JP2004016010A - 農業用作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】GPSやセンサ類を備え、自律的に走行・作業を行う農業用作業車の場合、電波障害や無線装置のトラブルが発生すると、該農業用作業車は正規の自律走行経路を外れて自律走行を続ける場合があった。
【解決手段】GPSユニット102と、内界センサ122とを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車101において、該GPSユニットから得られる高さ方向の位置情報により、農業用作業車が高さ方向に関して大きく変位したときは圃場内の正規の自律走行経路から外れたものと見なし、農業用作業車の自律走行を停止する。
【選択図】 図7
【解決手段】GPSユニット102と、内界センサ122とを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車101において、該GPSユニットから得られる高さ方向の位置情報により、農業用作業車が高さ方向に関して大きく変位したときは圃場内の正規の自律走行経路から外れたものと見なし、農業用作業車の自律走行を停止する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)と、方位センサや傾斜センサ、車速センサなどの内界センサと、株倣いセンサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車の走行作業管理の技術に関する。
詳細には、GPSを用いた自律走行作業中に農業用作業車が正規の自律走行経路から外れた場合に、非常停止させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、既に作物が植わっている圃場において、手動操作により作物株列間を車輪が通過するように走行・作業を行う農業用作業車が知られている。該農業用作業車の例としては、散布機を搭載した散布作業機などが挙げられる。
また、GPSやセンサ類を備え、自律的に走行・作業を行う農業用作業車も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
GPSやセンサ類を備え、自律的に走行・作業を行う農業用作業車の場合、電波障害や無線装置のトラブルが発生すると、該農業用作業車は正規の自律走行経路を外れて自律走行を続ける場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、GPSと、内界センサとを搭載し、処理部により自律的に走行制御して作業を行う農業用作業車であって、
GPSから得られる高さ方向の位置情報と、農業用作業車の高さ変位量とを比較し、設定値以上変位したときは自律走行を停止するように制御したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の側面図、図2は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の平面図、図3は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の正面図、図4は本発明における自律走行システムの模式図、図5は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の斜視図、図6は基準局ユニットを示す図、図7は農業用作業車の圃場上の位置とGPSアンテナの高さとの関係を示す図、図8はPDA表示部の表示例を示す模式図、図9はPDA表示部の別表示例を示す模式図、図10は本発明の農業用作業車による自律走行経路の実施例を示す模式図、図11は本発明における自律走行のフローチャート図、図12は薬液タンクの後面図、図13は薬液配管系統を示す模式図である。
【0007】
まず、本発明に係る農業用作業車の実施の一形態である散布作業機101について、図1から図3を用いて説明する。なお、本発明は本実施例の散布作業機101に限定されるものではなく、圃場を走行しつつ作業を行う農業用作業車に適用可能である。
散布作業機101は乗用型の走行車両22と、該走行車両22の前部及び側部に配設されたブーム部35と、該走行車両の後部に配設されたポンプ部36と、該ポンプ部36の前部に配設された薬液タンク24等で構成されている。
【0008】
前記走行車両22の前端より後方へ向けて、左右一対のメインフレーム6L・6Rが平行に水平方向に延設され、該メインフレーム6L・6Rの前部下方にはフロントアクスルケース92Fを介して前輪7・7が支承され、後部下方にはリアアクスルケース92Rを介して後輪8・8が支承されている。
また、メインフレーム6L・6R上であって走行車両22前部にはエンジン9を被覆するボンネット10が配設されている。該ボンネット10後方のカバー上に操作パネル11が設けられており、該操作パネル11の上方には操向ハンドル12が設けられて、操作パネル11及び操向ハンドル12等で散布作業機101の操縦部を構成している。
【0009】
また、メインフレーム6L・6R後部上には薬液タンク24が配設されており、該薬液タンク24の前部中央には運転席14が形成されて、該薬液タンク24によって側部と後部を取り囲まれるように載置されている。そして、薬液タンク24とボンネット10の間にはステップ13が設けられ、該ステップ13に乗降するための乗降ステップ56・56がメインフレーム6L・6Rに取り付けられている。
【0010】
前記ブーム部35は、薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・を有するブーム40と、該ブーム40の昇降や展開を行うための機構より構成されている。
ブーム40は走行車両22の前方に位置する前方ブーム41と、該前方ブーム41の両端に枢支され、折畳み可能に側方に延設されている左右の側方ブーム42L・42Rから構成されている。そして、該ブーム40には薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・が一定間隔をおいて配設されている。
そして、前方ブーム41と側方ブーム42L・42Rの間には、それぞれブーム開閉用シリンダ43・43が介装され、該ブーム開閉用シリンダ43・43を伸縮させることによって、側方ブーム42L・42Rを前方ブーム41と略一直線となるよう左右水平方向へ延設した作業位置と、前後方向で後ろ上がりに位置させた収納位置に回動可能としている。
【0011】
また、平行リンクにより前方ブーム41とメインフレーム6L・6Rの前部の間が連結され、該平行リンクの一方とメインフレーム6L・6Rの間にブーム昇降用シリンダ38・38を介装し、該ブーム昇降用シリンダ38・38を伸縮させることによってブーム40を上下昇降可能とした昇降リンク機構37が構成されている。
さらに、前方ブーム41の左右略中央が昇降リンク機構37に対して左右傾倒可能に支持され、該前方ブーム41と昇降リンク機構37の間にブーム水平制御用シリンダ39を介装して、走行車両22が傾いてもブーム40が略水平姿勢を保持するようブーム40を水平制御する構成としている。
【0012】
そして、前記ブーム40の前方には作物を撮影する撮像手段303とその高さを検知する測距手段302が配置されている。即ち、前方ブーム41の左右中央から前方にステー301が突設され、該ステー301に静電容量センサや光センサや超音波センサなどの測距手段302、およびCCDカメラやビデオカメラなどの撮像手段303が取り付けられる。そして、該測距手段302により作物上端を検知して、該作物上端と撮像手段303との距離を略一定に保持するようにブーム昇降用シリンダ38を駆動して後述する処理部110で制御し、自律走行中に圃場の作物の生育状況を撮像し、該撮像情報(葉の大きさや変色など)および測距手段302による作物高さ情報を後述する処理部110に記憶させることが可能である。また、後述するGPSユニット102から得られる位置情報と、該撮像情報および作物高さ情報とを組み合わせることにより、圃場内の作物生育状況分布を把握することが可能である。例えば、収穫量の予測を行ったり、作物の生育状態が良くないところに施肥したり、薬液散布を重点的に行うといった利用ができる。
なお、本実施例では一組の測距手段302および撮像手段303をブーム前部に配設する構成としたが、測距手段および撮像手段を複数個配設してもよく、またボンネットから突設されたステーに測距手段および撮像手段を取り付ける構成としても良い。
【0013】
ポンプ部36は、エンジン9から動力を得て薬液タンク24内の薬液をノズル23・23・・・へ圧送する噴霧ポンプ4と、該噴霧ポンプ4から吐出される薬液の制御に関わる散布量制御装置3等で構成されている。
噴霧ポンプ4は、走行車両22の後部に延設したサブフレーム52L・52R上に支持部材を介して該噴霧ポンプ4のクランクケースに内装されたクランク軸が車両前後方向に位置するよう配設され、該クランクケースの右上部にはエアチャンバや安全弁等が設けられている。
また、散布量制御装置3は、流量制御弁や、該流量制御弁の開閉に関わるモータ等より構成され、噴霧ポンプ4のクランクケース周囲に配設されている。
【0014】
上述の如く構成される散布作業機101は、ブーム40を広げた状態で走行車両22により圃場を走行すると同時に、薬液タンク24内の薬液が、ポンプ部36により調量されるとともにブーム部35に圧送されてブーム40に設けられたノズル23・23・・・から散布され、薬液散布作業を行う。
【0015】
そして、散布作業機101は、操縦者が車両に搭乗して操向ハンドル12や操作レバー等を操作して走行・作業する手動操縦モードと、操縦者が車両に搭乗せずにGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して車両の位置情報を得て自律走行プログラムにより圃場を走行しながら薬液散布作業を行う自動操縦モードを選択することが可能に構成されている。
【0016】
次に、本発明の農業用作業車におけるGPSについて説明する。
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)とは、元来航空機・船舶等の航法支援用として開発されたシステムであって、上空約二万キロメートルを周回する二十四個のGPS衛星(六軌道面に四個ずつ配置)、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局、測位を行うための利用者の受信機で構成される。
GPSを用いた測量方法としては、単独側位、相対側位、DGPS(ディファレンシャルGPS)側位、RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位など種々の方法が挙げられる。
【0017】
単独側位とは、GPS衛星から送信される衛星の位置や時刻などの情報を一台のアンテナで受信する方法である。衛星から電波が発信されてから受信機に到達するまでに要した時間を測り、該時間と電波の速度から距離を求める
このとき、位置の判っているGPS衛星を動く基準点とし、四個以上の衛星から観測点までの距離を同時に知ることにより観測点の位置を決定する。
【0018】
相対側位とは、二台以上の受信機を使い、同時に四個以上の同じGPS衛星を観測する方法であり、GPS衛星の位置を基準として、GPS衛星からの電波信号それぞれの受信機に到達する時間差(電波の位相差)を測定して、二点(二台の受信機)間の相対的な位置関係を求める。
各測定点で同じ衛星の電波を受信し、衛星から発射された電波が同じような気象条件の中を通過してくることから、二点(二台の受信機)間の観測値の差を取ることにより、観測値に含まれる衛星の位置誤差や対流圏・電離層遅延量などの誤差を解消することができる。
【0019】
DGPS(ディファレンシャルGPS)側位、RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位は、位置が判っている基準局と、位置を求めようとする観測点とで同時にGPS観測を行い、基準局で観測したデータを無線等の方法で観測点にリアルタイムで送信し、基準局の位置成果に基づいて観測点の位置をリアルタイムに求める方法である。
DGPS(ディファレンシャルGPS)側位は、基準局と観測点の両点で単独側位を行い、基準局において位置成果と観測された座標値の差を求め、観測点に補正情報として送信する。
RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位は、基準局と観測点の両点で位相の測定(相対側位)を行い、基準局で観測した位相データを観測点に送信する、
観測点のGPS受信機では、受信データと基準局から送信されたデータとをリアルタイムで解析することにより、観測点の位置を決定する。
【0020】
本発明においては、測定精度の高いRTK−GPS側位方式が採用されているが、前記他の方式を用いてもよく、限定されない。
【0021】
図4に示すように、本発明におけるGPSユニット102は、主に、散布作業機101本体に搭載される移動局ユニット103と、水田などの圃場の近くに設置される基準局側ユニット104からなる。該基準局ユニット104は地面に固定された基準局の役割を果たし、移動局側ユニット103は位置を求めようとする移動局(観測点)として機能する。
図3および図5に示すように、散布作業機101本体上面の運転席14の後部から正面視門型のフレーム105が立設されている。フレーム105の横架部105aおよび立設部105b・105bで囲まれる部分には収納部106が設けられ、該収納部106に移動局ユニット103の内、GPSアンテナ108を除く部材が収納される。GPSアンテナ108はフレーム105の横架部105a上面に固設される。
【0022】
移動局ユニット103は、GPSアンテナ108の他、GPS受信部109、CPUやRAMやROM等を備える制御手段となる処理部110、操作部111、表示部112、無線部113などで構成される。
GPSアンテナ108で受信されたGPS衛星からの電波信号は、ケーブルでGPS受信部109を経て処理部110に送信される。操作部111は後述する自律走行の設定や、GPSの初期設定などを行うためのインターフェースであり、処理部110にケーブル接続されている。表示部112は処理部110にケーブル接続されており、処理部110におけるデータ処理の状況や、操作部111により入力された各種設定を表示する。無線部113は基準局ユニット104およびオペレータが携帯する無線操作手段133と、移動局ユニット103とが無線交信するためのものである。
【0023】
なお、本実施例においては移動局ユニット103をフレーム105に固設しているが、例えばGPSアンテナ108以外の移動局ユニット103を構成する他の部材はボンネット9に収納し、運転席14の前に位置する操縦部の操作パネル11に、操作部111および表示部112を組み込む構成としても良い。
また、操作部111はキーボードやスイッチ、レバー、押しボタン、ダイアルなどオペレータが入力操作可能であればよく、その形式は限定されない。さらに、操作部111と表示部112をタッチパネルとし、一体化してもよい。
また、処理部110、操作部111および表示部112として、既存のパソコンを使用してもよい。
【0024】
基準局ユニット104も移動局ユニット103と略同じ構成であり、GPSアンテナ114、GPS受信部115、処理部116、操作部117、表示部118、無線部119などで構成される。
【0025】
図6に示すように、基準局ユニット104のGPSアンテナ114は支柱114aにより地面より立設される。基準局ユニット104を構成するGPSアンテナ114以外の部材は筐体120に収納可能に構成される。
なお、基準局ユニット104は本発明の散布作業機101を使用する圃場の近傍に常設してもよく、あるいは使用後撤去可能な構成としても良い。
【0026】
次に、本発明の散布作業機101における自律走行システムについて、図4を用いて説明する。該自律走行システムは、前述のGPSユニット102の他、自律走行プログラム121や、散布作業機101の種々の情報を検出する内界センサ122、株倣いセンサ123、自律走行・作業をするための自律操作手段124などからなる。
【0027】
ある時刻に発信されたGPS衛星125からの電波信号は、散布作業機101に設けられた移動局ユニット103のGPSアンテナ108により受信され、GPS受信部109を経て処理部110に送信される。
【0028】
一方、前記GPS衛星125から同時刻に発信された電波信号は、圃場付近に設置された基準局ユニット104のGPSアンテナ114によっても受信され、GPS受信部115を経て処理部116に送信される。さらに、無線部119から無線部113を経て処理部110に無線送信される。
【0029】
処理部110では、前記基準局ユニット104において受信された電波信号と、移動局ユニット103において受信された電波信号とを比較対照し、同時刻に発信された電波信号がGPSアンテナ108およびGPSアンテナ114で受信されたときの位相差や、複数の衛星からの電波信号情報に基づき、移動局ユニット103と基準局ユニット104との相対位置を計算し、移動局ユニット103の位置計算を行う。上記の計算は処理部110に格納された自律走行プログラム121により行われる。
【0030】
このように構成することにより、散布作業機101と基準局ユニット104との三次元の相対位置、すなわち、圃場内における散布作業機101の位置(高さ方向のデータを含む)を高精度かつリアルタイムで測定可能である。
【0031】
本発明の散布作業機101で用いるGPSユニット102の位置精度は、圃場の高さ方向に対して数センチ程度と高精度であることから、自律走行時の安全装置として利用することが可能である。
図7に示すような圃場304において散布作業機101が散布作業を行う場合を考える。圃場304の表面の凹凸を加味したGPSアンテナ108の圃場表面からの平均高さをH、高さの標準偏差をσとする。
例えば、自律走行中にGPSユニット102から得られる高さ方向の位置情報から前記平均高さHおよび標準偏差σを計算するとともに、通常の自律走行時では散布作業機101の高さがH−3×σからH+3×σの範囲にあるとする。散布作業機101の現在の高さが、この設定範囲から外れたときは、異常事態が起こったものと見なしてエンジン9やその他全てを停止させるように処理部110に格納された自律走行プログラム121を構成する。
圃場304の境界部には溝305や畦306が存在する。畦306に散布作業機101が乗り上げたときのGPSアンテナ108の変位量をΔH1、溝305に散布作業機101の車輪(図7では右側面の前輪7および後輪8)が落ちたときのGPSアンテナ108の変位量をΔH2とすると、これら変位量ΔH1・ΔH2は前記標準偏差σの三倍の値よりも十分に大きいので、散布作業機101は溝に片輪が落ちたまま走行を続けたり、圃場外に出ても走行を続けることなく、停止する。結果、散布作業機101が破損するなどの被害が最小限に抑えられる。但し、GPSユニット102から得られる高さ方向の位置情報に代えて、本機に水平センサを設けて処理部110と接続し、設定角度以上傾斜したときに異常と判断して自律走行を停止する構成とすることもできる。
【0032】
このように構成しておくことにより、散布作業機101が自律走行中に誤って圃場外へ出たまま走行を続けたり、転倒することを防止可能である。
なお、本実施例では散布作業機101が自律走行を停止する条件として、自律走行時における高さ標準偏差の三倍という値を用いたが、そのほかの値を用いても良く、あるいはオペレータが予め所定の値(高さの上限値・下限値など)を入力し、この所定値を越えたときに自律走行を停止する構成としてもよく、限定されない。
【0033】
図4に示すように、内界センサ122は、速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角など、散布作業機101を自律走行させる上で必要な情報を検知するためのセンサ類を指す。より具体的には、エンジン回転数センサ、車速センサ、操舵角センサ、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどである。これら内界センサ122からの検知信号は、処理部110に送信される。なお、本実施例においては、内界センサ122のうち、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどは移動局ユニット103と同じ収納部106内に配設されているが、これらのセンサ類の配設位置については特に限定されない。
【0034】
図1から図4に示すように、株倣いセンサ123は、散布作業機101の機体前部下面(車輪前方)に配設される。株倣いセンサ123は散布作業機101が作物を車輪で踏んだりしないように、圃場に所定の間隔を空けて植わっている作物を検知し、該散布作業機101の走行方向を制御するために用いられる。株倣いセンサ123からの検知信号も処理部110に送信される。
【0035】
内界センサ122、株倣いセンサ123からの検知信号、およびGPSユニット102による散布作業機101の位置情報に基づき、処理部110内に格納された自律走行プログラム121によって散布作業機101の速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角などを自律操作するための信号が自律操作手段124に送信される。該自律操作手段124は、より具体的には、ステアリング駆動アクチュエータやステアリング駆動電磁弁(図示せず)、ブーム昇降用パワーシリンダ(ブーム昇降用シリンダ38に相当)、ブーム開閉用パワーシリンダ(ブーム開閉用シリンダ43に相当)、ブーム水平制御用パワーシリンダ(ブーム水平制御用シリンダ39に相当)、アクセルアクチュエータ、主クラッチ用アクチュエータ、株倣いセンサ昇降アクチュエータなどである。
なお、本実施例においては、GPSユニット102から得られる散布作業機101の位置情報は高さ方向に対しても高い精度を持つ。そのため、自律作業中に圃場からブーム40までの高さが略一定となるようブーム昇降用シリンダ38を制御し、薬液の散布状態を略一定にすることが可能である。
【0036】
無線操作手段133はオペレータが携帯し、散布作業機101から離れた位置から各種の操作をおこなうためのものである。図4に示すように、本実施例の無線操作手段133は内部に合計六点の接点スイッチを備え、それぞれ第一ボタン163、第二ボタン164、第三ボタン165、第四ボタン166、第五ボタン167、第六ボタン168によりオン・オフされる。
自律走行時においてオペレータが行う遠隔操作としては、次の十種類の操作が挙げられる。すなわち、(1)非常時の緊急停止(エンジン停止)は第一ボタン163、(2)散布作業機の発進・停車は第二ボタン164、(3)ブーム上昇は第四ボタン166、(4)ブーム下降は第六ボタン168、(5)右側方ブーム開は第三ボタン165+第四ボタン166、(6)右側方ブーム閉は第三ボタン165+第六ボタン168、(7)左側方ブーム開は第五ボタン167+第四ボタン166、(8)左側方ブーム閉は第五ボタン167+第六ボタン168、(9)株倣いセンサ上昇は第三ボタン165+第五ボタン167+第四ボタン166、(10)株倣いセンサ下降は第三ボタン165+第五ボタン167+第六ボタン168、である。
このように一つまたは複数のボタンを組み合わせて押すことにより、操作性を損なわず、無線操作手段133に設けられた接点スイッチの個数(本実施例においては六個)よりも多い種類(本実施例では十種類)の操作を可能としている。
【0037】
また、前記無線操作手段133に替えて、PDA(Personal Digital Assistance)162を使用することも可能である。該PDA162は、自律走行コントローラである移動局ユニット103の処理部110と無線LAN接続可能に構成され、前記無線操作手段133と同様の指示を散布作業機101に対して行うことができる。さらに散布作業機101の諸情報を該PDA162の表示部162aに表示したり、制御パラメータを遠隔で変更することが可能である。すなわち、PDA162はサイズが小さくオペレータが携帯可能であり、表示部162a、タッチパネルやボタンなどの入力手段、および通信機能を備えるので、前記無線操作手段133と遠隔監視モニタの機能を併せ持つものである。
【0038】
図8にPDA162の表示部162aの表示例を示す。該表示部162aには散布作業機101の情報(例えば、GPSユニット102により得られる位置情報、当該圃場の薬液必要量や薬液タンク24内の薬液残量、薬液散布速度(単位時間当たりの散布量)から予想される薬液補給までの時間)が表示される情報ウインドウ170、当該圃場の形状および圃場内の散布作業機位置171a、自律走行経路および薬液補充位置171bを示す平面図171、および前記無線操作手段133のボタンに相当するコマンドボタン172・172・・・などが表示される。
なお、表示部162aの表示方法などは限定されるものではなく、前記情報ウインドウ170、平面図171、コマンドボタン172の表示を順に切替えられる構成とするなどしてもよい。
【0039】
図9にPDA162の表示部162aの別表示例を示す。該表示部162aには、現在の時刻、方位、当該圃場形状、圃場内を自律走行中の散布作業機の位置、自律走行経路、燃料メータ、薬液タンク残量メータ、作業終了予定時刻等が表示される。作業終了予定時刻は自律走行経路の全長や、散布作業機の走行速度、あるいはスリップ率(処理部110からの指令による走行速度から予測される走行距離と、GPSユニット102の位置情報から得られる実際の走行距離との比から求められる)などから計算・表示される。
このように、作業終了予定時刻が表示されることにより、オペレータは次の作業計画を立てるのが容易となり、効率的に作業を進めることが可能である。
【0040】
続いて、散布作業方法の実施例を図10および図11を用いて説明する。
例えば図10に示すような平面視長方形の圃場である水田126で散布作業を行う場合、水田126内に均一に、言い換えれば、一度も散布されていない場所(未散布領域)や複数回散布される場所(重複散布領域)が生じないように薬液を散布することが重要である。よって、散布作業を行う散布作業機101が左右の側方ブーム42L・42Rを車体側方に伸ばした時の横幅(以後「全幅」と呼ぶ。10メートル程度)と略同じ幅を持つ水田126の外縁部126a(図10における斜線部)を残し、該外縁部126aの内側に位置する作業開始地点128(または作業開始地点131)から散布作業を開始する。最後に外縁部126aを一周しながら散布作業して作業終了地点129(または作業終了地点132)から散布作業機101が水田126の外に退出する。すなわち、図10において実線および点線で示された経路に沿って散布作業機101が走行しつつ、散布作業を行うのである。
このとき、図10に示される散布作業機101の走行経路のうち、実線で示された部分は薬液散布作業を行いつつ走行する工程(以後「散布工程」と呼ぶ)を示し、点線で示された部分は薬液散布作業を行わずに走行する工程(以後、「移動工程」と呼ぶ)を示している。
【0041】
本発明の散布作業機101における散布作業の場合、水田126端部の任意の地点である作業車進入地点127までオペレータが散布作業機101を運転し、作業車進入地点127で停車させて散布作業機101から降りる。次に、オペレータは携帯している無線操作手段133により、散布作業機101の自律走行を開始させる(自律走行開始ボタンを押す)。散布作業機101は作業直前に水田126の外縁部126aを周回し、GPSユニット102から得られた水田126の形状を処理部110に記憶し、自律走行プログラム121により、水田126の形状に関する情報を基に作業経路を自動作成しておくか、予め圃場毎の作業経路データを作成しておき、処理部110に記憶しておく。
【0042】
散布作業機101は処理部110内に格納されている自律走行プログラム121により、水田126の形状に関する情報を基に作業車進入地点127から作業開始地点128までの作業車誘導経路を自動作成する。
散布作業機101は前記作業車誘導経路(作業車進入地点127から作業開始地点128まで)を自律走行後、停車することなく薬液散布作業を開始し、GPSユニット102による位置情報を基に自律走行を続ける。最後に作業終了地点129まで到達すると、散布作業機101は自動的に自律走行を終了し、停車する。
【0043】
なお、散布作業機101の自律走行経路は幾通りも作成することが可能であるが、作業速度の観点から見れば、走行経路が最も短い経路を選択することが望ましい。ただし、実際には圃場内に障害物(看板・鉄塔脚など)が存在したり、圃場の特定箇所が軟弱地盤であったり、あるいは作業車が圃場に進入できる地点が特定の場所に制約されるなど、種々の状況が考えられる。
また、散布作業機101が一度散布作業を行った場所を再び通過することは、薬液散布による害虫駆除・防除効果の観点から見て好ましいことではない。よって、処理部110に予め諸条件を入力するか、記憶させておくとともに、これらの諸条件を加味した上で最適の走行経路を選択可能に自律走行プログラム121を構成することが重要である。
【0044】
次に、自律走行中における薬液タンク24内の薬液量の管理、および薬液が無くなった場合の散布作業機101の挙動について説明を行う。
本実施例の散布作業機101の薬液タンク24は運転席14を側面及び後面から覆う形状を有している。該薬液タンク24内には、図13に示すように薬液量計測手段である液面レベル検知手段190が設けられる。該液面レベル検知手段190は静電容量式、光学式、超音波式などのレベルセンサまたは液面センサ、あるいは接触センサまたは感圧センサであり、薬液タンク24内の薬液量を検知し、本機コントローラ169に送信可能に構成される。
なお、液面レベル検知手段190は液面の上限および下限を検知する形式としても、液面レベルを精度良く計測する形式としてもよい。また、液面レベル検知手段190の配設位置は、例えば感圧センサの場合は薬液タンク24の底面内壁であったり、静電容量式の液面センサの場合は薬液タンク24の上面内壁であったり、光学式のレベルセンサの場合は側面内壁であったりするので、限定されない。
【0045】
図12に示す如く、薬液タンク24後部下面の左右略中央には該薬液タンク24から薬液を送り出す吸水口24aが設けられていて、該吸水口24aから噴霧ポンプ4の薬液流入口まではホース46を介して連通接続されている。そして、同じく薬液タンク24の背面下部には、ポンプ部36から薬液タンク24へ還流される薬液の戻り口94a・95a・96a・97aが前記吸水口24aを中心として左右に二つずつ設けられている。これらの戻り口94a・95a・96a・97aは薬液タンク24の下部に設けられて、該戻り口94a・95a・96a・97aより薬液タンク24へ還流される薬液の流圧を利用して薬液タンク24内の薬液を撹拌する構成とされている。
【0046】
図13に示す如く、薬液は薬液タンク24の吸水口24aからホース46を介して三方切換コック77へ流入し、ストレーナ78で異物を除去された後、噴霧ポンプ4内に流入する。
【0047】
噴霧ポンプ4のクランクケースには、エアチャンバ及び安全弁が前後に配されており、ピストンの往復動で圧送された薬液を蓄圧して吐出口より一定圧力で吐出することが可能である。
また、前記噴霧ポンプ4の吐出口から吐出された薬液のうち、設定圧力以上の余水は安全弁79からホース94を経て、薬液タンク24背面に設けられた戻り口94aに還流される。
【0048】
一方、設定圧力以下の薬液はホース45を通じて散布量制御装置3へと導かれる。散布量制御装置3は、二つの流量制御弁(噴霧側バルブ91、戻し側バルブ90)によって、ブーム40のノズル23・23・・・に圧送する薬液の量を制御している。該散布量制御装置3はモータ30により開閉され、該モータ30は、本機コントローラ169により作動する構成となっている。該本機コントローラ169への指令は、運転席14付近に設けられた手動スイッチによっても、自律走行コントローラである制御部(処理部)110によっても行うことが可能である。
噴霧ポンプ4からホース45を介して分岐管32に流入した薬液は、ここで、噴霧側経路と薬液タンク戻り側経路に分岐される。該分岐管32の薬液タンク戻り側経路であるホース95の中途部には戻し側バルブ90が配設されており、該戻し側バルブ90が開いているときは、薬液はホース95を経て、薬液タンク24の背面下部に設けられた戻り口95aより薬液タンク24へ還流する。
【0049】
一方、分岐管32から噴霧側経路へ送られた薬液は、ホース99を通って噴霧側バルブ91へ導かれる。噴霧側バルブ91は、散布作業時には開かれて、該噴霧側バルブ91の開放具合によって、ブーム40に設けられたノズル23・23・・・より噴出する薬液の量を制御する。
【0050】
噴霧側バルブ91を通過した薬液は、さらに、撹拌分岐管33に流入する。該撹拌分岐管33には二つの撹拌排出口96b・97bが設けられており、夫々の撹拌排出口96b・97bには薬液タンク後下部に設けられた戻り口96a・97aへ接続されるホース96・97が連結されている。撹拌排出口96b・97bから圧送された薬液は、薬液タンク24へ還流して該薬液タンク24内の薬液を撹拌する。従って、前述の二つのタンク戻り口94a・95aと合わせて、合計四つの戻り口94a・95a・96a・97aから薬液タンク24内へ送られる薬液の流れを利用して、薬液は防除作業中は常に撹拌され、薬液の濃度に偏りが発生したり、沈殿等が生じたりしないように構成される。
【0051】
また、前記撹拌分岐管33には流量センサ57が設けられている。従って、該流量センサ57によって、ブーム40のノズル23・23・・・に圧送される薬液量を検知することが可能である。また、流量センサ57に替わり、圧力センサを設けることも可能である。該流量センサ57は本機コントローラ169に接続され、流量に関するデータを送信可能に構成される。
前記撹拌分岐管33を通過した薬液は吐出バルブ31に到達し、該吐出バルブ31が開放されているときはブーム40に設けられたノズル23・23・・・へ配管175を通って送られる。配管175の他端側は三つに分岐してそれぞれ散布開閉バルブ176・177・178に接続される。電磁バルブ等より構成される散布開閉バルブ176・177・178は互いに独立して開閉可能に構成され、その開閉動作は本機コントローラ169と接続して制御される。
配管179は右側方ブーム42Rに沿って配設され、その一端はフレキシブルホース179aにより散布開閉バルブ176に接続される。そして、配管179の他端側は閉塞されており、中途部に複数のノズル23が設けられている。同様に、配管180は前方ブーム41に沿って配設され、その一端はフレキシブルホース180aにより散布開閉バルブ177に接続される。そして、配管180の他端側は閉塞されており、中途部に複数のノズル23が設けられている。配管181は左側方ブーム42Lに沿って配設され、その一端はフレキシブルホース181aにより散布開閉バルブ178に接続される。
【0052】
本機コントローラ169に送信された薬液タンク24の薬液残量に関する情報は前述のPDA162の表示部162aや本機備え付けの表示部112に表示され、オペレータは散布作業機の搭乗時、自律走行中を問わず薬液残量をリアルタイムで知ることが可能である。
【0053】
また、当該圃場の面積や単位面積当たりの薬液散布量を予めPDA162や本機備え付けの操作部111から処理部110へ入力しておくことにより、薬液(あるいは肥料)を補充する際に必要な薬液補充量がPDA162の表示部162aや本機備え付けの表示部112に計算・表示されるとともに、必要な薬液補充量が補充されるとブザーやランプが作動して、余剰の薬液を補充しないで済むように構成することも可能である。
【0054】
以上の如く構成することにより、余剰の薬液(あるいは肥料)を補充しなくても良いので、経済性に優れる。また、自律走行開始前に当該圃場に必要な薬液量が判るので、自律走行中に薬液が無くなり、散布作業機101を圃場端部まで誘導して薬液を補充したりするなど煩雑な作業が発生することを回避することが可能である。
【0055】
なお、本実施例においては、散布作業機101の本機コントローラ169と自律走行コントローラである処理部110とは別体であり、これらの間をケーブルで接続する構成としたが、これらを一体化して、CPUやRAMやROM等を備える一つの制御手段により制御する構成としても良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0057】
即ち、請求項1に示す如く、GPSと、内界センサとを搭載し、処理部により自律的に走行制御して作業を行う農業用作業車であって、
GPSから得られる高さ方向の位置情報と、農業用作業車の高さ変位量とを比較し、設定値以上変位したときは自律走行を停止するように制御したので、農業用作業車が自律走行中に誤って圃場外へ出たまま走行を続けたり、溝にはまって走行不能となったり、転倒したりすることを未然に防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の側面図。
【図2】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の平面図。
【図3】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の正面図。
【図4】本発明における自律走行システムの模式図。
【図5】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の斜視図。
【図6】基準局ユニットを示す図。
【図7】農業用作業車の圃場上の位置とGPSアンテナの高さとの関係を示す図。
【図8】PDA表示部の表示例を示す模式図。
【図9】PDA表示部の別表示例を示す模式図。
【図10】本発明の農業用作業車による自律走行経路の実施例を示す模式図。
【図11】本発明における自律走行のフローチャート図。
【図12】薬液タンクの後面図。
【図13】薬液配管系統を示す模式図。
【符号の説明】
101 農業用作業機
102 GPSユニット
103 移動局ユニット
104 基準局ユニット
108 GPSアンテナ
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)と、方位センサや傾斜センサ、車速センサなどの内界センサと、株倣いセンサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車の走行作業管理の技術に関する。
詳細には、GPSを用いた自律走行作業中に農業用作業車が正規の自律走行経路から外れた場合に、非常停止させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、既に作物が植わっている圃場において、手動操作により作物株列間を車輪が通過するように走行・作業を行う農業用作業車が知られている。該農業用作業車の例としては、散布機を搭載した散布作業機などが挙げられる。
また、GPSやセンサ類を備え、自律的に走行・作業を行う農業用作業車も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
GPSやセンサ類を備え、自律的に走行・作業を行う農業用作業車の場合、電波障害や無線装置のトラブルが発生すると、該農業用作業車は正規の自律走行経路を外れて自律走行を続ける場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、GPSと、内界センサとを搭載し、処理部により自律的に走行制御して作業を行う農業用作業車であって、
GPSから得られる高さ方向の位置情報と、農業用作業車の高さ変位量とを比較し、設定値以上変位したときは自律走行を停止するように制御したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の側面図、図2は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の平面図、図3は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の正面図、図4は本発明における自律走行システムの模式図、図5は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の斜視図、図6は基準局ユニットを示す図、図7は農業用作業車の圃場上の位置とGPSアンテナの高さとの関係を示す図、図8はPDA表示部の表示例を示す模式図、図9はPDA表示部の別表示例を示す模式図、図10は本発明の農業用作業車による自律走行経路の実施例を示す模式図、図11は本発明における自律走行のフローチャート図、図12は薬液タンクの後面図、図13は薬液配管系統を示す模式図である。
【0007】
まず、本発明に係る農業用作業車の実施の一形態である散布作業機101について、図1から図3を用いて説明する。なお、本発明は本実施例の散布作業機101に限定されるものではなく、圃場を走行しつつ作業を行う農業用作業車に適用可能である。
散布作業機101は乗用型の走行車両22と、該走行車両22の前部及び側部に配設されたブーム部35と、該走行車両の後部に配設されたポンプ部36と、該ポンプ部36の前部に配設された薬液タンク24等で構成されている。
【0008】
前記走行車両22の前端より後方へ向けて、左右一対のメインフレーム6L・6Rが平行に水平方向に延設され、該メインフレーム6L・6Rの前部下方にはフロントアクスルケース92Fを介して前輪7・7が支承され、後部下方にはリアアクスルケース92Rを介して後輪8・8が支承されている。
また、メインフレーム6L・6R上であって走行車両22前部にはエンジン9を被覆するボンネット10が配設されている。該ボンネット10後方のカバー上に操作パネル11が設けられており、該操作パネル11の上方には操向ハンドル12が設けられて、操作パネル11及び操向ハンドル12等で散布作業機101の操縦部を構成している。
【0009】
また、メインフレーム6L・6R後部上には薬液タンク24が配設されており、該薬液タンク24の前部中央には運転席14が形成されて、該薬液タンク24によって側部と後部を取り囲まれるように載置されている。そして、薬液タンク24とボンネット10の間にはステップ13が設けられ、該ステップ13に乗降するための乗降ステップ56・56がメインフレーム6L・6Rに取り付けられている。
【0010】
前記ブーム部35は、薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・を有するブーム40と、該ブーム40の昇降や展開を行うための機構より構成されている。
ブーム40は走行車両22の前方に位置する前方ブーム41と、該前方ブーム41の両端に枢支され、折畳み可能に側方に延設されている左右の側方ブーム42L・42Rから構成されている。そして、該ブーム40には薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・が一定間隔をおいて配設されている。
そして、前方ブーム41と側方ブーム42L・42Rの間には、それぞれブーム開閉用シリンダ43・43が介装され、該ブーム開閉用シリンダ43・43を伸縮させることによって、側方ブーム42L・42Rを前方ブーム41と略一直線となるよう左右水平方向へ延設した作業位置と、前後方向で後ろ上がりに位置させた収納位置に回動可能としている。
【0011】
また、平行リンクにより前方ブーム41とメインフレーム6L・6Rの前部の間が連結され、該平行リンクの一方とメインフレーム6L・6Rの間にブーム昇降用シリンダ38・38を介装し、該ブーム昇降用シリンダ38・38を伸縮させることによってブーム40を上下昇降可能とした昇降リンク機構37が構成されている。
さらに、前方ブーム41の左右略中央が昇降リンク機構37に対して左右傾倒可能に支持され、該前方ブーム41と昇降リンク機構37の間にブーム水平制御用シリンダ39を介装して、走行車両22が傾いてもブーム40が略水平姿勢を保持するようブーム40を水平制御する構成としている。
【0012】
そして、前記ブーム40の前方には作物を撮影する撮像手段303とその高さを検知する測距手段302が配置されている。即ち、前方ブーム41の左右中央から前方にステー301が突設され、該ステー301に静電容量センサや光センサや超音波センサなどの測距手段302、およびCCDカメラやビデオカメラなどの撮像手段303が取り付けられる。そして、該測距手段302により作物上端を検知して、該作物上端と撮像手段303との距離を略一定に保持するようにブーム昇降用シリンダ38を駆動して後述する処理部110で制御し、自律走行中に圃場の作物の生育状況を撮像し、該撮像情報(葉の大きさや変色など)および測距手段302による作物高さ情報を後述する処理部110に記憶させることが可能である。また、後述するGPSユニット102から得られる位置情報と、該撮像情報および作物高さ情報とを組み合わせることにより、圃場内の作物生育状況分布を把握することが可能である。例えば、収穫量の予測を行ったり、作物の生育状態が良くないところに施肥したり、薬液散布を重点的に行うといった利用ができる。
なお、本実施例では一組の測距手段302および撮像手段303をブーム前部に配設する構成としたが、測距手段および撮像手段を複数個配設してもよく、またボンネットから突設されたステーに測距手段および撮像手段を取り付ける構成としても良い。
【0013】
ポンプ部36は、エンジン9から動力を得て薬液タンク24内の薬液をノズル23・23・・・へ圧送する噴霧ポンプ4と、該噴霧ポンプ4から吐出される薬液の制御に関わる散布量制御装置3等で構成されている。
噴霧ポンプ4は、走行車両22の後部に延設したサブフレーム52L・52R上に支持部材を介して該噴霧ポンプ4のクランクケースに内装されたクランク軸が車両前後方向に位置するよう配設され、該クランクケースの右上部にはエアチャンバや安全弁等が設けられている。
また、散布量制御装置3は、流量制御弁や、該流量制御弁の開閉に関わるモータ等より構成され、噴霧ポンプ4のクランクケース周囲に配設されている。
【0014】
上述の如く構成される散布作業機101は、ブーム40を広げた状態で走行車両22により圃場を走行すると同時に、薬液タンク24内の薬液が、ポンプ部36により調量されるとともにブーム部35に圧送されてブーム40に設けられたノズル23・23・・・から散布され、薬液散布作業を行う。
【0015】
そして、散布作業機101は、操縦者が車両に搭乗して操向ハンドル12や操作レバー等を操作して走行・作業する手動操縦モードと、操縦者が車両に搭乗せずにGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して車両の位置情報を得て自律走行プログラムにより圃場を走行しながら薬液散布作業を行う自動操縦モードを選択することが可能に構成されている。
【0016】
次に、本発明の農業用作業車におけるGPSについて説明する。
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)とは、元来航空機・船舶等の航法支援用として開発されたシステムであって、上空約二万キロメートルを周回する二十四個のGPS衛星(六軌道面に四個ずつ配置)、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局、測位を行うための利用者の受信機で構成される。
GPSを用いた測量方法としては、単独側位、相対側位、DGPS(ディファレンシャルGPS)側位、RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位など種々の方法が挙げられる。
【0017】
単独側位とは、GPS衛星から送信される衛星の位置や時刻などの情報を一台のアンテナで受信する方法である。衛星から電波が発信されてから受信機に到達するまでに要した時間を測り、該時間と電波の速度から距離を求める
このとき、位置の判っているGPS衛星を動く基準点とし、四個以上の衛星から観測点までの距離を同時に知ることにより観測点の位置を決定する。
【0018】
相対側位とは、二台以上の受信機を使い、同時に四個以上の同じGPS衛星を観測する方法であり、GPS衛星の位置を基準として、GPS衛星からの電波信号それぞれの受信機に到達する時間差(電波の位相差)を測定して、二点(二台の受信機)間の相対的な位置関係を求める。
各測定点で同じ衛星の電波を受信し、衛星から発射された電波が同じような気象条件の中を通過してくることから、二点(二台の受信機)間の観測値の差を取ることにより、観測値に含まれる衛星の位置誤差や対流圏・電離層遅延量などの誤差を解消することができる。
【0019】
DGPS(ディファレンシャルGPS)側位、RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位は、位置が判っている基準局と、位置を求めようとする観測点とで同時にGPS観測を行い、基準局で観測したデータを無線等の方法で観測点にリアルタイムで送信し、基準局の位置成果に基づいて観測点の位置をリアルタイムに求める方法である。
DGPS(ディファレンシャルGPS)側位は、基準局と観測点の両点で単独側位を行い、基準局において位置成果と観測された座標値の差を求め、観測点に補正情報として送信する。
RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位は、基準局と観測点の両点で位相の測定(相対側位)を行い、基準局で観測した位相データを観測点に送信する、
観測点のGPS受信機では、受信データと基準局から送信されたデータとをリアルタイムで解析することにより、観測点の位置を決定する。
【0020】
本発明においては、測定精度の高いRTK−GPS側位方式が採用されているが、前記他の方式を用いてもよく、限定されない。
【0021】
図4に示すように、本発明におけるGPSユニット102は、主に、散布作業機101本体に搭載される移動局ユニット103と、水田などの圃場の近くに設置される基準局側ユニット104からなる。該基準局ユニット104は地面に固定された基準局の役割を果たし、移動局側ユニット103は位置を求めようとする移動局(観測点)として機能する。
図3および図5に示すように、散布作業機101本体上面の運転席14の後部から正面視門型のフレーム105が立設されている。フレーム105の横架部105aおよび立設部105b・105bで囲まれる部分には収納部106が設けられ、該収納部106に移動局ユニット103の内、GPSアンテナ108を除く部材が収納される。GPSアンテナ108はフレーム105の横架部105a上面に固設される。
【0022】
移動局ユニット103は、GPSアンテナ108の他、GPS受信部109、CPUやRAMやROM等を備える制御手段となる処理部110、操作部111、表示部112、無線部113などで構成される。
GPSアンテナ108で受信されたGPS衛星からの電波信号は、ケーブルでGPS受信部109を経て処理部110に送信される。操作部111は後述する自律走行の設定や、GPSの初期設定などを行うためのインターフェースであり、処理部110にケーブル接続されている。表示部112は処理部110にケーブル接続されており、処理部110におけるデータ処理の状況や、操作部111により入力された各種設定を表示する。無線部113は基準局ユニット104およびオペレータが携帯する無線操作手段133と、移動局ユニット103とが無線交信するためのものである。
【0023】
なお、本実施例においては移動局ユニット103をフレーム105に固設しているが、例えばGPSアンテナ108以外の移動局ユニット103を構成する他の部材はボンネット9に収納し、運転席14の前に位置する操縦部の操作パネル11に、操作部111および表示部112を組み込む構成としても良い。
また、操作部111はキーボードやスイッチ、レバー、押しボタン、ダイアルなどオペレータが入力操作可能であればよく、その形式は限定されない。さらに、操作部111と表示部112をタッチパネルとし、一体化してもよい。
また、処理部110、操作部111および表示部112として、既存のパソコンを使用してもよい。
【0024】
基準局ユニット104も移動局ユニット103と略同じ構成であり、GPSアンテナ114、GPS受信部115、処理部116、操作部117、表示部118、無線部119などで構成される。
【0025】
図6に示すように、基準局ユニット104のGPSアンテナ114は支柱114aにより地面より立設される。基準局ユニット104を構成するGPSアンテナ114以外の部材は筐体120に収納可能に構成される。
なお、基準局ユニット104は本発明の散布作業機101を使用する圃場の近傍に常設してもよく、あるいは使用後撤去可能な構成としても良い。
【0026】
次に、本発明の散布作業機101における自律走行システムについて、図4を用いて説明する。該自律走行システムは、前述のGPSユニット102の他、自律走行プログラム121や、散布作業機101の種々の情報を検出する内界センサ122、株倣いセンサ123、自律走行・作業をするための自律操作手段124などからなる。
【0027】
ある時刻に発信されたGPS衛星125からの電波信号は、散布作業機101に設けられた移動局ユニット103のGPSアンテナ108により受信され、GPS受信部109を経て処理部110に送信される。
【0028】
一方、前記GPS衛星125から同時刻に発信された電波信号は、圃場付近に設置された基準局ユニット104のGPSアンテナ114によっても受信され、GPS受信部115を経て処理部116に送信される。さらに、無線部119から無線部113を経て処理部110に無線送信される。
【0029】
処理部110では、前記基準局ユニット104において受信された電波信号と、移動局ユニット103において受信された電波信号とを比較対照し、同時刻に発信された電波信号がGPSアンテナ108およびGPSアンテナ114で受信されたときの位相差や、複数の衛星からの電波信号情報に基づき、移動局ユニット103と基準局ユニット104との相対位置を計算し、移動局ユニット103の位置計算を行う。上記の計算は処理部110に格納された自律走行プログラム121により行われる。
【0030】
このように構成することにより、散布作業機101と基準局ユニット104との三次元の相対位置、すなわち、圃場内における散布作業機101の位置(高さ方向のデータを含む)を高精度かつリアルタイムで測定可能である。
【0031】
本発明の散布作業機101で用いるGPSユニット102の位置精度は、圃場の高さ方向に対して数センチ程度と高精度であることから、自律走行時の安全装置として利用することが可能である。
図7に示すような圃場304において散布作業機101が散布作業を行う場合を考える。圃場304の表面の凹凸を加味したGPSアンテナ108の圃場表面からの平均高さをH、高さの標準偏差をσとする。
例えば、自律走行中にGPSユニット102から得られる高さ方向の位置情報から前記平均高さHおよび標準偏差σを計算するとともに、通常の自律走行時では散布作業機101の高さがH−3×σからH+3×σの範囲にあるとする。散布作業機101の現在の高さが、この設定範囲から外れたときは、異常事態が起こったものと見なしてエンジン9やその他全てを停止させるように処理部110に格納された自律走行プログラム121を構成する。
圃場304の境界部には溝305や畦306が存在する。畦306に散布作業機101が乗り上げたときのGPSアンテナ108の変位量をΔH1、溝305に散布作業機101の車輪(図7では右側面の前輪7および後輪8)が落ちたときのGPSアンテナ108の変位量をΔH2とすると、これら変位量ΔH1・ΔH2は前記標準偏差σの三倍の値よりも十分に大きいので、散布作業機101は溝に片輪が落ちたまま走行を続けたり、圃場外に出ても走行を続けることなく、停止する。結果、散布作業機101が破損するなどの被害が最小限に抑えられる。但し、GPSユニット102から得られる高さ方向の位置情報に代えて、本機に水平センサを設けて処理部110と接続し、設定角度以上傾斜したときに異常と判断して自律走行を停止する構成とすることもできる。
【0032】
このように構成しておくことにより、散布作業機101が自律走行中に誤って圃場外へ出たまま走行を続けたり、転倒することを防止可能である。
なお、本実施例では散布作業機101が自律走行を停止する条件として、自律走行時における高さ標準偏差の三倍という値を用いたが、そのほかの値を用いても良く、あるいはオペレータが予め所定の値(高さの上限値・下限値など)を入力し、この所定値を越えたときに自律走行を停止する構成としてもよく、限定されない。
【0033】
図4に示すように、内界センサ122は、速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角など、散布作業機101を自律走行させる上で必要な情報を検知するためのセンサ類を指す。より具体的には、エンジン回転数センサ、車速センサ、操舵角センサ、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどである。これら内界センサ122からの検知信号は、処理部110に送信される。なお、本実施例においては、内界センサ122のうち、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどは移動局ユニット103と同じ収納部106内に配設されているが、これらのセンサ類の配設位置については特に限定されない。
【0034】
図1から図4に示すように、株倣いセンサ123は、散布作業機101の機体前部下面(車輪前方)に配設される。株倣いセンサ123は散布作業機101が作物を車輪で踏んだりしないように、圃場に所定の間隔を空けて植わっている作物を検知し、該散布作業機101の走行方向を制御するために用いられる。株倣いセンサ123からの検知信号も処理部110に送信される。
【0035】
内界センサ122、株倣いセンサ123からの検知信号、およびGPSユニット102による散布作業機101の位置情報に基づき、処理部110内に格納された自律走行プログラム121によって散布作業機101の速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角などを自律操作するための信号が自律操作手段124に送信される。該自律操作手段124は、より具体的には、ステアリング駆動アクチュエータやステアリング駆動電磁弁(図示せず)、ブーム昇降用パワーシリンダ(ブーム昇降用シリンダ38に相当)、ブーム開閉用パワーシリンダ(ブーム開閉用シリンダ43に相当)、ブーム水平制御用パワーシリンダ(ブーム水平制御用シリンダ39に相当)、アクセルアクチュエータ、主クラッチ用アクチュエータ、株倣いセンサ昇降アクチュエータなどである。
なお、本実施例においては、GPSユニット102から得られる散布作業機101の位置情報は高さ方向に対しても高い精度を持つ。そのため、自律作業中に圃場からブーム40までの高さが略一定となるようブーム昇降用シリンダ38を制御し、薬液の散布状態を略一定にすることが可能である。
【0036】
無線操作手段133はオペレータが携帯し、散布作業機101から離れた位置から各種の操作をおこなうためのものである。図4に示すように、本実施例の無線操作手段133は内部に合計六点の接点スイッチを備え、それぞれ第一ボタン163、第二ボタン164、第三ボタン165、第四ボタン166、第五ボタン167、第六ボタン168によりオン・オフされる。
自律走行時においてオペレータが行う遠隔操作としては、次の十種類の操作が挙げられる。すなわち、(1)非常時の緊急停止(エンジン停止)は第一ボタン163、(2)散布作業機の発進・停車は第二ボタン164、(3)ブーム上昇は第四ボタン166、(4)ブーム下降は第六ボタン168、(5)右側方ブーム開は第三ボタン165+第四ボタン166、(6)右側方ブーム閉は第三ボタン165+第六ボタン168、(7)左側方ブーム開は第五ボタン167+第四ボタン166、(8)左側方ブーム閉は第五ボタン167+第六ボタン168、(9)株倣いセンサ上昇は第三ボタン165+第五ボタン167+第四ボタン166、(10)株倣いセンサ下降は第三ボタン165+第五ボタン167+第六ボタン168、である。
このように一つまたは複数のボタンを組み合わせて押すことにより、操作性を損なわず、無線操作手段133に設けられた接点スイッチの個数(本実施例においては六個)よりも多い種類(本実施例では十種類)の操作を可能としている。
【0037】
また、前記無線操作手段133に替えて、PDA(Personal Digital Assistance)162を使用することも可能である。該PDA162は、自律走行コントローラである移動局ユニット103の処理部110と無線LAN接続可能に構成され、前記無線操作手段133と同様の指示を散布作業機101に対して行うことができる。さらに散布作業機101の諸情報を該PDA162の表示部162aに表示したり、制御パラメータを遠隔で変更することが可能である。すなわち、PDA162はサイズが小さくオペレータが携帯可能であり、表示部162a、タッチパネルやボタンなどの入力手段、および通信機能を備えるので、前記無線操作手段133と遠隔監視モニタの機能を併せ持つものである。
【0038】
図8にPDA162の表示部162aの表示例を示す。該表示部162aには散布作業機101の情報(例えば、GPSユニット102により得られる位置情報、当該圃場の薬液必要量や薬液タンク24内の薬液残量、薬液散布速度(単位時間当たりの散布量)から予想される薬液補給までの時間)が表示される情報ウインドウ170、当該圃場の形状および圃場内の散布作業機位置171a、自律走行経路および薬液補充位置171bを示す平面図171、および前記無線操作手段133のボタンに相当するコマンドボタン172・172・・・などが表示される。
なお、表示部162aの表示方法などは限定されるものではなく、前記情報ウインドウ170、平面図171、コマンドボタン172の表示を順に切替えられる構成とするなどしてもよい。
【0039】
図9にPDA162の表示部162aの別表示例を示す。該表示部162aには、現在の時刻、方位、当該圃場形状、圃場内を自律走行中の散布作業機の位置、自律走行経路、燃料メータ、薬液タンク残量メータ、作業終了予定時刻等が表示される。作業終了予定時刻は自律走行経路の全長や、散布作業機の走行速度、あるいはスリップ率(処理部110からの指令による走行速度から予測される走行距離と、GPSユニット102の位置情報から得られる実際の走行距離との比から求められる)などから計算・表示される。
このように、作業終了予定時刻が表示されることにより、オペレータは次の作業計画を立てるのが容易となり、効率的に作業を進めることが可能である。
【0040】
続いて、散布作業方法の実施例を図10および図11を用いて説明する。
例えば図10に示すような平面視長方形の圃場である水田126で散布作業を行う場合、水田126内に均一に、言い換えれば、一度も散布されていない場所(未散布領域)や複数回散布される場所(重複散布領域)が生じないように薬液を散布することが重要である。よって、散布作業を行う散布作業機101が左右の側方ブーム42L・42Rを車体側方に伸ばした時の横幅(以後「全幅」と呼ぶ。10メートル程度)と略同じ幅を持つ水田126の外縁部126a(図10における斜線部)を残し、該外縁部126aの内側に位置する作業開始地点128(または作業開始地点131)から散布作業を開始する。最後に外縁部126aを一周しながら散布作業して作業終了地点129(または作業終了地点132)から散布作業機101が水田126の外に退出する。すなわち、図10において実線および点線で示された経路に沿って散布作業機101が走行しつつ、散布作業を行うのである。
このとき、図10に示される散布作業機101の走行経路のうち、実線で示された部分は薬液散布作業を行いつつ走行する工程(以後「散布工程」と呼ぶ)を示し、点線で示された部分は薬液散布作業を行わずに走行する工程(以後、「移動工程」と呼ぶ)を示している。
【0041】
本発明の散布作業機101における散布作業の場合、水田126端部の任意の地点である作業車進入地点127までオペレータが散布作業機101を運転し、作業車進入地点127で停車させて散布作業機101から降りる。次に、オペレータは携帯している無線操作手段133により、散布作業機101の自律走行を開始させる(自律走行開始ボタンを押す)。散布作業機101は作業直前に水田126の外縁部126aを周回し、GPSユニット102から得られた水田126の形状を処理部110に記憶し、自律走行プログラム121により、水田126の形状に関する情報を基に作業経路を自動作成しておくか、予め圃場毎の作業経路データを作成しておき、処理部110に記憶しておく。
【0042】
散布作業機101は処理部110内に格納されている自律走行プログラム121により、水田126の形状に関する情報を基に作業車進入地点127から作業開始地点128までの作業車誘導経路を自動作成する。
散布作業機101は前記作業車誘導経路(作業車進入地点127から作業開始地点128まで)を自律走行後、停車することなく薬液散布作業を開始し、GPSユニット102による位置情報を基に自律走行を続ける。最後に作業終了地点129まで到達すると、散布作業機101は自動的に自律走行を終了し、停車する。
【0043】
なお、散布作業機101の自律走行経路は幾通りも作成することが可能であるが、作業速度の観点から見れば、走行経路が最も短い経路を選択することが望ましい。ただし、実際には圃場内に障害物(看板・鉄塔脚など)が存在したり、圃場の特定箇所が軟弱地盤であったり、あるいは作業車が圃場に進入できる地点が特定の場所に制約されるなど、種々の状況が考えられる。
また、散布作業機101が一度散布作業を行った場所を再び通過することは、薬液散布による害虫駆除・防除効果の観点から見て好ましいことではない。よって、処理部110に予め諸条件を入力するか、記憶させておくとともに、これらの諸条件を加味した上で最適の走行経路を選択可能に自律走行プログラム121を構成することが重要である。
【0044】
次に、自律走行中における薬液タンク24内の薬液量の管理、および薬液が無くなった場合の散布作業機101の挙動について説明を行う。
本実施例の散布作業機101の薬液タンク24は運転席14を側面及び後面から覆う形状を有している。該薬液タンク24内には、図13に示すように薬液量計測手段である液面レベル検知手段190が設けられる。該液面レベル検知手段190は静電容量式、光学式、超音波式などのレベルセンサまたは液面センサ、あるいは接触センサまたは感圧センサであり、薬液タンク24内の薬液量を検知し、本機コントローラ169に送信可能に構成される。
なお、液面レベル検知手段190は液面の上限および下限を検知する形式としても、液面レベルを精度良く計測する形式としてもよい。また、液面レベル検知手段190の配設位置は、例えば感圧センサの場合は薬液タンク24の底面内壁であったり、静電容量式の液面センサの場合は薬液タンク24の上面内壁であったり、光学式のレベルセンサの場合は側面内壁であったりするので、限定されない。
【0045】
図12に示す如く、薬液タンク24後部下面の左右略中央には該薬液タンク24から薬液を送り出す吸水口24aが設けられていて、該吸水口24aから噴霧ポンプ4の薬液流入口まではホース46を介して連通接続されている。そして、同じく薬液タンク24の背面下部には、ポンプ部36から薬液タンク24へ還流される薬液の戻り口94a・95a・96a・97aが前記吸水口24aを中心として左右に二つずつ設けられている。これらの戻り口94a・95a・96a・97aは薬液タンク24の下部に設けられて、該戻り口94a・95a・96a・97aより薬液タンク24へ還流される薬液の流圧を利用して薬液タンク24内の薬液を撹拌する構成とされている。
【0046】
図13に示す如く、薬液は薬液タンク24の吸水口24aからホース46を介して三方切換コック77へ流入し、ストレーナ78で異物を除去された後、噴霧ポンプ4内に流入する。
【0047】
噴霧ポンプ4のクランクケースには、エアチャンバ及び安全弁が前後に配されており、ピストンの往復動で圧送された薬液を蓄圧して吐出口より一定圧力で吐出することが可能である。
また、前記噴霧ポンプ4の吐出口から吐出された薬液のうち、設定圧力以上の余水は安全弁79からホース94を経て、薬液タンク24背面に設けられた戻り口94aに還流される。
【0048】
一方、設定圧力以下の薬液はホース45を通じて散布量制御装置3へと導かれる。散布量制御装置3は、二つの流量制御弁(噴霧側バルブ91、戻し側バルブ90)によって、ブーム40のノズル23・23・・・に圧送する薬液の量を制御している。該散布量制御装置3はモータ30により開閉され、該モータ30は、本機コントローラ169により作動する構成となっている。該本機コントローラ169への指令は、運転席14付近に設けられた手動スイッチによっても、自律走行コントローラである制御部(処理部)110によっても行うことが可能である。
噴霧ポンプ4からホース45を介して分岐管32に流入した薬液は、ここで、噴霧側経路と薬液タンク戻り側経路に分岐される。該分岐管32の薬液タンク戻り側経路であるホース95の中途部には戻し側バルブ90が配設されており、該戻し側バルブ90が開いているときは、薬液はホース95を経て、薬液タンク24の背面下部に設けられた戻り口95aより薬液タンク24へ還流する。
【0049】
一方、分岐管32から噴霧側経路へ送られた薬液は、ホース99を通って噴霧側バルブ91へ導かれる。噴霧側バルブ91は、散布作業時には開かれて、該噴霧側バルブ91の開放具合によって、ブーム40に設けられたノズル23・23・・・より噴出する薬液の量を制御する。
【0050】
噴霧側バルブ91を通過した薬液は、さらに、撹拌分岐管33に流入する。該撹拌分岐管33には二つの撹拌排出口96b・97bが設けられており、夫々の撹拌排出口96b・97bには薬液タンク後下部に設けられた戻り口96a・97aへ接続されるホース96・97が連結されている。撹拌排出口96b・97bから圧送された薬液は、薬液タンク24へ還流して該薬液タンク24内の薬液を撹拌する。従って、前述の二つのタンク戻り口94a・95aと合わせて、合計四つの戻り口94a・95a・96a・97aから薬液タンク24内へ送られる薬液の流れを利用して、薬液は防除作業中は常に撹拌され、薬液の濃度に偏りが発生したり、沈殿等が生じたりしないように構成される。
【0051】
また、前記撹拌分岐管33には流量センサ57が設けられている。従って、該流量センサ57によって、ブーム40のノズル23・23・・・に圧送される薬液量を検知することが可能である。また、流量センサ57に替わり、圧力センサを設けることも可能である。該流量センサ57は本機コントローラ169に接続され、流量に関するデータを送信可能に構成される。
前記撹拌分岐管33を通過した薬液は吐出バルブ31に到達し、該吐出バルブ31が開放されているときはブーム40に設けられたノズル23・23・・・へ配管175を通って送られる。配管175の他端側は三つに分岐してそれぞれ散布開閉バルブ176・177・178に接続される。電磁バルブ等より構成される散布開閉バルブ176・177・178は互いに独立して開閉可能に構成され、その開閉動作は本機コントローラ169と接続して制御される。
配管179は右側方ブーム42Rに沿って配設され、その一端はフレキシブルホース179aにより散布開閉バルブ176に接続される。そして、配管179の他端側は閉塞されており、中途部に複数のノズル23が設けられている。同様に、配管180は前方ブーム41に沿って配設され、その一端はフレキシブルホース180aにより散布開閉バルブ177に接続される。そして、配管180の他端側は閉塞されており、中途部に複数のノズル23が設けられている。配管181は左側方ブーム42Lに沿って配設され、その一端はフレキシブルホース181aにより散布開閉バルブ178に接続される。
【0052】
本機コントローラ169に送信された薬液タンク24の薬液残量に関する情報は前述のPDA162の表示部162aや本機備え付けの表示部112に表示され、オペレータは散布作業機の搭乗時、自律走行中を問わず薬液残量をリアルタイムで知ることが可能である。
【0053】
また、当該圃場の面積や単位面積当たりの薬液散布量を予めPDA162や本機備え付けの操作部111から処理部110へ入力しておくことにより、薬液(あるいは肥料)を補充する際に必要な薬液補充量がPDA162の表示部162aや本機備え付けの表示部112に計算・表示されるとともに、必要な薬液補充量が補充されるとブザーやランプが作動して、余剰の薬液を補充しないで済むように構成することも可能である。
【0054】
以上の如く構成することにより、余剰の薬液(あるいは肥料)を補充しなくても良いので、経済性に優れる。また、自律走行開始前に当該圃場に必要な薬液量が判るので、自律走行中に薬液が無くなり、散布作業機101を圃場端部まで誘導して薬液を補充したりするなど煩雑な作業が発生することを回避することが可能である。
【0055】
なお、本実施例においては、散布作業機101の本機コントローラ169と自律走行コントローラである処理部110とは別体であり、これらの間をケーブルで接続する構成としたが、これらを一体化して、CPUやRAMやROM等を備える一つの制御手段により制御する構成としても良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0057】
即ち、請求項1に示す如く、GPSと、内界センサとを搭載し、処理部により自律的に走行制御して作業を行う農業用作業車であって、
GPSから得られる高さ方向の位置情報と、農業用作業車の高さ変位量とを比較し、設定値以上変位したときは自律走行を停止するように制御したので、農業用作業車が自律走行中に誤って圃場外へ出たまま走行を続けたり、溝にはまって走行不能となったり、転倒したりすることを未然に防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の側面図。
【図2】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の平面図。
【図3】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の正面図。
【図4】本発明における自律走行システムの模式図。
【図5】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の斜視図。
【図6】基準局ユニットを示す図。
【図7】農業用作業車の圃場上の位置とGPSアンテナの高さとの関係を示す図。
【図8】PDA表示部の表示例を示す模式図。
【図9】PDA表示部の別表示例を示す模式図。
【図10】本発明の農業用作業車による自律走行経路の実施例を示す模式図。
【図11】本発明における自律走行のフローチャート図。
【図12】薬液タンクの後面図。
【図13】薬液配管系統を示す模式図。
【符号の説明】
101 農業用作業機
102 GPSユニット
103 移動局ユニット
104 基準局ユニット
108 GPSアンテナ
Claims (1)
- GPSと、内界センサとを搭載し、処理部により自律的に走行制御して作業を行う農業用作業車であって、
GPSから得られる高さ方向の位置情報と、農業用作業車の高さ変位量とを比較し、設定値以上変位したときは自律走行を停止するように制御したことを特徴とする農業用作業車。
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