JP2004006744A - 電子機器用冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケース内に収納した発熱部からの熱を効率よく放熱して冷却することが可能で、小型化及び軽量化を図ることができ、日射による熱負荷を軽減することができる電子機器用冷却装置を提供する。
【解決手段】内ケース3内に電子機器の回路基板10を収納し、内ケース3の外側を中間ケース1で覆い、その外側に外ケース2を配設し、内気ファン4と外気ファン5の送風により回路基板10を冷却する。外気ファン5により送風する外気通路12内に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造の外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。外ケース2の外側にサンシェード板31〜34が装着される。サンシェード板31〜43の外側に太陽電池35が装着され、太陽電池35で発生した電力を用いて外気ファン5を駆動する。
【選択図】図7
【解決手段】内ケース3内に電子機器の回路基板10を収納し、内ケース3の外側を中間ケース1で覆い、その外側に外ケース2を配設し、内気ファン4と外気ファン5の送風により回路基板10を冷却する。外気ファン5により送風する外気通路12内に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造の外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。外ケース2の外側にサンシェード板31〜34が装着される。サンシェード板31〜43の外側に太陽電池35が装着され、太陽電池35で発生した電力を用いて外気ファン5を駆動する。
【選択図】図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動電話網の無線基地局など、屋外などに設置される電子機器内で発生する熱を効率よく放熱する電子機器用の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、移動電話網の無線基地局として多くの無線通信装置がビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置されているが、この種の無線通信装置には、送信用の増幅回路などに発熱量の大きいパワー素子が使用されるため、装置自体の発熱量が増大している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の通信機器の回路基板の発熱は、回路素子の温度上昇をもたらし、電子回路の動作性能の低下や故障の原因となるため、発熱を空気流により放熱して冷却する冷却装置を通常設けている。しかし、従来のこの種の無線通信機器の冷却装置としては、一般に、通信機器の密閉された内ケースの外側を外ケースにより包囲し、外ケースの外面にアルミダイキャスト製の冷却用フィン(ヒートシンクフィン)を設けただけの比較的簡単な構造である。したがって、内ケース内で発生した発熱を外ケースの外面のヒートシンクフィンで放熱するように冷却するため、冷却能力が低く、通信機器内部の増加した発熱量を、従来のヒートシンクフィンで効率よく放熱することが難しいという課題があった。
【0004】
このために、この種の屋外に設置される通信機器の冷却装置として、外ケースの外面に大形のヒートシンクフィンを設けることが検討されたが、大形のヒートシンクフィン、例えばフィンのピッチが20mmで、フィンの高さが40mmのヒートシンクフィンをアルミダイキャストで製作するには、非常に高い製造コストがかかり、また、ヒートシンクフィン自体の重量も、例えば20kg以上と増大するため、冷却装置を含む無線通信装置の重量が非常に重くなり、ビルの屋上や支柱の上に設置する際、多くの人手を必要とし、設置作業性が非常に悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ケース内に収納した発熱部からの熱を効率よく放熱して冷却することが可能で、小型化及び軽量化を図ることができ、さらに日射による熱負荷を軽減することができる電子機器用冷却装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の電子機器用冷却装置は、ケース内に電子機器の発熱部を収納し、ファンの送風により発熱部を冷却する電子機器用冷却装置において、ファンにより送風する空気の通路内に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンが配設され、ケースの外側にサンシェード板が装着され、サンシェード板の外側に太陽電池が装着され、太陽電池で発生した電力を用いてファンを駆動することを特徴とする。
【0007】
ここで、上記の冷却装置では、請求項2のように、ケースが略直方体形状に形成され、ケースを屋外に設置した際、ケースの外面が略真上を向く天面、ケースの外面が略南を向く南面、ケースの外面が略東を向く東面、ケースの外面が略西を向く西面に、各々前記サンシェード板を取り付けることができる。
【0008】
さらに、上記冷却装置では、請求項3の発明のように、発熱部が内ケース内に収容され、内ケースの外側に内気通路を介して中間ケースが内ケースを包囲するように配設され、内ケース内の空気を中間ケース内の内気通路との間で循環させる内気ファンが配設され、内気通路内に内気用コルゲートルーバフィンが配設され、中間ケースの外側に外気通路を介して外ケースが中間ケースを囲うように配設され、外気通路の空気を流通させる外気ファンが配設され、外気通路内に外気用コルゲートルーバフィンを配設して構成することができる。
【0009】
【作用】
このような電子機器用冷却装置は、例えば移動電話網の無線基地局となる無線通信装置用の冷却装置として、ビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置される。このような屋外の環境下に設置される電子機器には日中、直射日光が照射され、電子機器用冷却装置は高い日射負荷にさらされる。しかし、本冷却装置のケースの外側には、サンシェード板が装着されているため、ケース外面には日陰が形成され、直射日光による日射負荷は軽減され、ケース内の温度上昇を効果的に抑制することができる。また、サンシェード板の外側に太陽電池が装着され、太陽電池で発生した電力を用いて冷却用のファンを駆動するため、冷却装置で使用する電力を太陽電池の起電力でまかない、電力消費量を低減することができる。
【0010】
上記構成の電子機器用冷却装置では、内気ファンの駆動により、発熱部を収容した内ケース内の空気は、内気ファンに吸引されて、内ケース内と中間ケース内の内気通路を循環する。この間、内ケース内の発熱部から発生した熱は、内ケース内を流れる空気に熱伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換を行い、発熱部の温度は低下する。
【0011】
一方、内ケース内と中間ケース内の内気通路を循環する内側の空気の温度は、発熱部から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィンを通過する際、有効放熱面積の広いコルゲートルーバフィンに接触して、空気の熱がこのフィンに高い効率で伝達され、これによって、内ケース内の空気の温度の上昇が抑制され、内ケース内の発熱部は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0012】
一方、内気用コルゲートルーバフィンに伝達された熱は、中間ケースに伝達され、さらに中間ケースから外気用コルゲートルーバフィンに伝達され、外気用コルゲートルーバフィンの温度を上昇させる。外気ファンの駆動により、外気が中間ケースの外側で外ケースの内側の外気通路を流通するから、外気が外気通路に配設された外気用コルゲートルーバフィンの周囲を通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィンは効果的に冷却され、これによって、発熱部が冷却され、その温度上昇が抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の冷却装置を適用した電子機器としての無線通信装置の斜視図を示し、図2はその部分切り欠き斜視図を、図3は中間ケース1内の内ケース3の斜視図を示し、図4,5はその断面図を示している。
【0014】
図において、3は内部に収容室13を形成して矩形の箱型に形成された内ケースであり、収容室13内には発熱部となる回路素子、その他トランス等の電気機器を実装した回路基板10が収納される。この内ケース3は、図4に示すように、背面部が開口され、図3に示すように、その正面には収容室13内の空気を循環させるための内気ファン4が取り付けられる。
【0015】
内気ファン4のケーシング14は、内ケース3内の空気を吸引するように取り付けられ、ファンにより吸引した空気をラジアル方向に送風するように、ケーシング14の外周部に送風口15が形成されている。内気ファン4は、図3では1台が内ケース3の正面側に取り付けられているが、ケースの大きさによっては2台以上設けることもできる。
【0016】
内ケース3の外側には空間を形成した状態で、中間ケース1がその周囲全体を包囲するように配設される。中間ケース1は密閉構造を持った矩形の箱型に形成され、中間ケース1の内側で内ケース3の外側の空間には、内気通路11が内ケース3の周囲全体に形成される。つまり、内ケース3は密閉構造の中間ケース1によって包囲され、内側の空気が内ケース3の内と外を流通するための内気通路11が中間ケース1内に形成されている。
【0017】
そして、この内気通路11内に、内気用コルゲートルーバフィン6が配設される。この内気用コルゲートルーバフィン6は、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたコルゲートフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。このようなアルミニウムの薄板製で、コルゲート状に成形されると共に、多数のルーバを切り起こして形成された内気用コルゲートルーバフィン6は、極めて軽量であると共に、良好な熱伝導性を有し、空気の流通により非常に高い熱交換効率(冷却効率)を有している。
【0018】
このような内気用コルゲートルーバフィン6は、図3に示すように、そのコルゲート方向を内ケース3の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、内ケース3の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、内気用コルゲートルーバフィン6は、図4,5に示すように、中間ケース1の内周面にもロウ付けにより固定される。このように、内気用コルゲートルーバフィン6を内ケース3の外周面と中間ケース1の内周面にロウ付けすることにより、ケースの放熱面積を有効に拡大することができる。したがって、内気ファン4により内気通路11内を空気が通過する際、放熱面積の広い内気用コルゲートルーバフィン6の周囲を通過して流通し、空気とフィン間で熱交換が効率よく行われる。
【0019】
さらに、中間ケース1の外側に外ケース2がそれを包囲するように配設される。この外ケース2は矩形の箱型に形成され、内側に空間を持った状態で中間ケース1の外側に被せられ、これによって、中間ケース1と外ケース2の間に、空気の流通路として外気通路12が形成される。外ケース2の背面には外気と連通する開口部が設けられ、その正面側には外気ファン5が外ケース2内の外気通路12の空気を外側に送風するように配設される。外気ファン5は図1のように2台が外ケース2の正面に装着されるが、ケースの大きさによっては1台であっても、3台以上設けることもできる。
【0020】
さらに、この外気通路12内に、外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。外気用コルゲートルーバフィン7は、上記の内気用コルゲートルーバフィン6と同じ構造のフィンであり、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。
【0021】
この外気用コルゲートルーバフィン7も、図2に示すように、そのコルゲート方向を中間ケース1の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、中間ケース1の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、外気用コルゲートルーバフィン7は、図4,5に示すように、外ケース2の内周面にもロウ付けにより固定される。
【0022】
次に、上記構成の電子機器用冷却装置の動作を説明すると、この冷却装置は、内ケース3内に収容された電子機器の動作中、内ケース3に取り付けられた内気ファン4と外ケース2に取り付けられた外気ファン5が運転・駆動される。
【0023】
内気ファン4の駆動により、内ケース3内つまり発熱部である回路基板10を収容した収容室13内の空気は、内気ファン4に吸引されて中間ケース1内の内気通路11に向けて送風される。中間ケース1内は密閉構造であり、内ケース3の背面がケース1内に開口しているから、中間ケース1内の内気通路11に送風された空気はそこを通り、再び内ケース3内に戻って、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する。この間、回路基板10のパワー素子等から発生した熱は、収容室13内を流れる空気に伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換され、相対的に回路基板10の温度は低下する。
【0024】
一方、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する内側の空気の温度は、回路基板10から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィン6を通過する際、極めて広い有効放熱面積を持つコルゲートルーバフィン6に接触して、空気の熱が内気用コルゲートルーバフィン6に伝達される。これによって、内ケース3内の空気の温度の上昇は抑制され、内ケース3内の回路基板10は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0025】
一方、内気用コルゲートルーバフィン6に伝達された熱は、フィン6がロウ付けされた中間ケース1に伝達され、さらに中間ケース1から外気用コルゲートルーバフィン7に伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7の温度を上昇させる。しかし、外気ファン5の駆動により、外気が中間ケース1の外側で外ケース2の内側の外気通路12を流通し、その際、そこに配設された外気用コルゲートルーバフィン7の周囲を外気が通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、その温度上昇は抑制される。
【0026】
従って、内ケース3内の回路基板10で発生した熱は、内ケース3の外周面に固定された内気用コルゲートルーバフィン6、中間ケース1、及び外気用コルゲートルーバフィン7を経て、外気に伝達され、これによって内ケース3内を冷却し、回路基板10の温度上昇を抑制することができる。
【0027】
このように、回路基板10を収容する内ケース3の外側の内気通路11と中間ケース1の外側の外気通路12に、コルゲート状で且つルーバを有して放熱面積の広いコルゲートルーバフィン6,7を配設し、これらのコルゲートルーバフィン6,7を通して回路基板10の熱を外気に放熱するから、従来のヒートシンクフィンを使用したものに比べ、冷却性能を大きく高め、冷却装置をより小形に構成することができる。また、アルミニウムなどの金属薄板を成形して製作されるコルゲートルーバフィン6,7は、従来のヒートシンクフィンを使用した冷却装置に比べ、その重さを約半分以下にまで低減することができる。
【0028】
図6〜図8は他の実施形態の電子機器用冷却装置を示している。この例では、外ケース2の外側にサンシェード板31〜34が取り付けられ、日射を遮るようにしている。上記実施形態の構成と同様な部分については、図6〜図8に上記と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0029】
本冷却装置のケースは、上記と同様に、内ケース3、中間ケース1、及び外ケース2からなり、各々は直方体形状に形成され、内外に重ね合わせるように配設される。回路基板10が収容される内ケース3は一端が開口し、他端に内気ファン用のケーシングが設けられ、そのケーシング内に内気ファン4が配設される。内ケース3の外側に、内気通路11を介して中間ケース1が内ケース3を包囲するように配設される。内気ファン4は、内ケース3内の空気を中間ケース1内の内気通路11との間で循環させるように配設される。
【0030】
内気通路11内に内気用コルゲートルーバフィン6が配設され、中間ケース1の外側に外気通路12を介して外ケース2が中間ケース1を囲うように配設される。さらに、外ケース2の一端に外気吸入用の吸入口25が設けられ、その吸入口25に外気ファン5が配設される。外気ファン5は外気を外気通路12に導入するように配設され、外気通路12内に外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。さらに、外ケース2の他端に排気口26が設けられ、外気ファン5によって吸入口25から外気通路12に吸入された外気は、排気口26から排気される。
【0031】
一方、外ケース2の外側の主要な面に、サンシェード板31〜34が装着される。すなわち、外ケース2は略直方体形状に形成され、外ケース2を屋外に設置した際、外ケース2の外面が略真上を向く天面21にサンシェード板31が装着され、外ケース2の外面が略南を向く南面22にサンシェード板32が装着される。さらに、外ケース2の外面が略東を向く東面23にサンシェード板33が装着され、その外ケース2の外面が略西を向く西面24にサンシェード板34が装着される。
【0032】
図7、図8に示すように、各々サンシェード板31〜34は、脚部を介して各外ケース2の取り付け面から離した位置に配置される。そして、それらの各サンシェード板31〜34の外側には、太陽電池35が装着され、太陽電池35で発生した電力を用いて内気ファン4及び外気ファン5を駆動するように、太陽電池35は充電回路を介してファンの電源となる蓄電池などに接続される。
【0033】
このような構成の電子機器用冷却装置は、移動電話網の無線通信装置用冷却装置として、ビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置される。屋外の環境下に設置される冷却装置には日中、直射日光が照射され、冷却装置は高い日射負荷にさらされる。しかし、本冷却装置の外ケース2の外側には、その主要面つまり天面21、南面22、東面23、及び西面24に、各々サンシェード板31〜34が取り付けられているため、外ケース2外面には日陰が形成され、直射日光による日射負荷は軽減され、ケース内の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0034】
さらに、サンシェード板31〜34の外側に太陽電池35が装着され、太陽電池35で発生した電力を用いて冷却用の内気ファン4と外気ファン5を駆動するため、冷却装置で使用する電力に太陽電池の起電力を使用することができ、商用電源の電力消費量を低減することができる。
【0035】
上記構成の電子機器用冷却装置では、内気ファン4の駆動により、回路基板10を収容した内ケース3内の空気は、内気ファン4に吸引されて、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する。この間、内ケース3内の回路基板10から発生した熱は、内ケース3内を流れる空気に熱伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換を行い、発熱部の温度は低下する。
【0036】
一方、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する内側の空気の温度は、回路基板10から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィン6を通過する際、有効放熱面積の広いコルゲートルーバフィンに接触して、空気の熱がこのフィンに高い効率で伝達され、これによって、内ケース3内の空気の温度上昇が抑制され、内ケース3内の回路基板10は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0037】
一方、内気用コルゲートルーバフィン6に伝達された熱は、中間ケース1に伝達され、さらに中間ケース1から外気用コルゲートルーバフィン7に伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7の温度を上昇させる。外気ファン5の駆動により、外気が中間ケース1の外側で外ケース2の内側の外気通路12を流通するから、外気が外気通路12に配設された外気用コルゲートルーバフィン7の周囲を通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、これによって、回路基板10が冷却され、その温度上昇が抑制される。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子機器用冷却装置によれば、ファンにより送風する冷却用の空気の通路内に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンを配設し、コルゲートルーバフィンと流通空気との間で熱交換を行い、電子機器の発熱部を冷却するように構成したから、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、小型で放熱面積の極めて広いコルゲートルーバフィンによって、冷却用の空気の冷却能力を高め、発熱部の温度上昇を高い効率で抑制することができる。
【0039】
また、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、コルゲートルーバフィンを使用することにより、冷却装置を小型で且つ軽量に製造することができ、冷却装置付き無線通信装置などの電子機器の設置作業を少数の作業者で容易に行うことができる。また、コルゲートルーバフィンは、アルミダイキャストで作られるヒートシンクフィンに比べ、小形の成形型で、安価に製造することができ、冷却装置の製造コストを低減することができる。
【0040】
さらに、本冷却装置のケースの外側に、サンシェード板が装着されているため、日中の環境下ではケース外面に日陰が形成され、直射日光による日射負荷が軽減され、ケース内の温度上昇を効果的に抑制することができる。また、サンシェード板の外側に太陽電池が装着され、太陽電池で発生した電力を用いて冷却用のファンを駆動するため、冷却装置で使用する電力に太陽電池の起電力が使用され、商用電源の電力消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図2】同冷却装置の一部切り欠き斜視図である。
【図3】内ケース3の斜視図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】他の実施形態を示す電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図7】同冷却装置の断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【符号の説明】
1−中間ケース
2−外ケース
3−内ケース
4−内気ファン
5−外気ファン
6−内気用コルゲートル−バフィン
7−外気用コルゲートルーバフィン
10−回路基板(発熱部)
11−内気通路
12−外気通路
31〜34−サンシェード板
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動電話網の無線基地局など、屋外などに設置される電子機器内で発生する熱を効率よく放熱する電子機器用の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、移動電話網の無線基地局として多くの無線通信装置がビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置されているが、この種の無線通信装置には、送信用の増幅回路などに発熱量の大きいパワー素子が使用されるため、装置自体の発熱量が増大している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の通信機器の回路基板の発熱は、回路素子の温度上昇をもたらし、電子回路の動作性能の低下や故障の原因となるため、発熱を空気流により放熱して冷却する冷却装置を通常設けている。しかし、従来のこの種の無線通信機器の冷却装置としては、一般に、通信機器の密閉された内ケースの外側を外ケースにより包囲し、外ケースの外面にアルミダイキャスト製の冷却用フィン(ヒートシンクフィン)を設けただけの比較的簡単な構造である。したがって、内ケース内で発生した発熱を外ケースの外面のヒートシンクフィンで放熱するように冷却するため、冷却能力が低く、通信機器内部の増加した発熱量を、従来のヒートシンクフィンで効率よく放熱することが難しいという課題があった。
【0004】
このために、この種の屋外に設置される通信機器の冷却装置として、外ケースの外面に大形のヒートシンクフィンを設けることが検討されたが、大形のヒートシンクフィン、例えばフィンのピッチが20mmで、フィンの高さが40mmのヒートシンクフィンをアルミダイキャストで製作するには、非常に高い製造コストがかかり、また、ヒートシンクフィン自体の重量も、例えば20kg以上と増大するため、冷却装置を含む無線通信装置の重量が非常に重くなり、ビルの屋上や支柱の上に設置する際、多くの人手を必要とし、設置作業性が非常に悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ケース内に収納した発熱部からの熱を効率よく放熱して冷却することが可能で、小型化及び軽量化を図ることができ、さらに日射による熱負荷を軽減することができる電子機器用冷却装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の電子機器用冷却装置は、ケース内に電子機器の発熱部を収納し、ファンの送風により発熱部を冷却する電子機器用冷却装置において、ファンにより送風する空気の通路内に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンが配設され、ケースの外側にサンシェード板が装着され、サンシェード板の外側に太陽電池が装着され、太陽電池で発生した電力を用いてファンを駆動することを特徴とする。
【0007】
ここで、上記の冷却装置では、請求項2のように、ケースが略直方体形状に形成され、ケースを屋外に設置した際、ケースの外面が略真上を向く天面、ケースの外面が略南を向く南面、ケースの外面が略東を向く東面、ケースの外面が略西を向く西面に、各々前記サンシェード板を取り付けることができる。
【0008】
さらに、上記冷却装置では、請求項3の発明のように、発熱部が内ケース内に収容され、内ケースの外側に内気通路を介して中間ケースが内ケースを包囲するように配設され、内ケース内の空気を中間ケース内の内気通路との間で循環させる内気ファンが配設され、内気通路内に内気用コルゲートルーバフィンが配設され、中間ケースの外側に外気通路を介して外ケースが中間ケースを囲うように配設され、外気通路の空気を流通させる外気ファンが配設され、外気通路内に外気用コルゲートルーバフィンを配設して構成することができる。
【0009】
【作用】
このような電子機器用冷却装置は、例えば移動電話網の無線基地局となる無線通信装置用の冷却装置として、ビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置される。このような屋外の環境下に設置される電子機器には日中、直射日光が照射され、電子機器用冷却装置は高い日射負荷にさらされる。しかし、本冷却装置のケースの外側には、サンシェード板が装着されているため、ケース外面には日陰が形成され、直射日光による日射負荷は軽減され、ケース内の温度上昇を効果的に抑制することができる。また、サンシェード板の外側に太陽電池が装着され、太陽電池で発生した電力を用いて冷却用のファンを駆動するため、冷却装置で使用する電力を太陽電池の起電力でまかない、電力消費量を低減することができる。
【0010】
上記構成の電子機器用冷却装置では、内気ファンの駆動により、発熱部を収容した内ケース内の空気は、内気ファンに吸引されて、内ケース内と中間ケース内の内気通路を循環する。この間、内ケース内の発熱部から発生した熱は、内ケース内を流れる空気に熱伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換を行い、発熱部の温度は低下する。
【0011】
一方、内ケース内と中間ケース内の内気通路を循環する内側の空気の温度は、発熱部から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィンを通過する際、有効放熱面積の広いコルゲートルーバフィンに接触して、空気の熱がこのフィンに高い効率で伝達され、これによって、内ケース内の空気の温度の上昇が抑制され、内ケース内の発熱部は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0012】
一方、内気用コルゲートルーバフィンに伝達された熱は、中間ケースに伝達され、さらに中間ケースから外気用コルゲートルーバフィンに伝達され、外気用コルゲートルーバフィンの温度を上昇させる。外気ファンの駆動により、外気が中間ケースの外側で外ケースの内側の外気通路を流通するから、外気が外気通路に配設された外気用コルゲートルーバフィンの周囲を通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィンは効果的に冷却され、これによって、発熱部が冷却され、その温度上昇が抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の冷却装置を適用した電子機器としての無線通信装置の斜視図を示し、図2はその部分切り欠き斜視図を、図3は中間ケース1内の内ケース3の斜視図を示し、図4,5はその断面図を示している。
【0014】
図において、3は内部に収容室13を形成して矩形の箱型に形成された内ケースであり、収容室13内には発熱部となる回路素子、その他トランス等の電気機器を実装した回路基板10が収納される。この内ケース3は、図4に示すように、背面部が開口され、図3に示すように、その正面には収容室13内の空気を循環させるための内気ファン4が取り付けられる。
【0015】
内気ファン4のケーシング14は、内ケース3内の空気を吸引するように取り付けられ、ファンにより吸引した空気をラジアル方向に送風するように、ケーシング14の外周部に送風口15が形成されている。内気ファン4は、図3では1台が内ケース3の正面側に取り付けられているが、ケースの大きさによっては2台以上設けることもできる。
【0016】
内ケース3の外側には空間を形成した状態で、中間ケース1がその周囲全体を包囲するように配設される。中間ケース1は密閉構造を持った矩形の箱型に形成され、中間ケース1の内側で内ケース3の外側の空間には、内気通路11が内ケース3の周囲全体に形成される。つまり、内ケース3は密閉構造の中間ケース1によって包囲され、内側の空気が内ケース3の内と外を流通するための内気通路11が中間ケース1内に形成されている。
【0017】
そして、この内気通路11内に、内気用コルゲートルーバフィン6が配設される。この内気用コルゲートルーバフィン6は、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたコルゲートフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。このようなアルミニウムの薄板製で、コルゲート状に成形されると共に、多数のルーバを切り起こして形成された内気用コルゲートルーバフィン6は、極めて軽量であると共に、良好な熱伝導性を有し、空気の流通により非常に高い熱交換効率(冷却効率)を有している。
【0018】
このような内気用コルゲートルーバフィン6は、図3に示すように、そのコルゲート方向を内ケース3の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、内ケース3の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、内気用コルゲートルーバフィン6は、図4,5に示すように、中間ケース1の内周面にもロウ付けにより固定される。このように、内気用コルゲートルーバフィン6を内ケース3の外周面と中間ケース1の内周面にロウ付けすることにより、ケースの放熱面積を有効に拡大することができる。したがって、内気ファン4により内気通路11内を空気が通過する際、放熱面積の広い内気用コルゲートルーバフィン6の周囲を通過して流通し、空気とフィン間で熱交換が効率よく行われる。
【0019】
さらに、中間ケース1の外側に外ケース2がそれを包囲するように配設される。この外ケース2は矩形の箱型に形成され、内側に空間を持った状態で中間ケース1の外側に被せられ、これによって、中間ケース1と外ケース2の間に、空気の流通路として外気通路12が形成される。外ケース2の背面には外気と連通する開口部が設けられ、その正面側には外気ファン5が外ケース2内の外気通路12の空気を外側に送風するように配設される。外気ファン5は図1のように2台が外ケース2の正面に装着されるが、ケースの大きさによっては1台であっても、3台以上設けることもできる。
【0020】
さらに、この外気通路12内に、外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。外気用コルゲートルーバフィン7は、上記の内気用コルゲートルーバフィン6と同じ構造のフィンであり、アルミニウムなどの金属薄板(例えば厚さ0.2mm)をフィン材料として、1対の歯付き成形ローラによりコルゲート状に成形されたフィンであり、歯付き成形ローラにはルーバ成形用のルーバ切り刃が設けられ、多くのルーバがコルゲートフィンの各所に切り起こすように形成されている。
【0021】
この外気用コルゲートルーバフィン7も、図2に示すように、そのコルゲート方向を中間ケース1の周囲方向とし、コルゲートによって形成された溝方向を空気の通風方向に向けて、中間ケース1の外周部に取り付けられ、ロウ付けによりケースの外面に固定される。さらに、外気用コルゲートルーバフィン7は、図4,5に示すように、外ケース2の内周面にもロウ付けにより固定される。
【0022】
次に、上記構成の電子機器用冷却装置の動作を説明すると、この冷却装置は、内ケース3内に収容された電子機器の動作中、内ケース3に取り付けられた内気ファン4と外ケース2に取り付けられた外気ファン5が運転・駆動される。
【0023】
内気ファン4の駆動により、内ケース3内つまり発熱部である回路基板10を収容した収容室13内の空気は、内気ファン4に吸引されて中間ケース1内の内気通路11に向けて送風される。中間ケース1内は密閉構造であり、内ケース3の背面がケース1内に開口しているから、中間ケース1内の内気通路11に送風された空気はそこを通り、再び内ケース3内に戻って、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する。この間、回路基板10のパワー素子等から発生した熱は、収容室13内を流れる空気に伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換され、相対的に回路基板10の温度は低下する。
【0024】
一方、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する内側の空気の温度は、回路基板10から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィン6を通過する際、極めて広い有効放熱面積を持つコルゲートルーバフィン6に接触して、空気の熱が内気用コルゲートルーバフィン6に伝達される。これによって、内ケース3内の空気の温度の上昇は抑制され、内ケース3内の回路基板10は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0025】
一方、内気用コルゲートルーバフィン6に伝達された熱は、フィン6がロウ付けされた中間ケース1に伝達され、さらに中間ケース1から外気用コルゲートルーバフィン7に伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7の温度を上昇させる。しかし、外気ファン5の駆動により、外気が中間ケース1の外側で外ケース2の内側の外気通路12を流通し、その際、そこに配設された外気用コルゲートルーバフィン7の周囲を外気が通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、その温度上昇は抑制される。
【0026】
従って、内ケース3内の回路基板10で発生した熱は、内ケース3の外周面に固定された内気用コルゲートルーバフィン6、中間ケース1、及び外気用コルゲートルーバフィン7を経て、外気に伝達され、これによって内ケース3内を冷却し、回路基板10の温度上昇を抑制することができる。
【0027】
このように、回路基板10を収容する内ケース3の外側の内気通路11と中間ケース1の外側の外気通路12に、コルゲート状で且つルーバを有して放熱面積の広いコルゲートルーバフィン6,7を配設し、これらのコルゲートルーバフィン6,7を通して回路基板10の熱を外気に放熱するから、従来のヒートシンクフィンを使用したものに比べ、冷却性能を大きく高め、冷却装置をより小形に構成することができる。また、アルミニウムなどの金属薄板を成形して製作されるコルゲートルーバフィン6,7は、従来のヒートシンクフィンを使用した冷却装置に比べ、その重さを約半分以下にまで低減することができる。
【0028】
図6〜図8は他の実施形態の電子機器用冷却装置を示している。この例では、外ケース2の外側にサンシェード板31〜34が取り付けられ、日射を遮るようにしている。上記実施形態の構成と同様な部分については、図6〜図8に上記と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0029】
本冷却装置のケースは、上記と同様に、内ケース3、中間ケース1、及び外ケース2からなり、各々は直方体形状に形成され、内外に重ね合わせるように配設される。回路基板10が収容される内ケース3は一端が開口し、他端に内気ファン用のケーシングが設けられ、そのケーシング内に内気ファン4が配設される。内ケース3の外側に、内気通路11を介して中間ケース1が内ケース3を包囲するように配設される。内気ファン4は、内ケース3内の空気を中間ケース1内の内気通路11との間で循環させるように配設される。
【0030】
内気通路11内に内気用コルゲートルーバフィン6が配設され、中間ケース1の外側に外気通路12を介して外ケース2が中間ケース1を囲うように配設される。さらに、外ケース2の一端に外気吸入用の吸入口25が設けられ、その吸入口25に外気ファン5が配設される。外気ファン5は外気を外気通路12に導入するように配設され、外気通路12内に外気用コルゲートルーバフィン7が配設される。さらに、外ケース2の他端に排気口26が設けられ、外気ファン5によって吸入口25から外気通路12に吸入された外気は、排気口26から排気される。
【0031】
一方、外ケース2の外側の主要な面に、サンシェード板31〜34が装着される。すなわち、外ケース2は略直方体形状に形成され、外ケース2を屋外に設置した際、外ケース2の外面が略真上を向く天面21にサンシェード板31が装着され、外ケース2の外面が略南を向く南面22にサンシェード板32が装着される。さらに、外ケース2の外面が略東を向く東面23にサンシェード板33が装着され、その外ケース2の外面が略西を向く西面24にサンシェード板34が装着される。
【0032】
図7、図8に示すように、各々サンシェード板31〜34は、脚部を介して各外ケース2の取り付け面から離した位置に配置される。そして、それらの各サンシェード板31〜34の外側には、太陽電池35が装着され、太陽電池35で発生した電力を用いて内気ファン4及び外気ファン5を駆動するように、太陽電池35は充電回路を介してファンの電源となる蓄電池などに接続される。
【0033】
このような構成の電子機器用冷却装置は、移動電話網の無線通信装置用冷却装置として、ビルの屋上、支柱の上などの屋外に設置される。屋外の環境下に設置される冷却装置には日中、直射日光が照射され、冷却装置は高い日射負荷にさらされる。しかし、本冷却装置の外ケース2の外側には、その主要面つまり天面21、南面22、東面23、及び西面24に、各々サンシェード板31〜34が取り付けられているため、外ケース2外面には日陰が形成され、直射日光による日射負荷は軽減され、ケース内の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0034】
さらに、サンシェード板31〜34の外側に太陽電池35が装着され、太陽電池35で発生した電力を用いて冷却用の内気ファン4と外気ファン5を駆動するため、冷却装置で使用する電力に太陽電池の起電力を使用することができ、商用電源の電力消費量を低減することができる。
【0035】
上記構成の電子機器用冷却装置では、内気ファン4の駆動により、回路基板10を収容した内ケース3内の空気は、内気ファン4に吸引されて、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する。この間、内ケース3内の回路基板10から発生した熱は、内ケース3内を流れる空気に熱伝導され、空気の温度を上昇させて熱交換を行い、発熱部の温度は低下する。
【0036】
一方、内ケース3内と中間ケース1内の内気通路11を循環する内側の空気の温度は、回路基板10から放熱される熱を奪って上昇するが、内気用コルゲートルーバフィン6を通過する際、有効放熱面積の広いコルゲートルーバフィンに接触して、空気の熱がこのフィンに高い効率で伝達され、これによって、内ケース3内の空気の温度上昇が抑制され、内ケース3内の回路基板10は、温度上昇を抑えた冷却空気の流通により効果的に冷却される。
【0037】
一方、内気用コルゲートルーバフィン6に伝達された熱は、中間ケース1に伝達され、さらに中間ケース1から外気用コルゲートルーバフィン7に伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7の温度を上昇させる。外気ファン5の駆動により、外気が中間ケース1の外側で外ケース2の内側の外気通路12を流通するから、外気が外気通路12に配設された外気用コルゲートルーバフィン7の周囲を通過するとき、外気用コルゲートルーバフィン7の熱がその広い放熱面積により外気に高い効率で熱伝達され、外気用コルゲートルーバフィン7は効果的に冷却され、これによって、回路基板10が冷却され、その温度上昇が抑制される。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子機器用冷却装置によれば、ファンにより送風する冷却用の空気の通路内に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンを配設し、コルゲートルーバフィンと流通空気との間で熱交換を行い、電子機器の発熱部を冷却するように構成したから、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、小型で放熱面積の極めて広いコルゲートルーバフィンによって、冷却用の空気の冷却能力を高め、発熱部の温度上昇を高い効率で抑制することができる。
【0039】
また、従来のヒートシンクフィンを使用する場合に比べ、コルゲートルーバフィンを使用することにより、冷却装置を小型で且つ軽量に製造することができ、冷却装置付き無線通信装置などの電子機器の設置作業を少数の作業者で容易に行うことができる。また、コルゲートルーバフィンは、アルミダイキャストで作られるヒートシンクフィンに比べ、小形の成形型で、安価に製造することができ、冷却装置の製造コストを低減することができる。
【0040】
さらに、本冷却装置のケースの外側に、サンシェード板が装着されているため、日中の環境下ではケース外面に日陰が形成され、直射日光による日射負荷が軽減され、ケース内の温度上昇を効果的に抑制することができる。また、サンシェード板の外側に太陽電池が装着され、太陽電池で発生した電力を用いて冷却用のファンを駆動するため、冷却装置で使用する電力に太陽電池の起電力が使用され、商用電源の電力消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図2】同冷却装置の一部切り欠き斜視図である。
【図3】内ケース3の斜視図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】他の実施形態を示す電子機器用冷却装置の斜視図である。
【図7】同冷却装置の断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面図である。
【符号の説明】
1−中間ケース
2−外ケース
3−内ケース
4−内気ファン
5−外気ファン
6−内気用コルゲートル−バフィン
7−外気用コルゲートルーバフィン
10−回路基板(発熱部)
11−内気通路
12−外気通路
31〜34−サンシェード板
Claims (3)
- ケース内に電子機器の発熱部を収納し、ファンの送風により該発熱部を冷却する電子機器用冷却装置において、
該ファンにより送風する空気の通路内に、金属薄板をコルゲート状に成形しルーバを切り起こした構造のコルゲートルーバフィンが配設され、該ケースの外側にサンシェード板が装着され、該サンシェード板の外側に太陽電池が装着され、該太陽電池で発生した電力を用いて該ファンを駆動することを特徴とする電子機器用冷却装置。 - 前記ケースが略直方体形状に形成され、該ケースを屋外に設置した際、該ケースの外面が略真上を向く天面、該ケースの外面が略南を向く南面、該ケースの外面が略東を向く東面、該ケースの外面が略西を向く西面に、各々前記サンシェード板が取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の電子機器用冷却装置。
- 前記発熱部が内ケース内に収容され、該内ケースの外側に内気通路を介して中間ケースが該内ケースを包囲するように配設され、該内ケース内の空気を該中間ケース内の内気通路との間で循環させる内気ファンが配設され、該内気通路内に内気用コルゲートルーバフィンが配設され、該中間ケースの外側に外気通路を介して外ケースが中間ケースを囲うように配設され、該外気通路の空気を流通させる外気ファンが配設され、該外気通路内に外気用コルゲートルーバフィンが配設されたことを特徴とする請求項1記載の電子機器用冷却装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102709974A (zh) * | 2012-06-01 | 2012-10-03 | 张家港市泓溢电源科技有限公司 | 一种新型的蓄电池化成电源电柜冷却系统 |
JP2017194265A (ja) * | 2016-04-21 | 2017-10-26 | ハンオン システムズ | 熱制御システム |
CN114607254A (zh) * | 2022-04-27 | 2022-06-10 | 江苏豪赛科技股份有限公司 | 一种强制通风红外隐身百叶窗结构 |
-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003083309A patent/JP2004006744A/ja not_active Withdrawn
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