JP4569269B2 - 酸素吸収剤 - Google Patents

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本発明は、酸素による食品、飲料、医薬品等の品質劣化を防ぐために使用される酸素吸収剤に関し、より詳しくは、酸素吸収性を高める触媒として遷移金属塩を添加しなくても高い酸素吸収性を示し、かつ酸素を吸収した後でも機械的強度が高く保持される酸素吸収剤に関する。
食品、飲料、医薬品等は、酸素により品質の劣化が起こるため、それらを酸素不在下又は酸素が極めて少ない条件下で、貯蔵することが要求される。
そのため、食品、飲料、医薬品等を貯蔵する容器又は包装内に窒素を充填することも行なわれているが、例えば、製造時にコストアップになる問題、一旦開封すると外部から空気が流入し、それ以後の品質劣化を防止することができなくなる問題がある。従って、容器又は包装内に残存する酸素を吸収させて、系内から酸素を除去する検討が種々行なわれている。
従来、容器又は包装内の酸素を除去する方法としては、鉄粉を主成分とする酸素吸収剤を内包した別個の小袋を配置する方法が広く利用されている。しかしながら、この方法は、低コストで酸素吸収速度も速いものの、異物検知のために金属探知機を使用する場合や、包装したまま電子レンジをかけたりする場合に不都合が生じる。
そこで、樹脂製の容器又は包装材料において、容器又は包装材料自体に酸素吸収性を持たせる検討が行なわれている。
例えば、ポリ(α−ピネン)、ポリ(β−ピネン)、ポリ(ジペンテン)等のポリテルペン、及び、酸素吸収触媒として作用するネオデカン酸コバルト、オレイン酸コバルト等の遷移金属塩からなる酸素吸収剤を用いることが提案されている(特許文献1)。
また、ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン等の共役ジエン重合体及び遷移金属塩からなる酸素吸収剤を用いることが提案されている(特許文献2)。
更に、エチレンとシクロペンテンとの共重合体及び遷移金属塩からなる酸素吸収剤を用いることが提案されている(特許文献3)。
しかしながら、これら従来の酸素吸収剤は、酸素吸収反応が進むにつれ重合体が劣化して機械的強度が著しく低下したり、遷移金属塩が溶出する虞があったりするため、用途によっては適用が困難な場合があった。
特表2001−507045号公報 特開2003−71992号公報 特表2003−504042号公報
本発明の目的は、食品、飲料、医薬品等の酸素による品質劣化を防ぐために使用される酸素吸収剤に関し、より詳しくは、酸素吸収性を高める触媒として遷移金属塩を添加しなくても高い酸素吸収性を示し、かつ酸素を吸収した後でも機械的強度が高く保持される酸素吸収剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、酸無水物基やカルボキシル基等の極性基を付加させた極性基含有共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤が、遷移金属塩を触媒として添加しなくても高い酸素吸収性を示し、かつ酸素を吸収した後でも機械的強度が高く保持されることを見出し、この知見に基づき本発明を完成した。
かくして、本発明によれば、極性基含有共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤が提供される。
本発明の酸素吸収剤は、極性基含有共役ジエン重合体環化物と熱可塑性樹脂とを含有してなるものであることが好ましい。
上記酸素吸収剤において、熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリビニルアルコール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の酸素吸収剤において、極性基含有共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10%以上であることが好ましい。
本発明の酸素吸収剤において、極性基含有共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が1,000〜1,000,000であることが好ましい。
本発明の酸素吸収剤において、極性基含有共役ジエン重合体環化物の含有する極性基が、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エステル基、エポキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくともひとつの基であることが好ましい。
また、本発明の酸素吸収剤において、極性基含有共役ジエン重合体環化物の含有する極性基の量が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、0.1〜200ミリモルであることが好ましい。
本発明の酸素吸収剤において、酸素吸収剤が500ppm以下の酸化防止剤を含有することが好ましい。
本発明の酸素吸収剤は、フィルム、シート又は粉体の形態を有することができる。
本発明によれば、酸素吸収性を高める触媒として遷移金属塩を添加しなくても高い酸素吸収性を示し、かつ酸素を吸収した後でも機械的強度が高く保持される酸素吸収剤が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
(酸素吸収剤)
本発明の酸素吸収剤は、極性基含有共役ジエン重合体環化物を有効成分とする。
酸素吸収剤中の極性基含有共役ジエン重合体環化物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。極性基含有共役ジエン重合体環化物の含有量がこの範囲内にあるとき、良好な酸素吸収性が発揮される。
(極性基含有共役ジエン重合体環化物)
極性基含有共役ジエン重合体環化物は、極性基を有する共役ジエン重合体環化物である。
極性基含有共役ジエン重合体環化物は、酸触媒の存在下に極性基含有共役ジエン重合体を環化反応させる等の方法により得られるものであって、分子中に共役ジエン単量体単位に由来する環構造を有するものである。
共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体の単独重合体若しくは共重合体又は共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体である。
使用できる共役ジエン単量体は、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましく、イソプレンがより好ましい。
共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体は、特に限定されない。その具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン等の鎖状オレフィン単量体;シクロペンテン、2−ノルボルネン等の環状オレフィン単量体;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役ジエン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン重合体における共役ジエン単量体単位の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択されるが、通常、40モル%以上、好ましくは60モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。中でも、共役ジエン単量体単位のみからなるものが特に好ましく使用できる。共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、不飽和結合減少率を上げることが困難になり、酸素吸収性が劣る傾向にある。
共役ジエン重合体の具体例としては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、イソプレン−イソブチレン共重合ゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)等を挙げることができる。中でも、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムが好ましく、ポリイソプレンゴムがより好ましく使用できる。
極性基としては、炭素原子及び水素原子以外の原子を有する基であればよく、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、エステル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、ハロゲン等が挙げられる。中でも、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エステル基、エポキシ基及びアミノ基が好ましく、酸無水物基、カルボキシル基及び水酸基がより好ましく、酸無水物基及びカルボキシル基が特に好ましい。
極性基の含有量は、特に制限されないが、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルの範囲である。この含有量が少なすぎても多すぎても、酸素吸収性に劣る傾向がある。
極性基含有共役ジエン重合体環化物は、例えば、(1)極性基を含有し又は含有しない共役ジエン重合体を酸触媒の存在下に環化して共役ジエン重合体環化物を得て、この共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法、(2)極性基を含有する共役ジエン重合体を酸触媒の存在下に環化する方法、(3)極性基を含有しない共役ジエン重合体に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加した後、酸触媒の存在下に環化する方法により製造することができる。前記(2)又は(3)の方法で得た極性基を含有する共役ジエン重合体環化物に、さらに極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加させることもできる。極性基含有共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率をより調整し易い点で、極性基を含有しない共役ジエン重合体を使用する、前記(1)の方法が好ましく採用できる。
共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体又は共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体とを、常法に従って重合することによって得ることができる。例えば、チタン等を触媒成分として含むチーグラー系重合触媒、アルキルリチウム重合触媒、又はラジカル重合触媒等の適宜な触媒を用いて、溶液重合又は乳化重合すればよい。
共役ジエン重合体の環化反応に用いる酸触媒としては、従来公知のものが使用でき、例えば、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物又はアルキルエステル等の有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアンモニウムジクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄等の金属ハロゲン化物;等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、有機スルホン酸化合物が好ましく、p−トルエンスルホン酸がより好ましく使用できる。
酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。
環化反応は、通常、共役ジエン重合体を炭化水素溶媒中に溶解し、酸触媒の存在下で反応させることにより行われる。
炭化水素溶媒は、環化反応を阻害しないものであれば特に限定されない。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒を共役ジエン単量体の重合反応に用いた場合は、その重合溶媒をそのまま環化反応の溶媒として用いることもでき、この場合は、重合反応が終了した重合反応液に酸触媒を添加して、環化反応を行うことができる。
炭化水素溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%となる範囲である。
環化反応は、加圧、減圧又は大気圧いずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行うことが望ましく、中でも乾燥気流下、特に乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行うと水分に起因する副反応を抑えることができる。
環化反応における、反応温度や反応温度は常法に従えばよく、反応温度は、通常、50〜150℃、好ましくは70〜110℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは2〜7時間である。
環化反応を行った後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去した後、所望により、酸化防止剤を添加し、炭化水素溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を取得することができる。
得られた共役ジエン重合体環化物が極性基を含有しないものである場合は、次に、この共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加させる。この付加反応は、環化反応に用いた炭化水素系溶媒を完全に除去することなく、環化反応に引き続き行なうこともできる。
共役ジエン重合体環化物に極性基を導入するために使用する極性基含有エチレン性不飽和化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、エステル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、ハロゲン等の極性基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
酸無水物基又はカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸化合物が挙げられ、中でも、無水マレイン酸が反応性及び経済性の点で賞用される。
水酸基を含有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル類;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基を有する不飽和酸アミド類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等の不飽和酸のポリアルキレングリコールモノエステル類;グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の不飽和酸の多価アルコールモノエステル類;等が挙げられ、これらの中でも、不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル類が好ましく、特にアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
その他の極性基を含有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
極性基含有エチレン性不飽和化合物を共役ジエン重合体環化物に付加する方法は特に限定されないが、一般にエン付加反応又はグラフト重合反応と呼ばれる公知の反応を採用できる。
この付加反応は、共役ジエン重合体環化物と極性基含有エチレン性不飽和化合物とを、必要に応じてラジカル発生剤の存在下に、反応させることによって行われる。ラジカル発生剤としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシド等のパーオキシド類;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類;等が挙げられる。
付加反応は、固相状態で行っても、溶液状態で行ってもよいが、反応制御がし易い点で、溶液状態で行なうことが好ましい。使用される溶媒としては、例えば、前述したような環化反応における炭化水素系溶媒と同様のものが挙げられる。
極性基含有エチレン性不飽和化合物の使用量は、適宜選択されるが、導入された極性基の割合が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルとなるような範囲である。
前記付加反応は、加圧、減圧又は大気圧いずれの圧力下でも行なうことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行なうことが望ましく、中でも乾燥気流下、とくに乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行なうと、水分に由来する付加反応率の低下を抑制することができる。
また、前記付加反応においては、反応温度は、通常、30〜250℃、好ましくは60〜200℃であり、反応時間は、通常、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。
極性基を含有する共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法は、上述の極性基を含有しない共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法に準じればよい。
このとき、極性基含有エチレン性不飽和化合物の使用量は、適宜選択されるが、付加反応により導入された極性基と付加前に共役ジエン重合体環化物が有していた極性基との合計が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルとなるような範囲である。
極性基を含有する共役ジエン重合体を環化する方法は、上記極性基を含有しない共役ジエン重合体を環化する方法に準じればよい。
また、極性基を含有しない共役ジエン重合体に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法も、上述の極性基を含有しない共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法に準じればよい。
このとき、極性基含有エチレン性不飽和化合物の使用量は、適宜選択されるが、得られる付加物を環化反応した後、極性基の割合が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルとなるような範囲である。
極性基含有共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、通常、10%以上、好ましくは40〜75%、より好ましくは55〜70%である。不飽和結合減少率が小さすぎると酸素吸収後の機械的強度の低下が大きくなる傾向にあり、逆に大きすぎると、その製造が困難になると共に、酸素吸収性が低下する傾向がある。
ここで、不飽和結合減少率は、極性基含有共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、不飽和結合が環化反応によって減少した程度を表す指標であり、以下のようにして求められる数値である。即ち、プロトンNMR分析により、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、全プロトンのピーク面積に対する二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積の比率を、環化反応前後について、それぞれ求め、その減少率を計算する。
いま、極性基含有共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBUとし、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
極性基含有共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、環化反応の際の酸触媒量、反応温度及び反応時間等を適宜選択して調節することができる。
極性基含有共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜700,000、より好ましくは30,000〜500,000である。
極性基含有共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が低すぎると、フィルムに成形し難く、機械的強度が低くなる傾向にある。極性基含有共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が高すぎると、環化反応する際の溶液粘度が上昇して、取り扱い難くなると共に、押出成形時の加工性が低下する傾向にある。
極性基含有共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、原料として用いる共役ジエン重合体の重量平均分子量を適宜選択して調節することができる。
極性基含有共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択できるが、通常、−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜90℃、特に好ましくは30〜70℃の範囲である。極性基含有共役ジエン重合体環化物のTgが、これらの範囲を外れる場合は取り扱い性に問題が生じる場合がある。
極性基含有共役ジエン重合体環化物のTgは、原料として用いる(極性基含有)共役ジエン重合体の組成や不飽和結合減少率を適宜選択して調節することができる。
極性基含有共役ジエン重合体環化物のゲル量(トルエン不溶解分の割合)は、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるが、実質的にゲルを有しないものであることが特に好ましい。ゲル量が多すぎると、押出成形時の加工性が低下して平滑なフィルムに成形し難くなったり、均一な溶液を調製し難くなったりする。
本発明で用いる極性基含有共役ジエン重合体環化物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
極性基含有共役ジエン重合体環化物中の酸化防止剤の含有量は、好ましくは500ppm以下、より好ましくは400ppm、特に好ましくは300ppm以下である。この含有量が多すぎると、この極性基含有共役ジエン重合体環化物を用いて得られる酸素吸収剤の酸素吸収性を低下させる傾向にある。酸化防止剤含有量の下限は、好ましくは10ppm、より好ましくは20ppmである。
使用し得る酸化防止剤としては、樹脂材料又はゴム材料の分野において通常使用されるものであれば特に制限されない。その具体例としては、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、ビタミンE、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−(t−ブチル)−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス−(6−t−ブチル−p−クレゾール)、1,3,5−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビスオクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等を挙げることができる。
また、ホスファイト系酸化防止剤の具体例としては、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリスデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−3−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及び下記式(1)〜(4)で表されるホスファイト化合物等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 0004569269
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本発明の酸素吸収剤には、極性基含有共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料を配合することが好ましい。
本発明の酸素吸収剤に、極性基含有共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料を配合することにより、酸素吸収剤の引裂強さが向上する。
使用しうる極性基含有共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂に各種ゴムを併用することも可能である。
極性基含有共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
極性基含有共役ジエン重合体環化物と極性基含有共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料とを含有してなる酸素吸収剤において、極性基含有共役ジエン重合体環化物の含有量は、100〜10重量%が好ましく、90〜20重量%がより好ましく、85〜30重量%が更に好ましく、80〜50重量%が特に好ましい。上記範囲内において、酸素吸収性と引裂強さとのバランスが良好に保たれ、極性基含有共役ジエン重合体環化物の割合が高い程、酸素吸収性が良好なものとなる。
熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリビニルアルコール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン単独重合体;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分又は完全鹸化物等のその他のエチレン共重合体;これらのポリオレフィン樹脂を無水マレイン酸等の酸無水物等でグラフト変性したグラフト変性ポリオレフィン樹脂;等を挙げることができる。
ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,12等を挙げることができる。
ポリビニルアルコール樹脂の具体例としては、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分又は完全鹸化物等を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン樹脂、とりわけ、オレフィン単独重合体及びエチレンとα−オレフィンとの共重合体が極性基含有共役ジエン重合体環化物との相溶性に優れるため好ましい。
これらの熱可塑性樹脂と併用しうるゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)ゴム、ポリ(スチレン−ブタジエン)ゴム、ポリ(エチレン−プロピレン−ジエン)ゴム、アクリルゴム等を例示することができる。
本発明の酸素吸収剤は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、極性基含有共役ジエン重合体環化物に配合できるものと同様のものを使用できる。
本発明の酸素吸収剤中の酸化防止剤の含有量は、好ましくは500ppm以下、より好ましくは400ppm、特に好ましくは300ppm以下である。この含有量が多すぎると、酸素吸収性を低下させる傾向にある。酸素吸収剤中の酸化防止剤含有量の下限は、好ましくは10ppm、より好ましくは20ppmである。
酸化防止剤を含有する酸素吸収剤は、押出成形時の加工性が良好で平滑なフィルムに成形しやすく、成形時に機械的強度が低下することがない。
酸化防止剤を含有する酸素吸収剤を得るには、その原料として使用する極性基含有共役ジエン重合体環化物に予め酸化防止剤を添加しておいてもよく、酸素吸収剤を調製するときに、酸化防止剤を配合してもよい。
本発明の酸素吸収剤には、本発明の効果を本質的に損なわない限り、酸素吸収性を高める作用を有する触媒、光開始剤、熱安定剤、補強剤、充填剤、難燃剤、着色剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、乾燥剤、脱臭剤、帯電防止剤、粘着防止剤、防曇剤、表面処理剤等の添加剤を配合することができる。
これらの添加剤は、酸素吸収剤の分野で従来公知のものの中から、目的に応じて、適宜選択し、適量配合することができる。
また、添加剤の配合方法は、特に制限されず、酸素吸収剤を構成する各成分を、溶融混練したり、溶液状態で混合した後に溶剤を除去したりすることにより行うことができる。
酸素吸収性を高める作用を有する触媒としては、遷移金属塩がその典型的なものとして挙げられる。本発明の酸素吸収剤は、このような遷移金属塩を含有していなくても、十分な酸素吸収性を発揮するが、遷移金属塩を含有させることにより、更に酸素吸収性に優れたものとなる。
このような遷移金属塩としては、特表2001−507045号公報、特開2003−71992号公報及び特表2003−504042号公報等に例示されたものが挙げられ、オレイン酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト(II)、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)等が好ましく、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)がより好ましい。
前記遷移金属塩の配合量は、通常、酸素吸収剤の10〜10,000ppm、好ましくは20〜5,000ppm、より好ましくは50〜5,000ppmである。
光開始剤は、酸素吸収剤にエネルギー線を照射した際に、酸素吸収反応の開始を促進する作用を有する。
光開始剤としては、特表2003−504042号公報に例示されているベンゾフェノン類、アセトフェノン類、アントラキノン類等が挙げられる。
光開始剤の配合量は、通常、酸化吸収剤の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
本発明の酸素吸収剤の形態は、特に限定されず、フィルム状、シート状、ペレット状、粉体状等各種の形態で使用することができる。ペレット及び粉体の形状にも制限はない。中でも、シート、フィルム又は粉体の形状であると、単位重量当たりの表面積が大きくなり、酸素吸収速度を向上することができるので好ましく、フィルム又は粉体がより好ましい。
フィルムの厚みは、通常、10μm以上、250μm未満であり、シートの厚みは、通常、250μm以上、3mm未満である。
粉体の数平均粒子径は、通常、1〜1,000μm、好ましくは10〜500μmである。
本発明の酸素吸収剤を所望の形状にする方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用できる。
シート又はフィルムの場合、例えば、溶液キャスト法により成形したり、単軸又は多軸の溶融押出機を用い、T−ダイ、サーキュラーダイ等所定形状のダイを通して押出成形したりすることにより成形できる。勿論、圧縮成形法、射出成形法等を採用することも可能である。
粉体の場合、例えば、酸素吸収剤に含有される極性基共役ジエン重合体環化物のTg未満の温度雰囲気下で、酸素吸収剤を粉砕することにより、粉体状の酸素吸収剤を得ることができる。
更に、ブロー成形法、射出成形法、真空成形法、圧空成形法、張出成形法、プレグアシスト成形法、粉体成形法を用いて、所望の形状に成形することもできる。
本発明の酸素吸収剤を使用するにあたり、エネルギー線を照射して、酸素吸収反応の開始を促進したり、酸素吸収速度を高めたりすることができる。エネルギー線としては、例えば、可視光線、紫外線、X線、電子線、γ線等を利用可能である。照射エネルギー量は、用いるエネルギー線の種類に応じて、適宜選択することができる。
本発明の酸素吸収剤は、ビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク等の飲料;果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品類等の食品;医薬品、電子部品、記録媒体、化粧品、ガソリン等の酸素の存在下で劣化しやすい物品の酸素吸収剤として好適に使用できる。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の記載における「部」及び「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
また、各特性の評価は以下のように行った。
(1)極性基含有共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算値で示す。
(2)極性基含有共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率
不飽和結合減少率は、下記(i)及び(ii)の文献に記載された方法を参考にして、プロトンNMR測定により求める。
(i) M.a.Golub and J.Heller.Can.J.Chem,41,937(1963).
(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci: Poly.Chem.Ed.,17,3027(1979).
いま、極性基含有共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
(3)極性基含有共役ジエン重合体環化物の環化率
共役ジエン重合体の環化の程度は、環化率によっても評価することができる。
環化率は、上記(i)の文献に記載された方法に準じて、プロトンNMR測定により求める。
(4)酸無水物基又はカルボキシル基含有共役ジエン重合体環化物の酸無水物基又はカルボキシル基含有量
フーリエ変換赤外スペクトルにより、酸無水物基のピーク強度(1760〜1780cm−1)及びカルボキシル基のピーク強度(1700cm−1)を測定して、検量線法により酸無水物基及びカルボキシル基の含有量を求める。全重合体100gに対する含有量(ミリモル)で示す。
(5)フィルム状の酸素吸収剤における酸素吸収量
厚みが12μmの外層ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/厚みが20μmの中間層アルミニウム箔(Al)/厚みが30μmの内層ポリエチレンフィルム(PE)の3層フィルムからなる袋に、200ミリリットルの空気と共にフィルム状の酸素吸収剤を密封する。これを、25℃で一定期間放置した後、袋内の酸素濃度を酸素濃度計(Neutronics社製 酸素分析計 HS−750)を用いて、測定する。この結果から、フィルム状の酸素吸収剤1m(表面積換算)が吸収した1日あたりの酸素容積を求める。
(6)フィルム状の酸素吸収剤の引張強さ
厚みが100〜120μmのフィルム状の酸素吸収剤を用いて、JIS K 7127に従い、50mm/分の引張速度で引っ張り、フィルム状の酸素吸収剤の引張強さを求める。
酸素吸収させる前及びフィルム状の酸素吸収剤が自重の5重量%の酸素を吸収した時点でのフィルム状の酸素吸収剤の引張強さを測定し、前者の引張強さに対する後者の引張強さの保持率を計算し、以下の基準で判定する。
○:保持率70%を超える。
△:保持率が50〜70%である。
×:保持率が50%未満である。
(8)フィルム状の酸素吸収剤の引裂強さ
JIS K 7128−3に従い、厚さ100μmの試験片について、試験機としてインストロン5566(インストロン社製)を用いて、23℃で測定した。なお、測定繰返し回数は5である。
(7)粉体状の酸素吸収剤における酸素吸収量
厚みが12μmの外層ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/厚みが20μmの中間層アルミニウム箔(Al)/厚みが30μmの内層ポリエチレンフィルム(PE)の3層フィルムからなる袋に、200ミリリットルの空気と共に粉体状の酸素吸収剤を密封する。これを、30℃で一定期間放置した後、袋内の酸素濃度を酸素濃度計(Neutronics社製 酸素分析計 HS−750)を用いて、測定する。この結果から、粉体状の酸素吸収剤1gが吸収した1日あたりの酸素容積を求める。
(製造例1:極性基含有共役ジエン重合体環化物Aの製造)
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた耐圧反応器に、10mm角に裁断したポリイソプレン(シス−1,4−結合単位含有量73%、トランス−1,4結合単位含有量22%、3,4−結合単位含有量5%、重量平均分子量174,000)300部を、トルエン700部とともに仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、85℃に加温して攪拌下でポリイソプレンをトルエンに完全に溶解した後、p−トルエンスルホン酸(トルエン中で、水分量が150ppm以下になるように、還流脱水したもの。以下、「無水パラトルエンスルホン酸」という。)2.4部を投入し、85℃で環化反応を行った。4時間反応させた後、炭酸ナトリウム0.83部を含む25%炭酸ナトリウム水溶液を投入して反応を停止した。85℃で、イオン交換水300部を用いた洗浄を3回繰り返して、系中の触媒残渣を除去した。
得られた重合体環化物の溶液に、無水マレイン酸7.5部を添加し、160℃で4時間付加反応を行なった。溶液中のトルエンの一部を留去し、極性基含有重合体環化物に対して、300ppmに相当する量のホスファイト系酸化防止剤(2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(アデカスタブHP−10:旭電化工業社製))を添加した後、溶液中のトルエンの一部を留去し、更に真空乾燥を行って、トルエン及び未反応の無水マレイン酸を除去して、固形状の極性基含有共役ジエン重合体環化物Aを得た。極性基含有共役ジエン重合体環化物Aの不飽和結合減少率、重量平均分子量及び極性基含有量を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1には、環化率も併せて示した。
(製造例2:極性基含有共役ジエン重合体環化物Bの製造)
無水パラトルエンスルホン酸の使用量を2.25部に変更し、環化反応後に添加する炭酸ナトリウムの量を0.78部に変更すること以外は、製造例1と同様にして、極性基含有共役ジエン重合体環化物Bを得た。実施例1におけると同様に、その評価を行った。その結果を表1に示す。なお、表1には、環化率も併せて示した。
(製造例3:極性基含有共役ジエン重合体環化物Cの製造)
ポリイソプレンを、Nipol IR−2200(シス−1,4−結合単位含有量99%以上、日本ゼオン社製)をロールで素練りして得た重量平均分子量が302,000のハイシスポリイソプレンに変更し、無水パラトルエンスルホン酸の使用量を2.16部に変更し、環化反応後に添加する炭酸ナトリウムの量を0.75部に変更する以外は、製造例1と同様にして、極性基含有共役ジエン重合体環化物Cを得てその評価を行った。その結果を表1に示す。なお、表1には、環化率も併せて示した。
(製造例4:極性基含有共役ジエン重合体環化物Dの製造)
ポリイソプレンを、シス−1,4−結合単位含有量68%、トランス−1,4−結合単位含有量25%及び3,4−結合単位含有量7%の重量平均分子量141,000のポリイソプレンに変更し、無水パラトルエンスルホン酸の使用量を2.69部に変更し、環化反応後に添加する炭酸ナトリウムの量を1.03部に変更する以外は、製造例1と同様にして、極性基含有共役ジエン重合体環化物Dを得てその評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004569269
(実施例1)
極性基含有共役ジエン重合体環化物Aを、窒素雰囲気下で、100℃で圧縮成形して、厚みが120μのフィルム(フィルム状の酸素吸収剤1)を作製した。100mm×100mmの寸法に裁断した厚さ120μmのフィルム状の酸素吸収剤1を、150mm×220mmの寸法の、厚みが12μmの外層ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/厚みが20μmの中間層アルミニウム箔(Al)/厚みが30μmの内層ポリエチレンフィルム(PE)の3層フィルムからなる袋に、200ミリリットルの空気と共に密封した。次いで、これを25℃で1日間放置した後、袋内の酸素濃度を酸素濃度計で測定し、フィルム状の酸素吸収剤1の酸素吸収量を求めた。その結果を表2に示す。また、フィルム状の酸素吸収剤1の酸素吸収前後における引張強さを測定し、その保持率を求めた。その結果を表2に示す。
なお、フィルム状の酸素吸収剤の引裂強さは90.4N/mmであった。
(実施例2及び3)
極性基含有共役ジエン重合体環化物Aを、それぞれ、極性基含有共役ジエン重合体環化物B及びCに変える以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の酸素吸収剤2及び3を得た。実施例1と同様にして、その酸素吸収量及び引張強さの保持率の測定を行った。それらの結果を表2に示す。
なお、実施例2のフィルム状の酸素吸収剤の引裂強さは94.1N/mmであった。
(実施例4)
窒素雰囲気下で、極性基含有共役ジエン重合体環化物Aの30%トルエン溶液を調製した。これに、極性基含有共役ジエン重合体環化物Aに対してコバルト金属が300ppmになる量のネオデカン酸コバルトを添加した。この溶液からトルエンの一部を留去した後、真空乾燥を行って、トルエンを除去して、ネオデカン酸コバルトを含有する極性基含有共役ジエン重合体環化物Aを得た。
極性基含有共役ジエン重合体環化物Aに代えて、ネオデカン酸コバルトを含有する極性基含有共役ジエン重合体環化物Aを用いる以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の酸素吸収剤4を得た。実施例1と同様にして、その酸素吸収量及び引張強さの保持率の測定を行った。その結果を表2に示す。
(実施例5及び6)
極性基含有共役ジエン重合体環化物Aを、それぞれ、極性基含有共役ジエン重合体環化物B及びCに変える以外は、実施例4と同様にして、フィルム状の酸素吸収剤5及び6を得た。実施例1と同様にして、その酸素吸収量及び引張強さの保持率の測定を行った。それらの結果を表2に示す。
(実施例7)
極性基含有共役ジエン重合体環化物Aとメルトフローレート(MFR)6.4のポリプロピレン(PP)(出光石油化学社製、F−744NP)とを80/20の割合でヘンシェルミキサーを用いて混合後、210℃に設定された2軸押出機によって溶融混練して、ペレット化したポリマー混合物を作製した。ペレットを180℃の電熱ロールでシート状に成型し、160℃で圧縮成形して、厚みが120μmの極性基含有共役ジエン重合体環化物A・ポリプロピレン混練フィルム(フィルム状の酸素吸収剤7)を作製した。この混練フィルム(フィルム状の酸素吸収剤7)を100mm×100mmの寸法に裁断し、150mm×220mmの寸法の、厚みが12μmの外層ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/厚みが20μmの中間層アルミニウム箔(Al)/厚みが30μmの内層ポリエチレンフィルム(PE)の3層フィルムからなる袋に、200ミリリットルの空気と共に密封した。次いで、25℃で1日間放置した後、袋内の酸素濃度を酸素濃度計で測定し、その測定結果からフィルム状の酸素吸収剤7の酸素吸収量を求めた。また、フィルム状の酸素吸収剤7の酸素吸収前後における引張強さを測定し、その保持率を求めた。結果を表2に示す。
なお、フィルム状の酸素吸収剤の引裂強さは152.8N/mmであり、実施例1の結果と比較すると、ポリプロピレンの併用により引裂強さが向上したことが分かる。
(実施例8)
極性基含有共役ジエン重合体環化物BとMFR2.0のポリエチレン(PE)(出光石油化学社製、LLDPE 0234)とを45/55の割合でヘンシェルミキサーを用いて混合後、200℃に設定された2軸押出機によって溶融混練して、ペレット化したポリマー混合物を作成した。ペレットを180℃の電熱ロールでシート状に成型し、160℃で圧縮成形して、厚みが120μmの極性基含有共役ジエン重合体環化物B・ポリエチレン混練フィルム(フィルム状の酸素吸収剤8)を作製した。この混練フィルム(フィルム状の酸素吸収剤8)を100mm×100mmの寸法に裁断し、150mm×220mmの寸法の、厚みが12μmの外層ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/厚みが20μmの中間層アルミニウム箔(Al)/厚みが30μmの内層ポリエチレンフィルム(PE)の3層フィルムからなる袋に、200ミリリットルの空気と共に密封した。次いで、25℃で1日間放置した後、袋内の酸素濃度を酸素濃度計で測定し、その測定結果からフィルム状の酸素吸収剤8の酸素吸収量を求めた。また、フィルム状の酸素吸収剤8の酸素吸収前後における引張強さを測定し、その保持率を求めた。結果を表2に示す。
なお、フィルム状の酸素吸収剤8の引裂強さは141.5N/mmであり、実施例2の結果と比較すると、ポリエチレンの併用により引裂強さが向上したことが分かる。
(比較例1)
窒素雰囲気下で、ポリイソプレン(シス−1,4−結合単位含有量73%、トランス−1,4−結合単位含有量22%、3,4−結合単位含有量5%、重量平均分子量174,000)の30%トルエン溶液を調製し、これを厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布・乾燥して、厚み120μmのポリイソプレンフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C1)を形成した。ポリエチレンテレフタレートフィルムから、このポリイソプレンフィルムをきれいに剥離することができなかったので、そのまま、100mm×100mmに裁断し、その試験片を用いて、実施例1と同様にして、酸素吸収量を測定した。但し、ポリイソプレンフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C1)の表面積は、片面のみとして計算した。その結果を表2に示す。
引張強さを測定できる程度のポリイソプレンフィルムを剥離することは可能であったので、ポリイソプレンフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C1)の引張強さの保持率を、実施例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
(比較例2)
β−ピネン重合体(YSレジンPXN−1150N;ヤスハラケミカル社製)の20%トルエン溶液を調製した後、メタノールで沈殿精製して、酸化防止剤を除去したβ−ピネン重合体を得た。
ポリイソプレンに代えて、酸化防止剤を除去した上記β−ピネン重合体を用いる以外は、比較例1と同様にして、フィルム状の酸素吸収剤C2を得た。実施例1と同様にして、その酸素吸収量及び引張強さの保持率を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例3)
特表2003−504042号公報の実施例16に従い、シクロペンテン(CPE)単位含有量が15.5モル%であるエチレン−シクロペンテン(CPE)共重合体(重量平均分子量=83,500)を得た。
窒素雰囲気下で、前記エチレン−CPE共重合体の30%トルエン溶液を調製し、それを厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布・乾燥して、厚みが120μmのエチレン−CPE共重合体のフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C3)を形成した。ポリエチレンテレフタレートフィルムから、エチレン−CPE共重合体のフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C3)を剥離し、100mm×100mmに裁断した試験片を得た。このフィルム状の酸素吸収剤C3を用いて、実施例1と同様にして、酸素吸収量及び引張強さの保持率を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例4)
窒素雰囲気下で、ポリイソプレン(シス−1,4−結合単位含有量73%、トランス−1,4−結合単位含有量22%、3,4−結合単位含有量5%、重量平均分子量174,000)の30%トルエン溶液を調製し、これにポリイソプレンに対してコバルト金属が1,000ppmになる量のネオデカン酸コバルトを添加した。この溶液を厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布・乾燥して、厚みが120μmのポリイソプレンのフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C4)を形成した。ポリエチレンテレフタレートフィルムから、このポリイソプレンのフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C4)をきれいに剥離することができなかったので、そのまま、100mm×100mmに裁断し、その試験片を用いて、実施例1と同様にして、酸素吸収量を測定した。但し、ポリイソプレンフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C4)の表面積は、片面のみとして計算した。その結果を表2に示す。
引張強さを測定できる程度のポリイソプレンフィルムを剥離することは可能であったので、ポリイソプレンフィルム(フィルム状の酸素吸収剤C4)の引張強さの保持率を、実施例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
(比較例5)
β−ピネン重合体(YSレジンPXN−1150N;ヤスハラケミカル社製)の20%トルエン溶液を調製した後、メタノールで沈殿精製して、酸化防止剤を除去したβ−ピネン重合体を得た。
窒素雰囲気下で、酸化防止剤を除去したβ−ピネン重合体の30%トルエン溶液を調製し、それにβ−ピネン重合体に対してコバルト金属が1,000ppmになる量のネオデカン酸コバルトを添加した。この溶液を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布・乾燥して、厚み120μmのβ−ピネン重合体フィルム(フィルム状の酸素吸収剤C5)を形成した。ポリエチレンテレフタレートフィルムから、β−ピネン重合体フィルム(フィルム状の酸素吸収剤C5)をきれいに剥離することができなかったので、そのまま、100mm×100mmに裁断し、その試験片を用いて、実施例1と同様にして、酸素吸収量を測定した。但し、該β−ピネン重合体フィルム(フィルム状の酸素吸収剤C5)の表面積は、片面のみとして計算した。その結果を表2に示す。
引張強さを測定できる程度のβ−ピネン重合体フィルム(フィルム状の酸素吸収剤C5)を剥離することは可能であったので、このフィルム状の酸素吸収剤C5の引張強さの保持率を、実施例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
(比較例6)
特表2003−504042号公報の実施例16に従い、シクロペンテン単位が15.5モル%であるエチレン−シクロペンテン(CPE)共重合体(重量平均分子量=83,500)を得た。
窒素雰囲気下で、エチレン−CPE共重合体の30%トルエン溶液を調製し、それにエチレン−CPE共重合体に対してコバルト金属が1,000ppmになる量のネオデカン酸コバルトを添加した。その溶液を、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布・乾燥して、厚み120μmのエチレン−シクロペンテン共重合体フィルム(フィルム状の酸素吸収剤C6)を形成した。ポリエチレンテレフタレートフィルムから、このエチレン−CPE共重合体フィルム(フィルム状の酸素吸収剤C6)を剥離し、100mm×100mmに裁断した試験片を得た。このフィルム状の酸素吸収剤C6を用いて、実施例1と同様にして、酸素吸収量及び引張強さの保持率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004569269
(実施例9)
極性基含有共役ジエン重合体環化物Dを、窒素雰囲気下で、ラボブレンダー(WARING BLENDOR モデル34BL97:WARING COMMERCIAL社製)を用いて、微粉砕して数平均粒子径が150μmの粉体状の酸素吸収剤9を得た。
粉体状の酸素吸収剤9の2gを、150mm×220mmの寸法の外層ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)/中間層アルミニウム箔(Al)/内層ポリエチレンフィルム(PE)の3層フィルムからなる袋に、200ミリリットルの空気と共に密封した。これを、30℃で1日間放置した後、袋内の酸素濃度を酸素濃度計で測定した。その結果から、粉体状の酸素吸収剤9の酸素吸収量を求めたところ、12ml(O)/g・日であった。
表2から以下のようなことが分かる。
ポリイソプレンを用いた、コバルト塩を含有しない酸素吸収剤は、酸素吸収性及び引張強さの保持率に劣る(比較例1)。これにコバルト塩を含有させると、酸素吸収性は向上するものの不十分であり、引張強さの保持率にも劣る(比較例4)。
β−ピネン重合体を用いた、コバルト塩を含有しない酸素吸収剤は、酸素吸収性及び引張強さの保持率に劣る(比較例2)。これにコバルト塩を含有させることにより、酸素吸収性は向上するものの、引張強さの保持率に劣る(比較例5)。
エチレン−シクロペンテン(CPE)共重合体を用いた、コバルト塩を含有しない酸素吸収剤は、酸素吸収性に劣り(比較例3)、これにコバルト塩を含有させることにより、酸素吸収性は若干向上するものの不十分である(比較例6)。
これらの比較例に対して、本発明の酸素吸収剤は、コバルト塩を含有していてもいなくても、酸素吸収性及び引張強さの保持率に優れている(実施例1〜3)が、コバルト塩を含有する場合の方がやや優れた酸素吸収性を示す(実施例4〜6)。
また、極性基含有共役ジエン重合体環化物と熱可塑性樹脂とを含有する酸素吸収剤も、酸素吸収性及び引張強さの保持率に優れていることが分かる(実施例7及び8)。
また、本発明の粉体状の酸素吸収剤は、酸素吸収性に優れている(実施例9)。

Claims (9)

  1. 酸触媒の存在下に共役ジエン重合体を環化反応させて得られる共役ジエン単量体単位由来の環構造を有する、極性基含有共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤。
  2. 極性基含有共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10%以上である請求項1に記載の酸素吸収剤。
  3. 極性基含有共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が1,000〜1,000,000である請求項1又は2に記載の酸素吸収剤。
  4. 極性基が、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エステル基、エポキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくともひとつの基である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  5. 極性基の含有量が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、0.1〜200ミリモルである請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  6. 極性基含有共役ジエン重合体環化物と熱可塑性樹脂とを含有してなる請求項1〜5のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  7. 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリビニルアルコール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項6に記載の酸素吸収剤。
  8. 500ppm以下の酸化防止剤を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  9. フィルム、シート又は粉体の形態を有する請求項1〜8のいずれかに記載の酸素吸収剤。
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