JP2004006557A - 電子部品搭載装置、電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム、該システムによって生産されるプリント配線板、電子部品生産方法および該方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

電子部品搭載装置、電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム、該システムによって生産されるプリント配線板、電子部品生産方法および該方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】多品種変量生産において搭載装置間のタクトバランスと生産性の向上が図れること。
【解決手段】電子部品を搭載する能力を有した異形マウンター105を複数台連結し、それぞれプリント配線板の基板搬送動作と、生産動作を切り替える制御機能を有する。基板搬送動作制御時には、基板搬送動作とは分離してトレイなどを用いた電子部品の交換作業、吸着位置などの編集作業や、NCの入れ替え作業などの生産準備に必要な段取り作業、設備メンテナンスの作業などがおこなえる。異形マウンター105を複数台連結したので、部品搭載能力の片寄りを防ぎ、部品振り分け、部品搭載装置間のタクトバランスを精度良く予測可能となり、多品種変量生産において生産と並行して段取り作業などを実施できるようになる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリント配線板に部品を搭載し、プリント配線板を生産する装置に係り、特に、多品種変量生産をおこなう際に搭載装置間のタクトバランスと全体の生産性向上を図ることができる電子部品搭載装置および該装置を備えた電子部品生産システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板を製造する工程は、プリント配線板の接続パターン上へクリームはんだを印刷する工程(印刷工程)、印刷されたクリームはんだ上に部品の電極部を搭載する工程(マウント工程)、部品が搭載されたプリント配線板を一括加熱しはんだ接合する工程(リフロー工程)の3工程である。
【0003】
各々の工程は、クリームはんだ印刷装置、部品搭載装置、リフロー装置で構成され、コンベアなどで、連続したラインとして接続されている。部品搭載装置の構成としては、高速チップマウンター、異形マウンターの組み合わせが代表的なものである。高速チップマウンターは、抵抗、コンデンサーなどの角チップ部品を0.1s/ヶで搭載可能なものがあり、更なる高速化の追求も検討され続けている。異形マウンターは、角チップ部品をはじめ、半導体部品、コネクタなどの様々な電極を有した部品を高精度に搭載が可能で、高速チップマウンターと比較すると搭載速度は遅いが、部品搭載可能品種が多いことが特徴と言える。
【0004】
携帯電話機などに代表されるように、1ラインで1品種を大量に生産する場合においては、部品搭載装置が最適となるよう組み合わせ配備される。大量生産においては、1枚のプリント配線板を如何に少ない時間で生産できるかが重要となる。印刷工程、マウント工程、リフロー工程、各々のタクト短縮と、タクトバランスの改善を検討して大きな生産能力を発揮させることが必要となる。このような検討を経て、部品搭載装置を動作させるNC(数値制御)プログラムも完成するため、1品種に対し高速チップマウンター、異形マウンターの条件を最適化させ管理する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大量生産とは別に、多品種変量生産と呼ばれる、生産品種の切り替えが多く発生する少量生産、試作などの生産を効率的におこなうことについても、例えば、プリント配線板生産において望まれている。多品種変量生産においては、生産準備をおこなう段取り時間の占める割合が増え、生産に要する時間との比率は逆転し、これまでの大量生産ライン構成では、その能力を十分に発揮出来ない状況に陥ってしまう。
【0006】
このため、部品搭載装置メーカなどからは、能力の異なる搭載装置をバランス良く稼働させるための部品振り分け、そのシミュレーションソフトなどが開発され提供されている。しかし、現実的には従来同様の生産した結果を基に再度、部品振り分けを見直ししてタクトバランスを取り直さなければならず、NC再作成作業が発生してしまう。
【0007】
また、部品搭載装置数は、プリント配線板の部品品種数に基づき必要となる部品ステーション数が求められ、部品搭載装置の保有ステーション数から割り出されることとなる。1品種生産の場合は前述したように、前後工程とのタクトバランスも含め、その品種に特化した設定が可能である。しかし、多品種を扱うような場合には、装置数を限定し保有ステーション数が限定されると、ステーション数不足時には、ライン上を2回流す必要が生じる。一方、ステーション数に余裕があり過ぎると、前後工程とのタクトのアンバランスが発生してしまう。
【0008】
このため、多品種変量生産を意識し、印刷工程、マウント工程、リフロー工程を各々分割し対応する方法も試みられているが、各工程でのタクトバランスを補完する工夫が無い為、問題の解決にはいたらず、完了時間が読めない、工程の仕掛かりが増加する、余分な装置、人手がかかるなどの弊害を発生させることとなる。部品装着装置の必要数に合わせライン組み替えなどの提案もなされているが、大量生産向きの考え方で、多品種変量生産には向かないことは容易に想像できる。
【0009】
また、部品搭載装置の段取り作業改善として、生産時の動作モード切り替えによる稼働中部品交換、装置停止時の部品ステーションの一括交換など、様々な工夫が提案されている。しかし、全ての生産準備に関わる段取り作業が生産中、又は、生産ライン外で実施可能とならないために、装置の生産を停止する作業が存在することになる。同様に、装置のメンテナンス作業も生産を停止した状態で実施しなければならず、計画的にメンテナンス専用の時間を、日、週、月、年単位で確保し、生産を停止することが通常である。
【0010】
また、生産品種の切り替えの為には、生産終了に合わせ、印刷工程、マウント工程、リフロー工程の段取り替えが完了する必要があり、各装置に人を割り当て段取り作業時間の低減をおこなうか、人手をかけずに順次おこなうしかない。段取り替えの為に人の確保、時間の浪費が発生することになる。
【0011】
短納期で必要数量の生産を要求される、多品種変量生産においては、生産枚数減少による、装置稼働時間の減少、生産品目の変更による段取り換えの多発、いわゆる段取り時間の増加、ラインバランスの悪化が発生し、現状の大量生産をベースとした部品搭載装置構成では効率的な生産が望めない状況である。
【0012】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、多品種変量生産において搭載装置間のタクトバランスと生産性の向上が図れる部品搭載装置および該装置を備えた電子部品生産システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る電子部品搭載装置は、プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を形成する電子部品搭載装置において、チップ部品、半導体部品、コネクタなどの電子部品を搭載する能力を有した搭載装置を複数台連結し、前記各搭載装置が、それぞれプリント配線板の基板搬送動作と、生産動作を切り替える制御機能を有したことを特徴とする。
【0014】
この請求項1の発明によれば、搭載装置を複数台連結して部品搭載能力の片寄りを防ぎ、部品振り分け、部品搭載装置間のタクトバランスを精度良く予測可能であるとともに、基板搬送動作と生産動作を切り替えることにより、特に、多品種変量生産において生産と並行して段取り作業などを実施して効果を得ることができるようになる。
【0015】
また、請求項2の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項1に記載の発明において、前記各搭載装置は、基板搬送動作制御時には、基板搬送動作とは分離した制御であるトレイ、カセットなどを用いた電子部品の交換作業、電子部品の形状認識、搭載方向、吸着位置などを編集する作業や、NCの入れ替え作業などの生産準備に必要な段取り作業、設備メンテナンスの作業などが可能なことを特徴とする。
【0016】
この請求項2の発明によれば、基板搬送動作制御中の装置において、段取り作業などに関連する動作を全て有効にできるため、生産中に段取り作業などを全て完了させることができるようになり、タクトタイムの向上を図ることができる。また、部品の振り分け見直しが発生せず、NCの再作成を不要にできるようになる。特に、多品種変量生産に必要な搭載装置を、次生産品種の事前段取り作業やメンテナンス作業に使用して段取り作業の低減を図れるようになる。
【0017】
また、請求項3の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項2に記載の発明において、前記各搭載装置は、基板搬送動作制御時には、搬送レールで搬送されている前記プリント配線板の上部位置を、前記電子部品を保持しているヘッドを通過させないよう制御することを特徴とする。
【0018】
この請求項3の発明によれば、基板搬送動作中に部品を保持するヘッドが搬送基板上を通過させないので、部品の落下、搭載済み部品などとの干渉が無く、はんだ付け不良の発生を防止できるとともに生産性の向上を図ることができる。
【0019】
また、請求項4の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記各搭載装置が保有する電子部品の供給部数を基に、生産予定のプリント配線板毎に必要な設備台数を求め、段取りと稼働の組み合わせ時間が最小となる投入順を指示する生産指示手段を有することを特徴とする。
【0020】
この請求項4の発明によれば、生産予定品目に合わせ必要設備台数、占有時間最小の組み合わせを明確に得ることができるようになり、生産設備の効率的な稼働を図ることができる。
【0021】
また、請求項5の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項4に記載の発明において、前記生産指示手段は、各搭載装置の前後工程の生産時間内で、該各搭載装置の生産時間が収まるように設備台数を振り分け設定することを特徴とする。
【0022】
この請求項5の発明によれば、搭載装置の前後工程とのタクトバランスを取り部品搭載装置の使用台数を振り分けるので、生産設備全体の稼働効率の向上を図ることができる。
【0023】
また、請求項6の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項4または5に記載の発明において、前記各搭載装置の前後工程を繋ぐ手段として、一時的に前記プリント配線板を複数枚保有するバッファ機能を有するバッファコンベアを設けたことを特徴とする。
【0024】
この請求項6の発明によれば、ライン全体として装置稼働時間と段取り時間を並行させることが可能となり、生産効率の向上を図ることができる。
【0025】
また、請求項7の発明に係る電子部品搭載装置は、プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を生産する電子部品搭載装置において、それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動により前記プリント配線板に実装させる実装手段と、前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送制御する搬送手段と、前記各手段の動作を統括して前記プリント配線板を生産する通常状態と、前記搬送手段のみを他の手段の制御から分離させ単独で動作させる搬送単独状態とを切り替え可能な制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
この請求項7の発明によれば、生産動作とプリント配線板の搬送動作とを切り替えることにより、特に、多品種変量生産において生産と並行して段取り作業や保守作業などを実施できるようになる。
【0027】
また、請求項8の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項7に記載の発明において、前記制御手段は、前記供給手段の供給媒体の交換や、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正や、制御プログラムの入れ替え、などの生産準備に必要な段取りを実行する段取り制御と、前記搬送手段の搬送制御を並行して実行することを特徴とする。
【0028】
この請求項8の発明によれば、プリント配線板を搬送動作制御中の装置において、段取り作業などに関連する動作を全て有効にできるため、生産中に段取り作業などを全て完了させることができるようになり、タクトタイムの向上を図ることができる。また、部品の振り分け見直しが発生せず、NCの再作成を不要にできるようになる。特に、多品種変量生産に必要な搭載装置を、次生産品種の事前段取り作業やメンテナンス作業に使用して段取り作業の低減を図れるようになる。
【0029】
また、請求項9の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項7または8に記載の発明において、前記制御手段は、前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送の軌跡と前記実装手段のヘッドの通過軌跡とが重ならないよう規制制御することを特徴とする。
【0030】
この請求項9の発明によれば、部品を保持するヘッドの通過軌跡とプリント配線板の搬送軌跡が重ならないよう制御するので、ヘッドが保持している部品がプリント配線板に落下したり、ヘッドが保持している部品がプリント配線板に搭載された部品などに干渉することが無く、はんだ付け不良の発生を防止できるとともに生産性の向上を図ることができる。
【0031】
また、請求項10の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項9に記載の発明において、前記制御手段は、前記規制制御実行時に、前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送を実行させ、前記実装手段のヘッドを一時停止させることを特徴とする。
【0032】
この請求項10の発明によれば、プリント配線板の搬送をおこなう際には、ヘッドを停止させることにより、プリント配線板上のヘッドの通過を規制し、部品落下や干渉などを防止できるようになる。
【0033】
また、請求項11の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項9に記載の発明において、前記制御手段は、前記規制制御実行時に、前記プリント配線板が停止している場合には前記実装手段のヘッドの移動を実行させることを特徴とする。
【0034】
この請求項11の発明によれば、前記プリント配線板が停止している場合に限り前記実装手段のヘッドの移動を実行させることができ、部品落下や干渉などを防止できるようになる。
【0035】
また、請求項12の発明に係る電子部品搭載装置は、プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を生産する電子部品搭載装置において、それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動により前記プリント配線板に実装させる実装手段と、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識、保持精度などを認識するための認識手段と、前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送レールに沿って搬送制御する搬送手段とを備え、前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レールがのびる方向を中心として2つに分割される領域の一方側に配置されたことを特徴とする。
【0036】
この請求項12の発明によれば、部品供給、実装、認識などの手段の動作をプリント配線板の搬送手段の一方側でおこなえ、この際にプリント配線板上をヘッドが通過することがないため、生産動作を妨げることなく段取り作業に関する動作を並行して実施できるため、生産中に段取り作業を全て完了できるようになる。
【0037】
また、請求項13の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項12に記載の発明において、前記実装手段は、前前記ヘッドに前記電子部品を吸着などで保持するノズルを備え、前記電子部品の形状に対応したノズルを選択するための交換ステージを備えたことを特徴とする。
【0038】
この請求項13の発明によれば、ノズルの交換時においてもプリント配線板上をヘッドが通過することがなく、段取り作業などの効率化が図れるようになる。
【0039】
また、請求項14の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項12または13に記載の発明において、前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レールがのびる方向を中心として2つに分割される領域の双方にそれぞれ配置されたことを特徴とする。
【0040】
この請求項14の発明によれば、搬送手段を挟んだ2つの領域にそれぞれ供給手段、前記実装手段および前記認識手段を配置することができ、これら2つの領域の手段の動作を切り替えることにより1台の装置内で生産と段取りを並行させながら生産効率の向上を図ることができるようになる。
【0041】
また、請求項15の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項12〜14のいずれか一つに記載の発明において、前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レール上における前記プリント配線板の実装時の停止位置を中心として点対称に配置されたことを特徴とする。
【0042】
この請求項15の発明によれば、搬送レールを中心として供給手段、前記実装手段および前記認識手段を、それぞれ同一構成を用いて配置するだけでよく、向きの違いに合わせた特別な装置を製造する必要がなく、部品の共通化および低コスト化を図ることができる。
【0043】
また、請求項16の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項12〜15のいずれか一つに記載の発明において、前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品を前記認識手段の配置箇所まで移動させておこなう形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを実行する段取り制御と、前記搬送手段の搬送制御とを並行して実行する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0044】
この請求項16の発明によれば、プリント配線板の搬送と段取りを並行させることができるようになり、段取り作業時においても継続した生産が可能となり、生産性の向上が図れるようになる。
【0045】
また、請求項17の発明に係る電子部品搭載装置は、請求項7〜16のいずれか一つに記載の発明において、前記供給手段は、テープ体に収容された電子部品を供給するテープフィーダーと、スティック内に収容された電子部品を供給するスティックフィーダーと、トレイ内に収容された電子部品を供給するトレイフィーダーとが選択的に組み合わせて前記供給箇所に配置されることを特徴とする。
【0046】
この請求項17の発明によれば、各種形態の部品を供給できるため、多品種変量生産の効率化を図れるようになる。
【0047】
また、請求項18の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項7〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記電子部品搭載装置を複数台連結させた構成を有し、前記連結された各電子部品搭載装置の全体に対し、前記供給手段による前記電子部品の供給制御と、前記実装手段のヘッドの移動制御のタクトバランスをとった統括制御を実行する統括制御手段を備えたことを特徴とする。
【0048】
この請求項18の発明によれば、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、ヘッドの移動にかかるタクト時間を短時間でおこなえるようになり、生産性の向上が図れるようになる。
【0049】
また、請求項19の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項18に記載の発明において、前記統括制御手段は、連結された前記複数台の電子部品搭載装置において前記段取りの実行対象となり得る前記供給手段,前記実装手段,前記認識手段のうち選択された手段に基づき、前記搬送手段を含む非実行対象の手段を選択し、前記プリント配線板の生産を継続させながら前記段取りを実行することを特徴とする。
【0050】
この請求項19の発明によれば、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、例えば、ある装置に段取りをおこなわせた際に他の装置で生産をおこなわせることができ、必要な段取りを実行させながら生産性を向上できるようになり、多品種変量生産の生産効率を向上できるようになる。
【0051】
また、請求項20の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項19に記載の発明において、前記統括制御手段は、単一の前記電子部品搭載装置内において2つに分割される領域の双方にそれぞれ配置された前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段の一対に対して、該一対の一方の領域に配置されたいずれかの手段が段取りを実行する際には、前記一対の他方の領域に配置された各手段により前記プリント配線板の生産を継続させることを特徴とする。
【0052】
この請求項20の発明によれば、一方および他方の領域に配置された供給手段、前記実装手段および前記認識手段はプリント配線板の搬送時に段取りを行ってもヘッドがプリント配線板上を通過しない構成であり、一方の領域側で生産をおこなう際に他方の領域側で段取りを円滑に実行でき、生産しながら段取りを実行でき、多品種変量生産時における生産性を向上できるようになる。
【0053】
また、請求項21の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項20に記載の発明において、前記複数台の電子部品搭載装置の前後に配置される他の工程の生産時間内で、前記電子部品搭載装置の生産時間が収まるように最小の装置使用台数を求め、使用する複数の電子部品搭載装置の生産順を組み合わせた最適化の実行結果を生産指示として出力する生産指示手段を備えたことを特徴とする。
【0054】
この請求項21の発明によれば、生産予定品目に合わせ必要設備台数、占有時間最小の組み合わせを明確に得ることができるようになり、生産設備の効率的な稼働を図ることができる。
【0055】
また、請求項22の発明に係る電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システムは、請求項18〜21のいずれか一つに記載の発明において、前記連結された複数台の電子部品搭載装置における前記搬送手段の前端および後端には、連結された前後工程の装置との間で前記プリント配線板を受け取り/あるいは受け渡し、一時的に該プリント配線板を複数枚保有するバッファ機能を有するバッファコンベアを設けたことを特徴とする。
【0056】
この請求項22の発明によれば、ライン全体として装置稼働時間と段取り時間を並行させることが可能となり、生産効率の向上を図ることができる。
【0057】
また、請求項23の発明に係るプリント配線板は、請求項18〜22に記載の電子部品生産システムによって生産されることを特徴とする。
【0058】
この請求項23の発明によれば、多品種変量生産のプリント配線板を生産効率良く短時間で得ることができ短納期が図れるようになる。また、品種切り替えなどによる段取り実行時においてもプリント配線上をヘッドが通過しないため、ヘッドからの電子部品落下やヘッドが保持する電子部品がプリント配線板上に干渉することがなく、製造品質を向上させたプリント配線板を得ることができるようになる。
【0059】
また、請求項24の発明に係る電子部品生産方法は、それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動によりプリント配線板に実装させる実装手段と、前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送制御する搬送手段とを備えた電子部品搭載装置を用いて前記プリント配線板を生産する電子部品生産方法において、前記各手段の動作を統括して前記プリント配線板を生産する通常生産工程と、前記搬送手段のみを他の手段の制御から分離させ単独で動作させる搬送単独工程とを含み、前記通常生産工程あるいは前記搬送単独工程のいずれかに切り替え可能なことを特徴とする。
【0060】
この請求項24の発明によれば、生産動作とプリント配線板の搬送動作とを切り替えることができるため、特に、多品種変量生産において生産と並行して段取り作業や保守作業などを実施できるようになる。
【0061】
また、請求項25の発明に係る電子部品生産方法は、請求項24に記載の発明において、前記搬送単独工程は、前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品を認識手段の配置箇所まで移動させておこなう形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取り作業時に実行されることを特徴とする。
【0062】
この請求項25の発明によれば、多品種変量生産時に頻繁におこなわれる供給媒体の交換や、電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正や、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを効率的におこなうことができ、この段取り時においてもプリント配線板の搬送を並行しておこなえ、生産を継続させることができる。
【0063】
また、請求項26の発明に係る電子部品生産方法は、請求項24または25に記載の発明において、前記プリント配線板の搬送の軌跡と前記ヘッドの通過軌跡とが重ならないよう規制する規制工程を含むことを特徴とする。
【0064】
この請求項26の発明によれば、電子部品を保持したヘッドと生産中のプリント基板の移動時の軌跡が重ならないため、電子部品の落下や干渉が発生せず、製造するプリント配線板の品質を向上できるようになる。
【0065】
また、請求項27の発明に係る電子部品生産方法は、請求項26に記載の発明において、前記規制工程は、前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送を実行させ、前記実装手段のヘッドを一時停止させることを特徴とする。
【0066】
この請求項27の発明によれば、プリント配線板の搬送をおこなう際には、ヘッドを停止させることにより、プリント配線板上のヘッドの通過を規制し、部品落下や干渉などを防止できるようになる。
【0067】
また、請求項28の発明に係る電子部品生産方法は、請求項26に記載の発明において、前記規制工程は、前記プリント配線板が停止している場合には前記実装手段のヘッドの移動を実行させることを特徴とする。
【0068】
この請求項28の発明によれば、前記プリント配線板が停止している場合に限り前記実装手段のヘッドの移動を実行させることができ、部品落下や干渉などを防止できるようになる。
【0069】
また、請求項29の発明に係る電子部品生産方法は、電子部品を供給する供給手段と、前記電子部品をプリント配線板に実装する実装手段と、該実装手段が保持する電子部品の形状認識、保持精度などを認識するための認識手段と、前記実装手段のヘッドに対し着脱自在なノズルの交換ステージの各手段の動作と、前記プリント配線板を搬送する搬送手段の動作とを独立して制御可能な電子部品搭載装置を用いて前記電子部品を生産する電子部品生産方法であって、前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを実行した際に、前記搬送手段の搬送制御を並行して実行させる段取り工程を含むことを特徴とする。
【0070】
この請求項29の発明によれば、プリント配線板の搬送と段取りを並行させることができるようになり、段取り作業時においても継続した生産が可能となり、生産性の向上が図れるようになる。
【0071】
また、請求項30の発明に係る電子部品生産方法は、請求項24〜29のいずれか一つに記載の発明において、前記電子部品搭載装置を複数台連結させた構成時には、前記連結された各電子部品搭載装置の全体に対し、前記供給手段による前記電子部品の供給制御と、前記実装手段のヘッドの移動制御のタクトバランスをとった統括制御を実行する統括制御工程を含むことを特徴とする。
【0072】
この請求項30の発明によれば、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、ヘッドの移動にかかるタクト時間を短時間でおこなえるようになり、生産性の向上が図れるようになる。
【0073】
また、請求項31の発明に係る電子部品生産方法は、請求項30に記載の発明において、前記統括制御工程は、連結された前記複数台の電子部品搭載装置において前記段取りの実行対象となり得る前記供給手段,前記実装手段,前記認識手段のうち選択された手段に基づき、前記搬送手段を含む非実行対象の手段を選択し、前記プリント配線板の生産を継続させながら前記段取りを実行することを特徴とする。
【0074】
この請求項31の発明によれば、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、例えば、ある装置に段取りをおこなわせた際に他の装置で生産をおこなわせることができ、必要な段取りを実行させながら生産性を向上できるようになり、多品種変量生産の生産効率を向上できるようになる。
【0075】
また、請求項32の発明に係る電子部品生産方法は、請求項30または31に記載の発明において、前記複数台の電子部品搭載装置の前後に配置される他の工程の生産時間内で、前記電子部品搭載装置の生産時間が収まるように最小の装置使用台数を求め、使用する複数の電子部品搭載装置の生産順を組み合わせた最適化の実行結果を生産指示として出力する生産指示工程を含むことを特徴とする。
【0076】
この請求項32の発明によれば、生産予定品目に合わせ必要設備台数、占有時間最小の組み合わせを明確に得ることができるようになり、生産設備の効率的な稼働を図ることができる。
【0077】
また、請求項33の発明に係るプログラムは、前記請求項24〜31のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させることができる。
【0078】
また、請求項34の発明に係るプログラムは、請求項32に記載された方法により得られた生産指示のデータをNCプログラムの一部として用いるようコンピュータに実行させることができる。
【0079】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る電子部品搭載装置および該装置を備えた電子部品生産システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0080】
図1は、ライン構成の基本である大量生産ラインにおける部品搭載装置の代表的な装置構成例を示す図である。本発明の装置構成例の前提となるため、まずこの構成例を説明する。
【0081】
大量生産ラインは、プリント配線板を供給するローダリフター101、プリント配線板上にクリームはんだを印刷する印刷機103、主に角チップ部品と呼ばれる電子部品を高速で搭載可能な高速チップマウンター104、様々な形状およびその形状にあわせて供給形態を有する電子部品を搭載することが可能な異形マウンター105、プリント配線板に供給されたクリームはんだと電子部品を一括で加熱、冷却、はんだ接合し、プリント配線板とするリフロー装置106、プリント配線板を収納するアンローダリフター107の各装置が組み合わせて配備される。各々の装置間は、中間コンベア102で連結され一本のラインとして構成されている。
【0082】
後述する異形マウンター105(図5参照)の部品供給部513,514は、テープフィーダー401(図4参照)、スティックフィーダー601(図6参照)、トレイフィーダー701(図7参照)と部品荷姿への対応が幅広い。そして、高速チップマウンター104(図3参照)での実装可能部品供給荷姿が限られることより、プリント配線板の形成にあたっては、異形マウンター105との連結が必要となる。
【0083】
図2は、本発明による多品種変量生産ラインの装置構成例を示す図である。この構成は、図1記載の大量生産ラインの構成例に比して部品搭載装置について異形マウンター105を複数台(本実施の形態では、3台)連結した構成である。
【0084】
図3は大量生産ラインで使用される高速チップマウンター104を示す図である。図3(a)は全体斜視図、(b)はロータリヘッドである。ロータリヘッド310には、複数の吸装着ヘッド309が、円周上に均等に配置され、各々に部品サイズに合わせた複数の高速用ノズル311が配置されている。これにより、高速で安定性の高い、部品の吸装着を可能としている。
【0085】
部品のサイズによっては、ロータリヘッド310の回転速度をさげることが必要となるが、部品供給部308にセットされるテープフィーダー401(図4参照)を、部品のサイズ順とすることでロータリヘッド310の回転速度が高速から低速まで順次移行可能となり、部品搭載に必要となるタクトは実際に生産しなくとも、ほぼ狂いなく算出することが可能である。
【0086】
図4はテープフィーダー401を示す図である。図4(a)は全体斜視図、(b)はセットされるテープ部品416、(c)はこのテープフィーダー401で供給される電子部品の部品荷姿を示す図である。テープ部品416は、トップテープ417,キャリアテープ418,部品収納部419からなる。部品収納部419に収納される電子部品としては、角チップ420,タンタル421,SOP422がある。
【0087】
図5は異形マウンター105を示す斜視図である。この異形マウンター105は、様々な部品に対応可能であり、テープフィーダー401、スティックフィーダー601(図6参照)、トレイフィーダー701(図7参照)が装置の前面および背面側に配置できる構造となっている。
【0088】
図6は、スティックフィーダー601を示す図である。図6(a)は全体斜視図、(b)は部分拡大図、(c)はこのスティックフィーダー601で供給される電子部品の部品荷姿を示す図である。スティック部624には電子部品626を収納したスティック625が装着されるようになっている。収納される電子部品626としては、SOP627,PLCC628がある。
【0089】
図7は、トレイフィーダー701を示す図である。図7(a)は全体斜視図、(b)はこのトレイフィーダー701で供給される電子部品の部品荷姿を示す図である。電子部品を収納するトレイ729上には部品収納部730が形成され、このトレイ729はトレイ受けプレート731を介しトレイ収納マガジン732に積層収納され、トレイフィーダー701内に装着される。装着後、装着ヘッド部709の異形用吸着ノズル712によって電子部品が吸着保持される。収納される電子部品としては、QFP733,BGA734,コネクタ735がある。
【0090】
この為、この異形マウンター105は、部品を吸装着する異形用ノズル512が取り付けられている吸装着ヘッド509(図5参照)が装置の前方と背面側に移動するワン・バイ・ワン方式となる。この方式では、吸装着ヘッド509の移動距離が大きく、生産タクトの増加を抑えることが課題となっている。
【0091】
この実施形態では、図示しない制御手段は、吸装着ヘッド509に取り付けられた、複数の異形用ノズル512で連続吸着を実施したり、テープフィーダー401から部品を吸着する動作中に、トレイフィーダー701のトレイ729が移動し、部品を供給位置に待機させるなど、吸装着ヘッド509の移動制御と、部品の供給制御を並行させる制御をおこない生産タクトの低減を図る。
【0092】
このような動作は、装置内部で自動演算され、最適な組み合わせとなるよう処理されるので、ユーザ側としては、特に考慮する必要はない。一般的に、部品の組み合わせにより、生産タクトがどのような結果となるかは、事前に検討しても合わせこむことがほぼ不可能であり、高速チップマウンター104とのタクトバランスをとるためには、仮に妥当と思われる部品の振り分けを実施した後、実際に搭載装置を動作させ、結果を収集し、再度部品の振り分けを実施という、一連の作業を繰り返しながら、両装置間の生産タクトバランスをとることになる。
【0093】
異形マウンター105は、高速チップマウンター104との構造上の違いによって生産タクトアンバランスな構造であるが、この実施形態では、図2に示したように、同様の機能を有した異形マウンター105を連結させ複数台使用する構成とした。図示しない統括制御手段は、複数台の異形マウンター105の全体を統括して上記の吸装着ヘッド509の移動制御と、部品の供給制御を並行させる制御をおこない、部品供給部513,514の各々均等に占有させる。これにより、装置動作が同様にできるので、生産タクトのバランスも均等にでき、安易に生産タクトのバランスをとることが可能となる。これにより、異形マウンター105の特質である部品対応能力の高さを維持しつつ生産タクトバランスをとることができ、生産効率の向上が図れる。
【0094】
前述したように、高速チップマウンター104の実装可能部品供給荷姿が限られることにより、プリント配線板の形成にあたっては、異形マウンター105との連結が必要となる。さらに、高速チップマウンター104と異形マウンター105との部品荷姿対応可否の違いから、部品振り分けに制限が発生する事は、前述した通りである。
【0095】
図8は、設備別対応可否および、搭載タクト/段取り時間例を示す図表である。供給荷姿別の各々の装置に対するセット可能なフィーダー、部品1点当りの搭載平均タクト、品種切り替え時に要する平均段取り時間を表している。部品種個々で違いは発生するが、本実施の形態の説明上、平均値として取り扱うこととした(現実と大きくかけ離れる値でないことと判断する)。
【0096】
図9は、多品種変量生産品種例を示す図表である。通常の量産ライン(図1参照)をイメージした、高速チップマウンター104、異形マウンター105の構成で、生産タクトバランスを考慮した部品供給部占有状況と、多品種変量生産ライン(図2参照)での異形マウンター105の連結、すなわち異形マウンター105のみでの対応を想定した場合の、部品供給部必要数を表している。
【0097】
以下に説明する、多品種変量生産ラインは、図2の如く異形マウンター105の連結を3台とし、各1台に対して、テープフィーダー401、スティックフィーダー601が合わせて50部品種分、トレイフィーダー701には、トレイ729を40枚セットした構成として説明する。このセット可能数は、異形マウンター105の仕様としては十分余裕を見て設定してある。
【0098】
図10は大量生産ラインにおける生産機能を説明する図表である。図に示すように、大量生産ライン(図1参照)の場合、品種Dでは高速チップマウンター104が50秒タクトに対して、異形マウンター105が150秒タクトとなる。ラインの生産タクトは、この結果150秒となる。このような現象は、スティックフィーダー601、トレイフィーダー701などの高速チップマウンター104で、対応不可能な荷姿が増加する程、装置間のタクトバランスが崩れることを意味し、効率的な生産ができない状態となる。
【0099】
したがって、同一機能を保有した異形マウンター105を複数台連結することで、部品振り分けを容易にしタクトバランス(上述した部品供給制御と吸装着ヘッド509のタクトバランス)を採る制御に加え、段取り時間も考慮して最適化を図る。この最適化された動作制御は、図示しない制御手段が実行する。
【0100】
図9には各生産品種別に、荷姿別の部品種数と、その部品点数を部品内訳として、大量生産ライン(図1参照、高速チップマウンター104と異形マウンター105)の構成を元にして異形マウンター105の連結の構成がどのように変わるかが示されている。高速チップマウンター104の供給荷姿は、テープの数値が加算された形となる。
【0101】
異形マウンター105の連結による多品種変量生産ラインでは、異形マウンター105の設備台数は、部品種数を元に、異形マウンター105の各保有供給部数から必要となる台数を算出する。
【0102】
図11〜図15は多品種変量生産ラインにおける生産機能を説明する図表である。各図には異形マウンター105の必要な台数を設備台数として表している。大量生産ラインの場合は、高速チップマウンター104と、異形マウンター105が各一台となるため、設備台数は2台としている。荷姿別の搭載する部品点数(図9:部品点数)に対し平均搭載タクト(図8)を積算し、算出された必要台数にて除算したものが、図11〜図15における、供給荷姿別の異形マウンター(秒/枚)値となり、この合計が異形マウンター105一台当りの生産タクトとなる。これに生産枚数を積算したものが生産時間であり、段取り時間を合わせたものが、トータル時間となる。
【0103】
品種A〜Dを大量生産ラインで実施した場合、図10に示すように、トータル時間は390分となる。図16は、大量生産ラインの稼働例を示す段取りと生産の状況のタイムチャートである。
【0104】
この実施形態で説明した異形マウンター105の連結で同様に実施した場合は、図11に示すように、トータル時間は387分となり、図10に示した大量生産ラインとほぼ同様の時間で生産が可能なことが示されている。図17は、多品種変量生産ラインの稼働例を示す段取りと生産の状況のタイムチャートである。生産時間が増加する品種が見られるが、必要となる設備台数が減少することで、段取り時間が低減できるため、トータルでは、ほぼ差が見られないことがこの図から読み取れる。このように、多品種変量生産では、いかに段取り時間を低減することが重要であるかを示すものであり、以下により具体的に説明する。
【0105】
同様の品種構成で、生産に必要な台数以外の装置では、生産と並行して次品種の段取りを実行する場合を説明する。図18は、各装置の段取りと生産状況の例を示す図である。図19は、この結果を元に同様に演算した結果の生産機能を説明する図表である。図示のように、トータルの時間が352分と低減されることが読み取れる。図20は、段取りと生産の状況のタイムチャートである。
【0106】
生産に使用されてない装置で、事前の段取り作業をおこなうことで、トータルの時間を低減させることが可能であるが、品種Bの生産時間が15分と短いため、段取り時間の20分に対し、全ての次品種の段取りが完了しない状態が生じている。生産に対し、段取りを効率的に組み合わせることで、さらにトータル時間を短縮できるようになる。
【0107】
図21は、各装置の段取りと生産状況の他の組み合わせ例である。その結果を元に同様に演算した結果が図12である。図12においては、設備台数(多い、少ない)を順次組み合わせて、生産中に次生産の為の段取りが可能な組み合わせを検討したものであり、トータルの時間が332分と低減されることがわかる。図22は、段取りと生産の状況のタイムチャートである。
【0108】
この場合、トータル生産時間としては、図10に示した大量生産ラインと比較し、58分もの低減が見られるが、生産時間が長くなる品種が見受けられる。このような品種に対しては、装置台数に余裕があれば、生産にまわす方がトータル時間を短縮できるようになる。
【0109】
図13では、品種Dの生産タクトを短縮する為に2台使用とし、再度、生産と段取りの組み合わせを見直したものである。トータルの時間が301分と低減されることが読み取れる。図23は段取りと生産の状況のタイムチャートである。
【0110】
以上の説明は、生産実績のある品種を元に段取り時間を想定し、検討したものである。図14は、編集作業を含む大量生産ラインの稼働例を示す図表である(図24はこの構成例のタイムチャートである)。試作生産で多く発生する電子部品の形状認識、搭載方向、吸着位置などを編集する作業を60分/機種とした。この編集作業が加わることでトータル所要時間が630分となり、生産時間より段取り/編集作業による装置停止状態の占める割合が大幅に増えることが読み取れる。
【0111】
図15は、編集作業を含む多品種変量生産ラインの稼働例を示す図表である。実施の形態として、編集作業時間が60分を設備使用台数分に振り分ける形で算出した場合を示す(図25はこの構成例のタイムチャートである)。生産中の段取り57分/生産中の編集30分が実施可能となり、トータル生産時間は519分となり111分の低減効果となる。4機種での例においては30%以上の生産性を上げることが可能であり、少量生産/試作生産などの多品種変量が増すほど効果的なライン構成といえる。
【0112】
以上の説明のように、生産時間と段取り時間を組み合わせ、複数の品種にまたがりシミュレーションすることで、多大に生産効率を向上することが可能であるが、これを実現する為には、異形マウンター105の機能として、通常保有している生産動作制御以外に、ラインとしての基板の搬送動作を保有することが必要であり、基板搬送動作時は、段取り作業全般が可能な制御を追加する必要がある。
【0113】
図26は、異形マウンター105におけるプリント配線板の搬送制御切り替え機能を説明する概要図である。図示のような、制御の切り替え機能を付加し、通常動作(通常の生産動作機能)2601との切り替えによりプリント配線板搬送部でのプリント配線板搬送単独制御2602を単独で動作させる。基板搬送動作を有効にした状態で、吸装着ヘッド509による主な動作となる、ノズルチェンジ機能(ノズルチェンジ部)2604での異形用ノズル512の交換動作、部品供給部513,514での部品供給動作、カメラなどの部品認識部538による部品認識動作などの段取り作業と分離制御する。
【0114】
図27は、段取り作業の作業例を示すフローチャートである。段取り作業は、部品セット(ステップS2701)、ノズルセット(ステップS2702)、バックアップピンセット(ステップS2703)、NCロード(ステップS2704)、部品認識(ステップS2705)、部品吸着位置補正(ステップS2706)、部品搭載角度(ステップS2707)などの制御がある。
【0115】
このような段取り作業に関する制御を、プリント配線板の搬送動作と分離させることにより、生産中に段取りを併用することが可能となり、多品種変量生産によって発生する段取りロスを最小限にした、理想的な装置が得られるようになる。
【0116】
図28は、異形マウンター105におけるプリント配線板の搬送動作中の装着ヘッド動作を示す図である。図26、図27を用いて説明した、通常の生産動作機能との切り替えによりプリント配線板搬送制御を単独で動作させ、段取り(切り替え・編集など)を併用可能とした場合、図28に示すように、基板搬送動作中に段取りを実施した際、搬送中のプリント配線板2836と電子部品を保持しているヘッド(図5に記載の吸装着ヘッド509)の軌道とが重なることが予測できる。
【0117】
段取り作業の具体例としては、異形マウンター105の部品認識部538による、部品認識、部品吸着位置2837を補正する作業がある。この段取り作業は、プリント配線板2836の搬送制御と並行しておこなわれる場合が多い。この部品認識、部品吸着位置2837を補正する作業は、部品サイズに合わせた異形用ノズルの選定、部品収納部419(図4参照)の部品中央位置および部品の上面高さを異形用ノズル512と正しく合わせ込み、安定して吸着できるように部品吸着位置2837のX、Y、Z(縦、横、高さ方向)のデータを合わせ込む作業などがある。
【0118】
仮に吸着位置不完全となり、図28の点線矢印に示すように、その後の部品認識部538への動作が実施された場合、吸装着ヘッド509は、部品を保持しきれず落下させることがある。その結果、部品落下により組立中のプリント配線板2836を不良にする危険性が高い。したがって、プリント配線板2836と吸装着ヘッド509に取り付けられた異形用ノズル512に吸着された電子部品の動作軌道とが重なることを防ぐ必要がある。
【0119】
プリント配線板2836は、搬送時に基板搬送レール2839上を位置a→b→cの順で随時通過する。装置構造上、基板搬送レール2839は、プリント配線板2836より、非常に長いものとなる。生産タクトを少しでも縮める為に、プリント配線板2836は、通常時に位置aもしくは位置c又は、その両側で待機をして基板搬送時間を損失させないための制御をおこなっている。生産を実施する場合のプリント配線板2836の停止位置は、装置全体の動作エリアからバランスの良い位置、すなわち基板搬送レール2839のほぼ中央となる位置bである場合が多い。待機位置である位置a,cにプリント配線板2836が存在している事は、装置としては認識しており、この待機位置であれば通常は、軌道上の干渉は考えにくい。
【0120】
もし仮に干渉するようであれば、搬送制御では、待機位置を持たない設定とし、前工程の装置からプリント配線板2836の移動の信号を受けて、吸装着ヘッド509を基板搬送レール2839に干渉しない位置で待機させる、もしくは、吸装着ヘッド509が基板搬送レール2839上を通過している位置にあれば、プリント配線板2836を搬送させなければ良く、生産中の基板上への部品落下などの事故を防ぐことが可能となる。
【0121】
図29は、搬送中のプリント配線板2836の位置と吸装着ヘッド509動作の軌道との重なりを防ぐ制御のフローチャートである。吸装着ヘッド509がY軸方向(基板搬送レール2839上を吸装着ヘッド509が通過する方向)に移動を開始する時(ステップS2901)、プリント配線板2836が基板搬送レール2839上を通過しているか否かを検出する(ステップS2902)。プリント配線板2836が基板搬送レール2839上を通過していなかった場合は(ステップS2902:No)、プリント配線板2836の搬送動作を一時停止させ(ステップS2903)、吸装着ヘッド509がY軸移動完了した後(ステップS2904)、プリント配線板2836の搬送動作を有効にし動作を再開させ(ステップS2905)、次の作業を動作制御する(ステップS2906)。
【0122】
すでにプリント配線板2836が搬送動作を開始しており、基板搬送レール2839上にプリント配線板2836が位置している場合は(ステップS2902:Yes)、搬送を優先させるため吸装着ヘッド509のY軸移動を一時停止させ(ステップS2907)、一枚のプリント配線板2836が基板搬送レール2839上を通過搬送完了後(ステップS2908)、吸装着ヘッド509のY軸移動を有効にし動作を再開させ(ステップS2909)、次の作業を動作制御する(ステップS2906)。
【0123】
また、多品種変量生産では、月、週、日と投入される品種、数量がめまぐるしく変動することが予測される。このような変動に臨機応変に対応するには、システム化が重要であり、一構成例として多品種変量生産に適合するシステム構成を説明する。
【0124】
まず図30は生産品種の最小装置使用台数割り出しのフローチャートである。生産予定から装置ステーション数を基に、部品品種数(ステップS3001)と、装置台数(供給部)を照合して(ステップS3002)、最小装置の使用台数を割り出す(ステップS3003)。
【0125】
図31は、生産順の組み合わせを求めるフローチャートである。生産時間内に次生産品種の段取りが可能な生産順を組み合わせる。具体的には、
当生産品種の生産時間 > 次生産品種の段取り時間(ステップS3101)、当生産品種の生産時間 − 次生産品種の段取り時間 ≧ 0 (ステップS3102)。
に基づき組み合わせを得る(ステップS3103)。
【0126】
図32は、装置使用台数の最適化のフローチャートである。当生産品種の最小装置使用台数を割り出し(ステップS3201:ステップS3001〜S3003相当)、
当生産品種の生産時間 > 当生産品種の段取り時間(ステップS3202)、生産時間 − (装置使用台数 × 段取り時間) ≧ 0(ステップS3203)、
により装置使用台数を最適化(最適台数)する(ステップS3204)。
【0127】
図33は、電子部品生産システムにおける生産指示作成までの全体処理を示すフローチャートである。電子部品生産システムは、生産指示システム3301,NC作成システム3310,段取り作成システム3320で構成される。生産指示システム3301は、生産機種の最小装置使用台数を割り出し(ステップS3302)、生産順を組み合わせ(ステップS3303)、装置使用台数を最適化し(ステップS3304)、図34に示す生産指示リスト3401を出力する(ステップS3305)。
【0128】
ステップS3302は図30に記載のステップS3001〜S3003の内容に相当し、ステップS3303は図31に記載のステップS3101〜S3103の内容に相当し、ステップS3304は図32に記載のステップS3201〜S3204の内容に相当する。
【0129】
ステップS3305で出力された生産指示リストは、NC作成システム3310に入力され、装置間で部品振り分けされ(ステップS3311)、NCプログラムが作成され、出力される(ステップS3312)。
【0130】
ステップS3312で出力されたNCプログラムは、段取り作成システム3320に入力され、装置毎の段取りが指示され(ステップS3321)、図35に示す段取り指示リスト3501を出力する(ステップS3322)。この段取り指示リスト3501には、決定された装置用NCプログラムの部品セット位置などの作業指示が記載され、品種に応じて出力される。
【0131】
上記電子部品生産システムによれば、決定された装置使用台数に応じて、装置用のNCプログラムを作成し、装置間の部品振り分けとタクトバランスのとれた最適化を図ることが可能となる。そして、これら生産指示システム3301,NC作成システム3310,段取り作成システム3320を組み合わせ生産指示に即応した装置の使い方をすることにより、多品種変量生産ライン構成を効率的に稼働させることが可能となる。
【0132】
以上の構成では、図2に記載した多品種変量生産ラインにおける、異形マウンター105を最適化して、複数の品種を組み合わせた場合のトータル時間を短くする点について説明した。しかしながら、異形マウンター105を連結し効率を向上したとしても、その前後には、印刷機103,リフロー装置106が配置されており、生産ライン全体として考えた場合は、これらのタクトも考慮する必要がある。
【0133】
図13を用いて説明したように、異形マウンター105の台数を増やすことで、トータル時間を減少させることができたが、ラインとしての生産タクトは、印刷機103,リフロー装置106も含めて最もタクトがかかる工程がネック工程となる。このネック工程以上に異形マウンター105のタクトを上げたとしても現実的に効果が上がらないこととなる。通常は、印刷機103,リフロー装置106は一括処理であるため、多数の部品種を順次搭載する事となるマウンター工程がネック工程となるが、このような場合を想定しシステム化する事も重要である。
【0134】
上記構成では、印刷機103の段取りを終え、異形マウンター105の切り替えをおこない、リフロー装置106の段取りが終わらないと、品種の切り替え、すなわち生産のスタートが切れないこととなる。この場合、品種切り替えのトータル時間を減少させるには、各装置に作業者を配置して一斉に段取り変更をおこなう必要があるが、このような方法では多品種変量生産の効率的な運用はおこなえない。
【0135】
図36は、電子部品生産システム全体のタクト向上を図るための構成例を示す図である。図示のように、印刷機103の後工程、および異形マウンター105の後工程に中間バッファコンベア3601を設ける。中間コンベア102は、プリント配線板2836を各装置に搬送する為のものであり、プリント配線板2836を一枚もしくは数枚待機させるものである。中間バッファコンベア3601は、ローダリフター101,アンローダリフター107同様に、ラック3602を備えプリント配線板2836を多段に収納可能な構造となっている。簡単には、ローダリフター101,アンローダリフター107を内向きに合わせたような構造である。
【0136】
中間バッファコンベア3601は、ラック3602の収容数を増やすことで、必要な時間だけ基板を待機することが可能となる。また、ラック3602の移動を設定する機能を付加することで、全収容数にプリント配線板2836が収納されなくとも次工程にプリント配線板2836を送り出すことが可能となる。
【0137】
この中間バッファコンベア3601で蓄えられる時間を活用し、印刷機103の段取りが完了次第、生産をスタートさせ、異形マウンター105の品種切り替え完了と同時に中間バッファコンベア3601から異形マウンター105へのプリント配線板2836の送り出しを開始させ、リフロー装置106の段取りが完了した時点で、異形マウンター105の後工程の中間バッファコンベア3601から、リフロー装置106への送り出しをスタートさせる制御とする。
【0138】
そして、印刷機103の生産が完了次第、段取り変更をスタートさせることで、多品種変量生産バッファラインとして、印刷機103,異形マウンター105,リフロー装置106間で、段取りと生産の品種間重ね合わせが可能となる。これにより、作業者一名でライン全体のトータル時間を短縮することが可能となる。
【0139】
(生産時における段取り作業の並行制御について)
図28を用いて示した構成は、プリント配線板2836の搬送動作制御時には、基板搬送レール2839上を搬送されているプリント配線板2836の上部位置を、電子部品を保持している吸装着ヘッド509を通過させないよう制御した。この構成によれば、段取り作業でプリント配線板2836搬送動作中に部品を保持する吸装着ヘッド509がプリント配線板2836上を通過することがないため、部品の落下、搭載済み部品などとの干渉の防止、はんだ付け不良の発生の防止がおこなえ、生産性の向上を図ることができる。
【0140】
しかし、上記構成とした場合、吸装着ヘッド509がY軸方向(基板搬送レール2839上を装着ヘッドが通過する方向)に移動する際に、プリント配線板2836が基板搬送レール2839上を通過している場合には、図29に示す制御処理に基づき吸装着ヘッド509を一時停止させるため、段取り作業が一時停止(中断)することになる。更に、段取り作業が一時中断するため、段取りをおこなう作業者はこの一時中断の期間中は継続して装置付近に拘束され、結果的に段取り作業全体に係る対応時間が長引き、作業の効率が低下することになる。
【0141】
さらに、吸装着ヘッド509が既にY軸方向に移動をしていた場合には、プリント配線板2836の搬送動作を一時停止させることになるため、生産タクトに影響を及ぼし生産が一時停止する。以上の点から、段取りと生産を並行しておこなうためには、吸装着ヘッド509および搬送を一時停止させることなく、段取りと生産動作をおこなえることが要求される。
【0142】
図37は、図5に示した異形マウンター105の平面図である。この異形マウンター105は、プリント配線板2836の搬送方向に沿った基板搬送レール2839,第1の部品供給部513,第2の部品供給部514,部品認識部538,ノズルチェンジ部2604を備えた構成である。
【0143】
このような構成においては、基板搬送レール2839を挟んで装置の前面側に第1の部品供給部513が配置され、装置の背面側に第2の部品供給部514,部品認識部538,ノズルチェンジ部2604が配置されており、吸装着ヘッド509の動作軌道が基板搬送レール2839に重なる。この構成によると段取り時に前述した不具合が発生する。
【0144】
(異形マウンターの他の構成例1−片面配備装置)
次に、生産と段取り作業を並行して動作制御可能な構成について説明する。図38は、他の構成の異形マウンター105aを示す平面図である。図示の異形マウンター105aは、プリント配線板2836を搬送する基板搬送レール2839に対し、装置の片面(前面)側に第1の部品供給部513,第2の部品供給部514,部品認識部538,ノズルチェンジ部2604からなる前面配備装置(片面配備装置)3801を配置した構成である。
【0145】
上記配置によれば、吸装着ヘッド509の主な動作となる、ノズルチェンジ部2604での異形用ノズル512の交換動作、第1,第2の部品供給部513,514における部品供給(吸着)動作を基板搬送レール2839の一方(前方)側でおこなうことができる。加えて、段取り作業時に吸装着ヘッド509を部品認識部538へ移動させる等の動作軌道についても基板搬送レール2839の一方(前方)側となる。
【0146】
これにより、プリント配線板2836の搬送軌跡に対し、段取り作業時の吸装着ヘッド509の動作軌跡が重ならない。したがって、基板搬送レール2839上をプリント配線板2836を移動させる生産時に段取り作業を並行して動作制御できるようになる。このような構成によれば、図26に示した通常動作と、段取り時の動作(プリント配線板搬送単独制御)を切り替える制御をおこなうだけで、生産中の段取り作業が可能となる。この際、図29に示した動作軌道の重なりを防止するための制御を不要にできる。これにより、生産、および段取り作業のいずれも一時停止(中断)することなく、生産性を維持しつつ段取り作業の効率化を図れるようになる。
【0147】
(異形マウンターの他の構成例2−両面配備装置)
図39は、さらに他の構成の異形マウンター105bを示す平面図である。図示の異形マウンター105bは、プリント配線板2836を搬送する基板搬送レール2839を基準に、装置の前面側に第1の部品供給部513,第2の部品供給部514,部品認識部538,ノズルチェンジ部2604からなる前面配備装置3801と、装置の背面側に同様の各部からなる背面配備装置3901を配置させて両面配備装置を形成した構成である。図示の例は、基板搬送レール2839上におけるプリント配線板2836の実装時の停止位置を中心として、前面配備装置3801と、背面配備装置3901を点対称に配置させたものである。
【0148】
図38に示した異形マウンター105aによると、部品をセットする第1,第2の部品供給部513,514が装置前面側にのみ配置される構成であるため、部品セット数が限られる。図38に示す第1,第2の部品供給部513,514では、一般的にカセットフィーダー(8mm換算)50種と、トレイ20種程度となるため、生産可能な機種が限られ多品種の生産に支障が生じる場合がある。
【0149】
これに対し、図39に示す両面配備装置(前面配備装置3801および背面配備装置3901)を備えた構成によれば、これら一対の前面配備装置3801および背面配備装置3901にそれぞれ生産と段取り作業を割り当てて独立して動作制御することができるようになる。そして、図26に示した通常動作と、段取り時の動作(プリント配線板搬送単独制御)を切り替える制御をおこなうだけで、生産中の段取り作業が可能となることは言うまでもない。
【0150】
図40は、両面配備装置を用いた生産と段取り作業の組み合わせ活用例を示す図表である。図示のように、▲1▼前面配備装置3801,背面配備装置3901のいずれも生産に用いる動作制御、▲2▼前面配備装置3801が段取り作業、背面配備装置3901が生産する動作制御、▲3▼前面配備装置3801が生産し、背面配備装置3901が段取り作業する動作制御、▲4▼前面配備装置3801,背面配備装置3901のいずれも段取りする動作制御、の4通りの組み合わせが可能となる。
【0151】
上記構成によれば1台の異形マウンター105bで、2台の異形マウンター105相当の機能を有することになる。これにより、部品供給部の数を増加させることができ、多品種生産に対応できるようになるとともに、この1台の異形マウンター105bを用いて生産と段取りの並行動作が可能となる。この際、図29に示した動作軌道の重なりを防止するための制御を不要にできるため、生産、および段取り作業のいずれも一時停止(中断)することなく、生産性および段取り作業のいずれもより効率化を図ることができるようになる。
【0152】
図38,図39を用いて説明した各異形マウンター105a,105bは、図2に示すように、複数台(例えば3台)連結した構成とすることにより、生産性および段取り作業の効率化を図ることができる。特に、図39に示す両面配備装置(前面配備装置3801および背面配備装置3901)を備えた異形マウンター105bを複数台連結させた構成とすれば、第1の部品供給部513,第2の部品供給部514の配置個数を増大できるとともに、各それぞれ生産と段取りを並行して動作制御できるため、複数台の各異形マウンター105bは段取り作業の有無にかかわらず、いずれも同様の生産動作(生産タクト)を得ることができるようになる。これにより、複数台の異形マウンター105b間における生産タクトのバランスを容易に取ることができるようになる。
【0153】
図41は、両面配備装置を備えた異形マウンター105bを複数台連結した場合における生産と段取り作業の組み合わせ活用例を示す図表である。図示の例は、異形マウンター105bを3台連結した構成であり、▲1▼3台とも前面配備装置3801,背面配備装置3901のいずれも生産に用いる動作制御、▲2▼1台の前面配備装置3801のみ段取り、他の前面配備装置3801と背面配備装置3901全てを生産に用いる動作制御、…、▲7▼3台とも前面配備装置3801,背面配備装置3901のいずれも段取りする動作制御、の7通りの組み合わせが可能となる。このように、両面配備装置を備えた異形マウンター105bを複数台連結させることにより、生産と段取りの組み合わせの自由度をさらに向上できるようになる。すなわち、生産性を向上させつつ、現在の生産品種の生産実行中に次の品種の生産に必要な段取りをおこなう自由度を向上できるようになる。
【0154】
図42は、上記構成の異形マウンターの設置スペースを説明するための図である。図42(a)は、図38に示した前面配備装置3801を備えた異形マウンター105aの設置スペースであり、この異形マウンター105aの設置に必要な幅Wと奥行Dをそれぞれ1として記載した。図42(b)は、図39に示した両面配備装置(前面配備装置3801および背面配備装置3901)を備えた異形マウンター105bの設置スペースであり、前面配備装置3801を備えた異形マウンター105aに対し、必要な幅Wは1.25倍,奥行Dは1.5倍となる。
【0155】
上記構成によれば、前面配備装置3801を備えた異形マウンター105aの設置スペース(面積)を1.00としたとき、両面配備装置3801,3901を備えた異形マウンター105bの設置スペース(面積)は1.875となる。異形マウンター105bは、片面配備装置3801が2つ分である両面配備装置3801,3901を備えた構成であっても、設置スペースを省スペース化できるようになる。
【0156】
図43は、両面配備装置を備えた異形マウンター105bを複数台連結させた場合の設置スペースを示す図である。基板搬送レール2839の中心を基準に、前面配備装置3801と、背面配備装置3901を点対称に配置させた構成の場合、向きが異なっても前面配備装置3801と、背面配備装置3901を構成している第1の部品供給部513,第2の部品供給部514,部品認識部538,ノズルチェンジ部2604(図39参照)は、それぞれ同一のものを1対用意するだけで構成でき、向きの違いに対応させた各部を用意する必要がない。
【0157】
ただし、異形マウンター105bが有する第2の部品供給部514がそれぞれ幅Wの方向に突出する形状となる。このため、図42(b)に示すように、異形マウンター105bが1台のみである場合には、この第2の部品供給部514の突出に起因して装置まわりの余白(空間)部分が多くなり、設置必要枠4201に占める余白が大きくなり、設置スペースの縮小が図り難い。
【0158】
図43に示すように複数台連結させる配置構成時においては、図42に示す各異形マウンター105bを単純に幅Wの方向に連結させる。この連結構成時には、向き合った一対の異形マウンター105bがそれぞれ備える第2の部品供給部514が互いに干渉せず、基板搬送レール2839を中心として前面側と背面側に交差配置されることになる。この交差する第2の部品供給部514部分の幅W1,W2の分だけ全体の幅Wを削減でき、設置必要枠4301を効率的に縮小させることができるようになる。
【0159】
図示の3台設置時における設置スペースは、図42(b)に示した両面配備装置3801,3901を備えた1台の異形マウンター105bと対比すると、奥行きDは同様の1.5,幅Wは3.25となる(対比基準は、図42(a)の異形マウンター105aの幅Wおよび奥行きDをそれぞれ1とした)。これにより、図43に示す設置必要枠4301の設置面積は4.875となり、装置まわりの余白部分を減少させて効率的な配置が可能となる。なお、同様の機能を図42(a)の異形マウンター105aを用いて形成する場合、6台の連結が必要となり、設置面積は6.000となるため、面積差1.125の設置面積の削減が可能で、省スペースを図ることができるようになる。
【0160】
以上説明した異形マウンター105(105a,105b)を含む電子部品生産システムが生産するプリント配線板2836は、低コスト、短納期が可能となり、プリント配線板2836単体であっても、およびこのプリント配線板2836が組み込まれた装置(商品)についても市場での競争力を有する。
【0161】
なお、本実施の形態で説明した電子部品生産システム各部での制御は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フロッピー(R)ディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を形成する電子部品搭載装置において、チップ部品、半導体部品、コネクタなどの電子部品を搭載する能力を有した搭載装置を複数台連結し、前記各搭載装置が、それぞれプリント配線板の基板搬送動作と、生産動作を切り替える制御機能を有するため、搭載装置を複数台連結して部品搭載能力の片寄りを防ぎ、部品振り分け、部品搭載装置間のタクトバランスを精度良く予測可能であるとともに、基板搬送動作と生産動作を切り替えることにより、特に、多品種変量生産において生産と並行して段取り作業などを実施できるという効果を奏する。
【0163】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記各搭載装置は、基板搬送動作制御時には、基板搬送動作とは分離した制御であるトレイ、カセットなどを用いた電子部品の交換作業、電子部品の形状認識、搭載方向、吸着位置などを編集する作業や、NCの入れ替え作業などの生産準備に必要な段取り作業、設備メンテナンスの作業などを可能としたので、基板搬送動作制御中の装置において、段取り作業などに関連する動作を全て有効にできるため、生産中に段取り作業などを全て完了させることができるようになり、タクトタイムの向上を図ることができる。また、部品の振り分け見直しが発生せず、NCの再作成を不要にできるようになる。特に、多品種変量生産に必要な搭載装置を、次生産品種の事前段取り作業やメンテナンス作業に使用して段取り作業を低減できるという効果を奏する。
【0164】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、前記各搭載装置は、基板搬送動作制御時には、搬送レールで搬送されている前記プリント配線板の上部位置を、前記電子部品を保持しているヘッドを通過させないよう制御するので、部品の落下、搭載済み部品などとの干渉が無く、はんだ付け不良の発生を防止できるとともに生産性の向上が図れるという効果を奏する。
【0165】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記各搭載装置が保有する電子部品の供給部数を基に、生産予定のプリント配線板毎に必要な設備台数を求め、段取りと稼働の組み合わせ時間が最小となる投入順を指示する生産指示手段を有するので、生産予定品目に合わせ必要設備台数、占有時間最小の組み合わせを明確に得ることができるようになり、生産設備の効率的な稼働が図れるという効果を奏する。
【0166】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明において、前記生産指示手段は、各搭載装置の前後工程の生産時間内で、該各搭載装置の生産時間が収まるように設備台数を振り分け設定することとしたので、搭載装置の前後工程とのタクトバランスを取り部品搭載装置の使用台数を振り分けることができ、生産設備全体の稼働効率の向上が図れるという効果を奏する。
【0167】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の発明において、前記各搭載装置の前後工程を繋ぐ手段として、一時的に前記プリント配線板を複数枚保有するバッファ機能を有するバッファコンベアを設けたので、ライン全体として装置稼働時間と段取り時間を並行させることが可能となり、生産効率の向上が図れるという効果を奏する。
【0168】
また、請求項7に記載の発明によれば、プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を生産する電子部品搭載装置において、それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動により前記プリント配線板に実装させる実装手段と、前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送制御する搬送手段と、前記各手段の動作を統括して前記プリント配線板を生産する通常状態と、前記搬送手段のみを他の手段の制御から分離させ単独で動作させる搬送単独状態とを切り替え可能な制御手段とを備えたので、生産動作とプリント配線板の搬送動作とを切り替えることにより、特に、多品種変量生産において生産と並行して段取り作業や保守作業などを実施できるという効果を奏する。
【0169】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明において、前記制御手段は、前記供給手段の供給媒体の交換や、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正や、制御プログラムの入れ替え、などの生産準備に必要な段取りを実行する段取り制御と、前記搬送手段の搬送制御を並行して実行するため、プリント配線板を搬送動作制御中の装置において、段取り作業などに関連する動作を全て有効にできるため、生産中に段取り作業などを全て完了させることができるようになり、タクトタイムの向上を図ることができる。また、部品の振り分け見直しが発生せず、NCの再作成を不要にできるようになる。特に、多品種変量生産に必要な搭載装置を、次生産品種の事前段取り作業やメンテナンス作業に使用して段取り作業の低減を図れるという効果を奏する。
【0170】
また、請求項9に記載の発明によれば、請求項7または8に記載の発明において、前記制御手段は、前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送の軌跡と前記実装手段のヘッドの通過軌跡とが重ならないよう規制制御するため、部品を保持するヘッドの通過軌跡とプリント配線板の搬送軌跡が重ならないよう制御するので、ヘッドが保持している部品がプリント配線板に落下したり、ヘッドが保持している部品がプリント配線板に搭載済み部品などに干渉することが無く、はんだ付け不良の発生を防止できるとともに生産性の向上が図れるという効果を奏する。
【0171】
また、請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明において、前記制御手段は、前記規制制御実行時に、前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送を実行させ、前記実装手段のヘッドを一時停止させるため、プリント配線板の搬送をおこなう際には、ヘッドを停止させることにより、プリント配線板上のヘッドの通過を規制し、部品落下や干渉などを防止できるという効果を奏する。
【0172】
また、請求項11に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明において、前記制御手段は、前記規制制御実行時に、前記プリント配線板が停止している場合には前記実装手段のヘッドの移動を実行させるため、前記プリント配線板が停止している場合に限り前記実装手段のヘッドの移動を実行させることができ、部品落下や干渉などを防止できるという効果を奏する。
【0173】
また、請求項12に記載の発明によれば、プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を生産する電子部品搭載装置において、それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動により前記プリント配線板に実装させる実装手段と、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識、保持精度などを認識するための認識手段と、前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送レールに沿って搬送制御する搬送手段とを備え、前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レールがのびる方向を中心として2つに分割される領域の一方側に配置したので、部品供給、実装、認識などの手段の動作をプリント配線板の搬送手段の一方側でおこなえ、この際にプリント配線板上をヘッドが通過することがないため、生産動作を妨げることなく段取り作業に関する動作を並行して実施できるため、生産中に段取り作業を全て完了できるという効果を奏する。
【0174】
また、請求項13に記載の発明によれば、請求項12に記載の発明において、前記実装手段は、前前記ヘッドに前記電子部品を吸着などで保持するノズルを備え、前記電子部品の形状に対応したノズルを選択するための交換ステージを備えたので、ノズルの交換時においてもプリント配線板上をヘッドが通過することがなく、段取り作業などの効率化が図れるという効果を奏する。
【0175】
また、請求項14に記載の発明によれば、請求項12または13に記載の発明において、前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レールがのびる方向を中心として2つに分割される領域の双方にそれぞれ配置したので、搬送手段を挟んだ2つの領域にそれぞれ供給手段、前記実装手段および前記認識手段を配置することができ、これら2つの領域の手段の動作を切り替えることにより1台の装置内で生産と段取りを並行させながら生産効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0176】
また、請求項15に記載の発明によれば、請求項12〜14のいずれか一つに記載の発明において、前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レール上における前記プリント配線板の実装時の停止位置を中心として点対称に配置したので、搬送レールを中心として供給手段、前記実装手段および前記認識手段を、それぞれ同一構成を用いて配置するだけでよく、向きの違いに合わせた特別な装置を製造する必要がなく、部品の共通化および低コスト化が図れるという効果を奏する。
【0177】
また、請求項16に記載の発明によれば、請求項12〜15のいずれか一つに記載の発明において、前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品を前記認識手段の配置箇所まで移動させておこなう形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを実行する段取り制御と、前記搬送手段の搬送制御とを並行して実行する制御手段を備えたので、プリント配線板の搬送と段取りを並行させることができるようになり、段取り作業時においても継続した生産が可能となり、生産性の向上が図れるという効果を奏する。
【0178】
また、請求項17に記載の発明によれば、請求項7〜16のいずれか一つに記載の発明において、前記供給手段は、テープ体に収容された電子部品を供給するテープフィーダーと、スティック内に収容された電子部品を供給するスティックフィーダーと、トレイ内に収容された電子部品を供給するトレイフィーダーとが選択的に組み合わせて前記供給箇所に配置させて、各種形態の部品を供給できるため、多品種変量生産の効率化を図れるという効果を奏する。
【0179】
また、請求項18に記載の発明によれば、請求項7〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記電子部品搭載装置を複数台連結させた構成を有し、前記連結された各電子部品搭載装置の全体に対し、前記供給手段による前記電子部品の供給制御と、前記実装手段のヘッドの移動制御のタクトバランスをとった統括制御を実行する統括制御手段を備えたので、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、ヘッドの移動にかかるタクト時間を短時間でおこなえるようになり、生産性の向上が図れるという効果を奏する。
【0180】
また、請求項19に記載の発明によれば、請求項18に記載の発明において、前記統括制御手段は、連結された前記複数台の電子部品搭載装置において前記段取りの実行対象となり得る前記供給手段,前記実装手段,前記認識手段のうち選択された手段に基づき、前記搬送手段を含む非実行対象の手段を選択し、前記プリント配線板の生産を継続させながら前記段取りを実行するので、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、例えば、ある装置に段取りをおこなわせた際に他の装置で生産をおこなわせることができ、必要な段取りを実行させながら生産性を向上できるようになり、多品種変量生産の生産効率を向上できるという効果を奏する。
【0181】
また、請求項20に記載の発明によれば、請求項19に記載の発明において、前記統括制御手段は、単一の前記電子部品搭載装置内において2つに分割される領域の双方にそれぞれ配置された前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段の一対に対して、該一対の一方の領域に配置されたいずれかの手段が段取りを実行する際には、前記一対の他方の領域に配置された各手段により前記プリント配線板の生産を継続させるので、一方および他方の領域に配置された供給手段、前記実装手段および前記認識手段はプリント配線板の搬送時に段取りを行ってもヘッドがプリント配線板上を通過しない構成であり、一方の領域側で生産をおこなう際に他方の領域側で段取りを円滑に実行でき、生産しながら段取りを実行でき、多品種変量生産時における生産性を向上できるという効果を奏する。
【0182】
また、請求項21に記載の発明によれば、請求項20に記載の発明において、前記複数台の電子部品搭載装置の前後に配置される他の工程の生産時間内で、前記電子部品搭載装置の生産時間が収まるように最小の装置使用台数を求め、使用する複数の電子部品搭載装置の生産順を組み合わせた最適化の実行結果を生産指示として出力する生産指示手段を備えたので、生産予定品目に合わせ必要設備台数、占有時間最小の組み合わせを明確に得ることができるようになり、生産設備の効率的な稼働を図ることができるという効果を奏する。
【0183】
また、請求項22に記載の発明によれば、請求項18〜21のいずれか一つに記載の発明において、前記連結された複数台の電子部品搭載装置における前記搬送手段の前端および後端には、連結された前後工程の装置との間で前記プリント配線板を受け取り/あるいは受け渡し、一時的に該プリント配線板を複数枚保有するバッファ機能を有するバッファコンベアを設けたので、ライン全体として装置稼働時間と段取り時間を並行させることが可能となり、生産効率の向上が図れるという効果を奏する。
【0184】
また、請求項23に記載の発明によれば、請求項18〜22に記載の電子部品生産システムによって生産されるので、多品種変量生産のプリント配線板を生産効率良く短時間で得ることができ短納期を図れるようになる。また、品種切り替えなどによる段取り実行時においてもプリント配線上をヘッドが通過しないため、ヘッドからの電子部品落下やヘッドが保持する電子部品がプリント配線板上に干渉することがなく、製造品質を向上させたプリント配線板が得られるという効果を奏する。
【0185】
また、請求項24に記載の発明によれば、それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動によりプリント配線板に実装させる実装手段と、前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送制御する搬送手段とを備えた電子部品搭載装置に用いられ前記プリント配線板を生産する電子部品生産方法において、前記各手段の動作を統括して前記プリント配線板を生産する通常生産工程と、前記搬送手段のみを他の手段の制御から分離させ単独で動作させる搬送単独工程とを含み、前記通常生産工程あるいは前記搬送単独工程のいずれかに切り替え可能としたので、生産動作とプリント配線板の搬送動作とを切り替えることができるため、特に、多品種変量生産において生産と並行して段取り作業や保守作業などを実施できるという効果を奏する。
【0186】
また、請求項25に記載の発明によれば、請求項24に記載の発明において、前記搬送単独工程は、前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品を認識手段の配置箇所まで移動させておこなう形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取り作業時に実行されるので、多品種変量生産時に頻繁におこなわれる供給媒体の交換や、電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正や、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを効率的におこなうことができ、この段取り時においてもプリント配線板の搬送を並行しておこなえ、生産を継続させることができるという効果を奏する。
【0187】
また、請求項26に記載の発明によれば、請求項24または25に記載の発明において、前記プリント配線板の搬送の軌跡と前記ヘッドの通過軌跡とが重ならないよう規制する規制工程を含むので、電子部品を保持したヘッドと生産中のプリント基板の移動時の軌跡が重ならないため、電子部品の落下や干渉が発生せず、製造するプリント配線板の品質を向上できるという効果を奏する。
【0188】
また、請求項27に記載の発明によれば、請求項26に記載の発明において、前記規制工程は、前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送を実行させ、前記実装手段のヘッドを一時停止させるので、プリント配線板の搬送をおこなう際には、ヘッドを停止させることにより、プリント配線板上のヘッドの通過を規制し、部品落下や干渉などを防止できるという効果を奏する。
【0189】
また、請求項28に記載の発明によれば、請求項26に記載の発明において、前記規制工程は、前記プリント配線板が停止している場合には前記実装手段のヘッドの移動を実行させるので、前記プリント配線板が停止している場合に限り前記実装手段のヘッドの移動を実行させることができ、部品落下や干渉などを防止できるという効果を奏する。
【0190】
また、請求項29に記載の発明によれば、電子部品を供給する供給手段と、前記電子部品をプリント配線板に実装する実装手段と、該実装手段が保持する電子部品の形状認識、保持精度などを認識するための認識手段と、前記実装手段のヘッドに対し着脱自在なノズルの交換ステージの各手段の動作と、前記プリント配線板を搬送する搬送手段の動作とを独立して制御可能な電子部品搭載装置を用いて前記電子部品を生産する電子部品生産方法であって、前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを実行した際に、前記搬送手段の搬送制御を並行して実行させる段取り工程を含むため、プリント配線板の搬送と段取りを並行させることができるようになり、段取り作業時においても継続した生産が可能となり、生産性の向上が図れるという効果を奏する。
【0191】
また、請求項30に記載の発明によれば、請求項24〜29のいずれか一つに記載の発明において、前記電子部品搭載装置を複数台連結させた構成時には、前記連結された各電子部品搭載装置の全体に対し、前記供給手段による前記電子部品の供給制御と、前記実装手段のヘッドの移動制御のタクトバランスをとった統括制御を実行する統括制御工程を含むので、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、ヘッドの移動にかかるタクト時間を短時間でおこなえるようになり、生産性の向上が図れるという効果を奏する。
【0192】
また、請求項31に記載の発明によれば、請求項30に記載の発明において、前記統括制御工程は、連結された前記複数台の電子部品搭載装置において前記段取りの実行対象となり得る前記供給手段,前記実装手段,前記認識手段のうち選択された手段に基づき、前記搬送手段を含む非実行対象の手段を選択し、前記プリント配線板の生産を継続させながら前記段取りを実行するので、電子部品搭載装置を複数台連結させた際に、各装置を統括制御することにより、例えば、ある装置に段取りをおこなわせた際に他の装置で生産をおこなわせることができ、必要な段取りを実行させながら生産性を向上できるようになり、多品種変量生産の生産効率を向上できるという効果を奏する。
【0193】
また、請求項32に記載の発明によれば、請求項30または31に記載の発明において、前記複数台の電子部品搭載装置の前後に配置される他の工程の生産時間内で、前記電子部品搭載装置の生産時間が収まるように最小の装置使用台数を求め、使用する複数の電子部品搭載装置の生産順を組み合わせた最適化の実行結果を生産指示として出力する生産指示工程を含むので、生産予定品目に合わせ必要設備台数、占有時間最小の組み合わせを明確に得ることができるようになり、生産設備の効率的な稼働が図れるという効果を奏する。
【0194】
また、請求項33の発明に係るプログラムは、前記請求項24〜31のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させることによって、請求項24〜31のいずれか一つの動作をコンピュータによって実現することが可能なプログラムが得られるという効果を奏する。
【0195】
また、請求項34の発明に係るプログラムは、請求項32に記載された方法により得られた生産指示のデータをNCプログラムの一部として用いるようコンピュータに実行させることによって、請求項32の動作をコンピュータによって実現することが可能なプログラムが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の本実施の形態を説明するための大量生産ラインの構成を示す図である。
【図2】この発明の本実施の形態に係る生産ラインである多品種変量生産ラインの構成を示す図である。
【図3】生産ラインに設けられる部品搭載装置(高速チップマウンター)を示す図である。
【図4】部品搭載装置の供給部(テープフィーダー)を示す図である。
【図5】この発明の生産ラインに設けられる部品搭載装置(異形マウンター)を示す図である。
【図6】部品搭載装置の供給部(スティックフィーダー)を示す図である。
【図7】部品搭載装置の供給部(トレイフィーダー)を示す図である。
【図8】生産ラインにおける設備別対応可否および、搭載タクト/段取り時間例を示す図表である。
【図9】多品種変量生産品種例を示す図表である。
【図10】大量生産ラインにおける生産機能を説明する図表である。
【図11】多品種変量生産ラインにおける生産機能を説明する図表である。
【図12】多品種変量生産ラインにおける生産機能を説明する図表である。
【図13】多品種変量生産ラインにおける生産機能を説明する図表である。
【図14】大量生産ラインにおける編集作業を含む生産機能を説明する図表である。
【図15】多品種変量生産ラインにおける編集作業を含む生産機能を説明する図表である。
【図16】大量生産ラインの稼働例を示す段取りと生産の状況のタイムチャートである。
【図17】多品種変量生産ラインの稼働例を示す段取りと生産の状況のタイムチャートである。
【図18】各装置の段取りと生産状況の例を示す図である。
【図19】多品種変量生産ラインにおける段取りを考慮した生産機能を説明する図表である。
【図20】多品種変量生産ラインにおける段取りと生産の状況のタイムチャートである。
【図21】各装置の段取りと生産状況の他の組み合わせ例である。
【図22】多品種変量生産ラインの段取りと生産の状況のタイムチャート(組み合わせ例)である。
【図23】多品種変量生産ラインの段取りと生産の状況のタイムチャート(最適化例)である。
【図24】大量生産ラインにおける編集作業を含む生産の状況のタイムチャートである。
【図25】多品種変量生産ラインにおける編集作業を含む生産の状況のタイムチャート(最適化例)である。
【図26】異形マウンターにおけるプリント配線板の搬送制御切り替え機能を説明する概要図である。
【図27】段取り作業の作業例を示すフローチャートである。
【図28】異形マウンターにおけるプリント配線板の搬送動作中の吸装着ヘッドの動作を示す図である。
【図29】異形マウンターにおける搬送中のプリント配線板の位置と吸吸装着ヘッドの動作の軌道との重なりを防ぐ制御のフローチャートである。
【図30】生産品種の最小装置使用台数割り出しのフローチャートである。
【図31】生産順の組み合わせを求めるフローチャートである。
【図32】装置使用台数の最適化のフローチャートである。
【図33】電子部品生産システムにおける生産指示作成までの全体処理を示すフローチャートである。
【図34】生産指示リストを示す図である。
【図35】段取り指示リストを示す図である。
【図36】電子部品生産システム全体のタクト向上を図るための構成例を示す図である。
【図37】図5に示した異形マウンターの平面図である。
【図38】他の構成の異形マウンターを示す平面図である。
【図39】さらに他の構成の異形マウンターを示す平面図である。
【図40】両面配備装置を用いた生産と段取り作業の組み合わせ活用例を示す図表である。
【図41】両面配備装置を備えた異形マウンターを複数台連結した場合における生産と段取り作業の組み合わせ活用例を示す図表である。
【図42】上記構成の異形マウンターの設置スペースを説明するための図である。
【図43】両面配備装置を備えた異形マウンターを複数台連結させた場合の設置スペースを示す図である。
【符号の説明】
101 ローダリフター
102 中間コンベア
103 印刷機
104 高速チップマウンター
105,105a,105b 異形マウンター
106 リフロー装置
107 アンローダリフター
308 部品供給部
309 吸装着ヘッド
310 ロータリヘッド
311 高速用ノズル
401 テープフィーダー
416 テープ部品
417 トップテープ
418 キャリアテープ
419 部品収納部
420 角チップ
421 タンタル
422 SOP
509 吸装着ヘッド
512 異形用ノズル
513,514 部品供給部
538 部品認識部
601 スティックフィーダー
624 スティック部
625 スティック
626 電子部品
627 SOP
628 PLCC
701 トレイフィーダー
709 装着ヘッド部
712 異形用吸着ノズル
729 トレイ
730 部品収納部
731 トレイ受けプレート
732 トレイ収納マガジン
733 QFP
734 BGA
735 コネクタ
2601 通常動作(通常の生産動作機能)
2602 プリント配線板搬送単独制御
2604 ノズルチェンジ機能
2836 プリント配線板
2837 部品認識、部品吸着位置
2839 基板搬送レール
3301 生産指示システム
3310 NC作成システム
3320 段取り作成システム
3401 生産指示リスト
3501 段取り指示リスト
3601 中間バッファコンベア
3801 前面配備装置
3901 背面配備装置
4201,4301 必要設置枠

Claims (34)

  1. プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を形成する電子部品搭載装置において、
    チップ部品、半導体部品、コネクタなどの電子部品を搭載する能力を有した搭載装置を複数台連結し、
    前記各搭載装置が、それぞれプリント配線板の基板搬送動作と、生産動作を切り替える制御機能を有したことを特徴とする電子部品搭載装置。
  2. 前記各搭載装置は、
    基板搬送動作制御時には、基板搬送動作とは分離した制御であるトレイ、カセットなどを用いた電子部品の交換作業、電子部品の形状認識、搭載方向、吸着位置などを編集する作業や、NCの入れ替え作業などの生産準備に必要な段取り作業、設備メンテナンスの作業などが可能なことを特徴とする請求項1に記載の電子部品搭載装置。
  3. 前記各搭載装置は、
    基板搬送動作制御時には、搬送レールで搬送されている前記プリント配線板の上部位置を、前記電子部品を保持しているヘッドを通過させないよう制御することを特徴とする請求項2に電子部品搭載装置。
  4. 前記各搭載装置が保有する電子部品の供給部数を基に、生産予定のプリント配線板毎に必要な設備台数を求め、段取りと稼働の組み合わせ時間が最小となる投入順を指示する生産指示手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  5. 前記生産指示手段は、
    各搭載装置の前後工程の生産時間内で、該各搭載装置の生産時間が収まるように設備台数を振り分け設定することを特徴とする請求項4に記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  6. 前記各搭載装置の前後工程を繋ぐ手段として、一時的に前記プリント配線板を複数枚保有するバッファ機能を有するバッファコンベアを設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  7. プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を生産する電子部品搭載装置において、
    それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、
    前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動により前記プリント配線板に実装させる実装手段と、
    前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送制御する搬送手段と、
    前記各手段の動作を統括して前記プリント配線板を生産する通常状態と、前記搬送手段のみを他の手段の制御から分離させ単独で動作させる搬送単独状態とを切り替え可能な制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電子部品搭載装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記供給手段の供給媒体の交換や、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正や、制御プログラムの入れ替え、などの生産準備に必要な段取りを実行する段取り制御と、
    前記搬送手段の搬送制御を並行して実行することを特徴とする請求項7に記載の電子部品搭載装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送の軌跡上に前記実装手段のヘッドの通過軌跡が重なる場合には、該通過軌跡が重ならないよう規制制御することを特徴とする請求項7または8に記載の電子部品搭載装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記規制制御実行時に、前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送を実行させ、前記実装手段のヘッドを一時停止させることを特徴とする請求項9に記載の電子部品搭載装置。
  11. 前記制御手段は、
    前記規制制御実行時に、前記プリント配線板が停止している場合には前記実装手段のヘッドの移動を実行させることを特徴とする請求項9に記載の電子部品搭載装置。
  12. プリント配線板に電子部品を搭載しプリント配線板を生産する電子部品搭載装置において、
    それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、
    前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動により前記プリント配線板に実装させる実装手段と、
    前記実装手段が保持する電子部品の形状認識、保持精度などを認識するための認識手段と、
    前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送レールに沿って搬送制御する搬送手段とを備え、
    前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レールがのびる方向を中心として2つに分割される領域の一方側に配置されたことを特徴とする電子部品搭載装置。
  13. 前記実装手段は、前前記ヘッドに前記電子部品を吸着などで保持するノズルを備え、前記電子部品の形状に対応したノズルを選択するための交換ステージを備えたことを特徴とする請求項12に記載の電子部品搭載装置。
  14. 前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レールがのびる方向を中心として2つに分割される領域の双方にそれぞれ配置されたことを特徴とする請求項12または13に記載の電子部品搭載装置。
  15. 前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段は、前記搬送手段の搬送レール上における前記プリント配線板の実装時の停止位置を中心として点対称に配置されたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の電子部品搭載装置。
  16. 前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品を前記認識手段の配置箇所まで移動させておこなう形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを実行する段取り制御と、
    前記搬送手段の搬送制御とを並行して実行する制御手段を備えたことを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の電子部品搭載装置。
  17. 前記供給手段は、
    テープ体に収容された電子部品を供給するテープフィーダーと、スティック内に収容された電子部品を供給するスティックフィーダーと、トレイ内に収容された電子部品を供給するトレイフィーダーとが選択的に組み合わせて前記供給箇所に配置されることを特徴とする請求項7〜16のいずれか一つに記載の電子部品搭載装置。
  18. 前記電子部品搭載装置を複数台連結させた構成を有し、
    前記連結された各電子部品搭載装置の全体に対し、前記供給手段による前記電子部品の供給制御と、前記実装手段のヘッドの移動制御のタクトバランスをとった統括制御を実行する統括制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項7〜17のいずれか一つに記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  19. 前記統括制御手段は、
    連結された前記複数台の電子部品搭載装置において前記段取りの実行対象となり得る前記供給手段,前記実装手段,前記認識手段のうち選択された手段に基づき、前記搬送手段を含む非実行対象の手段を選択し、前記プリント配線板の生産を継続させながら前記段取りを実行することを特徴とする請求項18に記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  20. 前記統括制御手段は、
    単一の前記電子部品搭載装置内において2つに分割される領域の双方にそれぞれ配置された前記供給手段、前記実装手段および前記認識手段の一対に対して、
    該一対の一方の領域に配置されたいずれかの手段が段取りを実行する際には、前記一対の他方の領域に配置された各手段により前記プリント配線板の生産を継続させることを特徴とする請求項19に記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  21. 前記複数台の電子部品搭載装置の前後に配置される他の工程の生産時間内で、前記電子部品搭載装置の生産時間が収まるように最小の装置使用台数を求め、使用する複数の電子部品搭載装置の生産順を組み合わせた最適化の実行結果を生産指示として出力する生産指示手段を備えたことを特徴とする請求項20に記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  22. 前記連結された複数台の電子部品搭載装置における前記搬送手段の前端および後端には、連結された前後工程の装置との間で前記プリント配線板を受け取り/あるいは受け渡し、一時的に該プリント配線板を複数枚保有するバッファ機能を有するバッファコンベアを設けたことを特徴とする請求項18〜21のいずれか一つに記載の電子部品搭載装置を備えた電子部品生産システム。
  23. 前記請求項18〜22に記載の電子部品生産システムによって生産されることを特徴とするプリント配線板。
  24. それぞれ異なる部品荷姿の供給体を装着して供給されるチップ部品、半導体部品、コネクタなどの各種電子部品を、複数の供給箇所から供給可能な供給手段と、前記複数の供給箇所から供給される前記各種電子部品をヘッドの移動によりプリント配線板に実装させる実装手段と、前記プリント配線板を前記電子部品の実装処理のために搬送制御する搬送手段とを備えた電子部品搭載装置を用いて前記プリント配線板を生産する電子部品生産方法において、
    前記各手段の動作を統括して前記プリント配線板を生産する通常生産工程と、
    前記搬送手段のみを他の手段の制御から分離させ単独で動作させる搬送単独工程とを含み、前記通常生産工程あるいは前記搬送単独工程のいずれかに切り替え可能なことを特徴とする電子部品生産方法。
  25. 前記搬送単独工程は、
    前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品を認識手段の配置箇所まで移動させておこなう形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取り作業時に実行されることを特徴とする請求項24に記載の電子部品生産方法。
  26. 前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送時には、該搬送されている前記プリント配線板の上部位置を、前記実装手段のヘッドが通過しないよう規制する規制工程を含むことを特徴とする請求項24または25に記載の電子部品生産方法。
  27. 前記規制工程は、
    前記搬送手段による前記プリント配線板の搬送を実行させ、前記実装手段のヘッドを一時停止させることを特徴とする請求項26に記載の電子部品生産方法。
  28. 前記規制工程は、
    前記プリント配線板が停止している場合には前記実装手段のヘッドの移動を実行させることを特徴とする請求項26に記載の電子部品生産方法。
  29. 電子部品を供給する供給手段と、前記電子部品をプリント配線板に実装する実装手段と、該実装手段が保持する電子部品の形状認識、保持精度などを認識するための認識手段と、前記実装手段のヘッドに対し着脱自在なノズルの交換ステージの各手段の動作と、前記プリント配線板を搬送する搬送手段の動作とを独立して制御可能な電子部品搭載装置を用いて前記電子部品を生産する電子部品生産方法であって、
    前記供給手段の供給媒体の交換、前記実装手段が保持する電子部品の形状認識,搭載方向,吸着位置の補正、制御プログラムの入れ替えなどの生産準備に必要な段取りを実行した際に、前記搬送手段の搬送制御を並行して実行させる段取り工程を含むことを特徴とする電子部品生産方法。
  30. 前記電子部品搭載装置を複数台連結させた構成時には、
    前記連結された各電子部品搭載装置の全体に対し、前記供給手段による前記電子部品の供給制御と、前記実装手段のヘッドの移動制御のタクトバランスをとった統括制御を実行する統括制御工程を含むことを特徴とする請求項24〜29のいずれか一つに記載の電子部品生産方法。
  31. 前記統括制御工程は、
    連結された前記複数台の電子部品搭載装置において前記段取りの実行対象となり得る前記供給手段,前記実装手段,前記認識手段のうち選択された手段に基づき、前記搬送手段を含む非実行対象の手段を選択し、前記プリント配線板の生産を継続させながら前記段取りを実行することを特徴とする請求項30に記載の電子部品生産方法。
  32. 前記複数台の電子部品搭載装置の前後に配置される他の工程の生産時間内で、前記電子部品搭載装置の生産時間が収まるように最小の装置使用台数を求め、使用する複数の電子部品搭載装置の生産順を組み合わせた最適化の実行結果を生産指示として出力する生産指示工程を含むことを特徴とする請求項30または31に記載の電子部品生産方法。
  33. 前記請求項24〜31のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  34. 前記請求項32に記載された方法により得られた生産指示のデータをNCプログラムの一部として用いるようコンピュータに実行させるプログラム。
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