JP2004006410A - 非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

  【課題】 リチウムイオンを吸蔵放出できる無機物質負極の非水二次電池において充放電サイクルに優れた非水二次電池を提供する。
  【解決手段】 正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、4,7−ジ(4’−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン、3−(2’−ピリジル)−5,6−ジ(4''−スルホフェニル)−1,2,4−トリアジン,二ナトリウム塩、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビキノリン,二ナトリウム塩、2,4,6−トリ(5’−カルボキシ−2’−ピリジル)−1,3,5−トリアジン,三ナトリウム塩、及び5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン,二ナトリウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有する非水二次電池に関する。
【選択図】  なし

Description

 本発明は、非水二次電池のサイクル性改良に関する。
 リチウム金属やリチウム合金を負極の活物質に用いる非水二次電池はアルカリ蓄電池(ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池)に比べ容量が高い電池であが、充放電を繰り返すうちに樹枝状リチウムが発生し内部短絡・発火等の事故を起こしやすい。そのため実用化はコイン型電池のような小容量電池に限られている。この問題に対し、近年リチウムイオンを吸蔵放出することができる無機物質を負極に用い充放電に伴う樹枝状リチウムの成長を抑制する策がとられてきた。その抑制策の一つは焼成炭素質材料を負極に用いた炭素質負極電池である。しかし該炭素質材料はそれ自体導電性であり過充電時に該炭素質材料上に金属リチウムが析出し危険である。また該炭素質材料は体積当たりの放電容量があまり高くできない。そこで更なる高容量化・高安全性化策として遷移金属酸化物を負極に用いる電池が開発された(特許文献1:特願平4−106642)。即ち該非水電池は体積当たり放電容量が高く、しかも負極上に金属リチウムが析出しない。ところが該非水電池には以下のような思わぬ問題点があることがわかった。該非水電池の負極活物質は単位体積あたりの充填量が多くできる性質の他、該負極活物質の電池反応に関与する価数が多い事で炭素質負極より多くの容量を持つと考えられる。従って該非水電池の容量を十分に引き出すためには放電の終止電圧をなるべく低くしたい。しかし放電の終止電圧を下げて行くと、例えば0V まで放電させると、サイクル性が著しく悪化した(負極活物質が炭素質の場合もこの傾向が認められた)。
特願平4−106642
 本発明は上記の問題点、すなわち、非水二次電池、特にリチウムイオンを吸蔵放出できる無機物質(なかでも特にリチウム含有遷移金属酸化物)を負極に用いた非水二次電池において充放電サイクルによる著しい容量低下を軽減させようとするものである。
 本発明の目的は次の手段により達成された。
[第一の手段]  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、4,7−ジ(4’−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリンまたは2,9−ジメチル−4,7−ジ(4’−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリンから選ばれる1,10−フェナントロリン誘導体、3−(2’−ピリジル)−5,6−ジ(4''−スルホフェニル)−1,2,4−トリアジン,二ナトリウム塩、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビキノリン,二ナトリウム塩、2,4,6−トリ(5’−カルボキシ−2’−ピリジル)−1,3,5−トリアジン,三ナトリウム塩、及び5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン,二ナトリウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
[第二の手段]  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、5,10,15,20−テトラ(4’−スルホフェニル)−21H,23H−ポルフィンのリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、5,10,15,20−テトラ(N’−メチルピリジニウム−4’−イル)−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩、5,10,15,20−テトラ{4’−[N−(トリメチル)アンモニオ]フェニル}−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩、及び3,10,17,24−テトラスルホ−29H,31H−フタロシアニンのリチウムまたはナトリウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
[第三の手段]  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、2−(5’−ブロモ−2’−ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)フェノールのリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、2−(5’−ニトロ−2’−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3''−スルホプロピル)アミノ]フェノール,二ナトリウム塩、2−(5’−ブロモ−2’−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3’’−スルホプロピル)アミノ]アニリン,ナトリウム塩、4−(3’,5’−ジブロモ−2’−ピリジルアゾ)−N−エチル−N−(3’’−スルホプロピル)アニリン,ナトリウム塩、1,8−ジヒドロキシ−2−(2’−ピリジルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩、及び4−メチル−5−(スルホメチルアミノ)−2−(2’−チアゾリルアゾ)安息香酸,二リチウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
[第四の手段]  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、1,8−ジヒドロキシ−2,7−ビス(2’−スルホフェニルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸のリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、2,8−ジヒドロキシ−1−(8’−ヒドロキシ−3’,6’−ジスルホナフチルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸の四リチウム塩、2−(2’−アルソノフェニルアゾ)−1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸のリチウムまたはナトリウム塩、及び4,4’−ジ(3'',4''−ジヒドロキシフェニルアゾ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸,二アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
[第五の手段]  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、2,6−ジクロロ−4’−ヒドロキシ−3’,3''−ジメチル−3−スルホフクソン−5’,5''−ジカルボン酸,三ナトリウム塩、3,3’−ジ(N−カルボキシメチルアミノメチル)−o−クレゾールスルホフタレインの三リチウム塩、3,3’−ビス{[N−メチル−N−(カルボキシメチル)]アミノメチル}−o−クレゾールスルホフタレインの三ナトリウム塩、及び3,3’−ビス(N−カルボキシメチルアミノメチル)チモールスルホフタレインの三リチウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
[第六の手段]  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)の八リチウム塩、エチレンジアミン−ビス(メチレンホスホン酸)の四リチウム塩、及びニトリロトリス(メチレンホスホン酸)の六リチウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
[第七の手段]  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸またはリチウムもしくはナトリウムもしくはカリウム塩、8−ヒドロキシ−7−イオドキノリン−5−スルホン酸またはリチウムもしくはナトリウムもしくはカリウム塩、及び8−ヒドロキシ−7−(4’−スルホ−1’−ナフチルアゾ)キノリン−5−スルホン酸またはリチウムもしくはナトリウムもしくはカリウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
 また、本発明は、前記非水二次電池に使用される前記[第一の手段]〜[第七の手段]記載の化合物を含有する非水二次電池用非水電解質に関する。
 本発明は実施例のように、非水二次電池、とくにリチウムイオンを吸蔵放出できる無機物質負極の非水二次電池において充放電サイクルによる著しい容量低下を軽減させることができる。
 本発明の第一の手段の化合物は、4,7−ジ(4’−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリンまたは2,9−ジメチル−4,7−ジ(4’−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリンから選ばれる1,10−フェナントロリン誘導体(本出願中で「誘導体」とは特に断らない限り該化合物そのものも含む)、3−(2’−ピリジル)−5,6−ジ(4''−スルホフェニル)−1,2,4−トリアジン誘導体、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビキノリン誘導体、2,4,6−トリ(5’−カルボキシ−2’−ピリジル)−1,3,5−トリアジン誘導体、及び5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン誘導体である。これらは、酸の塩(酸はスルホン酸、ホスホン酸、アルソン酸、カルボン酸、フェノール性酸などであり、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、またはカルシウム等のアルカリ土類金属との塩、またはアンモニウム等の有機カチオンとの塩)、または、有機カチオンの塩(N−アルキルピリジニウム−4−イル−基、N−トリアルキルアンモニオ−基等の4級アンモニウムのアニオン塩)を1コ以上分子内に有すことが好ましい(スルホン酸、ホスホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、スルホン酸のリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩が最も好ましい)。該酸の塩はより具体的には4−スルホフェニル基、4−ホスホフェニル基、4−アルソフェニル基、4−カルボキシフェニル基、フェノール、スルホアルキル(炭素数1から8、例えばプロピル、ブチルなど。以下に続くアルキルも同様)基、ホスホアルキル基、アルソアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホ基、アルソ基のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム塩である。該有機カチオンの塩はより具体的には、4−[N−(トリメチル)アミノ]フェニル基、N−メチルピリジニウム−4−イル基などの、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、クロルなどの塩である。
 本発明の第一の手段の化合物は、さらに具体的には4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二ナトリウム塩[52746−49−3]([]内の数字はCAS登録番号、以下同様)、4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二リチウム塩、4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二カリウム塩、2,9−ジメチル−4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二ナトリウム塩[52698−84−7]、3−(2'−ピリジル)−5,6−ビス(4''−スルホフェニル)−1,2,4−トリアジン,二ナトリウム塩[63451−29−6][28048−33−1]、4,4'−ジカルボキシ−2,2'−ビキノリン,二ナトリウム塩[979−88−4]、2,4,6−トリ(5'−カルボキシ−2'−ピリジル)−1,3,5−トリアジン,三ナトリウム塩、5,5'−ジカルボキシ−2,2'−ビピリジン,二ナトリウム塩が挙げられる。
 本発明の第二の手段の化合物は、具体的には5,10,15,20−テトラ(4'−スルホフェニル)−21H,23H−ポルフィン[35218−75−8]の四リチウム塩、5,10,15,20−テトラ(N'−メチルピリジニウム−4'−イル)−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩[36951−72−1]、5,10,15,20−テトラ{4'−[N−(トリメチル)アンモニオ]フェニル}−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩、3,10,17,24−テトラスルホ−29H,31H−フタロシアニンの四ナトリウム塩が挙げられる。
 また本発明の第三の手段の化合物は、具体的には、2−(5’−ブロモ−2’−ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール[81608−06−2]のリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、2−(5'−ニトロ−2'−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3''−スルホプロピル)アミノ]フェノール,二ナトリウム塩[113516−70−4]、2−(5'−ブロモ−2'−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3''−スルホプロピル)アミノ]アニリン,ナトリウム塩[86035−60−7]、4−(3',5'−ジブロモ−2'−ピリジルアゾ)−N−エチル−N−(3'−スルホプロピル)アニリン,ナトリウム塩[100743−65−5]、1,8−ジヒドロキシ−2−(2'−ピリジルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩[2113−70−4]、4−メチル−5−(スルホメチルアミノ)−2−(2'−チアゾリルアゾ)安息香酸[82138−69−0]の二リチウム塩が最も好ましい。
 本発明の第四の手段の化合物は、具体的には1,8−ジヒドロキシ−2,7−ビス(2’−スルホフェニルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸[1738−02−9]<慣用名:スルホナゾ−III>のリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、2,8−ジヒドロキシ−1−(8’−ヒドロキシ−3’,6’−ジスルホナフチルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸<慣用名:カルシクローム>の四リチウム塩、2−(2’−アルソノフェニルアゾ)−1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸[3547−38−4]<慣用名:ネオトリン>のリチウムまたはナトリウム塩、4,4’−ジ(3'',4''−ジヒドロキシフェニルアゾ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸,二アンモニウム塩[1571−36−4]<スチルバゾ>から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
 本発明の第五の手段の化合物は、具体的には2,6−ジクロロ−4’−ヒドロキシ−3’,3''−ジメチル−3−スルホフクソン−5’,5''−ジカルボン酸,三ナトリウム塩[1667−99−8]<クロマズロールS>、3,3’−ジ(N−カルボキシメチルアミノメチル)−o−クレゾールスルホフタレインの三リチウム塩[3810−63−7]<慣用名:GTB>の三リチウム塩、3,3’−ビス{[N−メチル−N−(カルボキシメチル)]アミノメチル}−o−クレゾールスルホフタレイン[65720−39−0]<慣用名:SCR>の三ナトリウム塩、3,3’−ビス(N−カルボキシメチルアミノメチル)チモールスルホフタレイン[3810−63−7]<慣用名:GTB>の三リチウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
 本発明の第六の手段の化合物は、さらに具体的にはエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)<EDTPO>の八リチウム塩、エチレンジアミン−ビス(メチレンホスホン酸)<EDDPO>の四リチウム塩、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)<NTPO>の六リチウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
 本発明の第七の手段の化合物は、具体的には8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸またはその塩(リチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩以下同様)、8−ヒドロキシ−7−イオドキノリン−5−スルホン酸またはその塩、8−ヒドロキシ−7−(4’−スルホ−1’−ナフチルアゾ)キノリン−5−スルホン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
 本発明の化合物は、液体非水電解質に適当量(好ましくは20から100,000ppm ([本発明化合物重量]/[液体非水電解質重量]*1,000,000)、より好ましくは200から50,000ppm、最も好ましくは2,000 から20,000ppm)添加しても良いし、負極およびまたは正極の塗布液中に適当量(後述、添加する面に於ける平均値となる量)含ませても良い。また、正極シート、負極シート、セパレーター、正極集電体(支持体)、負極集電体(支持体)、正極リードタブ、負極リードタブ、電池缶、封口板などの表面に予め(後述、添加する面に於ける平均値)含ませておいても良い。本発明の化合物は、液体非水電解質、負極シート、負極集電体(支持体)、電池缶内面、負極リード、セパレーターなど負極または負極と接する部分に含ませるのが好ましい。さらに本発明の化合物は、負極シート(負極の塗布液に添加しておくまたは塗布後負極シートを本発明の化合物を含む液に浸漬する)、負極集電体(支持体)、電池缶内面、負極リード、など負極または負極と接続された固体部分に含ませると、添加量が著しく少なくてすみより好ましい。本発明の化合物の最も効果的な適用方法は、本発明の化合物を水に溶解し、この水溶液に電池缶、負極集電体(支持体)、負極リードタブ、負極シートを浸漬し(ただ浸すだけでも良いし、場合によっては超音波をかける、或いは直流電源を接続してプラス0.2〜10V、マイナス0.2から10Vの電圧を印加する、或いは1から1000ヘルツ波高値10から10000mVの交流を印加する等しても良い)、乾燥後用いることである。負極活物質の塗布液が水系(水を分散溶媒としている系)の場合は、負極活物質の水系塗布液に該水溶液を添加しても良い。この場合の添加量(添加する面に於ける平均値は、好ましくは0.1から5,000ミリグラム/平方メートルであり、より好ましくは0.5から1,000ミリグラム/平方メートルであり、最も好ましくは1から100ミリグラム/平方メートルである。
 本発明で使用できる正極活物質は、非水電池用電極材料であれば良いが、特に無機化合物正極活物質のうち、Co酸化物(特開昭52−12,424、DE2,606,915など)、Li−Co酸化物(US3,945,848、US4,340,652など)、Li−Ni−Co酸化物(EP243,926A、特開昭63−114,063、特開昭63−211,565、特開昭63−299,056、特開平1−120,765など)、V酸化物(FR21,611,796、特開昭55−53,077、特開昭62−140,362、特開昭62−227,358など)、Li−V酸化物(電気化学48巻432(1980)、ジャーナル オブ エレクトロケミカル ソサエティー 130巻1225(1983)、特開平2−12,769など)、Mn酸化物(EP269,855、特開昭63−58,761、など)、Li−Mn酸化物(特開昭56−136,464、特開昭56−114,064、特開昭56−114,065、特開昭56−148,550、特開昭56−221,559、特開平1−5,459、特開平1−109,662、特開平1−128,371、特開平1−209,663、特開平2−27,660)、Li−Ni−Mn酸化物(特開昭63−210,028など)などがあげられる。
 本発明で使用できる負極活物質は焼成炭素質材料(特開昭58−209,864等)、TiS、LiTiS(米国特許第3,983,476)、WO(米国特許第4,198,476)、LiFe(Fe)Oなどのスピネル化合物(特開昭58−220362)、Feのリチウム化合物(特開平3−112070)、Nb(特公昭62−59412、特開平2−82447)、酸化鉄、FeO、Fe、Fe、酸化コバルト、CoO、Co、Co(特開平3−291862)、Li含有遷移金属酸化物(Li(p)M(q)M(1-q)O(r)の式で示される物質を言う。ここで、MはCo、Ni、Znから選ばれる少なくとも一種、MはV、Nbから選ばれる少なくとも一種、(p)、(q)、(1-q)、(r)は化合物の元素組成を示す下付き数字を表し、(p)=0〜3、(q)=0〜1、(r)=1.2〜5.5である。これらの化合物のうち、焼成により得られたリチウム含有遷移金属酸化物がより好ましく、化学的にリチウムイオンを挿入して結晶の基本構造を変化させた焼成により得られたリチウム含有遷移金属酸化物が最も好ましい。)等である。
 導電剤として電極合剤には、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148,554)など)粉、金属繊維あるい、ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971)などの導電性材料を1種以上含ませることができる。添加量は1から50重量パーセントが好ましく、とくに2から30重量パーセントが好ましい。C/A比、結着剤、電極合剤調製、支持体は特願平5−114931明細書「C/A比」「結着剤」「電極合剤の調製」「電極合剤の支持体」の記載に従い、とくに支持体はSUS304、SUS316系のステンレス箔、銅箔、ニッケル箔等が用いられる。本発明の化合物は支持体が銅箔、ニッケル箔等の時に特に有効である。電極合剤塗布は特願平5−114931明細書「電極合剤の塗布」の記載に従う。塗布シートの乾燥は特願平5−114931明細書「塗布されたシート状の電極の乾燥方法」記載に従う。該電極シートは必要に応じてプレスされる。電極シートの裁断は特願平5−114931明細書「裁断」に従う。シート状電極の脱水は特願平5−114931明細書「脱水」に従う。シート状態充電及びリードタブは特願平5−114931明細書「シート状態での充電」および「リードタブの取り付け」に従う。セパレーターは特願平5−114931明細書「セパレーター」、巻き芯は特願平5−114931明細書「巻芯」、電極の巻回は特願平5−114931明細書「電極の巻回」に従う。また巻回した電極体は断面が略円形の円柱状にてしも良いし、断面が長円の長円柱状にしても良い。本実施例は断面略円形の円柱状電極を用いた電池であるが、巻回電極体の直系の1/3から1/2、あるいは2/3の直系の太い巻き軸を用いて巻回し、巻回後巻き軸を抜き取って電極体に力を加えて変形させ、長円柱にしてもよい。また長方形板を巻き軸として長円柱に巻いてもよい。こうして長円柱状に形成した電極体は長円筒の有底缶に収納され、長円体のガスケット、長円体の封口体を重ねて開口部を閉塞し、クリンプして固定される。
 巻止は特願平5−114931明細書「巻止」に従う。また巻止は電極体の外周にセパレータを1周、2周、3周、4周、5周程度余計に巻き、外周を超音波やヒーターで熱溶着して止めても良い。電池缶は特願平5−114931明細書「電池缶」に従い、深絞りした鉄の缶にニッケルメッキ(電気メッキ、無電解メッキ)したもの、ニッケルメッキ鋼板を深絞りしたもの、ステンレス鋼を深絞りしたものが用いられる。本発明の化合物は鉄缶のニッケルメッキ品、ニッケルメッキ鋼板の缶のとき有効である。また電池缶の形状は有底円筒状、有底長円筒状、有底長方筒状などである。絶縁板は特願平5−114931明細書「絶縁板」に従う。電極体の挿入及びリードタブ溶接及びビードは特願平5−114931明細書「電極体の挿入」「リードタブ溶接」「ビード」に従う。シール剤は特願平5−114931明細書「シール剤」に従う。
 本発明で言う非水電解質とは、プロピオンカーボネート、エチレンカーボネート、ガンマ−ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、リン酸トリエステル(特開昭60−23,973)、トリメトキシメタン(特開昭61−4,170)、ジオキソラン誘導体(特開昭62−15,771、特開昭62−22,372、特開昭62−108,474)、スルホラン(特開昭62−31,959)、3−メチル−2−オキサゾリジノン(特開昭62−44,961)、プロピオンカーボネート誘導体(特開昭62−290,069、特開昭62−290,071)、テトラヒドロフラン誘導体(特開昭63−32,872)、エチルエーテル(特開昭63−62,166)、1,3−プロパンスルトン(特開昭63−102,173)などの非プロトン性有機溶媒の少なくとも1種以上を混合した溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩、例えば、ClO 、BF 、PF 、CFSO、CFCO、AsF、SbF、B10Cl10(特開昭57−74,974)、(1,2−ジメトキシエタン)2ClO (特開昭57−74,977)、低級脂肪族カルボン酸塩(特開昭60−41,773)、AlCl 、Cl、Br、I(特開昭60−247,265)、クロロボラン化合物(特開昭61−165,957)、四フェニルホウ酸(特開昭61−214,376)などの一種以上から構成されたものを言う。なかでも、プロピオンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの混合液にLiBFを含む電解液、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液にLiPFを含む電解液が好的である。電解液の水分含量は好ましくは500ppm以下、より好ましくは50ppm以下、最も好ましくは20ppm以下である。また、ポリマーにこれらの非水電解液を含ませゲル状にしても良い。
 電池内部に残す気相及びガスケットは特願平5−114931明細書「ガスケット」に従い、封口板及びキャップは特願平5−114931明細書「封口板」「キャップ」に従い、安全素子及び封口は特願平5−114931明細書「安全素子」「封口」に従い、電池缶の絞り及び絶縁及び洗浄は特願平5−114931明細書「電池缶の絞り」「絶縁」「洗浄」に従い、部材公差は特願平5−114931明細書「部材公差」に従い、後処理及び外装は特願平5−114931明細書「後処理」「外装」に従い、電池パックは特願平5−114931明細書「電池パック」に従い、充電及び使用機器は特願平5−114931明細書「充電」「使用機器」に従う。
 以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[遷移金属酸化物を負極に用いる電池の例]
電池作成1
正極活物質としてLiCoO、導電剤としてアセチレンブラックをそれぞれ87重量部、10重量部の割合で混合し、さらに結着剤として固形分で3重量部のポリフッ化ビニリデン溶液を加え混練した後、厚さ20ミクロンのアルミニウム箔集電体の両面に塗布した。該ポリフッ化ビニリデン溶液の溶媒としてはN−メチルピロリドンを使用した。上記塗布物を乾燥後、ローラープレス機により圧縮成型し、さらにこれを切断して帯状の正極シートを作成した。負極活物質としてLiVCoO(該活物質は摂氏800度6時間空気中で焼成した)、導電剤としてアセチレンブラック、グラファイトをそれぞれ86重量部、3重量部、6重量部の割合で混合し、さらに結着剤として固形分で4重量部のSBR(スチレン−ブタジエンゴム)水分散液、固形分で1重量部のカルボキシメチルセルロース水溶液を加え、水を媒体として混練した後、これを負極塗布液として厚さ20ミクロンの銅箔支持体(集電体)の両面に塗布した。上記塗布物を乾燥後これを切断して帯状の負極シートを作成した。
 微孔性ポリプロピレン製セパレーター(セルガード2400)、上記負極シート、微孔性ポリプロピレン製セパレーターおよび上記正極シートの順で積層し、これを渦巻き状に巻回し、この巻回体を負極端子を兼ねる、ニッケルめっきを施した鉄製の有底円筒型電池缶に収納した。さらに液体非水電解質として1000モル/立方メートルの六弗化りん酸リチウム(エチレンカーボネートとブチレンカーボネートとジエチルカーボネートの2:2:6の混合液)を電池缶内に注入した。安全弁を有する正極端子を兼ねる電池蓋をガスケットを介してかしめて図1の円筒型電池を作成した。なお正極端子は正極シートとアルミニウムのリードタブを用いて、負極缶は負極シートとニツケルのリードタブを用いて予め電池内部で接続した。
「実施例1」
 4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二ナトリウム塩[52746−49−3]を負極塗布液に、塗布後の負極片面の単位面積当たりの塗布量が10ミリグラム/平方メートルとなる量添加した他は、電池作成1に従って実施例1の電池を作成した。
「実施例2」
 4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二リチウム塩の100モル/立方メートル水溶液に負極に用いる銅箔支持体を1時間浸漬して引き上げ温風乾燥した。該銅箔片面当たりの該化合物の付着量は2.1ミリグラム/平方メートルであった。該銅箔を負極の支持体として用いた他は電池作成1に従って実施例2の電池を作成した。
「実施例3」
 4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二カリウム塩を実施例1の方法で18ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例4」
 2,9−ジメチル−4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二ナトリウム塩[52698−84−7]を実施例2の方法で3.5 ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例5」
 3−(2'−ピリジル)−5,6−ジ(4''−スルホフェニル)−1,2,4−トリアジン,二ナトリウム塩[63451−29−6][28048−33−1]を実施例1の方法で24ミリグラム/平方メートルとなる
量添加した。
「実施例6」
 4,4'−ジカルボキシ−2,2'−ビキノリン,二ナトリウム塩[979−88−4]を実施例1の方法で7.5ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例7」
 2,4,6−トリ(5'−カルボキシ−2'−ピリジル)−1,3,5−トリアジン,三ナトリウム塩を実施例1の方法で35ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例8」
 5,5'−ジカルボキシ−2,2'−ビピリジン,二ナトリウム塩を実施例1の方法で81ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例9」
 5,10,15,20−テトラ(4'−スルホフェニル)−21H,23H−ポルフィン[35218−75−8]の四リチウム塩を実施例2の方法で6ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例10」
 3,10,17,24−テトラスルホ−29H,31H−フタロシアニン,四ナトリウム塩を実施例2の方法で26ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例11」
 5,10,15,20−テトラ(N'−メチルピリジニウム−4'−イル)−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩[36951 −72−1]を実施例1の方法で37ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例12」
 5,10,15,20−テトラ{4'−[N−(トリメチル)アンモニオ]フェニル}−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩を実施例1の方法で54ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例13」
 2−(5'−ブロモ−2'−ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール[81608−06−2]のリチウム塩の100モル/立方メートル水溶液に負極に用いる銅箔支持体、負極缶、負極リードタブを1時間浸漬して引き上げ温風乾燥した。該支持体、缶、タブ片面当たりの該化合物の付着量は8から11ミリグラム/平方メートルであった。該支持体、缶、タブを用いた他は電池作成1と同様に実施例13の電池を作成した。
「実施例14」
 2−(5'−ブロモ−2'−ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール[81608−06−2]のナトリウム塩を実施例13の方法で9から13ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例15」
 2−(5'−ブロモ−2'−ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール[81608−06−2]カリウム塩を実施例13の方法で7から18ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例16」
 2−(5'−ニトロ−2'−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3''−スルホプロピル)アミノ]フェノール,二ナトリウム塩[113516−70−4]を実施例1の方法で115ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例17」
 2−(5'−ブロモ−2'−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3''−スルホプロピル)アミノ]アニリン,ナトリウム塩[86035−60−7]を実施例1の方法で72ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例18」
 4−(3',5'−ジブロモ−2'−ピリジルアゾ)−N−エチル−N−(3''−スルホプロピル)アニリン,ナトリウム塩[100743−65−5]を実施例1 の方法で93ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例19」
 1,8−ジヒドロキシ−2−(2'−ピリジルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩[2113−70−4]を実施例1の方法で108ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例20」
 4−メチル−5−(スルホメチルアミノ)−2−(2'−チアゾリルアゾ)安息香酸[82138−69−0]の二リチウム塩を実施例1の方法で104ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例21」
 スルホナゾ−IIIのリチウム塩を実施例2の方法で14ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例22」
 スルホナゾ−IIIのナトリウム塩を実施例2の方法で17ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例23」
 スルホナゾ−IIIのカリウム塩を実施例2の方法で13ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例24」
 カルシクロームの四リチウム塩を実施例2の方法で16ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例25」
 ネオトリンのナトリウム塩を実施例2の方法で19ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例26」
 スチルバゾを実施例2の方法で33ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例27」
 クロマズロールSを実施例1の方法で320ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例28」
 GCRの三リチウム塩を実施例1の方法で290ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例29」
 SCRの三ナトリウム塩を実施例1の方法で300ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例30」
 GTBの三リチウム塩を実施例1の方法で350ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例31」
 EDTPOの八リチウム塩を実施例2の方法で91ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例32」
 EDDPOの四リチウム塩を実施例2の方法で45ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例33」
 NTPOの六リチウム塩を実施例2の方法で150ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例34」
 8−ヒヒドロキシキノリン−5−スルホン酸ナトリウム塩を実施例2の方法で11ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例35」
 8−ヒドロキシ−7−(4'−ホスホ−1'−ナフチルアゾ)キノリン−5−スルホン酸,二ナトリウム塩を実施例2の方法で40ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例36」
 8−ヒヒドロキシ−7−イオドキノリン−5−スルホン酸ナトリウム塩を実施例2の方法で25ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「比較例1」
 電池作成1に従って比較例1の電池を作成した。
[測定1]
 各電池を電流値100mAで4.1Vまで充電し、続いて電流値100mAで0Vまで放電した。この操作を繰り返し充放電サイクルに伴う放電容量の変化を測定した。結果を表1に示す(表1は第1サイクルの放電容量を100としたときの各サイクルの放電容量を示す。「第5」は第5サイクル、「第10」は第10サイクルの放電容量を表す)。
(表1 )
       第1   第5  第10  第15  第20
−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1   100  98   91   84   81
実施例2   100  98   92   87   83
実施例3   100  97   89   85   80
実施例4   100  96   90   85   82
実施例5   100  94   89   83   77
実施例6   100  89   77   61   53
実施例7   100  87   75   63   48
実施例8   100  77   64   47   39
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例9   100  97   93   88   84
実施例10  100  96   90   85   80
実施例11  100  94   87   83   75
実施例12  100  95   87   81   76
−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例13  100  93   88   85   80
実施例14  100  94   87   81   74
実施例15  100  91   84   78   71
実施例16  100  92   85   79   73
実施例17  100  92   86   82   75
実施例18  100  92   85   77   72
実施例19  100  93   84   78   74
実施例20  100  91   81   78   70
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例21  100  90   84   79   76
実施例22  100  87   78   74   69
実施例23  100  89   81   68   65
実施例24  100  86   75   63   54
実施例25  100  79   70   62   51
実施例26  100  83   74   65   52
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例27  100  82   76   63   51
実施例28  100  87   70   65   59
実施例29  100  89   76   68   53
実施例30  100  85   76   63   57
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例31  100  82   73   65   51
実施例32  100  78   71   68   55
実施例33  100  71   59   43   35
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例34  100  89   84   78   71
実施例35  100  91   86   80   77
実施例36  100  88   83   76   72
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
比較例1   100  72   18   12    8
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
[負極活物質が炭素質の場合の例]
電池作成2
 負極活物質として焼成炭素質材料95重量部、結着剤として固形分で4重量部のSBR(スチレン−ブタジエンゴム)水分散液、固形分で1重量部のカルボキシメチルセルロース水溶液を加え、水を媒体として混練した後、これを負極塗布液として厚さ17ミクロンの銅箔支持体(集電体)の両面に塗布した。上記塗布物を乾燥後これを切断して帯状の負極シートを作成した。これ以外の点は電池作成1と同様に電池を作成した。
「実施例37」
 4,7−ジ(4'−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリン,二リチウム塩の10モル/立方メートル水溶液を負極に用いる銅箔支持体に噴霧し温風乾燥した。該銅箔片面当たりの該化合物の付着量は12ミリグラム/平方メートルであった。該銅箔を負極の支持体として用いた他は電池作成2に従って実施例37の電池を作成した。
「実施例38」
 5,10,15,20−テトラ(4'−スルホフェニル)−21H,23H−ポルフィン[35218−75−8]の四リチウム塩を実施例37の方法で17ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例39」
 2−(5'−ブロモ−2'−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3''−スルホプロピル)アミノ]アニリン,ナトリウム塩[86035−60−7]を実施例1の方法で105ミリグラム/平方メートルとなる量添加し、あとは電池作成2に従った。
「実施例40」
 カルシクロームの四リチウム塩を実施例37の方法で24ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例41」
 クロマズロールSを実施例39の方法で320ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例42」
 EDTPOの八リチウム塩を実施例37の方法で120ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「実施例43」
8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸ナトリウム塩を実施例37の方法で11ミリグラム/平方メートルとなる量添加した。
「比較例2」
 電池作成2に従って比較例2の電池を作成した。
[測定2]
 各電池を電流値100mAで4.1Vまで充電し、続いて電流値100mAで0Vまで放電した。この操作を繰り返し充放電サイクルに伴う放電容量の変化を測定した。結果を表2に示す(表2は第1サイクルの放電容量を100としたときの各サイクルの放電容量を示す。「第5」は第5サイクル、「第10」は第10サイクルの放電容量を表す)。
(表2 )
       第1   第5  第10  第15  第20
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例37  100  98   95   92   91
実施例38  100  98   96   93   92
実施例39  100  97   94   88   86
実施例40  100  93   84   75   66
実施例41  100  94   83   72   62
実施例42  100  92   81   75   63
実施例43  100  92   89   80   74
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
比較例2   100  87   75   59   48
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明の電池の例である。
符号の説明
1 合成樹脂(ポリプロピレン)製絶縁封口体
2 負極端子を兼ねる負極缶(電池缶)
3 負極
4 セパレーター
5 正極
6 液体非水電解質
7 可撓性薄板の弁体
8 正極端子を兼ねる正極キャップ
9 切り刃
10 封口板
11 リング

Claims (8)

  1.  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、4,7−ジ(4’−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリンまたは2,9−ジメチル−4,7−ジ(4’−スルホフェニル)−1,10−フェナントロリンから選ばれる1,10−フェナントロリン誘導体、3−(2’−ピリジル)−5,6−ジ(4''−スルホフェニル)−1,2,4−トリアジン,二ナトリウム塩、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビキノリン,二ナトリウム塩、2,4,6−トリ(5’−カルボキシ−2’−ピリジル)−1,3,5−トリアジン,三ナトリウム塩、及び5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン,二ナトリウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
  2.  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、5,10,15,20−テトラ(4’−スルホフェニル)−21H,23H−ポルフィンのリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、5,10,15,20−テトラ(N’−メチルピリジニウム−4’−イル)−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩、5,10,15,20−テトラ{4’−[N−(トリメチル)アンモニオ]フェニル}−21H,23H−ポルフィン,テトラ(p−トルエンスルホン酸)塩、及び3,10,17,24−テトラスルホ−29H,31H−フタロシアニンのリチウムまたはナトリウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
  3.  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、2−(5’−ブロモ−2’−ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)フェノールのリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、2−(5’−ニトロ−2’−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3''−スルホプロピル)アミノ]フェノール,二ナトリウム塩、2−(5’−ブロモ−2’−ピリジルアゾ)−5−[N−プロピル−N−(3’’−スルホプロピル)アミノ]アニリン,ナトリウム塩、4−(3’,5’−ジブロモ−2’−ピリジルアゾ)−N−エチル−N−(3’’−スルホプロピル)アニリン,ナトリウム塩、1,8−ジヒドロキシ−2−(2’−ピリジルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩、及び4−メチル−5−(スルホメチルアミノ)−2−(2’−チアゾリルアゾ)安息香酸,二リチウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
  4.  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、1,8−ジヒドロキシ−2,7−ビス(2’−スルホフェニルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸のリチウムまたはナトリウムまたはカリウム塩、2,8−ジヒドロキシ−1−(8’−ヒドロキシ−3’,6’−ジスルホナフチルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸の四リチウム塩、2−(2’−アルソノフェニルアゾ)−1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸のリチウムまたはナトリウム塩、及び4,4’−ジ(3'',4''−ジヒドロキシフェニルアゾ)−2,2’−スチルベンジスルホン酸,二アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
  5.  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、2,6−ジクロロ−4’−ヒドロキシ−3’,3''−ジメチル−3−スルホフクソン−5’,5''−ジカルボン酸,三ナトリウム塩、3,3’−ジ(N−カルボキシメチルアミノメチル)−o−クレゾールスルホフタレインの三リチウム塩、3,3’−ビス{[N−メチル−N−(カルボキシメチル)]アミノメチル}−o−クレゾールスルホフタレインの三ナトリウム塩、及び3,3’−ビス(N−カルボキシメチルアミノメチル)チモールスルホフタレインの三リチウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
  6.  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)の八リチウム塩、エチレンジアミン−ビス(メチレンホスホン酸)の四リチウム塩、及びニトリロトリス(メチレンホスホン酸)の六リチウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
  7.  正極、負極、非水電解質からなる非水二次電池において、該正極が無機化合物正極活物質からなり、該負極が焼成炭素質材料又はリチウム遷移金属酸化物からなり、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸またはリチウムもしくはナトリウムもしくはカリウム塩、8−ヒドロキシ−7−イオドキノリン−5−スルホン酸またはリチウムもしくはナトリウムもしくはカリウム塩、及び8−ヒドロキシ−7−(4’−スルホ−1’−ナフチルアゾ)キノリン−5−スルホン酸またはリチウムもしくはナトリウムもしくはカリウム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、且つ安全素子を有することを特徴とする非水二次電池。
  8.  前記非水二次電池に使用される請求項1〜7記載の化合物を含有する非水二次電池用非水電解質。
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JP2013182674A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Sekisui Chem Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極剤、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池

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