暇時間が増加する中で時間消化型ゲームが求められており、この要望に対応可能な第2種のパチンコ機の再びの発展が望まれている。
【0004】
しかしながら、第2種のパチンコ機は、種々の規制の為に技術革新が遅れていて、次のような未解決の問題点が残っている。
1.始動口に入賞させ、これに起因して短時間(例えば0.1〜0.5秒)開放された大入賞口に入賞させることで大当たり状態になるか否かが決まる為、釘の状態を読む能力や球の発射状態を適度に保つ能力などに応じて、遊技者の技量の差が大きく出る。
2.上記1と実質的に同じではあるが、パチンコホールの立場では釘の調整に高度な技術、技能が必要で、そうした技能を有する従業員の確保が困難であり、また長時間の調整作業労働を必要とする。
【0005】
上記のような問題点は、第2種のパチンコ機に限るものではなく、例えば入賞装置内での入賞球の挙動(特別領域を通過するか否か等)によって大当たり状態になるか否かが決まる形態のパチンコ機に共通する問題でもある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載のパチンコ機は、遊技球の通過タイミングを検出するゲートであって、該ゲートを通過後に入賞する可能性が無い位置に配されるゲートと、上記通過タイミングに基づいて当たり外れの抽選を行う抽選手段と、該抽選が当たりであると変動入賞装置を開放作動させる変動入賞装置制御手段と、上記変動入賞装置に入賞したことに起因して特別電動役物の開閉部材を揺動変位させることで大入賞口を始動開口させ、上記大入賞口に入賞した遊技球が特別領域を通過すると上記大入賞口を上記始動開口よりも多数回又は長時間にわたって大当たり開口させる特別電動役物制御手段とを備えている。
【0007】
ゲートは、自身を通過する遊技球の通過タイミングを検出するが、そこを通過後に入賞する可能性が無い位置に配される。
ゲートを通過後に入賞する可能性が無い位置というのは、例えば遊技盤に設けられた排出口(アウト口)又はその近傍である。また、入賞口(入賞装置)が配置されている領域よりも下方で、ゲートを通過した遊技球が例えば釘で跳躍しても入賞口に到達できない位置である。
【0008】
例えばゲートを排出口に設置すれば入賞しなかった遊技球の全てを検出できる。また排出口の近傍(例えば上方や左右隣り)などに設置すれば入賞しなかった遊技球の多くを検出できる。この場合、遊技球をゲートに向けて誘導する配置で釘を植設して、入賞しなかった遊技球をゲートに集中させるとさらに多くの遊技球(例えば排出口に向かう遊技球の殆ど)を検出できる。
【0009】
抽選手段は、ゲートによって検出された遊技球の通過タイミングに基づいて、例えば遊技球の通過が検出さえれたタイミングにおけるランダムカウンタの値に基づいて当たり外れの抽選を行う。
変動入賞装置制御手段は、抽選手段による抽選が当たりであると、変動入賞装置(例えばチューリップ式の変動入賞装置、いわゆる電動チューリップ)を開放作動させる。
【0010】
特別電動役物制御手段は、変動入賞装置に入賞したことに起因して特別電動役物の開閉部材を揺動変位させることで特別電動役物の大入賞口を始動開口させる。この始動開口の時間は、容易には入賞できないがきわめて困難という程ではない時間(例えば0.3秒前後)とされる。したがって、始動開口時に大入賞口に入賞する確率は高くはないが、適度の確率で入賞する。
【0011】
また特別電動役物制御手段は、この大入賞口に入賞した遊技球が予め設定されている特別領域(例えば特別領域通過検出センサの検出口)を通過すると、大入賞口を始動開口よりも多数回又は長時間にわたって大当たり開口させる。大当たり開口は例えば始動開口と同程度の開放を間欠的に繰り返すことで行われ、その開放回数が上限回数に達した、その合計時間が上限時間に達した、入賞数が上限個数に達した等の条件により1ラウンドを終了する。また、間欠的な開放でなくて、開放時間が上限時間に達するか、その前に入賞数が上限個数に達するまで継続的に開放して1ラウンドとする形態でもよい。
【0012】
従来と同様に、この1ラウンドの大当たり開口中の入賞球が特別領域を通過したことを条件として次のラウンドの大当たり開口を行うことを、ラウンド数が上限に達するまで繰り返して大当たり状態の終了とする構成が望ましい。
なお、抽選手段、変動入賞装置制御手段及び特別電動役物制御手段は、パチンコ機の主基板の機能で実現できる。
【0013】
上記のように、ゲートによって検出された遊技球の通過タイミングに基づいて行われる抽選が当たりであると変動入賞装置を開放作動し、変動入賞装置に入賞すると大入賞口を始動開口し、大入賞口への入賞球が特別領域を通過するか否かによって大当たり状態になるか否かが決まるのである。
【0014】
ここで、ゲートによって検出される遊技球はアウト球になる遊技球(その全てでもよいし、殆どでもよい)であり、その数はほぼ発射数に比例する。抽選手段の抽選で当たりになる確率を一定とすれば(ただし、当たりになる確率を高低変化させることも可能であるが、それぞれの期間内では一定。)、変動入賞装置の開放作動回数もほぼ発射数に比例し、当然に大入賞口の始動開口回数もほぼ発射数に比例する。長時間で考えれば、始動開口した大入賞口に入賞する確率はある値に収束し、その入賞球が特別領域を通過する確率もある値に収束する。
【0015】
すなわち、大当たり状態になる確率は、遊技者の技量(釘の状態を読む能力や球の発射状態を適度に保つ能力など)によらずにほぼ一定となるから、遊技者の技量の差が遊技結果にほとんど反映されない。
つまり、遊技者の釘の状態を読む能力や球の発射状態を適度に保つ能力などの有無や程度に関わりなく適度に大当たりを獲得でき、どんな技量の遊技者でも遊技を楽しむことができ、パチンコホールとしては微妙な釘の調整は不要であり、釘調整に熟練した従業員も、長時間の調整作業労働も不要になる。
【0016】
そして、本発明のパチンコ機のように、特別電動役物(大入賞口)への入賞球が特別領域を通過するか否かによって大当たり状態になる形態のパチンコ機は、従来の第2種のパチンコ機にも見られるとおり、時間消化型ゲームが可能であり、そうした要望に良好に対応できる。
【0017】
ところで、ゲートによって検出される遊技球はアウト球になる遊技球であり、その数はほぼ発射数に比例するから、抽選手段による抽選で当たりになることが連続する場合もある。このような場合に対応するには、請求項2の構成が好適である。
【0018】
請求項2記載のパチンコ機は、請求項1記載のパチンコ機において、上記抽選手段による抽選が当たりになる毎に1加算され上記変動入賞装置が開放作動する毎に1減算される当たり回数を記憶する当たり回数記憶手段を備え、上記変動入賞装置制御手段は、該当たり回数記憶手段に記憶されている当たり回数に基づいて上記変動入賞装置を制御する。
【0019】
変動入賞装置制御手段は、当たり回数記憶手段に記憶されている当たり回数が正値であると変動入賞装置を開放作動させ、例えばその開放終了に伴って当たり回数を1減算させる。これにより、抽選手段による抽選で当たりになることが連続しても、その当たり回数分の開放作動が確実に行われる。また、変動入賞装置の開放作動を各回ごとに区切って、変動入賞装置の開放を1回単位で遊技者に認識させることができる。
【0020】
なお、大当たり状態中は変動入賞装置の開放作動を行わずに、その終了後に当たり回数記憶手段の記憶に基づいて変動入賞装置を開放作動させる構成も可能である。また、当たり回数記憶手段に記憶される当たり回数に上限を設けてもよい。
【0021】
請求項1又は2のパチンコ機においては、上記変動入賞装置に入賞したタイミングから上記大入賞口が始動開口するまでの時間についての制限はないが、変動入賞装置に入賞したタイミングから大入賞口が始動開口するまでの時間が一定であると、その時間の設定によっては始動開口した大入賞口に入賞し難くなったり、または適宜にタイミングを計って発射することによって入賞する率が高まったりするおそれがある。
【0022】
しかし、請求項3記載のパチンコ機は、請求項1又は2記載のパチンコ機において、上記変動入賞装置に入賞したタイミングから上記大入賞口が始動開口するまでの時間を変化させるので、始動開口した大入賞口に入賞し難い状態或いはし易い状態に固定されることはない。また、タイミングを計っての発射で入賞する率を高めるのも難しい。すなわち、始動開口した大入賞口へ入賞する率を均一化できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例により発明の実施の形態を説明する。
【0024】
【実施例】
図1に示すように、本実施例のパチンコ機の遊技盤2には従来公知の第2種電動役物3、普通入賞口4、排出口6内に設置されたゲート5、変動始動入賞装置7、風車8、多数の障害釘9(図示は一部のみ)、レール10等が設けられており、レール10によって囲まれた内側が遊技領域となる。
【0025】
変動始動入賞装置7はチューリップ式の変動入賞装置(電動チューリップ)であり、開閉羽根を駆動するためのソレノイド7a及び入賞球を検出するための始動入賞スイッチ7bが備わっている(図3参照)。図示は省略するが普通入賞口4には入賞球を検出するための入賞スイッチが備わっており、ゲート5はそれ自体が通過センサである。
【0026】
また、パチンコ機の前面には上皿、下皿、発射ハンドルなどが配置されている。
特別電動役物に該当する第2種電動役物3の構造は図2に示すとおりであり、一対の開閉部材15が破線のごとく揺動変位すると開口する大入賞口16を備えている。なお、図2には示されないが開閉部材15を駆動するためのソレノイド3aが備わっている(図3参照)。
【0027】
大入賞口16の内部には、手前から奥へ向かって傾斜する上傾斜板17が設けられており、大入賞口16への入賞球は上傾斜板17上を奥側へ移動して2箇所の切欠18から落下する。落下した入賞球は、奥から手前に向かって傾斜する下傾斜板19上を移動して、特別領域20または普通領域21のいずれかを通過することになる。
【0028】
ただし、図示にて明らかなように、下傾斜板19の中央部には案内溝22が設けられており、入賞球が特別領域20を通過するためには案内溝22に案内される必要がある。このような構成により、特別領域20の通過確率はおおむね1/10に設定されている。
【0029】
特別領域20を通過した入賞球はVスイッチ24にて検出されてからカウントスイッチ25によって検出されて、第2種電動役物3から排出される。また普通領域21を通過した入賞球はカウントスイッチ25によって検出されて、第2種電動役物3から排出される。
【0030】
図3に示すように、パチンコ機は、遊技盤2に設置されている電気部品などを制御するための主基板30を備えている。主基板30には、公知のものと同様にマイクロコンピュータを中心とする制御回路が設けられており、詳細は後述するが抽選手段、変動入賞装置制御手段及び特別電動役物制御手段として機能する。
【0031】
主基板30には、第2種電動役物3のソレノイド3a、Vスイッチ24及びカウントスイッチ25、変動始動入賞装置7のソレノイド7a及び始動入賞スイッチ7b、普通入賞口4(入賞スイッチ)、ゲート5等が接続されている。なお、その他のスイッチ、センサ類や賞球制御基板、発射制御基板等のサブ基板などは、本発明との関連が薄いので図示と説明は省略する。
【0032】
主基板30には、これらVスイッチ24、カウントスイッチ25、始動入賞スイッチ7b、普通入賞口4(入賞スイッチ)、ゲート5等の検出信号が入力される。また主基板30は、ソレノイド3aを制御することで第2種電動役物3の大入賞口16の開閉を制御し、ソレノイド7aを制御することで変動始動入賞装置7の開閉を制御する。
【0033】
次に、パチンコ機の動作を説明する。
遊技者が発射ハンドルを操作すると遊技球が上皿から発射装置に供給され、遊技盤2上に打ち出される。
打ち出された遊技球は、障害釘9や風車8などと接触しながら遊技盤2上を落下する。第2種電動役物3、普通入賞口4、変動始動入賞装置7のいずれにも入賞しなかった遊技球は排出口6を通ってパチンコ機の外部に排出される。このときゲート5によって遊技球の通過が検出されると、その検出信号が主基板30に入力される。
【0034】
主基板30(正確には主基板30のマイコン)は、図4に示す変動入賞装置制御処理において、ゲート5による通過検出信号が入力されると(S1)、当たりか否かを判定する(S2)。本実施例では、0〜12の循環する乱数(ゲート抽選用乱数)が使用され、通過検出信号が入力されたタイミングにおけるゲート抽選用乱数が当たり値(例えば7)であったか否かが判定され、7であれば当たり、それ以外なら外れと判定する。したがって、ゲート抽選用乱数が当たりになる確率は1/13である。なお、この確率は1/13でなくてもよいが、本実施例では後述する理由から1/13に設定している。
【0035】
判定が当たりであれば当たりカウンタの値を+1して(S3)、当たりカウンタが0か否かを判断する(S4)。判定が外れの時は、S3を行わずにS4を実行する。
当たりカウンタが0なら(S4:YES)エンドへ抜け、0でないときは(正値のときは)、変動始動入賞装置7を開放駆動中か否かが調べられる(S5)。開放駆動中なら(S5:YES)新たな処理をせずにエンドへ抜ける。
【0036】
開放駆動中でなければ(S5:NO)、変動始動入賞装置7を短時間、例えば0.5秒程度開放駆動して入賞しやすい状態とするが、その開放駆動後に次の開放駆動までのインターバルとして確保するための休止期間を含めている(S6)。したがって、上記のS5ではこの休止時も開放駆動中と判断される。
【0037】
そして、開放及び休止の終了後に当たりカウンタの値を−1して(S7)、本処理を一旦終了する。この処理はメインルーチンのサブルーチンとして実行されるので、約2ミリ秒周期で繰り返される。
このプログラムは、従来パチンコ機で用いられてきた通過のタイミングでの乱数値を記憶しておいて必要な時点、時点で判定、評価する方式に対して、プログラムが短いこととRAM領域が少しでよいことのメリットがある。
【0038】
変動始動入賞装置7に入賞すると(開放駆動されていなくても入賞可能)、図5に示す電動役物制御処理により、大入賞口16の開放制御が行われる。
主基板30(マイコン)は、変動始動入賞装置7の始動入賞スイッチ7bから始動信号が入力されると(S11)、ソレノイド3aを制御して一対の開閉部材15を揺動変位させて(図2参照)、予め設定された開口時間、例えば0.3秒間だけ大入賞口16を開口させる(S12)。
【0039】
次に、この0.3秒の始動開口中に大入賞口16へ入賞した入賞球が特別領域20を通過したか否かを、Vスイッチ24の検出信号に基づいて判断する(S13)。特別領域20を通過していれば(Vスイッチ24が検出していれば)、大当たり状態となり、入賞確率がきわめて高い遊技状態が創出される(S14)。しかし、特別領域20を通過していなければ大当たり状態にはならない。
【0040】
大当たり状態は、一般に開閉部材15の30秒間の開閉揺動又は10個の入賞球の入賞を1ラウンドとして16ラウンドの継続が可能であるように作られる。ただし、ラウンドの継続にはそのラウンド中に入賞した入賞球が特別領域20を通過することが必要で、特別領域20を通過しなければそのラウンドまでで(16ラウンドに達する前でも)大当たり状態は終了する。また、入賞球が特別領域20を通過すれば、上記条件(30秒間の開閉揺動又は10個の入賞)に満たなくても、そのラウンドが終了して次のラウンドが開始される。
【0041】
こうした遊技形態であることから、1回の大当たり状態で獲得できる球数は大きく変化する。勿論、種々の技術開発により、例えば1ラウンド中の最初の5球目程までの入賞球を貯留しておいて特別領域20への通過を遅らせる等の改良により、出球数の安定化が図られているが、技術的には困難さを伴う。
【0042】
ここで設計的に、変動始動入賞装置7が開放駆動された時の入賞率は1/2、大入賞口16が始動開口したときの入賞率は1/3、大入賞口16へ入賞した遊技球が特別領域20を通過する率を1/10とする。次に、大当たり状態は平均8ラウンド継続、1ラウンド中の平均入賞球数は8個とする。また、大入賞口16への入賞球1個に対して遊技者に返される払出数は12個とする。
【0043】
今、遊技者が楽しく遊べてパチンコホールも営業できる状態として、遊技者が打ち込んだ球数と獲得した球数が同じで、いわゆる換金率の分だけ遊技代金を払う時と仮定する。また、大当たり状態以外での獲得球を無視して単純化すると、
大当たりで得られる球数=8×8×12=768個
大当たりまでに打ち込む球数=2×3×10×R個
であり、両球数が等しくなるためにはR=12.8となる。すなわち、12.8球の発射で変動始動入賞装置7が1回開放駆動される確率で、ゲート5の信号が主基板30内で抽選されればよいことが判る。厳密さは必要ないから、この抽選確率P=1/R=1/13と取り扱うことができる。上述の変動入賞装置制御処理(図4参照)において、S2で当たりとなる確率Pを1/13としたのはこの理由による。
【0044】
以上の説明で明らかなように、本実施例のパチンコ機には従来の第2種のパチンコ機と大きく異なる点がある。
本実施例で示す方法では、発射された遊技球の内、遊技盤2上の入賞口に入賞できなかった遊技球が13×2=26球に対して変動始動入賞装置7に1球の入賞が見込まれる。
【0045】
一方、従来の第2種のパチンコ機では、約26球の発射の内1球が始動入賞口に入賞するように、釘、風車等を配置、設計していたのであり、技術困難度は著しく異なる。
上記の差違は遊技者から見ると更に違う。すなわち、平均的に26球に1球が始動入賞するといえども、従来の第2種のパチンコ機の場合にはどのポイントを狙って球を発射するかで結果は大きく異なる。これに対して本実施例のパチンコ機では、ずばり目を閉じて発射していても、入賞できなかった遊技球が排出口6へ向かい、そしてゲート5による検出に基づいて抽選され、始動入賞口である変動始動入賞装置7へ入賞し易くなるのだから、遊技者の技量の差はほとんど発現せず遊技者間の公平さが得られる。
【0046】
次に、変動始動入賞装置7への入賞に基づき、開閉部材15が短時間揺動した際に例えば上記仮定のように1/3入賞する、という部分にも大きな技術的問題が残されている。
図1で示す開閉部材15と変動始動入賞装置7との高低差Hは通常約20cmであり、遊技球が20cmを自由落下するに要する時間は約0.2秒である。
【0047】
一方、発射装置からは毎分約100球、すなわち約0.6秒間隔で規則正しく発射されてくる。
今、変動始動入賞装置7への入賞球が始動入賞スイッチ7bによって検出されて直ちに開閉部材15が0.3秒間揺動したときを考えると、高さHを落下する時間0.2秒+開閉部材15が閉じるまでの時間0.3秒=0.5秒であり、開閉部材15は次の遊技球が来る0.6秒の時間内で閉じており入賞し得ないことを示す。勿論、このようなことが起きないように、風車8や障害釘9を多数配置して、高さHの部分を通過するに必要な時間を長くし、かつばらつきが多くなるように設計されている。
【0048】
しかし、そのためには多くの部材を必要とする。一方、遊技者にあっては、同じ回数の開閉部材15の揺動でも図1に示すルートaとルートbでの変動始動入賞装置7への入賞時間差を利用して技量の差を生み出すことができる。
この問題、すなわち部材を多く必要とすることと遊技者の技量の差が出ることの両方を解決する手段(本実施例で採用している手段)を図6により説明する。
【0049】
図6は、変動始動入賞装置7へ入賞して(始動入賞スイッチ7bが入賞球を検出して)発生する始動入賞信号に対応して開閉部材15が0.3秒間揺動変位する様子を示しているが、1回目は始動入賞と同時に開閉部材15が揺動変位を開始し、2回目は始動入賞から0.1秒遅れて、3回目は同0.2秒、4回目は同0.3秒、5回目は同0.4秒遅れて開閉部材15が揺動を開始する。そして、6回目には再び始動入賞と同時になり、以下同様に繰り返される。
【0050】
このように、変動始動入賞装置7に入賞(始動入賞スイッチ7bが検出)してから開閉部材15が揺動を開始するまでの時間を可変にすることで、大入賞口16へ入賞する率を均一化することができる。すなわち、遊技者の技量の差が発生しない。また、図6に例示するようなタイミングで開閉部材15を動作させるには主基板30内のプログラムを変更するだけでよく、何ら部材の増加を必要としない。
【0051】
なお、図6には揺動開始の遅れ時間を規則的に変化させる例を示したが、不規則であっても構わない。また、始動入賞信号から大入賞口の開放までのタイムラグを変化させて大入賞口へ入賞率の均一化を図る構成は、始動入賞信号に起因して大入賞口を開放させるパチンコ機であれば、全てに適用可能である。
【0052】
以上述べてきたパチンコ機では、遊技者の技量の差が出ないばかりか、パチンコホールにおいても保守、管理する特別な技能を必要としないというメリットがある。すなわち、第1種のパチンコ機と同様に技量の差が出にくいという良い点と、液晶等のディスプレーのみに依存するゲーム性に対しては、特別電動役物内の遊技球の動きにハラハラ、ドキドキするゲーム性に基づき、いたずらに高額な金銭を伴わない本来の健全娯楽を可能にするものである。
【0053】
なお、図7に例示するように、ゲート5を遊技盤2の盤面下部に設置して、遊技球が通過できない間隔で植設された多数の障害釘9にて遊技球をゲート5に導いて通過させる構成としても(制御動作等は実施例と同様)、上記実施例と同様の効果が得られる。また、図7において遊技球をゲート5に誘導するための障害釘9の列を板状の障害壁としてもよい。
【0054】
以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
例えば排出口に排出される遊技球の全てをゲートに通さなくてもよく、実質的にほとんどがゲートを通る場合も含むことは明らかである。具体的な例を示せば、図7の例で遊技球をゲート5に誘導するための障害釘9の間隔を、その全部又は一部において遊技球1個分程度に広げて遊技球を通過させるようにした場合等も含むことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパチンコ機の遊技盤の正面図。
【図2】第2種電動役物の正面図。
【図3】実施例のパチンコ機の制御系の要部のブロック図。
【図4】実施例のパチンコ機における変動入賞装置制御処理のフローチャート。
【図5】実施例のパチンコ機における電動役物制御処理のフローチャート。
【図6】実施例のパチンコ機における変動始動入賞装置への入賞と開閉部材の開放との時間差のタイミングチャート。
【図7】遊技盤の他の構成例の正面図。
【符号の説明】
2 遊技盤
3 第2種電動役物(特別電動役物)
5 ゲート
6 排出口
7 変動始動入賞装置(変動入賞装置)
7b 始動入賞スイッチ
9 障害釘
10 レール
15 開閉部材
16 大入賞口
20 特別領域
24 Vスイッチ
30 主基板(抽選手段、変動入賞装置制御手段、特別電動役物制御手段、回数記憶手段)
Claims (3)
- 遊技球の通過タイミングを検出するゲートであって、該ゲートを通過後に入賞する可能性が無い位置に配されるゲートと、
上記通過タイミングに基づいて当たり外れの抽選を行う抽選手段と、
該抽選が当たりであると変動入賞装置を開放作動させる変動入賞装置制御手段と、
上記変動入賞装置に入賞したことに起因して特別電動役物の開閉部材を揺動変位させることで大入賞口を始動開口させ、上記大入賞口に入賞した遊技球が特別領域を通過すると上記大入賞口を上記始動開口よりも多数回又は長時間にわたって大当たり開口させる特別電動役物制御手段と
を備えることを特徴とするパチンコ機。 - 請求項1記載のパチンコ機において、
上記抽選手段による抽選が当たりになる毎に1加算され上記変動入賞装置が開放作動する毎に1減算される当たり回数を記憶する当たり回数記憶手段を備え、上記変動入賞装置制御手段は、該当たり回数記憶手段に記憶されている当たり回数に基づいて上記変動入賞装置を制御する
ことを特徴とするパチンコ機。 - 請求項1又は2記載のパチンコ機において、
上記変動入賞装置に入賞したタイミングから上記大入賞口が始動開口するまでの時間を変化させる
ことを特徴とするパチンコ機。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060822 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |