JP2004002766A - 変性共役ジエン重合体からなる接着剤組成物、および複合成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭化水素ポリマー成形体と、異種材料成形体とが強固に接着された複合成形体を得ること。
【解決手段】(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物(c1)、(ii)該付加反応生成物(c1)の水素添加物(c2)、(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)、および(iv)該環化物(c3)の水素添加物(c4)の中から選ばれる変性重合体(c)であって、環化率が30〜95%、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量が0.1〜20重量%である変性重合体(c)を主成分とする接着剤組成物を用いて、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とを接着する。
【選択図】 なし
【解決手段】(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物(c1)、(ii)該付加反応生成物(c1)の水素添加物(c2)、(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)、および(iv)該環化物(c3)の水素添加物(c4)の中から選ばれる変性重合体(c)であって、環化率が30〜95%、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量が0.1〜20重量%である変性重合体(c)を主成分とする接着剤組成物を用いて、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とを接着する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共役ジエン重合体の変性重合体を主成分として含む接着剤組成物、および該接着剤組成物の層を介して、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とが接着されてなる複合成形体に関する。
上記接着剤組成物を用いれば、被着体である炭化水素ポリマー成形体および異種材料成形体の前処理またはプライマーの塗布などの予備処理を行なわずに強固に接着された複合成形体を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素ポリマー、特に、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂の成形品は種々の分野で使用されている。それらの成形品の多くは、金属や布地などの他の異種材料と組み合わせて、自動車、家庭電気製品、建築材料などに使用されている。また、耐食材および軽量構造材として使用されているオレフィン系樹脂も、鋼板・アルミ板などの金属板との積層体として使用されている。しかしながら、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂は、非極性で溶解度パラメーター(Sp値)が低いため、鉄・アルミニウムなどの金属、ガラス、セラミックス、布地、極性を有するポリマーなどの異種材料との接着が困難な材料である。
【0003】
そのため、接着性を向上する目的で、被着体である非極性炭化水素ポリマーおよび異種材料の少なくとも一方について、前処理するかまたはプライマーを塗布するなどの予備処理を行う方法が提案されている。しかしながら、これらの予備処理によっても概して十分な接着強度は得られず、また、被着体の材料組成に依存して接着効果が変動し、適用被着体が制約されるという問題があった。
【0004】
被着体の前処理、およびプライマー塗布などの予備処理を行わずに被着体の直接接着を達成する技術として、塩素含有量20〜30重量%の塩素化ポリプロピレンおよびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックポリマーおよび水添テルペン樹脂からなる接着層を介して、ポリオレフィン成形品と異種材料とを接着した複合品が提案されている(特公平6−94207号公報)が、一方の被着体であるポリオレフィン成形品がポリエチレンやポリプロピレンなどの結晶性ポリオレフィン樹脂からなる場合は、接着強度が不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、被着体である炭化水素ポリマー成形体および異種材料成形体の前処理、およびプライマー塗布などの予備処理を行わずに、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とを強固に接着できる接着剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、被着体である炭化水素ポリマーと異種材料とが強固に接着されてなる複合成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定範囲の割合で環化されており、かつ、α,β−不飽和カルボン酸化合物で特定割合に変性された共役ジエン重合体を主成分とする接着剤組成物を用いることにより、炭化水素ポリマーと異種材料とを強固に接着できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば、第一に、(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物(c1)、(ii)該付加反応生成物(c1)の水素添加物(c2)、(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)、および(iv)該環化物(c3)の水素添加物(c4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の変性共役ジエン重合体(c)であって、環化率が30〜95%、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量が0.1〜20重量%である変性共役ジエン重合体(c)を含んでなる接着剤組成物が提供される。
第二に、上記接着剤組成物の層を介して、炭化水素ポリマー成形体と異種材料とが接着されてなる複合成形体が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物は、下記(i)〜(iv)の中から選ばれた少なくとも一種の変性共役ジエン重合体 (c)を主成分として含み、該変性共役ジエン重合体(c)の環化率が30〜95%、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加量が0.1〜20重量%のものである。
(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物(c1)
(ii)該付加反応生成物(c1)の水素添加物(c2)
(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)
(iv)該環化物(c3)の水素添加物(c4)
上記(i)〜(iv)の変性共役ジエン重合体の中でも(i)および(ii)の変性共役ジエン重合体(c1、c2)が好ましい。
【0009】
上記変性共役ジエン重合体(c)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加量が、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%であり、環化率が30〜95%、好ましくは50〜90%、より好ましくは60〜85%のものである。環化率が小さすぎても、大きすぎても、また、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加量が小さすぎても、大きすぎても炭化水素ポリマー成形体と異種材料との接着強度が低下する。
【0010】
本発明において、変性共役ジエン重合体(c)の環化率は、共役ジエン重合体の不飽和結合量の環化反応による変化度を示す尺度であり、ManfredGordonら,IndustrialandEngineeringChemistry,Vol.43,No.2,p.386(1951)、YasuyukiTanakaら,J.PolymerScience:PolymerChemicalEdition,Vol.17,p.3027(1979)などに記載される方法により、共役ジエン重合体中の環化反応前後の不飽和結合量をそれぞれプロトンNMRで測定することにより求めることができる。具体的には、共役ジエン重合体中の二重結合に由来するプロトンのピーク面積を環化反応前後でそれぞれ測定し、環化反応前の面積を100としたときに環化反応後の面積(X)の割合、すなわち、環化物中に残存する二重結合の割合を求める。そして、計算式(100−X)により環化率(%)を求めることができる。
【0011】
本発明において用いる変性共役ジエン重合体(c)のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量は、変性共役ジエン重合体(c)重量に対し、付加されているα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の重量割合(重量%)であり、変性共役ジエン重合体(c)の酸価から、以下の計算式により求めることができる。
付加量(重量%)=[酸価/(水酸化カリウムの分子量〔56.11〕×1000)]×(α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の分子量/n)×100(n:α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の価数)
なお、酸価は変性共役ジエン重合体(c)1グラム当たりの酸を中和するのに必要な水酸化カリウムの重量(ミリグラム)で表され、滴定により求めることができる。
【0012】
本発明に用いる変性共役ジエン重合体(c)を構成する共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体であって、共役ジエン単量体の単独重合体またはその他の共役ジエン単量体との共重合体、共役ジエン単量体およびこれと共重合可能な単量体との共重合体、および天然ゴムが含まれる。共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
共役ジエン単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられ、これらの中でも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、イソプレンがより好ましく使用できる。
【0013】
共役ジエン単量体と共重合可能な単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−フェニルスチレン、p−メトキシスチレン、p−メトキシメチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、クロロメチルスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの芳香族ビニル化合物;プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン化合物;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物;エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル化合物およびメタクリル化合物;メタクリル酸2−スルホエチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有化合物;などが挙げられる。中でも芳香族ビニル化合物が好ましく、スチレンおよびα−メチルスチレンが特に好ましい。
【0014】
変性共役ジエン重合体(c)の製造に用いる共役ジエン重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)で測定したポリスチレン換算値で、10,000〜800,000が好ましく、30,000〜500,000がより好ましく、50,000〜300,000が特に好ましい。重量平均分子量が小さすぎると炭化水素ポリマー成形体と異種材料との接着強度が低下し、逆に大きすぎると、接着剤組成物の粘度が高くなり、接着剤として塗布する際にムラを生じやすくなる。
【0015】
共役ジエン重合体の環化物は、共役ジエン重合体を内部環化反応させることによって得られる。内部環化反応させる方法は、特に限定されず、公知の方法に従い、不活性溶媒中で、環化触媒と共役ジエン重合体とを接触させればよい。
【0016】
不活性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカンなどの脂肪族飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;などが挙げられ、中でも沸点が70℃以上の炭化水素が好ましい。
【0017】
環化触媒としては、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸およびこれらの無水物やエステル化物などの有機スルホン酸化合物;四塩化スズ、四塩化チタンなどのフリーデルクラフツ触媒(ルイス酸);三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄などの金属ハロゲン化物類;エチルアルミニウムジクロライド/ベンジルクロライドのようなアルキルアルミニウムハライド/ハロゲン化炭化水素;などが挙げられる。
【0018】
環化反応の温度、時間、環化される重合体と環化触媒との量比などは、目的とする環化率によって決めればよい。一般に、反応温度は、20〜200℃が好ましく、30〜150℃がより好ましく、40〜100℃が特に好ましい。反応時間は1〜20時間が好ましく、2〜15時間がより好ましく、3〜10時間が特に好ましい。
【0019】
本発明で用いられる変性共役ジエン重合体(c1)を得るために、共役ジエン重合体の環化反応の後に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加反応を行う。本発明で用いられる「α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物」とは、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、その無水物およびエステルから選ばれる化合物をいう。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物としては、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステルの具体例としては、アクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステルの具体例としては、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノメチルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中で、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0020】
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加反応の方法は、特に限定されず、一般的なエン付加反応およびグラフト重合の方法に従えばよい。エン付加反応およびグラフト重合は、溶液、水分散液および固相のいずれで行ってもよい。
付加反応を溶液中で行う場合には、例えば、共役ジエン重合体を、エチレン性不飽和カルボン酸化合物に対して不活性な、トルエンやキシレンなどの溶剤に溶解し、次いで、該溶液にエチレン性不飽和カルボン酸化合物を所定量添加し、窒素気流下で80〜190℃、1〜20時間反応せしめる。
【0021】
また、固相反応の場合は、例えば、二軸押出混練機やニーダーなどを用いて、反応温度180〜200℃で2〜60分間混練して行うことができる。混練中に、必要に応じて高沸点の溶剤を少量(環化物に対して5〜10重量%)添加してもよい。
エチレン性不飽和カルボン酸化合物の添加量は反応効率を考慮して決めるのがよい。
付加反応を促進するために、必要に応じて、ラジカル発生剤をα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物に対して2〜10重量%程度共存させてもよい。ラジカル発生剤として、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシドベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーオキシフタレートのようなパーオキシド類;アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾニトリル類;などが挙げられる。
【0022】
共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加し、次いで、得られる付加反応生成物を環化する手順によって環化物(c3)を製造するには、上記の変性共役ジエン重合体(c1)の製造工程における環化反応とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加反応とを逆の順序で行えばよい。環化反応とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加反応は、上記と同様な方法および条件下に行うことができる。
【0023】
上記(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物(c1)、および(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)は、いずれも、水素添加物(c2およびc4)として用いることができる。
【0024】
水素添加方法も特に限定されず、公知の方法により行うことができる。すなわち、通常の水素化触媒の存在下に、変性共役ジエン系重合体(c1またはc3)を水素と接触させればよい。水素化触媒は、オレフィン化合物の水素化に一般的に用いられるものであれば使用可能であり、例えば、不均一系触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金またはこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタンなどの担体に担持させた固体触媒を用いることができる。また、均一系触媒としては、周期律表第8族の金属を含むものを用いることができる。
【0025】
水素添加反応は、触媒の種類に応じて、1〜150気圧の水素圧下、0〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲で選択された条件下に行うことができる。
水素添加反応は、生成する水素添加物中の二重結合残存量が、共役ジエン系重合体中に存在していた二重結合に対して、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下となる程度まで行う。
【0026】
上記変性共役ジエン重合体の(c)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値で、好ましくは5,000〜600,000、より好ましくは22,000〜370,000、特に好ましくは37,000〜230,000である。
本発明は接着剤組成物には、上記変性共役ジエン重合体(c)を、全固形分の5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましく20重量%以上含まれることが好ましい。含有量の上限には格別制限はなく、100重量%であってもよい。
【0027】
本発明の接着剤組成物には、上記変性共役ジエン重合体(c)の他に、必要に応じて、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの充填剤、可塑剤、界面活性剤(レベリング剤)、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、脱水剤、接着性付与剤、ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチルなど)、ハジキ改良剤などの、接着剤に一般的に配合されている添加剤を含有せしめることができる。
【0028】
さらに、接着剤組成物には、上記添加剤の他に、硬化剤を含有せしめてもよい。硬化剤としては、酸無水物基やカルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が好適で、例えば、ポリエポキシ化合物、ポリエステルポリオール、ポリヒドロキシポリオレフィンなどのポリヒドロキシル化合物が挙げられる。硬化剤の配合量は特に限定されないが、通常、変性共役ジエン重合体に対して5〜100重量%、好ましくは10〜50重量%である。
【0029】
さらに、接着剤組成物は、成形体への塗布時の粘度や、塗布の膜厚などをコントロールするために、溶剤で希釈して使用してもよい。希釈に用いる溶剤としては、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジシクロペンチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、ヘキシルメチルエーテルなどのエーテル類;イソプロパノール、イソブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸シクロペンチルなどのエステル類;などが挙げられる。これらの中でも、変性共役ジエン重合体(c)の溶解性、溶剤の揮発性などの観点から、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、およびケトン類が好ましい。これらの溶剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。混合比率、希釈倍率などは、基材の種類、複合方法、作業性、塗膜膜厚などに応じて適宜選択する。
【0030】
本発明の接着剤組成物は、炭化水素ポリマー成形体と異種材料との接着に用いられる。特に、非極性炭化水素ポリマー成形体と、金属、セラミックスおよび極性を有する天然高分子材料との接着に好適である。
本発明の複合成形体は、上記の接着剤組成物の層を介して、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とが接着されてなるものである。
被着体として用いられる非極性炭化水素ポリマーは、非極性炭化水素化合物を重合して得られる繰り返し単位を主構造単位として含有するものである。非極性炭化水素化合物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの鎖状オレフィン;シクロペンテン、シクロへセンなどのモノ環状オレフィン;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン;シクロペンタジエン、シクロヘキサジンなどの環状共役ジエン;ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセンなどのビニル脂環式炭化水素;スチレンなどのビニル芳香族化合物;などが挙げられる。
【0031】
被着体である非極性炭化水素ポリマーの具体例としては、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、天然ゴムなどの炭化水素系ゴム;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体などのエチレン−αオレフィン共重合熱可塑性エラストー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィン樹脂;ノルボルネン系開環重合体およびその水素添加物、ノルボルネン系付加(共)重合体などのノルボルネン系樹脂;ポリビニルシクロヘキサン、ポリビニルシクロへプタン、ポリビニルシクロへキセンなどのビニル環状炭化水素樹脂;ポリシクロヘキサジエンおよびその水素添加物などの環状共役ジエン系樹脂;などが挙げられる。また、これらに有機または無機質の充填材が添加された複合材料も含まれる.
【0032】
被着体である異種材料としては、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、シリコンなどの金属;陶磁器などのセラミックス;酸化ケイ素、酸化インジウム、酸化インジウム錫、酸化アルミニウムなどの金属酸化物;および水酸基、アミノ基またはアミド結合を有し、接着するための加熱に耐えられる木材、紙、セルロース系繊維、タンパク繊維、鉱物質繊維などの天然高分子材料;ガラスなどが挙げられる。
【0033】
本発明においては、上記の炭化水素ポリマーおよび異種材料は、成形体に成形した後、または成形工程において接着される。
炭化水素ポリマーの成形体の成形方法は、例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも用いることができる。加熱溶融成形法は、具体的には、押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できるが、これらの方法の中でも、機械的強度、表面精度などに優れた成形体を得るためには、押出成形法、プレス成形法、射出成形法などが好ましい。異種材料の成形体の成形方法は、例えば、金属およびセラミックス材料の場合は、被着体の形態に応じて、鋳込み成形、乾式加圧成形、塑性成形、切削、型打ちなど常用される手法が採られる。
【0034】
成形体の形状としては、板状成形体、シート状成形体、筒状成形体、角柱状成形体などが挙げられる。特に、炭化水素ポリマーおよび異種材料の少なくとも一方がシート状成形体であることが好ましい。
上記変性共役ジエン重合体(c)を主成分とする接着性組成物を用いて、被着体である炭化水素ポリマー成形体と異種材料からなる成形体とを接着するに際し、被着体に予備処理を行う必要はないが、所望により、接着強度をより向上せしめる目的で、プラズマ処理、カップリング剤処理などの予備処理をしてもよい。
【0035】
被着体である炭化水素ポリマー成形体と異種材料からなる成形体とを接着するには、常法に従って少なくとも一方の被着体の接着面に、上記接着剤組成物を塗布し、次いで、両成形体の接着面同士を貼り合わせ、さらに加熱、その他の手段によって複合成形体を得ることができる。接着は、上記の中で同種形状の成形体同士を接着することも、異種形状の成形体同士を接着することもできる。
【0036】
具体的には、(1)炭化水素ポリマーからなる成形体および異種材料からなる成形体の少なくとも一方の接着面に接着剤組成物(溶剤を含んでもよい)を塗布し、両方の成形体の接着面同士を貼り合わせ、該組成物を固化(および必要に応じて乾燥、硬化)させて接着する方法、(2)炭化水素ポリマーからなる成形体および異種材料からなる成形体の少なくとも一方の接着面に上記組成物(溶剤を含んでもよい)を塗布し、該組成物の層を半硬化状態(硬化してはいないが、乾燥している状態:所謂Bステージ状態)にした後、両方の成形体の接着面同士を貼り合わせ、該組成物を硬化させて接着する方法などの方法を採ることができる。
【0037】
また、本発明においては、接着剤組成物を予めフィルム状に成形し、炭化水素ポリマーからなる成形体と異種材料からなる成形体との間に挟み、熱融着などにより両成形体を接着することもできる。接着剤組成物をフィルム状に成形する方法としては、(1)接着剤組成物(溶剤を含まない組成物)を溶融押出法、プレス成形法、インフレーション成形法などの加熱溶融成形法によりフィルムに成形する方法、(2)接着剤組成物(溶剤を含む溶液状の組成物)を用い、キャスト成形法(溶液流延法)によりフィルムを成形する方法、などが挙げられる。(2)の方法の場合には、溶液状の接着剤組成物を、離型性に優れる基材(テトラフルオロエチレン樹脂板など)上に塗布し、加熱などにより溶媒を蒸発除去、乾燥させる方法が採られる。
【0038】
接着剤組成物の層の厚みは、接着する成形体の形状などにより適宜に選択すればよいが、通常、0.5μm〜1mm、好ましくは1〜100μm程度である。上記接着剤組成物を用いて炭化水素ポリマーからなる成形体と異種材料からなる成形体とを熱融着する際の温度は、通常は、80〜200℃、好ましくは90〜150℃、最も好ましくは100〜120℃である。なお、融着の際には、圧力を加えてもよい。また、本方法においても、接着剤組成物の層を硬化させてもよい。
【0039】
本発明の複合成形体は、電気・電子部品、情報記録媒体、光学部品、機械部品、自動車部品、包装部材、土木・建築部材などの広範な分野において使用でき、中でも、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの電気部品;回路基板、半導体素子、コネクターなどの電子部品;光ディスク、磁気ディスク、ハードディスクなどの情報記録媒体;光学レンズ、光学プリズム、光ファイバーなどの光学部品;車両用灯具、車両用表示板、車両用外装・内装材などの自動車部品;医薬品容器、食品容器、化粧品容器、食器、包装フィルム、包装パックなどの包装部材;防水シート、遮水シート、配管材料などの土木、建築部材などに好適に使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例について、本発明の接着剤組成物および異種材料複合体を具体的に説明する。
なお、下記参考実施例、参考比較例、実施例、比較例中における「部」および「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0041】
重合体の特性および複合体の接着強度は以下の方法によって評価した。
(1)重合体の重量平均分子量
重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC法)により標準ポリスチレン換算量として求めた。
(2)共役ジエン重合体環化物の環化率
プロトンNMR分析により、共役ジエン重合体の環化反応前後における二重結合由来プロトンのピーク面積をそれぞれ測定し、環化反応前を100としたときの環化物中に残存する二重結合の割合を求めた。そして、計算式=(100−環化物中に残存する二重結合の割合%)により環化率(%)を求めた。
【0042】
(3)変性共役ジエン重合体中の無水マレイン酸付加量
変性重合体の無水マレイン酸付加量は以下の方法により求めた。
「基準油脂分析試験法」(日本油化学協会)2,4,1−83に記載される方法に準じ、重合体の酸価を測定し、得られた酸価と無水マレイン酸の分子量とから、前記計算式(α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量の計算式)によって無水マレイン酸付加量を算出した。
【0043】
(4)接着強度(引張せん断試験)
後記表2に示す炭化水素ポリマー材料の成形品と後記表3に示す異種材料とを、本発明の接着剤組成物を介して接着し、引張せん断強度をJISK−6854に準じて測定した。表2に示す炭化水素ポリマー材料の成形試験片は、JISK6850に準じて射出成形法により作成した。表3に示す異種材料は市販品をそのまま、もしくは所定の形状に切断して使用した。
【0044】
[参考実施例1]:変性重合体Aの合成
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリイソプレン(シス−1,4−構造イソプレン単位86%、トランス−1,4−構造イソプレン単位12%、3,4−構造イソプレン単位2%、重量平均分子量136,000)100部、トルエン1,570部を仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後、オイルバスで85℃に加温、攪拌してポリイソプレンをトルエンに完全に溶解させた。次いで、p−トルエンスルホン酸3.9部を添加し、溶液を85℃に保ったまま攪拌を続けて環化反応を行った。5時間経過後、イオン交換水400部を投入して環化反応を停止した。30分間静置後、油層を分取した。この油層を400部のイオン交換水で3回洗浄した後、回転数300rpmで遠心分離して水分を除去した。さらに油層を130℃に加熱して水分を完全に除去した。
【0045】
このようにして得られたポリイソプレン環化物を含むトルエン溶液を撹拌しながら、無水マレイン酸3.5部を5分間かけて連続的に一定の速度で投入した。反応温度160℃で4時間、付加反応を行った。次いで、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを1%含有するアセトン溶液3,000部に該反応液を注入して環化物を析出させた。得られた析出物を回収し、減圧乾燥して変性重合体(マレイン化環化重合体)Aを得た。環化物の環化率、変性重合体Aの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0046】
[参考実施例2]:変性重合体Bの合成
使用したポリイソプレンを、シス−1,4−構造イソプレン単位が73%、トランス−1,4−構造イソプレン単位が22%、3,4−構造イソプレン単位が5%であり、重量平均分子量が107,000であるポリイソプレンに変え、p−トルエンスルホン酸の量を3.6部に変えたこと以外は、参考実施例1と同様に環化反応を行った。次いで、無水マレイン酸量を2部としたこと以外は実施例1と同様に変性反応を行って変性重合体Bを得た。環化物の環化率、変性重合体Bの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0047】
[参考実施例3]:変性重合体Cの合成
使用したポリイソプレンを、シス−1,4−構造イソプレン単位が30%、トランス−1,4−構造イソプレン単位が14%、3,4−構造イソプレン単位が56%、重量平均分子量が252,000であるポリイソプレンに変え、かつp−トルエンスルホン酸の量を3部に変えたこと以外は、参考実施例1と同様に環化反応を行った。次いで、無水マレイン酸の量を2.8部に変えたこと以外は参考実施例1と同様に、変性反応を行って変性重合体Cを得た。環化物の環化率、変性重合体Cの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0048】
[参考実施例4]:変性重合体Dの合成
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにポリイソプレン(シス−1,4−構造イソプレン単位73%、トランス−1,4−構造イソプレン単位22%、3,4−構造イソプレン単位5%からなり、重量平均分子量が107,000)100部を10mm角に裁断し、トルエン1,570部とともに仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後、オイルバスで80℃に加温して、攪拌下でポリイソプレンをトルエンに溶解した。完全に溶解した後、無水マレイン酸7.2部を投入し、溶液を180℃に保ち、反応を1時間続けた後、反応液を2,6−ジ−tert−ブチルフェノール1%アセトン溶液3,000部に投入して析出物を回収し、減圧乾燥してマレイン化イソプレン重合体を得た。
【0049】
マレイン化イソプレン重合体100部をトルエン300部に再溶解し、p−トルエンスルホン酸3.2部を投入し、溶液を85℃に保ち、攪拌を続けて環化反応を行った。約5時間後、イオン交換水400部を投入して反応を停止した。30分間静置後、分離した油層を分取した。この油層を400部のイオン交換水で3回洗浄した。油層を2,6−ジ−tert−ブチルフェノール1%メタノール溶液 1,000部に投入して、析出物を回収し、減圧乾燥して変性重合体Dを得た。変性重合体Dの環化率、重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0050】
[参考比較例1]:変性重合体Eの合成
p−トルエンスルホン酸の使用量を3.9部から1.9部に変えた以外は、参考実施例1と同様に環化反応を行った。次いで、無水マレイン酸量を2.0部に変えた以外は参考実施例1と同様に変性反応を行って変性重合体Eを得た。環化物の環化率、変性重合体Eの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
[実施例1〜11および比較例1〜3]:複合体の製造および評価
前記参考実施例1〜4および参考比較例1で得られた変性重合体A〜Eをトルエンに完全に溶解させ、24時間室温にて放置し、20%トルエン溶液にした。下記表3記載の異種材料を用いて作成したそれぞれの試験片の接着面に、上記変性重合体溶液を乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、80℃にて乾燥後、下記表2記載の炭化水素ポリマーをそれぞれ重ね合わせて積層体とした。該積層体をガラス片で挟み、クリップで固定した。次いで、100℃で15分間、オーブン内で加熱し、変性重合体を溶融して試験片同士を接着させた。せん断試験を上記方法により実施した。結果を表4に示す。
なお、変性重合体、炭化水素ポリマー試験片および異種材料試験片の組合わせは、表4に記載したとおりである。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
[実施例12〜22および比較例4〜6]:接着層の形成法および評価
前記参考実施例1〜4および参考比較例1で得られた変性重合体A〜Eを用い、実施例1〜11と同様に20%トルエン溶液を調製した。該変性重合体溶液をテトラフルオロエチレン樹脂シート上に乾燥後の厚みが50μmになるように塗布し、室温でトルエンを徐々に蒸発させて、フィルムを作成した。表3記載の異種材料の試験片の接着面と、表2記載の炭化水素系ポリマーの試験片の接着面との間に上記フィルムを挟んで積層体とし、該積層体をさらにガラス片で挟んでクリップで固定した。次いで、100℃、15分間、オーブン内で加熱し、変性重合体を溶融して上記試験片同士を接着した。上記方法によりせん断試験を実施した。結果を表5に示す。
なお、変性重合体、炭化水素ポリマー試験片および異種材料試験片の組合わせは、表5に記載したとおりである。
【0057】
【表5】
【0058】
【発明の効果】
本発明の変性共役ジエン重合体を含む接着剤組成物を用いれば、炭化水素ポリマーからなる成形体と、異種材料からなる成形体とが、強固に接着された複合成形体を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、共役ジエン重合体の変性重合体を主成分として含む接着剤組成物、および該接着剤組成物の層を介して、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とが接着されてなる複合成形体に関する。
上記接着剤組成物を用いれば、被着体である炭化水素ポリマー成形体および異種材料成形体の前処理またはプライマーの塗布などの予備処理を行なわずに強固に接着された複合成形体を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素ポリマー、特に、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂の成形品は種々の分野で使用されている。それらの成形品の多くは、金属や布地などの他の異種材料と組み合わせて、自動車、家庭電気製品、建築材料などに使用されている。また、耐食材および軽量構造材として使用されているオレフィン系樹脂も、鋼板・アルミ板などの金属板との積層体として使用されている。しかしながら、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂は、非極性で溶解度パラメーター(Sp値)が低いため、鉄・アルミニウムなどの金属、ガラス、セラミックス、布地、極性を有するポリマーなどの異種材料との接着が困難な材料である。
【0003】
そのため、接着性を向上する目的で、被着体である非極性炭化水素ポリマーおよび異種材料の少なくとも一方について、前処理するかまたはプライマーを塗布するなどの予備処理を行う方法が提案されている。しかしながら、これらの予備処理によっても概して十分な接着強度は得られず、また、被着体の材料組成に依存して接着効果が変動し、適用被着体が制約されるという問題があった。
【0004】
被着体の前処理、およびプライマー塗布などの予備処理を行わずに被着体の直接接着を達成する技術として、塩素含有量20〜30重量%の塩素化ポリプロピレンおよびスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックポリマーおよび水添テルペン樹脂からなる接着層を介して、ポリオレフィン成形品と異種材料とを接着した複合品が提案されている(特公平6−94207号公報)が、一方の被着体であるポリオレフィン成形品がポリエチレンやポリプロピレンなどの結晶性ポリオレフィン樹脂からなる場合は、接着強度が不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、被着体である炭化水素ポリマー成形体および異種材料成形体の前処理、およびプライマー塗布などの予備処理を行わずに、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とを強固に接着できる接着剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、被着体である炭化水素ポリマーと異種材料とが強固に接着されてなる複合成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定範囲の割合で環化されており、かつ、α,β−不飽和カルボン酸化合物で特定割合に変性された共役ジエン重合体を主成分とする接着剤組成物を用いることにより、炭化水素ポリマーと異種材料とを強固に接着できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば、第一に、(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物(c1)、(ii)該付加反応生成物(c1)の水素添加物(c2)、(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)、および(iv)該環化物(c3)の水素添加物(c4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の変性共役ジエン重合体(c)であって、環化率が30〜95%、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量が0.1〜20重量%である変性共役ジエン重合体(c)を含んでなる接着剤組成物が提供される。
第二に、上記接着剤組成物の層を介して、炭化水素ポリマー成形体と異種材料とが接着されてなる複合成形体が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物は、下記(i)〜(iv)の中から選ばれた少なくとも一種の変性共役ジエン重合体 (c)を主成分として含み、該変性共役ジエン重合体(c)の環化率が30〜95%、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加量が0.1〜20重量%のものである。
(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物(c1)
(ii)該付加反応生成物(c1)の水素添加物(c2)
(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)
(iv)該環化物(c3)の水素添加物(c4)
上記(i)〜(iv)の変性共役ジエン重合体の中でも(i)および(ii)の変性共役ジエン重合体(c1、c2)が好ましい。
【0009】
上記変性共役ジエン重合体(c)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加量が、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%であり、環化率が30〜95%、好ましくは50〜90%、より好ましくは60〜85%のものである。環化率が小さすぎても、大きすぎても、また、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加量が小さすぎても、大きすぎても炭化水素ポリマー成形体と異種材料との接着強度が低下する。
【0010】
本発明において、変性共役ジエン重合体(c)の環化率は、共役ジエン重合体の不飽和結合量の環化反応による変化度を示す尺度であり、ManfredGordonら,IndustrialandEngineeringChemistry,Vol.43,No.2,p.386(1951)、YasuyukiTanakaら,J.PolymerScience:PolymerChemicalEdition,Vol.17,p.3027(1979)などに記載される方法により、共役ジエン重合体中の環化反応前後の不飽和結合量をそれぞれプロトンNMRで測定することにより求めることができる。具体的には、共役ジエン重合体中の二重結合に由来するプロトンのピーク面積を環化反応前後でそれぞれ測定し、環化反応前の面積を100としたときに環化反応後の面積(X)の割合、すなわち、環化物中に残存する二重結合の割合を求める。そして、計算式(100−X)により環化率(%)を求めることができる。
【0011】
本発明において用いる変性共役ジエン重合体(c)のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量は、変性共役ジエン重合体(c)重量に対し、付加されているα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の重量割合(重量%)であり、変性共役ジエン重合体(c)の酸価から、以下の計算式により求めることができる。
付加量(重量%)=[酸価/(水酸化カリウムの分子量〔56.11〕×1000)]×(α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の分子量/n)×100(n:α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の価数)
なお、酸価は変性共役ジエン重合体(c)1グラム当たりの酸を中和するのに必要な水酸化カリウムの重量(ミリグラム)で表され、滴定により求めることができる。
【0012】
本発明に用いる変性共役ジエン重合体(c)を構成する共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体単位を主構成単位とする重合体であって、共役ジエン単量体の単独重合体またはその他の共役ジエン単量体との共重合体、共役ジエン単量体およびこれと共重合可能な単量体との共重合体、および天然ゴムが含まれる。共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
共役ジエン単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられ、これらの中でも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、イソプレンがより好ましく使用できる。
【0013】
共役ジエン単量体と共重合可能な単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−フェニルスチレン、p−メトキシスチレン、p−メトキシメチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、クロロメチルスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの芳香族ビニル化合物;プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン化合物;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物;エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル化合物およびメタクリル化合物;メタクリル酸2−スルホエチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有化合物;などが挙げられる。中でも芳香族ビニル化合物が好ましく、スチレンおよびα−メチルスチレンが特に好ましい。
【0014】
変性共役ジエン重合体(c)の製造に用いる共役ジエン重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)で測定したポリスチレン換算値で、10,000〜800,000が好ましく、30,000〜500,000がより好ましく、50,000〜300,000が特に好ましい。重量平均分子量が小さすぎると炭化水素ポリマー成形体と異種材料との接着強度が低下し、逆に大きすぎると、接着剤組成物の粘度が高くなり、接着剤として塗布する際にムラを生じやすくなる。
【0015】
共役ジエン重合体の環化物は、共役ジエン重合体を内部環化反応させることによって得られる。内部環化反応させる方法は、特に限定されず、公知の方法に従い、不活性溶媒中で、環化触媒と共役ジエン重合体とを接触させればよい。
【0016】
不活性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカンなどの脂肪族飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;などが挙げられ、中でも沸点が70℃以上の炭化水素が好ましい。
【0017】
環化触媒としては、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸およびこれらの無水物やエステル化物などの有機スルホン酸化合物;四塩化スズ、四塩化チタンなどのフリーデルクラフツ触媒(ルイス酸);三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄などの金属ハロゲン化物類;エチルアルミニウムジクロライド/ベンジルクロライドのようなアルキルアルミニウムハライド/ハロゲン化炭化水素;などが挙げられる。
【0018】
環化反応の温度、時間、環化される重合体と環化触媒との量比などは、目的とする環化率によって決めればよい。一般に、反応温度は、20〜200℃が好ましく、30〜150℃がより好ましく、40〜100℃が特に好ましい。反応時間は1〜20時間が好ましく、2〜15時間がより好ましく、3〜10時間が特に好ましい。
【0019】
本発明で用いられる変性共役ジエン重合体(c1)を得るために、共役ジエン重合体の環化反応の後に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加反応を行う。本発明で用いられる「α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物」とは、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、その無水物およびエステルから選ばれる化合物をいう。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物としては、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステルの具体例としては、アクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステルの具体例としては、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノメチルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中で、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0020】
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加反応の方法は、特に限定されず、一般的なエン付加反応およびグラフト重合の方法に従えばよい。エン付加反応およびグラフト重合は、溶液、水分散液および固相のいずれで行ってもよい。
付加反応を溶液中で行う場合には、例えば、共役ジエン重合体を、エチレン性不飽和カルボン酸化合物に対して不活性な、トルエンやキシレンなどの溶剤に溶解し、次いで、該溶液にエチレン性不飽和カルボン酸化合物を所定量添加し、窒素気流下で80〜190℃、1〜20時間反応せしめる。
【0021】
また、固相反応の場合は、例えば、二軸押出混練機やニーダーなどを用いて、反応温度180〜200℃で2〜60分間混練して行うことができる。混練中に、必要に応じて高沸点の溶剤を少量(環化物に対して5〜10重量%)添加してもよい。
エチレン性不飽和カルボン酸化合物の添加量は反応効率を考慮して決めるのがよい。
付加反応を促進するために、必要に応じて、ラジカル発生剤をα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物に対して2〜10重量%程度共存させてもよい。ラジカル発生剤として、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシドベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーオキシフタレートのようなパーオキシド類;アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾニトリル類;などが挙げられる。
【0022】
共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加し、次いで、得られる付加反応生成物を環化する手順によって環化物(c3)を製造するには、上記の変性共役ジエン重合体(c1)の製造工程における環化反応とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物の付加反応とを逆の順序で行えばよい。環化反応とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加反応は、上記と同様な方法および条件下に行うことができる。
【0023】
上記(i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物(c1)、および(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加して得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)は、いずれも、水素添加物(c2およびc4)として用いることができる。
【0024】
水素添加方法も特に限定されず、公知の方法により行うことができる。すなわち、通常の水素化触媒の存在下に、変性共役ジエン系重合体(c1またはc3)を水素と接触させればよい。水素化触媒は、オレフィン化合物の水素化に一般的に用いられるものであれば使用可能であり、例えば、不均一系触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金またはこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタンなどの担体に担持させた固体触媒を用いることができる。また、均一系触媒としては、周期律表第8族の金属を含むものを用いることができる。
【0025】
水素添加反応は、触媒の種類に応じて、1〜150気圧の水素圧下、0〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲で選択された条件下に行うことができる。
水素添加反応は、生成する水素添加物中の二重結合残存量が、共役ジエン系重合体中に存在していた二重結合に対して、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下となる程度まで行う。
【0026】
上記変性共役ジエン重合体の(c)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値で、好ましくは5,000〜600,000、より好ましくは22,000〜370,000、特に好ましくは37,000〜230,000である。
本発明は接着剤組成物には、上記変性共役ジエン重合体(c)を、全固形分の5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましく20重量%以上含まれることが好ましい。含有量の上限には格別制限はなく、100重量%であってもよい。
【0027】
本発明の接着剤組成物には、上記変性共役ジエン重合体(c)の他に、必要に応じて、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの充填剤、可塑剤、界面活性剤(レベリング剤)、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、脱水剤、接着性付与剤、ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチルなど)、ハジキ改良剤などの、接着剤に一般的に配合されている添加剤を含有せしめることができる。
【0028】
さらに、接着剤組成物には、上記添加剤の他に、硬化剤を含有せしめてもよい。硬化剤としては、酸無水物基やカルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が好適で、例えば、ポリエポキシ化合物、ポリエステルポリオール、ポリヒドロキシポリオレフィンなどのポリヒドロキシル化合物が挙げられる。硬化剤の配合量は特に限定されないが、通常、変性共役ジエン重合体に対して5〜100重量%、好ましくは10〜50重量%である。
【0029】
さらに、接着剤組成物は、成形体への塗布時の粘度や、塗布の膜厚などをコントロールするために、溶剤で希釈して使用してもよい。希釈に用いる溶剤としては、n−ヘプタン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジシクロペンチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、ヘキシルメチルエーテルなどのエーテル類;イソプロパノール、イソブタノールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸シクロペンチルなどのエステル類;などが挙げられる。これらの中でも、変性共役ジエン重合体(c)の溶解性、溶剤の揮発性などの観点から、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、およびケトン類が好ましい。これらの溶剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。混合比率、希釈倍率などは、基材の種類、複合方法、作業性、塗膜膜厚などに応じて適宜選択する。
【0030】
本発明の接着剤組成物は、炭化水素ポリマー成形体と異種材料との接着に用いられる。特に、非極性炭化水素ポリマー成形体と、金属、セラミックスおよび極性を有する天然高分子材料との接着に好適である。
本発明の複合成形体は、上記の接着剤組成物の層を介して、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とが接着されてなるものである。
被着体として用いられる非極性炭化水素ポリマーは、非極性炭化水素化合物を重合して得られる繰り返し単位を主構造単位として含有するものである。非極性炭化水素化合物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの鎖状オレフィン;シクロペンテン、シクロへセンなどのモノ環状オレフィン;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン;シクロペンタジエン、シクロヘキサジンなどの環状共役ジエン;ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセンなどのビニル脂環式炭化水素;スチレンなどのビニル芳香族化合物;などが挙げられる。
【0031】
被着体である非極性炭化水素ポリマーの具体例としては、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、天然ゴムなどの炭化水素系ゴム;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体などのエチレン−αオレフィン共重合熱可塑性エラストー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィン樹脂;ノルボルネン系開環重合体およびその水素添加物、ノルボルネン系付加(共)重合体などのノルボルネン系樹脂;ポリビニルシクロヘキサン、ポリビニルシクロへプタン、ポリビニルシクロへキセンなどのビニル環状炭化水素樹脂;ポリシクロヘキサジエンおよびその水素添加物などの環状共役ジエン系樹脂;などが挙げられる。また、これらに有機または無機質の充填材が添加された複合材料も含まれる.
【0032】
被着体である異種材料としては、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、シリコンなどの金属;陶磁器などのセラミックス;酸化ケイ素、酸化インジウム、酸化インジウム錫、酸化アルミニウムなどの金属酸化物;および水酸基、アミノ基またはアミド結合を有し、接着するための加熱に耐えられる木材、紙、セルロース系繊維、タンパク繊維、鉱物質繊維などの天然高分子材料;ガラスなどが挙げられる。
【0033】
本発明においては、上記の炭化水素ポリマーおよび異種材料は、成形体に成形した後、または成形工程において接着される。
炭化水素ポリマーの成形体の成形方法は、例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも用いることができる。加熱溶融成形法は、具体的には、押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できるが、これらの方法の中でも、機械的強度、表面精度などに優れた成形体を得るためには、押出成形法、プレス成形法、射出成形法などが好ましい。異種材料の成形体の成形方法は、例えば、金属およびセラミックス材料の場合は、被着体の形態に応じて、鋳込み成形、乾式加圧成形、塑性成形、切削、型打ちなど常用される手法が採られる。
【0034】
成形体の形状としては、板状成形体、シート状成形体、筒状成形体、角柱状成形体などが挙げられる。特に、炭化水素ポリマーおよび異種材料の少なくとも一方がシート状成形体であることが好ましい。
上記変性共役ジエン重合体(c)を主成分とする接着性組成物を用いて、被着体である炭化水素ポリマー成形体と異種材料からなる成形体とを接着するに際し、被着体に予備処理を行う必要はないが、所望により、接着強度をより向上せしめる目的で、プラズマ処理、カップリング剤処理などの予備処理をしてもよい。
【0035】
被着体である炭化水素ポリマー成形体と異種材料からなる成形体とを接着するには、常法に従って少なくとも一方の被着体の接着面に、上記接着剤組成物を塗布し、次いで、両成形体の接着面同士を貼り合わせ、さらに加熱、その他の手段によって複合成形体を得ることができる。接着は、上記の中で同種形状の成形体同士を接着することも、異種形状の成形体同士を接着することもできる。
【0036】
具体的には、(1)炭化水素ポリマーからなる成形体および異種材料からなる成形体の少なくとも一方の接着面に接着剤組成物(溶剤を含んでもよい)を塗布し、両方の成形体の接着面同士を貼り合わせ、該組成物を固化(および必要に応じて乾燥、硬化)させて接着する方法、(2)炭化水素ポリマーからなる成形体および異種材料からなる成形体の少なくとも一方の接着面に上記組成物(溶剤を含んでもよい)を塗布し、該組成物の層を半硬化状態(硬化してはいないが、乾燥している状態:所謂Bステージ状態)にした後、両方の成形体の接着面同士を貼り合わせ、該組成物を硬化させて接着する方法などの方法を採ることができる。
【0037】
また、本発明においては、接着剤組成物を予めフィルム状に成形し、炭化水素ポリマーからなる成形体と異種材料からなる成形体との間に挟み、熱融着などにより両成形体を接着することもできる。接着剤組成物をフィルム状に成形する方法としては、(1)接着剤組成物(溶剤を含まない組成物)を溶融押出法、プレス成形法、インフレーション成形法などの加熱溶融成形法によりフィルムに成形する方法、(2)接着剤組成物(溶剤を含む溶液状の組成物)を用い、キャスト成形法(溶液流延法)によりフィルムを成形する方法、などが挙げられる。(2)の方法の場合には、溶液状の接着剤組成物を、離型性に優れる基材(テトラフルオロエチレン樹脂板など)上に塗布し、加熱などにより溶媒を蒸発除去、乾燥させる方法が採られる。
【0038】
接着剤組成物の層の厚みは、接着する成形体の形状などにより適宜に選択すればよいが、通常、0.5μm〜1mm、好ましくは1〜100μm程度である。上記接着剤組成物を用いて炭化水素ポリマーからなる成形体と異種材料からなる成形体とを熱融着する際の温度は、通常は、80〜200℃、好ましくは90〜150℃、最も好ましくは100〜120℃である。なお、融着の際には、圧力を加えてもよい。また、本方法においても、接着剤組成物の層を硬化させてもよい。
【0039】
本発明の複合成形体は、電気・電子部品、情報記録媒体、光学部品、機械部品、自動車部品、包装部材、土木・建築部材などの広範な分野において使用でき、中でも、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの電気部品;回路基板、半導体素子、コネクターなどの電子部品;光ディスク、磁気ディスク、ハードディスクなどの情報記録媒体;光学レンズ、光学プリズム、光ファイバーなどの光学部品;車両用灯具、車両用表示板、車両用外装・内装材などの自動車部品;医薬品容器、食品容器、化粧品容器、食器、包装フィルム、包装パックなどの包装部材;防水シート、遮水シート、配管材料などの土木、建築部材などに好適に使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例について、本発明の接着剤組成物および異種材料複合体を具体的に説明する。
なお、下記参考実施例、参考比較例、実施例、比較例中における「部」および「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0041】
重合体の特性および複合体の接着強度は以下の方法によって評価した。
(1)重合体の重量平均分子量
重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC法)により標準ポリスチレン換算量として求めた。
(2)共役ジエン重合体環化物の環化率
プロトンNMR分析により、共役ジエン重合体の環化反応前後における二重結合由来プロトンのピーク面積をそれぞれ測定し、環化反応前を100としたときの環化物中に残存する二重結合の割合を求めた。そして、計算式=(100−環化物中に残存する二重結合の割合%)により環化率(%)を求めた。
【0042】
(3)変性共役ジエン重合体中の無水マレイン酸付加量
変性重合体の無水マレイン酸付加量は以下の方法により求めた。
「基準油脂分析試験法」(日本油化学協会)2,4,1−83に記載される方法に準じ、重合体の酸価を測定し、得られた酸価と無水マレイン酸の分子量とから、前記計算式(α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量の計算式)によって無水マレイン酸付加量を算出した。
【0043】
(4)接着強度(引張せん断試験)
後記表2に示す炭化水素ポリマー材料の成形品と後記表3に示す異種材料とを、本発明の接着剤組成物を介して接着し、引張せん断強度をJISK−6854に準じて測定した。表2に示す炭化水素ポリマー材料の成形試験片は、JISK6850に準じて射出成形法により作成した。表3に示す異種材料は市販品をそのまま、もしくは所定の形状に切断して使用した。
【0044】
[参考実施例1]:変性重合体Aの合成
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリイソプレン(シス−1,4−構造イソプレン単位86%、トランス−1,4−構造イソプレン単位12%、3,4−構造イソプレン単位2%、重量平均分子量136,000)100部、トルエン1,570部を仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後、オイルバスで85℃に加温、攪拌してポリイソプレンをトルエンに完全に溶解させた。次いで、p−トルエンスルホン酸3.9部を添加し、溶液を85℃に保ったまま攪拌を続けて環化反応を行った。5時間経過後、イオン交換水400部を投入して環化反応を停止した。30分間静置後、油層を分取した。この油層を400部のイオン交換水で3回洗浄した後、回転数300rpmで遠心分離して水分を除去した。さらに油層を130℃に加熱して水分を完全に除去した。
【0045】
このようにして得られたポリイソプレン環化物を含むトルエン溶液を撹拌しながら、無水マレイン酸3.5部を5分間かけて連続的に一定の速度で投入した。反応温度160℃で4時間、付加反応を行った。次いで、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを1%含有するアセトン溶液3,000部に該反応液を注入して環化物を析出させた。得られた析出物を回収し、減圧乾燥して変性重合体(マレイン化環化重合体)Aを得た。環化物の環化率、変性重合体Aの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0046】
[参考実施例2]:変性重合体Bの合成
使用したポリイソプレンを、シス−1,4−構造イソプレン単位が73%、トランス−1,4−構造イソプレン単位が22%、3,4−構造イソプレン単位が5%であり、重量平均分子量が107,000であるポリイソプレンに変え、p−トルエンスルホン酸の量を3.6部に変えたこと以外は、参考実施例1と同様に環化反応を行った。次いで、無水マレイン酸量を2部としたこと以外は実施例1と同様に変性反応を行って変性重合体Bを得た。環化物の環化率、変性重合体Bの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0047】
[参考実施例3]:変性重合体Cの合成
使用したポリイソプレンを、シス−1,4−構造イソプレン単位が30%、トランス−1,4−構造イソプレン単位が14%、3,4−構造イソプレン単位が56%、重量平均分子量が252,000であるポリイソプレンに変え、かつp−トルエンスルホン酸の量を3部に変えたこと以外は、参考実施例1と同様に環化反応を行った。次いで、無水マレイン酸の量を2.8部に変えたこと以外は参考実施例1と同様に、変性反応を行って変性重合体Cを得た。環化物の環化率、変性重合体Cの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0048】
[参考実施例4]:変性重合体Dの合成
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにポリイソプレン(シス−1,4−構造イソプレン単位73%、トランス−1,4−構造イソプレン単位22%、3,4−構造イソプレン単位5%からなり、重量平均分子量が107,000)100部を10mm角に裁断し、トルエン1,570部とともに仕込んだ。フラスコ内を窒素置換した後、オイルバスで80℃に加温して、攪拌下でポリイソプレンをトルエンに溶解した。完全に溶解した後、無水マレイン酸7.2部を投入し、溶液を180℃に保ち、反応を1時間続けた後、反応液を2,6−ジ−tert−ブチルフェノール1%アセトン溶液3,000部に投入して析出物を回収し、減圧乾燥してマレイン化イソプレン重合体を得た。
【0049】
マレイン化イソプレン重合体100部をトルエン300部に再溶解し、p−トルエンスルホン酸3.2部を投入し、溶液を85℃に保ち、攪拌を続けて環化反応を行った。約5時間後、イオン交換水400部を投入して反応を停止した。30分間静置後、分離した油層を分取した。この油層を400部のイオン交換水で3回洗浄した。油層を2,6−ジ−tert−ブチルフェノール1%メタノール溶液 1,000部に投入して、析出物を回収し、減圧乾燥して変性重合体Dを得た。変性重合体Dの環化率、重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0050】
[参考比較例1]:変性重合体Eの合成
p−トルエンスルホン酸の使用量を3.9部から1.9部に変えた以外は、参考実施例1と同様に環化反応を行った。次いで、無水マレイン酸量を2.0部に変えた以外は参考実施例1と同様に変性反応を行って変性重合体Eを得た。環化物の環化率、変性重合体Eの重量平均分子量、無水マレイン酸付加量を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
[実施例1〜11および比較例1〜3]:複合体の製造および評価
前記参考実施例1〜4および参考比較例1で得られた変性重合体A〜Eをトルエンに完全に溶解させ、24時間室温にて放置し、20%トルエン溶液にした。下記表3記載の異種材料を用いて作成したそれぞれの試験片の接着面に、上記変性重合体溶液を乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、80℃にて乾燥後、下記表2記載の炭化水素ポリマーをそれぞれ重ね合わせて積層体とした。該積層体をガラス片で挟み、クリップで固定した。次いで、100℃で15分間、オーブン内で加熱し、変性重合体を溶融して試験片同士を接着させた。せん断試験を上記方法により実施した。結果を表4に示す。
なお、変性重合体、炭化水素ポリマー試験片および異種材料試験片の組合わせは、表4に記載したとおりである。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
[実施例12〜22および比較例4〜6]:接着層の形成法および評価
前記参考実施例1〜4および参考比較例1で得られた変性重合体A〜Eを用い、実施例1〜11と同様に20%トルエン溶液を調製した。該変性重合体溶液をテトラフルオロエチレン樹脂シート上に乾燥後の厚みが50μmになるように塗布し、室温でトルエンを徐々に蒸発させて、フィルムを作成した。表3記載の異種材料の試験片の接着面と、表2記載の炭化水素系ポリマーの試験片の接着面との間に上記フィルムを挟んで積層体とし、該積層体をさらにガラス片で挟んでクリップで固定した。次いで、100℃、15分間、オーブン内で加熱し、変性重合体を溶融して上記試験片同士を接着した。上記方法によりせん断試験を実施した。結果を表5に示す。
なお、変性重合体、炭化水素ポリマー試験片および異種材料試験片の組合わせは、表5に記載したとおりである。
【0057】
【表5】
【0058】
【発明の効果】
本発明の変性共役ジエン重合体を含む接着剤組成物を用いれば、炭化水素ポリマーからなる成形体と、異種材料からなる成形体とが、強固に接着された複合成形体を得ることができる。
Claims (3)
- (i)共役ジエン重合体の環化物にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物(c1)、(ii)該付加反応生成物(c1)の水素添加物(c2)、(iii)共役ジエン重合体にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物を付加させて得られる付加反応生成物を環化して得られる環化物(c3)、および(iv)該環化物(c3)の水素添加物(c4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の変性共役ジエン重合体(c)であって、環化率が30〜95%、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸化合物付加量が0.1〜20重量%である変性共役ジエン重合体(c)を含んでなる接着剤組成物。
- 請求項1記載の接着剤組成物の層を介して、炭化水素ポリマー成形体と異種材料成形体とが接着されてなる複合成形体。
- 炭化水素ポリマー成形体および異種材料成形体の少なくとも一方がシート状成形体である請求項2記載の複合成形体。
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