JP4621241B2 - 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に薄膜を形成する半導体装置の製造方法、及び基板処理装置に関するものである。
半導体製造工程の1つに基板(シリコンウェハやガラスなどをベースとする微細な電気回路のパターンが形成された被処理基板)の表面に所定の成膜処理を行うCVD(Chemical Vapor Deposition)工程がある。これは、気密な反応室に基板を装填し、室内に設けた加熱手段により基板を加熱し、原料ガスを基板上に導入しながら化学反応を起こし、基板上に設けた微細な電気回路のパターン上に薄膜を均一に形成するものである。このような反応室では、薄膜は基板以外の構造物へも形成される。図10に示すCVD装置では、反応室1内にシャワーヘッド6とサセプタ2を設け、サセプタ2上に基板4を載置している。原料ガスは、シャワーヘッド6に接続された原料供給管5を通って反応室1内へ導入され、シャワーヘッド6に設けた多数の孔8より基板4上に供給される。基板4上に供給されたガスは、排気管7を通って排気処理される。尚、基板4はサセプタ2の下方に設けたヒータ3によって加熱される。
このようなCVD装置として、成膜原料に有機化学材料を使ってアモルファスHfO膜やアモルファスHfシリケート膜を形成できるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いたCVD装置があ
る。
成膜原料としては、Hf[OC(CH(以下、Hf−(OtBu)と略す)、Hf[OC(CHCHOCH(以下、Hf−(MMP)と略す)、但し、MMP:1メトキシ−2−メチル−2−プロポキシHf[O−Si−(CH)](Hf−(OSi)と略す)などが使用されている。
このなかで、例えばHf−(OtBu)、Hf−(MMP)など、多くの有機材料は常温常圧において液相である。このため、例えばHf−(MMP)は加熱して蒸気圧により気体に変換して利用されている。
ところで、上記のようなMOCVD法を用いて堆積される薄膜は、膜表面の平坦性が得られ難いという問題がある。特に、薄膜の堆積速度を表面反応律速で決める場合のMOCVD法においては、上記問題が顕著になる。表面反応律速では、基板表面で薄膜が堆積を開始するのに時間的な遅れが生じることがわかっている。この時間はインキュベーションタイムと呼ばれている。このインキュベーションタイムの間に、基板上で島状の堆積が行なわれるという核形成過程があり、この核発生過程で凹凸が形成されて薄膜の平坦性が失われてしまうと考えられている。
図7に基板4上に形成される薄膜31の凹凸の概念を示す。薄膜表面32の凸部33は核形成過程で形成されると推定される。凸部33の最大値と凹部34の最小値との差分が凹凸の高さの差分Hを示し、この差分Hを平坦性といい、差分が大きいと平坦性が悪く、差分が小さいと平坦性に優れているという。
図8にインキュベーションタイムに発生していると推定される核発生(島形成)の概念図を示す。成膜の下地は、シリコン基板4もしくはシリコン基板4の表面に薄くSiO膜を付けたもの、もしくはシリコン基板4の表面に薄くSi膜を付けたものである
。基板表面もしくは下地膜表面30に核35が形成される。この核35が成長して薄膜となる。このとき核35には膜が付きやすいが、核35の形成されていない基板表面もしくは下地膜表面30には膜が付きづらい。従って、MOCVD法で堆積される薄膜は、図7に示すように、薄膜表面32の平坦性が得られ難い。
このような薄膜表面32の平坦性は、最終生産物である半導体デバイス製品の信頼性を低下させる要因となり、デバイスサイズ縮小に伴って大きな問題となってきている。
従来、CVDを用いた成膜技術の公知例として次のものが公開されている。
(1)特開平9−82696号公報(公知例1)公知例1は、低温(−50〜+50℃)で酸素ラジカルと有機シランガス(TEOS)とを同時に供給し、凝縮CVD法により酸化シリコン膜の凝集膜を形成する凝集膜形成工程(第1ステップ)と、その後酸素ラジカルを流したままで基板を高温に設定し(400〜600℃)、凝集膜を酸素ラジカル雰囲気中で熱処理することにより改質(C、H等の不純物を除去)する改質工程(第2ステップ)と、を同一反応室内で複数回繰り返すことにより所望膜厚のシリコン酸化膜を形成する方法である。第1ステップで、最終的に形成する膜よりも薄い膜を形成し、第2ステップで凝集膜の改質を行うことで、C、H等の不純物を均一に除去可能としている。
(2)特開2001−68485号公報(公知例2)公知例2は、サファイア基板上に、単結晶ZnOの成長温度よりも低い温度(200〜600℃)で、Znビームと酸素ラジカルビームとを同時照射して、低温成長ZnO層を成長させる工程(第1ステップ)と、低温成長ZnOの成長温度よりも高い温度(600〜800℃)で、酸素ラジカルビームを照射しつつ低温成長ZnO層を熱処理(平坦化処理)する工程(第2ステップ)と、600〜800℃でZnビームと酸素ラジカルビームとを同時照射して、低温成長ZnO層上に高温成長単結晶ZnO層を成長させる工程(第3ステップ)とを有する方法である。第1ステップで成長させた低温成長層を第2ステップで平坦化処理し、第3ステップで高温成長単結晶層を成長させることにより、結晶性を良好にしている。
(3)特開平6−45322号公報(公知例3)公知例3は、poly−Si膜の表面の自然酸化膜を水素アニールにより除去し、その後基板を大気に晒すことなくランプ加熱式の気相成長炉に搬送する。搬送後、poly−Si膜上に低温(700℃)でSiHClガスとNHガスとを同時に供給して、第1の膜厚(5オングストローム)を有する第1のSiN膜を形成(第1ステップ)し、その後昇温し(700→800℃)、SiHClガスとNHガスとを同時に供給して、第1のSiN膜上に第1の膜厚より厚い第2の膜厚(100オングストローム)を有する第2のSiN膜を形成(第2ステップ)するSiN膜の製造方法である。第1ステップで低温成長させることにより、成長核の表面密度が高くなり平坦性に優れた膜が得られ、第2ステップで所望膜厚のSiN膜を形成できる。
特開平9−82696号公報(第2−9頁、第1図) 特開2001−68485号公報(第2−4頁、第1図) 特開平6−45322号公報(第2−4頁、第1図)
しかしながら、上述した公知例には次のような問題点があった。
(1)公知例1及び2では、第1ステップ(低温処理)において、原料ガスやラジカルを同時に供給している。しかし、酸素ラジカルは反応性が高いため、原料ガスと酸素ラジカルとを同時に供給するとパーティクルが発生する。
(2)公知例1〜3のように、低温の第1ステップ後に、高温の第2ステップを含む成膜
方法であると、低温の第1ステップ後に基板を昇温させる必要があるため、スループット(生産性)が低下する。なお、公知例1、3は、第1層目も第2層目(以降)も、CVD法により形成しており、公知例2は、第1層目も第2層目もMBE法により形成している。
本発明の課題は、パーティクルを発生させることなく、薄膜の平坦性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することにある。また、本発明の課題は、生産性を低下させることなく薄膜の平坦性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
第1の発明は、基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態で、原料ガスを基板上へ付着させた後、原料ガスとは異なる反応物を基板上に供給することにより、第1の薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、基板温度を成膜温度まで昇温後、原料ガスを用いて熱CVD法により第1薄膜層上に第2の薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程とを有し、前記第1薄膜層形成工程と第2薄膜層形成工程とを同一の反応室内で行い、前記第1薄膜層形成工程は、第2薄膜層を形成するために原料ガスを供給する前であって、基板温度を成膜温度まで昇温させる基板昇温の途中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。第1薄膜層形成工程では、基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態で原料ガスを基板上に付着させるから、該原料ガスを未反応のまま基板上に付着できる。その後、原料ガスとは異なる反応物を供給することにより強制的に膜が形成される成膜反応が起きるから、インキュベーションタイムが発生せず、核発生過程を省略できる。従って、平坦性に優れた第1薄膜層を形成できる。また第2薄膜層形成工程では、平坦性に優れた第1薄膜層上に第2薄膜層を形成するので、平坦性を向上した薄膜を形成できる。しかも、第2薄膜層を熱CVD法により形成するので、ALD法により形成する場合に比べて良好な膜質が得られる。また、第1薄膜層は成膜温度よりも低い温度に設定維持した状態で形成しても良いが、成膜温度までの昇温中に形成することにより、生産性を低下させないで、第1薄膜層ひいては第2薄膜層の平坦性を向上できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1薄膜層形成工程では、基板上への原料ガスの供給と、反応物の供給と、を複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガスの供給と反応物の供給とを複数回繰り返すことにより、原料ガスの供給と反応物の供給を1回だけで行なった場合に、部分的に膜が形成されない箇所が生じた場合でも、その箇所を埋めることができ、平坦性をさらに向上できる。
第3の発明は、第1の発明において、前記第1薄膜層形成工程では、基板上への原料ガスの供給と、反応物の供給と、の間に、非反応性ガスを供給することを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガスの供給と反応物の供給との間に非反応性ガスを供給すると、基板上への原料ガスの吸着量が均一になる。また、雰囲気中に原料ガスと反応物とが同時に存在しないようにすることができるから、パーティクルの発生を防止できる。
第4の発明は、第1の発明において、前記第1薄膜層形成工程での基板温度は、200℃以上、390℃以下の範囲内であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。基板温度が390℃以下の状態で第1薄膜層を形するから、原料ガスを流しても成膜レートが発生せず、原料ガスを基板上に未反応のまま付着させることができる。一方、基板温度が200℃以上の状態で第1薄膜層を形するから、基板との密着性のよい膜を形成できる。
第5の発明は、第1の発明において、前記原料ガスは、有機原料ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法である。特に膜表面の平坦性が得られにくい有機原料ガスを
使用した場合に、平坦性が向上できるので、本発明のメリットが大きい。
第6の発明は、第1の発明において、前記原料ガスは、Hfを含む原料を気化したガスであり、形成する薄膜はHfを含む膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。ここで、Hfを含む膜としては具体的には、HfO、HfON等のHfO、HfSiO等のHfSiO、HfSiON、HfAlO等のHf−Al−O、またはHfAlON等が挙げられる。
第7の発明は、第1の発明において、前記原料ガスは、Hf[OC(CHCHOCHを気化して得られるガスであり、形成する薄膜はHfを含む膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第8の発明は、第1の発明において、前記反応物は、酸素原子を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。反応物は酸素原子を含むが、第1薄膜層形成工程では、原料ガスを基板上へ付着させた後に、反応物を基板上に供給する順序とすることにより、この反応物によって基板が直接的に酸化されされてしまう懸念はない。
第9の発明は、第1の発明において、前記反応物は、酸素原子を含むガスをプラズマにより活性化して得られるガスを、含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。一実施例においては、反応物として酸素ラジカルを用いることができる。尚、酸素ラジカルを基板上に供給する場合としては、酸素含有ガスを反応室外部で活性化して酸素ラジカルを生成してから基板上に供給する場合だけでなく、酸素含有ガスを活性化せずに反応室内に供給して、供給後に反応室内で熱等により生成された酸素ラジカルが基板上に供給される場合も含まれる。
第10の発明は、第1の発明において、前記原料ガスと反応物とを、それぞれ同一の供給口より供給することを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガスと反応物とを同一の供給口より供給することにより、該供給口の内部に付着した異物を、本方法によって基板上に形成する膜と同一の膜でコーティングすることができる。これにより、原料ガスまたは反応物のフローとともに該異物が基板上に至るのを防止できる。特に、原料ガスや反応物をダウンフローで基板上に供給する場合には、処理中に、該異物が基板上に降り落ちてくるのを確実に防止できる。また、反応室をクリーニングガスでクリーニングした場合に、供給口の内部に吸着している副生成物等の異物やクリーニングガスを残すことなく確実に除去できるという効果も得られる。
第11の発明は、第1の発明において、前記原料ガスと反応物とをそれぞれ別々の供給口より供給すると共に、原料ガス用の供給口より基板に原料ガスを供給する際は、反応物用の供給口に非反応性ガスを供給し、反応物用の供給口より基板に反応物を供給する際は、原料ガス用の供給口に非反応性ガスを供給することを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガスと反応物とを別々の供給口より供給するので、供給口の内部にも形成される累積膜の形成を抑制できる。また、これら原料ガスと反応物のうち一方が供給されているときに、他方の供給口から非反応性ガスを供給すると、各供給口にて両者が接触することを回避できるから、各供給口の内部への累積膜形成を更に抑制できる。
第12の発明は、第1の発明において、基板に原料ガスを供給する際は、反応物は停止させることなく反応室をバイパスするよう排気しておき、基板に反応物を供給する際は、原料ガスは停止させることなく反応室をバイパスするよう排気しておくことを特徴とする半導体装置の製造方法である。反応物及び原料ガスの供給をそれぞれ停止させずに、反応室をバイパスするように流しておくと、流れを切換えるだけで、直ちに原料ガス又は反応物を基板上に供給できる。したがって、スループットを向上できる。
第13の発明は、第1の発明において、第2薄膜層形成工程では、熱CVD法により薄膜を形成する工程と、形成した薄膜に対して反応物を供給する工程と、を複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。熱CVD法により薄膜を形成した後に、その薄膜に対して反応物を供給することにより、1回の繰り返し毎に当該薄膜中に混入した不純物を除去する等の処理を行える。従って、これらの工程を繰り返すことにより、単に通常のCVD法を行う場合に比べると、不純物除去等の実効を向上でき、良質な膜を形成できる。
第14の発明は、第1の発明において、前記第1薄膜層形成工程または/および第2薄膜層形成工程は、基板を回転させながら行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。第1薄膜層形成工程または/および第2薄膜層形成工程を、基板を回転させながら行うことにより、形成される膜の平坦性を向上できる。
第15の発明は、第1の発明において、第1薄膜層形成工程の前に、基板上に水素ラジカルを供給する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。第1薄膜層の形成前に基板上に水素ラジカルを供給することにより、基板表面の清浄化処理、水素終端処理が施される。これにより、基板と第1薄膜層との結合力が高まり、密着性が向上する。
第16の発明は、基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態で、原料ガスを基板上へ付着させた後、原料ガスとは異なる反応物を基板上へ供給することにより、第1の薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、基板温度を成膜温度まで昇温後、原料ガスを用いて第1薄膜層上に第2の薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程とを有し、前記第2薄膜層形成工程は、熱CVD法により薄膜を形成する工程と、形成した薄膜に対して反応物を供給する工程と、を複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。第1薄膜層形成工程では、基板温度が成膜温度よりも低い状態で、未反応のまま原料ガスを基板上に付着できる。その後、原料ガスとは異なる反応物を供給することにより強制的に膜が形成される成膜反応が起きるので、インキュベーションタイムが発生せず、核発生過程を省略できる。従って、平坦性に優れた第1薄膜層を形成できる。また第2薄膜層形成工程では、平坦性に優れた第1薄膜層上に第2薄膜層を形成するので、平坦性を向上した薄膜を形成できる。また第2薄膜層形成工程では、熱CVD法により薄膜を形成した後に、その薄膜に対して反応物を供給することにより、1回の繰り返し毎に当該薄膜中に混入した不純物(例えば、C、H等)を除去する等の処理を行える。従って、これらの工程を繰り返すことにより、単に通常のCVD法を行う場合に比べると、不純物除去等の実効を向上でき、良質な膜を形成できる。
第17の発明は、第16の発明において、前記第1薄膜層形成工程では、基板上への原料ガスの供給と反応物の供給とを複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガスの供給と反応物の供給とを複数回繰り返すことにより、原料ガスの供給と反応物の供給を1回だけで行なった場合に、部分的に膜が形成されない箇所が生じた場合でも、その箇所を埋めることができ、平坦性をさらに向上できる。
第18の発明は、基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態で、原料ガスを基板上へ付着させた後、酸素原子を含むガスをプラズマにより活性化して得られる反応物を基板上へ供給することにより、第1の薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、基板温度を成膜温度まで昇温後、原料ガスを用いて熱CVD法により第1薄膜層上に第2の薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。第1薄膜層形成工程では、基板温度が成膜温度よりも低い状態で、未反応のまま原料ガスを基板上に付着できる。その後、反応物を供給することにより強制的に膜が形成され
る成膜反応が起きるので、インキュベーションタイムが発生せず、核発生過程を省略できる。
従って、平坦性に優れた第1薄膜層を形成できる。また第2薄膜層形成工程では、平坦性に優れた第1薄膜層上に第2薄膜層を形成するので、平坦性を向上した薄膜を形成できる。しかも、第2薄膜層を熱CVD法により形成するので、ALD法により形成する場合に比べて良好な膜質が得られる。また、反応物は、酸素原子を含むガスをプラズマにより活性化して得られるものであるが、原料ガスを基板上へ付着させた後に、反応物を基板上に供給する順序とすることにより、この反応物によって基板が直接的に酸化されされてしまう懸念はない。
第19の発明は、原料ガスを基板上へ付着させる工程と、酸素原子を含むガスをプラズマにより活性化して得られる反応物を基板上へ供給することにより、膜を形成する工程と、をこの順で複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。原料ガスを基板上に付着させた後、反応物を供給することにより強制的に膜が形成される成膜反応が起きるので、インキュベーションタイムが発生せず、核発生過程を省略できる。従って、平坦性に優れた膜を形成できる。また、反応物は、酸素原子を含むガスをプラズマにより活性化して得られるものであるが、原料ガスを基板上へ付着させた後に、反応物を基板上に供給する順序とすることにより、反応物により基板が直接的に酸化されされてしまう懸念はない。従って、上記各工程を複数回繰り返す場合でも、誘電率の低い膜が形成されてしまうのを抑制できる効果が得られる。
第20の発明は、基板を処理する処理室と、処理室内の基板を加熱するヒータと、原料ガスを供給する原料ガス供給系と、原料ガスとは異なる反応物を供給する反応物供給系と、処理室内を排気する排気口と、基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態の基板昇温中に原料ガスを基板上へ付着させるよう供給した後、反応物を基板上に供給し、その後、基板温度を成膜温度まで昇温した後、基板上に原料ガスを供給するよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする基板処理装置である。
第21の発明は、基板温度が成膜温度よりも低い状態で、原料ガスを基板上に供給して未反応のまま付着させた後、酸素ラジカルを基板上に供給することにより第1の薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、基板温度を成膜温度まで昇温後、基板上に原料ガスを供給して熱CVD法により第1薄膜層上に第2の薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第22の発明は、第21の発明において、第1薄膜層の形成は、第2薄膜層を形成するために原料ガスを供給する前の、基板温度を成膜温度まで昇温させる基板昇温中に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第23の発明は、第21又は第22の発明において、第1薄膜層形成工程では、基板上への原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給を複数回繰り返すことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第24の発明は、第21〜第23の発明において、第1薄膜層形成工程では、基板上への原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給との間に非反応性ガスを供給することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第25の発明は、基板を処理する反応室と、反応室内の基板を加熱するヒータと、反応室内に原料ガスを供給する原料ガス供給口と、反応室内に酸素ラジカルを供給するラジカル供給口と、ヒータにより基板を加熱して、基板温度が成膜温度よりも低い状態で原料ガスを反応室内の基板上に未反応のまま付着させるように供給した後、酸素ラジカルを反応
室内の基板上に供給して第1薄膜層を形成し、その後基板温度を成膜温度まで昇温後、反応室内の基板上に原料ガスを供給して第2薄膜層を形成するように制御する制御手段とを有することを特徴とする基板処理装置である。
原料ガスを未反応のまま基板に付着させた後、酸素ラジカルを基板上に供給し、その後成膜温度まで昇温後、基板上に原料ガスを供給するよう制御する制御手段を有することによって、前記第21の発明の半導体装置の製造方法を容易に実施できる。なお、さらに基板昇温中に原料ガスを反応室内の基板上に未反応のまま付着させるように供給した後、基板に対して酸素ラジカルを供給するよう制御する制御手段を備えれば、第22の発明の半導体装置の製造方法を容易に実施できる。さらに、原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給を複数回繰り返すよう制御する制御手段を備えれば、第23の発明の半導体装置の製造方法を容易に実施できる。さらに、非反応性ガスを供給する非反応性ガス供給手段と、原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給との間に非反応性ガスを供給するよう制御する制御手段とを備えれば、第24の発明の半導体装置の製造方法を容易に実施できる。
第26の発明は、第21〜第25の発明において、第1薄膜層の形成前に基板上に水素ラジカルを供給するようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。
第27の発明は、第21〜第25の発明において、原料ガスは有機原料ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。
第28の発明は、第21〜第25の発明において、原料ガスはHf[OC(CHCHOCHを気化したガスであり、形成する薄膜はHfO膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法、又は基板処理装置である。なお、有機原料を用いてCVD法により成膜を行う場合、通常酸素含有ガスも一緒に供給するが、Hf[OC(CHCHOCHを用いる場合、酸素含有ガスは一緒に供給しない方がC、H等の特定元素(不純物)混入量を少なくできる。
第29の発明は、第28の発明において、第1薄膜層の形成工程での基板温度は200℃以上390℃以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。
第30の発明は、第21〜第25の発明において、第2薄膜層の形成は、薄膜を形成する成膜工程と、形成した薄膜に対して酸素ラジカルを供給する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。薄膜層を形成する成膜工程に加えて、薄膜に対して酸素ラジカルを供給する工程を有し、この工程により特定元素(C、H等の不純物等)を除去するようにしているので、第2薄膜層の形成工程において形成した膜中のC、H等の不純物等の特定元素を有効に除去できる。
第31の発明は、第21〜第25の発明において、第2薄膜層の形成工程は、薄膜を形成する成膜工程と、形成した薄膜に対して酸素ラジカルを供給する工程とを有し、これらの工程を複数回繰り返すことにより所望の膜厚を有する薄膜層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。第2薄膜層の形成工程では、成膜工程と酸素ラジカルを供給する工程とを複数回繰り返すので、所定の膜厚を有する薄膜層を形成できると共に、第2薄膜層の形成工程において形成した膜中の特定元素(C、H等の不純物)の除去量を増加することができる。
第32の発明において、第21〜第25の発明において、少なくとも第1薄膜層の形成工程は、基板を回転させながら行うことを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理
装置である。少なくとも第1薄膜層の形成工程は、基板を回転させながら行うと、基板を面内にわたり均一に処理できるので、第1薄膜層の平坦性、さらにはその上に形成される第2薄膜層の平坦性が向上する。
第33の発明は、第21〜第25の発明において、第1薄膜層の形成工程および第2薄膜層の形成工程は、共に基板を回転させながら行うことを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。
第34の発明は、第21〜第25の発明において、原料ガスと酸素ラジカルはそれぞれ別々の供給口より供給することを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。
第35の発明は、第24の発明において、基板上に原料ガスを供給する際は酸素ラジカル用の供給口より非反応性ガスを供給し、基板上に酸素ラジカルを供給する際は原料ガス用の供給口より非反応性ガスを供給することを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。
第36の発明は、第24の発明において、基板に原料ガスを供給する際は、酸素ラジカルは停止させずに反応室をバイパスするよう流しておき、基板に酸素ラジカルを供給する際は、原料ガスは停止させずに反応室をバイパスするよう流しておくことを特徴とする半導体装置の製造方法又は基板処理装置である。
本発明によれば、パーティクルを発生させることなく、薄膜の平坦性を向上できる。また、本発明によれば、生産性を低下させることなく、薄膜の平坦性を向上できる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、MOCVD法によりアモルファス状態のHfO膜(以下、単にHfO膜と略す)を形成する場合について説明する。
〔第1の実施の形態〕図9は実施の形態に係る基板処理装置である枚葉式CVD装置の一例を示す概略図である。従来の反応室1(図10)に対して、ラジカル発生ユニット11、基板回転ユニット12、不活性ガス供給ユニット10、バイパス管14を主に追加してある。
図に示すように、反応室1内に、上部開口がサセプタ2によって覆われた中空のヒータユニット18が設けられる。ヒータユニット18の内部にはヒータ3が設けられ、ヒータ3によってサセプタ2上に載置される基板4を所定温度に加熱するようになっている。サセプタ2上に載置される基板4は、例えば半導体シリコンウェハ、ガラス基板等である。
反応室1外に基板回転ユニット12が設けられ、基板回転ユニット12によって反応室1内のヒータユニット18を回転して、サセプタ2上の基板4を回転できるようになっている。基板4を回転させるのは、後述する成膜原料供給ユニット9から導入する原料ガスや、不活性ガス供給ユニット10より導入する不活性ガスや、ラジカル発生ユニット11から導入するラジカルが基板4の面内に均一に行き届くようにするためである。これにより後述する第1薄膜層形成工程では、原料ガスを基板4の面内に未反応のまま均一に付着させることができ、また基板4の面内に均一に付着した原料ガスに対して、均一に該原料ガスとは異なる反応物である酸素ラジカルを供給することができ、基板4の面内にわたり、均一な反応を生じさせることができる。従って、基板面内にわたり均一な第1薄膜層を
形成できる。また後述する第2薄膜層形成工程では、基板面内にわたり均一に第2薄膜層を形成することができ、また、形成された膜中の特定元素であるC、H等の不純物を基板面内において素早く均一に除去することができる。
また、反応室1内のサセプタ2の上方に多数の孔8を有するシャワーヘッド6が設けられる。シャワーヘッド6は、仕切板15によって成膜シャワーヘッド部6a、ラジカルシャワーヘッド部6bとに分割され、分割されたシャワーヘッド部6a、6bから、ガスを別々にシャワー状に噴出できるようになっている。
反応室1外に、原料ガスを供給する成膜原料供給ユニット9と、非反応性ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニット10とが設けられる。成膜原料供給ユニット9は、成膜原料としてのMO(Metal Organic)等の有機液体原料を供給する液体原料供給ユニット91と、成膜原料の液体供給量を制御する流量制御手段としての液体流量制御装置92と、成膜原料を気化する気化器93とを有する。成膜原料としてはHf−(MMP)などの有機材料を用いる。不活性ガス供給ユニット10は、非反応性ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源101と、不活性ガスの供給量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ102とを有する。不活性ガスとしてはAr、He、Nなどを用いる。成膜原料供給ユニット9に設けられた原料ガス供給管5bと、不活性ガス供給ユニット10に設けられた不活性ガス供給管5aとは一本化されて、成膜シャワーヘッド部6aに接続される原料供給管5に連通される。尚、成膜原料供給ユニット9、原料ガス供給管5b、原料供給管、及びバルブ等を含んで本発明の原料ガス供給系が構成されている。
原料供給管5は、基板4上にHfO膜を形成する第1薄膜層形成工程及び第2薄膜層形成工程で、シャワーヘッド6の成膜シャワーヘッド部6aに原料ガスと不活性ガスとの混合ガスを供給するようになっている。原料ガス供給管5b、不活性ガス供給管5aにはそれぞれバルブ21、20を設け、これらのバルブ21、20を開閉することにより、原料ガスと不活性ガスとの混合ガスの供給を制御することが可能となっている。
また、反応室1外に、ラジカルを発生させるラジカル発生ユニット11が設けられる。ラジカル発生ユニット11は、例えばリモートプラズマユニットにより構成される。ラジカル発生ユニット11の上流側には、ガス供給管40を介してアルゴン(Ar)を供給するアルゴン供給ユニット50、酸素(O)を供給する酸素供給ユニット60、及びフッ化塩素(ClF)を供給するClF供給ユニット70が接続されている。これらユニット50,60,70は、それぞれのガス供給源51,61,71と、該ガスの供給量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ52,62,72と、該ガスのガス供給管40への流れをON/OFFするバルブ53,63,73とを有してなる。制御装置25が、各バルブ53,63,73の開閉制御を行うことにより、プラズマ生成用のガスであるアルゴン(Ar)、第1薄膜層形成工程での膜形成時と第2薄膜層形成工程での不純物除去時とに使用する酸素O、及び基板以外の構造物に形成される累積膜を除去するクリーニング工程で使用するClFをラジカル発生ユニット11に対し選択的に供給できるようになっている。これらのガス供給ユニット50,60,70から供給されたガスは、ラジカル発生ユニット11にて、例えばプラズマにより活性化され、反応物としてのラジカルが生成される。
ラジカル発生ユニット11の下流側には、ラジカルシャワーヘッド部6bに接続されるラジカル供給管13が設けられ、第1薄膜層形成工程、第2薄膜層形成工程、又はクリーニング工程で、シャワーヘッド6のラジカルシャワーヘッド部6bに反応物としての酸素ラジカル又はフッ化塩素ラジカルを供給するようになっている。また、ラジカル供給管13にはバルブ24を設け、バルブ24を開閉することにより、ラジカルの供給を制御する
ことが可能となっている。尚、アルゴン供給ユニット50、酸素供給ユニット60、ガス供給管40、ラジカル発生ユニット11、ラジカル供給管13、及びバルブ24等を含んで本発明の反応物供給系が構成されている。
ラジカル発生ユニット11は、第1薄膜層形成工程、第2薄膜層形成工程、及びクリーニング工程で、生成したラジカルを反応室1内に供給する。第1薄膜層形成工程と第2薄膜層形成工程とで用いる反応物としてのラジカルは、原料としてHf−(MMP)などの有機材料を用いる場合は、例えば酸素ラジカルが良い。これは第1薄膜層形成工程にあっては、未反応のまま原料ガスを付着させた基板4上に、酸素ラジカルを供給することにより強制的に膜を形成する成膜反応を用いるためである。また、第2薄膜層形成工程にあっては、HfO膜形成直後にCやHなどの不純物除去処理を効率的に実施できるからである。また、基板以外の構造物へも形成される累積膜を除去するクリーニング工程で用いるラジカルはClFラジカルが良い。
反応室1に設けた原料供給管5、ラジカル供給管13等を含む成膜シャワーヘッド部6aとラジカルシャワーヘッド部6bとで、基板4に供給する原料ガスと、基板4に供給するラジカルをそれぞれ供給する別々の供給口が構成される。成膜シャワーヘッド部6aを含むものが原料ガス供給口であり、ラジカルシャワーヘッド部6bを含むものがラジカル供給口である。但し、本発明の一つの変形例においては、仕切板15を省略することもできる。その場合は、Hf−(MMP)等の原料ガスと、酸素ラジカル等の反応物とが、それぞれ同一の供給口から供給されることになる。この場合の供給口とは、シャワーヘッド6全体を含むものを指す。即ちこの場合は、同一のシャワーヘッド6において上記原料ガス供給口とラジカル供給口とを共有する。これにより、仕切板15を省いた分、装置の構成を簡素にできると共に、原料ガス及び反応物がそれぞれ、シャワーヘッド6全体における全ての孔8から噴出するようになるので、これらを基板4の面内に一層均一に供給できる。
反応室1に反応室内を排気する排気口7aが設けられ、その排気口7aは図示しない除害装置に連通する排気管7に接続されている。排気管7には、ガス原料を回収するための原料回収トラップ16が設置される。この原料回収トラップ16は、第1薄膜層形成工程、第2薄膜層形成工程、及びクリーニング工程に共用で用いられる。前記排気口7a及び排気管7で排気系を構成する。
また、原料ガス供給管5b及びラジカル供給管13には、排気管7に設けた原料回収トラップ16に接続される原料ガスバイパス管14a及びラジカルバイパス管14b(これらを単に、バイパス管14という)がそれぞれ設けられる。原料ガスバイパス管14a及びラジカルバイパス管14bに、それぞれバルブ22、23を設ける。これらにより、反応室1内の基板4上に原料ガスを供給する際は、ラジカルの供給は停止させずに反応室1をバイパスするようラジカルバイパス管14b、原料回収トラップ16を介して排気しておく。また、反応室1内の基板4上にラジカルを供給する際は、原料ガスの供給は停止させずに反応室1をバイパスするよう原料ガスバイパス管14a、原料回収トラップ16を介して排気しておく。すなわち、少なくとも基板処理中は、成膜原料供給ユニット9からの原料ガスの供給と、ラジカル発生ユニット11からのラジカルの供給は、停止させることはなく、いずれも常に流し続けることとなる。
そして前記バルブ20〜24の開閉等を制御する制御装置25が設けられる。
制御装置25は、基板4を加熱して基板温度を成膜温度まで所定速度で昇温させ、昇温後成膜温度を維持するようにヒータを制御する。また、第1薄膜層形成工程にあっては、基板温度が成膜温度よりも低い状態で(例えば基板昇温中に)、成膜シャワーヘッド部6aから原料ガスを基板4上へ未反応のまま付着させるように供給した後、ラジカルシャワ
ーヘッド部6bから酸素ラジカルを基板4上に供給するように制御する。そして、基板4上への原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給を複数回繰り返すように制御する。さらに、第2薄膜形成工程にあっては、基板温度が成膜温度まで昇温した後、成膜シャワーヘッド部6aから基板4上に原料ガスを供給して成膜した後、成膜した薄膜に対して酸素ラジカルを供給するように制御する。そして、基板上4への原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給を複数回繰り返すよう制御する。この間、常に反応室1内は排気口7aから排気するように制御する。また、さらに原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給との間に不活性ガス(Ar、He、Nなど)を供給するよう制御する。
次に上述した図9のような構成の基板処理装置を用い、従来とは異なるプロセスを使用してインキュベーションタイムを抑制して、HfO膜を形成するための手順を示す。
図1に第1の実施の形態のプロセスフローを示す。基板4を反応室1に装填する前にバルブ20のみを開にして、不活性ガスであるNガスだけを反応室1内に1〜5SLM流しておく。その後、基板4を反応室1へ挿入してサセプタ2上に載置し、基板4を基板回転ユニット12により回転させながら、ヒータ3に電力を供給して基板4の温度を成膜温度である350〜500℃へ均一加熱するために基板昇温を開始する(ステップ201)。尚、成膜温度は、用いる有機材料の反応性により異なるが、例えばHf−(MMP)を用いる場合においては、390〜440℃の範囲内が良い。また、基板4の搬送時や基板加熱時(基板昇温、成膜中の加熱を含む)等、少なくとも基板4が反応室1内に存在するときは、不活性ガス供給管5aに設けたバルブ20を開けて、Ar、He、Nなどの不活性ガスを常に流しておくと、パーティクルや金属汚染物の基板4への付着を防ぐことができる。なお、更に基板4を反応室1内へ搬入する前や、基板4を反応室1内より搬出した後等の基板4が反応室1内に存在しないときにも不活性ガスを常に流しておくようにすると、さらに好ましい。
従来方法では、この基板昇温中に不活性ガス(Nなど)を基板4上に単に供給するだけであった。しかし、本実施の形態では、基板昇温をスタートして基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態で第1薄膜層形成工程Aに入る。すなわち、第1薄膜層形成工程Aにおいて、まず成膜原料供給ステップ202では、液体原料供給ユニット91から供給した有機液体原料を、液体流量制御装置92で流量制御し、気化器93へ供給して気化させる。そして、基板昇温中に、バルブ21を開にして、成膜原料供給ユニット9から有機液体原料としてのHf−(MMP)を気化した原料ガスを基板4上に所定量、例えば0.1g/minで約10秒間供給する。原料ガスは、成膜シャワーヘッド部6aに導びかれ、多数の孔8を経由して、サセプタ2上の基板4上にシャワー状に供給される。その後、バルブ21を閉じ、バルブ22を開いて原料ガスをバイパス管14aから排気することにより、基板4上への原料ガスの供給を停止する。これにより基板4上に原料ガスを付着させる成膜原料供給が完了する(ステップ202)。このステップでは、基板温度が低いため、基板4上に付着した原料ガスは分解反応を起こすことはない。また、前記約10秒間後、原料ガス供給管5bに設けたバルブ21を閉じて、原料ガスバイパス管14aに設けたバルブ22を開き、成膜原料供給ユニット9から供給される原料ガスを、反応室1をバイパスするように、原料ガスバイパス管14aを通じて排気するようにするので、原料ガスの供給は停止されない。
この成膜原料供給、及び次のRPO(remote plasma oxidation)処理の間、不活性ガス供給管5aに設けたバルブ20は開けたままにして、Nなどの不活性ガスを常に流しておく。
成膜原料供給ステップ202の後、RPO処理(ステップ203)を行う。ここでRPO(remote plasma oxidation)処理とは、酸素含有ガス(O
、NO、NO等)をプラズマによって活性化して生成した反応物としての酸素ラジカル雰囲気中で、膜を酸化させるリモートプラズマ酸化処理のことである。RPO処理では、予めArガス供給ユニット50のバルブ53を開き、Arガス供給源50から供給したArガスをマスフローコントローラ52で流量制御してラジカル発生ユニット11へ供給し、Arプラズマを発生させる。Arプラズマを発生させた後、Oガス供給ユニット60のバルブ63を開き、Oガス供給源61源から供給したOガスをマスフローコントローラ63で流量制御してArプラズマを発生させているラジカル発生ユニット11へ供給し、Oを活性化する。これにより、酸素ラジカルが生成される。そして、バルブ24を開にし、ラジカル発生ユニット11により酸素をプラズマにて活性化して生成した反応物としての酸素ラジカルを、成膜シャワーヘッド部6aとは仕切ったラジカルシャワーヘッド部6bを介して、基板4上に約15秒間シャワー状に供給する。その後、バルブ24を閉じバルブ23を開いて、反応室1をバイパスするように、酸素ラジカルをバイパス管14bから排気する。これにより基板4上への酸素ラジカルの供給を停止する。酸素ラジカルが、基板4上に付着している未反応のままの原料ガスに供給されることにより、強制的に膜を形成するという成膜反応が起きて、基板4上に第1薄膜層となるHfO膜が数〜数十オングストロームだけ堆積される(ステップ203)。なお、前記約15秒後、ラジカル供給管13に設けたバルブ24を閉じて、ラジカルバイパス管14bに設けたバルブ23を開き、ラジカル発生ユニット11から供給される酸素ラジカルを反応室1をバイパスするように、ラジカルバイパス管14bを通じて排気するようにするので、ラジカル発生ユニット11からの酸素ラジカルの供給は停止されない。
従来では、基板昇温中に薄膜は堆積しなかったが、本実施の形態では基板昇温中に、第1層目の薄膜を堆積するようにしているので、基板昇温完了後、既に第1層目となるHfO膜が形成されていることになる。これにより、基板昇温終了後に原料ガスを基板4上に供給したとき、第1層目のHfO膜を下地として第2層目のHfO膜を形成することとなるので、従来方法で発生していたインキュベーションタイムが発生せず、核発生過程を省略することができ、その結果、平坦性の優れた薄膜を形成することができると考えられる。
ステップ203のRPO処理後、基板4が所定の成膜温度390〜440℃に昇温するまで待つ。昇温時間は、通常1分〜2分30秒である。この間、時間に余裕があれば、上記の成膜原料供給ステップ202とRPO処理ステップ203のサイクルを複数回繰り返すと、平坦性の実効があがるので好ましい。また、成膜原料供給ステップ202とRPO処理ステップ203との間にNなどの不活性ガスを供給するインターバルガス供給ステップを設けると良い。
第1薄膜層形成工程後、基板温度が所定の熱CVD法による成膜温度に達した後は、第2薄膜層形成工程Bに入る。まず、ステップ205の成膜処理で、バルブ22を閉にしてバルブ21を開にして成膜原料供給ユニット9から、Hf−(MMP)を気化した原料ガスを反応室1内の基板4に対して供給する。この原料ガス供給時、及び次のRPO処理(ステップ206)の間も、バルブ20は開いたままにして、不活性ガス供給ユニット10から不活性ガス(Nなど)を常に流すようにすると、原料ガスは不活性ガスで希釈されて撹拌されるので良い。原料ガス供給管5bから供給される原料ガスと、不活性ガス供給管5aから供給される不活性ガスとは原料供給管5で混合され、混合ガスとして成膜シャワーヘッド部6aに導びかれ、多数の孔8を経由して、サセプタ2上の基板4上にシャワー状に供給される。前記混合ガスを所定時間供給することで、熱CVD法により、第1薄膜層上に所定膜厚の第2薄膜層であるHfO膜が形成される(ステップ205)。前記所定時間後、バルブ21を閉じバルブ22を開くことにより、基板4上への原料ガスの供給を停止するとともに、原料ガスを、原料ガスバイパス管14aを通じて排気する(なお、基板4上への原料ガスの供給は停止するが、成膜原料供給ユニット9からの原料ガス
の供給は停止しない。)。
ステップ205の成膜処理後、その膜を改質する改質処理としてのRPO処理(ステップ206)に入る。バルブ21を閉じた後、バルブ24を開いてラジカル発生ユニット11により酸素をプラズマで活性化して得た反応物としての酸素ラジカルを基板4上に所望時間供給して、膜中に混入した特定元素である−OH、−CHなどの不純物を除去してRPO処理を終了する。なお、第1薄膜層形成工程Aと同様、第2薄膜層形成工程Bでも、基板4は回転しながらヒータ3により所定温度(成膜温度と同一温度)に保たれているので、C、Hなどの不純物をすばやく均一に除去できる。前記所望時間後、バルブ24を閉じバルブ23を開くことにより、基板4上への酸素ラジカルの供給を停止するとともに、酸素ラジカルを、ラジカルバイパス管14bを通じて排気する(なお、基板4上への酸素ラジカルの供給は停止するが、ラジカル発生ユニット11からの酸素ラジカルの供給は停止しない。)。
ここでも、成膜処理ステップ205とRPO処理ステップ206のサイクルを複数回繰り返すと、不純物除去の実効があがるので良い。このときの第2薄膜層の膜厚は、例えば、トータルで50オングストローム程度である。処理の終わった基板は装置外へ搬出する(ステップ207)。
上述したように、本実施の形態では、低温処理の第1薄膜層形成工程において、ガスやラジカルを同時に供給している従来例のものと異なり、原料ガスと酸素ラジカルを同時に供給することなく、1種類ずつ供給するか、又は1種類ずつ交互に複数回繰り返し供給している。この理由は、熱CVD法による成膜温度よりも低い温度状態で、原料ガスを基板上に未反応のまま付着させた後、反応物としての酸素ラジカルを供給することにより、強制的に膜を形成するという成膜反応を用いているためである。また、反応性の高い酸素ラジカルと原料ガスとを同時に供給することにより、パーティクルが発生してしまうのを阻止するためでもある。なお、第1薄膜層形成工程における酸素ラジカルの供給は、強制的に成膜反応を生じさせるとともに、膜中に不純物が取り込まれるのを極力防止する効果もある。
実施の形態の第1薄膜層形成工程Aでの好ましい温度範囲は、次の通りである。第1薄膜層形成工程Aにおいて基板温度が高温過ぎると原料ガスが分解して基板上に成膜されてしまい、原料ガスを基板上に未反応のまま付着させることができなくなる。よって、基板温度は少なくとも熱CVD法による成膜レートが生じない程度の温度390℃以下とする必要があると考えられる。逆に基板温度が低温過ぎると薄膜と基板との密着性が悪くなり剥がれ易くなることから、少なくとも200℃以上の温度は必要と考えられる。以上のことから、第1薄膜層形成工程での基板温度は200℃以上390℃以下が好ましいと考えられる。尚、圧力範囲等の条件は次の第2薄膜層形成工程Bと同様でよい。
また、第2薄膜層形成工程Bにおける成膜工程での好ましい条件は、原料としてHf−(MMP)を用いる場合においては、処理温度は、前述したように390〜440℃、圧力は100Pa程度以下である。また成膜工程後のRPO処理工程での好ましい条件は、処理温度は390〜440℃、圧力範囲は100〜1000Pa程度、ラジカル生成用のO流量は100sccm、不活性ガスAr流量は1slmである。尚、成膜工程とRPO工程とは、略同一温度で行うのが好ましい(ヒータの設定温度は変更せずに一定とすることが好ましい)。これは反応室内の温度変動を生じさせないことにより、シャワー板やサセプタ等の周辺部材の熱膨張によるパーティクルが発生しにくくなり、また、金属部品からの金属の飛出し(金属汚染)を抑制できるからである。
第1の実施の形態のプロセスフローと比較するために、図2に従来例のプロセスフロー
図を示す。従来例では、基板昇温中においては、単に不活性ガス(Nなど)を基板へ供給するだけであったが(ステップ204)、本実施の形態では、基板昇温中に、さらに原料ガスを流し、その後反応物としてのラジカルを流して第1薄膜層を形成している(ステップ202、203)。従って、本実施の形態では、新規に加えた第1薄膜層となる絶縁層形成のステップを、従来プロセスの基板昇温時間を利用するので、生産性を低下させることなく、CVD薄膜の平坦性を向上させることができる。
また、第2薄膜層は、熱CVD法を採用して形成しているので、ALD法により形成した膜と異なり膜質が良好となる。すなわち、ALD(Atomic Layer Deposition)は処理温度、圧力が低く、1原子層ずつ膜を形成するが、最初から最後まで低温で成膜するために、膜中に取り込まれる不純物量が多く、膜質が悪い。これに対して本実施の形態では第1薄膜層形成工程Aは、熱CVD法による成膜温度よりも低温で行うが(数〜数十オングストローム/サイクル)、第2薄膜層形成工程BはALDよりも処理温度、圧力が高い熱CVD反応を用いて、薄い膜(10〜15オングストローム程度)を複数回形成するようにしているので、ALDよりも緻密で膜質の良い膜が得られる。
また、成膜処理(ステップ205)後の改質処理として行うRPO処理(ステップ206)により、膜中の水素(H)や炭素(C)などの不純物を有効に除去でき、その濃度を低減できるので、電気特性を向上させることができる。また、水素(H)の離脱によってHf原子の移動が抑制され結晶化を防ぎ、電気特性を向上させることができる。また膜の酸化を促進することもでき、さらに膜中の酸素欠陥を補修できる。また、反応室内壁やサセプタ等の基板以外の部分に堆積した累積膜からの離脱ガスを素早く低減でき、再現性の高い膜厚制御が可能となる。
尚、実施の形態では、ステップ206で改質処理としてRPO処理を行ったが、本発明はこれに限定されない。RPO処理(下記(1))の代替としては、例えば次のようなものがある(下記(2)〜(8))。
(1)Ar等の不活性ガスに、Oを混合させて行うRPO処理
(2)Ar等の不活性ガスに、Nを混合させて行うRPN(Remote Plasma Nitridation)処理
(3)Ar等の不活性ガスに、NとHとを混合させて行うRPNH(Remote Plasma Nitridation Hydrogenation)処理
(4)Ar等の不活性ガスに、Hとを混合させて行うRPH(Remote Plasma Hydrogenation)処理
(5)Ar等の不活性ガスに、HOとを混合させて行うRPOH(Remote PlasmaOxidation Hydrogenation)処理
(6)Ar等の不活性ガスに、O2とHを混合させて行うRPOH処理
(7)Ar等の不活性ガスに、NOとを混合させて行うRPON(Remote PlasmaOxidation Nitridation)処理
(8)Ar等の不活性ガスに、NとOとを混合させて行うRPON処理
また、第2薄膜層形成工程Bにおいて、成膜処理ステップ205とRPO処理ステップ206のサイクルを複数回繰り返すことにより、既述のように膜中の不純物除去効率を向上させることができる。また、膜をアモルファス状態に維持することができ、結果としてリーク電流を低減することができる。また、膜表面の平坦性を改善することができ、膜厚均一性を向上させることができる。この他、膜を緻密化することもできるし(欠陥補修効果の最大化)、堆積速度の精密な制御も可能となる。さらには、成膜の下地と、堆積する膜の界面に形成される望ましくない界面層を薄くできる。
また、成膜処理ステップ205とRPO処理ステップ206のサイクルを複数回繰り返
す場合には、1サイクル当たりの膜厚は、0.5Å〜30Å(1/6〜10原子層)とするのが好ましい。特に、7サイクル程度でCH、OHなどのHfO膜中の不純物量の低減効果は極めて大きくなり、それ以上サイクル数を増やしても、不純物量の低減効果は若干よくなるものの、さほど変化はなくなることから、1サイクル当りの膜厚は15Å程度(5原子層)がより好ましいと考えられる。1サイクルで30Å以上堆積すると膜中の不純物が多くなり、即座に結晶化して多結晶状態となってしまう。多結晶状態というのは隙間がない状態なので、C、H等を除去しにくくなる。しかし、1サイクルにより形成される膜厚が30Åより薄い場合は、結晶化構造を作りにくくなり、不純物があっても薄膜をアモルファス状態に維持できる。アモルファス状態というのは隙間が多い(スカスカな状態)ので、アモルファス状態を維持して薄膜を堆積し、薄膜が結晶化する前にRPO処理を行うことにより膜中のC、H等の不純物を除去し易くなる。すなわち、1サイクル当たりの膜厚を0.5Å〜30Å程度として複数回のサイクル処理で得られた膜は結晶化しにくい状態となる。なおアモルファス状態の方が、多結晶状態よりもリーク電流が流れにくいというメリットがある。
図3は、上述した第1実施の形態プロセスの、昇温中に第1薄膜層形成工程[原料ガス供給→酸素ラジカル供給]をnサイクル繰り返しているタイミングチャートを示す。(a)は基板昇温特性を示し、横軸は時間、縦軸は温度を示す。(b)はHf−(MMP)原料ガス供給タイミング、(c)は酸素ラジカル供給タイミングをそれぞれ示し、横軸は時間、縦軸は供給量(任意単位)を示している。本実施の形態では、基板温度が390℃に昇温するまでの間に、Hf−(MMP)ガスを10秒間流した後、インターバルガス供給ステップとして不活性ガスNを5秒間流してから、酸素ラジカルOを15秒間流し、その後インターバルガス供給ステップとして、不活性ガスNを5秒間流すサイクルをn回繰り返している。基板温度が成膜温度である440℃に達したら、第2薄膜層形成工程[原料ガス供給→酸素ラジカル供給]をmサイクル繰り返す。なお第2薄膜層形成工程でも、第1薄膜層形成工程と同様に原料ガスの供給と、酸素ラジカルの供給との間にインターバルガス供給ステップを行うようにするのが好ましい。また、全工程を通じて、不活性ガスNは流し続けているので、反応室内への原料ガスの供給と、酸素ラジカルの供給の両方を停止した状態とすれば、反応室内には自動的に不活性ガスであるNのみが流れることとなり、自動的にインターバルガス供給ステップとなる。
図5は、実施の形態プロセスによる第1薄膜層形成工程で形成した薄膜の平坦性を示す図である。横軸に基板昇温中のサイクル数、縦軸に平坦性(任意単位)を示している。従来プロセスによるものは、サイクル数がゼロの場合に相当する。これによれば、サイクル数が2以上になるとほぼ頭打ちになるものの、基板昇温中のサイクル数が増加するに従い、薄膜の平坦性が改善されていることがわかる。従って、最終製品である半導体デバイスの信頼性を向上させることができ、デバイスサイズ縮小にも有効に対応できる。
ところで、第1薄膜層形成工程Aで原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給を複数回繰り返すようにしているのは次の理由による。図6に示すように、基板4に対して原料ガスの供給→酸素ラジカルの供給を1回だけ行った場合、部分的に膜が形成されない箇所が生じることもある。その場合、原料ガスの供給→酸素ラジカルの供給を複数回繰り返すことにより、膜の形成されなかった箇所を修復して埋めることができ、平坦な第1薄膜層を形成することができる。従って、薄膜の堆積速度が表面反応律速で決まる場合のMOCVD法においても、インキュベーションタイムを短縮することができ、堆積される薄膜の膜表面に平坦性が得られる。
また、第1薄膜層形成工程または/および第2薄膜層形成工程で原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給との間に非反応性ガスを供給しているのは(インターバルガス供給プロセス)、次の理由による。原料ガス供給後、酸素ラジカルを供給する前に非反応性ガス(N
,Ar,He等の不活性ガス)を供給するようにすると、不活性ガスの供給により基板上への原料ガスの吸着量が均一になる。また、原料ガス供給後に酸素ラジカルを供給する際の反応室内の雰囲気中の原料ガスを除去することができ、反応室内に原料ガスと酸素ラジカルとが同時に存在しないようにすることができ、パーティクルの発生を防止できる。また、原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給とを、交互に複数回繰り返す場合においても、原料ガスの供給と酸素ラジカルの供給との間に非反応性ガスを供給するようにすると、原料ガスの吸着量が均一になるとともに、原料ガス供給後に酸素ラジカルを供給する際の雰囲気中の原料ガスを除去できるとともに、酸素ラジカル供給後に原料ガスを供給する際の雰囲気中の酸素ラジカルを除去でき、反応室内に原料ガスと酸素ラジカルとが同時に存在しないようにすることができる。その結果、パーティクルの発生を防止できる。
また、シャワーヘッド6を、成膜シャワーヘッド部6aとラジカルシャワーヘッド部6bとに仕切っているのは次の理由による。シャワーヘッド6の内部に吸着している原料と酸素ラジカルとが反応すると、シャワーヘッド6の内部にも累積膜が形成される。原料ガスと酸素ラジカルとが供給されるシャワーヘッド6を仕切ることにより、原料と酸素ラジカルとが反応するのを有効に防止して、累積膜の形成を抑制することができる。
また、シャワーヘッド6を仕切ることに加えて、さらに原料ガスを基板4へ流す場合は、図示しない不活性ガス供給ユニットよりラジカルシャワーヘッド部6bへ不活性ガスを流し、酸素ラジカルを基板4へ流す場合は、不活性ガス供給ユニット10から成膜シャワーヘッド部6aへ不活性ガスを流すのが良い。なお、ラジカルシャワーヘッド部6bへ不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニットと成膜シャワーヘッド部6aへ不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニットは、共用とするのが好ましい。このように、原料ガスを供給する工程と酸素ラジカルを供給する工程とでそれぞれ使用しない側のシャワーヘッド部6b、6aに不活性ガスを流すようにすると、さらに効果的にシャワーヘッド6内部への累積膜形成を抑制することができる。
なお、前述したように、例えば仕切板15を省略すること等によって、Hf−(MMP)等の原料ガスと、酸素ラジカル等の反応物とを、それぞれ同一の供給口より供給することもできる。その場合には、該供給口、即ちシャワーヘッド6の内部に付着した異物(パーティクル源)を、HfO膜でコーティングすることができる。これにより、Hf−(MMP)等の原料ガスまたは酸素ラジカル等の反応物のフローとともに該異物が基板4上に至るのを防止できる。特に、図9に示す装置では、原料ガスや反応物をダウンフローで基板4上に供給するので、処理中に該異物が基板4上に降り落ちてくるのを確実に防止できる。また、反応室1をクリーニングガス(例えば、ClF等のClを含むガス)でクリーニングした場合に、反応室1内やシャワーヘッド6の内部に吸着している副生成物等の異物やクリーニングガスを、残渣を残すことなく確実に除去できる。また、シャワーヘッド内部にコーティングされた膜は、コーティング後に反応物にさらされ、これによりシャワーヘッド内部のコーティング膜に含まれるC、H等の不純物の混入量を大幅に低減できる。
なお、基板以外の構造物に形成される累積膜を除去するクリーニング工程では、予めArガス供給ユニット50のバルブ53を開き、Arガス供給源50から供給したArガスをマスフローコントローラ52で流量制御してラジカル発生ユニット11へ供給し、Arプラズマを発生させる。Arプラズマを発生させた後、ClFガス供給ユニット70のバルブ73を開き、ClFガス供給源71源から供給したClFガスをマスフローコントローラ73で流量制御してArプラズマを発生させているラジカル発生ユニット11へ供給し、ClFを活性化する。これにより、ClFラジカルが生成される。そして、バルブ24を開にし、ラジカル発生ユニット11によりClFをプラズマにて活性化して生成したClFラジカルを、シャワーヘッド6を経由して反応室1内へシャワー状
に供給する。
また、原料ガス、酸素ラジカルの反応室への供給中に次工程で用いる酸素ラジカル、原料ガスを停止せずバイパス管14より排気するようにしているのは次の理由による。原料ガス、酸素ラジカルの供給には、気化器93における液体原料の気化および気化した原料ガスの安定化、ラジカル発生ユニット11における酸素ラジカルの生成および安定化などの準備が必要であり、いずれも供給開始までに時間がかかる。よって処理中は、原料ガス、酸素ラジカルの供給は停止せずに常に供給し続け、使用しないときはバイパス管14より排気するようにする。これにより使用時にバルブ21〜24を切り換えるだけで、直ちに原料ガス、酸素ラジカルの反応室への供給を開始でき、スループットを向上させることができる。
また、基板処理装置が稼動している間は、反応室1内には常に不活性ガス(N,Ar、He等)を供給しておくとよい。具体的には基板搬送前からバルブ20を開き不活性ガス供給ユニット10より反応室1内へ不活性ガスを常時供給するようにする。基板搬送時、基板昇温時、基板昇温後の加熱時はもちろん、原料ガス供給時、酸素ラジカル供給時も、常に不活性ガスを流し続ける。これにより、反応室内を常時不活性ガスによるパージ状態とすることができ、パーティクルや金属汚染物質の基板への付着や、排気口7aや排気管7に付着した原料ガスの反応室への逆拡散や、図示しない真空ポンプからのオイルの反応室内への逆拡散を防ぐことができる。
また、実施の形態では、前述のように原料ガス供給時や酸素ラジカル供給時にも不活性ガスを流し続けている。これにより、原料ガスや酸素ラジカルを反応室1内に撹拌することができる。また、不活性ガスを常に流しているので、原料ガス及び酸素ラジカルの反応室1への供給をストップした状態とすると、自動的に基板4に対して不活性ガスが供給された状態、すなわちNパージ状態とすることができる。したがって、上述したインターバルガス供給プロセスを容易に実行できるという利点もある。
また、第1薄膜層形成工程において、反応物として酸素原子を含むものを用い、原料の供給(ステップ202)と、反応物の供給(ステップ203)とをこの順に行っているのは次の理由による。即ち、酸素原子を含む反応物(ここでは、酸素ガスをプラズマにより活性化して生成した酸素ラジカル)は、酸化剤としても機能するが、仮に、酸化剤付着→原料供給の順に処理を進める場合を想定すると、該酸化剤が直接に下地基板に付着することになるので、基板表面において酸化反応が徐々に進行してしまう。その結果、界面層としてSiO等の誘電率の低い層が形成されやすくなるという問題が発生する。尚、この酸化反応は基板温度が高くなる程、大きくなる傾向がある。そこで本発明のように、Hf−(MMP)を基板上に付着した後に(ステップ202)、RPO処理(ステップ203)を行うことにより、このPRO処理にて酸素ラジカルとArラジカルを基板表面に供給して、Hf−(MMP)を分解し酸化させるときには、基板表面はHf−(MMP)で覆われているので、基板(例えば、Si)に対しての直接的な酸化反応は発生しにくくなる。しかも、昇温中、即ち基板温度300℃以下においてHf−(MMP)を付着させても、基板表面の酸化反応は進行しにくい。これは、Hf−(MMP)を付着させるときには、基板を酸化させるために必要な酸化剤(酸素種)が存在しないためである。また、界面層はSiOよりは若干誘電率が大きなHfシリケートになる傾向がある。従って、本発明によれば、上記のように酸化剤付着→原料供給の順に処理を進める場合に比べると、低誘電率膜のEOT(実効膜厚)を薄くできる効果が得られる。
尚、本実施の形態のプロセスにおける第1薄膜層形成工程と、第2薄膜層形成工程での成膜原料の自己分解、半自己分解、及び吸着による成膜のメカニズムは次の通りである。所定の臨界温度よりも基板温度が低い状態であれば、成膜原料の吸着反応がメインとなり
、それよりも基板温度が高い状態であれば、成膜原料の自己分解反応がメインとなる。
本実施の形態のように、成膜原料としてHf−(MMP)を用いる場合には、臨界温度は300℃近傍であると考えられる。つまり、基板昇温中に行う第1薄膜層形成工程Aにおいて、ステップ202で未だ300℃に達していない基板4へ成膜原料を供給したときには、該成膜原料の吸着反応がメインに起こり、一方、基板温度が390〜440℃に昇温した後に行う第2薄膜層形成工程Bにおいて、ステップ205で基板4へ成膜原料を供給したときには、該成膜原料の自己分解反応がメインに起こる。Hf−(MMP)を吸着させた後に酸化させる場合の反応式は次の通りである。
Hf[OC(CHCHOCH+24O→HfO+16CO+22H
また、Hf−(MMP)の自己分解反応の反応式は次の通りである。
Hf[OC(CHCHOCH→Hf(OH)+4C(CH)2CHOCH
Hf(OH)→HfO+2H
但し、何れの温度帯においても、成膜原料の吸着反応が全く無くなる訳ではなく、全てのCVD反応では、成膜原料の自己分解反応及び吸着反応が重なり合っている(半自己分解反応)。即ち、本実施の形態の第2薄膜層形成工程でも、成膜原料の自己分解反応が主体的であるものの、自己分解反応と吸着反応が重なり合って生じている。なお、自己分解反応をメインとした方が、不純物をより少なくできるという実験結果が発明者らによって得られている。
〔第2の実施の形態〕尚、上述した第1の実施の形態による図3のプロセスタイミングでは、昇温中に第1薄膜層を形成するようにしたが、昇温中ではなく、所定の低温度(200℃以上390℃以下)を維持した状態で、第1薄膜層を形成するようにしてもよい。図4は、そのような低温度を維持した状態で、第1薄膜層形成工程[原料ガス供給→酸素ラジカル供給]をnサイクル繰り返している第2の実施の形態プロセスのタイミングチャートを示す。(a)は基板昇温特性を示し、横軸は時間、縦軸は温度を示す。(b)はHf−(MMP)原料ガス供給タイミング、(c)は酸素ラジカル供給タイミングをそれぞれ示し、横軸は時間、縦軸は供給量(任意単位)を示している。
第2の実施の形態では、成膜温度の440℃まで一気に基板を昇温するのではなく、昇温の途中で昇温を一旦停止してその時の温度を維持し、その後成膜温度まで昇温するという、設定温度が2段階のプロセスを採用する。第1設定温度は第1薄膜層形成温度200〜390℃とし、第2設定温度は成膜温度440℃とする。第1設定温度を維持した状態で、Hf−(MMP)ガスを10秒間流した後、インターバルガス供給ステップとして不活性ガスNを5秒間流してから、反応物としての酸素ラジカルOを15秒間流し、その後インターバルガス供給ステップとして不活性ガスNを5秒間流すサイクルをn回繰り返す。その後、再び基板を昇温して、基板温度が成膜温度である440℃に達したら、第2薄膜層形成工程[原料ガス供給→酸素ラジカル供給]をmサイクル繰り返す。なお第2薄膜層形成工程でも、第1薄膜層形成工程と同様に原料ガスの供給と、反応物としての酸素ラジカルの供給との間にインターバルガス供給ステップを行うようにするのが好ましい。また全工程を通じて、不活性ガスNは流し続けているので、反応室内への原料ガスの供給と、酸素ラジカルの供給の両方を停止した状態とすれば、反応室内には自動的に不活性ガスであるNのみが流れることとなり、自動的にインターバルガス供給ステップとなる。
この第2の実施の形態の場合、第1の実施の形態よりも第1ステップの分だけ生産性が劣ることとなるが、それでも、昇温レートを上げることにより、第1薄膜層形成温度(200〜390℃)までの昇温時間と、第1薄膜層形成時間と、第2薄膜層形成温度(440℃)までの昇温時間の合計時間を、従来プロセスの基板昇温時間に近づけるようにすれ
ば、生産性をそれ程低下させることなく、CVD薄膜の平坦性を向上させることができる。
また、実施の形態では基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態で第1薄膜層を生成するため、基板4と膜の結合力が弱くなり密着性が悪くなる場合がある。このような場合は、ラジカル発生ユニット11の上流側にガス供給管40を介して水素(H)ガスを供給する水素供給ユニットを設けておき、基板装填直後にラジカル発生ユニット11により水素(H)ガスをプラズマで活性化して生成した水素ラジカルを基板4上に供給すると良い(RPH(Remote Plasma Hydrogenation)処理)。水素ラジカルにより表面が清浄化され、汚染物質がなくなるうえ、基板表面が水素で終端された状態が作られ、次に堆積する膜との密着性が上がる。したがって基板装填後に、基板に対して水素ラジカルを供給して基板の表面処理を行なった後に、成膜原料供給(ステップ202)、RPO処理(ステップ203)を施すことにより、膜と基板4との結合力が高まり密着性を向上させることができる。密着性の向上は、膜と基板4が原子レベルでの結合時に水素が介在すると、比較的エネルギーが小さい状態、すなわち基板温度が低い状態でも結合が発生しやくなるためと考えられる。
〔第3の実施の形態〕図11は、第3の実施の形態によるプロセスフローを示す。図示のように、本実施の形態では、基板を反応室へ装填してから(ステップ201)、該基板を反応室から搬出するまで(ステップ207)の間、原料ガスを基板上へ付着させる工程(ステップ202)と、酸素原子を含むガスをプラズマにより活性化して得られる反応物を基板上に供給することにより膜(HfO膜)を形成する工程(ステップ203)と、をこの順で複数回繰り返すことにより成膜を行う。つまり、本実施の形態では、第2薄膜層形成工程を行わずに、最初から最後まで[成膜原料供給(ステップ202)→RPO処理(ステップ203)]をnサイクル繰り返すことにより成膜を行う。ここで、成膜原料供給(ステップ202)と、RPO処理(ステップ203)とをこの順に行うことにより、上述したように低誘電率膜のEOT(実効膜厚)を薄くできるという効果が得られる。
この場合において、成膜原料供給(ステップ202)とRPO処理(ステップ203)との間に、不活性ガス(非反応性ガス)によるパージを行うのが好ましい。更に、RPO処理(ステップ203)と、次サイクルの成膜原料供給(ステップ202)との間にも不活性ガスによるパージを行うのが好ましい。このようにすると、基板上への原料ガスの吸着量が均一になると共に、反応室内の雰囲気中に原料ガスと反応物とが同時に存在しないようにすることができるから、パーティクルの発生を防止できる。
実施例として、基板温度を250〜300℃に設定し、反応室内の圧力を50〜300Paに設定し、Hf−(MMP)流量を0.01〜0.2g/minに設定し、[成膜原料供給(ステップ202)→不活性ガスパージ→RPO処理(ステップ203)→不活性ガスパージ]を1サイクルとして、これを80サイクル繰り返して、HfO膜を形成した。ここで、1サイクルの時間を40秒とした。40秒の内訳は、基板への原料供給時間(ステップ202):10秒、不活性ガスパージ時間:5秒、RPO処理時間(ステップ203):20秒、不活性ガスパージ時間:5秒である。この結果、1サイクル当りに形成されるHfO膜は約0.6Å/サイクルであり、これを80サイクル実施したところ、トータル膜厚は約5nmであった。また、このプロセスで形成したHfO膜の界面層(低誘電率層)はHfシリケート状態になっており、その厚みは0.6nm程度であると推測される。この推測値は電気的特性から容易に推定できる。なお、この場合も基板温度が熱CVD法による成膜温度よりも低い状態でHfO膜を形成するため、基板4とHfO膜との結合力が弱くなり、密着性が悪くなる場合もあり、この場合にも基板装填後、[成膜原料供給(ステップ202)→不活性ガスパージ→RPO処理(ステップ203)→不活性ガスパージ]を行う前にRPH処理を行うのが好ましい。
尚、上述した各実施の形態では、酸素ラジカルを発生させるのに酸素Oを用いたが、O以外にNO、NO、Oなどの酸素含有ガスを用いることができる。NOとNOについてはOと同様、ラジカル発生ユニット11により活性化し酸素ラジカルを生成してから反応室1へ供給する。しかし、NOとOについては活性化することなくそのまま反応室1へ供給してもよい。これは活性化させずに供給するものの、供給後に反応室1内で熱により酸素ラジカルが生成されるので、実質的に基板に酸素ラジカルを供給していることとなるからである。従って、本発明の酸素ラジカルを基板上に供給する場合としては、NO,Oを活性化することなくそのまま供給する場合も含まれる。
また上述した実施の形態では、アモルファス状態のHfO膜を形成する場合について説明したが、本発明はアモルファスHfシリケート膜等のHfを含む膜を形成する場合に広く適用できる。更に、本発明は、HfO膜等のHfを含む膜に限らず、Ta膜やZrO膜などの他の金属酸化膜の形成にも適用可能である。Hfを含む膜以外の膜であって、本発明を適用して形成できる膜としては、例えば次の(1)〜(8)の膜が挙げられる。
(1)PET(Ta(OC)を利用したTaO膜(酸化タンタル膜)
(2)Zr−(MMP)を利用したZrO膜(酸化ジルコニウム膜)
(3)Al−(MMP)を利用したAlO膜(酸化アルミニウム膜)
(4)Zr−(MMP)とSi−(MMP)を利用したZrSiO膜(酸化Zrシリケート膜)やZrSiON膜(酸窒化Zrシリケート膜)
(5)Zr−(MMP)とAl−(MMP)を利用したZrAlO膜やZrAlON膜
(6)Ti−(MMP)を利用したTiO膜(酸化チタン膜)
(7)Ti−(MMP)とSi−(MMP)を利用したTiSiOやTiSiON膜(8)Ti−(MMP)とAl−(MMP)を利用したTiAlO、TiAlON膜
また、成膜の下地としては、シリコン基板に限定されず、シリコン基板の表面に薄くSiO膜を付けたものや、シリコン基板の表面に薄くSi膜を付けたもの等であってもよい。
第1の実施の形態によるプロセスフロー図である。 従来例によるプロセスのフロー図である。 第1の実施の形態による基板温度とガスサイクルとの関係を示す図である。 第2の実施の形態による基板温度とガスサイクルとの関係を示す図である。 実施の形態による基板昇温加熱中のサイクル数と平坦性の関係を示す図である。 実施の形態による第1薄膜層形成工程の説明図である。 一般的な基板上に形成される薄膜の平坦性の概念説明図である。 一般的な核発生過程の概念説明図である。 実施の形態による反応室の概要説明図である。 従来例のCVD反応室の概念説明図である。 第3の実施の形態によるプロセスフロー図である。
符号の説明
1 反応室
3 ヒータ
4 基板
5 原料供給管
6 シャワーヘッド(供給口)
6a 成膜シャワーヘッド部(原料ガス供給口)
6b ラジカルシャワーヘッド部(ラジカル供給口)
7a 排気口
9 成膜原料供給ユニット
10 不活性ガス供給ユニット
11 ラジカル発生ユニット
25 制御装置(制御手段)
20〜24 バルブ

Claims (6)

  1. 基板を処理室内に搬入する工程と、
    前記処理室内にHf[OC(CH CH OCH を供給する工程と、前記処理室内をパージする工程と、前記処理室内に酸素原子を含む反応物を供給する工程と、前記処理室内をパージする工程と、をこの順で複数回繰り返すことにより基板上に所定膜厚のハフニウムを含む膜を形成する成膜工程と、
    前記成膜後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記成膜工程での基板温度を200℃以上390℃以下とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記成膜工程での基板温度を200℃以上300℃以下とすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記反応物がO、NOまたはNOをプラズマにより活性化して得られるガス、もしくは、NOまたはOであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記処理室内をパージする工程では、前記処理室内を非反応性ガスによりパージすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記成膜工程では、前記所定膜厚のハフニウムを含む膜と基板との界面にHfシリケート状態の界面層をも形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 基板を処理する処理室と、
    前記処理室内にHf[OC(CH CH OCH を供給する供給管と、
    前記処理室内に酸素原子を含む反応物を供給する供給管と、
    前記処理室内に非反応性ガスを供給する供給管と、
    前記処理室内へのHf[OC(CH CH OCH の供給と、前記処理室内の非反応性ガスによるパージと、前記処理室内への酸素原子を含む反応物の供給と、前記処理室内の非反応性ガスによるパージと、をこの順で複数回繰り返すことにより基板上に所定膜厚のハフニウムを含む膜を形成するように制御すると共に、前記膜形成時の基板温
    度が200℃以上390℃以下となるように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする基板処理装置。
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