JP2004006699A - 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents
半導体装置の製造方法及び基板処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004006699A JP2004006699A JP2003063337A JP2003063337A JP2004006699A JP 2004006699 A JP2004006699 A JP 2004006699A JP 2003063337 A JP2003063337 A JP 2003063337A JP 2003063337 A JP2003063337 A JP 2003063337A JP 2004006699 A JP2004006699 A JP 2004006699A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- gas
- film
- reaction chamber
- processing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【解決手段】半導体装置の製造方法は、前処理工程と成膜工程とを含む。前処理工程は、基板温度を成膜温度まで昇温させる基板昇温の途中で、水素ラジカルを基板上に供給するRPH(リモートプラズマ水素化)処理を行い(202)、その後、窒素ラジカルを基板上に供給するRPN(リモートプラズマ窒化)処理を行い(203)、その後、酸素ラジカルを基板上に供給するRPO(リモートプラズマ酸化)処理を行う(204)。成膜工程は、基板温度を成膜温度まで昇温後、熱CVD法により基板上に原料ガスを供給して成膜処理した後(205)、RPO処理を行う(206)。この成膜工程では、基板上への成膜原料供給とRPO処理を複数回繰り返すとよい。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、基板上に薄膜を形成する半導体装置の製造方法及び基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程の1つに基板(シリコンウェハやガラスなどをベースとする微細な電気回路のパターンが形成された被処理基板)の表面に所定の成膜処理を行うCVD(Chemical Vapor Deposition)工程がある。これは、気密な反応室に基板を装填し、室内に設けた加熱手段により基板を加熱し、原料ガスを基板上に導入しながら化学反応を起こし、基板上に設けた微細な電気回路のパターン上に薄膜を均一に形成するものである。このような反応室では、薄膜は基板以外の構造物へも形成される。これを累積膜と呼ぶこととする。図6に示すCVD装置では、反応室1内にシャワーヘッド6とサセプタ2を設け、サセプタ2上に基板4を載置している。原料ガスは、シャワーヘッド6に接続された原料供給管5を通って反応室1内へ導入され、シャワーヘッド6に設けた多数の孔8より基板4上に供給される。基板4上に供給されたガスは、排気管7を通って排気処理される。基板4はサセプタ2の下方に設けたヒータ3によって加熱される。尚、累積膜は、処理した基板枚数の増加、すなわち処理回数の増加に伴って、シャワーヘッド6やサセプタ2上等の基板周辺の構造物に累積して堆積される。
【0003】
このようなCVD装置として、成膜原料に有機化学材料を使ってアモルファスHfO2膜やアモルファスHfシリケート膜(以下a−HfO膜と略す)や、アモルファスTa2O5膜(以下a−TaO膜と略す)や、アモルファスRu膜やアモルファスRuO2膜(以下a−Ru膜と略す)を形成できるMOCVD(MetalOrganic Chemical Vapor Deposition)法を用いたCVD装置がある。
【0004】
成膜原料としては、a−HfO膜の成膜の場合、Hf[OC(CH3)3]4
(以下、Hf−(OtBu)4と略す)、Hf[OC(CH3)2CH2OCH3]4(以下、Hf−(MMP)4と略す(但し、MMP:1メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ))、Hf[O−Si−(CH3)]4(以下、Hf−(OSi)4と略す)などが、a−TaO膜の成膜の場合、Ta(OC2H5)5(以下PETaと略す)などが、a−Ru膜の成膜の場合、Ru(C2H5C5H4)2(以下、Ru(EtCp)2と略す)などが使用されている。
【0005】
このなかで、例えばHf−(OtBu)4、Hf−(MMP)4、PETa、Ru(EtCp)2など、多くの有機材料は常温常圧において液相である。このため、これらの有機液体原料は加熱して蒸気圧により気体に変換して利用されている。
【特許文献1】
特開2001−237397号公報(第4−7頁、第5図)
【特許文献2】
特開2000−235962号公報(第3頁、第1図)
【特許文献3】
特開平7−217672号公報(第6−8頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなMOCVD装置の反応室内には常に累積膜が堆積しており、この累積膜から常に離脱ガスとしてH2、H2O、CO、CO2、CH4などが出てきている。これは、従来のMOCVD法でカバレッジよく堆積したa−HfO膜、a−TaO膜、a−Ru膜などの薄膜中には不純物としてC、H、OH等が多量に含まれているためである。これらの離脱ガスのうち、被処理基板に対してH2Oは極めて重大な影響を与える。例えば、被処理基板がSi基板である場合は、H2Oはその表面をSi−OH、SiOx(x<2)などの低品質な酸化物、あるいは水酸化物に改質するため、最終的な生産物である半導体デバイスの特性を著しく劣化させる要因となっており、大きな問題となっている。
【0007】
現状、このような憂慮すべき事象を避けるために、Si基板表面に窒化、酸化、酸窒化、CVD−TiN処理などの基板表面改質処理を事前に施してH2Oに対するバリア層を形成するなどして、MOCVD反応室におけるH2Oの悪影響や、MOCVD薄膜に含まれるX−OH(X=Hf、Zr、Ta、Ruなど)から離脱して発生するH2Oの悪影響を軽減するために多大な労力と費用が費やされている。
【0008】
また、上記のようなMOCVD法を用いて堆積される薄膜は、膜表面の平坦性が得られ難いという問題がある。特に、薄膜の堆積速度を表面反応律速で決める場合のMOCVD法においては、上記問題が顕著になる。表面反応律速では、基板表面で薄膜が堆積を開始するのに時間的な遅れが生じることがわかっている。この時間はインキュベーションタイムと呼ばれている。このインキュベーションタイムの間に、基板上で島状の堆積が行なわれるという核形成過程があり、この核発生過程で凹凸が形成されて薄膜の平坦性が失われてしまうと考えられている。
このような薄膜表面の平坦性は、最終生産物である半導体デバイス製品の信頼性を低下させる要因となり、デバイスサイズ縮小に伴って大きな問題となってきている。
【0009】
本発明の課題は、MOCVD装置の反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制するとともに、インキュベーションタイムを低減し、薄膜の平坦性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することにある。また本発明の課題は、従来、前述の憂慮すべき事象に対して費やされていた多大な労力や費用を大幅に削減し、基板表面の改質処理を簡素化してMOCVD装置へ集約し、生産コストを大幅に削減できる半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することにある。また本発明の課題は、生産性を低下させることなく、MOCVD装置の反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を抑制し、薄膜の平坦性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、自然酸化膜を除去した基板に対して、窒素(N)を含むガスを活性化して供給する窒素前処理工程と、酸素(O)を含むガスを活性化して供給する酸素前処理工程とを含む前処理工程と、この前処理工程の後に、前記基板上に金属薄膜又は金属酸化薄膜を形成する成膜工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。前処理工程を行うことにより、累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制できるとともに、インキュベーションタイムを低減し、成膜工程で形成する膜の平坦性を向上できる。また前処理工程は、窒素前処理工程と酸素前処理工程とを含むから、窒素前処理または酸素前処理のみを単独で行う場合に比べると、半導体装置の品質を向上できる。即ち、窒素前処理(例えば、後述するRPN処理)のみの前処理では、リーク電流を抑えることはできるが、最終デバイスの界面欠陥密度が大きくなり、フラットバンド電圧Vfbや移動度μなどの電気的パラメータを悪化させる。また、酸素前処理(例えば、後述するRPO処理)のみの前処理では、最終デバイスの界面欠陥を少なくできるが、リーク電流が大きくなるためデバイスサイズの縮小化に限界が早まる。これに対して本発明では、窒素前処理と酸素前処理との双方を行うことにより、各処理を単独で行った場合の上記欠点を相互に補完できる。好ましくは、窒素前処理工程と酸素前処理工程とをこの順に行うことにより、仮に先の窒素前処理工程にて界面欠陥が発生したとしても、後の酸素前処理工程にて該界面欠陥が修復される効果も得られる。
【0011】
第2の発明は、基板に対して、水素(H)を含むガスを活性化して供給する水素前処理工程または塩素(Cl)を含むガスを活性化して供給する塩素前処理工程と、窒素(N)を含むガスを活性化して供給する窒素前処理工程と、酸素(O)を含むガスを活性化して供給する酸素前処理工程とを含む前処理工程と、この前処理工程の後に、前記基板上に金属薄膜または金属酸化薄膜を形成する成膜工程とを有し、前記前処理工程と成膜工程とを同一反応室内で行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。従来の被処理基板の前処理は、成膜処理とは別の反応室で行っていたので、基板が搬送中に汚染されてしまう問題があった。これに対して本発明によれば、前処理工程と成膜工程とを同一反応室内で行うようにしたので、前処理工程直後に連続して成膜工程を行うことができ、基板搬送工程を省略できるので、前処理にて清浄化された基板表面の搬送時における再汚染を防止できる。また、生産コストを大幅に削減できる。また、前処理工程と成膜工程とを同一の反応室内で行うので、当該反応室における従来の基板加熱時間を利用して前処理を行える。従って、これら2つの処理を一つの反応室内で効率的に行える。また、前処理工程と成膜工程とを同一の反応室内で行うので、基板の前処理を行い、その後、即座に成膜できるので、高品質な界面層を形成できる。
【0012】
第3の発明は、基板に対して、ガスを活性化して供給する前処理工程と、この前処理工程の後に、前記基板上に金属薄膜または金属酸化薄膜を形成する成膜工程とを有し、前記前処理工程は、成膜工程において原料ガスを供給する前であって、基板温度を成膜温度まで上昇させる基板昇温の途中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。成膜温度までの昇温中に前処理工程を行うようにすると、生産性を低下させることなく、累積膜からの離脱ガスの影響を抑制するとともに、インキュベーションタイムを抑制し、成膜工程で形成する膜の平坦性を向上できる。また、活性化させたガスを用いて前処理を行っているが、活性化エネルギーの方が熱エネルギーよりも大きいため、処理温度に達していない昇温中であっても確実に前処理を行える。
【0013】
第4の発明は、第1乃至第3の発明において、前記成膜工程では、前記基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、この原料ガス供給工程後にガスを活性化して供給する活性化ガス供給工程と、を複数回繰り返すことにより、所望の膜厚を有する薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガス供給工程と活性化ガス供給工程とを複数回繰り返すので、形成する膜中のC、H等の不純物の除去量を増加できる。また原料ガス供給工程と活性化ガス供給工程との繰り返し(特に活性化ガス供給工程)には、反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を抑制する効果もある。
【0014】
第5の発明は、基板を処理する反応室と、反応室内の基板を加熱するヒータと、反応室内に原料ガスを供給する原料ガス供給口と、水素または塩素を含むガスと、窒素を含むガスと酸素を含むガスとをそれぞれ活性化するガス活性化ユニットと、ガス活性化ユニットにて活性化させたガスを反応室内に供給する活性化ガス供給口と、ヒータにより基板を加熱して基板温度が成膜温度よりも低い状態で前記活性化させたガスを、反応室内の基板に対して一種類ずつ連続して供給するよう制御すると共に、基板温度を成膜温度まで昇温した後、反応室内の基板に対して成膜を行うための原料ガスを供給し、その後に活性化させたガスを供給するよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする基板処理装置である。
【0015】
第6の発明は、第1の発明において、前記前処理工程は、前記窒素前処理工程及び前記酸素前処理工程の前に、基板に対して水素(H)を含むガスを活性化して供給する水素前処理工程または塩素(Cl)を含むガスを活性化して供給する塩素前処理工程をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。水素前処理または塩素前処理をさらに行うことにより、基板表面をより清浄化して活性な表面状態とすることができ、前処理において基板表面を一層良好に改質できる。
【0016】
第7の発明は、第1の発明において、前記前処理工程と成膜工程とを、同一反応室内で行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0017】
第8の発明は、第2の発明において、前記水素前処理工程または塩素前処理工程の後に、前記窒素前処理工程、酸素前処理工程を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。前記水素前処理工程または塩素前処理工程の後に、前記窒素前処理工程、酸素前処理工程を行う順番とすることにより、前処理の効果が顕著となる。
【0018】
第9の発明は、第2の発明において、前記前処理工程は、前記成膜工程において原料ガスを供給する前であって、基板温度を成膜温度まで上昇させる基板昇温の途中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0019】
第10の発明は、第3の発明において、前記前処理工程は、窒素(N)を含むガスを活性化してして供給する窒素前処理工程と、酸素(O)を含むガスを活性化して供給する酸素前処理工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0020】
第11の発明は、第3の発明において、前記前処理工程は、水素(H)を含むガスを活性化して供給する水素前処理工程または塩素(Cl)を含むガスを活性化して供給する塩素前処理工程と、窒素(N)を含むガスを活性化して供給する窒素前処理工程と、酸素(O)を含むガスを活性化して供給する酸素前処理工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0021】
第12の発明は、第1乃至第11の発明において、前記前処理工程では、ガスを、プラズマを用いて活性化することを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。プラズマを用いて活性化したガスを用いることにより、累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制できるとともに、インキュベーションタイムを低減し、薄膜の平坦性を向上できる。
【0022】
第13の発明は、第1乃至第12の発明において、前記前処理工程では、ガスを、基板を処理する反応室の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。リモートプラズマにて活性化したガスを用いることにより、累積膜からの離脱ガスの影響をさらに効果的、効率的に抑制できるとともに、インキュベーションタイムを低減し、薄膜の平坦性を向上できる。
【0023】
第14の発明は、第1乃至第13の発明において、前記水素前処理工程は、基板に対して水素含有ガスをリモートプラズマユニットにて活性化して供給することにより、基板表面を水素化させるリモートプラズマ水素化処理であり、塩素前処理工程は、基板に対して塩素含有ガスをリモートプラズマユニットで活性化して供給することにより、基板表面を塩素化させるリモートプラズマ塩素化処理であり、窒素前処理工程は、基板に対して窒素含有ガスをリモートプラズマユニットで活性化して供給することにより、基板表面を窒化させるリモートプラズマ窒化処理であり、酸素前処理工程は、基板に対して酸素含有ガスをリモートプラズマユニットで活性化して供給することにより、基板表面を酸化させるリモートプラズマ酸化処理であることを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。
【0024】
第15の発明は、第1乃至第14の発明において、前記成膜工程において使用する原料ガスは、有機原料ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。特に膜表面の平坦性が得られにくく、また離脱ガスの問題を生じさせる有機原料ガスを使用した場合に、平坦性が向上でき、離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制することができるので、メリットが大きい。
【0025】
第16の発明は、第1乃至第15の発明において、前記成膜工程は、基板に対して、原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、この原料ガス供給後に、ガスを活性化して供給する活性化ガス供給工程とを有し、前記成膜工程にて使用する原料ガスは、Hf[OC(CH3)2CH2OCH3]4を気化して得られるガスであり、形成する薄膜はHfを含む膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。
【0026】
第17の発明は、第1乃至第15の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、この原料ガス供給工程の後に、ガスを活性化して供給する活性化ガス供給工程とを有し、前記成膜工程にて使用する原料ガスは、Ta(OC2H5)5を気化して得られるガスであり、形成する薄膜はTaを含む膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。
【0027】
第18の発明は、第1乃至第15の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、この原料ガス供給工程の後に、ガスを活性化して供給する活性化ガス供給工程とを有し、前記成膜工程にて使用する原料ガスは、Ru(C2H5C5H4)2(ビスエチルシクロペンタジエニルルテニウム)、Ru(C5H5)(C4H9C5H4)(ブチルルテノセン)、Ru[CH3COCHCO(CH2)3CH3]3(トリス2,4オクタンジオナトルテニウム)、Ru(C2H5C5H4)((CH3)C5H5)(2,4ジメチルペンタジエニルエチルシクロペンタジエニルルテニウム)、またはRu(C7H8)(C7H11O2)の何れかを気化して得られるガスであり、形成する膜は、Ruを含む膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。
【0028】
第19の発明は、第1乃至第15の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、この原料ガス供給工程の後に、ガスを活性化して供給する活性化ガス供給工程とを有し、前記成膜工程にて使用する原料ガスは、Ti[(OCH(CH3)2)]4、Ti(OCH2CH3)4、Ti[N(CH3)2]4、またはTi[N(CH3CH2)2]4の何れかを気化して得られるガスであり、形成する膜は、Tiを含む膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。
【0029】
第20の発明は、第1乃至第19の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、この原料ガス供給工程の後に、ガスを活性化して供給する活性化ガス供給工程とを有し、前記活性化ガス供給工程では、O2、N2O、NO、Ar、H2、N2、NH3からなる群から選択された少なくとも一種類のガスをプラズマにより活性化して供給することを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。
【0030】
第21の発明は、第1乃至第20の発明において、前記前処理工程では、窒素(N)を含むガスを活性化して供給する窒素前処理工程と、酸素(O)を含むガスを活性化して供給する酸素前処理工程と、を複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。前処理工程では、窒素前処理工程と酸素前処理工程とを行うことにより、各処理を単独で行った場合の上記欠点を相互に補完でき、また特に窒素前処理工程と酸素前処理工程とをこの順に行うことにより、仮に先の窒素前処理工程にて界面欠陥が発生したとしても、後の酸素前処理工程にて該界面欠陥が修復される効果が得られるところ、これら窒素前処理工程と酸素前処理工程とを複数回繰り返すことにより、1回の繰り返しで得られる上記効果をさらに高めることができる。
【0031】
第22の発明は、第1乃至第21において、少なくとも前記前処理工程は、基板を回転させながら行うことを特徴とする半導体装置の製造方法、基板処理装置である。少なくとも前処理工程は、基板を回転させながら行なうと、基板表面を面内にわたり均一に改質処理できるので好ましい。なお、前処理工程および成膜工程は、共に基板を回転させながら行うのが好ましく、さらには基板表面処理工程、前処理工程および成膜工程のすべての工程で、基板を回転させながら処理を行うのが好ましい。
【0032】
第23の発明は、水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された複数種類のラジカルを基板に対して一種類ずつ連続して供給する前処理工程と、前記前処理工程後の基板上にアモルファス状態の金属薄膜または金属酸化薄膜を形成する成膜工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。成膜工程前に、複数種類のラジカルを基板に対して一種類ずつ連続して供給する前処理工程を行っているので、MOCVD装置の反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制することができるとともに、インキュベーションタイムを低減し、薄膜の平坦性を向上させることができる。また、前処理工程としての基板表面の改質処理を簡素化でき、これまで累積膜からの離脱ガスの対策に対して費やされていた多大な労力や費用を大幅に削減できるとともに、基板表面の改質処理をMOCVD装置へ集約することができ、生産コストを大幅に削減できる。
【0033】
第24の発明は、第23の発明において、前記前処理工程と前記成膜工程は同一反応室内で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0034】
第25の発明は、第23または第24の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、原料ガス供給工程後に水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された一種類のラジカルを供給するラジカル供給工程とを有し、これらの工程を複数回繰り返すことにより所望の膜厚を有する薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガス供給工程とラジカル供給工程とを複数回繰り返すので、所定の膜厚を有する薄膜を形成できると共に、形成した膜中のC、H等の不純物の除去量を増加することができる。また、原料ガス供給工程とラジカル供給工程との繰り返し(特にラジカル供給工程)には、MOCVD装置の反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を抑制する効果もある。
【0035】
第26の発明は、第24または第25の発明において、前記前処理工程は、成膜工程において原料ガスを供給する前の、基板温度を成膜温度まで上昇させる基板昇温中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0036】
第27の発明は、基板を処理する反応室と、反応室内の基板を加熱するヒータと、反応室内に原料ガスを供給する原料ガス供給口と、水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された複数種類のラジカルを発生させることが可能なラジカル発生ユニットと、ラジカル発生ユニットにて発生させたラジカルを反応室内に供給するラジカル供給口と、ヒータにより基板を加熱して基板温度が成膜温度よりも低い状態で前記複数種類のラジカルを反応室内の基板に対して一種類ずつ連続して供給するよう制御するとともに、基板温度を成膜温度まで昇温した後、反応室内の基板に対して原料ガスを供給し、その後に水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された一種類のラジカルを供給するよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする基板処理装置である。
【0037】
ヒータにより基板を加熱して基板温度が成膜温度よりも低い状態で水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された複数種類のラジカルを反応室内の基板に対して一種類ずつ連続して供給するよう制御するとともに、基板温度を成膜温度まで昇温した後、反応室内の基板に対して原料ガスを供給し、その後に水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された一種類のラジカルを供給するよう制御する制御手段を有することによって、前記第24の発明の半導体装置の製造方法を容易に実施できる。なお、さらに、基板温度を成膜温度まで昇温した後、反応室内の基板に対して原料ガスを供給し、その後に水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された一種類のラジカルを供給し、この原料ガス供給とラジカル供給を複数回繰り返すように制御する制御手段を備えれば、第25の発明の半導体装置の製造方法を容易に実施できる。なお、さらに基板昇温中に前記複数種類のラジカルを反応室内の基板に対して一種類ずつ連続して供給するよう制御する制御手段を備えれば、第26の発明の半導体装置の製造方法を容易に実施できる。
【0038】
第28の発明は、第23〜第27の発明において、前記複数種類のラジカルは、水素原子を含むガス、窒素原子を含むガス、酸素原子を含むガスの中から選択された複数種類のガスを、基板を処理する反応室の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。ラジカルの中でも特にリモートプラズマにて活性化したラジカルを用いることにより、累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制することができるとともに、インキュベーションタイムを低減し、薄膜の平坦性を向上させることができる。
【0039】
第29の発明は、第28の発明において、前記前処理工程は、水素含有ガスをリモートプラズマユニットにて活性化することにより発生させた水素ラジカルを用いて基板表面を水素化させるリモートプラズマ水素化処理、窒素含有ガスをリモートプラズマユニットにて活性化することにより発生させた窒素ラジカルを用いて基板表面を窒化させるリモートプラズマ窒化処理、酸素含有ガスをリモートプラズマユニットにて活性化することにより発生させた酸素ラジカルを用いて基板表面を酸化させるリモートプラズマ酸化処理の中から選択された複数種類のリモートプラズマ処理を基板に対して一種類ずつ連続して行う処理であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。リモートプラズマ処理の中でも、特にリモートプラズマ水素化処理、リモートプラズマ窒化処理、リモートプラズマ酸化処理の中から選択された複数種類の処理を連続して行うことにより、累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制することができるとともに、インキュベーションタイムを低減し、薄膜の平坦性を向上させることができる。
【0040】
第30の発明は、第29の発明において、前記前処理工程は、前記リモートプラズマ水素化処理、前記リモートプラズマ窒化処理、前記リモートプラズマ酸化処理をこの順で連続して行う処理であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。特にリモートプラズマ水素化処理、リモートプラズマ窒化処理、リモートプラズマ酸化処理の全てをこの順で連続して行うことにより、上記効果が顕著となる。
【0041】
第31の発明は、第23〜第30の発明において、成膜工程において使用する原料ガスは有機原料ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0042】
第32の発明は、第31の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、原料ガス供給後にラジカルを供給するラジカル供給工程とを有し、成膜工程において使用する原料ガスはHf[OC(CH3)2CH2OCH3]4を気化したガスであり、その後に供給するラジカルは酸素ラジカルであり、形成する薄膜はHfO2膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0043】
第33の発明は、第31の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、原料ガス供給後にラジカルを供給するラジカル供給工程とを有し、成膜工程において使用する原料ガスはTa(OC2H5)5を気化したガスであり、その後に供給するラジカルは酸素ラジカルであり、形成する薄膜はTa2O5膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0044】
第34の発明は、第31の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、原料ガス供給後にラジカルを供給するラジカル供給工程とを有し、成膜工程において使用する原料ガスはRu(C2H5C5H4)2を気化したガスであり、その後に供給するラジカルは水素ラジカルまたは酸素ラジカルであり、形成する薄膜はRu膜またはRuO2膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0045】
第35の発明は、第31の発明において、前記成膜工程は、基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、原料ガス供給後にラジカルを供給するラジカル供給工程とを有し、成膜工程において使用する原料ガスはTi(N(CH3)2)4を気化したガスであり、その後に供給するラジカルは窒素ラジカルであり、形成する薄膜はTiN膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0046】
第36の発明は、第23〜第35の発明において、前記前処理工程前に、基板表面の自然酸化膜や汚染物質を除去する基板表面処理工程をさらに有することを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0047】
第37の発明は、第36の発明において、前記基板表面処理工程と前記前処理工程と前記成膜工程は同一反応室内で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0048】
第38の発明は、第36または第37の発明において、前記基板表面処理工程は、クリーニングガスを、基板を処理する反応室の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させたラジカルを反応室内の基板に供給することにより、基板表面に形成された自然酸化膜や金属汚染物質を除去するリモートプラズマドライクリーニング処理であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
【0049】
第39の発明は、第23〜第38の発明において、少なくとも前記前処理工程は、基板を回転させながら行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、MOCVD法によりアモルファス状態のHfO2膜(以下、単にHfO2膜と略す)を形成する場合について説明する。
【0051】
図4は実施の形態に係る基板処理装置である枚葉式MOCVD装置の一例を示す概略図である。従来の反応室1(図6)に対して、ラジカル発生ユニット11、基板回転ユニット12、不活性ガス供給ユニット10、バイパス管14を主に追加してある。
【0052】
図に示すように、反応室1内に、上部開口がサセプタ2によって覆われた中空のヒータユニット18が設けられる。ヒータユニット18の内部にはヒータ3が設けられ、ヒータ3によってサセプタ2上に載置される基板4を所定温度に加熱するようになっている。サセプタ2上に載置される基板4は、例えば半導体シリコンウェハ、ガラス基板等である。
【0053】
反応室1外に基板回転ユニット12が設けられ、基板回転ユニット12によって反応室1内のヒータユニット18を回転して、サセプタ2上の基板4を回転できるようになっている。基板4を回転させるのは、後述するラジカル発生ユニット11から導入するラジカルや、成膜原料供給ユニット9から導入する原料ガスや、不活性ガス供給ユニット10より導入する不活性ガスが基板4の面内に均一に行き届くようにするためである。これにより後述する前処理工程では、酸素ラジカルや窒素ラジカルや水素ラジカルを基板4の面内に均一に供給することができ、基板4の面内にわたり均一な前処理を施すことができる。また後述する成膜工程では、原料ガスを基板4の面内に均一に供給することができ、基板面内にわたり均一に薄膜層を形成することができるとともに、基板4上に形成した薄膜層の面内に均一に酸素ラジカルを供給することができ、形成された薄膜中のC、H等の不純物を基板面内において素早く均一に除去することができる。
【0054】
また、反応室1内のサセプタ2の上方に多数の孔8を有するシャワーヘッド6が設けられる。シャワーヘッド6は、仕切板15によって成膜シャワーヘッド部6a、ラジカルシャワーヘッド部6bとに分割され、分割されたシャワーヘッド部6a、6bから、ガスを別々にシャワー状に噴出できるようになっている。
【0055】
反応室1外に、成膜原料としての有機液体原料を供給する成膜原料供給ユニット9と、成膜原料の液体供給流量を制御する流量制御手段としての液体流量制御装置28と、成膜原料を気化する気化器29とが設けられる。非反応ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニット10と、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ46が設けられる。ガス原料としてはHf−(MMP)4などの有機材料を用いる。また、不活性ガスとしてはAr、He、N2などを用いる。成膜原料供給ユニット9に設けられた原料ガス供給管5bと、不活性ガス供給ユニット10に設けられた不活性ガス供給管5aとは一本化されて、成膜シャワーヘッド部6aに接続される原料供給管5に連通される。
【0056】
原料供給管5は、基板4上にHfO2膜を形成する成膜工程で、シャワーヘッド6の成膜シャワーヘッド部6aに原料ガスと不活性ガスとの混合ガスを供給するようになっている。原料ガス供給管5b、不活性ガス供給管5aにはそれぞれバルブ21、20を設け、これらのバルブ21、20を開閉することにより、原料ガスと不活性ガスとの混合ガスの供給を制御することが可能となっている。
【0057】
また、反応室1外に、ラジカルを発生させるラジカル発生ユニット11が設けられる。ラジカル発生ユニット11は、例えばリモートプラズマユニットにより構成される。ラジカル発生ユニット11の下流側には、ラジカルシャワーヘッド部6bに接続されるラジカル供給管13が設けられ、前処理工程、成膜工程、又はクリーニング工程で、シャワーヘッド6のラジカルシャワーヘッド部6bに、酸素ラジカル、窒素ラジカル、水素ラジカル、塩素ラジカル、又は酸素ラジカル、又はフッ化塩素ラジカルをそれぞれ供給するようになっている。また、ラジカル供給管13にはバルブ24を設け、バルブ24を開閉することにより、ラジカルの供給を制御することが可能となっている。なお、このラジカル発生ユニット11によって、本発明のガス活性化ユニットが構成されている。
【0058】
ラジカル発生ユニット11は、ガスを活性化してラジカルを生成し、生成したラジカルを、前処理工程、成膜工程、及びクリーニング工程の各工程で、反応室1内に供給する。前処理工程で用いるラジカルは、酸素ラジカル、窒素ラジカル、水素ラジカル又は塩素ラジカルが良い。これらの中からいずれか一つのラジカルを選択して供給することもできるし、これらの中から複数種類のラジカルを選択して一種類ずつ連続的に供給することもできるし、これら全てのラジカルを一種類ずつ連続的に供給することも可能である。また、成膜工程で用いるラジカルは、原料としてHf−(MMP)4などの有機材料を用いる場合は、例えば酸素ラジカルが良い。これは、HfO2膜形成直後にCやHなどの不純物除去処理を効率的に実施できるからである。なお、原料としてPETaを用いてTa2O5膜を形成する場合は、例えば酸素ラジカルがよいし、Ru(EtCp)2を用いてRu膜、RuO2膜を形成する場合は水素ラジカルまたは酸素ラジカル(特に水素ラジカル)がよいし、Ti(N(CH3)2)4を用いてTiN膜を形成する場合は、窒素ラジカルがよい。また、基板以外の構造物へも形成される累積膜を除去するクリーニング工程で用いるラジカルはClF3ラジカルが良い。
【0059】
ラジカル発生ユニット11の上流側には、ガス供給系を介して酸素原子を含むガス(例えばO2、NO、N2O等)を供給する酸素含有ガス供給ユニット、窒素原子を含むガス(例えばN2、NH3等)を供給する窒素含有ガス供給ユニット、水素原子を含むガス(例えばH2等)を供給する水素含有ガス供給ユニット及び塩素原子を含むガス(例えばClF3、Cl2等)を供給する塩素含有ガス供給ユニットが接続されて、前処理工程に使用する酸素含有ガス、窒素含有ガス、水素含有ガス、又は塩素含有ガス(Cl2等)、成膜工程での不純物除去時に使用する酸素含有ガス(Ru膜の成膜の場合は水素含有ガスまたは酸素含有ガス、TiN膜の成膜の場合は窒素含有ガス)及びクリーニング工程で使用する塩素含有ガス(ClF3等)をラジカル発生ユニット11に対し選択的に供給できるようになっている。
【0060】
具体的には、図5(a)に示すように、ラジカル発生ユニット11の上流側には、このユニット11へプラズマ生成用のガス(例えば、Ar等の不活性ガス)を供給するメインライン30が接続されていて、このメインライン30に、水素含有ガスとしてのH2ガス供給ライン31、窒素含有ガスとしてのN2ガス供給ライン32、酸素含有ガスとしてのO2ガス供給ライン33、塩素含有ガスとしてのClF3(Cl2)ガス供給ライン34がそれぞれ接続されている。
メインライン30と上記各ガス供給ライン31,32,33,34との接続部分には、それぞれバルブ41,42,43,44が設けられていて、これらバルブの各々を開閉することにより、上記各ガスのラジカル発生ユニット11への供給をON/OFFできるようになっている。尚、これらバルブ41〜44の開閉制御は、制御装置25によって行われる。
また、上記ライン31,32,33,34には、それぞれ流量制御手段としてのMFC31a,32a,33a,34aが設けられていて、当該各ラインからのガスの供給量を制御できるようになっている。更に、メインラインを流れるArガスの流量もMFC30aによって制御できるようになっている。
【0061】
以上の構成とすることにより、ラジカル発生ユニット11から水素、窒素、酸素、塩素(塩素系化合物:例ClF3等)、又はアルゴンの何れか1つ以上のラジカルを選択的に基板4へ供給できる。これにより、基板4に対してMOCVD処理を行う直前の前処理として、後述するRPH、RPN、RPO、及びRPCl処理を実施できる。また、MOCVD処理とRPX処理(X=H,N,O,Cl)を繰り返してCVD処理を行うことができる。更に、ClF3ラジカルを利用すれば、300℃以下における反応室1のセルフクリーニング処理が可能となる。また、プラズマ生成用のガスとして、例えばArを用いることにより、ラジカル発生ユニット11では、安定してプラズマを発生できるようになるので好ましい。
また、一つのラジカル発生ユニット11における同一のラジカル生成室を用いながら、バルブ41〜44によって上記各ガスを切り替えてRPX処理(X=H,N,O,Cl)を行うようにしたから、装置の構成が複雑大型化せずに済む。
【0062】
図5(b)は、メインライン30と上記ガス供給ライン31(32,33,34)との接続部分に設けられたバルブ41(42,43,44)まわりを拡大して示した図である。このように、バルブ41(42,43,44)における弁体41a(42a,43a,44a)は、当該ガス供給ライン31(32,33,34)におけるH2ガス(N2ガス、O2ガス、ClF3(Cl2)ガス)の供給側に配置されており、これによって、メインラインを流れるArガスの供給を維持しながら、H2ガス、N2ガス、O2ガス、ClF3(Cl2)ガスのぞれぞれの供給のスタート/ストップをすばやく行うことができるようになっている。なお、バルブ41〜44としては、三方バルブを用いることもできる。
【0063】
反応室1に設けた原料供給管5、ラジカル供給管13等を含む成膜シャワーヘッド部6aとラジカルシャワーヘッド部6bとで、基板4に供給する原料ガスと、基板4に供給するラジカルをそれぞれ供給する別々の供給口が構成される。成膜シャワーヘッド部6aを含むものが原料ガス供給口であり、ラジカルシャワーヘッド部6bを含むものが活性化ガス供給口(ラジカル供給口)である。
【0064】
反応室1に反応室内を排気する排気口7aが設けられ、その排気口7aは図示しない排気ポンプや除害装置に連通する排気管7に接続されている。排気管7には、原料ガスを回収するための原料回収トラップ16が設置される。この原料回収トラップ16は、前処理工程、成膜工程、及びクリーニング工程に共用で用いられる。前記排気口7a及び排気管7で排気系を構成する。
【0065】
また、原料ガス供給管5b及びラジカル供給管13には、排気管7に設けた原料回収トラップ16に接続される原料ガスバイパス管14a及びラジカルバイパス管14b(これらを単に、バイパス管14という)がそれぞれ設けられる。原料ガスバイパス管14a及びラジカルバイパス管14bに、それぞれバルブ22、23を設ける。これらにより、反応室1内の基板4上に原料ガスを供給する際は、ラジカルの供給は停止させずに反応室1をバイパスするようラジカルバイパス管14b、原料回収トラップ16を介して排気しておく。また、反応室1内の基板4上にラジカルを供給する際は、原料ガスの供給は停止させずに反応室1をバイパスするよう原料ガスバイパス管14a、原料回収トラップ16を介して排気しておく。すなわち、少なくとも基板処理中は、成膜原料供給ユニット9からの原料ガスの供給と、ラジカル発生ユニット11からのラジカルの供給は、停止させることはなく、いずれも常に流し続けることとなる。
【0066】
そして前記バルブ20〜24の開閉等を制御する制御装置25が設けられる。制御装置25は、例えば基板4を加熱して基板温度を成膜温度まで所定速度で昇温させ、昇温後成膜温度を維持するようにヒータを制御する。また、前処理工程においては、基板温度が成膜温度よりも低い状態で(例えば基板昇温中に)、水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルの中から選択された複数種類のラジカルをラジカルシャワーヘッド部6bから、基板4上に一種類ずつ連続して供給するように制御する。例えば、水素ラジカル、窒素ラジカル、酸素ラジカルをこの順で連続的に供給するよう制御する。そして、基板温度が成膜温度まで昇温した後、成膜シャワーヘッド部6aから基板4上に原料ガスを供給して成膜した後、成膜した薄膜に対して酸素ラジカル(Ru膜の成膜の場合は水素ラジカルまたは酸素ラジカル、TiN膜の成膜の場合は窒素ラジカル)を供給するように制御する。そして、基板4上への原料ガスの供給と酸素ラジカル(Ru膜の成膜の場合は水素ラジカルまたは酸素ラジカル、TiN膜の成膜の場合は窒素ラジカル)の供給を複数回繰り返すよう制御する。この間、常に反応室1内は排気口7aから排気するように制御する。また、さらに原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給との間に不活性ガス(Ar、He、N2など)を供給するよう制御する。
【0067】
次に上述した図4のような構成の基板処理装置を用い、従来とは異なるプロセスを使用して、MOCVD反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制するとともに、インキュベーションタイムを抑制して、平坦性が良好なHfO2膜を形成するための手順を示す。
【0068】
図1に第1の実施の形態のプロセスフローを示す。基板4を反応室1に装填する前にバルブ20のみを開にして、不活性ガスであるN2ガスだけを反応室1内に1〜5SLM流しておく。その後、表面に対してRCA洗浄相当の清浄化処理が施された基板4を反応室1へ挿入してサセプタ2上に載置し、基板4を基板回転ユニット12により回転させながら、ヒータ3に電力を供給して基板4の温度を成膜温度である350〜500℃へ均一加熱するために基板昇温を開始する(ステップ201)。尚、成膜温度は、用いる有機材料の反応性により異なるが、例えばHf−(MMP)4を用いる場合においては、390〜440℃の範囲内が良い。また、基板4の搬送時や基板加熱時(基板昇温、成膜中の加熱を含む)等、少なくとも基板4が反応室1内に存在するときは、不活性ガス供給管5aに設けたバルブ20を開けて、Ar、He、N2などの不活性ガスを常に流しておくと、パーティクルや金属汚染物の基板4への付着を防ぐことができる。なお、更に基板4を反応室1内へ搬入する前や、基板4を反応室1内より搬出した後等の基板4が反応室1内に存在しないときにも不活性ガスを常に流しておくようにすると、さらに好ましい。
【0069】
従来方法では、この基板昇温中に不活性ガス(N2など)を基板4上に単に供給するだけであった。しかし、本実施の形態では、基板昇温をスタートして基板温度が成膜温度よりも低い状態で前処理工程に入る。前処理工程とは、成膜前に成膜の下地となる基板表面を複数種類のリモートプラズマ処理により改質する工程のことであり、具体的にはRPH(remote plasma hydrogenation)処理、RPCl(remote plasma chloridation)処理、RPN(remote plasma nitridation)処理、RPO(remote plasma oxidation)処理の中から選択される複数種類の処理を一種類ずつ連続して行う工程のことである。
【0070】
ここでRPH処理とは、水素含有ガス(H2等)を反応室1の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させた水素ラジカルを反応室1内の基板に供給することにより、基板表面を水素化させるリモートプラズマ水素化処理のことであり、RPCl処理とは、塩素含有ガス(Cl2等)を反応室1の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させた塩素ラジカルを反応室1内の基板に供給することにより、基板表面を塩素化させるリモートプラズマ塩素化処理のことであり、RPN処理とは、窒素含有ガス(N2、NH3等)を反応室1の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させた窒素ラジカルを反応室1内の基板に供給することにより、基板表面を窒化させるリモートプラズマ窒化処理のことであり、RPO処理とは、酸素含有ガス(O2、N2O、NO等)を反応室1の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させた酸素ラジカルを反応室1内の基板に供給することにより、基板表面を酸化させるリモートプラズマ酸化処理のことである。なお、ラジカル発生ユニット11が、各ガスのプラズマによる活性化を行うリモートプラズマユニットに該当する。
【0071】
前処理工程としては、これらのリモートプラズマ処理(RPH処理、RPCl処理、RPN処理、RPO処理)の中からいずれか一つの処理を選択して行うことも考えられるが(例えばRPH処理のみ等)、これらの処理の中から複数種類の処理を選択して一種類ずつ連続的に行うようにするのが好ましい。例えば二種類の処理を選択して一種類ずつ連続的に行うようにしてもよいし(例えば、RPN処理→RPO処理等)、三種類全ての処理を選択して一種類ずつ連続的に行うようにしてもよい(例えば、RPN処理→RPO処理→RPH処理等)。より好ましくは、これら全て(三種類)の処理を選択して連続的に行うのがよい(例えばRPH処理→RPO処理→RPN処理等)。以下、基板昇温中に前処理工程として、RPH処理、RPN処理、RPO処理をこの順で、連続して行う場合について説明する。
【0072】
RPH処理は、基板昇温中に、バルブ24を開にして、ラジカル発生ユニット11(リモートプラズマユニット)より、水素ラジカルを基板4上に供給する。なお、ラジカル発生ユニット11には、バルブ41(図5(a)参照)を開とすることにより、事前に水素含有ガス(ここでは、H2/Ar混合ガス)を供給しておき、水素含有ガスを活性化して水素ラジカルを生成した状態としておく。水素ラジカルは、ラジカル供給管13を介してラジカルシャワーヘッド部6bに導びかれ、多数の孔8を経由して、サセプタ2上の基板4上にシャワー状に供給される。その後、バルブ24を閉じ、バルブ23を開いて水素ラジカルをバイパス管14bから排気することにより、基板4上への水素ラジカルの供給を停止する。これにより基板4上に水素ラジカルを供給するRPH処理が完了する(ステップ202)。
このRPH処理により、基板表面に付着する可能性のある不純物等の汚染物質を還元したり、基板表面に付着したH2O等の汚染物質を除去したりすることができ、基板表面を清浄化して活性な表面状態とすることができる。また、基板表面が水素で終端された状態を作ることができ、基板4と次に堆積する膜との結合力が高まり密着性を向上させることができる。膜と基板4との密着性の向上は、膜と基板4が原子レベルでの結合時に水素が介在すると、比較的エネルギーが小さい状態でも結合が発生しやくなるためと考えられる。なお、RPH処理終了後、ラジカル供給管13に設けたバルブ24を閉じて、ラジカルバイパス管14bに設けたバルブ23を開き、ラジカル供給ユニット11から供給されるラジカルを、反応室1をバイパスするように、ラジカルバイパス管14bを通じて排気するようにするので、ラジカルの供給は停止されない。
【0073】
なお、ステップ202では、RPH処理に代えて、RPCl処理を行うのも有効である。RPCl処理とは、既述のように塩素含有ガス(Cl2等)を反応室1の外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させた塩素ラジカルを反応室1内の基板に供給することにより、基板表面を塩素化させるリモートプラズマ塩素化処理のことである。RPCl処理においては、ラジカル発生ユニット11には、バルブ44(図5(a)参照)を開とすることにより、事前に塩素含有ガス(ここでは、Cl2/Ar混合ガス)を供給しておき、塩素ラジカルを生成した状態とする。
【0074】
このRPH処理(またはRPCl処理)、及び次のRPN処理の間、不活性ガス供給管5aに設けたバルブ20は開けたままにして、N2などの不活性ガスを常に流しておく。また、RPH処理後、次のRPN処理前にラジカル発生ユニット11に供給するガスを水素含有ガスから窒素含有ガスに切り替え、ラジカル発生ユニット11では窒素含有ガスを活性化して窒素ラジカルを生成した状態としておき、生成した窒素ラジカルは、反応室1をバイパスするように、ラジカルバイパス管14bを通じて排気しておく。
【0075】
RPH処理(ステップ202)の後、RPN処理(ステップ203)を行なう。RPN処理は、RPH処理同様、基板昇温中に、バルブ24を開にして、ラジカル発生ユニット11より、窒素ラジカルを基板4上に供給する。なお、ラジカル発生ユニット11には、バルブ42(図5(a)参照)を開とすることにより、事前に窒素含有ガス(ここでは、N2/Ar混合ガス)を供給しておき、窒素含有ガスを活性化して窒素ラジカルを生成した状態としておく。窒素ラジカルは、ラジカル供給管13を介してラジカルシャワーヘッド部6bに導びかれ、多数の孔8を経由して、サセプタ2上の基板4上にシャワー状に供給される。その後、バルブ24を閉じ、バルブ23を開いて窒素ラジカルをバイパス管14bから排気することにより、基板4上への窒素ラジカルの供給を停止する。これにより基板4上に窒素ラジカルを供給するRPN処理が完了する(ステップ203)。このRPN処理には、最終デバイスがHfO2のような絶縁膜の場合は、その絶縁性を向上させる働きや、また、清浄化された基板表面が再汚染されることを防止する働きや、成膜工程におけるインキュベーションタイムを短縮する働き等があると考えられる。なお、RPN処理終了後、ラジカル供給管13に設けたバルブ24を閉じて、ラジカルバイパス管14bに設けたバルブ23を開き、ラジカル供給ユニット11から供給されるラジカルを、反応室1をバイパスするように、ラジカルバイパス管14bを通じて排気するようにするので、ラジカルの供給は停止されない。
【0076】
このRPN処理、及び次のRPO処理の間、不活性ガス供給管5aに設けたバルブ20は開けたままにして、N2などの不活性ガスを常に流しておく。また、RPN処理後、次のRPO処理前にラジカル発生ユニット11に供給するガスを窒素含有ガスから酸素含有ガスに切り替え、ラジカル発生ユニット11では酸素含有ガスを活性化して酸素ラジカルを生成した状態としておき、生成した酸素ラジカルは、反応室1をバイパスするように、ラジカルバイパス管14bを通じて排気しておく。
【0077】
RPN処理(ステップ203)の後、RPO処理(ステップ204)を行なう。RPO処理は、RPN処理同様、基板昇温中に、バルブ24を開にして、ラジカル発生ユニット11より、酸素ラジカルを基板4上に供給する。なお、ラジカル発生ユニット11には、バルブ43(図5(a)参照)を開とすることにより、事前に酸素含有ガス(ここでは、O2/Ar混合ガス)を供給しておき、酸素含有ガスを活性化して酸素ラジカルを生成した状態としておく。酸素ラジカルは、ラジカル供給管13を介してラジカルシャワーヘッド部6bに導びかれ、多数の孔8を経由して、サセプタ2上の基板4上にシャワー状に供給される。その後、バルブ24を閉じ、バルブ23を開いて酸素ラジカルをバイパス管14bから排気することにより、基板4上への酸素ラジカルの供給を停止する。これにより基板4上に酸素ラジカルを供給するRPO処理が完了する(ステップ204)。このRPO処理により、基板表面に付着する可能性のある不純物等の汚染物質を除去したり、基板表面に付着したH2O等の汚染物質を除去したりすることができ、基板表面を清浄化することができる。また、先の処理(RPN処理)により発生する界面欠陥を修復する働きがあると考えられる。なお、RPO処理終了後、ラジカル供給管13に設けたバルブ24を閉じて、ラジカルバイパス管14bに設けたバルブ23を開き、ラジカル供給ユニット11から供給されるラジカルを、反応室1をバイパスするように、ラジカルバイパス管14bを通じて排気するようにするので、ラジカルの供給は停止されない。この前処理工程としてのRPO処理において酸素ラジカルを生成した後、成膜工程開始まで、また成膜工程中も、酸素ラジカルの供給を停止することはない。
【0078】
従来では、成膜工程において原料ガスを供給する前の基板温度を室温から成膜温度まで上昇させる基板昇温中に基板に対して前処理等は行わなかったが、本発明では基板昇温中に、基板表面改質処理として、基板に対してRPH処理、RPN処理、RPO処理の中から選択された複数種類のリモートプラズマ処理を一種類ずつ連続的に行うようにしている(上記実施形態では、RPH処理、RPN処理、RPO処理をこの順で連続して行っている)。よって、基板昇温完了後に原料ガスを基板4上に供給したとき、上記改質処理が施された基板表面を下地としてHfO2膜を形成することとなるので、インキュベーションタイムが発生せず、核発生過程を省略することができ、その結果、平坦性の優れた薄膜を形成することができると考えられる。また、上記複数種類のリモートプラズマ処理により、累積膜からのH2O等の離脱ガスや、その他の汚染物質を効果的、効率的に除去でき、成膜への影響を防止することができるものと考えられる。また、上記複数種類のリモートプラズマ処理を用いることにより、従来、改質処理に対して費やされていた多大な労力や費用を大幅に削減し、従来に比べ基板表面の改質処理を簡素化できる。またこの簡素化により基板表面の改質処理を、MOCVD装置へ集約し、生産コストを大幅に削減できる。なお本発明では、プラズマにより活性化させたガスを用いて前処理を行っており、プラズマエネルギーの方が、熱エネルギーよりも大きいため、処理温度に達していない昇温中(比較的低温状態)でも確実に前処理を行うことができる。
【0079】
なお、これら一連の処理を複数回繰り返したり、順序を変えて行ったり、様々な形態を取る場合があり得る。例えば、上記実施形態で説明した、RPH処理またはRPCl処理→RPN処理→RPO処理という一連の処理を基板昇温中に可能な限り繰り返す場合が考えられる。また、上記実施形態とは順序を変えて、RPH処理またはRPCl処理→RPO処理→RPN処理としたり、RPO処理→RPN処理→RPH処理またはRPCl処理としたりする場合も考えられる。また、RPH処理またはRPCl処理、RPN処理、RPO処理のすべてを行わずに、これら処理の中から2種類の処理を選択し、例えば、RPH処理またはRPCl処理→RPN処理としたり、RPO処理→RPH処理またはRPCl処理としたり、RPN処理→RPO処理としたり、RPO処理→RPN処理としたりする場合も考えられる。
【0080】
なお、これらの前処理の中でRPN処理→RPO処理、RPO処理→RPN処理等のように、少なくともRPN処理とRPO処理の2つの処理を行うようにするのが特に好ましい。RPN単独処理のみの前処理では、リーク電流を抑えることができるが、最終デバイスの界面欠陥密度が大きくなりフラットバンド電圧Vfbや移動度μなどの電気的パラメータを悪化させる。RPO単独処理のみの前処理では、最終デバイスの界面欠陥を少なくできるが、リーク電流が大きくなるためデバイスサイズの縮小化に限界が早まる。これに対して、RPN処理→RPO処理またはRPO処理→RPN処理を行うことにより、前記の単独処理のデメリットを相互に補完することができる。またRPN処理→RPO処理またはRPO処理→RPN処理を複数回繰り返すと、前記の補完効果を強めることができる。
【0081】
また、これらの処理を基板昇温中ではなく、前処理用の一定の温度(例えば室温以上成膜温度以下の一定温度)に維持して行うことも可能であるし、基板昇温後に行うことも可能である。これらの前処理は、基本的には最終デバイスの性能や品質を向上させるための手段なので、デバイスの用途によりその形態が変わる。
【0082】
ステップ204のRPO処理後、基板4が所定の成膜温度390〜440℃に昇温するまで待つ。昇温時間は、通常1分〜2分30秒である。この間、時間に余裕があれば、上記のRPH処理(ステップ202)→RPN処理(ステップ203)→RPO処理(ステップ204)のサイクルを複数回繰り返すと、平坦性向上、離脱ガス除去の実効があがるので好ましい。また、RPH処理(ステップ202)とRPN処理(ステップ203)とRPO処理(ステップ204)との間にN2などの不活性ガスを供給する非反応性ガス供給ステップを設けると良い。
【0083】
前処理工程後、基板温度が所定の成膜温度に達した後は、成膜工程に入る。まず、ステップ205の成膜処理で、バルブ22を閉にしてバルブ21を開にして、成膜原料供給ユニット9からのHf−(MMP)4を液体流量制御装置28で流量制御して気化器29で気化させ、気化した原料ガスを反応室1内の基板4に対して供給する。この原料ガス供給時、及び次のRPO処理(ステップ206)の間も、バルブ20は開いたままにして、不活性ガス供給ユニット10から不活性ガス(N2など)をマスフローコントローラ46で流量制御しながら常に流すと、原料ガスは不活性ガスで希釈されて撹拌されるので良い。原料ガス供給管5bから供給される原料ガスと、不活性ガス供給管5aから供給される不活性ガスとは原料供給管5で混合され、混合ガスとして成膜シャワーヘッド部6aに導びかれ、多数の孔8を経由して、サセプタ2上の基板4上にシャワー状に供給される。前記混合ガスを所定時間供給することで、熱CVD法により、前述の前処理工程(複数種類のリモートプラズマ処理)により改質された基板表面上に所定膜厚のHfO2膜が形成される(ステップ205)。前記所定時間後、バルブ21を閉じバルブ22を開くことにより、基板4上への原料ガスの供給を停止するとともに、原料ガスを、原料ガスバイパス管14aを通じて排気する。(なお、基板4上への原料ガスの供給は停止するが、成膜原料供給ユニット9からの原料ガスの供給は停止しない。)
【0084】
ステップ205の成膜処理後、RPO処理(ステップ206)に入る。バルブ21を閉じた後、バルブ24を開いてラジカル発生ユニット11から酸素ラジカルを基板4上に所望時間供給して、成膜処理(ステップ205)にて形成したHfO2膜の膜中に混入した−OH、−CHなどの不純物を除去してRPO処理を終了する。なお、RPO処理には、前処理工程同様、反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を抑制する効果もある。また、前処理工程(ステップ202、203、204)と同様、成膜工程(ステップ205、206)でも、基板4は回転しながらヒータ3により所定温度(成膜温度と同一温度)に保たれているので、基板面内において均一な膜を形成できるとともに、形成した膜中のC、Hなどの不純物をすばやく均一に除去できる。前記所望時間後、バルブ24を閉じバルブ23を開くことにより、基板4上への酸素ラジカルの供給を停止するとともに、酸素ラジカルを、ラジカルバイパス管14bを通じて排気する。(なお、基板4上への酸素ラジカルの供給は停止するが、ラジカル発生ユニット11からの酸素ラジカルの供給は停止しない。)
【0085】
上記成膜処理ステップ205とRPO処理ステップ206を1サイクルとして、これを複数回繰り返す。このサイクル処理により、CH、OHの混入が極めて少ない所定膜厚のHfO2膜を形成することができる。また、このサイクル処理(特にRPO処理)には、前処理工程同様、反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を十分に抑制する効果もある。すなわち、前処理工程における複数種類のリモートプラズマ処理と成膜工程における上記サイクル処理の両方を行うことにより、反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を、より一層抑制することができる。なお、成膜処理ステップ205とRPO処理ステップ206との間にN2などの不活性ガスを供給する非反応性ガス供給ステップを設けると良い。
【0086】
ここで成膜処理ステップ205とRPO処理ステップ206を複数回繰り返すメリットは次の通りである。深い溝に対してカバレッジ良く形成されたHfO2膜に対してRPO処理(C、H等の不純物除去処理)を実施する場合、1度にHfO2膜を厚く、例えば100オングストローム形成してからRPO処理を実施すると、溝の奥の部分に対して酸素ラジカルが供給されにくくなる。これは、酸素ラジカルが溝の奥の部分まで到達する過程において、溝の入り口周辺に堆積した膜中のC、Hと反応してしまう確率が高くなり(膜厚が100オングストロームと厚くその分不純物量も多いため)、相対的に溝の奥の部分に到達するラジカル量が減ってしまうからである。よって、短時間で均一なC、H除去を行うことが難しくなる。
【0087】
これに対し100オングストロームのHfO2膜を形成する際に、HfO2膜形成→RPO処理を複数回例えば7回に分けて行う場合は、約15オングストローム当りのHfO2膜についてのみC、H除去処理としてのRPO処理を実施すれば良いことになる。この場合、酸素ラジカルが溝の入り口周辺に堆積した膜中のC、Hと反応する確率は高くならないので(膜厚が15オングストロームと薄くその分不純物量も少ないため)、溝の奥の部分にも均一にラジカルが到達することとなる。よって短時間で均一なC、H除去を行うことができる。また、HfO2膜形成→RPO処理を複数回繰り返す場合、反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスを除去する効果のあるRPO処理を、HfO2膜の成膜間で複数回繰り返すこととなるので、累積膜からの離脱ガスの除去効率が上がることとなる。
【0088】
なお、成膜工程での好ましい条件は、原料としてHf−(MMP)4を用いる場合においては、処理温度は、前述したように390〜440℃、圧力は100Pa程度以下である。また成膜工程後のRPO処理工程での好ましい条件は、処理温度は390〜440℃、圧力範囲は100〜1000Pa程度、ラジカル生成用のO2流量は100sccm、不活性ガスAr流量は1slmである。尚、成膜工程とRPO工程とは、略同一温度で行なうのが好ましい(ヒータの設定温度は変更せずに一定とすることが好ましい)。これは反応室内の温度変動を生じさせないことにより、シャワーヘッドやサセプタ等の周辺部材の熱膨張によるパーティクルが発生しにくくなり、また、金属部品からの金属の飛出し(金属汚染)を抑制できるからである。
【0089】
上記成膜工程、すなわち成膜処理ステップ205とRPO処理ステップ206のサイクル処理により所定膜厚のHfO2膜が基板上に形成された後、基板は装置外へ搬出される(ステップ207)。
【0090】
第1の実施の形態のプロセスフローと比較するために、図2に従来例のプロセスフロー図を示す。従来例では、基板昇温中においては、単に不活性ガス(N2など)を基板へ供給するだけであったが(ステップ208)、本実施の形態では、基板昇温中に、RPH処理をし、その後RPN処理をし、その後RPO処理をしている(ステップ202、203、204)。従って、本実施の形態では、新規に加えた複数種類のリモートプラズマ処理による基板表面改質ステップを、従来プロセスの基板昇温時間を利用するので、生産性を低下させることなく、反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を抑制するとともに、CVD薄膜の平坦性を向上させることができる。また、従来例では、成膜処理(ステップ205)とRPO処理(ステップ206)を一度行うだけであったが、本実施の形態では、成膜処理(ステップ205)とRPO処理(ステップ206)を複数回繰り返しているので、堆積した膜中のC、H等の不純物の除去量を上げることができるとともに、累積膜からの離脱ガスの影響を十分に抑制できる。特に、本実施形態では、複数種類のリモートプラズマ処理(ステップ202、203、204)と、成膜処理(ステップ205)とRPO処理(ステップ206)を繰り返すサイクル処理を組み合わせたことで、累積膜からの離脱ガスの影響を、より一層抑制することができる。
【0091】
また、HfO2膜は、熱CVD法を採用して形成しているので、ALD法により形成した膜と異なり膜質が良好となる。すなわち、ALD(Atomic Layer Deposition)は処理温度、圧力が低く、1原子層ずつ膜を形成するが、最初から最後まで低温で成膜するために、膜中に取り込まれる不純物量が多く、膜質が悪い。これに対して本実施の形態では、成膜工程においては、ALDよりも処理温度、圧力が高い熱CVD反応を用いて、薄い膜(0.5〜30オングストローム程度)を複数回形成するようにしているので、ALDよりも緻密で膜質の良い膜が得られる。
【0092】
ところで、成膜工程では原料ガスの供給と、酸素ラジカルの供給との間に非反応性ガスを供給する非反応性ガス供給ステップを行なうようにするのが好ましく、また、前処理工程でも、RPH処理と、RPN処理と、RPO処理との間に非反応性ガスを供給する非反応性ガス供給ステップを行うようにするのが好ましいのは前述の通りだが、さらに前処理工程と成膜工程との間にも非反応性ガスを供給する非反応性ガス供給ステップを行なうようにするのが好ましい。なお、全工程を通じて、不活性ガスN2は供給し続けているので、反応室1内への原料ガスの供給と、ラジカルの供給の両方を停止した状態(原料ガスとラジカルの両方をバイパス管14より排気した状態)とすれば、反応室内には自動的に不活性ガスであるN2のみが流れることとなり、自動的に非反応性ガス供給ステップとなる。
【0093】
また、成膜工程において、原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給との間に非反応性ガスを供給しているのは(非反応性ガス供給プロセス)、次の理由による。原料ガス供給後、酸素ラジカルを供給する前に非反応性ガス(N2、Ar、He等の不活性ガス)を供給するようにすると、不活性ガスの供給により原料ガス供給後に酸素ラジカルを供給する際の反応室内の雰囲気中の原料ガスを除去することができるとともに、酸素ラジカル供給後、原料ガスを供給する前に非反応性ガス(N2、Ar、He等の不活性ガス)を供給するようにすると、不活性ガスの供給により酸素ラジカル供給後に原料ガスを供給する際の反応室内の雰囲気中の酸素ラジカルを除去することができる。すなわち、反応室内に原料ガスと酸素ラジカルとが同時に存在しないようにすることができ、その結果、パーティクルの発生を防止できる。
【0094】
また、シャワーヘッド6を、成膜シャワーヘッド部6aとラジカルシャワーヘッド部6bとに仕切っているのは次の理由による。シャワーヘッド6の内部に吸着している原料と酸素ラジカルとが反応すると、シャワーヘッド6の内部にも累積膜が形成される。原料ガスと酸素ラジカルとが供給されるシャワーヘッド6を仕切ることにより、原料と酸素ラジカルとが反応するのを有効に防止して、累積膜の形成を抑制することができる。
【0095】
また、シャワーヘッド6を仕切ることに加えて、さらに原料ガスを基板4へ流す場合は、図示しない不活性ガス供給ユニットよりラジカル供給管13、ラジカルシャワーヘッド部6bへ不活性ガスを流し、酸素ラジカルを基板4へ流す場合は、不活性ガス供給ユニット10から原料供給管5、成膜シャワーヘッド部6aへ不活性ガスを流すのが良い。なお、ラジカル供給管13、ラジカルシャワーヘッド部6bへ不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニットと原料供給管5、成膜シャワーヘッド部6aへ不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニットは、共用とするのが好ましい。このように成膜工程と除去工程でそれぞれ使用しない側のラジカル供給管13、シャワーヘッド部6b、原料供給管5、シャワーヘッド部6aに不活性ガスを流すようにすると、さらに効果的に原料供給管5、ラジカル供給管13、シャワーヘッド6内部への累積膜形成を抑制することができる。
【0096】
また、原料ガス/酸素ラジカルの反応室への供給中に次工程で用いる酸素ラジカル/原料ガスを停止せずバイパス管14より排気するようにしているのは次の理由による。原料ガス/酸素ラジカルの供給には準備が必要であり、いずれも供給開始までに時間がかかる。よって処理中は、原料ガス/酸素ラジカルの供給は停止せずに常に供給し続け、使用しないときはバイパス管14より排気するようにする。これにより使用時にバルブ21〜24を切り換えるだけで、直ちに原料ガス/酸素ラジカルの反応室への供給を開始でき、スループットを向上させることができる。
【0097】
また、基板処理装置が稼動している間は、反応室1内には常に不活性ガス(N2、Ar、He等)を供給しておくとよい。具体的には基板搬送前からバルブ20を開き不活性ガス供給ユニット10より反応室1内へ不活性ガスを常時供給するようにする。基板搬送時、基板昇温時、基板昇温後の加熱時はもちろん、原料ガス供給時、酸素ラジカル供給時も、常に不活性ガスを流し続ける。これにより、反応室内を常時不活性ガスによるパージ状態とすることができ、パーティクルや金属汚染物質の基板への付着や、排気口7aや排気管7に付着した原料ガスの反応室への逆拡散や、図示しない真空ポンプからのオイルの反応室内への逆拡散を防ぐことができる。
【0098】
また、上述した実施の形態では、昇温中に前処理工程を行う方法について説明したが、昇温中に前処理工程と成膜工程の一部を行うようにすることも可能である。例えば、昇温中に前処理工程と初期成膜を行い、昇温後に本成膜を行うことも可能である。この場合、初期成膜では、原料ガスを未反応のままの状態で基板上に吸着させた後にRPO処理を行うことにより強制的に成膜反応を生じさせるようにする。例えば、昇温中に[RPH処理→RPN処理→RPO処理](前処理)→[原料ガス供給→RPO処理](初期成膜)を行い、昇温後に本成膜として[原料ガス供給→RPO処理]×nサイクル(原料ガス供給とRPO処理とをnサイクル繰り返す処理)を行うことも可能である。また、昇温中に、[RPH処理→RPN処理→RPO処理](前処理)→[原料ガス供給→RPO処理]×nサイクル(初期成膜)を行い、昇温後に[原料ガス供給→RPO処理]×nサイクル(本成膜)を行うことも可能である。
【0099】
また、上述した実施の形態では、酸素ラジカルを発生させるのに酸素O2を用いたが、O2以外にN2O、NO、O3などの酸素含有ガスを用いることができる。N2OとNOについてはO2と同様、ラジカル発生ユニット11により活性化し酸素ラジカルを生成してから反応室1へ供給する。しかし、N2OとO3については活性化することなくそのまま反応室1へ供給してもよい。これは活性化させずに供給するものの、供給後に反応室1内で熱により酸素ラジカルが生成されるので、実質的に基板に酸素ラジカルを供給していることとなるからである。従って、本発明の酸素ラジカルを基板上に供給する場合としては、N2O、O3を活性化することなくそのまま供給する場合も含まれる。
【0100】
また上述した実施の形態では、アモルファス状態のHfO2膜を形成する場合について説明したが、アモルファスHfシリケート膜を形成する場合にも適用できる。更には、Ta2O5膜やZrO2膜などの金属酸化膜や、Ru膜などの金属膜など、他の種類の膜(例えば、TiN膜、TaN膜、TiO2膜、SiO2膜、Al2O3膜など)にも適用可能である。
【0101】
また上述した実施の形態では主に熱CVD法を用いて成膜を行う場合について説明したが、ALD法を用いて成膜を行う場合にも適用できる。例えば、昇温中に[RPN処理→RPO処理](前処理)を行い、昇温後に[原料ガス供給→RPO処理]×nサイクル(原料ガス供給とRPO処理とをnサイクル繰り返しALD法により成膜を行う処理)を行うことも可能である。
【0102】
なお、上述した実施の形態では、シャワーヘッド6を仕切板15により成膜シャワーヘッド部6aとラジカルシャワーヘッド部6bとに分割し、原料ガスとラジカルを含む活性化ガスとをそれぞれ別々のシャワーヘッドから供給する場合について説明したが、図7に示すように、仕切板を取り、成膜シャワーヘッド部と、ラジカルシャワーヘッド部とを共用とし、原料ガスとラジカルを含む活性化ガスとを同一のシャワーヘッド6より供給するようにしてもよい。
【0103】
このように成膜処理の際に基板4に供給する原料ガスと、成膜後のRPO処理、前処理工程としてのRPH処理、RPN処理、RPO処理の際に基板4に供給するラジカルを含む活性化ガスとを同一の供給口となるシャワーヘッド6から供給すると、シャワーヘッド6内部に付着した異物(パーティクル源)をHfO2膜で覆ってコーティングすることができ、異物が基板4上に落ちてくることを抑制できる。また、シャワーヘッド6内部にコーティングされた膜は、コーティング後にラジカルを含む活性化ガスにさらされ、これによりシャワーヘッド6内部のコーティング膜に含まれるC、H等の不純物の混入量を大幅に低減できる。また、反応室1内をClF3などのClを含むガスでクリーニングした場合、反応室1内やシャワーヘッド6内部に残留した副生成物やクリーニングガスが吸着しているが(これをクリーニング残渣という)、原料ガスとラジカルを含む活性化ガスの供給口を共用することにより、このシャワーヘッド6内部に残留したクリーニング残渣をラジカルを含む活性化ガスの作用により有効に除去できる。
【0104】
また、成膜の下地としては、シリコン基板に限定されず、シリコン基板の表面に薄くSiO2膜を付けたものや、シリコン基板の表面に薄くSi3N4膜を付けたもの等であってもよい。
【0105】
図3に本実施形態におけるクラスタ装置構成を示す。
【0106】
クラスタ装置は、基板搬送ロボット41を設けた基板搬送室40、装置に対して基板を搬入/搬出するロードロック室42、基板表面処理(RCA洗浄等)する第1反応室43、図4に示した基板に対して前処理及びHfO2膜の成膜を行う第2反応室44、及び薄膜上に電極を形成する第3反応室45を備える。このうち第2反応室44が、図4に示す反応室1に相当するものである。
【0107】
従来クラスタ装置構成では、第1反応室43でRCA洗浄等の基板表面処理と酸窒化処理等の基板表面改質処理を施し、第2反応室44でHfO2膜を形成し、第3反応室45で電極を形成していた。また、第1反応室43で行われるRCA洗浄等の基板表面処理と酸窒化処理等の基板表面改質処理については異なる反応室にて行われることもあった。
これに対し、本実施の形態によれば、基板を装置外からロードロック室42に搬入した後、第1反応室43でRCA洗浄等の基板表面処理(基板表面に形成された自然酸化膜や金属汚染物質等を除去する処理)を施し、第2反応室44で、前処理工程としてRPH処理、RPN処理、RPO処理を行った後、成膜工程としてHfO2膜成膜処理とRPO処理(不純物除去処理)とを繰り返して所定膜厚のHfO2膜形成を行い(RPH処理→RPN処理→RPO処理→[成膜処理→RPO処理]×nサイクル)、第3反応室45で電極を形成する(poly−Si薄膜形成、および熱アニール処理)。そして、電極を形成した基板はロードロック室42から装置外へ搬出する。
【0108】
以上のように本発明では、従来薄膜を形成していた反応室内において、薄膜形成の直前に前処理工程として基板表面改質処理を行っている(同一反応室内で前処理工程と成膜工程を連続して行っている)ため、基板表面の再汚染を最小限度に抑えることができ、従来のように基板表面の改質処理に多くの時間やエネルギーをかけたり、基板搬送中に再汚染することがないというメリットがある。また、前処理工程を行うチャンバを削減できるとともに、前処理工程と成膜工程で使用するリモートプラズマユニットを共有できることから、装置のフットプリント(設置面積)を減少することができ、また装置コストを低減することもできる。
【0109】
また、前処理工程と成膜工程とを同一の反応室内で行うので、当該反応室における従来の基板加熱時間を利用して前処理を行える。従って、これら2つの処理を一つの反応室に集中させてもタクトアップの要因にはならない。
また、前処理工程と成膜工程とを同一の反応室内で行うことにより、基板の前処理(例えば、RPH等の高清浄化処理)を行い、その後、即座に基板表面にSiO2、SiN、あるいはSiON等の膜を形成できるようになるので、高品質な界面層の形成が可能である。
【0110】
なお、RPHを含む前処理工程と成膜処理とRPO処理とを複数回繰り返す成膜工程とを同一の反応室内で行う場合、成膜工程後にN2パージを行っても、反応室内には成膜処理後等に行うRPO処理の際の酸素が残っており、この残留酸素が次の基板を処理する際の前処理工程におけるRPH処理で供給される水素活性種と反応して、当該反応室内に水分が発生し、これにより反応室内の金属部材が酸化し、金属汚染物質が発生する問題が考えられるが、RPH処理を所定時間以上継続することにより、この金属汚染物質を除去することができ、この問題を回避できる。
【0111】
ところで、クラスタ装置で処理する前の基板にはRCA洗浄相当が事前に実施されている場合もあるが、この場合において自然酸化膜が僅かに形成され、取り扱う雰囲気により汚染されているような場合においは、上記クラスタ装置において、さらに基板表面処理(RCA洗浄等)を行う第1反応室43を削除することも可能である。この場合、第2反応室44で前処理工程としてRPH処理、RPN処理、RPO処理を行う前に基板表面処理工程(基板表面に形成された自然酸化膜や金属汚染物質等を除去する処理)を行うこととなる。すなわち、一つの反応室内で、基板表面処理工程、前処理工程、成膜処理工程を連続的に行うこととなる。
【0112】
基板表面処理工程にて行う処理としては、RPDC(remote plasma dry cleaning)処理が好ましい。ここで、RPDC処理とは、クリーニングガス(Cl2等)を反応室外部に設けられたリモートプラズマユニットにてプラズマを用いて活性化することにより発生させたラジカルを反応室内の基板に供給することにより、基板表面に形成された自然酸化膜や金属汚染物質等を除去するリモートプラズマドライクリーニング処理のことである。
【0113】
第2反応室44で行う処理は次のようになる。すなわち、基板表面処理工程として、Cl2等を用いてRPDC処理を行った後、前処理工程としてRPH処理、RPN処理、RPO処理を行い、その後、成膜工程として成膜処理とRPO処理(不純物除去処理)とを繰り返して所定膜厚の薄膜の成膜を行うこととなる(RPDC処理→RPH処理→RPN処理→RPO処理→[成膜処理→RPO処理]×nサイクル)。なお、RPDC処理後にRPH処理を行うことにより、RPDC処理におけるCl2の残渣を除去し、基板表面から有機物や自然酸化膜を十分に除去することができる。よって、RPDC後はRPH処理を行うことが好ましい。
【0114】
以上のように、基板表面処理工程(RCA洗浄等)を行う第1反応室43を削除し、前処理工程および成膜工程を行う反応室内において、前処理工程の直前に基板表面処理工程を行っている(同一反応室内で基板表面処理と前処理と成膜処理を連続して行っている)ため、基板表面の再汚染を最小限度に抑えることができ、基板搬送中に再汚染することがないというメリットがある。また、基板表面処理を行うチャンバを削減できるとともに、基板表面処理と前処理と成膜処理で使用するリモートプラズマユニットを共有できることから、装置のフットプリントを減少することができ、また装置コストを低減することもできる。
【0115】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、有効な処理の流れの変形例として、次の(1)〜(8)も考えられる。以下の説明中、{}でくくった一連の処理は、同一の反応室内で行う処理を示す。
(1){RPHまたはRPCl→RPN→RPO→成膜}
前処理として、RPH処理またはRPCl処理、RPN処理、及びRPO処理をこの順に行うようにしたものである。ここでRPClとは、基板に対して塩素を含むガスを活性化して供給する塩素前処理のことである。また成膜とは、前述した成膜工程に対応するもので、具体的には(原料ガス供給→活性化ガス供給)×nサイクルに相当するものである(以下、同様)。これらの処理は、同一の反応室、例えば第2反応室44内で行う。
【0116】
(2){RPHまたはRPCl→RPO→RPN→成膜}
前処理として、RPH処理またはRPCl処理、RPO処理、及びRPN処理をこの順に行うようにしたものである。これらの処理は、同一の反応室、例えば第2反応室44内で行う。
【0117】
(3){RPHまたはRPCl→(RPN→RPO)×n→成膜}
前処理として、RPH処理またはRPCl処理、及び(RPN処理→RPO処理)×nサイクルをこの順に行うようにしたものである。これらの処理は、同一の反応室、例えば第2反応室44内で行う。
【0118】
(4){RPHまたはRPCl→(RPO→RPN)×n→成膜}
前処理として、RPH処理またはRPCl処理、及び(RPO処理→RPN処理)×nサイクルをこの順に行うことにしたものである。これらの処理は、同一の反応室、例えば第2反応室44内で行う。
【0119】
(5){RCA洗浄またはRPDC}→{(RPN→RPO)→成膜}
まず第1反応室43にてRCA洗浄またはRPDC(自然酸化膜除去)処理を行い、次いで、第2反応室44にて、前処理として、RPN処理、RPO処理をこの順に行い、その後、成膜するようにしたものである。
【0120】
(6){RCA洗浄またはRPDC}→{(RPO→RPN)→成膜}
まず第1反応室43にてRCA洗浄またはRPDC(自然酸化膜除去)を行い、次いで、第2反応室44にて、前処理としてRPO処理、RPN処理をこの順に行い、その後、成膜するようにしたものである。
【0121】
(7){RCA洗浄またはRPDC}→{(RPN→RPO)×n→成膜}
まず第1反応室43にてRCA洗浄またはRPDC(自然酸化膜除去)を行い、次いで、第2反応室44にて、前処理として、RPN処理と、RPO処理とをこの順にnサイクル繰り返し、その後、成膜するようにしたものである。
【0122】
(8){RCA洗浄またはRPDC}→{(RPO→RPN)×n→成膜}
まず第1反応室43にてRCA洗浄またはRPDC(自然酸化膜除去)を行い、次いで、第2反応室44にて、前処理として、RPO処理と、RPN処理とをこの順にnサイクル繰り返し、その後、成膜するようにしたものである。
【0123】
(9){(RPO→RPHまたはRPCl)×n→成膜}
前処理として、金属汚染物質を取り込んだ層を形成して、それを除去し、酸素終端する処理を行うようにしたものである。即ち、まず有機物汚染や金属汚染などがある基板に対して、RPO処理でその有機物などの汚染物質を除去しながら、基板上に金属を含むSiO2膜を形成する。次いで、その金属を含むSiO2膜を、RPH処理(またはRPCl処理)により除去する。なお、このとき金属を含むSiO2膜は容易に除去できる。これは、金属を含むSiO2膜がアモルファス状態であるためと考えられる。そして、これらのRPO処理→RPH処理(またはRPCl処理)の工程を繰り返すことにより、基板の表面より内部に入り込んでいる金属や有機物などを除去できる。
【0124】
【発明の効果】
本発明によれば、反応室内に堆積した累積膜からの離脱ガスの影響を効果的、効率的に抑制することができるとともに、インキュベーションタイムを低減し、薄膜の平坦性を向上させることができる。また、これまで累積膜からの離脱ガスの対策に対して費やされていた多大な労力や費用を大幅に削減でき、前処理工程としての基板表面の改質処理を簡素化できる。また基板表面の改質処理をMOCVD装置へ集約することができ、生産コストを大幅に削減できる。
【0125】
また、本発明によれば、前処理工程直後に連続して成膜工程を行うことができるので、前処理にて清浄化された基板表面の再汚染を防止できる。また、生産コストを大幅に削減できる。
【0126】
また、本発明によれば、生産性を低下させることなく、累積膜からの離脱ガスの影響を抑制するとともに、インキュベーションタイムを抑制し、形成する膜の平坦性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態によるプロセスフロー図である。
【図2】従来例によるプロセスのフロー図である。
【図3】実施の形態におけるクラスタ装置構成を示す概念図である。
【図4】実施の形態による反応室の概要説明図である。
【図5】図4におけるラジカル発生ユニットの上流側の構成を例示した図である。
【図6】従来例のCVD反応室の概念説明図である。
【図7】実施の形態の変形例による反応室の概要説明図である。
【符号の説明】
1 反応室
3 ヒータ
4 基板
5 原料供給管
6 シャワーヘッド(供給口)
6a 成膜シャワーヘッド部(原料ガス供給口)
6b ラジカルシャワーヘッド部(活性化ガス供給口)
7a 排気口
9 成膜原料供給ユニット
10 不活性ガス供給ユニット
11 ラジカル発生ユニット
13 ラジカル供給管
25 制御装置
20〜24 バルブ
Claims (5)
- 自然酸化膜を除去した基板に対して、窒素を含むガスを活性化して供給する窒素前処理工程と、酸素を含むガスを活性化して供給する酸素前処理工程とを含む前処理工程と、
この前処理工程の後に、前記基板上に金属薄膜又は金属酸化薄膜を形成する成膜工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 基板に対して、水素を含むガスを活性化して供給する水素前処理工程または塩素を含むガスを活性化して供給する塩素前処理工程と、窒素を含むガスを活性化して供給する窒素前処理工程と、酸素を含むガスを活性化して供給する酸素前処理工程とを含む前処理工程と、
この前処理工程の後に、前記基板上に金属薄膜または金属酸化薄膜を形成する成膜工程と、を有し、
前記前処理工程と成膜工程とを同一反応室内で行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 基板に対して、ガスを活性化して供給する前処理工程と、
この前処理工程の後に、前記基板上に金属薄膜または金属酸化薄膜を形成する成膜工程と、を有し、
前記前処理工程は、成膜工程において原料ガスを供給する前であって、基板温度を成膜温度まで上昇させる基板昇温の途中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至3の何れか記載の半導体装置の製造方法において、
前記成膜工程では、
前記基板に対して原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、
この原料ガス供給工程後にガスを活性化して供給する活性化ガス供給工程と、
を複数回繰り返すことにより、所望の膜厚を有する薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 基板を処理する反応室と、
反応室内の基板を加熱するヒータと、
反応室内に原料ガスを供給する原料ガス供給口と、
水素または塩素を含むガスと、窒素を含むガスと、酸素を含むガスと、をそれぞれ活性化するガス活性化ユニットと、
ガス活性化ユニットにて活性化させたガスを反応室内に供給する活性化ガス供給口と、
ヒータにより基板を加熱して基板温度が成膜温度よりも低い状態で前記活性化させたガスを、反応室内の基板に対して一種類ずつ連続して供給するよう制御すると共に、基板温度を成膜温度まで昇温した後、反応室内の基板に対して成膜を行うための原料ガスを供給し、その後に活性化させたガスを供給するよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003063337A JP2004006699A (ja) | 2002-04-25 | 2003-03-10 | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 |
US10/422,859 US6825126B2 (en) | 2002-04-25 | 2003-04-25 | Manufacturing method of semiconductor device and substrate processing apparatus |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002124173 | 2002-04-25 | ||
JP2003063337A JP2004006699A (ja) | 2002-04-25 | 2003-03-10 | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004006699A true JP2004006699A (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=30447430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003063337A Pending JP2004006699A (ja) | 2002-04-25 | 2003-03-10 | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004006699A (ja) |
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004085703A1 (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-07 | Tokyo Electron Limited | 処理装置及び処理方法 |
JP2005268656A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Applied Materials Inc | 成膜装置を処理する方法、成膜方法、及び成膜装置 |
JP2006523934A (ja) * | 2003-04-16 | 2006-10-19 | アプライド サイエンス アンド テクノロジー, インコーポレイテッド | トロイダル低電場反応性気体および誘電真空槽を有するプラズマ源 |
WO2007102333A1 (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Tokyo Electron Limited | ルテニウム膜の成膜方法およびコンピュータ読取可能な記憶媒体 |
JP2008057042A (ja) * | 2006-09-01 | 2008-03-13 | Asm Japan Kk | 金属配線構造用のルテニウム膜の形成方法 |
JP2008210930A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-11 | Elpida Memory Inc | 半導体装置の製造方法 |
JP2009027011A (ja) * | 2007-07-20 | 2009-02-05 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 基板処理装置 |
US7531467B2 (en) | 2004-01-21 | 2009-05-12 | Hitachi Kokusai Electric, Inc. | Manufacturing method of semiconductor device and substrate processing apparatus |
JP2009120964A (ja) * | 2009-02-26 | 2009-06-04 | Tokyo Electron Ltd | 処理装置及び薄膜形成方法 |
JP2010067638A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Tokyo Electron Ltd | ルテニウム膜の成膜方法 |
JP2010080737A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 |
US7723245B2 (en) | 2004-11-29 | 2010-05-25 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Method for manufacturing semiconductor device, and substrate processing apparatus |
WO2012165263A1 (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-06 | 東京エレクトロン株式会社 | ゲート絶縁膜の形成方法およびゲート絶縁膜の形成装置 |
KR101215835B1 (ko) | 2008-10-29 | 2013-01-18 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 반도체 장치의 제조 방법 및 기판 처리 장치 |
KR101379349B1 (ko) * | 2012-08-09 | 2014-03-28 | 주식회사 테스 | 기상 증착 방법 및 장치 |
KR101537189B1 (ko) * | 2013-04-22 | 2015-07-15 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 반도체 장치의 제조 방법, 기판 처리 장치 및 기록 매체 |
JP2017085056A (ja) * | 2015-10-30 | 2017-05-18 | 富士通株式会社 | 化合物半導体エピタキシャル基板及び化合物半導体装置 |
KR101804127B1 (ko) * | 2011-01-28 | 2018-01-10 | 주식회사 원익아이피에스 | 박막 증착 방법 |
JP2019033228A (ja) * | 2017-08-09 | 2019-02-28 | 東京エレクトロン株式会社 | シリコン窒化膜の成膜方法及び成膜装置 |
KR20200099080A (ko) | 2019-02-13 | 2020-08-21 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치 |
-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003063337A patent/JP2004006699A/ja active Pending
Cited By (32)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2004085703A1 (ja) * | 2003-03-25 | 2006-06-29 | 東京エレクトロン株式会社 | 処理装置及び処理方法 |
JP4579157B2 (ja) * | 2003-03-25 | 2010-11-10 | 東京エレクトロン株式会社 | 処理装置及び切り替え機構 |
US7717061B2 (en) | 2003-03-25 | 2010-05-18 | Tokyo Electron Limited | Gas switching mechanism for plasma processing apparatus |
WO2004085703A1 (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-07 | Tokyo Electron Limited | 処理装置及び処理方法 |
JP2006523934A (ja) * | 2003-04-16 | 2006-10-19 | アプライド サイエンス アンド テクノロジー, インコーポレイテッド | トロイダル低電場反応性気体および誘電真空槽を有するプラズマ源 |
US7531467B2 (en) | 2004-01-21 | 2009-05-12 | Hitachi Kokusai Electric, Inc. | Manufacturing method of semiconductor device and substrate processing apparatus |
JP2005268656A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Applied Materials Inc | 成膜装置を処理する方法、成膜方法、及び成膜装置 |
US7723245B2 (en) | 2004-11-29 | 2010-05-25 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Method for manufacturing semiconductor device, and substrate processing apparatus |
JP5207962B2 (ja) * | 2006-02-28 | 2013-06-12 | 東京エレクトロン株式会社 | ルテニウム膜の成膜方法 |
WO2007102333A1 (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Tokyo Electron Limited | ルテニウム膜の成膜方法およびコンピュータ読取可能な記憶媒体 |
JP2008057042A (ja) * | 2006-09-01 | 2008-03-13 | Asm Japan Kk | 金属配線構造用のルテニウム膜の形成方法 |
JP2008210930A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-11 | Elpida Memory Inc | 半導体装置の製造方法 |
JP2009027011A (ja) * | 2007-07-20 | 2009-02-05 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 基板処理装置 |
JP2010067638A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Tokyo Electron Ltd | ルテニウム膜の成膜方法 |
JP2010080737A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 |
KR101215835B1 (ko) | 2008-10-29 | 2013-01-18 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 반도체 장치의 제조 방법 및 기판 처리 장치 |
US9011601B2 (en) | 2008-10-29 | 2015-04-21 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Substrate processing apparatus |
US8367557B2 (en) | 2008-10-29 | 2013-02-05 | Hitachi Kokosai Electric, Inc. | Method of forming an insulation film having low impurity concentrations |
KR101233141B1 (ko) | 2008-10-29 | 2013-02-14 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 반도체 장치의 제조 방법 및 기판 처리 장치 |
KR101233135B1 (ko) | 2008-10-29 | 2013-02-14 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 반도체 장치의 제조 방법 및 기판 처리 장치 |
US9269566B2 (en) | 2008-10-29 | 2016-02-23 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Substrate processing apparatus |
US8809204B2 (en) | 2008-10-29 | 2014-08-19 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Method of manufacturing semiconductor device and substrate processing apparatus |
JP2009120964A (ja) * | 2009-02-26 | 2009-06-04 | Tokyo Electron Ltd | 処理装置及び薄膜形成方法 |
KR101804127B1 (ko) * | 2011-01-28 | 2018-01-10 | 주식회사 원익아이피에스 | 박막 증착 방법 |
WO2012165263A1 (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-06 | 東京エレクトロン株式会社 | ゲート絶縁膜の形成方法およびゲート絶縁膜の形成装置 |
KR101379349B1 (ko) * | 2012-08-09 | 2014-03-28 | 주식회사 테스 | 기상 증착 방법 및 장치 |
KR101537189B1 (ko) * | 2013-04-22 | 2015-07-15 | 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 | 반도체 장치의 제조 방법, 기판 처리 장치 및 기록 매체 |
US9552980B2 (en) | 2013-04-22 | 2017-01-24 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Method of manufacturing semiconductor device, substrate processing apparatus, and recording medium |
JP2017085056A (ja) * | 2015-10-30 | 2017-05-18 | 富士通株式会社 | 化合物半導体エピタキシャル基板及び化合物半導体装置 |
JP2019033228A (ja) * | 2017-08-09 | 2019-02-28 | 東京エレクトロン株式会社 | シリコン窒化膜の成膜方法及び成膜装置 |
KR20200099080A (ko) | 2019-02-13 | 2020-08-21 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치 |
US11551933B2 (en) | 2019-02-13 | 2023-01-10 | Tokyo Electron Limited | Substrate processing method and substrate processing apparatus |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6825126B2 (en) | Manufacturing method of semiconductor device and substrate processing apparatus | |
JP4090347B2 (ja) | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 | |
JP2004006699A (ja) | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 | |
JP4813480B2 (ja) | 半導体装置の製造方法、基板処理方法及び基板処理装置 | |
TWI446404B (zh) | 半導體裝置的製造方法、清潔方法及基板處理裝置 | |
US6787481B2 (en) | Method for manufacturing semiconductor device | |
US11791181B2 (en) | Methods for the treatment of workpieces | |
JP4505471B2 (ja) | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 | |
WO2019229785A1 (ja) | 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム | |
JPWO2007020874A1 (ja) | 薄膜形成方法および半導体デバイスの製造方法 | |
JP2001338922A (ja) | 成膜方法及び成膜装置 | |
JP6995997B2 (ja) | 半導体装置の製造方法、基板処理装置、プログラム及び基板処理方法 | |
JP2009246340A (ja) | 成膜装置のメタル汚染低減方法、半導体装置の製造方法、記憶媒体及び成膜装置 | |
CN107863289B (zh) | 半导体装置的制造方法、基板处理装置和存储介质 | |
JP4621241B2 (ja) | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 | |
JP2008131050A (ja) | 半導体素子への金属含有膜の集積方法 | |
KR102651019B1 (ko) | 성막 방법 및 성막 장치 | |
JP2006190787A (ja) | 基板処理装置及び半導体デバイスの製造方法 | |
US20050250341A1 (en) | Method for manufacturing semiconductor device and substrate processing apparatus | |
US20110114114A1 (en) | Cleaning method of apparatus for depositing carbon containing film | |
WO2022080153A1 (ja) | 基板処理方法および基板処理装置 | |
JP2004296820A (ja) | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 | |
JP7372336B2 (ja) | 基板処理方法、プログラム、基板処理装置及び半導体装置の製造方法 | |
JP2004296887A (ja) | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 | |
JP2008205325A (ja) | 半導体装置の製造方法、及び基板処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050928 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071105 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080227 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080624 |