JP2004006769A - 電子機器用冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケース内に収納した発熱部からの熱を効率よく放熱して冷却することが可能で、小型化及び軽量化を図ることができる電子機器用冷却装置を提供する。
【解決手段】壁部23で囲まれたケース21内に電子機器が収納され、電子機器の発熱部を冷却する電子機器用冷却装置である。ケース21の一部を凹状または孔状に形成することによって外気を流通させる空気通路24が形成される。金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィン7が、その空気通路24内に取り付けられる。
【選択図】図6
【解決手段】壁部23で囲まれたケース21内に電子機器が収納され、電子機器の発熱部を冷却する電子機器用冷却装置である。ケース21の一部を凹状または孔状に形成することによって外気を流通させる空気通路24が形成される。金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィン7が、その空気通路24内に取り付けられる。
【選択図】図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動電話網の無線基地局など、屋外などに設置される電子機器内で発生する熱を効率よく放熱する電子機器用の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、移動電話網の無線基地局として多くの無線通信装置がビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置されているが、この種の無線通信装置には、送信用の増幅回路などに発熱量の大きいパワー素子が使用されるため、装置自体の発熱量が増大している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の通信機器の回路基板の発熱は、回路素子の温度上昇をもたらし、電子回路の動作性能の低下や故障の原因となるため、発熱を空気流により放熱して冷却する冷却装置を通常設けている。しかし、従来のこの種の無線通信機器の冷却装置としては、一般に、通信機器の密閉された内ケースの外側を外ケースにより包囲し、外ケースの外面にアルミダイキャスト製の冷却用フィン(ヒートシンクフィン)を設けただけの比較的簡単な構造である。したがって、内ケース内で発生した発熱を外ケースの外面のヒートシンクフィンで放熱するように冷却するため、冷却能力が低く、通信機器内部の増加した発熱量を、従来のヒートシンクフィンで効率よく放熱することが難しいという課題があった。
【0004】
このために、この種の屋外に設置される通信機器の冷却装置として、外ケースの外面に大形のヒートシンクフィンを設けることが検討されたが、大形のヒートシンクフィン、例えばフィンのピッチが20mmで、フィンの高さが40mmのヒートシンクフィンをアルミダイキャストで製作するには、非常に高い製造コストがかかり、また、ヒートシンクフィン自体の重量も、例えば20kg以上と増大するため、冷却装置を含む無線通信装置の重量が非常に重くなり、ビルの屋上や支柱の上に設置する際、多くの人手を必要とし、設置作業性が非常に悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ケース内に収納した発熱部からの熱を効率よく放熱して冷却することが可能で、小型化及び軽量化を図ることができる電子機器用冷却装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の電子機器用冷却装置は、壁部で囲まれたケース内に電子機器が収納され、電子機器の発熱部を冷却する電子機器用冷却装置において、ケースの一部を凹状または孔状に形成することによって外気を流通させる空気通路が形成され、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンが該空気通路内に取り付けられたことを特徴とする。
【0007】
ここで、上記請求項1の電子機器用冷却装置において、請求項2のように、上記空気通路はケースの一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に複数形成され、空気通路に沿った壁部の内側のケース内に電子機器の発熱部が取り付けられ、その壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けることができる。
【0008】
また、請求項3のように、上記空気通路はケースの壁部を介してケースを貫通する貫通孔状に複数形成され、空気通路に沿ったケースの壁部の内側に電子機器の発熱部が取り付けられ、その壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けることができる。
【0009】
また、請求項4のように、上記コルゲートルーバフィンはケースの壁部にロウ付けすることができる。
【0010】
また、請求項5のように、上記空気通路に空気を流通させるための外気ファンを設けることができる。
【0011】
【作用】
上記構成の電子機器用冷却装置では、ケースの壁部で囲まれた内部に電子機器の発熱部が収納され、ケースの一部に設けた空気通路に外気が自然対流によって流れる。発熱部から生じる熱は、壁部を通して空気通路に設けたコルゲートルーバフィンに熱伝達され、空気通路を流れる空気流によってコルゲートルーバフィンは冷却される。このとき、発熱部で発生した熱はコルゲートルーバフィンに良好に熱伝達され、且つコルゲートルーバフィンの熱はその広い有効放熱面積により外気に対し高い効率で熱交換される。よって、コルゲートルーバフィンは効果的に冷却され、電子機器の発熱部の温度上昇は良好に抑制される。
【0012】
また、請求項2のように、空気通路はケースの一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に複数形成され、空気通路に沿った壁部の内側のケース内に電子機器の発熱部が取り付けられ、壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けるように構成すれば、ケースに複数の空気通路を良好に形成することができ、さらに発熱部からコルゲートルーバフィンへの熱伝導性を良くし、発熱部の温度上昇の抑制をより効果的に行うことができる。
【0013】
また、請求項3のように、空気通路はケースの壁部を介してケースを貫通する貫通孔状に複数形成され、空気通路に沿ったケースの壁部の内側に電子機器の発熱部が取り付けられ、壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けるように構成すれば、ケースに複数の空気通路を良好に形成することができ、さらに発熱部からコルゲートルーバフィンへの熱伝導性を良くし、発熱部の温度上昇の抑制をより効果的に行うことができる。
【0014】
また、請求項4のように、コルゲートルーバフィンをケースの壁部にロウ付けして取り付ければ、フィンを含む冷却装置の放熱面積をさらに拡大して、冷却能力を高め、発熱部の温度上昇をさらに抑制することができる。
【0015】
また、請求項5のように、空気通路に空気を流通させるための外気ファンを設けることによって、さらに外気による冷却効率を高め、発熱部の温度上昇をさらに抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の冷却装置を適用した電子機器としての無線通信装置の斜視図を示し、図2はその部分切り欠き斜視図を、図3は中間ケース1内の内ケース3の斜視図を示し、図4,5はその断面図を示している。
【0017】
図において、3は内部に収容室13を形成して矩形の箱型に形成された内ケースであり、収容室13内には発熱部となる回路素子、その他トランス等の電気機器を実装した回路基板10が収納される。この内ケース3は、図4に示すように、背面部が開口され、図3に示すように、その正面には収容室13内の空気を循環させるための内気ファン4が取り付けられる。
【0018】
内気ファン4のケーシング14は、内ケース3内の空気を吸引するように取り付けられ、ファンにより吸引した空気をラジアル方向に送風するように、ケーシング14の外周部に送風口15が形成されている。内気ファン4は、図3では1台が内ケース3の正面側に取り付けられているが、ケースの大きさによっては2台以上設けることもできる。
【0019】
内ケース3の外側には空間を形成した状態で、中間ケース1がその周囲全体を包囲するように配設される。中間ケース1は密閉構造を持った矩形の箱型に形成され、中間ケース1の内側で内ケース3の外側の空間には、内気通路11が内ケース3の周囲全体に形成される。つまり、内ケース3は密閉構造の中間ケース1によって包囲され、内側の空気が内ケース3の内と外を流通するための内気通路11が中間ケース1内に形成されている。
【0020】
そして、この内気通路11内に、内気用コルゲートルーバフィン6が配設される。この内気用コルゲートルーバフィン6は、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたコルゲートフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。このようなアルミニウムの薄板製で、コルゲート状に成形されると共に、多数のルーバを切り起こして形成された内気用コルゲートルーバフィン6は、極めて軽量であると共に、良好な熱伝導性を有し、空気の流通により非常に高い熱交換効率(冷却効率)を有している。
【0021】
このような内気用コルゲートルーバフィン6は、図3に示すように、そのコルゲート方向を内ケース3の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、内ケース3の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、内気用コルゲートルーバフィン6は、図4,5に示すように、中間ケース1の内周面にもロウ付けにより固定される。このように、内気用コルゲートルーバフィン6を内ケース3の外周面と中間ケース1の内周面にロウ付けすることにより、ケースの放熱面積を有効に拡大することができる。したがって、内気ファン4により内気通路11内を空気が通過する際、放熱面積の広い内気用コルゲートルーバフィン6の周囲を通過して流通し、空気とフィン間で熱交換が効率よく行われる。
【0022】
さらに、中間ケース1の外側に外ケース2がそれを包囲するように配設される。この外ケース2は矩形の箱型に形成され、内側に空間を持った状態で中間ケース1の外側に被せられ、これによって、中間ケース1と外ケース2の間に、空気の流通路として外気通路12が形成される。外ケース2の背面には外気と連通する開口部が設けられ、その正面側には外気ファン5が外ケース2内の外気通路12の空気を外側に送風するように配設される。外気ファン5は図1のように2台が外ケース2の正面に装着されるが、ケースの大きさによっては1台であっても、3台以上設けることもできる。
【0023】
さらに、この外気通路12内に、外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。外気用コルゲートルーバフィン7は、上記の内気用コルゲートルーバフィン6と同じ構造のフィンであり、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。
【0024】
この外気用コルゲートルーバフィン7も、図2に示すように、そのコルゲート方向を中間ケース1の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、中間ケース1の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、外気用コルゲートルーバフィン7は、図4,5に示すように、外ケース2の内周面にもロウ付けにより固定される。
【0025】
次に、上記構成の電子機器用冷却装置の動作を説明すると、冷却装置では、内ケース3内に収容された電子機器の動作中、内ケース3に取り付けられた内気ファン4と外ケース2に取り付けられた外気ファン5が運転・駆動される。
【0026】
内気ファン4の駆動により、内気ファン3内つまり発熱部である回路基板10を収容した収容室13内の空気は、内気ファン3に吸引されて中間ケース1内の内気通路11に向けて送風される。中間ケース1内は密閉構造であり、内ケース3の背面がケース1内に開口しているから、中間ケース1内の内気通路11に送風された空気はそこを通り、再び内ケース3内に戻って、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する。この間、回路基板10のパワー素子等から発生した熱は、収容室13内を流れる空気に伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換され、相対的に回路基板10の温度は低下する。
【0027】
一方、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する内側の空気の温度は、回路基板10から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィン6を通過する際、極めて広い有効放熱面積を持つコルゲートルーバフィン6に接触して、空気の熱が内気用コルゲートルーバフィン6に伝達される。これによって、内ケース3内の空気の温度の上昇は抑制され、内ケース3内の回路基板10は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0028】
一方、内気用コルゲートルーバフィン6に伝達された熱は、フィン6がロウ付けされた中間ケース1に伝達され、さらに中間ケース1から外気用コルゲートルーバフィン7に伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7の温度を上昇させる。しかし、外気ファン5の駆動により、外気が中間ケース1の外側で外ケース2の内側の外気通路12を流通し、その際、そこに配設された外気用コルゲートルーバフィン7の周囲を外気が通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、その温度上昇は抑制される。
【0029】
従って、内ケース3内の回路基板10で発生した熱は、内ケース3の外周面に固定された内気用コルゲートルーバフィン6、中間ケース1、及び外気用コルゲートルーバフィン7を経て、外気に伝達され、これによって内ケース3内を冷却し、回路基板10の温度上昇を抑制することができる。
【0030】
このように、回路基板10を収容する内ケース3の外側の内気通路11と中間ケース1の外側の外気通路12に、コルゲート状で且つルーバを有して放熱面積の広いコルゲートルーバフィン6,7を配設し、これらのコルゲートルーバフィン6,7を通して回路基板10の熱を外気に放熱するから、従来のヒートシンクフィンを使用したものに比べ、冷却性能を大きく高め、冷却装置をより小形に構成することができる。また、アルミニウムなどの金属薄板を成形して製作されるコルゲートルーバフィン6,7は、従来のヒートシンクフィンを使用した冷却装置に比べ、その重さを約半分以下にまで低減することができる。
【0031】
図6〜図8は他の実施形態の電子機器用冷却装置を示している。この例では、壁部23で囲まれたケース21内に回路基板10が収納され、ケース21の一部を凹状に形成することによって外気を流通させる複数の空気通路24が形成され、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造の外気用コルゲートルーバフィン7が、その空気通路24内に取り付けられる。なお、図6〜図8において、上記実施形態と同様な構成部分については、上記と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0032】
すなわち、図6に示すように、複数の空気通路24は、ケース21の一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に形成されている。電子機器の回路基板10は、それらの空気通路24に沿った壁部23の内側のケース21内に、壁部23に接して取り付けられる。そして、それらの空気通路24内には、壁部23の外側に接して外気用コルゲートルーバフィン7が取り付けられる。
【0033】
外気用コルゲートルーバフィン7は、上記と同様に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造である。これらの外気用コルゲートルーバフィン7は、そのコルゲート方向を空気通路24の流通方向と直角にし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の流通方向に向け、壁部23の外側面に接して、ロウ付けにより固定される。回路基板10は壁部23に接して固定することもできるが、回路基板10を熱伝導性の良いステイや脚部を介して壁部に固定することもできる。
【0034】
このような構成の電子機器用冷却装置は、例えば移動電話網の無線基地局の無線通信装置としてビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置された無線通信機器などに使用される。ケース21は、例えば図6の正面を下方に向け、その背面を上方に向けるように設置され、ケース21の空気通路24は縦方向に配置される。通信機器の動作時、回路基板10で発生した熱は壁部23を介して外側の空気通路24内の外気用コルゲートルーバフィン7に熱伝達される。よって、ケース21内の空気通路24には空気の自然対流が発生し、外気がケース21の空気通路24を下から上に通過する。
【0035】
このような空気通路24内の外気の自然対流により、空気通路24内に配置された外気用コルゲートルーバフィン7は、外気に触れて良好に冷却され、特に、回路基板10で発生した熱は外気用コルゲートルーバフィン7に良好に伝達され、且つ外気用コルゲートルーバフィン7の熱はその広い有効放熱面積により外気に対し高い効率で熱交換される。これにより、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、ケース21内の回路基板10の温度上昇は良好に抑制される。また、この冷却装置では、空気を流通させるための外気ファンを使用しないため、小型軽量化が可能となり、ファンによる騒音の発生をなくし、ファンのための電力も不要とすることができる。
【0036】
なお、上記実施形態では、ケース21の一面から切り込みを入れるようにスリット状に複数の空気通路24を形成したが、それらの空気通路の側方の開口部を閉じて貫通孔状の通路、つまりケースの壁部を介してケースを貫通する貫通孔状の空気通路を複数形成することもできる。
【0037】
図9はさらに他の実施形態の電子機器用冷却装置を示している。この例では、ケース31の左外側に空気通路34の一方の開口を覆う流通口32を形成し、そこに外気ファン39を取り付け、外気ファン39により空気通路34内の外気を流通させるように構成している。なお、図9において、上記実施形態と同様な構成部分については、上記と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0038】
すなわち、図9に示すように、複数の空気通路34は、ケース31の一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に形成されている。電子機器の回路基板10は、それらの空気通路34に沿った壁部33の内側のケース31内に、壁部33に接して取り付けられる。そして、それらの空気通路34内には、壁部33の外側に接して外気用コルゲートルーバフィン7が取り付けられる。ケース31の左外側には、空気通路34の一方の開口を覆うように流通口32が形成され、そこに外気ファン39が取り付けられる。
【0039】
これらの外気用コルゲートルーバフィン7は、そのコルゲート方向を空気通路34の流通方向と直角にし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の流通方向に向け、壁部33の外面に接して、ロウ付けにより固定される。回路基板10は壁部33に接して固定することもできるが、回路基板10を熱伝導性の良いステイや脚部を介して壁部に固定することもできる。
【0040】
このような構成の電子機器用冷却装置は、ケース31の壁部33内に収容された電子機器の動作中、流通口32に設置された外気ファン39が運転・駆動され、外気ファン39の駆動により、外気が空気通路34内に流入し、流通口32から排出される。これにより、空気通路34内に取り付けられた外気用コルゲートルーバフィン7は、外気に触れて冷却され、特に回路基板10で発生した熱は外気用コルゲートルーバフィン7に良好に熱伝達され、且つ外気用コルゲートルーバフィン7の熱はその広い有効放熱面積により外気に対し高い効率で熱交換される。したがって、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、電子機器の回路基板10の温度上昇は良好に抑制される。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子機器用冷却装置によれば、電子機器の発熱部を収容したケースの一部を凹状または孔状に形成することによって、外気を流通させる空気通路を形成し、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンを、その空気通路内に取り付け、コルゲートルーバフィンと流通空気との間で熱交換を行い、電子機器の発熱部を冷却するように構成したから、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、小型で放熱面積の極めて広いコルゲートルーバフィンによって、冷却用の空気の冷却能力を高め、発熱部の温度上昇を高い効率で抑制することができる。
【0042】
また、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、コルゲートルーバフィンを使用することにより、冷却装置を小型で且つ軽量に製造することができ、冷却装置付き無線通信装置などの電子機器の設置作業を少数の作業者で容易に行うことができる。また、コルゲートルーバフィンは、アルミダイキャストで作られるヒートシンクフィンに比べ、小形の成形型で、安価に製造することができ、冷却装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図2】同冷却装置の一部切り欠き斜視図である。
【図3】内ケース3の斜視図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】他の実施形態の電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII断面図である。
【図9】さらに他の実施形態の電子機器用冷却装置の断面図である。
【符号の説明】
7−外気用コルゲートルーバフィン
10−回路基板(発熱部)
21−ケース
23−壁部
24−空気通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動電話網の無線基地局など、屋外などに設置される電子機器内で発生する熱を効率よく放熱する電子機器用の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、移動電話網の無線基地局として多くの無線通信装置がビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置されているが、この種の無線通信装置には、送信用の増幅回路などに発熱量の大きいパワー素子が使用されるため、装置自体の発熱量が増大している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の通信機器の回路基板の発熱は、回路素子の温度上昇をもたらし、電子回路の動作性能の低下や故障の原因となるため、発熱を空気流により放熱して冷却する冷却装置を通常設けている。しかし、従来のこの種の無線通信機器の冷却装置としては、一般に、通信機器の密閉された内ケースの外側を外ケースにより包囲し、外ケースの外面にアルミダイキャスト製の冷却用フィン(ヒートシンクフィン)を設けただけの比較的簡単な構造である。したがって、内ケース内で発生した発熱を外ケースの外面のヒートシンクフィンで放熱するように冷却するため、冷却能力が低く、通信機器内部の増加した発熱量を、従来のヒートシンクフィンで効率よく放熱することが難しいという課題があった。
【0004】
このために、この種の屋外に設置される通信機器の冷却装置として、外ケースの外面に大形のヒートシンクフィンを設けることが検討されたが、大形のヒートシンクフィン、例えばフィンのピッチが20mmで、フィンの高さが40mmのヒートシンクフィンをアルミダイキャストで製作するには、非常に高い製造コストがかかり、また、ヒートシンクフィン自体の重量も、例えば20kg以上と増大するため、冷却装置を含む無線通信装置の重量が非常に重くなり、ビルの屋上や支柱の上に設置する際、多くの人手を必要とし、設置作業性が非常に悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ケース内に収納した発熱部からの熱を効率よく放熱して冷却することが可能で、小型化及び軽量化を図ることができる電子機器用冷却装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の電子機器用冷却装置は、壁部で囲まれたケース内に電子機器が収納され、電子機器の発熱部を冷却する電子機器用冷却装置において、ケースの一部を凹状または孔状に形成することによって外気を流通させる空気通路が形成され、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンが該空気通路内に取り付けられたことを特徴とする。
【0007】
ここで、上記請求項1の電子機器用冷却装置において、請求項2のように、上記空気通路はケースの一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に複数形成され、空気通路に沿った壁部の内側のケース内に電子機器の発熱部が取り付けられ、その壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けることができる。
【0008】
また、請求項3のように、上記空気通路はケースの壁部を介してケースを貫通する貫通孔状に複数形成され、空気通路に沿ったケースの壁部の内側に電子機器の発熱部が取り付けられ、その壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けることができる。
【0009】
また、請求項4のように、上記コルゲートルーバフィンはケースの壁部にロウ付けすることができる。
【0010】
また、請求項5のように、上記空気通路に空気を流通させるための外気ファンを設けることができる。
【0011】
【作用】
上記構成の電子機器用冷却装置では、ケースの壁部で囲まれた内部に電子機器の発熱部が収納され、ケースの一部に設けた空気通路に外気が自然対流によって流れる。発熱部から生じる熱は、壁部を通して空気通路に設けたコルゲートルーバフィンに熱伝達され、空気通路を流れる空気流によってコルゲートルーバフィンは冷却される。このとき、発熱部で発生した熱はコルゲートルーバフィンに良好に熱伝達され、且つコルゲートルーバフィンの熱はその広い有効放熱面積により外気に対し高い効率で熱交換される。よって、コルゲートルーバフィンは効果的に冷却され、電子機器の発熱部の温度上昇は良好に抑制される。
【0012】
また、請求項2のように、空気通路はケースの一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に複数形成され、空気通路に沿った壁部の内側のケース内に電子機器の発熱部が取り付けられ、壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けるように構成すれば、ケースに複数の空気通路を良好に形成することができ、さらに発熱部からコルゲートルーバフィンへの熱伝導性を良くし、発熱部の温度上昇の抑制をより効果的に行うことができる。
【0013】
また、請求項3のように、空気通路はケースの壁部を介してケースを貫通する貫通孔状に複数形成され、空気通路に沿ったケースの壁部の内側に電子機器の発熱部が取り付けられ、壁部に接してコルゲートルーバフィンを取り付けるように構成すれば、ケースに複数の空気通路を良好に形成することができ、さらに発熱部からコルゲートルーバフィンへの熱伝導性を良くし、発熱部の温度上昇の抑制をより効果的に行うことができる。
【0014】
また、請求項4のように、コルゲートルーバフィンをケースの壁部にロウ付けして取り付ければ、フィンを含む冷却装置の放熱面積をさらに拡大して、冷却能力を高め、発熱部の温度上昇をさらに抑制することができる。
【0015】
また、請求項5のように、空気通路に空気を流通させるための外気ファンを設けることによって、さらに外気による冷却効率を高め、発熱部の温度上昇をさらに抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の冷却装置を適用した電子機器としての無線通信装置の斜視図を示し、図2はその部分切り欠き斜視図を、図3は中間ケース1内の内ケース3の斜視図を示し、図4,5はその断面図を示している。
【0017】
図において、3は内部に収容室13を形成して矩形の箱型に形成された内ケースであり、収容室13内には発熱部となる回路素子、その他トランス等の電気機器を実装した回路基板10が収納される。この内ケース3は、図4に示すように、背面部が開口され、図3に示すように、その正面には収容室13内の空気を循環させるための内気ファン4が取り付けられる。
【0018】
内気ファン4のケーシング14は、内ケース3内の空気を吸引するように取り付けられ、ファンにより吸引した空気をラジアル方向に送風するように、ケーシング14の外周部に送風口15が形成されている。内気ファン4は、図3では1台が内ケース3の正面側に取り付けられているが、ケースの大きさによっては2台以上設けることもできる。
【0019】
内ケース3の外側には空間を形成した状態で、中間ケース1がその周囲全体を包囲するように配設される。中間ケース1は密閉構造を持った矩形の箱型に形成され、中間ケース1の内側で内ケース3の外側の空間には、内気通路11が内ケース3の周囲全体に形成される。つまり、内ケース3は密閉構造の中間ケース1によって包囲され、内側の空気が内ケース3の内と外を流通するための内気通路11が中間ケース1内に形成されている。
【0020】
そして、この内気通路11内に、内気用コルゲートルーバフィン6が配設される。この内気用コルゲートルーバフィン6は、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたコルゲートフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。このようなアルミニウムの薄板製で、コルゲート状に成形されると共に、多数のルーバを切り起こして形成された内気用コルゲートルーバフィン6は、極めて軽量であると共に、良好な熱伝導性を有し、空気の流通により非常に高い熱交換効率(冷却効率)を有している。
【0021】
このような内気用コルゲートルーバフィン6は、図3に示すように、そのコルゲート方向を内ケース3の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、内ケース3の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、内気用コルゲートルーバフィン6は、図4,5に示すように、中間ケース1の内周面にもロウ付けにより固定される。このように、内気用コルゲートルーバフィン6を内ケース3の外周面と中間ケース1の内周面にロウ付けすることにより、ケースの放熱面積を有効に拡大することができる。したがって、内気ファン4により内気通路11内を空気が通過する際、放熱面積の広い内気用コルゲートルーバフィン6の周囲を通過して流通し、空気とフィン間で熱交換が効率よく行われる。
【0022】
さらに、中間ケース1の外側に外ケース2がそれを包囲するように配設される。この外ケース2は矩形の箱型に形成され、内側に空間を持った状態で中間ケース1の外側に被せられ、これによって、中間ケース1と外ケース2の間に、空気の流通路として外気通路12が形成される。外ケース2の背面には外気と連通する開口部が設けられ、その正面側には外気ファン5が外ケース2内の外気通路12の空気を外側に送風するように配設される。外気ファン5は図1のように2台が外ケース2の正面に装着されるが、ケースの大きさによっては1台であっても、3台以上設けることもできる。
【0023】
さらに、この外気通路12内に、外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。外気用コルゲートルーバフィン7は、上記の内気用コルゲートルーバフィン6と同じ構造のフィンであり、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。
【0024】
この外気用コルゲートルーバフィン7も、図2に示すように、そのコルゲート方向を中間ケース1の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、中間ケース1の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、外気用コルゲートルーバフィン7は、図4,5に示すように、外ケース2の内周面にもロウ付けにより固定される。
【0025】
次に、上記構成の電子機器用冷却装置の動作を説明すると、冷却装置では、内ケース3内に収容された電子機器の動作中、内ケース3に取り付けられた内気ファン4と外ケース2に取り付けられた外気ファン5が運転・駆動される。
【0026】
内気ファン4の駆動により、内気ファン3内つまり発熱部である回路基板10を収容した収容室13内の空気は、内気ファン3に吸引されて中間ケース1内の内気通路11に向けて送風される。中間ケース1内は密閉構造であり、内ケース3の背面がケース1内に開口しているから、中間ケース1内の内気通路11に送風された空気はそこを通り、再び内ケース3内に戻って、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する。この間、回路基板10のパワー素子等から発生した熱は、収容室13内を流れる空気に伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換され、相対的に回路基板10の温度は低下する。
【0027】
一方、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する内側の空気の温度は、回路基板10から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィン6を通過する際、極めて広い有効放熱面積を持つコルゲートルーバフィン6に接触して、空気の熱が内気用コルゲートルーバフィン6に伝達される。これによって、内ケース3内の空気の温度の上昇は抑制され、内ケース3内の回路基板10は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0028】
一方、内気用コルゲートルーバフィン6に伝達された熱は、フィン6がロウ付けされた中間ケース1に伝達され、さらに中間ケース1から外気用コルゲートルーバフィン7に伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7の温度を上昇させる。しかし、外気ファン5の駆動により、外気が中間ケース1の外側で外ケース2の内側の外気通路12を流通し、その際、そこに配設された外気用コルゲートルーバフィン7の周囲を外気が通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、その温度上昇は抑制される。
【0029】
従って、内ケース3内の回路基板10で発生した熱は、内ケース3の外周面に固定された内気用コルゲートルーバフィン6、中間ケース1、及び外気用コルゲートルーバフィン7を経て、外気に伝達され、これによって内ケース3内を冷却し、回路基板10の温度上昇を抑制することができる。
【0030】
このように、回路基板10を収容する内ケース3の外側の内気通路11と中間ケース1の外側の外気通路12に、コルゲート状で且つルーバを有して放熱面積の広いコルゲートルーバフィン6,7を配設し、これらのコルゲートルーバフィン6,7を通して回路基板10の熱を外気に放熱するから、従来のヒートシンクフィンを使用したものに比べ、冷却性能を大きく高め、冷却装置をより小形に構成することができる。また、アルミニウムなどの金属薄板を成形して製作されるコルゲートルーバフィン6,7は、従来のヒートシンクフィンを使用した冷却装置に比べ、その重さを約半分以下にまで低減することができる。
【0031】
図6〜図8は他の実施形態の電子機器用冷却装置を示している。この例では、壁部23で囲まれたケース21内に回路基板10が収納され、ケース21の一部を凹状に形成することによって外気を流通させる複数の空気通路24が形成され、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造の外気用コルゲートルーバフィン7が、その空気通路24内に取り付けられる。なお、図6〜図8において、上記実施形態と同様な構成部分については、上記と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0032】
すなわち、図6に示すように、複数の空気通路24は、ケース21の一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に形成されている。電子機器の回路基板10は、それらの空気通路24に沿った壁部23の内側のケース21内に、壁部23に接して取り付けられる。そして、それらの空気通路24内には、壁部23の外側に接して外気用コルゲートルーバフィン7が取り付けられる。
【0033】
外気用コルゲートルーバフィン7は、上記と同様に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造である。これらの外気用コルゲートルーバフィン7は、そのコルゲート方向を空気通路24の流通方向と直角にし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の流通方向に向け、壁部23の外側面に接して、ロウ付けにより固定される。回路基板10は壁部23に接して固定することもできるが、回路基板10を熱伝導性の良いステイや脚部を介して壁部に固定することもできる。
【0034】
このような構成の電子機器用冷却装置は、例えば移動電話網の無線基地局の無線通信装置としてビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置された無線通信機器などに使用される。ケース21は、例えば図6の正面を下方に向け、その背面を上方に向けるように設置され、ケース21の空気通路24は縦方向に配置される。通信機器の動作時、回路基板10で発生した熱は壁部23を介して外側の空気通路24内の外気用コルゲートルーバフィン7に熱伝達される。よって、ケース21内の空気通路24には空気の自然対流が発生し、外気がケース21の空気通路24を下から上に通過する。
【0035】
このような空気通路24内の外気の自然対流により、空気通路24内に配置された外気用コルゲートルーバフィン7は、外気に触れて良好に冷却され、特に、回路基板10で発生した熱は外気用コルゲートルーバフィン7に良好に伝達され、且つ外気用コルゲートルーバフィン7の熱はその広い有効放熱面積により外気に対し高い効率で熱交換される。これにより、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、ケース21内の回路基板10の温度上昇は良好に抑制される。また、この冷却装置では、空気を流通させるための外気ファンを使用しないため、小型軽量化が可能となり、ファンによる騒音の発生をなくし、ファンのための電力も不要とすることができる。
【0036】
なお、上記実施形態では、ケース21の一面から切り込みを入れるようにスリット状に複数の空気通路24を形成したが、それらの空気通路の側方の開口部を閉じて貫通孔状の通路、つまりケースの壁部を介してケースを貫通する貫通孔状の空気通路を複数形成することもできる。
【0037】
図9はさらに他の実施形態の電子機器用冷却装置を示している。この例では、ケース31の左外側に空気通路34の一方の開口を覆う流通口32を形成し、そこに外気ファン39を取り付け、外気ファン39により空気通路34内の外気を流通させるように構成している。なお、図9において、上記実施形態と同様な構成部分については、上記と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0038】
すなわち、図9に示すように、複数の空気通路34は、ケース31の一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に形成されている。電子機器の回路基板10は、それらの空気通路34に沿った壁部33の内側のケース31内に、壁部33に接して取り付けられる。そして、それらの空気通路34内には、壁部33の外側に接して外気用コルゲートルーバフィン7が取り付けられる。ケース31の左外側には、空気通路34の一方の開口を覆うように流通口32が形成され、そこに外気ファン39が取り付けられる。
【0039】
これらの外気用コルゲートルーバフィン7は、そのコルゲート方向を空気通路34の流通方向と直角にし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の流通方向に向け、壁部33の外面に接して、ロウ付けにより固定される。回路基板10は壁部33に接して固定することもできるが、回路基板10を熱伝導性の良いステイや脚部を介して壁部に固定することもできる。
【0040】
このような構成の電子機器用冷却装置は、ケース31の壁部33内に収容された電子機器の動作中、流通口32に設置された外気ファン39が運転・駆動され、外気ファン39の駆動により、外気が空気通路34内に流入し、流通口32から排出される。これにより、空気通路34内に取り付けられた外気用コルゲートルーバフィン7は、外気に触れて冷却され、特に回路基板10で発生した熱は外気用コルゲートルーバフィン7に良好に熱伝達され、且つ外気用コルゲートルーバフィン7の熱はその広い有効放熱面積により外気に対し高い効率で熱交換される。したがって、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、電子機器の回路基板10の温度上昇は良好に抑制される。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子機器用冷却装置によれば、電子機器の発熱部を収容したケースの一部を凹状または孔状に形成することによって、外気を流通させる空気通路を形成し、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンを、その空気通路内に取り付け、コルゲートルーバフィンと流通空気との間で熱交換を行い、電子機器の発熱部を冷却するように構成したから、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、小型で放熱面積の極めて広いコルゲートルーバフィンによって、冷却用の空気の冷却能力を高め、発熱部の温度上昇を高い効率で抑制することができる。
【0042】
また、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、コルゲートルーバフィンを使用することにより、冷却装置を小型で且つ軽量に製造することができ、冷却装置付き無線通信装置などの電子機器の設置作業を少数の作業者で容易に行うことができる。また、コルゲートルーバフィンは、アルミダイキャストで作られるヒートシンクフィンに比べ、小形の成形型で、安価に製造することができ、冷却装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図2】同冷却装置の一部切り欠き斜視図である。
【図3】内ケース3の斜視図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】他の実施形態の電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII断面図である。
【図9】さらに他の実施形態の電子機器用冷却装置の断面図である。
【符号の説明】
7−外気用コルゲートルーバフィン
10−回路基板(発熱部)
21−ケース
23−壁部
24−空気通路
Claims (5)
- 壁部で囲まれたケース内に電子機器が収納され、該電子機器の発熱部を冷却する電子機器用冷却装置において、
該ケースの一部を凹状または孔状に形成することによって外気を流通させる空気通路が形成され、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンが該空気通路内に取り付けられたことを特徴とする電子機器用冷却装置。 - 前記空気通路は前記ケースの一面から内側に凹状に切り込まれたスリット状に複数形成され、該空気通路に沿った壁部の内側のケース内に前記電子機器の発熱部が取り付けられ、該壁部に接して前記コルゲートルーバフィンが取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の電子機器用冷却装置。
- 前記空気通路は前記ケースの壁部を介して該ケースを貫通する貫通孔状に複数形成され、該空気通路に沿った該ケースの壁部の内側に前記電子機器の発熱部が取り付けられ、該壁部に接して前記コルゲートルーバフィンが取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の電子機器用冷却装置。
- 前記コルゲートルーバフィンは前記ケースの壁部にロウ付けされたことを特徴とする請求項1記載の電子機器用冷却装置。
- 前記空気通路に空気を流通させるための外気ファンが設けられたことを特徴とする請求項1記載の電子機器用冷却装置。
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-
2003
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