JP2004008187A - 散布作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】GPS装置を採用した走行位置制御により自律走行される散布作業車において、上述の如く自律走行を行う散布作業車による散布作業中に、耕盤の硬軟により車輪が沈降したり、耕盤に生じた凹凸により車高が変化したりして、薬液の噴霧口であるノズルの作物に対する位置が変化してしまうことがあり、散布過多や散布ムラの原因となることが予想される。
【解決手段】GPS装置と、内界センサ122と、株倣いセンサ201とを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車において、GPS装置により得られた移動点(X,Y,Z)と昇降リンク装置37の回動角から対車両ブーム高HKを算出し、対地車両高HGの変化に応じて対車両ブーム高HKを変更制御することにより対作物ブーム高HNを略一定に保持した。
【選択図】 図5
【解決手段】GPS装置と、内界センサ122と、株倣いセンサ201とを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車において、GPS装置により得られた移動点(X,Y,Z)と昇降リンク装置37の回動角から対車両ブーム高HKを算出し、対地車両高HGの変化に応じて対車両ブーム高HKを変更制御することにより対作物ブーム高HNを略一定に保持した。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自律的に作業を行う農業用作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行車両の自律走行式ガイドレス誘導制御技術として、GPS(Global Positioning System)装置、ジャイロ、視覚認識装置などを用いて、自車の位置を決定し、車載コンピュータ内に記憶されたレイアウトマップを利用して、目標経路を走行する技術が知られている。
自律走行を行う走行車両としては、耕耘機を備えたトラクタや、散布機を搭載した散布作業機などの農業作業車が知られている。このような農業用作業車は、圃場内の作業開始地点まではオペレータが農業用作業車を運転する。そして、オペレータは作業開始地点に到達後、該作業車から降りて圃場の外に退出し、作業車は自律走行・作業を開始する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く自律走行を行う散布作業車による散布作業中に、耕盤の硬軟により車輪が沈降したり、耕盤に生じた凹凸により車高が変化したりして、薬液の噴霧口であるノズルの作物に対する高さ(位置)が変化してしまうことがあり、散布過多や散布ムラの原因となることが予想される。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、昇降リンク装置に設けた回動検出手段により検出した対車両ブーム高と、GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と、設定した対作物ブーム高とから、対作物ブーム高を一定に保持するよう制御するものである。
【0006】
請求項2においては、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、GPS装置により検出した車両高さ位置より、圃場凹凸データマップを作成するものである。
【0007】
請求項3においては、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、作物高を検出する作物高検出センサをブームに設け、作物とノズルとの距離を略一定に保持するようブーム高を制御するものである。
【0008】
請求項4においては、請求項3に記載の散布作業車において、前記GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と該座標に対応するブーム高のデータを記憶し、取出し可能とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る散布作業車の全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は自律走行機構を示す模式図、図4は自律走行機構を示すブロック図である。
図5は最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図、図6は同じく正面図、図7は凹凸マップの一例を示す図、図8は車両の沈下を示す側面図である。
図9は作物高検出センサを用いた最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図、図10は撮影装置を装備した散布作業車の側面図、図11はGPS機能及び撮影機能を搭載した携帯電話を装備した散布作業車を示す側面図である。
【0010】
まず、本実施例に係る散布作業車1について、図1及び図2を用いて説明する。
散布作業車1は乗用型の走行車両22と、該走行車両22の前部及び側部に配設されたブーム部35と、該走行車両の後部に配設されたポンプ部36と、該ポンプ部36の前部に配設された薬液タンク24等で構成されている。
【0011】
前記走行車両22の前端より後方へ向けて、左右一対のメインフレーム6L・6Rが平行に水平方向に延設され、該メインフレーム6L・6Rの前部下方にはフロントアクスルケース92Fを介して前輪7・7が支承され、後部下方にはリアアクスルケース92Rを介して後輪8・8が支承されている。
また、メインフレーム6L・6R上であって走行車両22前部にはエンジン9を被覆するボンネット10が配設されている。該ボンネット10後方のカバー上に操作パネル11が設けられており、該操作パネル11の上方には操向ハンドル12が設けられて、操作パネル11及び操向ハンドル12等で散布作業車1の操縦部を構成している。
【0012】
また、メインフレーム6L・6R後部上には薬液タンク24が配設されており、該薬液タンク24の前部中央には運転席14が形成されて、該薬液タンク24によって側部と後部を取り囲まれるように載置されている。そして、薬液タンク24とボンネット10の間にはステップ13が設けられ、該ステップ13に乗降するための乗降ステップ56・56がメインフレーム6L・6Rに取り付けられている。
【0013】
前記ブーム部35は、薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・を有するブーム40と、該ブーム40の昇降や展開を行うための機構より構成されている。
ブーム40は走行車両22の前方に位置する前方ブーム41と、該前方ブーム41の両端に枢支され、折畳み可能に側方に延設されている左右の側方ブーム42L・42Rから構成されている。そして、該ブーム40には薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・が一定間隔をおいて配設されている。
そして、前方ブーム41と側方ブーム42L・42Rの間には、それぞれブーム開閉用シリンダ43・43が介装され、該ブーム開閉用シリンダ43・43を伸縮させることによって、側方ブーム42L・42Rを前方ブーム41と略一直線となるよう左右水平方向へ延設した作業位置と、前後方向で後ろ上がりに位置させた収納位置に回動可能としている。
【0014】
また、平行リンクにより前方ブーム41とメインフレーム6L・6Rの前部の間が連結され、該平行リンクの一方とメインフレーム6L・6Rの間にブーム昇降用シリンダ38・38を介装し、該ブーム昇降用シリンダ38・38を伸縮させることによってブーム40を上下昇降可能とした昇降リンク装置37が構成されている。
さらに、前方ブーム41の左右略中央が昇降リンク装置37に対して左右傾倒可能に支持され、該前方ブーム41と昇降リンク装置37の間にブーム水平制御用シリンダ39を介装して、走行車両22が傾いてもブーム40が略水平姿勢を保持するようブーム40を水平制御する構成としている。
【0015】
前記ポンプ部36は、エンジン9から動力を得て薬液タンク24内の薬液をノズル23・23・・・へ圧送する噴霧ポンプ4と、該噴霧ポンプ4から吐出される薬液の制御に関わる散布量制御装置3等で構成されている。
噴霧ポンプ4は、走行車両22の後部に延設したサブフレーム52L・52R上に支持部材を介して該噴霧ポンプ4のクランクケースに内装されたクランク軸が車両前後方向に位置するよう配設され、該クランクケースの右上部にはエアチャンバや安全弁等が設けられている。
また、散布量制御装置3は、流量制御弁や、該流量制御弁の開閉に関わるモータ等より構成され、噴霧ポンプ4のクランクケース周囲に配設されている。
【0016】
上述の如く構成される散布作業車1は、ブーム40を広げた状態で走行車両22により圃場を走行すると同時に、薬液タンク24内の薬液が、ポンプ部36により調量されるとともにブーム部35に圧送されてブーム40に設けられたノズル23・23・・・から散布され、薬液散布作業を行う。
そして、散布作業車1は、操縦者が車両に搭乗して操向ハンドル12や操作レバー等を操作して操向する手動走行モードと、操縦者が車両に搭乗せずにGPS装置(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して車両の位置情報を得て自律操向プログラムにより圃場を走行しながら薬液散布作業を行う自律走行モードをスイッチ等で選択することが可能に構成されている。
【0017】
次に、前記散布作業車1のGPS装置を利用した自律走行について説明する。
図3及び図4に示す如く、GPS装置は、主に、散布作業車1本体に搭載される移動局ユニット103と、水田などの圃場の近くに設置される基準局ユニット104からなる。該基準局ユニット104は地面に固定された基準局の役割を果たし、移動局ユニット103は位置を求めようとする移動局(観測点)として機能する。
【0018】
図1、図2及び図5に示す如く、前記GPS装置のうち移動局ユニット103は、散布作業車1に立設された正面視門型のフレーム105に取り付けられたGPSアンテナ108の他、GPS受信部109、制御装置141に具備される処理部110及び無線部113、操作パネル11に具備される操作部111、表示部112、などで構成される。
GPSアンテナ108で受信されたGPS衛星からの電波信号は、ケーブルでGPS受信部109を経て制御装置141の処理部110に送信される。
制御装置141に設けられた無線部113は、基準局ユニット104及び操縦者が携帯する無線操作手段133と、移動局ユニット103とが無線交信するためのものである。
【0019】
そして、前記制御装置141はCPU、RAM、ROM等で構成され、CPUは制御・演算手段として、RAM及びROMは記録・読出手段として機能している。該制御装置141には操作パネル11、内界センサ122、ステアリング駆動アクチュエータ219・クラッチアクチュエータ・アクセルアクチュエータ等を操作する制御回路等が接続されて、散布作業車1の操向制御や、散布制御を行っている。
前記ステアリング駆動アクチュエータ219は制御装置141の制御を受けて駆動され、自律走行時に操向ハンドル12に連結したステアリング軸12aを回動させる。
前記内界センサ122は、速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角など、散布作業車1を自律走行させる上で必要な情報を検知するためのセンサ類を指す。より具体的には、エンジン回転数センサ、車速センサ、操舵角センサ、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどである。これら内界センサ122からの検知信号は、制御装置141に送信される。
【0020】
操作パネル11に設けられた操作部111は、手動走行時における散布量等の設定や、自律走行の設定や、GPSの初期設定などを行うためのインターフェースである。
また、操作パネル11に設けられた表示部112は、制御装置141の処理部110におけるデータ処理の状況や、操作部111により入力された各種設定を表示する。また、後述するが、車両に撮影装置を備えたときには、表示部112に設けられたモニタに画像が写し出されるようにすることもできる。
【0021】
基準局ユニット104も移動局ユニット103と略同じ構成であり、GPSアンテナ114、GPS受信部115、処理部116、操作部117、表示部118、無線部119などで構成される。なお、処理部116、操作部117、表示部118、無線部119は無線操作手段133に具備されている。
【0022】
無線操作手段133は操縦者が携帯し、散布作業車1から離れた位置から各種の操作を行うためのものである。より具体的には、散布作業車1の自律走行の開始・停止、エンジンの停止、側方ブーム42L・42Rの開閉、ブーム40の昇降などを該無線操作手段133により行うことができるよう構成されている。
【0023】
次に、散布作業車1における自律走行システムを説明する。
自律走行システムは、前述のGPS装置の他、自律走行プログラムや、散布作業車1の種々の情報を検出する内界センサ122、株倣いセンサ201、自律走行・作業をするための自律操作手段124などからなる。
【0024】
ある時刻にGPS衛星125からの電波信号は、散布作業車1に設けられた移動局ユニット103のGPSアンテナ108により受信され、GPS受信部109を経て制御装置141の処理部110に送信される。
一方、前記GPS衛星125から同時刻に発信された電波信号は、圃場付近に設置された基準局ユニット104のGPSアンテナ114によっても受信され、GPS受信部115を経て制御装置141に送信される。さらに、無線操作手段133の無線部119から、制御装置141の無線部113に無線送信される。
【0025】
制御装置141の処理部110では、前記基準局ユニット104において受信された電波信号と、移動局ユニット103の位置計算結果とを比較対照し、同時刻に発信された電波信号がGPSアンテナ108及びGPSアンテナ114で受信されたときの位相差や、複数のGPS衛星125・125・・・からの電波信号情報に基づき、移動局ユニット103と基準局ユニット104との対車両位置を計算して、移動局ユニット103の位置計算を行う。上記の計算は処理部110に格納された自律走行プログラムにより行われる。
【0026】
さらに、内界センサ122、株倣いセンサ201からの検知信号、及びGPS装置による散布作業車1の位置情報に基づき、散布作業車1の速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角などを自律操作するための信号が自律操作手段124に送信される。
該自律操作手段124は、より具体的には、ステアリング駆動アクチュエータ219やステアリング駆動電磁弁(図示せず)、ブーム昇降用シリンダ38、ブーム開閉用シリンダ43、ブーム水平制御用シリンダ39、アクセルアクチュエータ、主クラッチ用アクチュエータなどである。
【0027】
上述の自律走行システムでは、GPS装置により散布作業車1の自律走行制御を行うのみならず、GPS装置により得られた位置データを利用して、圃場のデータを作成している。
【0028】
上述の如く、GPS装置では同時刻に発信された電波信号がGPSアンテナ108及びGPSアンテナ114で受信されたときの位相差や、複数のGPS衛星125・125・・・からの電波信号情報に基づき、移動局ユニット103と基準局ユニット104との対車両位置を計算して、移動局ユニット103の位置計算を行っている。このようにして得られた移動局ユニット103のGPSアンテナ108の位置を移動点(X,Y,Z)とする。
【0029】
散布作業車1は、散布作業中に算出された移動点(X,Y,Z)の情報を、無線操作手段133に送信し、これらがメモリに記憶され蓄積される。図8に示す如く、GPSアンテナ108の高さ変動、すなわち、Z成分の変動G1は、散布作業車1の車輪が走行する圃場の高さ変動G0でもあり、移動点(X,Y,Z)の情報により圃場の凹凸マップを作成することができる。凹凸マップは、例えば、図7に示すようなものである。
【0030】
凹凸マップから、圃場の軟弱地を推測することができる。圃場は予め耕耘作業で均された状態で作物の植付作業が行われるため、凹凸マップに示される誤差範囲外の凹凸のある箇所では、土地の硬軟により散布作業車1の車輪が地中に沈下したことが予測される。よって、凹凸マップによる情報から、来期の耕耘作業時に、軟弱地の補強や、盛り土等の均平整備を行い圃場の整備効率・能率を向上させることができる。その結果、水田での水位のばらつきを低減させることができて田植え時の植付深さを安定させることができ、機械の走行を安定化させ、作業が安定して行えるため作物の収穫率や生育能率の向上が期待される。
【0031】
また、移動点(X,Y,Z)の高さ変動、すなわち、Z成分の変動の検出を基に、薬剤が吐出されるノズル23・23・・・を設けたブーム40の高さ位置を散布作業に適した位置に保持されるように最適ブーム高保持制御している。
【0032】
前述の如くブーム40は昇降リンク装置37を介して車両本体側に昇降可能に取り付けられており、ブーム40は昇降リンク装置37に具備されるブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの伸縮により昇降駆動される。
ブーム昇降用シリンダ38の制御回路は、制御装置141に電気的に接続されており、制御装置141からの信号によりブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの伸縮が制御されている。そして、昇降リンク装置37を構成するリンクに設けられた回動角検出手段60により、リンクの回動を検出することにより、車両に対するブーム40の高さである対車両ブーム高HKを算出して、さらに、該対車両ブーム高HKとGPS装置により決定される移動点(X,Y,Z)の情報によりブーム40の座標(XBOOM,YBOOM,ZBOOM)を算出できるようにしている。なお、本実施例では前方ブーム41の左右略中央をブーム40の座標(XBOOM,YBOOM,ZBOOM)としている。
【0033】
ブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの伸縮駆動は、該対車両ブーム高HKとシリンダアーム長との関係を決定するマップが予め記憶されており、該マップに基づいて行われる。なお、対車両ブーム高HKはGPSアンテナ108から、ブーム40までの高さ方向(Z方向)の距離とする。
【0034】
次に、前記最適ブーム高保持制御について説明する。
なお、作物高HCは、地面から作物の散布目標高さまでの距離とし、作物高HCに対し最適なノズル位置となるブーム40の作物高HCからの距離が対作物ブーム高HNとする。
【0035】
対作物ブーム高HNは散布する薬剤の種類や作物の状態により変更することが好ましい。また、散布作業車1が走行する地面の状態(例えば、地の硬軟)により、対地車両高HGは変化する。
対地車両高HGの変化は、GPS装置によって決定されるGPSアンテナ108の移動点(X,Y,Z)の高さ方向(Z方向)の情報より検出することができる。対地車両高HGが変化したにも関わらず、対車両ブーム高HKを一定のまま散布作業を続けたのでは、対作物ブーム高HNが変化して良好な散布状態が崩れることになる。
そこで、対地車両高HGの変化に応じて、対車両ブーム高HKを変更することで、対作物ブーム高HNを略一定に保持することによって、散布ムラや過剰散布することなく良好に薬液が散布されるようにして、薬効を均一化させ、作用ムラを低減させることができるようにしている。
【0036】
散布作業車1による散布作業を開始する前に、設定手段142(図4)により予め、散布作業車1が圃場のある一点に存在するときのGPSアンテナ108の座標を基準点(Xset,Yset,Zset)として設定登録し、該基準点(Xset,Yset,Zset)において散布作業車1のブーム40が散布作業に最適なブーム高さを最適対車両ブーム高HKsetとして設定登録する。最適対車両ブーム高HKsetは作物高HCから対作物ブーム高HNだけ上方であり、この制御において、作物高HCから対作物ブーム高HNは一定であるとされる。
【0037】
まず、基準局ユニット104及び移動局ユニット103のGPSアンテナ108・114により検出された情報からGPS装置により移動点(X,Y,Z)の座標が算出される。移動点(X,Y,Z)の座標と基準点(Xset,Yset,Zset)の座標からZ方向成分を比較して、Z方向の移動量ΔZ(ΔZ=Zset−Z)を算出する。移動量ΔZは基準点(Xset,Yset,Zset)から移動点(X,Y,Z)へ移動した散布作業車1の対地車両高HGの変化量となる。
次に、移動量ΔZが不感帯にあるか否かを判断する(−ΔZ0≦ΔZ≦+ΔZ0)。不感帯の範囲内にあれば、対車両ブーム高HKは変更しない。
【0038】
移動量ΔZが不感帯の範囲にないときは、対車両ブーム高HKを変更する。対車両ブーム高HKは対地車両高HGの移動量ΔZと同量変更される。
移動量ΔZに対応するブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの操作量は予め制御装置141に記憶されたマップに基づいて決定され、制御装置141より操作信号が送信される。
【0039】
上述の最適ブーム高保持制御では、地面からブーム40の距離を検出するために専用のセンサを設けずとも、対作物ブーム高HNが一定になるようにブーム高を制御することができる。
【0040】
次に、最適ブーム高保持制御の第二形態について説明する。
ここでは、作物高HCを検出する作物高検出センサ61を用いて、作物高HCの変化に応じてノズル位置が散布効率の最も良くなる位置になるように対車両ブーム高HKを変更制御して、対作物ブーム高HNを略一定に保持できるようにしている。さらに、作物高検出センサ61によって得られた作物高HCの情報と、GPS装置によって得られたブーム位置座標(XBOOM,YBOOM,ZBOOM)を関連付けて、ともに記録手段に記録するようにしている。
【0041】
上述の如く測定され記録された作物高HCのデータより作物の生育状態を知ることができる。同一時期に播種、或いは、移植された作物の生育にばらつきが生じるのは、作物の生育に影響を与える他条件(気象・水管理・施肥等)が同一であるならば、地力の差が原因であると推測される。そこで、散布作業時に作物高HCの測定データを作物の位置座標(XC,YC,ZC)とを関連付けて記録することで、圃場の各位置での作物高HCデータマップを作成することができ、追肥位置の決定や翌年の基肥量調整のために利用することができる。
【0042】
図9に示す如く、ブーム40のうち前方ブーム41にステー207を介して作物高検出センサ61を設けている。作物高検出センサ61は、昇降リンク装置37によりブーム40と一体となって上下昇降される。
本実施例では、作物高検出センサ61として、上下に配置された二組のフォトセンサ(上センサ61a・下センサ61b)を利用している。下センサ61bは、ブーム40より対作物ブーム高HNだけ下方に取り付けられている。上センサ61a及び下センサ61bは、それぞれにおいてセンサ61a・61bから略水平方向に発光するとともに、作物により反射された反射光を検出しており、上センサ61aで反射光が検出されず、且つ、下センサ61bで反射光を検出した位置における下センサ61bの高さ位置を作物高HCと判断する。なお、センサ61a・61bでの検出値に不感帯を設定することによって、センサ61a・61bで作物の密集しはじめる高さを確実に検出することができるようにしている。また、センサ61a・61bは上下取付位置を変更可能として、作物やノズル等に合わせて高さを調節できるようにしている。
【0043】
散布作業の開始時には、一旦ブーム40を最高位置まで上昇させてから降下させる。ブーム40の降下開始時は、作物高検出センサ61の上センサ61a及び下センサ61bとも反射光が検出されない状態であり、ブーム40の降下中に、下センサ61bにより初めて作物の存在が検出された高さでブーム40の降下が停止され、このときの下センサ61bの高さが作物高HCとされ、作物高HCから対作物ブーム高HNだけ上方にブーム40に取り付けられたノズル23・23・・・が位置することになる。
【0044】
散布作業中には、常に作物高検出センサ61の上センサ61a及び下センサ61bによる反射光の検出が行われ、作物高HCが変化すると、該作物高HCの変化に応じてブーム40が上下昇降制御されて対作物ブーム高HNが一定に保持されるようにしている。
作物高HCが高くなって上センサ61a及び下センサ61bで作物の存在が検出されれば、ブーム40は上昇駆動され、上センサ61aが作物の存在を検出しなくなった点でブームの上昇が停止される。また、作物高HCが低くなって上センサ61a及び下センサ61bで作物の存在が検出されなくなれば、ブーム40は降下駆動され、下センサ61bが作物の存在を検出した点でブーム40の降下が停止される。
【0045】
散布作業中は、GPS装置で取得した移動点(X,Y,Z)の座標と、回動角検出手段60により得られたリンクの回動量と散布作業車1のサイズからブーム40に取り付けられた作物高検出センサ61の下センサ61bの位置座標(XC,YC,ZC)が算出され、記録手段により記録される。下センサ61bの高さ位置は、すなわち、作物高HCであり(ZC=HC)、下センサ61bの位置座標(XC,YC,ZC)のデータにより、圃場における作物高HCのデータマップを作成することができる。
【0046】
さらに、詳細に作物の生育状況を画像として捉えるためには、撮影装置62を搭載することもできる。
図10に示す如く、撮影装置62をブーム40にステー63を介して取り付けている。該撮影装置62ではブーム40前方に位置する作物を撮影し、得られた画像は操作パネル11及び無線操作手段133に設けられたモニタで見ることができ、さらに、記録手段により記録される。画像には、GPS装置で取得した移動点(X,Y,Z)の座標と、回動角検出手段60により得られたリンクの回動量と散布作業車1のサイズから算出された撮影装置62の位置座標(XP,YP,ZP)が、関連付けられた状態で記録され、画像とともに撮影場所を、また、撮影場所とともに画像を読み出すことができるようにしている。
【0047】
上述の如く撮影装置62により得られた画像から作物の葉色等を確認することができる。そして、画像に関連付けられた撮影装置62の座標から圃場内の葉色不良等を生じている場所が検出され、これらの情報は追肥位置の決定や来年の基肥量調整に利用することができる。また、病虫害や雑草の確認もできる。
【0048】
また、撮影装置62とGPSアンテナ108の代わりに、撮影機能及びGPS機能を搭載した携帯電話64を利用することができる。
図11に示す如く、ブーム40のうち前方ブーム41にステー65を介して携帯電話64が取り付けられている。携帯電話64には電源供給及び情報取出のためのケーブル66が着脱可能に接続されている。携帯電話64に搭載されたGPS機能を利用して、該GPS機能で受信した位置情報が制御装置141に伝達される。また、携帯電話64の撮影機能を利用して撮影されたブーム40前方の映像情報が制御装置141に伝達されてRAMに記憶されるか、無線装置を介して無線操作手段133に伝達されてRAMに記憶される。さらに、携帯電話64の撮影機能により得られた映像情報は、電話通信機能を利用して、他のパソコン等に送信することもできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0050】
即ち、請求項1に示す如く、薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、昇降リンク装置に設けた回動検出手段により検出した対車両ブーム高と、GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と、設定した対作物ブーム高とから、対作物ブーム高を一定に保持するよう制御するので、ブーム高検出専用のセンサを設けることなくブーム高を検出することができ、良好な散布状態を保持することができる。
【0051】
請求項2に示す如く、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、GPS装置により検出した車両高さ位置より、圃場凹凸データマップを作成するので、圃場の状態を知ることができ、圃場管理に利用することができる。
【0052】
請求項3に示す如く、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、作物高を検出する作物高検出センサをブームに設け、作物とノズルとの距離を略一定に保持するようブーム高を制御するので、対作物ブーム高を保持することで良好な散布状態を保持することができ散布ムラや過散布を防止することができる。
【0053】
請求項4に示す如く、請求項3に記載の散布作業車において、前記GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と該座標に対応するブーム高のデータを記憶し、取出し可能とするので、圃場の各ポイントにおける作物の生育状態を把握することが可能となり、また、圃場の状態を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る散布作業車の全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】自律走行機構を示す模式図。
【図4】自律走行機構を示すブロック図。
【図5】最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図。
【図6】同じく正面図。
【図7】凹凸マップの一例を示す図。
【図8】車両の沈下を示す側面図。
【図9】作物高検出センサを用いた最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図。
【図10】撮影装置を装備した散布作業車の側面図。
【図11】GPS機能及び撮影機能を搭載した携帯電話を装備した散布作業車を示す側面図。
【符号の説明】
1 散布作業車
7 前輪
22 走行車両
23 ノズル
24 薬液タンク
37 昇降リンク装置
38 ブーム昇降用シリンダ
40 ブーム
41 前方ブーム
42L・42R 側方ブーム
60 回動角検出手段
61 作物高検出センサ
103 (GPS)移動局ユニット
104 (GPS)基準局ユニット
108 GPSアンテナ
141 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、自律的に作業を行う農業用作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行車両の自律走行式ガイドレス誘導制御技術として、GPS(Global Positioning System)装置、ジャイロ、視覚認識装置などを用いて、自車の位置を決定し、車載コンピュータ内に記憶されたレイアウトマップを利用して、目標経路を走行する技術が知られている。
自律走行を行う走行車両としては、耕耘機を備えたトラクタや、散布機を搭載した散布作業機などの農業作業車が知られている。このような農業用作業車は、圃場内の作業開始地点まではオペレータが農業用作業車を運転する。そして、オペレータは作業開始地点に到達後、該作業車から降りて圃場の外に退出し、作業車は自律走行・作業を開始する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く自律走行を行う散布作業車による散布作業中に、耕盤の硬軟により車輪が沈降したり、耕盤に生じた凹凸により車高が変化したりして、薬液の噴霧口であるノズルの作物に対する高さ(位置)が変化してしまうことがあり、散布過多や散布ムラの原因となることが予想される。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、昇降リンク装置に設けた回動検出手段により検出した対車両ブーム高と、GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と、設定した対作物ブーム高とから、対作物ブーム高を一定に保持するよう制御するものである。
【0006】
請求項2においては、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、GPS装置により検出した車両高さ位置より、圃場凹凸データマップを作成するものである。
【0007】
請求項3においては、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、作物高を検出する作物高検出センサをブームに設け、作物とノズルとの距離を略一定に保持するようブーム高を制御するものである。
【0008】
請求項4においては、請求項3に記載の散布作業車において、前記GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と該座標に対応するブーム高のデータを記憶し、取出し可能とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る散布作業車の全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は自律走行機構を示す模式図、図4は自律走行機構を示すブロック図である。
図5は最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図、図6は同じく正面図、図7は凹凸マップの一例を示す図、図8は車両の沈下を示す側面図である。
図9は作物高検出センサを用いた最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図、図10は撮影装置を装備した散布作業車の側面図、図11はGPS機能及び撮影機能を搭載した携帯電話を装備した散布作業車を示す側面図である。
【0010】
まず、本実施例に係る散布作業車1について、図1及び図2を用いて説明する。
散布作業車1は乗用型の走行車両22と、該走行車両22の前部及び側部に配設されたブーム部35と、該走行車両の後部に配設されたポンプ部36と、該ポンプ部36の前部に配設された薬液タンク24等で構成されている。
【0011】
前記走行車両22の前端より後方へ向けて、左右一対のメインフレーム6L・6Rが平行に水平方向に延設され、該メインフレーム6L・6Rの前部下方にはフロントアクスルケース92Fを介して前輪7・7が支承され、後部下方にはリアアクスルケース92Rを介して後輪8・8が支承されている。
また、メインフレーム6L・6R上であって走行車両22前部にはエンジン9を被覆するボンネット10が配設されている。該ボンネット10後方のカバー上に操作パネル11が設けられており、該操作パネル11の上方には操向ハンドル12が設けられて、操作パネル11及び操向ハンドル12等で散布作業車1の操縦部を構成している。
【0012】
また、メインフレーム6L・6R後部上には薬液タンク24が配設されており、該薬液タンク24の前部中央には運転席14が形成されて、該薬液タンク24によって側部と後部を取り囲まれるように載置されている。そして、薬液タンク24とボンネット10の間にはステップ13が設けられ、該ステップ13に乗降するための乗降ステップ56・56がメインフレーム6L・6Rに取り付けられている。
【0013】
前記ブーム部35は、薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・を有するブーム40と、該ブーム40の昇降や展開を行うための機構より構成されている。
ブーム40は走行車両22の前方に位置する前方ブーム41と、該前方ブーム41の両端に枢支され、折畳み可能に側方に延設されている左右の側方ブーム42L・42Rから構成されている。そして、該ブーム40には薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・が一定間隔をおいて配設されている。
そして、前方ブーム41と側方ブーム42L・42Rの間には、それぞれブーム開閉用シリンダ43・43が介装され、該ブーム開閉用シリンダ43・43を伸縮させることによって、側方ブーム42L・42Rを前方ブーム41と略一直線となるよう左右水平方向へ延設した作業位置と、前後方向で後ろ上がりに位置させた収納位置に回動可能としている。
【0014】
また、平行リンクにより前方ブーム41とメインフレーム6L・6Rの前部の間が連結され、該平行リンクの一方とメインフレーム6L・6Rの間にブーム昇降用シリンダ38・38を介装し、該ブーム昇降用シリンダ38・38を伸縮させることによってブーム40を上下昇降可能とした昇降リンク装置37が構成されている。
さらに、前方ブーム41の左右略中央が昇降リンク装置37に対して左右傾倒可能に支持され、該前方ブーム41と昇降リンク装置37の間にブーム水平制御用シリンダ39を介装して、走行車両22が傾いてもブーム40が略水平姿勢を保持するようブーム40を水平制御する構成としている。
【0015】
前記ポンプ部36は、エンジン9から動力を得て薬液タンク24内の薬液をノズル23・23・・・へ圧送する噴霧ポンプ4と、該噴霧ポンプ4から吐出される薬液の制御に関わる散布量制御装置3等で構成されている。
噴霧ポンプ4は、走行車両22の後部に延設したサブフレーム52L・52R上に支持部材を介して該噴霧ポンプ4のクランクケースに内装されたクランク軸が車両前後方向に位置するよう配設され、該クランクケースの右上部にはエアチャンバや安全弁等が設けられている。
また、散布量制御装置3は、流量制御弁や、該流量制御弁の開閉に関わるモータ等より構成され、噴霧ポンプ4のクランクケース周囲に配設されている。
【0016】
上述の如く構成される散布作業車1は、ブーム40を広げた状態で走行車両22により圃場を走行すると同時に、薬液タンク24内の薬液が、ポンプ部36により調量されるとともにブーム部35に圧送されてブーム40に設けられたノズル23・23・・・から散布され、薬液散布作業を行う。
そして、散布作業車1は、操縦者が車両に搭乗して操向ハンドル12や操作レバー等を操作して操向する手動走行モードと、操縦者が車両に搭乗せずにGPS装置(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して車両の位置情報を得て自律操向プログラムにより圃場を走行しながら薬液散布作業を行う自律走行モードをスイッチ等で選択することが可能に構成されている。
【0017】
次に、前記散布作業車1のGPS装置を利用した自律走行について説明する。
図3及び図4に示す如く、GPS装置は、主に、散布作業車1本体に搭載される移動局ユニット103と、水田などの圃場の近くに設置される基準局ユニット104からなる。該基準局ユニット104は地面に固定された基準局の役割を果たし、移動局ユニット103は位置を求めようとする移動局(観測点)として機能する。
【0018】
図1、図2及び図5に示す如く、前記GPS装置のうち移動局ユニット103は、散布作業車1に立設された正面視門型のフレーム105に取り付けられたGPSアンテナ108の他、GPS受信部109、制御装置141に具備される処理部110及び無線部113、操作パネル11に具備される操作部111、表示部112、などで構成される。
GPSアンテナ108で受信されたGPS衛星からの電波信号は、ケーブルでGPS受信部109を経て制御装置141の処理部110に送信される。
制御装置141に設けられた無線部113は、基準局ユニット104及び操縦者が携帯する無線操作手段133と、移動局ユニット103とが無線交信するためのものである。
【0019】
そして、前記制御装置141はCPU、RAM、ROM等で構成され、CPUは制御・演算手段として、RAM及びROMは記録・読出手段として機能している。該制御装置141には操作パネル11、内界センサ122、ステアリング駆動アクチュエータ219・クラッチアクチュエータ・アクセルアクチュエータ等を操作する制御回路等が接続されて、散布作業車1の操向制御や、散布制御を行っている。
前記ステアリング駆動アクチュエータ219は制御装置141の制御を受けて駆動され、自律走行時に操向ハンドル12に連結したステアリング軸12aを回動させる。
前記内界センサ122は、速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角など、散布作業車1を自律走行させる上で必要な情報を検知するためのセンサ類を指す。より具体的には、エンジン回転数センサ、車速センサ、操舵角センサ、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどである。これら内界センサ122からの検知信号は、制御装置141に送信される。
【0020】
操作パネル11に設けられた操作部111は、手動走行時における散布量等の設定や、自律走行の設定や、GPSの初期設定などを行うためのインターフェースである。
また、操作パネル11に設けられた表示部112は、制御装置141の処理部110におけるデータ処理の状況や、操作部111により入力された各種設定を表示する。また、後述するが、車両に撮影装置を備えたときには、表示部112に設けられたモニタに画像が写し出されるようにすることもできる。
【0021】
基準局ユニット104も移動局ユニット103と略同じ構成であり、GPSアンテナ114、GPS受信部115、処理部116、操作部117、表示部118、無線部119などで構成される。なお、処理部116、操作部117、表示部118、無線部119は無線操作手段133に具備されている。
【0022】
無線操作手段133は操縦者が携帯し、散布作業車1から離れた位置から各種の操作を行うためのものである。より具体的には、散布作業車1の自律走行の開始・停止、エンジンの停止、側方ブーム42L・42Rの開閉、ブーム40の昇降などを該無線操作手段133により行うことができるよう構成されている。
【0023】
次に、散布作業車1における自律走行システムを説明する。
自律走行システムは、前述のGPS装置の他、自律走行プログラムや、散布作業車1の種々の情報を検出する内界センサ122、株倣いセンサ201、自律走行・作業をするための自律操作手段124などからなる。
【0024】
ある時刻にGPS衛星125からの電波信号は、散布作業車1に設けられた移動局ユニット103のGPSアンテナ108により受信され、GPS受信部109を経て制御装置141の処理部110に送信される。
一方、前記GPS衛星125から同時刻に発信された電波信号は、圃場付近に設置された基準局ユニット104のGPSアンテナ114によっても受信され、GPS受信部115を経て制御装置141に送信される。さらに、無線操作手段133の無線部119から、制御装置141の無線部113に無線送信される。
【0025】
制御装置141の処理部110では、前記基準局ユニット104において受信された電波信号と、移動局ユニット103の位置計算結果とを比較対照し、同時刻に発信された電波信号がGPSアンテナ108及びGPSアンテナ114で受信されたときの位相差や、複数のGPS衛星125・125・・・からの電波信号情報に基づき、移動局ユニット103と基準局ユニット104との対車両位置を計算して、移動局ユニット103の位置計算を行う。上記の計算は処理部110に格納された自律走行プログラムにより行われる。
【0026】
さらに、内界センサ122、株倣いセンサ201からの検知信号、及びGPS装置による散布作業車1の位置情報に基づき、散布作業車1の速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角などを自律操作するための信号が自律操作手段124に送信される。
該自律操作手段124は、より具体的には、ステアリング駆動アクチュエータ219やステアリング駆動電磁弁(図示せず)、ブーム昇降用シリンダ38、ブーム開閉用シリンダ43、ブーム水平制御用シリンダ39、アクセルアクチュエータ、主クラッチ用アクチュエータなどである。
【0027】
上述の自律走行システムでは、GPS装置により散布作業車1の自律走行制御を行うのみならず、GPS装置により得られた位置データを利用して、圃場のデータを作成している。
【0028】
上述の如く、GPS装置では同時刻に発信された電波信号がGPSアンテナ108及びGPSアンテナ114で受信されたときの位相差や、複数のGPS衛星125・125・・・からの電波信号情報に基づき、移動局ユニット103と基準局ユニット104との対車両位置を計算して、移動局ユニット103の位置計算を行っている。このようにして得られた移動局ユニット103のGPSアンテナ108の位置を移動点(X,Y,Z)とする。
【0029】
散布作業車1は、散布作業中に算出された移動点(X,Y,Z)の情報を、無線操作手段133に送信し、これらがメモリに記憶され蓄積される。図8に示す如く、GPSアンテナ108の高さ変動、すなわち、Z成分の変動G1は、散布作業車1の車輪が走行する圃場の高さ変動G0でもあり、移動点(X,Y,Z)の情報により圃場の凹凸マップを作成することができる。凹凸マップは、例えば、図7に示すようなものである。
【0030】
凹凸マップから、圃場の軟弱地を推測することができる。圃場は予め耕耘作業で均された状態で作物の植付作業が行われるため、凹凸マップに示される誤差範囲外の凹凸のある箇所では、土地の硬軟により散布作業車1の車輪が地中に沈下したことが予測される。よって、凹凸マップによる情報から、来期の耕耘作業時に、軟弱地の補強や、盛り土等の均平整備を行い圃場の整備効率・能率を向上させることができる。その結果、水田での水位のばらつきを低減させることができて田植え時の植付深さを安定させることができ、機械の走行を安定化させ、作業が安定して行えるため作物の収穫率や生育能率の向上が期待される。
【0031】
また、移動点(X,Y,Z)の高さ変動、すなわち、Z成分の変動の検出を基に、薬剤が吐出されるノズル23・23・・・を設けたブーム40の高さ位置を散布作業に適した位置に保持されるように最適ブーム高保持制御している。
【0032】
前述の如くブーム40は昇降リンク装置37を介して車両本体側に昇降可能に取り付けられており、ブーム40は昇降リンク装置37に具備されるブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの伸縮により昇降駆動される。
ブーム昇降用シリンダ38の制御回路は、制御装置141に電気的に接続されており、制御装置141からの信号によりブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの伸縮が制御されている。そして、昇降リンク装置37を構成するリンクに設けられた回動角検出手段60により、リンクの回動を検出することにより、車両に対するブーム40の高さである対車両ブーム高HKを算出して、さらに、該対車両ブーム高HKとGPS装置により決定される移動点(X,Y,Z)の情報によりブーム40の座標(XBOOM,YBOOM,ZBOOM)を算出できるようにしている。なお、本実施例では前方ブーム41の左右略中央をブーム40の座標(XBOOM,YBOOM,ZBOOM)としている。
【0033】
ブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの伸縮駆動は、該対車両ブーム高HKとシリンダアーム長との関係を決定するマップが予め記憶されており、該マップに基づいて行われる。なお、対車両ブーム高HKはGPSアンテナ108から、ブーム40までの高さ方向(Z方向)の距離とする。
【0034】
次に、前記最適ブーム高保持制御について説明する。
なお、作物高HCは、地面から作物の散布目標高さまでの距離とし、作物高HCに対し最適なノズル位置となるブーム40の作物高HCからの距離が対作物ブーム高HNとする。
【0035】
対作物ブーム高HNは散布する薬剤の種類や作物の状態により変更することが好ましい。また、散布作業車1が走行する地面の状態(例えば、地の硬軟)により、対地車両高HGは変化する。
対地車両高HGの変化は、GPS装置によって決定されるGPSアンテナ108の移動点(X,Y,Z)の高さ方向(Z方向)の情報より検出することができる。対地車両高HGが変化したにも関わらず、対車両ブーム高HKを一定のまま散布作業を続けたのでは、対作物ブーム高HNが変化して良好な散布状態が崩れることになる。
そこで、対地車両高HGの変化に応じて、対車両ブーム高HKを変更することで、対作物ブーム高HNを略一定に保持することによって、散布ムラや過剰散布することなく良好に薬液が散布されるようにして、薬効を均一化させ、作用ムラを低減させることができるようにしている。
【0036】
散布作業車1による散布作業を開始する前に、設定手段142(図4)により予め、散布作業車1が圃場のある一点に存在するときのGPSアンテナ108の座標を基準点(Xset,Yset,Zset)として設定登録し、該基準点(Xset,Yset,Zset)において散布作業車1のブーム40が散布作業に最適なブーム高さを最適対車両ブーム高HKsetとして設定登録する。最適対車両ブーム高HKsetは作物高HCから対作物ブーム高HNだけ上方であり、この制御において、作物高HCから対作物ブーム高HNは一定であるとされる。
【0037】
まず、基準局ユニット104及び移動局ユニット103のGPSアンテナ108・114により検出された情報からGPS装置により移動点(X,Y,Z)の座標が算出される。移動点(X,Y,Z)の座標と基準点(Xset,Yset,Zset)の座標からZ方向成分を比較して、Z方向の移動量ΔZ(ΔZ=Zset−Z)を算出する。移動量ΔZは基準点(Xset,Yset,Zset)から移動点(X,Y,Z)へ移動した散布作業車1の対地車両高HGの変化量となる。
次に、移動量ΔZが不感帯にあるか否かを判断する(−ΔZ0≦ΔZ≦+ΔZ0)。不感帯の範囲内にあれば、対車両ブーム高HKは変更しない。
【0038】
移動量ΔZが不感帯の範囲にないときは、対車両ブーム高HKを変更する。対車両ブーム高HKは対地車両高HGの移動量ΔZと同量変更される。
移動量ΔZに対応するブーム昇降用シリンダ38のシリンダアームの操作量は予め制御装置141に記憶されたマップに基づいて決定され、制御装置141より操作信号が送信される。
【0039】
上述の最適ブーム高保持制御では、地面からブーム40の距離を検出するために専用のセンサを設けずとも、対作物ブーム高HNが一定になるようにブーム高を制御することができる。
【0040】
次に、最適ブーム高保持制御の第二形態について説明する。
ここでは、作物高HCを検出する作物高検出センサ61を用いて、作物高HCの変化に応じてノズル位置が散布効率の最も良くなる位置になるように対車両ブーム高HKを変更制御して、対作物ブーム高HNを略一定に保持できるようにしている。さらに、作物高検出センサ61によって得られた作物高HCの情報と、GPS装置によって得られたブーム位置座標(XBOOM,YBOOM,ZBOOM)を関連付けて、ともに記録手段に記録するようにしている。
【0041】
上述の如く測定され記録された作物高HCのデータより作物の生育状態を知ることができる。同一時期に播種、或いは、移植された作物の生育にばらつきが生じるのは、作物の生育に影響を与える他条件(気象・水管理・施肥等)が同一であるならば、地力の差が原因であると推測される。そこで、散布作業時に作物高HCの測定データを作物の位置座標(XC,YC,ZC)とを関連付けて記録することで、圃場の各位置での作物高HCデータマップを作成することができ、追肥位置の決定や翌年の基肥量調整のために利用することができる。
【0042】
図9に示す如く、ブーム40のうち前方ブーム41にステー207を介して作物高検出センサ61を設けている。作物高検出センサ61は、昇降リンク装置37によりブーム40と一体となって上下昇降される。
本実施例では、作物高検出センサ61として、上下に配置された二組のフォトセンサ(上センサ61a・下センサ61b)を利用している。下センサ61bは、ブーム40より対作物ブーム高HNだけ下方に取り付けられている。上センサ61a及び下センサ61bは、それぞれにおいてセンサ61a・61bから略水平方向に発光するとともに、作物により反射された反射光を検出しており、上センサ61aで反射光が検出されず、且つ、下センサ61bで反射光を検出した位置における下センサ61bの高さ位置を作物高HCと判断する。なお、センサ61a・61bでの検出値に不感帯を設定することによって、センサ61a・61bで作物の密集しはじめる高さを確実に検出することができるようにしている。また、センサ61a・61bは上下取付位置を変更可能として、作物やノズル等に合わせて高さを調節できるようにしている。
【0043】
散布作業の開始時には、一旦ブーム40を最高位置まで上昇させてから降下させる。ブーム40の降下開始時は、作物高検出センサ61の上センサ61a及び下センサ61bとも反射光が検出されない状態であり、ブーム40の降下中に、下センサ61bにより初めて作物の存在が検出された高さでブーム40の降下が停止され、このときの下センサ61bの高さが作物高HCとされ、作物高HCから対作物ブーム高HNだけ上方にブーム40に取り付けられたノズル23・23・・・が位置することになる。
【0044】
散布作業中には、常に作物高検出センサ61の上センサ61a及び下センサ61bによる反射光の検出が行われ、作物高HCが変化すると、該作物高HCの変化に応じてブーム40が上下昇降制御されて対作物ブーム高HNが一定に保持されるようにしている。
作物高HCが高くなって上センサ61a及び下センサ61bで作物の存在が検出されれば、ブーム40は上昇駆動され、上センサ61aが作物の存在を検出しなくなった点でブームの上昇が停止される。また、作物高HCが低くなって上センサ61a及び下センサ61bで作物の存在が検出されなくなれば、ブーム40は降下駆動され、下センサ61bが作物の存在を検出した点でブーム40の降下が停止される。
【0045】
散布作業中は、GPS装置で取得した移動点(X,Y,Z)の座標と、回動角検出手段60により得られたリンクの回動量と散布作業車1のサイズからブーム40に取り付けられた作物高検出センサ61の下センサ61bの位置座標(XC,YC,ZC)が算出され、記録手段により記録される。下センサ61bの高さ位置は、すなわち、作物高HCであり(ZC=HC)、下センサ61bの位置座標(XC,YC,ZC)のデータにより、圃場における作物高HCのデータマップを作成することができる。
【0046】
さらに、詳細に作物の生育状況を画像として捉えるためには、撮影装置62を搭載することもできる。
図10に示す如く、撮影装置62をブーム40にステー63を介して取り付けている。該撮影装置62ではブーム40前方に位置する作物を撮影し、得られた画像は操作パネル11及び無線操作手段133に設けられたモニタで見ることができ、さらに、記録手段により記録される。画像には、GPS装置で取得した移動点(X,Y,Z)の座標と、回動角検出手段60により得られたリンクの回動量と散布作業車1のサイズから算出された撮影装置62の位置座標(XP,YP,ZP)が、関連付けられた状態で記録され、画像とともに撮影場所を、また、撮影場所とともに画像を読み出すことができるようにしている。
【0047】
上述の如く撮影装置62により得られた画像から作物の葉色等を確認することができる。そして、画像に関連付けられた撮影装置62の座標から圃場内の葉色不良等を生じている場所が検出され、これらの情報は追肥位置の決定や来年の基肥量調整に利用することができる。また、病虫害や雑草の確認もできる。
【0048】
また、撮影装置62とGPSアンテナ108の代わりに、撮影機能及びGPS機能を搭載した携帯電話64を利用することができる。
図11に示す如く、ブーム40のうち前方ブーム41にステー65を介して携帯電話64が取り付けられている。携帯電話64には電源供給及び情報取出のためのケーブル66が着脱可能に接続されている。携帯電話64に搭載されたGPS機能を利用して、該GPS機能で受信した位置情報が制御装置141に伝達される。また、携帯電話64の撮影機能を利用して撮影されたブーム40前方の映像情報が制御装置141に伝達されてRAMに記憶されるか、無線装置を介して無線操作手段133に伝達されてRAMに記憶される。さらに、携帯電話64の撮影機能により得られた映像情報は、電話通信機能を利用して、他のパソコン等に送信することもできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0050】
即ち、請求項1に示す如く、薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、昇降リンク装置に設けた回動検出手段により検出した対車両ブーム高と、GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と、設定した対作物ブーム高とから、対作物ブーム高を一定に保持するよう制御するので、ブーム高検出専用のセンサを設けることなくブーム高を検出することができ、良好な散布状態を保持することができる。
【0051】
請求項2に示す如く、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、GPS装置により検出した車両高さ位置より、圃場凹凸データマップを作成するので、圃場の状態を知ることができ、圃場管理に利用することができる。
【0052】
請求項3に示す如く、薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、作物高を検出する作物高検出センサをブームに設け、作物とノズルとの距離を略一定に保持するようブーム高を制御するので、対作物ブーム高を保持することで良好な散布状態を保持することができ散布ムラや過散布を防止することができる。
【0053】
請求項4に示す如く、請求項3に記載の散布作業車において、前記GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と該座標に対応するブーム高のデータを記憶し、取出し可能とするので、圃場の各ポイントにおける作物の生育状態を把握することが可能となり、また、圃場の状態を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る散布作業車の全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】自律走行機構を示す模式図。
【図4】自律走行機構を示すブロック図。
【図5】最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図。
【図6】同じく正面図。
【図7】凹凸マップの一例を示す図。
【図8】車両の沈下を示す側面図。
【図9】作物高検出センサを用いた最適ブーム高制御を行う散布作業車の側面図。
【図10】撮影装置を装備した散布作業車の側面図。
【図11】GPS機能及び撮影機能を搭載した携帯電話を装備した散布作業車を示す側面図。
【符号の説明】
1 散布作業車
7 前輪
22 走行車両
23 ノズル
24 薬液タンク
37 昇降リンク装置
38 ブーム昇降用シリンダ
40 ブーム
41 前方ブーム
42L・42R 側方ブーム
60 回動角検出手段
61 作物高検出センサ
103 (GPS)移動局ユニット
104 (GPS)基準局ユニット
108 GPSアンテナ
141 制御装置
Claims (4)
- 薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、
昇降リンク装置に設けた回動検出手段により検出した対車両ブーム高と、GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と、設定した対作物ブーム高とから、対作物ブーム高を一定に保持するよう制御することを特徴とする散布作業車。 - 薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、
GPS装置により検出した車両高さ位置より、圃場凹凸データマップを作成することを特徴とする散布作業車。 - 薬液タンク内の薬液を、走行車両に対し昇降リンク装置を介して昇降可能に設けたブームに備えたノズルより噴霧する散布作業車であって、GPS装置や内界センサ等により自律走行及び自律散布作業を可能としたものにおいて、
作物高を検出する作物高検出センサをブームに設け、作物とノズルとの距離を略一定に保持するようブーム高を制御することを特徴とする散布作業車。 - 請求項3に記載の散布作業車において、
前記GPS装置により検出した車両の所定位置の座標と該座標に対応するブーム高のデータを記憶し、取出し可能とすることを特徴とする散布作業車。
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